JP4056172B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本出願発明は、車両の操舵力を軽減するための操舵補助力を発生する電動パワーステアリング装置に関し、さらに詳細には、電動パワーステアリング装置の電動モータの回転駆動力をラック軸に伝達するための駆動力伝達構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両のステアリングホイールによる操舵力を軽減するために、該操舵力に電動モータの発生する操舵補助力を付加する種々の電動パワーステアリング装置が知られている。例えば、特開平8−207796号公報に記載された電動パワーステアリング装置では、ステアリングホイールからの操舵力に応じて転舵輪を転舵すべく軸方向に移動自在なラック軸が、ボールねじ機構を介して伝達される電動モータの回転駆動力により移動されて、操舵力を補助するようになっている。ここでは、ボールねじ機構のボールナットに固定された傘歯車が、電動モータの出力軸に固定された傘歯車と噛み合って、回転駆動される。また、電動モータは、その軸線がラック軸の軸線に対して鋭角をなすように配置されている。
【0003】
そして、電動モータのこのような配置により、例えば実公平5−20626号公報の第1図に記載されているような、電動モータの軸線とラック軸の軸線とが直交して配置されている電動パワーステアリング装置に比べて、ラック軸と直交する方向への電動モータの突出量が少なくなるため、電動パワーステアリング装置がコンパクトになり、レイアウトの自由度を増すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平8−207796号公報に記載された電動パワーステアリング装置では、電動モータの出力軸に固定された傘歯車とボールナットに固定された傘歯車との噛み合い部分は、電動モータの軸線とラック軸の軸線とがなす角度の鋭角側にあるため、ボールナット側の傘歯車の大きさが制限され、大きな減速比を得ることが困難であった。また、大きな減速比を得ようとすると、ボールナット側の傘歯車の径を大きくせざるを得ず、結果的に装置が大型化して、電動モータを鋭角に配置したことによるレイアウト上の利点が失われるおそれがあった。
【0005】
本出願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、装置をコンパクトにして、レイアウトの自由度を増すと同時に、大きな減速比を有する電動パワーステアリング装置を提供すること、および電動パワーステアリング装置の耐久性の向上を図ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および効果】
本出願の請求項1記載の発明は、入力された操舵力に応じて車両の転舵輪を転舵すべく軸方向に移動自在なラック軸と、該ラック軸と同軸に配置された回転部材を有するとともに該回転部材の回転を前記ラック軸の軸方向の移動に変換する変換機構と、前記操舵力を補助する補助力を発生する電動モータと、該電動モータの出力軸に取り付けられた第1歯車と、該第1歯車との噛み合いにより回転駆動されるとともに前記回転部材に同軸に設けられて該回転部材を回転駆動する第2歯車とを備え、前記電動モータの軸線が前記ラック軸の軸線に対して傾斜して配置された電動パワーステアリング装置において、前記第1歯車と前記第2歯車との噛み合い部分が、前記電動モータの前記出力軸の軸線と前記ラック軸の軸線とがなす角度の鈍角側に位置し、前記第2歯車の基準ピッチ面から歯先側に向かって延びる該基準ピッチ面の法線が、前記ラック軸を指向している電動パワーステアリング装置である。
【0007】
このような請求項1記載の発明によれば、電動モータの軸線がラック軸の軸線に対して傾斜して配置されているため、電動モータがラック軸の径方向外方に突出する度合いは、電動モータの軸線がラック軸の軸線と直交するように配置されたものに比べて小さくなる。その結果、電動パワーステアリング装置がコンパクトとなって、そのレイアウトの自由度を増すことができる。
【0008】
そして、第1歯車と第2歯車との噛み合い部分が、電動モータの出力軸の軸線とラック軸の軸線とがなす角度の鈍角側にあるので、第2歯車の大きさは、傾斜している出力軸の位置および第1歯車に基づく制約を受けることが少なく、電動モータの軸線および出力軸の軸線が傾斜して配置されているにも拘わらず、第2歯車として、比較的径の大きな歯車を採用することが可能となる。その結果、減速比も大きくすることができて、減速比に関する設計の自由度が増える。また、第1および第2歯車のみで所望の減速比が得られるため、所望の減速比を得るために3個以上の歯車から構成される複雑な減速機構が不要となるので、部品点数を削減でき、減速機構をコンパクトに構成することができる。
【0009】
さらに、前記第2歯車の基準ピッチ面から歯先側に向かって延びる該基準ピッチ面の法線が、前記ラック軸を指向していることにより、第1および第2歯車の噛み合い率を高めることができるので、操舵補助力の源である電動モータからの大きなトルクも、確実に第2歯車に伝達できる。また、噛み合い部分の個々の歯に作用する伝達荷重を分散して小さくできるので、歯車の耐強度および耐久性を向上させることができる。
【0010】
なお、この明細書において、電動モータの軸線とは電動モータのロータの回転中心線を意味する。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、本出願発明の一実施形態を図1および図2を参照して説明する。
図1は、本出願発明の実施形態である電動パワーステアリング装置の概略全体図であり、図2は、その要部拡大図である。
【0012】
電動パワーステアリング装置1は、車両の左右方向に延びる略円筒状のハウジング2を備えており、該ハウジング2内にラック軸5が軸方向に移動自在に収容されている。ハウジング2は、ハウジング本体3とハウジング本体3の一端部である拡開した開口端部に装着された歯車収容ハウジング4とから構成されている。そして、この歯車収容ハウジング4は、電動モータ6の取付部4aと、ラック軸5が軸方向に移動自在に挿通する挿通部4bとを有している。また、ラック軸5の両端部は、それぞれボールジョイントを介してタイロッド7,7に連結されていて、ラック軸5の移動によりタイロッド7,7が動かされ、さらに転舵機構を介して、車両の転舵輪が転舵される。
【0013】
一方のボールジョイントは、一端部がハウジング本体3の端部に嵌着され、他端部がタイロッド7に嵌着された防塵用の第1ブーツ8により覆われている。そして、他方のボールジョイントは、一端部が歯車収容ハウジング4の挿通部4bに嵌着され、他端部がタイロッド7に嵌着された防塵用の第2ブーツ9により覆われている。
【0014】
ハウジング本体3の端部近傍であって第1ブーツ8の嵌着部分より中央寄りには、ステアリングギヤボックス3aが、ハウジング本体3から傾斜して延びて配置されている。すなわち、ラック軸5の軸線を含みかつ後述する入力軸10の軸線と平行な平面上で、ステアリングギヤボックス3aの中心線(この実施形態では、この中心線と入力軸10の軸線とは一致している)と平行な第1直線とラック軸5の軸線との交点から、ラック軸5の軸線の一部であってラック軸5の中央位置の向きに延びる半直線と、該交点から前記第1直線の一部であって入力軸10がある向きに延びる半直線とがなす角度が鈍角となるように傾斜している。この鈍角の大きさは必要に応じて適宜設定されるものである。
【0015】
ステアリングギヤボックス3aには、ステアリングホイールが一体的に取り付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結されている入力軸10が、軸受を介して回動自在に支持されている。ステアリングギヤボックス3a内では、出力軸が軸受を介して該ギヤボックス3aに回動自在に支持されており、さらに入力軸10が、トーションバーを介して、相対的に捩り可能に出力軸と連結されている。
【0016】
出力軸の下端部にはピニオンが形成されていて、ラック軸5に形成されたラック部と噛み合っている。そのため、ステアリングホイールからの操舵力の入力により、ステアリング軸、入力軸10、捩りを伴ったトーションバーそして出力軸が回動し、その出力軸の回動に応じて、ピニオンとラック部の噛み合いにより、ラック軸5が軸方向に移動するようになっている。
【0017】
一方、ハウジング2の他方の端部を形成している歯車収容ハウジング4において、その取付部4aに、ステアリングホイールからの操舵力を補助する補助力を発生する電動モータ6が、ボルトにより取り付けられている。この取付部4aは、ハウジング2の中央位置からの軸方向距離がステアリングギヤボックス3aのそれと略等しい位置で、歯車収容ハウジング4から傾斜して延びて配置されている。
【0018】
すなわち、ラック軸5の軸線を含みかつ電動モータ6の軸線(電動モータ6のロータの回転中心線)と平行な平面上、またはラック軸5の軸線と電動モータ6の軸線とを含む平面上(この実施形態では、ラック軸5の軸線と電動モータ6の軸線は同一平面上にある)で、取付部4aの中心線(この実施形態では、この中心線と電動モータ6の軸線とは一致している)とラック軸5の軸線との交点(電動モータ6の軸線とラック軸5の軸線とが捩れの位置にある場合は、取付部4aの中心線と平行な第2直線とラック軸5の軸線との交点)から、ラック軸5の軸線の一部であってラック軸5の中央位置の向きに延びる半直線と、該交点から取付部4aの中心線(すなわち、電動モータ6の軸線)の一部であって電動モータ6がある向き(または前記第2直線の一部であって電動モータ6がある向き)に延びる半直線とがなす角度が鈍角αとなるように傾斜している。この鈍角αの大きさは必要に応じて適宜設定されるものであるが、この実施形態では、ステアリングギヤボックス3aの前記鈍角の大きさと略等しくされている。
【0019】
このように、電動モータ6の軸線がラック軸5の軸線に対して傾斜しており、電動モータ6は、ハウジング2に対して傾斜して配置されている。そのため、電動モータ6がハウジング2から径方向外方に突出する度合いは、電動モータ6の軸線がラック軸5の軸線と直交するように配置されたものに比べて小さくなり、電動パワーステアリング装置1がコンパクトとなる。
【0020】
さらに、ステアリングギヤボックス3aに関する前記第1直線と電動モータ6の軸線(または第2直線)とは同一平面上にあるため、ステアリングギヤボックス3aおよび電動モータ6は、ハウジング2に対して略同じ側に突出して配置されている。そのため、ハウジング2の中央位置に関して、ステアリングギヤボックス3aと、取付部4aおよび電動モータ6とは、略対称に配置されていて、しかも両者の間の間隔は、ハウジング2から径方向外方に向かうにつれて次第に大きくなっている。
【0021】
電動モータ6からは、歯車収容ハウジング4内に出力軸20が延びており、その先端部には第1歯車21が取り付けられていて、出力軸20と一体的に回転するようになっている。また、この出力軸20の軸線は、この実施形態では電動モータ6の軸線と一致していることから、ラック軸5の軸線とは、電動モータ6の軸線とラック軸5の軸線とにより形成される前記鈍角αに等しい角度で傾斜した状態で交わっている。
【0022】
また、ハウジング本体3において歯車収容ハウジング4の装着部分の近傍は、ハウジング本体3の他の部分に比較して大径とされたボールねじ機構収容部3bとなっており、このボールねじ機構収容部3bの開口端部がさらに大径となって、前述の拡開した開口端部となっている。
【0023】
そして、ボールねじ機構収容部3b内には、ラック軸5の径方向外方に配置された回転部材であるボールナット31が、ラック軸5と同軸に設けられている。ボールナット31は、アンギュラ玉軸受32を介して、ハウジング本体3に回転自在にかつ軸方向に移動不能に支持されている。また、ラック軸5は、その中央位置近傍から第2ブーツ9側の端部に至る範囲の外周に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ溝部33を有していて、該ねじ溝とボールナット31の内周に形成された螺旋状のねじ溝との間に形成された空間には、多数のボール34が転動自在に介在している。なお、ボールナット31には、ボールナット31の回転につれて軸方向に進行したボール34を後方に戻す通路が設けられている。
【0024】
それゆえ、これらボールナット31、ラック軸5のねじ溝部33およびボール34が構成要素となってボールねじ機構30が形成されている。そして、このボールねじ機構30は、ボールナット31の回転により、ラック軸5の軸方向の移動を生じさせることから、ボールナット31の回転をラック軸5の軸方向の移動に変換する変換機構を構成している。
【0025】
したがって、ハウジング2における、ステアリングギヤボックス3a、電動モータ6およびボールねじ機構収容部3bのこのような配置により、ハウジング2の中央位置に関して、この取付部4aおよび電動モータ6と、ステアリングギヤボックス3aとは、略対称に配置されていて、両者の間の間隔は、ハウジング2から径方向外方に向かうにつれて次第に大きくなったうえに、ボールねじ機構30は、電動モータ6よりもハウジング2の中央位置寄りに配置されているので、ハウジング2から径方向外方に大きく突出している電動モータ6を可能な限りハウジング2の端部に近づけて配置することができ、ハウジング2の中央部に比較的広い空間を形成することができる。
【0026】
図2を参照して、ボールナット31の外周には、ラック軸5の中央位置側から順に、アンギュラ玉軸受32のインナレースを支持する軸受支持部と第2歯車22が取り付けられる歯車取付部とが、軸方向に並んで形成されている。そして、アンギュラ玉軸受32のインナレースの端面と第2歯車22のボス部の端面とが当接する状態で、ナットにより締め付けられることで、両者がボールナット31に一体的に固定されている。
【0027】
このうち、第2歯車22は、ボールナット31と同軸に、したがってラック軸5と同軸になるように設けられており、その歯が形成されている部分は、ボールねじ機構収容部3bから、該収容部3bより大径の歯車収容ハウジング4内に突出している。
【0028】
そして、この歯車収容ハウジング4内で、電動モータ6の出力軸20に取り付けられた第1歯車21が、第2歯車と噛み合っていて、電動モータ6により回転駆動される第1歯車21により、第2歯車22が回転駆動される。そして、この第2歯車22によりボールナット31が回転駆動されて、両者が一体的に回転するようになっている。
【0029】
これら第1および第2歯車21,22は、それらの軸の軸線である出力軸20の軸線およびボールナット31の軸線が傾斜して交わっていることから、それぞれ交差軸歯車からなっており、例えば傘歯車から構成されている。そして、従来の電動パワーステアリング装置と同様に、第2歯車22の歯数は第1歯車21の歯数より大きくされていて、これら両歯車21,22により、減速機構が構成されている。
【0030】
また、第2歯車22の歯は、その基準ピッチ面の法線であって、基準ピッチ面から歯先側に向かって延びる法線が、ラック軸5を指向するように形成されている。したがって、第2歯車22の歯が形成された面はラック軸5を指向している。そして、第1歯車21と第2歯車22との噛み合い部分は、出力軸20の軸線とラック軸5の軸線とがなす角度の前記鈍角α側にある。
【0031】
このように、第1歯車21と第2歯車22との噛み合い部分が鈍角α側にあるので、第2歯車22の大きさは、傾斜している出力軸20の位置および第1歯車21に基づく制約を受けることが少なく、電動モータ6の軸線および出力軸20の軸線が傾斜して配置されているにも拘わらず、第2歯車22として、比較的径の大きな歯車を採用することが可能となる。その結果、第1および第2歯車21,22のみで減速比を大きくすることができる。
【0032】
さらに、第2歯車22の基準ピッチ面の法線がラック軸5を指向するように形成されているので、第1および第2歯車21,22の噛み合い率を高めることができるので、操舵補助力の源である電動モータ6からの大きなトルクも、確実に第2歯車22に伝達できる。また、噛み合い部分の個々の歯に作用する伝達荷重を分散して小さくできる。したがって、歯車の耐強度および耐久性を向上させることができるから、第1および第2歯車21,22として樹脂製の歯車を採用することも可能となる。
【0033】
このように構成された実施形態の作動を説明する。
運転者が操舵すべくステアリングホイールを回動させると、ステアリングホイールと一体のステアリング軸が回動し、その回動がジョイントを介して入力軸10に伝達される。入力軸10は、トーションバーに捩りを生じさせつつ出力軸を回動させて、その回動が、ピニオンとラック軸5のラック部との噛み合いにより、ラック軸5に軸方向の移動を生じさせる。そして、その移動がタイロッド7,7を介して転舵輪に伝達され、操舵力に応じた転舵輪の転舵が行われる。
【0034】
一方、トーションバーの捩れの大きさから操舵力が検出されて、その検出された操舵力に応じた制御信号に基づいて電動モータ6が駆動される。そして、駆動された電動モータ6により回転駆動される出力軸20および第1歯車21の回転により、第2歯車22およびボールナット31がラック軸5のねじ溝部33の周りで回転駆動される。ボールナット31の回転により、ボール34と噛み合うボール溝部33を有するラック軸5がその軸方向に移動し、その動きがタイロッド7,7を介して転舵輪に伝達されて、ステアリングホイールからの操舵力の補助を行う。
【0035】
この実施形態は、前記のように構成されているので、以下の効果を奏する。
電動モータ6の軸線がラック軸5の軸線に対して傾斜しており、電動モータ6は、ハウジング2に対して傾斜して配置されている。そのため、電動モータ6がハウジング2から径方向外方に突出する度合いは、電動モータ6の軸線がラック軸5の軸線と直交するように配置されたものに比べて小さくなる。その結果、電動パワーステアリング装置1がコンパクトとなって、そのレイアウトの自由度を増すことができる。
【0036】
第1歯車21と第2歯車22との噛み合い部分が、出力軸20の軸線とラック軸5の軸線とがなす角度の鈍角α側にあるので、第2歯車22の大きさは、傾斜している出力軸20の位置および第1歯車21に基づく制約を受けることが少なく、電動モータ6の軸線および出力軸20の軸線が傾斜して配置されているにも拘わらず、第2歯車22として、比較的径の大きな歯車を採用することが可能となる。その結果、減速比も大きくすることができて、減速比に関する設計の自由度が増える。また、第1および第2歯車21,22のみで所望の減速比が得られるため、所望の減速比を得るために3個以上の歯車から構成される複雑な減速機構が不要となるので、部品点数を削減でき、減速機構をコンパクトに構成することができる。
【0037】
第2歯車22の歯は、その基準ピッチ面の法線であって、歯先側に向かって延びる基準ピッチ面の法線がラック軸5を指向するように形成されているので、第1および第2歯車21,22の噛み合い率を高めることができ、操舵補助力の源である電動モータ6からの大きなトルクも、確実に第2歯車22に伝達できる。また、噛み合い部分の個々の歯に作用する伝達荷重を分散して小さくできるので、歯車の耐強度および耐久性が向上するとともに、第1および第2歯車21,22として樹脂製の歯車を採用することもでき、それによって噛み合い音の低減も可能となる。
【0038】
ハウジング2の中央位置に関して、取付部4aおよび電動モータ6と、ステアリングギヤボックス3aとは、略対称に配置されていて、両者の間の間隔は、ハウジング2から径方向外方に向かうにつれて次第に大きくなっているうえに、ボールねじ機構30は、取付部4aおよび電動モータ6よりもハウジング2の中央寄りに位置しているので、ハウジング2から径方向外方に大きく突出している電動モータ6を可能な限りハウジング2の端部に近づけて配置することができる。そのため、前記特開平8−207796号公報に記載されている電動モータ6の取付部分がボールねじ機構30よりラック軸5の中央位置寄りに配置されているものに比べて、ハウジング2の中央部には、比較的広い空間が形成されるので、この空間に周辺装置を配置することができ、それら周辺装置のコンパクトなレイアウトが可能となる。
【0039】
なお、前記実施形態では、第2歯車22は、その基準ピッチ面の法線がラック軸5を指向するように形成されていたが、第1歯車21と第2歯車22との噛み合い部が、出力軸20の軸線とラック軸5の軸線とがなす角度の鈍角α側にありさえすれば、第2歯車22として、比較的径の大きな歯車を採用することが可能となって、減速比を大きくすることができる。したがって、例えば第2歯車22の基準ピッチ面の法線が、ラック軸5の軸線と平行またはラック軸5の軸線から径方向外方に離れる向きに指向しているものであってもよい。
【0040】
前記実施形態では、電動モータ6の取付部4aおよび電動モータ6と、ステアリングギヤボックス3aとは、ハウジング2の中央位置に関して略対称に配置されていたが、両者を同じ傾斜の向きに配置することもできる。すなわち、取付部4aの中心線および電動モータ6の軸線が、前記実施形態における入力軸10の軸線と平行になるように、ハウジング2に対して取付部4aおよび電動モータ6を配置することができる。そして、このときは、ボールねじ機構30を取付部4aより第2ブーツ9寄りに設け、ボールナット31の歯車取付部の形成位置を軸受支持部の形成位置よりハウジング2の中央位置寄りにする。
【0041】
そして、この場合にも、第2歯車22として、比較的径の大きな歯車を採用することが可能となって、減速比を大きくすることができ、また第2歯車22の基準ピッチ面の法線がラック軸5を指向するようにすれば、噛み合い率を高めることができて、前記実施形態と同じ効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明の一実施形態である電動パワーステアリング装置の概略全体図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ハウジング、3…ハウジング本体、4…歯車収容ハウジング、5…ラック軸、6…電動モータ、7…タイロッド、8,9…ブーツ、10…入力軸、
20…出力軸、21…第1歯車、22…第2歯車、
30…ボールねじ機構、31…ボールナット、32…アンギュラ玉軸受、33…ねじ溝部、34…ボール。
Claims (1)
- 入力された操舵力に応じて車両の転舵輪を転舵すべく軸方向に移動自在なラック軸と、該ラック軸と同軸に配置された回転部材を有するとともに該回転部材の回転を前記ラック軸の軸方向の移動に変換する変換機構と、前記操舵力を補助する補助力を発生する電動モータと、該電動モータの出力軸に取り付けられた第1歯車と、該第1歯車との噛み合いにより回転駆動されるとともに前記回転部材に同軸に設けられて該回転部材を回転駆動する第2歯車とを備え、前記電動モータの軸線が前記ラック軸の軸線に対して傾斜して配置された電動パワーステアリング装置において、
前記第1歯車と前記第2歯車との噛み合い部分が、前記電動モータの前記出力軸の軸線と前記ラック軸の軸線とがなす角度の鈍角側に位置し、
前記第2歯車の基準ピッチ面から歯先側に向かって延びる該基準ピッチ面の法線が、前記ラック軸を指向していることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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