JP3773370B2 - 電動ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプ本体の一側に駆動源としての電動モータを一体的に取り付けてなる電動ポンプに関し、特に、自動車に搭載して用いるべく、小型化を図った電動ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車には、動力舵取装置、自動変速装置等、油圧により作動し、運転操作を補助するための多くの補機が装備されており、これらの補機の作動油圧を発生すべく油圧ポンプが搭載されている。この油圧ポンプとしては、小型でありながら高油圧を発生し得るものとして、ベーンポンプ、ギヤポンプ等の回転容積形のポンプが用いられている。
【0003】
またこの種の油圧ポンプは、一般的にエンジンを駆動源として駆動されるが、走行中に広範囲に回転速度を変えるエンジンは好ましいものではなく、特に近年においては、米国での燃費規制の強化に対処すべく、燃費の向上を図ることが重要な課題となっており、前記エンジンに代えて車載バッテリからの給電により駆動される電動モータを駆動源として利用し、エンジンの無為な動力の消費を可及的に抑えるようにした電動ポンプが用いられるようになっている。
【0004】
また一方、排ガスによる環境悪化を防ぐべく、エンジンに代えて電動モータを駆動源とする電気自動車(EV)の実用化が進められている。この電気自動車においても油圧により作動する補機が備えられることがあり、このような補機の作動油圧の発生源としては、電動モータを駆動源とする電動ポンプが必然的に用いられることとなる。
【0005】
さて、以上の如く車両に搭載して用いられる電動ポンプにおいては、その設置スペースに限りがあることから、本願出願人による特開平10-82377号公報等に開示されている如く、ポンプ本体の一側に筒形のブラケットを介して電動モータを取り付け、該電動モータのモータ軸をポンプ本体の同側に突出するポンプ軸に連結すると共に、ポンプ本体の他側に有底の筒体を装着して吸込タンクを構成し、電動モータ及び吸込タンクを含めてユニット化することにより、車両への搭載性を高めた電動ポンプが用いられている。
【0006】
また、以上の如く構成された電動ポンプのポンプ本体は、ギヤポンプ、ベーンポンプ等の回転容積形のポンプとして構成されており、この種のポンプにおいては、ロータの回転に応じて間欠的な吐出動作が行われるために、吐出油に脈動成分が含まれることが避けられず、吐出側の配管系の損傷、騒音の発生等の不都合を招来するという問題がある。
【0007】
この脈動は、ロータの回転数と、一回転当たりの吐出回数との積に対応する周波数を主成分として生じることから、この周波数に対応する内容積を有するアキュムレータを吐出側の配管系の中途に配することにより有効に低減することができるが、車載用の電動ポンプにおいては、配管系の中途にアキュムレータを取り付けることが難しい場合が多い。そこで前記特開平10-82377号公報に開示された電動ポンプにおいては、ポンプ本体の他側に構成された油タンクの内部に、前述した内容積を有するダンパ室を構成し、ポンプ本体の吐出側に連通させてアキュムレータとしての作用を行わせ、このダンパ室の通過により脈動を軽減された圧油を吐出側に送り出す構成としてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の如く特開平10-82377号公報に開示された電動ポンプは、駆動用の電動モータ及び吸込タンクがポンプ本体に一体化され、更に、ダンパ室を一体に備えて吐出側の脈動を軽減する構成となっており、車載用としての使い勝手に優れたポンプである。
【0009】
しかしながら、前述した如く所定の内容積を必要とする大嵩のダンパ室が、ポンプ本体の他側(電動モータの取り付け側と逆側)に吸込タンクと共に配してあり、電動モータ、ポンプ本体、ダンパ室及び吸込タンクが軸長方向に並設された構成となっていることから、ユニット全体の軸長方向寸法の削減に制限があり、車載用としての小型化要求に十分に応え得ないという問題があった。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、駆動用の電動モータ及びポンプ本体を一体化して構成された電動ポンプにおいて、脈動軽減のためのダンパ室の効率的な配置により、軸長方向寸法を削減して一層の小型化を実現することを目的し、また、中間プレートを高張力アルミニウム材料で形成することにより、ポンプ全体の軸長方向寸法をより一層削減してより一層の小型化及び軽量化を図ることを目的とし、また、周長をなして構成するダンパ室を蛇行させることにより、ダンパ室を所定以上に大きく形成することなく脈動を効果的に軽減することを目的とし、また、前記ダンパ室をブラケットに内蔵することにより、凹所及び中間プレートによってダンパ室が構成されるものに比較して部品点数を削減でき、コストを大幅に低減できるとともに、ポンプ本体を小型の固定ボルトによって強固に固定することができるようにすることを目的とし、また、中間プレートのフランジにカラーを設け、該カラー及び中間プレートの間に複数個が一体に形成された座板を介在させてリザーバを固定することにより、合成樹脂製のリザーバのフランジ及び中間プレートの固定座面の座屈を防止でき、所定の締付軸力を確保することができるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る電動ポンプは、ポンプ本体の一側にブラケットを介して電動モータを取り付け、前記ポンプ本体の他側に該ポンプ本体の外周を囲むように有底筒形のタンク筒を装着して吸込タンクを構成してあり、前記電動モータのモータ軸を、前記ポンプ本体から前記ブラケットの側に突出するポンプ軸に連結すると共に、前記ポンプ本体からの吐出路の中途にダンパ室を設け、前記電動モータからの伝動により吐出路に吐出される圧液の脈動を、前記ダンパ室の作用により軽減する構成としてある電動ポンプにおいて、前記ポンプ本体は、前記電動モータからの伝動によって作動液が、前記タンク筒から前記ポンプ本体の外周の吸込口を通って内側空洞部に吸い込まれるようになしてあり、前記ダンパ室は、前記ブラケットの前記ポンプ本体との対向部に形成された凹所を、前記ブラケットと前記ポンプ本体及びタンク筒との間に介在させた中間プレートにより封止して前記ブラケットの内側に設けられ、前記中間プレートを軸方向に貫通する吐出口により前記ポンプ本体の内側空洞部に連通させてあることを特徴とする。
【0012】
第1発明にあっては、ポンプ本体の一側に電動モータを取り付けるために設けた筒形のブラケットに形成された凹所を中間プレートにより封止し、前記ブラケットの内側に、ポンプ軸とモータ軸との連結部を除いて構成された空間を利用して脈動軽減用のダンパ室を構成し、タンク筒を装着して吸込タンクが設けられたポンプ本体の他側にダンパ室の配設のための長さを不要として軸長寸法を削減する。
【0013】
第2発明に係る電動ポンプは、前記中間プレートが、周方向に複数のフランジを外周に有し、該複数のフランジの夫々に挿通された固定ボルトにより前記ポンプ本体及びタンク筒と前記ブラケットの間に挾圧固定してあることを特徴とする。
【0014】
第2発明にあっては、前記中間プレートを複数本の固定ボルトによりポンプ本体及びタンク筒とブラケットとの間に挾圧固定し、ダンパ室内部の高圧に耐え得る構造とする。
【0015】
第3発明に係る電動ポンプは、前記タンク筒が、合成樹脂製であり、前記中間プレートに複数本の固定ねじによって固定される複数個のフランジを有しており、該フランジに穿設された貫通孔に挿入する金属製のカラーと、該カラー及び前記中間プレートの間に介在される金属製の座板とを備え、該座板の複数個が一体に形成されていることを特徴とする。
【0016】
第3発明にあっては、合成樹脂製のタンク筒を外周に複数設けられたフランジへの固定ねじの緊締によって中間プレートに固定する際のフランジの座屈を、固定ボルトの挿通孔に挿入するカラーによって防止し、中間プレートの固定座面の座屈を座板によって防止して、所定の締付軸力を確保すると共に、各固定ボルトの挿通か所にてカラー及び中間プレートの間に介在される座板の複数を一体に形成して、夫々の座板の寸法管理を容易にし、またタンク筒及び中間プレートの固定作業性の向上を図り、更に座板の装着忘れの発生の虞れを軽減する。
【0017】
第4発明に係る電動ポンプは、前記ダンパ室は、前記ポンプ軸及びモータ軸の軸線周りに周長を有して設けてあり、該ダンパ室が周長方向へ蛇行していることを特徴とする。
【0018】
第4発明にあっては、圧液のダンパ室内での流通経路長さをダンパ室の周長よりも長くすることができるため、ダンパ室を所定以上に大きく形成することなく、換言すれば、ダンパ室が設けられるブラケットを小型化でき、しかも、脈動を効果的に軽減することができる。即ち、ポンプ本体が吐出する圧液の脈動を効果的に軽減するには、所定の容積の圧液溜りを有するダンパ室内での圧液流通経路長さを長くする程好ましいのであるが、その反面、ダンパ室が大型化し、電動ポンプの全体が大型化することになるのに対し、本発明にあっては、ダンパ室を大型化することなくダンパ室内での圧液流通経路長さを長くすることができ、脈動を効果的に軽減することができる。また、ダンパ室の蛇行によってブラケットのダンパ室部分の強度を高めることができ、ブラケットをより一層小型化することができる。
【0019】
第5発明に係る電動ポンプは、前記タンク筒の内部に、外部から供給される圧液との衝突により速度を失わしめるべく設けられた邪魔板を備えることを特徴とする。
【0021】
第6発明に係る電動ポンプは、前記ダンパ室の内容積が、前記圧液の脈動の周波数に基づいて設定してあることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は、本発明に係る電動ポンプの構成を示す側断面図である。
【0024】
本発明に係る電動ポンプは、ハウジング11内に互いに噛合する駆動ギヤ12及び従動ギヤ13を有するポンプ本体1の一側に、中心部に軸挿通孔2aを有する筒形のブラケット2を介して駆動用の電動モータ3を取り付け、ポンプ本体1への入力軸としてのポンプ軸10と、電動モータ3の出力軸としてのモータ軸30とをブラケット2の内側において同軸上に突き合わせ、これらを嵌め込み式のカップリング4により連結して、モータ軸30に取り出される電動モータ3の駆動力を、カップリング4を介してポンプ軸10に伝え、ポンプ本体1を駆動する構成となっている。
【0025】
図1のポンプ本体1は、ハウジング11に形成された長円形断面の空洞部に駆動ギヤ12と従動ギヤ13とを互いに噛合させて配し、噛合部の一側に設けた吸込室内の作動油を、両ギヤ12,13の回転により夫々の歯間と前記空洞部の内周面との間に閉じ込めて搬送し、噛合部の他側に設けた吐出室に吐出する構成とした公知のギヤポンプである。
【0026】
駆動ギヤ12及び従動ギヤ13は、これらの両側からハウジング11の空洞部に嵌挿された一対のサイドプレート14,14により回転自在に両持ち支持されている。ポンプ本体1は、ハウジング11の両側を周方向に複数本の固定ボルト15,15…(1本のみ図示)によって共締めされたエンドプレート16と中間プレート17とにより挾持し、これらの両プレート16,17により前記サイドプレート14,14を抜け止めして構成されている。
【0027】
前記中間プレート17は、図1の如く、ポンプ本体1よりも十分に大きい直径を有する平板であり、ポンプ本体1と逆側の面は、電動モータ3取り付け用のブラケット2の取り付け座として、またポンプ本体1と同側の面は、吸込タンクを構成するリザーバ(以下タンク筒と云う)5の取り付座材として夫々用いられている。
【0028】
タンク筒5は、薄肉の板材により構成された有底の円筒体であり、その開口縁を前記中間プレート17の一側(ポンプ本体1の取り付け側)端面に周設されたインロー部 17aに嵌め合わせ、ポンプ本体1の外側を囲繞する態様に取り付けてある。またブラケット2は、前記中間プレート17と略同径の円筒体であり、一側の開口縁を中間プレート17の他側端面に周設されたインロー部 17bに嵌め合わせ、該中間プレート17と同軸上に位置決めして取り付けてある。
【0029】
以上の如く中間プレート17の両側に位置するタンク筒5とブラケット2とは、前者に周設された取り付けフランジ50に挿通された周方向に複数本の固定ボルト51,51…(1本のみ図示)を、ブラケット2の外周部の対応位置に形成された各別のねじ孔に螺合することにより、両者間に中間プレート17を挾持する態様に共締め固定されている。ポンプ本体1への入力軸となるポンプ軸10は、ハウジング11の内部において前記駆動ギヤ12に同軸的に嵌着され、前記サイドプレート14,14に両持ち支持され、前記中間プレート17の略中心部を貫通する貫通孔を経てブラケット2の軸心部に突設されている。
【0030】
一方電動モータ3は、一側に周設された取り付けフランジに周方向に複数本の固定ボルト31,31…(1本のみ図示)を挿通し、これらを、ブラケット2の他側端面に形成されたねじ孔に螺合せしめることにより、該ブラケット2と同軸上にねじ止め固定されている。この固定により電動モータ3の出力軸となるモータ軸30は、ブラケット2の軸心部において前記ポンプ軸10に突き合わされ、前記カップリング4により同軸的に連結されている。
【0031】
而して、電動モータ3が駆動された場合、モータ軸30の回転が、カップリング4を介してポンプ軸10に伝えられ、該ポンプ軸10に嵌着された駆動ギヤ12が、これに噛合する従動ギヤ13と共にハウジング11の内側空洞部(ギヤ室)内にて回転し、前述した如きポンプ作用が行われる。
【0032】
ギヤ室の内部への作動液の吸込は、前記タンク筒5により構成された吸込タンクの内側に面してハウジング11の外周に開口する図示しない吸込口を経て行われる。吸込タンクの内部には、タンク筒5の外周に取り付けた戻油管52を経て補機からの戻液が供給される。タンク筒5の内側には、戻油管52の連通部に面して邪魔板53が設けてあり、戻油管52を経て供給される作動液は、前記邪魔板53との衝突により速度を失って吸込タンク内に滞留するようになしてある。
【0033】
一方、ギヤ室の内部からの圧液の吐出口(図示せず)は、前記中間プレート17の該当位置を厚さ方向に貫通する態様に形成されている。中間プレート17の外側に取り付けられたブラケット2には、前記ポンプ軸10とモータ軸30との連結部の外側を囲繞する環状の形態をなし、中間プレート17との対向側を開口させた凹所20が形成されており、この凹所20の開口側を前記中間プレート17により封止して所定の内容積を有するダンパ室6が形成されており、中間プレート17に貫通形成された前記吐出口は、このダンパ室6内に開口させてある。
【0034】
またダンパ室6は、ブラケット2の周壁に取り付けた図示しない吐出管により送油先に接続されており、ポンプ本体1からの圧液(圧油)は、中間プレート17を貫通する吐出口を経てダンパ室6に導入され、更に前記吐出管を経て送油先に送出されるようになしてある。このときダンパ室6は、これの内部に吐出口を経て導入される圧液(圧油)に含まれる脈動成分を吸収し、吐出管からの送出液(送出油)の脈動を軽減する作用をなす。
【0035】
ダンパ室6の内容積は、前記脈動の吸収を有効に行わせるべく、この脈動の周波数に対応させて設定されている。ポンプ本体1からの吐出液は、ロータとしての駆動ギヤ12及び従動ギヤ13の回転数と、一回転当たりの吐出回数となる駆動ギヤ12及び従動ギヤ13の歯数との積に相当する周波数を主成分とする脈動を含んでおり、ダンパ室6の内容積は、前記積に基づいて適正に定めることができる。
【0036】
実施の形態1の電動ポンプにおいては、以上の如く脈動の軽減作用をなすダンパ室6が、駆動用の電動モータ3を取り付けるべく設けられたブラケット2の内側に、ポンプ軸10とモータ軸30との連結部を囲繞する環状の室として構成されている。ブラケット2は、前記連結を可能とするために必要な軸方向長さを有しており、前記ダンパ室6は、ブラケット2の軸方向長さを利用することにより、前述の如く決定される内容積を確保して容易に構成することができる。即ち、適正な内容積を有するダンパ室6を軸方向の全体長さを増すことなく構成でき、従来に比して大幅に小型化された電動ポンプを提供するができる。
【0037】
またダンパ室6は、ポンプ本体1から吐出される高圧の吐出液を受容することとなるが、このダンパ室6は、前述した如く、ブラケット2に形成された環状の凹所20の開口側を中間プレート17により封止して構成されており、この中間プレート17は、周方向に複数本の固定ボルト51,51…により、ポンプ本体1とブラケット2との間に強固に挾圧固定されていることから、ダンパ室6内部の高圧を余裕を持って負担することができる。
【0038】
ポンプ本体1のハウジング11には、その周方向の一か所に、ダンパ室6の内部の過剰な圧力をリリーフするリリーフ弁7が組み込まれている。このリリーフ弁7は、エンドプレート16を含めてハウジング11を軸方向に貫通して形成された弁孔の内部に、中間プレート17との対向側の開口部に嵌着固定された円筒形のスプールホルダ71と、該スプールホルダ71の軸心部に摺動自在に保持されたスプール72と、前記弁孔のエンドプレート16側の開口部に取り付けたばね受け73とを備え、該ばね受け73と前記スプール72との対向面間にリリーフばね74を介装し、該リリーフばね74のばね力により前記スプール72の先端を中間プレート17に押し付けて構成されている。
【0039】
中間プレート17には、スプール72の押し付け部近傍に前記ダンパ室6に連通する導圧孔75が形成されている。またスプールホルダ71には、その中途部を半径方向に貫通するリリーフ孔76が形成され、このリリーフ孔76は、ハウジング11の該当位置に形成された連通孔を経て前記タンク筒5により構成された吸込タンク内に連通させてある。スプールホルダ71の内側へのリリーフ孔76の開口端は、スプールホルダ71に保持されたスプール72が、リリーフばね74のばね力に抗して中間プレート17から離反する向きに移動したとき開放されるようになしてある。
【0040】
以上の如く構成されたリリーフ弁において、スプール72は、その先端に導圧孔75を介して作用するダンパ室6の内圧によりリリーフばね74のばね力と逆向きに押圧されており、この押圧力がリリーフばね74のばね力を上回ったとき中間プレート17から離反する向きに移動し、この移動によりスプールホルダ71に形成されたリリーフ孔76が開放されることとなり、ダンパ室6の内圧は、導圧孔75及びリリーフ孔76を経て吸込タンクに解放される。
【0041】
リリーフばね74の他側が弾接するばね受け73は、ハウジング11に形成された弁孔のエンドプレート16側の開口端に螺合固定され、その螺進操作により弁孔内への進出長さを変更可能に構成されており、この変更により前記リリーフばね74のばね力、即ち、このばね力に抗して行われるリリーフ圧を適宜に設定可能に構成されている。ばね受け73の端部は、図示の如く、エンドプレート16の外側に突設させてあり、リリーフ圧の設定のための前記螺進操作は、エンドプレート16の外側から容易に行わせることができる。
【0042】
実施の形態2
図2は電動モータ部分を省略した断面図、図3は中間プレートの断面図、図4は中間プレートの平面図、図5は中間プレートの底面図である。
実施の形態2の電動ポンプは、前記ブラケット2の凹所20とともにダンパ室6を構成する前記中間プレート17を高張力アルミニウム材料によって形成したものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同じであるため、同じ符号を付し、その詳細な説明、構造及び作用を省略する。
【0043】
出願人が開発中の実施の形態1の電動ポンプにおける中間プレート17は、JIS H 2118によって規格されたアルミニウム合金、例えば、12種1,12種2を用いているが、実施の形態2の中間プレート17A は、JIS H 4000によって規格された高張力アルミニウム材料を用いるのであり、例えば、合金番号2014,2219,2024,7075の何れか、合金番号2014,2024,7075の何れかに合せ材として心材を用いたもの、合金番号2014,2024,7075の何れかに合せ板として皮材を合わせたものを用いる。
【0044】
中間プレート17A は、中心部に軸挿通孔17c を有する円板状に形成されており、ポンプ本体1側の面には前記タンク筒5が嵌合される筒状のインロー部 17dを有し、ブラケット2側の面には前記ブラケット2が嵌合される筒状のインロー部 17eを有しており、また、軸挿通孔17c 及びインロー部 17dの間には、ポンプ本体1の吐出室に連通する吐出口17f と、前記導圧孔75と、一対の位置決め孔17g と、前記固定ボルト15が挿通される4個の貫通孔17j がそれぞれ穿設されている。また、中間プレート17A の外周部には貫通孔17h を有する複数個(実際は4個)のフランジ17k が周方向に所定の間隔を隔てて突設されている。
【0045】
実施の形態2にあっては、前記凹所20の開放部を封止し、該凹部20とともにダンパ室6を構成することによって液圧反力の作用面積が比較的大きくなる中間プレート17A を高張力アルミニウム材料によって形成しているため、比較的薄い厚さで前記液圧反力に耐えることができる。従って、中間プレート17A を軽量で、しかも比較的薄い厚さにすることができ、ポンプ全体の軸長方向寸法をより一層削減してより一層の小型化を図ることができる。
【0046】
実施の形態3
図6はダンパ室部分の断面図、図7はブラケットの平面図、図8は中間プレートの底面図である。
実施の形態3の電動ポンプは、環状の前記凹所20の周面に凹凸部を有しないダンパ室6を形成する代わりに、凹所20の周面にブラケット2及び中間プレート17又は17A から凹所20へ延びる複数個の第1及び第2の邪魔壁61, 62を所定の間隔を隔てて交互に突設し、これら邪魔壁61, 62によってポンプ軸10及びモータ軸30の軸線周りに周長方向へ蛇行するダンパ室6Aを形成したものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同じであるため、同じ符号を付し、その詳細な説明、構造及び作用を省略する。
【0047】
第1及び第2の邪魔壁61, 62は、凹所20の深さ寸法よりも短い長さでブラケット2、中間プレート17又は17A と一体に成形され、中間プレート17, 17A が凹所20を封止したとき、第1邪魔壁61と中間プレート17, 17A の底面との間、及び第2邪魔壁62とブラケット2の凹所面との間に図6の如く所定の隙間ができ、これら隙間によって周長方向へ蛇行するダンパ室6Aを形成する。このダンパ室6Aは、その周長方向の一端部に、中間プレート17, 17A を貫通してポンプ本体1の吐出室と連通する前記吐出口17f を設け、周長方向の他端端部に前記吐出管の接続口63を設け、吐出口17f からダンパ室6Aへ導入された圧液を蛇行させながら該圧液に含まれる脈動成分を吸収するようにしてある。
【0048】
実施の形態3にあっては、ポンプ軸10及びモータ軸30の軸線周りに周長をなして構成されるダンパ室6Aを周長方向へ蛇行させているため、圧液のダンパ室6A内での流通経路長さを、実施の形態1の如く蛇行させていないダンパ室6の流通経路長さに比べて長くすることができる。従って、ダンパ室6Aを所定以上に大きく形成することなく圧液の脈動を良好に軽減することができ、ダンパ室6Aが設けられるブラケット2を小型化できる。
【0049】
尚、実施の形態3において、ダンパ室6Aを蛇行させるための第2の邪魔壁62は、中間プレート17, 17A に設ける代わりに、図示していないが第1の邪魔壁61とともにブラケット2に設け、ダンパ室6Aを蛇行させるようにしてもよい。この場合、例えば、所定の間隔を隔てて対向する一対の周面の一面に第1の邪魔壁61を、また、一対の周面の他面に第2の邪魔壁62をそれぞれ所定の間隔を隔てて交互に突設し、これら第1及び第2の邪魔壁61, 62と前記一面及び他面との間に隙間を設け、周長方向へ蛇行するダンパ室6Aを形成してもよい。
【0050】
実施の形態4
図9は電動モータ部分を省略した断面図、図10はタンク筒の側面図、図11は図10のXI−XI線の断面図、図12は図9の XII−XII 線の断面図である。
実施の形態4の電動ポンプは、前記中間プレート17, 17A に前記固定ねじ51によって取付けられる複数個のフランジ54を有し、前記ポンプ本体1を囲繞する合成樹脂製のタンク筒5と、前記フランジ54に穿設された貫通孔55に挿入する金属製のカラー56と、該カラー56及び前記中間プレート17, 17A との間に介在される金属製の複数個(実際は4個)の座板57とを備え、該座板57の複数個(実際は2個)を一体に形成したものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1,2と同じであるため、同じ符号を付し、その詳細な説明、構造及び作用を省略する。
【0051】
図13は座板の平面図である。
座板57は略円弧状に形成されており、その長手方向一端部及び他端部を中間部に比べて漸次広幅とし、これら一端部及び他端部に前記固定ボルト51用の貫通孔57a が設けられている。
【0052】
カラー56は、一端部の外周にテーパ面を有する筒部の他端部に鍔56a を設けたものであり、タンク筒5の筒部側からフランジ54の貫通孔55に挿入し、鍔56a をフランジ54の座面に対接させるようにしてある。
【0053】
また、タンク筒5のフランジ54側端面には前記座板57の厚さに対応する深さの一対の凹部58を設け、該凹部58に座板57を入れるようにしてある。
【0054】
実施の形態4にあっては、例えばタンク筒5の一対の凹部58, 58に座板57を入れるとともにフランジ54の貫通孔55にカラー56を挿入し、タンク筒5を中間プレート17, 17A のポンプ本体1側の面に対接させ、固定ボルト51を前記カラー56の孔、中間プレート17, 17A 及びブラケット2の貫通孔17h に挿入し、電動モータ側部材のねじ孔に緊締することによってタンク筒5を中間プレート17, 17A に固定し、該中間プレート17, 17A 及びブラケット2を電動モータ側部材に固定する。この場合、固定ねじ51の緊締力をカラー56及び座板57を介して金属製の中間プレート17, 17A に加えることができるため、合成樹脂製のタンク筒5のフランジ54の座屈をカラー56によって防止でき、中間プレート17, 17A の固定座面の座屈を座板57によって良好に防止でき、所定の締付軸力を確保できる。
【0055】
また、隣合う二つの座板57が一体に形成されているため、複数個の座板の全てを別個に形成する場合に比較して座板57の寸法誤差の発生個所を少なくでき、座板57の寸法管理を容易にできるのであり、また、固定個所を減らすことなく座板57の個数を少なくすることができ、タンク筒の固定作業性を向上できるとともに、この固定作業時の座板57の装着忘れをなくし得るのである。
【0056】
尚、実施の形態4において、タンク筒を固定するための固定ボルト51は電動モータ側の部材に緊締する代わりに、前記ブラケット2又は中間プレート17, 17A に設けるねじ孔に緊締する如く構成してもよい。
【0057】
実施の形態5
図14は電動モータ部分を省略した断面図、図15は図14のXV−XV線の断面図である。
実施の形態5の電動ポンプは、ポンプ本体1を複数本の前記固定ボルト15によってブラケット2に固定し、タンク筒5を複数本の前記固定ボルト51によって電動モータ側部材に固定するようにしたものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1,2,4と同じであるため、同じ符号を付し、その詳細な説明、構造及び作用を省略する。
【0058】
ブラケット2には、軸挿通孔の周りに4個のねじ孔21を相互に所定の間隔を隔てて穿設するとともに、これらねじ孔21に対応する貫通孔を前記中間プレート17, 17A に穿設し、前記エンドプレート16及びハウジング11を有するポンプ本体1を固定するための4本の固定ボルト15を前記貫通孔に挿入し、ねじ孔21に緊締することによってポンプ本体1をブラケット2に固定する。また、タンク筒5には貫通孔55を有する複数個のフランジ54を所定の間隔を隔てて設けるとともに、中間プレート17, 17A 及びブラケット2に前記貫通孔55に対応する貫通孔を設け、これら貫通孔に4本の固定ボルト51を挿入し、電動モータ側部材に緊締することによってタンク筒5を中間プレート17, 17A に固定する。
【0059】
実施の形態5にあっては、ブラケット2のポンプ本体1側の面に設ける凹所20の大部分を開放させてダンパ室6, 6Aの容積を増大させることができるようにした構造において、ポンプ本体1を固定するための固定ボルト15及びタンク筒5を固定するための固定ボルト51を利用して凹所20とともにダンパ室6, 6Aを構成し、ダンパ室6,6Aから加えられる液圧反力の作用面積が多い中間プレート17, 17A を固定するため、前記固定ボルト15, 51として比較的小径のボルトを用いることができ、中間プレート17, 17A を固定するための固定ボルトの重量、ひいては電動ポンプ全体の重量を軽くすることができる。また、ポンプ本体1の最大吐出圧を高める場合においても、高張力ボルトを用いることによって固定ボルト15,51の本数を多くすることなく中間プレート17, 17A を強固に固定することができる。
【0060】
実施の形態6
図16はポンプ本体をブラケットに固定する固定部分の拡大断面図である。
実施の形態6の電動ポンプは、前記ハウジング11に一対の第1の位置決め孔11a を設けるとともに、該位置決め孔11a に対応する一対の第2の位置決め孔17g を前記中間プレート17, 17A に、また、一対の第3の位置決め孔22を前記ブラケット2にそれぞれ設け、これら第1〜第3の位置決め孔11a , 17g , 22に位置決めピン8を嵌め込むことによって中間プレート17, 17A 及びブラケット2のハウジング11に対する位置を適正に決めるとともに、位置決めピン8の第1及び第3位置決め孔11a , 22への嵌め込み寸法L1,L2を前記ハウジング11の軸長方向寸法Lの22〜35%としたものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1,2,4,5と同じであるため、同じ符号を付し、その詳細な説明、構造及び作用を省略する。
【0061】
前記特開平10-82377号公報に開示された電動ポンプにおいては、位置決めピン8の第1及び第3位置決め孔11a , 22への嵌め込み寸法L1, L2を前記ハウジング11の軸長方向寸法Lの7〜11%とされているため、駆動ギヤ12及び従動ギヤ13が内装されているハウジング11が起振源となり、実用領域の周波数帯に共振点を持つため、騒音が発生し易くなるのであるが、実施の形態6の位置決めピン8は、前述の如く嵌め込み寸法L1, L2を22〜35%とし、さらに、前記特開平10-82377号公報に開示された電動ポンプにおいては、位置決めピン8がすきま嵌めとなるようにして第1〜第3の位置決め孔11a , 17g , 22に嵌め込みされているが、実施の形態6の位置決めピン8は、しまり嵌めとなるようにして第1〜第3の位置決め孔11a , 17g , 22に嵌め込み、位置決めピン8、ハウジング11、中間プレート17, 17A 及びブラケット2相互の動きを拘束している。
【0062】
実施の形態6にあっては、起振源の近傍に設けられる位置決めピン8を利用し、該位置決めピン8の第1及び第3位置決め孔11a , 22への嵌め込み寸法L1, L2を、従来例に比べて3倍程度に長くなる寸法としてあるため、共振点を実用領域の周波数帯以外に移行させることができ、ハウジング11が起振源となることによる騒音の発生を特別の構成を別途に加えることなく無くし得るのである。また、位置決めピン8は、しまり嵌めとなるようにして第1〜第3の位置決め孔11a , 17g , 22に嵌め込みされているため、ハウジング11が起振源となることによる騒音の発生をより一層なくし得るのである。
【0063】
実施の形態7
図17は電動モータ部分を省略した断面図である。
実施の形態7の電動ポンプは、凹所20及び中間プレート17, 17A によってダンパ室6,6Aを構成する代わりに、略C字形のダンパ室6Bを、前記ブラケット2Aに内蔵されている構成としたものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同じであるため、同じ符号を付し、その詳細な説明、構造及び作用を省略する。
【0064】
図18はブラケットの平面図、図19はブラケットの断面図、図20はブラケットの底面図、図21はダンパ室成形用のシェル中子を示すもので、(a) は平面図、(b) は側面図である。
ダンパ室6Bは、例えばシェル中子9によるグラビティ製法によって成形する。このグラビティ製法は、ブラケット2Aを成形するための一対の割型(図示せず)と、ダンパ室6Bに対応するシェル中子9とを用いる。このシェル中子9は、砂が合成樹脂製の接着剤によって固められたものであり、ダンパ室6Bに対応する略C字形の中子本体91と、二つの導入孔23, 23を成形するための一対の第1の腕部92, 92と、前記接続口63を成形するための第2の腕部93とを備えている。
【0065】
このシェル中子9を一対の割型に内装した状態で、割型内に溶融されたアルミニゥム合金材料又は高張力アルミニゥム材料を充填し、ブラケット2Aを成形する。次にブラケット2Aを冷却させた後、砂の固まりを崩壊させ、前記導入孔23, 23及び接続口63からブラケット2A内の砂を外部に排出し、ブラケット2Aの内部をブラスト処理してブラケット2A自体にダンパ室6Bを内蔵させる。
尚、ブラケット2Aには前記中間プレート17, 17A の位置決め孔17g に対応する一対の位置決め孔22及び前記フランジ54の貫通孔55に対応する貫通孔24を有するフランジ25が設けられている。
【0066】
実施の形態7にあっては、実施の形態1,2の如く中間プレート17, 17A を用いることなくブラケット2Aのみによってダンパ室6Bを構成することができるから、凹所20及び中間プレート17, 17A によってダンパ室6,6Aが構成される実施の形態1,2に比較して部品点数を削減でき、コストを大幅に低減できる。
【0067】
また、ブラケット2Aのポンプ本体1側の面は実施の形態1,2の如くダンパ室6,6Aの大部分を開放させることなく、ポンプ本体1から吐出された圧液を導入する導入孔23を設けるため、ダンパ室6Bからポンプ本体1に加えられる液圧反力の作用面積を、実施の形態1,2に比較して小さくすることができる。従って、ポンプ本体1をブラケット2Aに固定するための固定ボルトの必要軸力を小さくでき、ポンプ本体を小型の固定ボルトによって強固に固定でき、電動ポンプの全体を小型化することができる。
【0068】
尚、本発明に係る電動ポンプのダンパ室6,6A, 6Bは、例えば実施の形態1の如く環状とし、また、実施の形態7の如く略C字形としてもよいのであり、また、軸挿通孔の周りに2個以上を設け、これらを連通路によって連通させる構造としてもよいのであり、ダンパ室の構成は特に制限されない。
【0069】
また、以上の実施の形態においては、動力舵取装置、自動変速装置等、自動車に搭載された油圧作動装置の作動油を得るべく、自動車に搭載して用いられる油圧式の電動ポンプについて説明したが、本発明は、車載ポンプとしての用途以外に用いられる電動ポンプ、更には、油以外の液体を取り扱い対象とする電動ポンプにおいても適用可能であることは言うまでもない。またポンプ本体1は、以上の実施の形態において説明したギヤポンプに限らず、ベーンポンプ等、他の回転容積形のポンプであってもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述した如く第1発明によれば、駆動用の電動モータを取り付けるべくポンプ本体の一側に設けられたブラケットの内側の空間を利用して脈動軽減用のダンパ室を構成したから、前記ブラケットに本来必要な軸方向長さを有効利用してダンパ室に必要な内容積を確保することができ、該ダンパ室の配置のためにタンク筒の装着によって吸込タンクが設けられたポンプ本体の他側の軸長寸法を増す必要がなく、軸長寸法の削減により一層の小型化が達成される。またダンパ室は、ブラケットのポンプ本体との対向側に形成された環状の凹所をブラケットとポンプ本体及びタンク筒との間に配した中間プレートにより封止し、該中間プレートを軸方向に貫通する吐出口によりポンプ本体の内側空洞部に連通させて構成してあるから、ブラケットの内側のダンパ室を簡素に構成することができる。
【0071】
第2発明によれば、ダンパ室を形成する中間プレートを複数本の固定ボルトによりポンプ本体とブラケットとの間に挾圧固定してあるから、脈動成分を含む高圧の吐出液に耐え得る強固なダンパ室を構成することができる。
【0072】
第3発明によれば、合成樹脂製のタンク筒の固定用フランジの座屈をカラーにより、またポンプ本体とブラケットとの間に挾圧固定される中間プレートの固定座面の座屈を座板により夫々防止することができ、所定の締付軸力を確保した強固な固定を実現することが可能となり、また必要となる複数の座板を一体に形成したから、座板の寸法管理が容易となり、タンク筒及び中間プレートの固定作業性の向上を図り得ると共に、座板の装着忘れの発生を有効に防止することができる。
【0073】
第4発明によれば、圧液のダンパ室内での流通経路長さをダンパ室の周長よりも長くすることができるため、ダンパ室を所定以上に大きく形成することなく、換言すれば、ダンパ室が設けられるブラケットを小型化でき、しかも、脈動を効果的に軽減することができる。
【0074】
第5発明によれば、タンク筒の内部に邪魔板を設けたから、外部からの戻液を速度を失わせて滞留させ、ポンプ本体への吸込みを安定して行わせることができる。
【0075】
第6発明によれば、圧液の脈動の周波数に基づいてダンパ室の内容積を設定したから、限られた内容積を有するダンパ室により脈動成分を有効に吸収することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動ポンプの構成を示す側断面図である。
【図2】本発明に係る電動ポンプの電動モータ部分を省略した断面図である。
【図3】本発明に係る電動ポンプの中間プレートの断面図である。
【図4】本発明に係る電動ポンプの中間プレートの平面図である。
【図5】本発明に係る電動ポンプの中間プレートの底面図である。
【図6】本発明に係る電動ポンプのダンパ室部分の断面図である。
【図7】本発明に係る電動ポンプのブラケットの平面図である。
【図8】本発明に係る電動ポンプの中間プレートの底面図である。
【図9】本発明に係る電動ポンプの電動モータ部分を省略した断面図である。
【図10】本発明に係る電動ポンプのタンク筒の側面図である。
【図11】図10のXI−XI線の断面図である。
【図12】図9の XII−XII 線の断面図である。
【図13】本発明に係る電動ポンプの座板の平面図である。
【図14】本発明に係る電動ポンプの電動モータ部分を省略した断面図である。
【図15】図14のXV−XV線の断面図である。
【図16】本発明に係る電動ポンプのポンプ本体をブラケットに固定する固定部分の拡大断面図である。
【図17】本発明に係る電動ポンプの電動モータ部分を省略した断面図である。
【図18】本発明に係る電動ポンプのブラケットの平面図である。
【図19】本発明に係る電動ポンプのブラケットの断面図である。
【図20】本発明に係る電動ポンプのブラケットの底面図である。
【図21】本発明に係る電動ポンプのダンパ室成形用のシェル中子を示すもので、(a) は平面図、(b) は側面図である。
【符号の説明】
1 ポンプ本体
2,2A ブラケット
3 電動モータ
5 タンク筒(リザーバ)
6, 6A, 6B ダンパ室
10 ポンプ軸
17, 17A 中間プレート
20 凹所
30 モータ軸
51 固定ねじ
54 フランジ
56 カラー
57 座板
Claims (6)
- ポンプ本体の一側にブラケットを介して電動モータを取り付け、前記ポンプ本体の他側に該ポンプ本体の外周を囲むように有底筒形のタンク筒を装着して吸込タンクを構成してあり、前記電動モータのモータ軸を、前記ポンプ本体から前記ブラケットの側に突出するポンプ軸に連結すると共に、前記ポンプ本体からの吐出路の中途にダンパ室を設け、前記電動モータからの伝動により吐出路に吐出される圧液の脈動を、前記ダンパ室の作用により軽減する構成としてある電動ポンプにおいて、前記ポンプ本体は、前記電動モータからの伝動によって作動液が、前記タンク筒から前記ポンプ本体の外周の吸込口を通って内側空洞部に吸い込まれるようになしてあり、前記ダンパ室は、前記ブラケットの前記ポンプ本体との対向部に形成された凹所を、前記ブラケットと前記ポンプ本体及びタンク筒との間に介在させた中間プレートにより封止して前記ブラケットの内側に設けられ、前記中間プレートを軸方向に貫通する吐出口により前記ポンプ本体の内側空洞部に連通させてあることを特徴とする電動ポンプ。
- 前記中間プレートは、周方向に複数のフランジを外周に有し、該複数のフランジの夫々に挿通された固定ボルトにより前記ポンプ本体及びタンク筒と前記ブラケットの間に挾圧固定してある請求項1記載の電動ポンプ。
- 前記タンク筒は、合成樹脂製であり、前記中間プレートに複数本の固定ねじによって固定される複数個のフランジを有しており、該フランジに穿設された貫通孔に挿入する金属製のカラーと、該カラー及び前記中間プレートの間に介在される金属製の座板とを備え、該座板の複数個が一体に形成されている請求項2記載の電動ポンプ。
- 前記ダンパ室は、前記ポンプ軸及びモータ軸の軸線周りに周長を有して設けてあり、該ダンパ室が周長方向へ蛇行している請求項1から請求項3の何れかに記載の電動ポンプ。
- 前記タンク筒の内部に、外部から供給される圧液との衝突により速度を失わしめるべく設けられた邪魔板を備える請求項1から請求項4の何れかに記載の電動ポンプ。
- 前記ダンパ室の内容積は、前記圧液の脈動の周波数に基づいて設定してある請求項1から請求項5の何れかに記載の電動ポンプ。
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