JP2000154791A - 電動ポンプ - Google Patents

電動ポンプ

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JP2000154791A JP10374719A JP37471998A JP2000154791A JP 2000154791 A JP2000154791 A JP 2000154791A JP 10374719 A JP10374719 A JP 10374719A JP 37471998 A JP37471998 A JP 37471998A JP 2000154791 A JP2000154791 A JP 2000154791A
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善明 浜崎
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学泰 中村
Toshio Iida
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    • F04C2/08Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプ本体、駆動用の電動モータ及び吐出油
の脈動軽減のためのダンパ室を一体に備える電動ポンプ
をコンパクトに構成する。 【解決手段】 ポンプ本体1の一側にブラケット2を介
して駆動用の電動モータ3を一体に取り付けてある電動
ポンプにおいて、ブラケット2の内側に、ポンプ本体1
との対向側に開口を有する環状の凹所20を形成し、この
凹所20の開口側をポンプ本体1との間に挾圧固定された
中間プレート17により閉止して脈動軽減用のダンパ室6
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプ本体の一側
に駆動源としての電動モータを一体的に取り付けてなる
電動ポンプに関し、特に、自動車に搭載して用いるべ
く、小型化を図った電動ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車には、動力舵取装置、自動
変速装置等、油圧により作動し、運転操作を補助するた
めの多くの補機が装備されており、これらの補機の作動
油圧を発生すべく油圧ポンプが搭載されている。この油
圧ポンプとしては、小型でありながら高油圧を発生し得
るものとして、ベーンポンプ、ギヤポンプ等の回転容積
形のポンプが用いられている。
【0003】またこの種の油圧ポンプは、一般的にエン
ジンを駆動源として駆動されるが、走行中に広範囲に回
転速度を変えるエンジンは好ましいものではなく、特に
近年においては、米国での燃費規制の強化に対処すべ
く、燃費の向上を図ることが重要な課題となっており、
前記エンジンに代えて車載バッテリからの給電により駆
動される電動モータを駆動源として利用し、エンジンの
無為な動力の消費を可及的に抑えるようにした電動ポン
プが用いられるようになっている。
【0004】また一方、排ガスによる環境悪化を防ぐべ
く、エンジンに代えて電動モータを駆動源とする電気自
動車(EV)の実用化が進められている。この電気自動
車においても油圧により作動する補機が備えられること
があり、このような補機の作動油圧の発生源としては、
電動モータを駆動源とする電動ポンプが必然的に用いら
れることとなる。
【0005】さて、以上の如く車両に搭載して用いられ
る電動ポンプにおいては、その設置スペースに限りがあ
ることから、本願出願人による特開平10-82377号公報等
に開示されている如く、ポンプ本体の一側に筒形のブラ
ケットを介して電動モータを取り付け、該電動モータの
モータ軸をポンプ本体の同側に突出するポンプ軸に連結
すると共に、ポンプ本体の他側に有底の筒体を装着して
吸込タンクを構成し、電動モータ及び吸込タンクを含め
てユニット化することにより、車両への搭載性を高めた
電動ポンプが用いられている。
【0006】また、以上の如く構成された電動ポンプの
ポンプ本体は、ギヤポンプ、ベーンポンプ等の回転容積
形のポンプとして構成されており、この種のポンプにお
いては、ロータの回転に応じて間欠的な吐出動作が行わ
れるために、吐出油に脈動成分が含まれることが避けら
れず、吐出側の配管系の損傷、騒音の発生等の不都合を
招来するという問題がある。
【0007】この脈動は、ロータの回転数と、一回転当
たりの吐出回数との積に対応する周波数を主成分として
生じることから、この周波数に対応する内容積を有する
アキュムレータを吐出側の配管系の中途に配することに
より有効に低減することができるが、車載用の電動ポン
プにおいては、配管系の中途にアキュムレータを取り付
けることが難しい場合が多い。そこで前記特開平10-823
77号公報に開示された電動ポンプにおいては、ポンプ本
体の他側に構成された油タンクの内部に、前述した内容
積を有するダンパ室を構成し、ポンプ本体の吐出側に連
通させてアキュムレータとしての作用を行わせ、このダ
ンパ室の通過により脈動を軽減された圧油を吐出側に送
り出す構成としてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く特開平10-8
2377号公報に開示された電動ポンプは、駆動用の電動モ
ータ及び吸込タンクがポンプ本体に一体化され、更に、
ダンパ室を一体に備えて吐出側の脈動を軽減する構成と
なっており、車載用としての使い勝手に優れたポンプで
ある。
【0009】しかしながら、前述した如く所定の内容積
を必要とする大嵩のダンパ室が、ポンプ本体の他側(電
動モータの取り付け側と逆側)に吸込タンクと共に配し
てあり、電動モータ、ポンプ本体、ダンパ室及び吸込タ
ンクが軸長方向に並設された構成となっていることか
ら、ユニット全体の軸長方向寸法の削減に制限があり、
車載用としての小型化要求に十分に応え得ないという問
題があった。
【0010】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、駆動用の電動モータ及びポンプ本体を一体化し
て構成された電動ポンプにおいて、脈動軽減のためのダ
ンパ室の効率的な配置により、軸長方向寸法を削減して
一層の小型化を実現することを目的し、また、中間プレ
ートを高張力アルミニウム材料で形成することにより、
ポンプ全体の軸長方向寸法をより一層削減してより一層
の小型化及び軽量化を図ることを目的とし、また、周長
をなして構成するダンパ室を蛇行させることにより、ダ
ンパ室を所定以上に大きく形成することなく脈動を効果
的に軽減することを目的とし、また、前記ダンパ室をブ
ラケットに内蔵することにより、凹所及び中間プレート
によってダンパ室が構成されるものに比較して部品点数
を削減でき、コストを大幅に低減できるとともに、ポン
プ本体を小型の固定ボルトによって強固に固定すること
ができるようにすることを目的とし、また、中間プレー
トのフランジにカラーを設け、該カラー及び中間プレー
トの間に複数個が一体に形成された座板を介在させてリ
ザーバを固定することにより、合成樹脂製のリザーバの
フランジ及び中間プレートの固定座面の座屈を防止で
き、所定の締付軸力を確保することができるようにする
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る電動ポン
プは、ポンプ本体の一側にブラケットを介して取り付け
られた電動モータのモータ軸を、前記ポンプ本体の同側
に突出するポンプ軸に連結すると共に、前記ポンプ本体
の吐出路の中途にダンパ室を設け、前記電動モータから
の伝動により吐出路に吐出される圧液の脈動を、前記ダ
ンパ室の作用により軽減する構成としてある電動ポンプ
において、前記ダンパ室は、前記ブラケットの内側に設
けられていることを特徴とする。
【0012】第1発明にあっては、ポンプ本体の一側に
電動モータを取り付けるために設けた筒形のブラケット
の内側に、ポンプ軸とモータ軸との連結部を除いて構成
された空間を利用して脈動軽減用のダンパ室を構成し、
ポンプ本体の他側にダンパ室の配設のための長さを不要
として軸長寸法を削減する。従って、ポンプ全体を小型
化することができる。
【0013】第2発明に係る電動ポンプは、前記ダンパ
室は、前記ブラケットのポンプ本体との対向部に形成さ
れた凹所を、前記ブラケットとポンプ本体との間に挾圧
固定された中間プレートにより封止して構成してあるこ
とを特徴とする。
【0014】第2発明にあっては、ブラケットのポンプ
本体との対向面に凹所を形成し、ポンプ本体とブラケッ
トとの間に介装された中間プレートと前記凹所の内側と
の間に所要の内容積を確保してダンパ室を構成する。中
間プレートは、ポンプ本体とブラケットとの間に挾圧固
定し、ダンパ室内部の高圧に耐え得る構造とする。
【0015】第3発明に係る電動ポンプは、前記中間プ
レートが高張力アルミニウム材料によって形成されてい
ることを特徴とする。
【0016】第3発明にあっては、中間プレートを、比
較的軽量で、しかも比較的薄い厚さにすることができ、
ポンプ全体の軸長方向寸法をより一層削減してより一層
の小型化を図ることができる。即ち、ブラケットのポン
プ本体との対向部に設ける凹所及び中間プレートによっ
てダンパ室を構成した場合、ダンパ室から中間プレート
に加えられる液圧反力の作用面積が増加することにな
り、しかも、ポンプ本体の最大吐出圧を所定値以上に上
げるためには前記中間プレートの強度を上げる必要があ
る。この中間プレートの強度を上げる手段として板厚を
所定厚さ以上に厚くする場合は小型軽量化の目的を逸脱
することになり、また、中間プレートを炭素鋼等の剛性
を有する材料で形成した場合はポンプ全体の重量が増大
することになるという不具合があるのに対し、本発明に
あっては、小型軽量化を図ることができる。
【0017】第4発明に係る電動ポンプは、前記ダンパ
室は、前記ポンプ軸及びモータ軸の軸線周りに周長を有
して設けてあり、該ダンパ室が周長方向へ蛇行している
ことを特徴とする。
【0018】第4発明にあっては、圧液のダンパ室内で
の流通経路長さをダンパ室の周長よりも長くすることが
できるため、ダンパ室を所定以上に大きく形成すること
なく、換言すれば、ダンパ室が設けられるブラケットを
小型化でき、しかも、脈動を効果的に軽減することがで
きる。即ち、ポンプ本体が吐出する圧液の脈動を効果的
に軽減するには、所定の容積の圧液溜りを有するダンパ
室内での圧液流通経路長さを長くする程好ましいのであ
るが、その反面、ダンパ室が大型化し、電動ポンプの全
体が大型化することになるのに対し、本発明にあって
は、ダンパ室を大型化することなくダンパ室内での圧液
流通経路長さを長くすることができ、脈動を効果的に軽
減することができる。また、ダンパ室の蛇行によってブ
ラケットのダンパ室部分の強度を高めることができ、ブ
ラケットをより一層小型化することができる。
【0019】第5発明に係る電動ポンプは、前記ダンパ
室は、前記ブラケットに内蔵されていることを特徴とす
る。
【0020】第5発明にあっては、ブラケットのみによ
ってダンパ室を構成することができるから、凹所及び中
間プレートによってダンパ室が構成されるものに比較し
て部品点数を削減でき、コストを大幅に低減できる。し
かも、ブラケットはポンプ本体から吐出された圧液をダ
ンパ室へ導入する導入孔を設ける構成とし、ダンパ室か
らポンプ本体に加えられる液圧反力の作用面積を、凹所
及び中間プレートによってダンパ室が構成されるものに
比較して小さくすることができるため、ポンプ本体をブ
ラケットに固定するための固定ボルトの必要軸力を小さ
くでき、ポンプ本体を小型の固定ボルトによって強固に
固定でき、電動ポンプの全体を小型化することができ
る。即ち、凹所及び中間プレートによってダンパ室が構
成されるものにあっては、ダンパ室から中間プレートに
加えられる液圧反力の作用面積が比較的大きいため、中
間プレートをブラケットに固定するための固定ボルトの
必要軸力が大きく、大型の固定ボルトを用いてポンプ本
体を固定する必要があるのに対し、本発明にあっては、
ダンパ室の液圧反力の作用面積を小さくでき、ポンプ本
体を小型の固定ボルトによって強固に固定することがで
きる。
【0021】第6発明に係る電動ポンプは、前記中間プ
レートに複数本の固定ねじによって固定される複数個の
フランジを有し、前記ポンプ本体を囲繞する合成樹脂製
のリザーバと、前記フランジに穿設された貫通孔に挿入
する金属製のカラーと、該カラー及び前記中間プレート
との間に介在される金属製の座板とを備え、該座板の複
数個が一体に形成されていることを特徴とする。
【0022】第6発明にあっては、中間プレートがアル
ミニウム合金などの非鉄金属で形成されている場合にお
いて、固定ねじの緊締によってリザーバを中間プレート
に固定する場合、合成樹脂製のリザーバのフランジの座
屈をカラーによって防止でき、中間プレートの固定座面
の座屈を座板によって良好に防止でき、所定の締付軸力
を確保できるのであり、しかも、座板の複数個が一体に
形成されているため、複数個の座板の全てを別個に形成
する場合に比較して座板の寸法誤差の発生個所を少なく
でき、座板の寸法管理を容易にでき、また、リザーバの
固定作業性を向上できるとともに、この固定作業時の座
板の装着忘れをなくし得るのである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 実施の形態1 図1は、本発明に係る電動ポンプの構成を示す側断面図
である。
【0024】本発明に係る電動ポンプは、ハウジング11
内に互いに噛合する駆動ギヤ12及び従動ギヤ13を有する
ポンプ本体1の一側に、中心部に軸挿通孔2aを有する筒
形のブラケット2を介して駆動用の電動モータ3を取り
付け、ポンプ本体1への入力軸としてのポンプ軸10と、
電動モータ3の出力軸としてのモータ軸30とをブラケッ
ト2の内側において同軸上に突き合わせ、これらを嵌め
込み式のカップリング4により連結して、モータ軸30に
取り出される電動モータ3の駆動力を、カップリング4
を介してポンプ軸10に伝え、ポンプ本体1を駆動する構
成となっている。
【0025】図1のポンプ本体1は、ハウジング11に形
成された長円形断面の空洞部に駆動ギヤ12と従動ギヤ13
とを互いに噛合させて配し、噛合部の一側に設けた吸込
室内の作動油を、両ギヤ12,13の回転により夫々の歯間
と前記空洞部の内周面との間に閉じ込めて搬送し、噛合
部の他側に設けた吐出室に吐出する構成とした公知のギ
ヤポンプである。
【0026】駆動ギヤ12及び従動ギヤ13は、これらの両
側からハウジング11の空洞部に嵌挿された一対のサイド
プレート14,14により回転自在に両持ち支持されてい
る。ポンプ本体1は、ハウジング11の両側を周方向に複
数本の固定ボルト15,15…(1本のみ図示)によって共
締めされたエンドプレート16と中間プレート17とにより
挾持し、これらの両プレート16,17により前記サイドプ
レート14,14を抜け止めして構成されている。
【0027】前記中間プレート17は、図1の如く、ポン
プ本体1よりも十分に大きい直径を有する平板であり、
ポンプ本体1と逆側の面は、電動モータ3取り付け用の
ブラケット2の取り付け座として、またポンプ本体1と
同側の面は、吸込タンクを構成するリザーバ(以下タン
ク筒と云う)5の取り付座材として夫々用いられてい
る。
【0028】タンク筒5は、薄肉の板材により構成され
た有底の円筒体であり、その開口縁を前記中間プレート
17の一側(ポンプ本体1の取り付け側)端面に周設され
たインロー部 17aに嵌め合わせ、ポンプ本体1の外側を
囲繞する態様に取り付けてある。またブラケット2は、
前記中間プレート17と略同径の円筒体であり、一側の開
口縁を中間プレート17の他側端面に周設されたインロー
部 17bに嵌め合わせ、該中間プレート17と同軸上に位置
決めして取り付けてある。
【0029】以上の如く中間プレート17の両側に位置す
るタンク筒5とブラケット2とは、前者に周設された取
り付けフランジ50に挿通された周方向に複数本の固定ボ
ルト51,51…(1本のみ図示)を、ブラケット2の外周
部の対応位置に形成された各別のねじ孔に螺合すること
により、両者間に中間プレート17を挾持する態様に共締
め固定されている。ポンプ本体1への入力軸となるポン
プ軸10は、ハウジング11の内部において前記駆動ギヤ12
に同軸的に嵌着され、前記サイドプレート14,14に両持
ち支持され、前記中間プレート17の略中心部を貫通する
貫通孔を経てブラケット2の軸心部に突設されている。
【0030】一方電動モータ3は、一側に周設された取
り付けフランジに周方向に複数本の固定ボルト31,31…
(1本のみ図示)を挿通し、これらを、ブラケット2の
他側端面に形成されたねじ孔に螺合せしめることによ
り、該ブラケット2と同軸上にねじ止め固定されてい
る。この固定により電動モータ3の出力軸となるモータ
軸30は、ブラケット2の軸心部において前記ポンプ軸10
に突き合わされ、前記カップリング4により同軸的に連
結されている。
【0031】而して、電動モータ3が駆動された場合、
モータ軸30の回転が、カップリング4を介してポンプ軸
10に伝えられ、該ポンプ軸10に嵌着された駆動ギヤ12
が、これに噛合する従動ギヤ13と共にハウジング11の内
側空洞部(ギヤ室)内にて回転し、前述した如きポンプ
作用が行われる。
【0032】ギヤ室の内部への作動液の吸込は、前記タ
ンク筒5により構成された吸込タンクの内側に面してハ
ウジング11の外周に開口する図示しない吸込口を経て行
われる。吸込タンクの内部には、タンク筒5の外周に取
り付けた戻油管52を経て補機からの戻液が供給される。
タンク筒5の内側には、戻油管52の連通部に面して邪魔
板53が設けてあり、戻油管52を経て供給される作動液
は、前記邪魔板53との衝突により速度を失って吸込タン
ク内に滞留するようになしてある。
【0033】一方、ギヤ室の内部からの圧液の吐出口
(図示せず)は、前記中間プレート17の該当位置を厚さ
方向に貫通する態様に形成されている。中間プレート17
の外側に取り付けられたブラケット2には、前記ポンプ
軸10とモータ軸30との連結部の外側を囲繞する環状の形
態をなし、中間プレート17との対向側を開口させた凹所
20が形成されており、この凹所20の開口側を前記中間プ
レート17により封止して所定の内容積を有するダンパ室
6が形成されており、中間プレート17に貫通形成された
前記吐出口は、このダンパ室6内に開口させてある。
【0034】またダンパ室6は、ブラケット2の周壁に
取り付けた図示しない吐出管により送油先に接続されて
おり、ポンプ本体1からの圧液(圧油)は、中間プレー
ト17を貫通する吐出口を経てダンパ室6に導入され、更
に前記吐出管を経て送油先に送出されるようになしてあ
る。このときダンパ室6は、これの内部に吐出口を経て
導入される圧液(圧油)に含まれる脈動成分を吸収し、
吐出管からの送出液(送出油)の脈動を軽減する作用を
なす。
【0035】ダンパ室6の内容積は、前記脈動の吸収を
有効に行わせるべく、この脈動の周波数に対応させて設
定されている。ポンプ本体1からの吐出液は、ロータと
しての駆動ギヤ12及び従動ギヤ13の回転数と、一回転当
たりの吐出回数となる駆動ギヤ12及び従動ギヤ13の歯数
との積に相当する周波数を主成分とする脈動を含んでお
り、ダンパ室6の内容積は、前記積に基づいて適正に定
めることができる。
【0036】実施の形態1の電動ポンプにおいては、以
上の如く脈動の軽減作用をなすダンパ室6が、駆動用の
電動モータ3を取り付けるべく設けられたブラケット2
の内側に、ポンプ軸10とモータ軸30との連結部を囲繞す
る環状の室として構成されている。ブラケット2は、前
記連結を可能とするために必要な軸方向長さを有してお
り、前記ダンパ室6は、ブラケット2の軸方向長さを利
用することにより、前述の如く決定される内容積を確保
して容易に構成することができる。即ち、適正な内容積
を有するダンパ室6を軸方向の全体長さを増すことなく
構成でき、従来に比して大幅に小型化された電動ポンプ
を提供するができる。
【0037】またダンパ室6は、ポンプ本体1から吐出
される高圧の吐出液を受容することとなるが、このダン
パ室6は、前述した如く、ブラケット2に形成された環
状の凹所20の開口側を中間プレート17により封止して構
成されており、この中間プレート17は、周方向に複数本
の固定ボルト51,51…により、ポンプ本体1とブラケッ
ト2との間に強固に挾圧固定されていることから、ダン
パ室6内部の高圧を余裕を持って負担することができ
る。
【0038】ポンプ本体1のハウジング11には、その周
方向の一か所に、ダンパ室6の内部の過剰な圧力をリリ
ーフするリリーフ弁7が組み込まれている。このリリー
フ弁7は、エンドプレート16を含めてハウジング11を軸
方向に貫通して形成された弁孔の内部に、中間プレート
17との対向側の開口部に嵌着固定された円筒形のスプー
ルホルダ71と、該スプールホルダ71の軸心部に摺動自在
に保持されたスプール72と、前記弁孔のエンドプレート
16側の開口部に取り付けたばね受け73とを備え、該ばね
受け73と前記スプール72との対向面間にリリーフばね74
を介装し、該リリーフばね74のばね力により前記スプー
ル72の先端を中間プレート17に押し付けて構成されてい
る。
【0039】中間プレート17には、スプール72の押し付
け部近傍に前記ダンパ室6に連通する導圧孔75が形成さ
れている。またスプールホルダ71には、その中途部を半
径方向に貫通するリリーフ孔76が形成され、このリリー
フ孔76は、ハウジング11の該当位置に形成された連通孔
を経て前記タンク筒5により構成された吸込タンク内に
連通させてある。スプールホルダ71の内側へのリリーフ
孔76の開口端は、スプールホルダ71に保持されたスプー
ル72が、リリーフばね74のばね力に抗して中間プレート
17から離反する向きに移動したとき開放されるようにな
してある。
【0040】以上の如く構成されたリリーフ弁におい
て、スプール72は、その先端に導圧孔75を介して作用す
るダンパ室6の内圧によりリリーフばね74のばね力と逆
向きに押圧されており、この押圧力がリリーフばね74の
ばね力を上回ったとき中間プレート17から離反する向き
に移動し、この移動によりスプールホルダ71に形成され
たリリーフ孔76が開放されることとなり、ダンパ室6の
内圧は、導圧孔75及びリリーフ孔76を経て吸込タンクに
解放される。
【0041】リリーフばね74の他側が弾接するばね受け
73は、ハウジング11に形成された弁孔のエンドプレート
16側の開口端に螺合固定され、その螺進操作により弁孔
内への進出長さを変更可能に構成されており、この変更
により前記リリーフばね74のばね力、即ち、このばね力
に抗して行われるリリーフ圧を適宜に設定可能に構成さ
れている。ばね受け73の端部は、図示の如く、エンドプ
レート16の外側に突設させてあり、リリーフ圧の設定の
ための前記螺進操作は、エンドプレート16の外側から容
易に行わせることができる。
【0042】実施の形態2 図2は電動モータ部分を省略した断面図、図3は中間プ
レートの断面図、図4は中間プレートの平面図、図5は
中間プレートの底面図である。実施の形態2の電動ポン
プは、前記ブラケット2の凹所20とともにダンパ室6を
構成する前記中間プレート17を高張力アルミニウム材料
によって形成したものであり、その他の構成及び作用は
実施の形態1と同じであるため、同じ符号を付し、その
詳細な説明、構造及び作用を省略する。
【0043】出願人が開発中の実施の形態1の電動ポン
プにおける中間プレート17は、JISH 2118によって規格
されたアルミニウム合金、例えば、12種1,12種2を用
いているが、実施の形態2の中間プレート17A は、JIS
H 4000によって規格された高張力アルミニウム材料を用
いるのであり、例えば、合金番号2014,2219,2024,70
75の何れか、合金番号2014,2024,7075の何れかに合せ
材として心材を用いたもの、合金番号2014,2024,7075
の何れかに合せ板として皮材を合わせたものを用いる。
【0044】中間プレート17A は、中心部に軸挿通孔17
c を有する円板状に形成されており、ポンプ本体1側の
面には前記タンク筒5が嵌合される筒状のインロー部 1
7dを有し、ブラケット2側の面には前記ブラケット2が
嵌合される筒状のインロー部17eを有しており、また、
軸挿通孔17c 及びインロー部 17dの間には、ポンプ本体
1の吐出室に連通する吐出口17f と、前記導圧孔75と、
一対の位置決め孔17gと、前記固定ボルト15が挿通され
る4個の貫通孔17j がそれぞれ穿設されている。また、
中間プレート17A の外周部には貫通孔17h を有する複数
個(実際は4個)のフランジ17k が周方向に所定の間隔
を隔てて突設されている。
【0045】実施の形態2にあっては、前記凹所20の開
放部を封止し、該凹部20とともにダンパ室6を構成する
ことによって液圧反力の作用面積が比較的大きくなる中
間プレート17A を高張力アルミニウム材料によって形成
しているため、比較的薄い厚さで前記液圧反力に耐える
ことができる。従って、中間プレート17A を軽量で、し
かも比較的薄い厚さにすることができ、ポンプ全体の軸
長方向寸法をより一層削減してより一層の小型化を図る
ことができる。
【0046】実施の形態3 図6はダンパ室部分の断面図、図7はブラケットの平面
図、図8は中間プレートの底面図である。実施の形態3
の電動ポンプは、環状の前記凹所20の周面に凹凸部を有
しないダンパ室6を形成する代わりに、凹所20の周面に
ブラケット2及び中間プレート17又は17A から凹所20へ
延びる複数個の第1及び第2の邪魔壁61, 62を所定の間
隔を隔てて交互に突設し、これら邪魔壁61, 62によって
ポンプ軸10及びモータ軸30の軸線周りに周長方向へ蛇行
するダンパ室6Aを形成したものであり、その他の構成及
び作用は実施の形態1と同じであるため、同じ符号を付
し、その詳細な説明、構造及び作用を省略する。
【0047】第1及び第2の邪魔壁61, 62は、凹所20の
深さ寸法よりも短い長さでブラケット2、中間プレート
17又は17A と一体に成形され、中間プレート17, 17A が
凹所20を封止したとき、第1邪魔壁61と中間プレート1
7, 17A の底面との間、及び第2邪魔壁62とブラケット
2の凹所面との間に図6の如く所定の隙間ができ、これ
ら隙間によって周長方向へ蛇行するダンパ室6Aを形成す
る。このダンパ室6Aは、その周長方向の一端部に、中間
プレート17, 17A を貫通してポンプ本体1の吐出室と連
通する前記吐出口17f を設け、周長方向の他端端部に前
記吐出管の接続口63を設け、吐出口17f からダンパ室6A
へ導入された圧液を蛇行させながら該圧液に含まれる脈
動成分を吸収するようにしてある。
【0048】実施の形態3にあっては、ポンプ軸10及び
モータ軸30の軸線周りに周長をなして構成されるダンパ
室6Aを周長方向へ蛇行させているため、圧液のダンパ室
6A内での流通経路長さを、実施の形態1の如く蛇行させ
ていないダンパ室6の流通経路長さに比べて長くするこ
とができる。従って、ダンパ室6Aを所定以上に大きく形
成することなく圧液の脈動を良好に軽減することがで
き、ダンパ室6Aが設けられるブラケット2を小型化でき
る。
【0049】尚、実施の形態3において、ダンパ室6Aを
蛇行させるための第2の邪魔壁62は、中間プレート17,
17A に設ける代わりに、図示していないが第1の邪魔壁
61とともにブラケット2に設け、ダンパ室6Aを蛇行させ
るようにしてもよい。この場合、例えば、所定の間隔を
隔てて対向する一対の周面の一面に第1の邪魔壁61を、
また、一対の周面の他面に第2の邪魔壁62をそれぞれ所
定の間隔を隔てて交互に突設し、これら第1及び第2の
邪魔壁61, 62と前記一面及び他面との間に隙間を設け、
周長方向へ蛇行するダンパ室6Aを形成してもよい。
【0050】実施の形態4 図9は電動モータ部分を省略した断面図、図10はタンク
筒の側面図、図11は図10のXI−XI線の断面図、図12は図
9の XII−XII 線の断面図である。実施の形態4の電動
ポンプは、前記中間プレート17, 17A に前記固定ねじ51
によって取付けられる複数個のフランジ54を有し、前記
ポンプ本体1を囲繞する合成樹脂製のタンク筒5と、前
記フランジ54に穿設された貫通孔55に挿入する金属製の
カラー56と、該カラー56及び前記中間プレート17, 17A
との間に介在される金属製の複数個(実際は4個)の座
板57とを備え、該座板57の複数個(実際は2個)を一体
に形成したものであり、その他の構成及び作用は実施の
形態1,2と同じであるため、同じ符号を付し、その詳
細な説明、構造及び作用を省略する。
【0051】図13は座板の平面図である。座板57は略円
弧状に形成されており、その長手方向一端部及び他端部
を中間部に比べて漸次広幅とし、これら一端部及び他端
部に前記固定ボルト51用の貫通孔57a が設けられてい
る。
【0052】カラー56は、一端部の外周にテーパ面を有
する筒部の他端部に鍔56a を設けたものであり、タンク
筒5の筒部側からフランジ54の貫通孔55に挿入し、鍔56
a をフランジ54の座面に対接させるようにしてある。
【0053】また、タンク筒5のフランジ54側端面には
前記座板57の厚さに対応する深さの一対の凹部58を設
け、該凹部58に座板57を入れるようにしてある。
【0054】実施の形態4にあっては、例えばタンク筒
5の一対の凹部58, 58に座板57を入れるとともにフラン
ジ54の貫通孔55にカラー56を挿入し、タンク筒5を中間
プレート17, 17A のポンプ本体1側の面に対接させ、固
定ボルト51を前記カラー56の孔、中間プレート17, 17A
及びブラケット2の貫通孔17h に挿入し、電動モータ側
部材のねじ孔に緊締することによってタンク筒5を中間
プレート17, 17A に固定し、該中間プレート17, 17A 及
びブラケット2を電動モータ側部材に固定する。この場
合、固定ねじ51の緊締力をカラー56及び座板57を介して
金属製の中間プレート17, 17A に加えることができるた
め、合成樹脂製のタンク筒5のフランジ54の座屈をカラ
ー56によって防止でき、中間プレート17, 17A の固定座
面の座屈を座板57によって良好に防止でき、所定の締付
軸力を確保できる。
【0055】また、隣合う二つの座板57が一体に形成さ
れているため、複数個の座板の全てを別個に形成する場
合に比較して座板57の寸法誤差の発生個所を少なくで
き、座板57の寸法管理を容易にできるのであり、また、
固定個所を減らすことなく座板57の個数を少なくするこ
とができ、タンク筒の固定作業性を向上できるととも
に、この固定作業時の座板57の装着忘れをなくし得るの
である。
【0056】尚、実施の形態4において、タンク筒を固
定するための固定ボルト51は電動モータ側の部材に緊締
する代わりに、前記ブラケット2又は中間プレート17,
17Aに設けるねじ孔に緊締する如く構成してもよい。
【0057】実施の形態5 図14は電動モータ部分を省略した断面図、図15は図14の
XV−XV線の断面図である。実施の形態5の電動ポンプ
は、ポンプ本体1を複数本の前記固定ボルト15によって
ブラケット2に固定し、タンク筒5を複数本の前記固定
ボルト51によって電動モータ側部材に固定するようにし
たものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1,
2,4と同じであるため、同じ符号を付し、その詳細な
説明、構造及び作用を省略する。
【0058】ブラケット2には、軸挿通孔の周りに4個
のねじ孔21を相互に所定の間隔を隔てて穿設するととも
に、これらねじ孔21に対応する貫通孔を前記中間プレー
ト17, 17A に穿設し、前記エンドプレート16及びハウジ
ング11を有するポンプ本体1を固定するための4本の固
定ボルト15を前記貫通孔に挿入し、ねじ孔21に緊締する
ことによってポンプ本体1をブラケット2に固定する。
また、タンク筒5には貫通孔55を有する複数個のフラン
ジ54を所定の間隔を隔てて設けるとともに、中間プレー
ト17, 17A 及びブラケット2に前記貫通孔55に対応する
貫通孔を設け、これら貫通孔に4本の固定ボルト51を挿
入し、電動モータ側部材に緊締することによってタンク
筒5を中間プレート17, 17A に固定する。
【0059】実施の形態5にあっては、ブラケット2の
ポンプ本体1側の面に設ける凹所20の大部分を開放させ
てダンパ室6, 6Aの容積を増大させることができるよう
にした構造において、ポンプ本体1を固定するための固
定ボルト15及びタンク筒5を固定するための固定ボルト
51を利用して凹所20とともにダンパ室6, 6Aを構成し、
ダンパ室6,6Aから加えられる液圧反力の作用面積が多
い中間プレート17, 17A を固定するため、前記固定ボル
ト15, 51として比較的小径のボルトを用いることがで
き、中間プレート17, 17A を固定するための固定ボルト
の重量、ひいては電動ポンプ全体の重量を軽くすること
ができる。また、ポンプ本体1の最大吐出圧を高める場
合においても、高張力ボルトを用いることによって固定
ボルト15,51の本数を多くすることなく中間プレート1
7, 17A を強固に固定することができる。
【0060】実施の形態6 図16はポンプ本体をブラケットに固定する固定部分の拡
大断面図である。実施の形態6の電動ポンプは、前記ハ
ウジング11に一対の第1の位置決め孔11a を設けるとと
もに、該位置決め孔11a に対応する一対の第2の位置決
め孔17gを前記中間プレート17, 17A に、また、一対の
第3の位置決め孔22を前記ブラケット2にそれぞれ設
け、これら第1〜第3の位置決め孔11a , 17g , 22に位
置決めピン8を嵌め込むことによって中間プレート17,
17A 及びブラケット2のハウジング11に対する位置を適
正に決めるとともに、位置決めピン8の第1及び第3位
置決め孔11a , 22への嵌め込み寸法L1,L2を前記ハウジ
ング11の軸長方向寸法Lの22〜35%としたものであり、
その他の構成及び作用は実施の形態1,2,4,5と同
じであるため、同じ符号を付し、その詳細な説明、構造
及び作用を省略する。
【0061】前記特開平10-82377号公報に開示された電
動ポンプにおいては、位置決めピン8の第1及び第3位
置決め孔11a , 22への嵌め込み寸法L1, L2を前記ハウジ
ング11の軸長方向寸法Lの7〜11%とされているため、
駆動ギヤ12及び従動ギヤ13が内装されているハウジング
11が起振源となり、実用領域の周波数帯に共振点を持つ
ため、騒音が発生し易くなるのであるが、実施の形態6
の位置決めピン8は、前述の如く嵌め込み寸法L1, L2を
22〜35%とし、さらに、前記特開平10-82377号公報に開
示された電動ポンプにおいては、位置決めピン8がすき
ま嵌めとなるようにして第1〜第3の位置決め孔11a ,
17g , 22に嵌め込みされているが、実施の形態6の位置
決めピン8は、しまり嵌めとなるようにして第1〜第3
の位置決め孔11a , 17g , 22に嵌め込み、位置決めピン
8、ハウジング11、中間プレート17, 17A 及びブラケッ
ト2相互の動きを拘束している。
【0062】実施の形態6にあっては、起振源の近傍に
設けられる位置決めピン8を利用し、該位置決めピン8
の第1及び第3位置決め孔11a , 22への嵌め込み寸法L
1, L2を、従来例に比べて3倍程度に長くなる寸法とし
てあるため、共振点を実用領域の周波数帯以外に移行さ
せることができ、ハウジング11が起振源となることによ
る騒音の発生を特別の構成を別途に加えることなく無く
し得るのである。また、位置決めピン8は、しまり嵌め
となるようにして第1〜第3の位置決め孔11a ,17g , 2
2に嵌め込みされているため、ハウジング11が起振源と
なることによる騒音の発生をより一層なくし得るのであ
る。
【0063】実施の形態7 図17は電動モータ部分を省略した断面図である。実施の
形態7の電動ポンプは、凹所20及び中間プレート17, 17
A によってダンパ室6,6Aを構成する代わりに、略C字
形のダンパ室6Bを、前記ブラケット2Aに内蔵されている
構成としたものであり、その他の構成及び作用は実施の
形態1と同じであるため、同じ符号を付し、その詳細な
説明、構造及び作用を省略する。
【0064】図18はブラケットの平面図、図19はブラケ
ットの断面図、図20はブラケットの底面図、図21はダン
パ室成形用のシェル中子を示すもので、(a) は平面図、
(b)は側面図である。ダンパ室6Bは、例えばシェル中子
9によるグラビティ製法によって成形する。このグラビ
ティ製法は、ブラケット2Aを成形するための一対の割型
(図示せず)と、ダンパ室6Bに対応するシェル中子9と
を用いる。このシェル中子9は、砂が合成樹脂製の接着
剤によって固められたものであり、ダンパ室6Bに対応す
る略C字形の中子本体91と、二つの導入孔23, 23を成形
するための一対の第1の腕部92, 92と、前記接続口63を
成形するための第2の腕部93とを備えている。
【0065】このシェル中子9を一対の割型に内装した
状態で、割型内に溶融されたアルミニゥム合金材料又は
高張力アルミニゥム材料を充填し、ブラケット2Aを成形
する。次にブラケット2Aを冷却させた後、砂の固まりを
崩壊させ、前記導入孔23, 23及び接続口63からブラケッ
ト2A内の砂を外部に排出し、ブラケット2Aの内部をブラ
スト処理してブラケット2A自体にダンパ室6Bを内蔵させ
る。尚、ブラケット2Aには前記中間プレート17, 17A の
位置決め孔17g に対応する一対の位置決め孔22及び前記
フランジ54の貫通孔55に対応する貫通孔24を有するフラ
ンジ25が設けられている。
【0066】実施の形態7にあっては、実施の形態1,
2の如く中間プレート17, 17A を用いることなくブラケ
ット2Aのみによってダンパ室6Bを構成することができる
から、凹所20及び中間プレート17, 17A によってダンパ
室6,6Aが構成される実施の形態1,2に比較して部品
点数を削減でき、コストを大幅に低減できる。
【0067】また、ブラケット2Aのポンプ本体1側の面
は実施の形態1,2の如くダンパ室6,6Aの大部分を開
放させることなく、ポンプ本体1から吐出された圧液を
導入する導入孔23を設けるため、ダンパ室6Bからポンプ
本体1に加えられる液圧反力の作用面積を、実施の形態
1,2に比較して小さくすることができる。従って、ポ
ンプ本体1をブラケット2Aに固定するための固定ボルト
の必要軸力を小さくでき、ポンプ本体を小型の固定ボル
トによって強固に固定でき、電動ポンプの全体を小型化
することができる。
【0068】尚、本発明に係る電動ポンプのダンパ室
6,6A, 6Bは、例えば実施の形態1の如く環状とし、ま
た、実施の形態7の如く略C字形としてもよいのであ
り、また、軸挿通孔の周りに2個以上を設け、これらを
連通路によって連通させる構造としてもよいのであり、
ダンパ室の構成は特に制限されない。
【0069】また、以上の実施の形態においては、動力
舵取装置、自動変速装置等、自動車に搭載された油圧作
動装置の作動油を得るべく、自動車に搭載して用いられ
る油圧式の電動ポンプについて説明したが、本発明は、
車載ポンプとしての用途以外に用いられる電動ポンプ、
更には、油以外の液体を取り扱い対象とする電動ポンプ
においても適用可能であることは言うまでもない。また
ポンプ本体1は、以上の実施の形態において説明したギ
ヤポンプに限らず、ベーンポンプ等、他の回転容積形の
ポンプであってもよい。
【0070】
【発明の効果】以上詳述した如く第1発明によれば、駆
動用の電動モータを取り付けるべくポンプ本体の一側に
設けられたブラケットの内側の空間を利用して脈動軽減
用のダンパ室を構成したから、前記ブラケットに本来必
要な軸方向長さを有効利用してダンパ室に必要な内容積
を確保することができ、該ダンパ室の配置のために軸長
寸法を増す必要がなく、軸長寸法の削減により一層の小
型化が達成される。
【0071】第2発明によれば、ダンパ室は、ブラケッ
トのポンプ本体との対向側に形成された環状の凹所をブ
ラケットとポンプ本体との間に挾圧固定された中間プレ
ートにより封止して構成してあるから、脈動成分を含む
高圧の吐出液に耐え得る強固なダンパ室を簡素に構成す
ることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【0072】第3発明によれば、中間プレートを比較的
軽量で、しかも、比較的薄い厚さにすることができ、ポ
ンプ全体の軸長方向寸法をより一層削減してより一層の
小型化を図ることができる。
【0073】第4発明によれば、圧液のダンパ室内での
流通経路長さをダンパ室の周長よりも長くすることがで
きるため、ダンパ室を所定以上に大きく形成することな
く、換言すれば、ダンパ室が設けられるブラケットを小
型化でき、しかも、脈動を効果的に軽減することができ
る。
【0074】第5発明によれば、ブラケットのみによっ
てダンパ室を構成することができるから、凹所及び中間
プレートによってダンパ室が構成されるものに比較して
部品点数を削減でき、コストを大幅に低減でき、しか
も、ブラケットはポンプ本体から吐出された圧液をダン
パ室へ導入する導入孔を設ける構成とし、ダンパ室から
ポンプ本体に加えられる液圧反力の作用面積を、凹所及
び中間プレートによってダンパ室が構成されるものに比
較して小さくすることができるため、ポンプ本体をブラ
ケットに固定するための固定ボルトの必要軸力を小さく
でき、ポンプ本体を小型の固定ボルトによって強固に固
定でき、電動ポンプの全体を小型化することができる。
【0075】第6発明によれば、中間プレートがアルミ
ニウム合金などの軽金属材料で形成されている場合にお
いて、固定ねじの緊締によってタンク筒を中間プレート
に固定する場合、合成樹脂製のタンク筒のフランジの座
屈をカラーによって防止でき、中間プレートの固定座面
の座屈を座板によって良好に防止でき、所定の締付軸力
を確保できる。しかも、座板の複数個が一体に形成され
ているため、複数個の座板の全てを別個に形成する場合
に比較して座板の寸法誤差の発生個所を少なくでき、座
板の寸法管理を容易にでき、また、タンク筒の固定作業
性を向上できるとともに、この固定作業時の座板の装着
忘れをなくし得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動ポンプの構成を示す側断面図
である。
【図2】本発明に係る電動ポンプの電動モータ部分を省
略した断面図である。
【図3】本発明に係る電動ポンプの中間プレートの断面
図である。
【図4】本発明に係る電動ポンプの中間プレートの平面
図である。
【図5】本発明に係る電動ポンプの中間プレートの底面
図である。
【図6】本発明に係る電動ポンプのダンパ室部分の断面
図である。
【図7】本発明に係る電動ポンプのブラケットの平面図
である。
【図8】本発明に係る電動ポンプの中間プレートの底面
図である。
【図9】本発明に係る電動ポンプの電動モータ部分を省
略した断面図である。
【図10】本発明に係る電動ポンプのタンク筒の側面図
である。
【図11】図10のXI−XI線の断面図である。
【図12】図9の XII−XII 線の断面図である。
【図13】本発明に係る電動ポンプの座板の平面図であ
る。
【図14】本発明に係る電動ポンプの電動モータ部分を
省略した断面図である。
【図15】図14のXV−XV線の断面図である。
【図16】本発明に係る電動ポンプのポンプ本体をブラ
ケットに固定する固定部分の拡大断面図である。
【図17】本発明に係る電動ポンプの電動モータ部分を
省略した断面図である。
【図18】本発明に係る電動ポンプのブラケットの平面
図である。
【図19】本発明に係る電動ポンプのブラケットの断面
図である。
【図20】本発明に係る電動ポンプのブラケットの底面
図である。
【図21】本発明に係る電動ポンプのダンパ室成形用の
シェル中子を示すもので、(a) は平面図、(b) は側面図
である。
【符号の説明】
1 ポンプ本体 2,2A ブラケット 3 電動モータ 5 タンク筒(リザーバ) 6, 6A, 6B ダンパ室 10 ポンプ軸 17, 17A 中間プレート 20 凹所 30 モータ軸 51 固定ねじ 54 フランジ 56 カラー 57 座板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 俊雄 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 Fターム(参考) 3H040 AA03 BB00 BB01 BB09 CC09 CC10 CC14 CC16 DD01 DD23 DD33 DD36 DD37 DD40 3H041 AA02 BB00 BB01 BB02 CC11 CC13 CC15 CC20 DD01 DD13 DD20 DD33 DD34 DD38 3H044 AA02 BB01 BB02 BB05 BB08 CC11 CC12 CC14 CC19 DD01 DD10 DD13 DD23 DD24 DD28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ本体の一側にブラケットを介して
    取り付けられた電動モータのモータ軸を、前記ポンプ本
    体の同側に突出するポンプ軸に連結すると共に、前記ポ
    ンプ本体の吐出路の中途にダンパ室を設け、前記電動モ
    ータからの伝動により吐出路に吐出される圧液の脈動
    を、前記ダンパ室の作用により軽減する構成としてある
    電動ポンプにおいて、前記ダンパ室は、前記ブラケット
    の内側に設けられていることを特徴とする電動ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ダンパ室は、前記ブラケットのポン
    プ本体との対向部に形成された凹所を、前記ブラケット
    とポンプ本体との間に挾圧固定された中間プレートによ
    り封止して構成してある請求項1記載の電動ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記中間プレートは高張力アルミニウム
    材料によって形成されている請求項2記載の電動ポン
    プ。
  4. 【請求項4】 前記ダンパ室は、前記ポンプ軸及びモー
    タ軸の軸線周りに周長を有して設けてあり、該ダンパ室
    が周長方向へ蛇行している請求項1から請求項3の何れ
    かに記載の電動ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記ダンパ室は、前記ブラケットに内蔵
    されている請求項1記載の電動ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記中間プレートに複数本の固定ねじに
    よって固定される複数個のフランジを有し、前記ポンプ
    本体を囲繞する合成樹脂製のリザーバと、前記フランジ
    に穿設された貫通孔に挿入する金属製のカラーと、該カ
    ラー及び前記中間プレートの間に介在される金属製の座
    板とを備え、該座板の複数個が一体に形成されている請
    求項1から請求項4の何れかに記載の電動ポンプ。
JP37471998A 1998-09-18 1998-12-28 電動ポンプ Expired - Fee Related JP3773370B2 (ja)

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