JP3679003B2 - 冷蔵庫の扉開閉装置 - Google Patents

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は冷蔵庫に関し、詳述すれば、扉を密閉している磁気吸引力に抗して所定距離だけ扉を強制的に開けるための、扉用ハンドル装置に内蔵されているトリガー機構に関する。
【0002】
(背景技術)
現今市販されている冷蔵庫には複数の扉が備わっており、そのうちの少なくとも一つの扉は回動式になっていて、その扉の片側にある枢動軸を中心として開位置と閉位置との間を回動するようになっている。この枢支回動式扉の内側表面には一つかそれ以上の収容棚が固定、又は、取外し自在に取り付けられていて、ビン類や缶詰類、小容器類が収容できるようになっている。また、各扉には磁気ガスケットが取り付けられていて、その扉が冷蔵室に連なる開口を閉じていると、当該扉と冷蔵庫の前縁とに間にほぼ気密シールが画成されて、冷蔵庫内の冷気が外部に逃げないようになっている。当業者には周知のように、前記磁気ガスケットは、扉を密閉させておくのに必要な磁気吸引力を醸し出す永久磁石が埋設された構成になっている。
【0003】
ところが、冷蔵庫扉を開ける際に、磁気ガスケットが扉と冷蔵庫ハウジングの前縁との間で醸し出している磁気吸引力を克服するには、相当の引張り力が必要であることは経験されているところである。満杯のビン類や缶詰類、小容器類を一杯載せたがために収容棚に相当の荷重がかかっている場合では特にそうである。枢支回動式扉が冷蔵庫の上部に設置される傾向があるのを鑑みれば、満杯のビン類や缶詰類、小容器類などで扉に相当の荷重がかかっている場合、扉の開閉操作は背の低いユーザにとっては相当の労働である。
【0004】
引出し式扉について言えば、この引出し式扉は、生野菜類やその他の食材を収納する貯蔵容器を支えているのが通常である。ところが、貯蔵容器が深いものであればあるほど、全体が重くなり、そのために引出し式扉を閉位置から開位置へと動かすのに比較的相当な引出し力が必要である。
【0005】
扉を開けるのに必要な力をできるだけ小さくするために、公開日を1995年7月21日とする実開昭7-41377号公報では、扉ハンドルに背後に移動自在に設けられ、その両端にトリガーアームが形成されている操作部材でトリガー機構を構成している。この操作部材の両端にあるトリガーアームは磁気ガスケットの襞に臨んでおり、扉ハンドルの操作時に操作部材を前方に引くと、トリガーアームが冷蔵庫ハウジングの周縁から離れる前方向に移動して磁気ガスケットを強制的に圧縮させることにより、その磁気ガスケットと冷蔵庫ハウジングの前縁との間に隙間を形成して冷蔵庫扉の開成が容易になるようにしている。
【0006】
前述の公報に開示されているアイデアは、磁気ガスケットの断面形状が蛇腹状で、全周にわたって延在する複数の襞を有していて、トリガーアームを前方に動かすとその磁気ガスケットが圧縮されるようになっている場合には有効である。しかし、トリガーアームは、磁気ガスケットの内側にあってその磁気ガスケットと接触した状態で襞に係合しているから、操作部材を頻繁に操作すると磁気ガスケットが破損する。このように磁気ガスケットが局所的に一旦破損すると、冷蔵庫ハウジングの前縁と磁気ガスケットとの間に気密シールを得ることができなくなる。
【0007】
他方、公開日を1986年4月23日とする特開昭61-79976号公報には、枢支軸を介して冷蔵庫ハウジングに枢動自在に取り付けた冷蔵庫扉と、枢支軸とは反対側において冷蔵庫扉の一部に可動自在に取り付けたハンドルとを開示している。ハンドルは、その一端が扉の枢支軸に枢支され、他端がハンドルに連結されている操作棒を介して扉に可動自在に支持されている。この操作棒のほぼ中間部にトリガー突起が冷蔵庫ハウジングの前縁へ向かって突出するように取り付けられている。この扉トリガー機構は、ハンドルを引っ張るとトリガー突起が冷蔵庫ハウジングの前縁に当接して、扉に取り付けてある磁気ガスケットを冷蔵庫ハウジングの前縁から強制的に引き離すように構成されている。
【0008】
ところが、前述の特許公開公報にあっては、扉に取り付けてある磁気ガスケットをトリガー突起の作用で冷蔵庫ハウジングの前縁から一旦引き離した後、冷蔵庫扉を開けるにはユーザはハンドルを前方に引かなければならない。と言うことは、ユーザとしては、ハンドルを引いて扉と冷蔵庫ハウジングとの間に僅かな隙間を先ずつくり、引き続きハンドルを掴んで扉を引いて開ける操作をせざるを得なくなっている。この操作は実に煩雑である。
【0009】
ソレノイド装置とそれに関連する電気スイッチとを用いた冷蔵庫扉用トリガー機構については、例えば公開日を1989年9月5日とする特開平1-222187号公報や、1989年9月5日に特開平1-222186号として公開された特公平7-9341号公報に開示されている。このように電動式トリガー機構を利用することは、一見して洗練されたように見えるが、このトリガー機構には電力が必要で、結果として電力消費量の増大を惹起することになるばかりではなくて、冷蔵庫の製造コストの高騰を惹起することにもなる。また、ソレノイド装置を励起するのにスイッチを作動させて、ハンドルを手前に引いて扉を開けると言った複雑な操作手順も必要になっている。
【0010】
(発明の開示)
(発明が解決しようとする技術的課題)
従って、本発明は、ハンドル組立体に内蔵してあって、扉に取り付けられている磁気ガスケットと冷蔵庫ハウジングの開口周縁との間で扉を密閉すべく作用している磁気吸引力に抗して扉を所定距離だけ強制的に開ける扉用トリガー機構を提供するものである。
【0011】
(その解決方法)
そのために、本発明のある一面では、前面で前方に開口している断熱ハウジングと、該断熱ハウジングの前部開口を開閉する扉と、該扉と断熱ハウジングとの間に臨み、当該断熱ハウジングの開口縁と係合する扉の部分に取り付けられている磁気ガスケットと、扉を開閉すべく開位置と閉位置との間を枢動自在に扉に連結したハンドルと、突出位置と退避位置との間を移動自在に前記ハンドルに連動させたトリガー部材とからなる冷蔵庫を提供している。この構成において、トリガー部材は、ハンドルが閉位置から開位置へと枢動させられるに従って退避位置から突出位置へと移動させられるが、その時開口縁に当接して磁気ガスケットと開口縁との接触を物理的に解放するようになっている。トリガー部材は、ハンドルが閉位置にある限り断熱ハウジングの開口縁の当接面から所定距離だけ隔てているが、扉を開ける際にそのハンドルが閉位置から開位置へと枢動させられるに伴って、断熱ハウジングの当接面と一時的に係合する。
【0012】
本発明によれば、冷蔵庫扉を開けるに当たってはその扉を単に引くだけで、トリガー部材が退避位置から突出位置へと移動し、それにより冷蔵庫扉が開くようになっている。従って、従来のトリガー機構に付随するような余計に複雑な操作手順は不必要である。
【0013】
好ましくは、トリガー部材としては、トリガー機構をコンパクトに組み立てられるようにするためにも、ハンドルの長さの範囲内に収まるようにするのが望ましい。
【0014】
本発明の考えは、回動式扉の有無に係わらず冷蔵庫に備わっている一つかそれ以上に引出し式扉にも等しく適用できるものである。
【0015】
(発明を実施するための最良の形態)
以後、添付図面を参照しながら本発明の幾つかの好ましい実施の形態を詳述する。尚、添付図面では同一構成部品については同一符号を用いている。
【0016】
第1実施の形態(図1から図9)
本発明の第1実施の形態による冷蔵庫を図1から図9に示すが、図1と図2において符号1で示されている。この冷蔵庫1は、前方に開口する外筐体2と、同様に前方に開口しているが、前記外筐体2の内部に臨む内筐体3と、外筐体2と内筐体3との間の隙間に充填されている断熱材4とからなる、ほぼ矩形箱状で、縦型の断熱ハウジング5からなり、この冷蔵庫ハウジング5の内部は、断熱仕切壁6、7、8によりそれぞれに前部開口とその前部開口を開閉する扉9、10、11、12を備えた四室に区画されている。
【0017】
ハウジング5の外筐体2の前縁にはフランジ2aが形成されており、同様に内筐体3の前縁にもフランジ3aが形成されている。冷蔵庫ハウジング5を組み立てた状態にあっては、外筐体2の前縁と一体のフランジ2aは、合成樹脂からなる内筐体3の前縁と一体のフランジ3aと重なって開口縁を形成している。
【0018】
各断熱仕切壁6〜8の前面には金属からなる仕切縁13が設けられている。各仕切縁13の厚みL1は、冷蔵庫ハウジング5の壁厚L2よりも大きい。また、各仕切縁13としては合成樹脂製であってもよいが、その場合、室からの熱伝導による冷気漏れに効果が得られる。
【0019】
14は、可撓性磁石14bが埋設されている磁気ガスケットを示す。この磁気ガスケット14は方形状をしていて、各扉9、10、11、12に取り付けられており、この磁気ガスケット14が前縁に磁気的に吸着されることで、冷気漏れを防いでいる。
【0020】
15は、冷蔵庫ハウジング15の下部に設けた圧縮機を示す。冷却器16はこの圧縮機15の上方に配置されており、また、この冷却器16の上方に各室に冷気を強制循環させる送風機17が配置されている。18は、送風機17により循環させられている冷気を冷蔵室に案内するダンパーを示す。冷蔵庫ハウジング5内の温度は、ハウジング5内の四室が当該ハウジング5の上部から下部にかけて順に冷蔵室、冷蔵・冷凍切替え室、冷蔵室、野菜室となるように制御されている。何れにしても、冷蔵庫それ自体は従来公知の構成であってもよい。
【0021】
各扉9〜12は、冷蔵庫ハウジング5における対応する室を選択的に開閉するようになっている。最上段の回動式扉9における、図1から見て頂部及び底部の右隅部は、冷蔵室に連なる前部開口を開閉するように同軸整合させたヒンジ19を介して冷蔵庫ハウジング5に連結されている。冷蔵室に対面するこの最上段回動式扉9の内面には、ビン類や缶詰類、小容器類、卵などを収納する収納棚20が複数設けられている。
【0022】
残りの各扉10、11、12は引出し式扉であって、前方に引きだした開位置と後方に引っ込めた閉位置との間を案内レール(図示せず)に沿って移動自在であると共に、対応する貯蔵容器21、22、23が上向きに開口した状態で収容されている。この貯蔵容器の深さと容積については、最上段引出し式扉10に収容させた貯蔵容器21が一番小さい。
【0023】
最上段引出し式扉10は、例えば台所床の如くの支持面から高さLのところに臨み、この高さLとしては1メートル以下である。1メートル以下のこの高さLは、冷蔵室が冷蔵庫ハウジング5の頂部にある場合に大抵の日本の女性が他の引出し式扉11、12に邪魔されることなく貯蔵容器21に対して食材を出し入れできるには最適なものである。
【0024】
24は、下部ヒンジ19とは隔てた回動式扉9の下部の下方をほぼ水平に延在する把持部25を有する枢支ハンドルを示す。この枢支ハンドル24の一部には、合成樹脂製で、冷蔵庫ハウジング5の開口縁の一部を構成する仕切縁13と係合自在なトリガー片26が一体形成されている。このトリガー片26は、矩形状磁気ガスケット14の一隅の外側ではあるが、それに近接した位置において、回動式扉9の下部化粧板9aの底面に位置決めされている。このように塵がー片26を矩形状磁気ガスケット14の一隅の外側に位置決めすることは、気密シールが損なわれるのを阻止する上で特に有利なことである。
【0025】
27と28はそれぞれ取付け板を示す。この取付け板27は、回動式扉9とほぼ直交する平面において開位置と閉位置との間を枢動できるように、枢支ハンドル24を扉9に連結するものである。この取付け板27は、複数の止めネジ29によりトリガー片26の下面を覆う化粧板9aに取り付けられおり、回動式扉9から前方に突出する突片30を備えている。他方、取付板28は扉9の前面に複数の止めネジ29で取り付けられ、前記突片30と同一方向に突出していると共に、それと対峙するように折曲げ形成された突片31を備えている。
【0026】
枢支ハンドル24は、その両端が互いに対峙する前記突片30、31に連結され手、当該ハンドル24を貫通して横切る軸ピン32を備えている。従って、この枢支ハンドル24は、この軸ピン32を中心として開位置と閉位置との間を枢動できるようになっている。ハンドル24の把持部25とトリガー片26の位置関係は、トリガー片26がヒンジとは反対側、即ち、把持部25とへ隔てた軸ピン32の片側に臨むようにしている。軸ピン32には、例えばコイルバネの如くの弾性部材33が遊嵌されており、この弾性部材33によりハンドル24が図3から見て時計方向に付勢されているので、ハンドル24を引かない限り当該ハンドルは閉位置に保持されている。従って、ハンドル31を前方に引くと、当該ハンドル24は弾性部材33の付勢力に抗して軸ピン32を中心として図3において反時計方向に回動する。尚、ハンドル24が操作されていると、即ち、図3に示すように閉位置に保持されていると、トリガー片26は仕切縁13から離間しており、そのために仕切縁13とは接触していない。
【0027】
ハンドル24は、抗菌剤を添加した材料で作製されているので、ハンドル24そのものは抗菌性を呈しており、また、把持部25の少なくとも前面には梨地加工により微細な表面凹凸を持たせて滑りを防いでいる。
【0028】
34は各引出し式扉10、11、15に装着した枢支ハンドルを示す。このハンドル34は対応する引出し式扉10、11、15の頂部中央近傍に設けられている。引出し式扉10(そして、高さこそ異なるが引出し式扉11、12も含めて)には、その頂縁に化粧板35が取り付けられている。この化粧板35の一部には、図7と図8とにおいて内側に窪んだ凹部36が形成されていて、この凹部37にトリガー片37が引出し式扉10及び対応する仕切縁13とはほぼ直交する方向に沿って、図7に示した退避位置と図8に示した突出位置との間を摺動するように設けられている。引出し式扉10の表面板10aの一部には、摺動自在トリガー片37を収納する窪み38が形成されている。
【0029】
ハンドル34の上部は前記窪み38内において枢動自在の支持されていると共に、押圧面39がそのハンドル34に一体形成されている。この押圧面39は摺動自在トリガー片37を押圧する部分であって、図7に示した閉位置から図8に示した開位置へのハンドル34の移動に応動して摺動トリガー片37を退避位置から突出位置へと押し出すようになっている。また、このハンドル34には、摺動トリガー片37を突出位置から退避位置へと、コイルバネの如くの弾性部材42の付勢作用による開位置から閉位置へのハンドルの移動に応動して復帰させる戻し面40も形成されている。摺動トリガー片37に形成されている突起41は、前記押圧面39と戻し面40とに選択的に係合するようになっている。通常閉位置へとハンドル34を付勢するのに利用している弾性部材42は、ハンドル34に装着されているが、そのために、ハンドル34の一端は前記突起41に、また、他端は窪み38にそれぞれ係合している。
【0030】
摺動トリガー片37が図8に示した退避位置に臨んでいると、この摺動トリガー片37は近接する仕切縁13とは僅かの距離だけ離間している。43は、この摺動トリガー片37を覆うと共に、ハンドル34の前方方部に被さっている覆い板を示す。摺動トリガー片37は、冷蔵庫ハウジング1の幅方向に沿うハンドル37の長さL3の範囲に収まる部分に位置決めされているから、トリガー機構をコンパクトの組み立てることができる。
【0031】
尚、ハンドル37と、引出し式扉10について説明した摺動トリガー片37を含むそれに関連する構成部品などは、他の引出し式扉11、12のそれぞれにも等しく用いることができる。
【0032】
以後、本発明による冷蔵庫に用いた複数のハンドルのそれぞれの作用について説明する。
ハンドル24の把持部25は、上方と下方と非固定方向の三方向から握りやすいように工夫されていて、回動式扉9を開けやすくなっている。回動式扉9を開けたいときにこのハンドル24を軸ピン32を中心として反時計方向に回動させると、トリガー片26が僅かだけ移動した後に仕切縁13に当接する。すると、回動式扉9は軸ピン19を中心として図2から見て時計方向に回動する。回動式扉9を更に回動させるには、ユーザが当該扉9を時計方向に開ければよい。
【0033】
詳述すれば、トリガー片26は枢支ハンドル24の枢動時には自由に移動できるから、軽い力で移動させることができる。この操作を続けると、トリガー片26は仕切縁13に一時的に接触して、回動式扉9に取り付けられている磁気ガスケットを開口縁から部分的に離間させ、その状態から軽い力で、しかも、磁気ガスケット14と前部縁13との間の磁気吸引力に煩わされることなく回動式扉9を更に開けることができる。ユーザがハンドル24の把持部25から手を離すと、ハンドル24は弾性部材33の付勢力の作用でもとの位置へ戻る。
【0034】
どれかの貯蔵容器、例えば貯蔵容器21から食材を取り出す場合、それに対応する引出し式扉10を前方へ引けばよい。このためには、ユーザは窪み38に手を差し込んで指を枢支ハンドル34と窪み38の其処との間に臨ませた上で枢支ハンドル34を前方に引くことで、当該ハンドル34が閉位置から開位置へと回動するようにすればよい。このように枢支ハンドル34を開位置へ移動させると押圧面38が突起41と当接し、この枢支ハンドル34を開位置へと更に枢動させると、トリガー片37が退避位置から突出位置へと摺動する。
【0035】
トリガー片37が仕切縁13に当接することから、引出し式扉10に取り付けられてその磁気吸引力の作用で仕切縁13と密着している磁気ガスケットが当該仕切縁13から僅かだけ離間されるので、その後は軽い引出し力を宛うだけで引出し式扉10を開位置へと引き出すことができる。尚、前述のようにトリガー片37の作用により磁気ガスケット14が仕切縁13から離された後では、貯蔵容器21へのアクセスのための引出し式扉10の引き出しは、従来冷蔵庫におけるのと同様にスムースに行うことができる。このような構成からして、枢支ハンドル34から手を離せば、枢支ハンドル34は弾性部材42の付勢力の作用で自動的に閉位置へ戻るが、その時、トリガー片37は戻し面40と突起41との係合により退避位置へ復帰する。従って、開けた引出し式扉10を閉じる場合、単に押し込むだけでよく、その場合、当該扉10を閉じたときにトリガー片37が仕切縁13に当接するようなことはない。
【0036】
前述の構成において、各引出し式扉10〜12に備わっている枢支ハンドル34は、対応する引出し式扉の幅の中間に配置してあるので、引出し式扉にユーザが作用させる力が一方に片寄るようなことはない。また、トリガー片37は枢支ハンドル34の寸法内に収まっているから、ユーザはハンドル34上の至る所で、トリガー片37が仕切縁13と当接したときに感じられるような違和感を感ずるようなことはない。
【0037】
また、ハンドル24の材料には抗菌剤が添加されていて、ハンドル24そのものが抗菌性を呈するようになっているので、ユーザの手と接触して汚されやすいハンドル24を衛生的かつ清潔に保つことだできる。更に、ハンドルの把持部25に梨地加工を施して微細な表面凹凸を設けていることから、ハンドル24を把持するユーザの手が滑るようなことはなく、よって操作性を向上させている。
【0038】
更に、トリガー片26、27が対応する仕切縁13と当接できるようにして冷蔵庫ハウジング5の厚みよりも長い寸法の当接位置を確保できるので、外筐体との当接を調節するのに比べて簡単に調整できる。尚、前述の実施の形態にあってはトリガー片は冷蔵庫ハウジングの壁圧に当接させていないが、当接させても問題はない。
【0039】
尚、本明細書及び特許請求の範囲において用いる「開口縁」なる用語は、前縁と仕切縁の何れをも意味するものである。
【0040】
第2実施の形態(図10から図15)
図10から図15において、44はヒンジAとは反対側のハンドル24の部分に設けたカバーを示し、このカバー44はヒンジAから把持部25とは反対側のハンドル24の部分の延長面45にかけて延在する部分を覆っている。このカバー44と延長面45の一端との間の間隔L4はできるだけ狭い方が望ましい。
【0041】
しかし、扉9を開くときは、この延長面45はハンドル24の握り部25の移動方向とは反対に、扉に接近する方向へ移動するので、ユーザの手が挟み込まれるようなことはない。
【0042】
引出し式扉10の貯蔵容器は、他の引出し式扉11、12の貯蔵容器に比べて小さく、軽量であるために、それに対応するハンドル47は従来公知の引掛け式の構造とし、残りの引出し式扉11、12は後述のように回動式握りハンドル46としている。
【0043】
引出し式扉11(高さこそ異なるが他の引出し式扉12も同様)の上縁には化粧板48が固定されている。この化粧板48の一部に図15から見て内方に窪んだ凹部49を設けて、この凹部49に摺動トリガー片50を、図13に示した退避位置と図14に示した突出位置との間を引出し式扉11及び対応する仕切縁13とほぼ直交する方向に移動できるように配置している。引出し式扉11の表面板11aの一部には、このトリガー片50を収納するように窪み51が形成されている。
【0044】
枢支ハンドル46の上部は、窪み51を跨るように化粧板48に装着した軸ピン52により、前記窪み51内に枢動自在に支持されている。摺動トリガー片50にはその一端から外側方に突出するピン53が形成されており、このピン53が係止溝54に受承された状態でハンドル46に連結されている。例えばコイルバネの如くの弾性部材55の両端がハンドル46と窪み51の底部とにそれぞれ当接していて、当該ハンドル46を図13に示すように閉位置へ付勢しており、そのために摺動トリガー片50も退避位置へと付勢されている。摺動トリガー片50が図13に示すように退避位置にあると、ハンドル46とは反対側におけるこの摺動トリガー片50の一端は対応する仕切縁13から僅かだけ隔てている。
【0045】
56は、摺動トリガー片50の上部を覆う覆板で、ハンドル46の前面上部も覆っている。前述の実施の形態におけるのと同様に、摺動トリガー片50は、枢支ハンドル46の長さL3に収まるように位置させられている。カバー44は枢動式扉9に設けたハンドル24の端部を覆っているので、ユーザの手がハンドルの端部に挟まれることがない。
【0046】
また、最上段の引出し式扉10には、他の引出し式扉11、12よりも浅くて軽い貯蔵容器を設けているので、ハンドルを可動式にしなくても軽い力で開くことができると共に、可動式ハンドルを省くことによりコスト削減がはかれる。
【0047】
尚、本発明の第2実施の形態で用いたハンドル24、26は、本発明の前述の実施の形態について説明したのと同様な効果を奏することができる。
【0048】
第3実施の形態(図16と図17)
図16と図17とにおいて、枢支ハンドル24は、その把持部25が冷蔵庫ハウジング1の長手方向に沿って直立した状態で、枢支軸とは反対側における回動式扉9の下部左隅に枢動自在に連結されている。従って、回動式扉9の幅方向に沿う把持部25を有するハンドル24の寸法Bを小さくすることができるので、ユーザやユーザの衣服などが引っ掛かり難い。また、使用時にハンドル24が動いて冷蔵庫ハウジング1の一部を押すので、回動扉9を選択的に開閉するのに必要な力を可及的に小さくすることができる。
【0049】
第4実施の形態(図18)
本発明の第4実施の形態においては、冷蔵庫ハウジング1に設けた引出し式扉57、58は左右に配置すると共に、冷蔵庫ハウジング1の高さのほぼ中間部の位置に設けられている。図示していないが、これらの引出し式扉57、58にはそれぞれ貯蔵容器が設けられている。図18から見て左側の引出し式扉57の枢支ハンドル34はその上部中間に位置決めされており、また右側の引出し式扉58の枢支ハンドル34は下方中間に位置決めされている。左側の引出し式扉57のハンドル34は、それを回動させると下方から上方へ回勤するのに対して、右側の引出し式扉58はハンドル34は、それを回動させると上方から下方へ回勤するようになっている。
【0050】
左側及び右側の引出し式扉57、58におけるハンドル34の構造と作用は互いに同じであるために繰り返して説明するようなことはしないが、ハンドル34の配潰位置によって操作性が悪くなることがない。
【0051】
第5実施の形態(図19)
図19に示した本発明の第5実施の形態においては、最上段の引出し式扉10のハンドル46は、当該引出し式扉10の下部中間に設けられており、中段の引出し式扉11のハンドル46は、最上段の引出し式扉10のハンドル46と対峙するように当該扉11の上部中間に設けられている。従って、最上段の引出し式扉10のハンドル46は、中段の引出し式扉11のハンドルとほぼ同一構造ではあるが、それを反転した関係にあり、従って、中段の引出し式扉11のハンドル46はそれを回動させると、下方から上方へ回勤するのに対して、最上段の引出し式扉10のハンドル46は、それを回動させると上方から下方へ回動するようになっている。
【0052】
引出し式扉10、11におけるそれぞれのハンドル46の構造と作用は母母堂一なので、繰り返して説明するようなことはしないが、ハンドル46の配置位置によって操作性が悪くなることがない。
【0053】
第6実施の形態(図20)
図20に示した本発明の第6実施の形態においては、本発明の考えを、、それぞれが対応する対の軸ピン61、62により枢動自在に支持されている左側及び右側の揺動扉59、60からなる観音開き扉組立体を利用した冷蔵庫に適用している。
【0054】
左側の揺動扉59のハンドル24はその扉59の下部右隅に、また、右側揺動扉60のハンドル24はその扉60の下部左隅にそれぞれ配置している。揺動扉59、60のハンドル24におけるトリガー片は、仕切縁13と係合するように対称配置になっていると共に、それらの把持部25は冷蔵庫ハウジング1の幅方向に沿ってほぼ水平に延在している。また、図示していないが、この時磁気ガスケットは冷蔵庫ハウジングの三辺と接触シールするようになっている。
【0055】
回動式ハンドルは、図20を参照しながら説明したこのような観音開き扉組立体にも適用できるものである、また、観音開き扉組立体に適用したこれらの回動式ハンドルは意匠的にまとまりよく構成でき、外観品位の高い冷蔵庫が提供できる。
【0056】
第7実施の形態(図21)
図21に示す本発明の第2実施の形態においても、本発明の考えを、第6実施に形態において用いたのと同様な、対応する対の軸ピン61、62により枢動自在に支持されている左側及び右側の揺動扉59、60からなる観音開き扉組立体を利用した冷蔵庫に適用している。
【0057】
左側の揺動扉59のハンドル24はその扉59の下部右隅に、また、右側揺動扉60のハンドル24はその扉60の下部左隅に、それぞれの把持部25が冷蔵庫ハウジング1の長手方向と平行に直立するようにそれぞれ配置している。図示していないが、この時磁気ガスケットは冷蔵庫ハウジングの三辺と接触シールするようになっている。
【0058】
回動式ハンドルは、図20を参照しながら説明したこのような観音開き扉組立体にも適用できるものである、また、観音開き扉組立体に適用したこれらの回動式ハンドルは意匠的にまとまりよく構成でき、外観品位の高い冷蔵庫が提供できる。更に、枢支扉9の幅方向に沿う把持部25を有するハンドル24の寸法Bを小さくすることができるので、ユーザやユーザの衣服類がそれに引っ掛かるような可能性を最小限にすることができる。
【0059】
第8実施の形態(図22)
本発明の第8実施の形態を示す図22において、63、64、65は、前方へ引き出した開位置と後方へ引っ込めた閉位置との間を案内レール(図示せず)に沿って移動自在であると共に、上方に開口した状態で貯蔵容器(図示せず)が設けられている引出し式扉を示す。深さと容積については、中段の引出し式扉64に設けた貯蔵容器は一番小さい、即ち、図2に示した貯蔵容器21と類似である。最上段の引出し式扉63における貯蔵容器は、野菜類を収納する野菜容器として利用され、中段の引出し式扉64における貯蔵容器は多目的容器として、更に最下段の引出し式扉65における貯蔵容器は冷凍容器として利用される。
【0060】
中段の引出し式扉64における貯蔵容器は最上段及び最下段の引出し式扉63、65における貯蔵容器に比べて小さいのく、軽量でもあるので、それに対応するハンドル66は従来公知の単に引掛け式とし、他の引出し式扉63、65のみに回動式ハンドル46を配置している。
【0061】
なお、中段の引出し式扉64に設けられている多目的貯蔵容器室は、例えば冷凍温度と冷蔵温度の中間温度に冷却されるものとして、特に魚介、肉類などの生鮮食品の貯蔵を目的としたり、或いは、専用のダンパー(図示せず)を設けて冷凍温度から冷蔵温度までの温度帯に冷却できるようにして、所望に応じた食品貯蔵スペースを提供できるようにしてもよい。
【0062】
図22に示した構成においては、中段の引出し式扉64に他の引出し式扉63、65におけるよりも浅くて軽い貯蔵容器を取り付けているため、可動式ハンドルにしなくとも軽い力で開くことが出来、また、そのハンドルを省くことによりコスト削減が図れる。なお、近年の健康意識の高まりから、最も頻繁に使われる野菜容器を、ユーザが腰をかがめることなく中味を見渡せるような冷蔵庫の高さレベルのところに優先的に設けることが行われており、従って、図22に示した実施の形態による引出し式扉の配置も高さの最も低い引出し式扉を、冷蔵庫ハウジング1の高さのほぼ中間部に相当するところに配置すれば、本発明を実施した冷蔵庫の利用頻度を高めることができる。
【0063】
第9実施の形態(図23)
図23において、67と68は、最上段の引出し式扉63と最下段の引出し式扉65との間に配置されている右側及び左側引出し式扉をそれぞれ示す。それぞれの引出し式扉67、68は前方へ引き出した開位置と後方へ引っ込ませた閉位置との間を案内レール(図示せず)に沿って移動自在であると共に、開口を上向きにして貯蔵容器が収容されている。深さと容積に関しては、それぞれの引出し式扉67、68における貯蔵容器は最上段及び最下段の引出し式扉63、65における貯蔵容器(深さについては図2に示した貯蔵容器21を参照のこと)よりも小さい。図示に実施の形態にあっては、右側引出し式扉67における貯蔵容器は多目的貯蔵容器とし、また、左側引出し式扉68における貯蔵容器は氷温室として用いている。引出し式扉53、65に比べて各引出し式扉67、68の貯蔵容器は比較的浅く、狭幅になっていて軽量であるから、これらの引出し式扉67、68は可動ハンドルを用いなくても比較的軽い力で開けることができ、従ってコスト削減が図れる。
【0064】
また、近年の健康意識の高まりから、最も頻繁に使われる野菜容器を、ユーザが腰をかがめることなく中味を見渡せるような冷蔵庫の高さレベルのところに優先的に設けることが行われており、従って、図22に示した実施の形態による引出し式扉の配置も高さの最も低い引出し式扉を、冷蔵庫ハウジング1の高さのほぼ中間部に相当するところに配置すれば、本発明を実施した冷蔵庫の利用頻度を高めることができる。
【0065】
以上、好ましい実施の形態について本発明を詳述したが、当業者には種々の改変や変形例などが容易に想到しうるところである。このような改変や変形例も添付の請求の範囲から逸脱しない限り、本発明の範囲に含まれるものと解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態による冷蔵庫の正面図。
【図2】 図1に示した冷蔵庫の縦断面図。
【図3】 扉ハンドルを閉位置に設定した状態での、底面から見た図1の冷蔵庫の部分拡大断面図。
【図4】 扉ハンドルを開位置に設定した状態での、底面から見た図1の冷蔵庫の部分拡大断面図。
【図5】 回動式扉の扉ハンドルを示す、図1の冷蔵庫の部分拡大正面図。
【図6】 図5に示した扉ハンドルの分解斜視図。
【図7】 扉ハンドルを閉位置に設定した状態での、図1の冷蔵庫における引出し式扉を示す部分拡大側断面図。
【図8】 扉ハンドルを開位置に設定した状態での、図1の冷蔵庫における引出し式扉を示す部分拡大側断面図。
【図9】 図7と図8に示した引出し式扉の扉ハンドルの分解斜視図。
【図10】 本発明の第2実施の形態による冷蔵庫の正面図。
【図11】 回動式扉が閉位置に設定されている状態を示す図10の冷蔵庫の部分拡大断面図。
【図12】 図11に示した扉ハンドルを示す冷蔵庫の部分正面図。
【図13】 扉ハンドルを閉位置に設定した状態での、図10の冷蔵庫における引出し式扉を示す部分拡大側断面図。
【図14】 扉ハンドルを開位置に設定した状態での、図10の冷蔵庫における引出し式扉を示す部分拡大側断面図。
【図15】 図13と図14に示した引出し式扉の扉ハンドルを示す分解斜視図。
【図16】 本発明の第3実施の形態によるもので、上部だけを示す冷蔵庫の部分正面図。
【図17】 図16に示した冷蔵庫の部分側断面図。
【図18】 本発明の第4実施の形態による冷蔵庫の部分正面図。
【図19】 本発明の第5実施の形態による冷蔵庫の部分正面図。
【図20】 本発明の第6実施の形態による冷蔵庫の部分正面図。
【図21】 本発明の第7実施の形態による冷蔵庫の部分正面図。
【図22】 本発明の第8実施の形態による冷蔵庫の部分正面図。
【図23】 本発明の第9実施の形態による冷蔵庫の部分正面図。
【符号の説明】
1…断熱ハウジング 9…回動式扉
10…引出し式扉 11…引出し式扉
12…引出し式扉 13…開口縁
14…磁気ガスケット 14b…磁気ガスケット
24…ハンドル 26…トリガー片
34…ハンドル 46…ハンドル
50…トリガー片 57…引出し式扉
58…引出し式扉 59…回動式扉
60…回動式扉 63…引出し式扉
64…引出し式扉 65…引出し式扉

Claims (5)

  1. 前面で前方に開口した断熱ハウジングと、該断熱ハウジングの前部開口を選択的に開閉するようにヒンジを介して前記断熱ハウジングに連結された第1及び第2扉とからなる観音開き扉組立体と、前記第1及び第2扉にそれぞれ取り付けられて、それぞれが少なくとも三辺と係合するように当該扉と前記断熱ハウジングとの間に臨む磁気ガスケットと、前記ヒンジとは反対側の各扉の部分に連結されていて、当該扉を開成する開位置と閉成する閉位置との間を移動自在であり、互いに対称配置され、把持部が水平に延在したハンドルと、開口縁と係合自在で、突出位置と後退位置との間を移動自在に前記把持部の反対側において各ハンドルに連結されたトリガー部材とからなり、前記各ハンドルは支点を軸に前後に移動可能で、開扉時、前記把持部を前方に引くと前記トリガー部材は後退位置から突出位置へと移動して前記開口縁に当接することにより、前記磁気ガスケットと開口縁との接触を物理的に解除すると共に、前記ハンドルが閉位置に保持されている限り、前記トリガー部材は前記断熱ハウジングの開口縁の当接面から距離を置いて隔てているが、前記第1あるいは第2扉を開成すべく前記ハンドルが閉位置から開位置へと枢動させられるに伴って、前記断熱ハウジングの当接面と一時的に係合することよりなる冷蔵庫。
  2. 前面で前方に開口した断熱ハウジングと、該断熱ハウジングの前部開口を覆う引出し式扉と、該引出し式扉と前記断熱ハウジングとの間に臨み、前記引出し式扉に取り付けられている磁気ガスケットと、前記引出し式扉に連結されていて、当該扉を開成する開位置と閉成する閉位置との間を移動自在な枢動ハンドルと、前記断熱ハウジングの開口縁と係合自在で、突出位置と後退位置との間を移動自在に前記ハンドルの把持部の反対側において前記ハンドルに連結されたトリガー部材とからなり、前記ハンドルは支点を軸に前後に移動可能で、開扉時、前記把持部を前方に引くと前記トリガー部材は後退位置から突出位置へと移動して前記開口縁に当接することにより、前記磁気ガスケットと開口縁との接触を物理的に解除すると共に、前記ハンドルが閉位置に保持されている限り、前記トリガー部材は前記断熱ハウジングの開口縁の当接面から距離を置いて隔てているが、前記扉を開成すべく前記ハンドルが閉位置から開位置へと枢動させられるに伴って、前記断熱ハウジングの当接面と一時的に係合することよりなる冷蔵庫。
  3. 請求項2に記載の冷蔵庫であって、前記ハンドルは前記引出し式扉の上部に設けられてなる冷蔵庫。
  4. 請求項2に記載の冷蔵庫であって、前記ハンドルは前記引出し式扉の下部に設けられてなる冷蔵庫。
  5. 請求項3に記載の冷蔵庫であって、前記把持部は前記扉を閉位置から開位置へと移動させたいときにユーザが把持するようになっており、前記ハンドルが閉位置から開位置へと枢動させられるときには、前記把持部は下方から上方へと移動して前記トリガー部材を退避位置から突出位置へと移動させることよりなる冷蔵庫。
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