JP3677960B2 - 木材片入りゴム粉ブロック及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、木材片等とゴム粉体とを樹脂接着剤により混合し硬化させて得られる木材片入りゴム粉ブロック及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の木材片入りゴム粉ブロックとしては、例えば特開昭53−96234号公報に示すように、片状、粒状等のゴム質骨材と、木片、木毛等の木質骨材と、合成樹脂接着剤とを混合して一体化した土木建築用ブロック材が知られている。また、例えば特開平5−195615号公報に示すように、ゴムチップ材と、木材のノコクズや皮と、粉砕したモミガラやワラとを、樹脂接着剤により混合撹拌し、加熱加圧することにより板状に成形したゴムチップ床材が知られている。これら木材片及びゴム材を含むブロック等は、材料として廃材であるゴム粉体及び木材片等を用いるため、材料費が非常に安価であるために安価に提供されると共に、廃材のリサイクルによる資源の活用という点からも有効である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ブロック材等は、いずれも表面に露出した木材等が腐食することにより、短期間で破損し易く、また昆虫類により侵食されて破損し易いという問題がある。
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、長期にわたって安定して使用できる木材片入りゴム粉ブロック及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、厚板形状であって、主表面側、裏面側及び側面側のうちの少なくとも主表面側はゴム粉体と樹脂接着剤とを混合してなる所定厚みのゴム粉層であり、他の部分はゴム糊に浸漬された木材片とゴム粉体とに樹脂接着剤を加えて混合してなる混合層であり、ゴム粉層及び混合層を一体で圧縮硬化させることにより形成されたものであることにある。
【0005】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、木材片がゴム糊に浸漬されているため、腐食し難くなっており、さらに木材片入りゴム粉ブロックの使用の際に大気にさらされる主表面側に木材片を含まないゴム粉層が設けられているため、木材片の自然腐食や、昆虫類による侵食を一層確実に防止することができる。また、木材片がゴム糊に浸漬されているため、木材片の水分吸収蒸発が防止され、木材片の伸縮によるブロックの伸縮変形を防止できる。さらに、木材片がゴム糊に浸漬されているため、木材片とゴム粉の密着性が良好になり、ブロックの外力に対する強度が高められる。
【0006】
その結果、請求項1の発明によれば、木材片入りゴム粉ブロックを長期にわたって安定して使用できる。また、木材片をゴム粉体より多量に配合し、かつ表面をゴム粉体のみとしたことにより、木材片入りゴム粉ブロックを軽量にかつ全体の剛性を適度に高くでき、歩行時の弾性のあるブロックが得られる。さらに、木材片入りゴム粉ブロックは、廃材であるゴム粉や木材片を再利用できるため、安価に提供されると共に、資源の有効利用に寄与することができる。
【0007】
また、上記請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の木材片入りゴム粉ブロックにおいて、全体としての比重が1.0以下であることにある。なお、比重は、0.8〜0.95の範囲が好ましい。そのために、上記混合層におけるゴム粉体と木材片の体積比は、ゴム粉体100に対して木材片は100以上であり、好ましくはゴム粉体100に対して木材片は150〜250である。
【0008】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、上記請求項1の発明の効果に加えて、木材片入りゴム粉ブロックとして、適正な弾性と軽量化の効果が得られる。なお、ゴム粉体100に対して木材片が150以下であると、ブロックの軽量化の効果が少なくなり、また250以上であるとブロックの弾性が低下する。
【0009】
また、上記請求項3に係る発明の構成上の特徴は、立体形状の空洞部を有する成形型を用い、空洞部の主表面側及び裏面側に離型シートを配設し、主表面側、裏面側及び側面側のうちの少なくとも主表面側にゴム粉体と樹脂接着剤とを混合してなる所定厚みのゴム粉層を設け、その他の部分にゴム糊に浸漬された木材片とゴム粉体とに樹脂接着剤を加えて混合してなる混合層を設け、成形型を型締めすることによりゴム粉層及び混合層を圧縮硬化させることにある。なお、この木材片入りゴム粉ブロックにおいて、全体としての比重が1.0以下であり、特に0.8〜0.95の範囲が好ましい。そのために、上記混合層におけるゴム粉体と木材片の体積比は、ゴム粉体100に対して木材片は100以上であり、ゴム粉体100に対して木材片は150〜250であることが好ましい。
【0010】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、成形型内の少なくとも主表面側にゴム粉層を設け、その他の部分に木材片とゴム粉体とに樹脂接着剤を加えて混合してなる混合層を設け、型締めしてゴム粉層及び混合層を圧縮硬化させることにより、簡易な設備で容易に木材片入りゴム粉ブロックを製造することができる。また、成形型に離型シートを配設したことにより、製品の型外しを容易に行うことができると共に、製品の成形型への付着による欠け等を防止でき、製品の品質を高めることができる。成形された木材片入りゴム粉ブロックについては、上記請求項1、請求項2に記載した発明の効果と同様の効果を得ることができる。
【0011】
また、上記請求項4に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項3に記載の木材片入りゴム粉ブロックの製造方法において、離型シートとして、パラフィン紙、または合成樹脂シートを用いたことにある。合成樹脂シートとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等が用いられる。
【0012】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、上記請求項3の発明の効果に加えて、これらの材料を用いた離型シートは、撥水性が良く離型性が良いので、通常使用される離型シートであるシリコン系やオイル系のもの比べて、離型剤成分がブロック表面に付着することによる透水性の悪化がない。そのため、製品の生産性が高められると共に、製造の歩留が高められる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一発明の実施の形態を図面を用いて説明すると、図1及び図2は、同実施の形態である道路に敷きつめて使用される木材片入りゴム粉ブロックを斜視図及び一部断面図により示したものである。
木材片入りゴム粉ブロック10は、図1に示すように、300mm×300mm×30mmの正方形の厚板であり、主表面である上表面側の厚さ5〜10mmの部分及び側面側の厚さ5〜10mmの部分がゴム粉層11であり、他の部分が木材片とゴム粉体を混合した混合層12である。上記ゴム粉層11の厚みは、木材片が表面に表れない程度を基準として決められる。
【0014】
ゴム粉層11は、加硫済みのEPDM,CR,NBR等のゴムの屑や不良品を、網目5mmφの破砕機により粉砕した直径1〜5mm程度のゴム粉体11aを1200cc用い、これに顔料50ccを加えて混合し、さらに接着剤11bとして一液型ウレタン系接着剤である例えばジヨリエース(アイカ工業株式会社製品の商品名)とトルエンを体積比4:1で混合したもの180ccを加えて混合したものである。ただし、ゴム粉体の形状についてはこれに限るものではない。
【0015】
混合層12は、平均サイズが長さ70mm、幅15mmの木材片をゴム糊(CR20%液)に浸漬させた木材片12aを2400ccと、上記と同じゴム粉体12bを1200ccとを混ぜ合わせ、これに上記と同じ接着剤12cを180ccを加えて混合したものである。ただし、木材片の形状についてはこれに限るものではない。
【0016】
成形型20は、図3に示すように、合板製の底板21と、金属製の枠22と押え蓋23とからな空洞部の寸法が300mm×300mm×38mmの簡易な型である。押え蓋23には、枠22の内縁部に嵌め合わされる枠部23aが設けられており、枠部23aは木材片入りゴム粉ブロックの上面周囲に面取りを設けるために内側部分が傾斜している。なお、面取りを設けるためのコーナー棒を押え蓋23と別個に用意することもできる。
【0017】
つぎに、木材片入りゴム粉ブロックの成形工程について説明する。
底板21に離型シートとして例えばパラフィン紙24を敷き、その上に枠22を載置した後、底板21面及び枠22の内側部にゴム粉体11aと接着剤11bの混合物を盛り付ける。つぎに、木材片12aとゴム粉体12bと接着剤12cとの混合品を盛り付ける。さらに、枠22の上端までゴム粉体11aと接着剤11bの混合物を盛り付ける。その後、枠22上に離型シートとしてパラフィン紙25を被せ、押え蓋23を枠22に押し付け、プレスで押さえた状態で常温で数時間放置する。その後、押え蓋23、枠22を順次取り外すことにより、図2に示すようにゴム粉層11及び混合層12からなる木材片入りゴム粉ブロック10が得られる。
【0018】
以上のように形成された木材片入りゴム粉ブロック10は、木材片12aがゴム糊に浸漬されているため、腐食し難くなっている。さらに、木材片入りゴム粉ブロックの使用の際に大気にさらされる主表面側の全面及び側面の周囲に木材片12aを含まないゴム粉層11が設けられているため、木材片の自然腐食や、昆虫類による侵食を一層確実に防止することができる。また、木材片12aがゴム糊に浸漬されているため、木材片12aの水分吸収蒸発が防止され、木材片12aの伸縮によるブロックの伸縮変形を防止できる。
【0019】
さらに、木材片12aがゴム糊に浸漬されているため、木材片12aとゴム粉体12bの密着性が良好になり、ブロックの外力に対する強度が高められる。そのため、この木材片入りゴム粉ブロック10は、長期にわたって安定して使用できる。また、木材片12aをゴム粉体12bより多量に配合し、かつ表面をゴム粉体11aのみとしたことにより、木材片入りゴム粉ブロックを軽量にかつ全体の剛性を適度に高くでき、歩行時の弾性のあるブロックが得られる。
【0020】
さらに、成形型20の上下に離型シートであるパラフィン紙を配設したことにより、製品の型外しを容易に行うことができ、欠け等の不良の発生を防止できるので、作業を容易にすると共に、製造歩留を高めかつ製品の品質を高めることができる。また、木材片入りゴム粉ブロックは、廃材であるゴム粉や木材片を再利用できるため、安価に提供されると共に、資源の有効利用に寄与することができる。
【0021】
なお、上記実施形態の変形例として、図4に示すように、ゴム粉層11を木材片入りゴム粉ブロックの表面側及び側面側のみでなく、裏面側13にも設けたものである。これにより、木材片入りゴム粉ブロックの腐食や木材片の自然腐食や、昆虫類による侵食を一層確実に防止することができる。なお、ゴム粉層11を、必要に応じて、ブロックの主表面側のみに設けることもできる。
【0022】
なお、木材片入りゴム粉ブロックの外形、寸法については、上記実施形態に示したものに限らない。また、木材片入りゴム粉ブロックの用途は、道路用に限らず家屋の床面用、壁用等にも使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である木材片入りゴム粉ブロックを示す斜視図である。
【図2】同木材片入りゴム粉ブロックを示す断面図である。
【図3】同木材片入りゴム粉ブロックの成形に用いる成形型を示す分解斜視図である。
【図4】他の実施例である木材片入りゴム粉ブロックを示す断面図である。
【符号の説明】
10…木材片入りゴム粉ブロック、11…ゴム粉層、11a…ゴム粉体、11b…接着剤、12…混合層、12a…木材片、12b…ゴム粉体、12c…接着剤、20…成形型、21…底板、22…枠、23…押え蓋、23a…枠部。
【発明の技術分野】
本発明は、木材片等とゴム粉体とを樹脂接着剤により混合し硬化させて得られる木材片入りゴム粉ブロック及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の木材片入りゴム粉ブロックとしては、例えば特開昭53−96234号公報に示すように、片状、粒状等のゴム質骨材と、木片、木毛等の木質骨材と、合成樹脂接着剤とを混合して一体化した土木建築用ブロック材が知られている。また、例えば特開平5−195615号公報に示すように、ゴムチップ材と、木材のノコクズや皮と、粉砕したモミガラやワラとを、樹脂接着剤により混合撹拌し、加熱加圧することにより板状に成形したゴムチップ床材が知られている。これら木材片及びゴム材を含むブロック等は、材料として廃材であるゴム粉体及び木材片等を用いるため、材料費が非常に安価であるために安価に提供されると共に、廃材のリサイクルによる資源の活用という点からも有効である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ブロック材等は、いずれも表面に露出した木材等が腐食することにより、短期間で破損し易く、また昆虫類により侵食されて破損し易いという問題がある。
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、長期にわたって安定して使用できる木材片入りゴム粉ブロック及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、厚板形状であって、主表面側、裏面側及び側面側のうちの少なくとも主表面側はゴム粉体と樹脂接着剤とを混合してなる所定厚みのゴム粉層であり、他の部分はゴム糊に浸漬された木材片とゴム粉体とに樹脂接着剤を加えて混合してなる混合層であり、ゴム粉層及び混合層を一体で圧縮硬化させることにより形成されたものであることにある。
【0005】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、木材片がゴム糊に浸漬されているため、腐食し難くなっており、さらに木材片入りゴム粉ブロックの使用の際に大気にさらされる主表面側に木材片を含まないゴム粉層が設けられているため、木材片の自然腐食や、昆虫類による侵食を一層確実に防止することができる。また、木材片がゴム糊に浸漬されているため、木材片の水分吸収蒸発が防止され、木材片の伸縮によるブロックの伸縮変形を防止できる。さらに、木材片がゴム糊に浸漬されているため、木材片とゴム粉の密着性が良好になり、ブロックの外力に対する強度が高められる。
【0006】
その結果、請求項1の発明によれば、木材片入りゴム粉ブロックを長期にわたって安定して使用できる。また、木材片をゴム粉体より多量に配合し、かつ表面をゴム粉体のみとしたことにより、木材片入りゴム粉ブロックを軽量にかつ全体の剛性を適度に高くでき、歩行時の弾性のあるブロックが得られる。さらに、木材片入りゴム粉ブロックは、廃材であるゴム粉や木材片を再利用できるため、安価に提供されると共に、資源の有効利用に寄与することができる。
【0007】
また、上記請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の木材片入りゴム粉ブロックにおいて、全体としての比重が1.0以下であることにある。なお、比重は、0.8〜0.95の範囲が好ましい。そのために、上記混合層におけるゴム粉体と木材片の体積比は、ゴム粉体100に対して木材片は100以上であり、好ましくはゴム粉体100に対して木材片は150〜250である。
【0008】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、上記請求項1の発明の効果に加えて、木材片入りゴム粉ブロックとして、適正な弾性と軽量化の効果が得られる。なお、ゴム粉体100に対して木材片が150以下であると、ブロックの軽量化の効果が少なくなり、また250以上であるとブロックの弾性が低下する。
【0009】
また、上記請求項3に係る発明の構成上の特徴は、立体形状の空洞部を有する成形型を用い、空洞部の主表面側及び裏面側に離型シートを配設し、主表面側、裏面側及び側面側のうちの少なくとも主表面側にゴム粉体と樹脂接着剤とを混合してなる所定厚みのゴム粉層を設け、その他の部分にゴム糊に浸漬された木材片とゴム粉体とに樹脂接着剤を加えて混合してなる混合層を設け、成形型を型締めすることによりゴム粉層及び混合層を圧縮硬化させることにある。なお、この木材片入りゴム粉ブロックにおいて、全体としての比重が1.0以下であり、特に0.8〜0.95の範囲が好ましい。そのために、上記混合層におけるゴム粉体と木材片の体積比は、ゴム粉体100に対して木材片は100以上であり、ゴム粉体100に対して木材片は150〜250であることが好ましい。
【0010】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、成形型内の少なくとも主表面側にゴム粉層を設け、その他の部分に木材片とゴム粉体とに樹脂接着剤を加えて混合してなる混合層を設け、型締めしてゴム粉層及び混合層を圧縮硬化させることにより、簡易な設備で容易に木材片入りゴム粉ブロックを製造することができる。また、成形型に離型シートを配設したことにより、製品の型外しを容易に行うことができると共に、製品の成形型への付着による欠け等を防止でき、製品の品質を高めることができる。成形された木材片入りゴム粉ブロックについては、上記請求項1、請求項2に記載した発明の効果と同様の効果を得ることができる。
【0011】
また、上記請求項4に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項3に記載の木材片入りゴム粉ブロックの製造方法において、離型シートとして、パラフィン紙、または合成樹脂シートを用いたことにある。合成樹脂シートとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等が用いられる。
【0012】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、上記請求項3の発明の効果に加えて、これらの材料を用いた離型シートは、撥水性が良く離型性が良いので、通常使用される離型シートであるシリコン系やオイル系のもの比べて、離型剤成分がブロック表面に付着することによる透水性の悪化がない。そのため、製品の生産性が高められると共に、製造の歩留が高められる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一発明の実施の形態を図面を用いて説明すると、図1及び図2は、同実施の形態である道路に敷きつめて使用される木材片入りゴム粉ブロックを斜視図及び一部断面図により示したものである。
木材片入りゴム粉ブロック10は、図1に示すように、300mm×300mm×30mmの正方形の厚板であり、主表面である上表面側の厚さ5〜10mmの部分及び側面側の厚さ5〜10mmの部分がゴム粉層11であり、他の部分が木材片とゴム粉体を混合した混合層12である。上記ゴム粉層11の厚みは、木材片が表面に表れない程度を基準として決められる。
【0014】
ゴム粉層11は、加硫済みのEPDM,CR,NBR等のゴムの屑や不良品を、網目5mmφの破砕機により粉砕した直径1〜5mm程度のゴム粉体11aを1200cc用い、これに顔料50ccを加えて混合し、さらに接着剤11bとして一液型ウレタン系接着剤である例えばジヨリエース(アイカ工業株式会社製品の商品名)とトルエンを体積比4:1で混合したもの180ccを加えて混合したものである。ただし、ゴム粉体の形状についてはこれに限るものではない。
【0015】
混合層12は、平均サイズが長さ70mm、幅15mmの木材片をゴム糊(CR20%液)に浸漬させた木材片12aを2400ccと、上記と同じゴム粉体12bを1200ccとを混ぜ合わせ、これに上記と同じ接着剤12cを180ccを加えて混合したものである。ただし、木材片の形状についてはこれに限るものではない。
【0016】
成形型20は、図3に示すように、合板製の底板21と、金属製の枠22と押え蓋23とからな空洞部の寸法が300mm×300mm×38mmの簡易な型である。押え蓋23には、枠22の内縁部に嵌め合わされる枠部23aが設けられており、枠部23aは木材片入りゴム粉ブロックの上面周囲に面取りを設けるために内側部分が傾斜している。なお、面取りを設けるためのコーナー棒を押え蓋23と別個に用意することもできる。
【0017】
つぎに、木材片入りゴム粉ブロックの成形工程について説明する。
底板21に離型シートとして例えばパラフィン紙24を敷き、その上に枠22を載置した後、底板21面及び枠22の内側部にゴム粉体11aと接着剤11bの混合物を盛り付ける。つぎに、木材片12aとゴム粉体12bと接着剤12cとの混合品を盛り付ける。さらに、枠22の上端までゴム粉体11aと接着剤11bの混合物を盛り付ける。その後、枠22上に離型シートとしてパラフィン紙25を被せ、押え蓋23を枠22に押し付け、プレスで押さえた状態で常温で数時間放置する。その後、押え蓋23、枠22を順次取り外すことにより、図2に示すようにゴム粉層11及び混合層12からなる木材片入りゴム粉ブロック10が得られる。
【0018】
以上のように形成された木材片入りゴム粉ブロック10は、木材片12aがゴム糊に浸漬されているため、腐食し難くなっている。さらに、木材片入りゴム粉ブロックの使用の際に大気にさらされる主表面側の全面及び側面の周囲に木材片12aを含まないゴム粉層11が設けられているため、木材片の自然腐食や、昆虫類による侵食を一層確実に防止することができる。また、木材片12aがゴム糊に浸漬されているため、木材片12aの水分吸収蒸発が防止され、木材片12aの伸縮によるブロックの伸縮変形を防止できる。
【0019】
さらに、木材片12aがゴム糊に浸漬されているため、木材片12aとゴム粉体12bの密着性が良好になり、ブロックの外力に対する強度が高められる。そのため、この木材片入りゴム粉ブロック10は、長期にわたって安定して使用できる。また、木材片12aをゴム粉体12bより多量に配合し、かつ表面をゴム粉体11aのみとしたことにより、木材片入りゴム粉ブロックを軽量にかつ全体の剛性を適度に高くでき、歩行時の弾性のあるブロックが得られる。
【0020】
さらに、成形型20の上下に離型シートであるパラフィン紙を配設したことにより、製品の型外しを容易に行うことができ、欠け等の不良の発生を防止できるので、作業を容易にすると共に、製造歩留を高めかつ製品の品質を高めることができる。また、木材片入りゴム粉ブロックは、廃材であるゴム粉や木材片を再利用できるため、安価に提供されると共に、資源の有効利用に寄与することができる。
【0021】
なお、上記実施形態の変形例として、図4に示すように、ゴム粉層11を木材片入りゴム粉ブロックの表面側及び側面側のみでなく、裏面側13にも設けたものである。これにより、木材片入りゴム粉ブロックの腐食や木材片の自然腐食や、昆虫類による侵食を一層確実に防止することができる。なお、ゴム粉層11を、必要に応じて、ブロックの主表面側のみに設けることもできる。
【0022】
なお、木材片入りゴム粉ブロックの外形、寸法については、上記実施形態に示したものに限らない。また、木材片入りゴム粉ブロックの用途は、道路用に限らず家屋の床面用、壁用等にも使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である木材片入りゴム粉ブロックを示す斜視図である。
【図2】同木材片入りゴム粉ブロックを示す断面図である。
【図3】同木材片入りゴム粉ブロックの成形に用いる成形型を示す分解斜視図である。
【図4】他の実施例である木材片入りゴム粉ブロックを示す断面図である。
【符号の説明】
10…木材片入りゴム粉ブロック、11…ゴム粉層、11a…ゴム粉体、11b…接着剤、12…混合層、12a…木材片、12b…ゴム粉体、12c…接着剤、20…成形型、21…底板、22…枠、23…押え蓋、23a…枠部。
Claims (4)
- 厚板形状であって、主表面側、裏面側及び側面側のうちの少なくとも主表面側はゴム粉体と樹脂接着剤とを混合してなる所定厚みのゴム粉層であり、他の部分はゴム糊に浸漬された木材片とゴム粉体とに樹脂接着剤を加えて混合してなる混合層であり、前記ゴム粉層及び混合層を一体で圧縮硬化させることにより形成されたものであることを特徴とする木材片入りゴム粉ブロック。
- 前記請求項1に記載の木材片入りゴム粉ブロックにおいて、全体としての比重が1.0以下であることを特徴とする木材片入りゴム粉ブロック。
- 立体形状の空洞部を有する成形型を用い、同空洞部の主表面側及び裏面側に離型シートを配設し、主表面側、裏面側及び側面側のうちの少なくとも主表面側にゴム粉体と樹脂接着剤とを混合してなる所定厚みのゴム粉層を設け、その他の部分にゴム糊に浸漬された木材片とゴム粉体とに樹脂接着剤を加えて混合してなる混合層を設け、前記成形型を型締めすることにより前記ゴム粉層及び混合層を圧縮硬化させることを特徴とする木材片入りゴム粉ブロックの製造方法。
- 前記請求項3に記載の木材片入りゴム粉ブロックの製造方法において、前記離型シートとして、パラフィン紙、または合成樹脂シートを用いたことを特徴とする木材片入りゴム粉ブロックの製造方法。
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JP23398297A JP3677960B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 木材片入りゴム粉ブロック及びその製造方法 |
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JP23398297A JP3677960B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 木材片入りゴム粉ブロック及びその製造方法 |
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JPH1171702A JPH1171702A (ja) | 1999-03-16 |
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JP23398297A Expired - Fee Related JP3677960B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 木材片入りゴム粉ブロック及びその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3677960B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
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JPH09119103A (ja) * | 1995-10-24 | 1997-05-06 | Okabe Purekon:Kk | 透水性舗装平板並びにその製造方法、および加圧成形機 |
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1997
- 1997-08-29 JP JP23398297A patent/JP3677960B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1171702A (ja) | 1999-03-16 |
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