JP2002322810A - プラスチック複合パネル - Google Patents

プラスチック複合パネル

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JP2002322810A
JP2002322810A JP2001132179A JP2001132179A JP2002322810A JP 2002322810 A JP2002322810 A JP 2002322810A JP 2001132179 A JP2001132179 A JP 2001132179A JP 2001132179 A JP2001132179 A JP 2001132179A JP 2002322810 A JP2002322810 A JP 2002322810A
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filler
composite panel
plastic composite
outer layer
ratio
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Application number
JP2001132179A
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English (en)
Inventor
Koichi Kitao
幸市 北尾
Shiro Miyata
志郎 宮田
Yasuhiro Harada
泰宏 原田
Hidekazu Tsuruta
秀和 鶴田
Akihiko Furuta
彰彦 古田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 軽量且つ剛性に優れたプラスチック複合パネ
ル。 【解決手段】 中心層1と外層2とからなる。外層2内
には、平均アスペクト比が5以上の充填材が、外層2全
体に対して52.5〜60mass%の範囲内の充填割
合で充填されている。中心層1にはマイカまたは粉砕木
材3が配合されている。更に、充填材にはポリ塩化ビニ
ール及び塩化ビニリデンの除去処理、又は塩素除去処理
されたプラスチックを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木、建築等に使
用される、軽量で剛性に優れたプラスチック複合パネル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート型枠には、安価で加工性に
優れた、インドネシア、マレーシア等から輸入された南
洋材合板が広く使用されてきた。しかし、近年、乱伐に
より森林資源の枯渇による二酸化炭素消費能力の低下、
及び、使用後の焼却処理による二酸化炭素排出が問題視
され、世界的に地球温暖化が大きな課題となる中で、合
板製パネルの代替材の開発、普及が強く望まれている。
【0003】このような要望に対して、従来より多くの
代替材が提案されている。例えば、鋼鉄、アルミニウム
製の金属型枠などは、剛性、耐衝撃性などに優れ、これ
らの特性が要求される特殊分野などで一部利用されてい
るものの、重いことから、木材合板の代替には至ってい
ない。
【0004】軽さの点で有望なのは、プラスチックを主
な原料としたものである。例えば、特開平8−1005
23号公報では、発泡スチロール板を他の熱可塑性樹脂
で挟み込み、サンドイッチ成形で一体化させたものが提
案されている。また、特開平8−207190号公報で
は、硬質ウレタン発泡体をガラス繊維入りポリプロピレ
ン樹脂シートで挟み込み、サンドイッチ形状で一体化さ
せたものが提案されている。
【0005】一方、特開平7−124947号公報に見
られるように、廃プラスチックを原料とした成形物を型
枠用パネルとして使用する例が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記のプラ
スチック系代替材料は、コンクリート用型枠等に使用さ
れる木材合板に求められる要求性能を満足するものでは
なく、普及には至っていない。
【0007】例えば、特開平8−100523号公報の
中で推奨されている、密度が1〜10kgf/m3の高
発泡倍率のものは、実際の施工時には桟木を打ち付けた
際に釘が緩む、あるいは、板が容易に割れてしまうなど
の問題が見られた。
【0008】また、特開平8−207190号公報のよ
うにガラス繊維入り樹脂を用いると、釘打ち時の割れの
問題や、鋸切断時の鋸刃の消耗が早いなどの使用上の問
題もあり、また、リサイクルも難しいなどの問題もあ
る。
【0009】上記のように、中心層に軽量化のための発
泡層、その表層に高剛性のための外層を設けた系におい
ては、発泡層と外層との間の接着を確保することが難し
く、高価な接着剤などを使用するなどの場合には、経済
面でもとても木材合板を代替するのは困難である。
【0010】更に、特開平7−124947号公報のよ
うに廃プラスチックを原料とした型枠もあるが、剛性の
高い熱硬化性樹脂を得る前処理が複雑で、且つ、使用後
のリサイクルが難しく、また、軽量化を実現するのが難
しいという課題がある。他にもリサイクル樹脂を用いる
方法の例はいくつか提案されているものの、比較的成分
や性状が一定でも不純物も少ないことから、リサイクル
しやすい産業廃棄物を利用する場合がほとんどである。
【0011】今後一般家庭から排出される廃プラスチッ
ク、例えば、容器包装リサイクル法で分別回収が義務付
けられた廃プラスチックを型枠用パネルなどにマテリア
ルリサイクルすることは、環境問題の観点から極めて意
義深いことであるが、実際は、成分や性状が不安定で、
プラスチック以外の金属や紙など不純物も混入している
ことなどから、これらプラスチックを原料とした型枠用
パネルなどは実現していないのが現状である。
【0012】木材を用いた合板では比重が0.6から0.
65と小さく曲げヤング係数はJAS規格において少な
くとも55×103kgf/cm2以上であるが、これら
廃プラスチックを用いたコンクリート用型枠は、ガラス
繊維等の補強材を含有させた場合でも曲げヤング係数は
合板に到達せず、補強材のため比重が0.9以上と大き
くなり、一方、軽量化のための発泡の体積比率を増加さ
せると曲げヤング係数は顕著に低下し実用性に欠ける。
補強材として高弾性の炭素繊維等を使用すれば合板に匹
敵する曲げヤング係数も可能であるが経済的でなく、廃
プラスチックの利用が困難となる。
【0013】以上の例に見られるように、プラスチック
製型枠用パネルは、性能面で不十分であるだけでなく、
価格面においても既存の合板製型枠に対する競争力に欠
け、結果として木材型枠の代替を実現できていない。特
に一般廃棄物として排出される廃プラスチックを原料と
した型枠用パネルは、地球環境保護の観点から非常に期
待される技術であるが、これまで有望な技術は提案され
ていない。
【0014】従って、本発明の目的は、上述の課題を解
決し、必要な剛性と軽さを満足し、且つ、経済性にも優
れた、真に木材合板を代替しうる新規なプラスチック製
型枠用パネルを、使用済みプラスチック、特に容器包装
リサイクル法で対象とされる一般家庭から排出される廃
プラスチックを原料として提供することができるプラス
チック複合パネルを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
中心層と、前記中心層の外側に形成された外層とを有す
るプラスチック複合パネルにおいて、平均アスペクト比
が2.5以上の充填材が、前記外層内に、前記外層全体
に対して、下記式(1)及び(2)により規定される充
填割合X(mass%)によって充填されていることに
特徴を有するものである。 X≧−3×Y+67.5・・・(1) 且つ、 X≦60・・・(2) ただし、 X:充填材の充填割合(mass%) Y:充填材の平均アスペクト比
【0016】請求項2記載の発明は、中心層と、前記中
心層の外側に形成された外層とを有するプラスチック複
合パネルにおいて、平均アスペクト比が5以上の充填材
が、前記外層内に、前記外層全体に対して、52.5〜
60mass%の範囲内の充填割合で充填されているこ
とに特徴を有するものである。
【0017】請求項3記載の発明は、中心層と、前記中
心層の外側に形成された外層とを有するプラスチック複
合パネルにおいて、平均アスペクト比が10以上の充填
材が、前記外層内に、前記外層全体に対して、37.5
〜60mass%の範囲内の充填割合で充填されている
ことに特徴を有するものである。
【0018】請求項4記載の発明は、前記充填材がマイ
カを含んでいることに特徴を有するものである。
【0019】請求項5記載の発明は、粉砕木材が配合さ
れていることに特徴を有するものである。
【0020】請求項6記載の発明は、ポリ塩化ビニール
及びポリ塩化ビニリデンの除去処理、又は、塩素除去処
理されたプラスチックを含んでいることに特徴を有する
ものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0022】図3は、本発明の実施の形態に係るプラス
チック複合パネルを示す断面図である。図3に示すよう
に、プラスチック複合パネルは、中心層1と、外層2と
の、2種3層からなる構造である。両層は溶融接着され
ている。4は、中心層1と外層2との融着層である。外
層2には充填材が充填されている。中心層1内には粉砕
木材3が配合されている。中心層1は「押出成形」機で
製造されている。
【0023】2種3層構造は、同時溶融押出成形法の他
に、中心層成形後に、外層を融着、接着又は塗布するな
どの方法も適用可能である。
【0024】また、2種3層構造に限定せず、1種3層
構造や3種5層構造などの多層構造も可能である。
【0025】外層に付いて説明する。
【0026】外層2は、中心層1との耐剥離性を考慮
し、中心層1(下記参照)の組成に類似のポリオレフィ
ン系の樹脂{ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン
(PP)}を主原料とすることが好ましい。ただし、他
の物質が混じっていても可能である。更に、外層の密度
は同程度であるが、弾性率がポリプロピレン(PP)の
方がポリエチレン(PE)の約1.5倍と高いので、曲
げ剛性向上のためには、ポリプロピレン(PP)がより
好ましい。また、外層の原料のプラスチックは、比重
1.0以下が好ましい。
【0027】プラスチック複合パネルにおいて、軽量で
且つ高い曲げ剛性を得るには、より表層に近い部位に高
剛性の材料を配置する必要がある。本実施の形態(図
3)では、外層2にアスペクト比が高い(特許請求の範
囲に規定)充填材を充填することによって、軽さを維持
しながらプラスチック複合パネルの曲げ剛性を向上させ
る。アスペクト比とは、粒子の厚さの短辺に対する長辺
の比である。具体的には厚さに対する径の比と考える。
アスペクト比の値が大きくなるほど鱗片状になる。本発
明では、アスペクト比を平均アスペクト比で規定する。
平均アスペクト比は、質量平均ではなく、充填材粒子毎
の平均値である。
【0028】充填材は、プラスチックを主原料とするマ
トリックスの約5倍以上の弾性率を有することが好まし
い。弾性率は、高ければ高いほど好ましい。より好まし
くは約10倍以上の弾性率である。従って、無機物が最
も好ましい。特に、珪酸化合物の1つであるマイカ(雲
母)は、元来が鱗片状の形態を有する鉱物のため、アス
ペクト比を上げるような特殊な粉砕や造粒が不要であり
本発明充填材として好ましい。
【0029】ポリエチレンテレフタレート(PET)や
熱硬化性樹脂などの有機物も、充填材として使用するこ
とは可能であるが、無機物と比較して弾性率が低いた
め、曲げ剛性向上効果が劣っている。
【0030】金属は、弾性率は十分高いため、充填材と
して使用することは可能であるが、プラスチック複合パ
ネルの密度を増加させるので、この点において無機物と
比べると劣る。
【0031】なお、同じ充填割合であってもアスペクト
比が高い充填材を充填することにより比弾性係数が向上
する。その理由は、繊維状物質の充填による補強と同様
に、単位体積当たりの表面積が大きい充填材の方が、弾
性抵抗が増加するためと考えられる。
【0032】更に、アスペクト比が高い充填材を、より
配向性を高めた充填構造で充填することにより、その効
果は増大していると考えられる。
【0033】次に、請求項1の数値限定理由について述
べる。
【0034】図1は、主原料プラスチックに対する充填
材の割合を変化させた場合の、単位密度当たりの弾性係
数の変化を示すグラフである。弾性係数は、充填材を添
加しないときを1とした弾性係数の比で示している。充
填材のアスペクト比が大きいほど、単位密度当たりの弾
性係数の比が向上している。図1において、軽さを維持
しながらプラスチック複合パネルの曲げ剛性を向上させ
るための指数である「単位密度当たりの弾性係数の比」
の下限値(ここでは、下限値を5とする)と、各アスペ
クト比1、3、5、10の線との交点を求め図2を作成
する。図2から、各アスペクト比における充填材の必要
添加割合が算出される。
【0035】X≧−3×Y+67.5・・・(1) 充填材を60mass%を超えて充填すると、プラスチ
ックを主原料とするマトリックスとの混合が不十分とな
り、局部的に偏った空隙ができてしまい、曲げ強度が急
激に低下するので、充填割合は60mass%以下とす
る。
【0036】X≦60・・・(2) ただし、X:充填材の充填割合(mass%)、Y:充
填材の平均アスペクト比である。
【0037】上記より、平均アスペクト比が2.5以上
の充填材が、式(1)、(2)からなる充填割合によっ
て充填されている本発明プラスチック複合パネルが提供
される。
【0038】充填材の充填割合とは、充填材を充填した
場所、本実施の形態においては図3の外層2における充
填材の充填割合(プラスチックを主原料とするマトリッ
クスと充填材との合計質量に対する充填材の質量割合)
である。
【0039】このように、充填材は、曲げ剛性向上を目
的としており、外層のみに充填すれば効果がある。ただ
し、充填材を、外層のみならず、プラスチック複合パネ
ル全体に充填することもできる。プラスチック複合パネ
ル全体に充填材を充填した場合は、充填割合は、プラス
チック複合パネル全体に対する充填材の充填割合とな
る。
【0040】平均アスペクト比が5以上の充填材では、
52.5〜60mass%の充填割合(請求項2)、平
均アスペクト比が10以上の充填材では、37.5〜6
0mass%の充填割合(請求項3)に限定する。前記
請求項2及び3も、請求項1と同様に、図1から求めた
図2により求められる。
【0041】外層2の厚みは、全体のパネル厚さを12
mmとした場合、0.5〜2.0mmとすることが好ま
しい。より好ましくは0.8〜1.5mmの範囲とす
る。
【0042】アスペクト比は、公知の測定方法を用いて
測定することができる。例えば、レーザー散乱式粒度分
布測定装置を用いて、ペーストセル法にて粒径及び平均
凝集粒径を測定して算出する方法(特開平9−1248
41号公報)、あるいは、電子顕微鏡で、成形品から切
出した超薄切片(0.2μm程度)中の充填材を観察し
て算出する方法(特開平10−1608号公報)などが
知られている。
【0043】なお、接着剤を使用する場合には、中心層
は外層と類似の樹脂である必要はない。
【0044】次に、中心層について説明する。
【0045】図3に示すプラスチック複合パネルにおい
て、中心層1を構成するプラスチックは、産業廃棄物と
して排出されるプラスチック、及び、一般の家庭ごみと
して排出される廃プラスチックの双方を対象としている
が、ある程度排出段階で分別がなされた、例えば、容器
包装リサイクル法で対象とされるプラスチック製品など
であることが好ましい。使用済みプラスチックを用いる
ことにより経済的にも有利となる。これら容器包装リサ
イクルプラスチックは、主としてポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化
ビニリデン、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用プ
ラスチックと金属箔や紙、その他の調味料類などの異物
が混合混合された状態である。これらに対して、型枠と
しての軽さを保持するため及び使用後のリサイクルを考
慮して、ポリ塩化ビニール及びポリ塩化ビニリデン等
(塩素含有プラスチック)の除去処理、又は、塩素除去
処理を実施する。この処理のためには、例えば、低比重
成分だけを分離する湿式比重分離を採用する。湿式比重
分離の溶媒としては水を用いることが一般的であること
から、比重1.0以下の成分を分離することは工業的に
も容易である。塩素含有プラスチックの除去処理として
湿式比重分離を採用した場合は、プラスチック複合パネ
ルの軽量化の効果もある。
【0046】ここで分離された比重1.0以下の低比重
分の成分は、主としてポリエチレン及びポリプロピレン
であり、一部ポリスチレン、その他分離できなかった異
物が混入した形となるのが通常である。本発明において
は、若干の異物が混入していても低比重分を原料として
用いることが可能である。
【0047】本発明の中心層を形成するためには、上記
低比重分を溶融後、押出成形によりパネルやシート形状
に成形するか、あるいは、低比重分を直接加熱圧縮成形
によりパネルやシート形状に成形するなど公知の成形方
法を適用することができる。
【0048】更に、本発明においては軽量化のために、
樹脂成形体を発泡構造とすることが好ましく、中心層
は、気泡比率がプラスチック複合パネル全体の25%以
上となる発泡層とすることが好ましい。更に好ましく
は、中心層単独での気泡化率を20〜60%とする。発
泡法として、公知の化学発泡法、ガス発泡、機械発泡
法、水発泡法などいずれも適用可能である。
【0049】その他、中心層の表層圧縮、表面性向上の
ための最外層構造なども適用することができる。
【0050】次に、粉砕木材について説明する。
【0051】上記により型枠用パネルとしての軽さと剛
性を満足することができるが、更に、木材合板を上回る
レベルに達することが望まれる。また、容器包装プラス
チックには特有の異臭(悪臭)があるため、作業者に嫌
悪感を持たれるという新たな問題も見られる。
【0052】そこで、中心層1に粉砕木材を配合する。
粉砕木材を含有することにより、軽さをほとんど損なう
ことなく、パネルとしての曲げ剛性、曲げ強度、釘うち
性、鋸切断時の鋸刃への樹脂の絡みつき性などが全体的
に向上する。
【0053】しかも、粉砕木材を配合することによっ
て、プラスチック特有の異臭(悪臭)が極めて低減さ
れ、ほとんど気にならぬレベルとなる効果が得られる。
特に、一般家庭のごみとして排出される使用済みプラス
チックは異臭が強いため、作業者に嫌悪感を持たれると
いう問題があるが、粉砕木材によりこの異臭を低減する
ことができ問題が解決される。
【0054】配合する粉砕木材のサイズは、10mm以
下、好ましくは1〜5mm程度の長さであることが好ま
しい。1mm未満では、強度、剛性改善効果が低下し、
10mm超えでは、局部的に強度の弱い部位ができやす
く、パネルとしての強度が低下する。
【0055】粉砕木材の配合割合は、中心層全体100
に対し、50mass%以下、好ましくは10〜40m
ass%とする。これは、プラスチック複合パネル全体
に対する粉砕木材の配合割合ではなく、粉砕木材を配合
した場所における粉砕木材の配合割合(プラスチックを
主原料とするマトリックス及び充填材と粉砕木材との合
計質量に対する粉砕木材の質量比率)とする。本実施の
形態(図3)では、粉砕木材は、中心層1にのみ配合さ
れている。ただし、粉砕木材は、プラスチック複合パネ
ル全体に配合することもできる。この場合は、プラスチ
ック複合パネル全体100に対し、50mass%以
下、好ましくは10〜40mass%とする。
【0056】粉砕木材を配合した場所に、充填材が充填
されている場合は、粉砕木材の配合割合(プラスチック
を主原料とするマトリックス及び充填材と粉砕木材との
合計質量に対する粉砕木材の質量割合)と充填材の充填
割合(プラスチックを主原料とするマトリックス及び充
填材と粉砕木材との合計質量に対する充填材の質量割
合)との合計が、60mass%以下となるように、粉
砕木材の配合割合を定める。
【0057】また、粉砕木材の他にも、粉砕木材と共
に、顔料などを、特に外層に配合することも可能であ
る。
【0058】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0059】容器包装リサイクル法に基づき、分別回収
された廃プラスチックを、粉砕後、水系溶媒を用いた比
重分離法により、比重が1.0以下の成分を分離した。
分離した軽比重分粉砕物を適宜洗浄し、原料1とした。
また、粉砕木材は、型枠施工現場より回収した、南洋系
木材よりなる桟木を破砕機により粉砕し、全体の長さを
5mm以下程度とし、これを原料2とした。原料1と原
料2、及び、化学発泡剤としての、アゾジカルボンジア
ミン系発泡剤をそれぞれ表1に示す比率でミキシング機
により混合し、一軸押出成形機に投入し、中心層とし
た。中心層の気泡比率は50%であった。
【0060】一方、外層は、表1に示すポリプロピレン
樹脂組成物を用いた。外層中に、実施例1、2はマイカ
(雲母)を充填、比較例1はタンカルを充填、比較例2
は充填無しとした。更に、南洋木材合板パネルを比較例
3とした。充填材の性状は、下記の通りであった。
【0061】マイカ(雲母):アスペクト比=13、平
均粒径=230μm。
【0062】タンカル(炭酸カルシウム):アスペクト
比=2、平均粒径=50μm。
【0063】中心層と外層とは、2種3層T型ダイスに
より溶融状態で接着しながら厚さ約12mm、幅約0.
8mmのパネルに押出成形した。成形された発泡パネル
を図4に示すような、上面及び下面にステンレス製ベル
ト6を備えるベルト状のプレス装置で、両面から加圧・
整形しながら冷却し、両端部をカットし、最終的に幅6
00mm、長さ1800mm、厚さ12mmのパネルを
作った。図4において、7は、加圧・駆動ロール、8
は、加熱槽、9は、冷却槽である。
【0064】このようにして調製されたプラスチック複
合パネルの供試体に対し、表1に示す性能評価を行っ
た。その結果を表1に併せて示す。
【0065】
【表1】
【0066】以下、表1について説明する。
【0067】曲げヤング係数:日本農林規格「コンクリ
ート型枠用合板」規定の方法に準拠して曲げ試験を行い
算出した。
【0068】曲げ強度:JISK7171に従い曲げ試
験を行い算出した。
【0069】比重(密度):板の寸法から計算される体
積と、重量から算出した。
【0070】平滑性:型枠用パネルとして使用した際の
コンクリート面の表面状態より判定した。〇印;良好、
△印;わずかに凹凸が見られる、×印;凹凸が顕著であ
る。
【0071】転用可能回数:試験的にコンクリート型枠
として使用した場合、表層の割れ、剥離などが発生し
て、再使用ができなくなるまでの転用可能回数である。
【0072】鋸引き性:幅600mmのパネルを電動鋸
で幅方向に繰り返し切断し、5回に1回の割合で桟木用
木材を切断、木材の切れ味が低下するまでのパネル切断
回数で判定した。
【0073】釘うち性:パネル裏に40×40mmの桟
木を置いて表面から100本釘で打ちつけ、パネル表面
にクラックが生じた割合で評価した。
【0074】臭気:〇印;ほとんど気にならない、△
印;やや気になる、×印;気になり作業にならない。
【0075】総合評価:試験的にコンクリート型枠とし
て使用した場合の作業性で評価した。〇印;木材合板と
ほぼ同様に使用可能、×印;木材合板と同様には使用で
きない。
【0076】表1から、本発明のプラスチック複合パネ
ルは、型枠用パネル等に求められる各種特性において、
木材と代替可能であることが分かった。粉砕木材を配合
することで、更に、軽さと曲げ剛性などの特性が向上
し、十分木材を代替することが可能となり、木材合板
(比較例3)よりも転用可能回数が多いという効果もあ
ることが分かった。また、臭気も無くなった。
【0077】アスペクト比の低い(アスペクト比2)タ
ンカルを用いた比較例1は、曲げヤング係数において劣
り、総合評価も良くなかった。
【0078】充填材を含有しない比較例2は、曲げヤン
グ係数、鋸引き性、釘うち性に劣り、総合評価も良くな
かった。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラスチ
ック複合パネルによれば、以下に示す有用な効果がもた
らされる。
【0080】 アスペクト比が高い粒子を充填材とし
て充填させることによって、軽さを維持しながらパネル
の曲げ剛性を向上させることができ、且つ、釘うち性、
鋸引き性、表面の平滑性に優れ、十分に木材合板を代替
しうる性能を有するパネルとして用いることができる。
【0081】 木材合板よりも型枠としての転用可能
回数に優れている。
【0082】 使用済みプラスチック、特に容器包装
リサイクル法で対象とされる一般家庭から排出される廃
プラスチックを原料として提供することにより、地球温
暖化防止の観点から非常に大きな産業的意義がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】充填材の割合を変化させた場合の、単位密度当
たりの弾性係数の比を示すグラフである。
【図2】アスペクト比における充填材割合を示すグラフ
である。
【図3】本発明の実施の形態に係るプラスチック複合パ
ネルを示す断面図である。
【図4】本発明の実施例に係るベルトプレス装置を示す
側面図である。
【符号の説明】
1 中心層 2 外層 3 粉砕木材 4 融着層 6 ステンレス製ベルト 7 加圧・駆動ロール 8 加熱槽 9 冷却槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 泰宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鶴田 秀和 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 古田 彰彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AC05A AC05B AJ02A AJ02B AJ02C AK01A AK01B AK01C AK07 AP01A AP01B AP01C BA03 BA07 CA23A CA23B DE01A DE01B DE01C GB07 GB90 JK01 JL03 JL16A JL16B JL16C YY00A YY00B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心層と、前記中心層の外側に形成され
    た外層とを有するプラスチック複合パネルにおいて、平
    均アスペクト比が2.5以上の充填材が、前記外層内
    に、前記外層全体に対して、下記式(1)及び(2)に
    より規定される充填割合X(mass%)によって充填
    されていることを特徴とするプラスチック複合パネル。 X≧−3×Y+67.5・・・(1) 且つ、 X≦60・・・(2) ただし、 X:充填材の充填割合(mass%) Y:充填材の平均アスペクト比
  2. 【請求項2】 中心層と、前記中心層の外側に形成され
    た外層とを有するプラスチック複合パネルにおいて、平
    均アスペクト比が5以上の充填材が、前記外層内に、前
    記外層全体に対して、52.5〜60mass%の範囲
    内の充填割合で充填されていることを特徴とするプラス
    チック複合パネル。
  3. 【請求項3】 中心層と、前記中心層の外側に形成され
    た外層とを有するプラスチック複合パネルにおいて、平
    均アスペクト比が10以上の充填材が、前記外層内に、
    前記外層全体に対して、37.5〜60mass%の範
    囲内の充填割合で充填されていることを特徴とするプラ
    スチック複合パネル。
  4. 【請求項4】 前記充填材がマイカを含んでいる請求項
    1、2又は3に記載のプラスチック複合パネル。
  5. 【請求項5】 粉砕木材が配合されている請求項1、
    2、3又は4記載のプラスチック複合パネル。
  6. 【請求項6】 ポリ塩化ビニール及びポリ塩化ビニリデ
    ンの除去処理、又は、塩素除去処理されたプラスチック
    を含んでいる請求項1、2、3、4又は5記載のプラス
    チック複合パネル。
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