JP2002322806A - プラスチック複合パネル - Google Patents

プラスチック複合パネル

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JP2002322806A
JP2002322806A JP2001130245A JP2001130245A JP2002322806A JP 2002322806 A JP2002322806 A JP 2002322806A JP 2001130245 A JP2001130245 A JP 2001130245A JP 2001130245 A JP2001130245 A JP 2001130245A JP 2002322806 A JP2002322806 A JP 2002322806A
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plastic
panel
composite panel
plastic composite
isotacticity
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JP2001130245A
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Koichi Kitao
幸市 北尾
Shiro Miyata
志郎 宮田
Yasuhiro Harada
泰宏 原田
Hidekazu Tsuruta
秀和 鶴田
Akihiko Furuta
彰彦 古田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 建築工事や土木工事のコンクリート施工現場
にて使用される、軽量で曲げ剛性に優れ、使用後のリサ
イクル性にも優れているプラスチック複合パネルであっ
て、コンクリート工事の型枠として好適に使用でき
る。。 【解決手段】 プラスチックを主原料とするプラスチッ
ク複合パネルにおいて、前記プラスチックは、アイソタ
クティシティ率が95%以上のプラスチックを含んでい
る。このプラスチックには、結晶核剤や木材粉が添加さ
れる場合がある。また、このプラスチックは、脱塩化ビ
ニール処理または脱塩素処理されたプラスチックを含む
場合がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック複合
パネルおよびその製造方法、特に、建築工事や土木工事
のコンクリート施工現場にて使用される、軽量で曲げ剛
性に優れたプラスチック複合パネルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンクリート型枠用パネルには、安価で
加工性に優れた、南洋木材の合板が広く使用されてき
た。しかし、近年乱伐による森林資源の枯渇による二酸
化炭素吸収能力の低下、および、使用後の焼却処理によ
る二酸化炭素排出が問題視され、世界的に地球温暖化が
大きな課題となる中で、木材合板パネルの代替材の開
発、普及が強く望まれている。
【0003】このような要望に対して、従来より多くの
代替材が提案されている。例えば、鉄鋼やアルミニウム
製の金属型枠等は、剛性、耐衝撃性等に優れ、これらの
特性が要求される特殊分野等で一部利用されているもの
の、重いことから、木材合板パネルの代替には至ってい
ない。
【0004】軽さの点で有望なプラスチックを主原料と
したパネルとして、以下のものが知られている。
【0005】特開平8−100523号公報には、密度
が1〜10kgf/m3の発泡スチロール板を他の熱可
塑性樹脂で挟み込み、サンドイッチ成形で一体化させた
コンクリート型枠用プラスチック複合パネルが開示され
ている。以下、これを従来技術1という。
【0006】特開平8−207190号公報には、硬質
ウレタン発泡体をガラス繊維入りポリプロピレン樹脂シ
ートによって挟み込み、サンドイッチ成形で一体化させ
たコンクリート型枠用プラスチック複合パネルが開示さ
れている。以下、これを従来技術2という。
【0007】特開平7−124948号公報には、廃プ
ラスチックを原料とした成形物を型枠パネルとして使用
することが開示されている。以下、これを従来技術3と
いう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のプラ
スチック系代替材料は、以下のような問題点があり、コ
ンクリート型枠用パネルに求められる性能を満足するも
のではなく、普及には至っていない。即ち、従来技術1
は、密度が1〜10kgf/m3の高発泡率のパネル
は、実際の施工時には、桟木を打ちつけた際に釘が緩
む、あるいは、板が割れてしまうことがあった。
【0009】従来技術2は、ガラス繊維入り樹脂を用い
ると、釘打ち時に割れが生じたり、鋸切断時の鋸刃の消
耗が早い等の使用上の問題があり、また、リサイクルも
難しい。
【0010】上記のように、中心層に軽量化のための発
泡層、表層に高剛性のためのスキン層を設けたパネルに
おいては、発泡層とスキン層との間の接着を確保するこ
とが困難であり、高価な接着剤等を使用する場合には、
経済面で木材合板パネルを代替することは困難であっ
た。
【0011】従来技術3は、剛性の高い熱硬化性樹脂を
得る前処理が複雑で且つ使用後のリサイクルが難しく、
また軽量化を実現するのが難しい。
【0012】他にもリサイクル樹脂を用いる方法の例は
いくつか提案されているものの、比較的成分や性状が一
定で不純物も少ないことから、リサイクルしやすい産業
廃棄物を利用する場合がほとんどである。
【0013】今後、一般家庭から排出される廃プラスチ
ック、例えば、容器包装リサイクル法で分別回収が義務
付けられた廃プラスチックを型枠用パネル等にマテリア
ルリサイクルすることは、環境問題の観点から極めて意
義深いことであるが、実際には、成分や性状が不安定
で、プラスチック以外の金属や紙等の不純物も混入して
いること等から、これらプラスチックを原料とした型枠
用パネル等は実現していないのが現状である。
【0014】木材を用いた合板では、比重が0.6から
0.7、曲げヤング係数は、JAS規格において、少な
くとも55×103kgf/cm2以上であるが、これら
廃プラスチックを用いたコンクリート型枠は、ガラス繊
維等の補強材を含有させた場合でも、曲げヤング係数
は、木材合板パネルには及ばず、補強材のために比重が
0.9以上と大きくなる。
【0015】一方、軽量化のために発泡の体積比率を増
加させると、曲げヤング係数は顕著に低下して実用性に
欠ける。補強材として高弾性の炭素繊維等を使用すれ
ば、木材合板パネルに匹敵する曲げヤング係数を得るこ
とも可能であるが、経済的でなく、しかも、廃プラスチ
ックの再利用が困難となる。
【0016】以上の例に見られるように、プラスチック
製型枠用パネルは、性能面で不十分であるだけでなく、
価格面においても既存の木材合板型枠に対する競争力に
かけ、結果として木材合板パネルの代替を実現できてい
ない。特に、一般廃棄物として排出される使用済みプラ
スチックを原料とした型枠用パネルは、地球環境保護の
観点から非常に期待される技術であるが、これまで有望
な技術は提案されていないのが現状である。
【0017】従って、本発明の目的は、必要な曲げ剛性
と軽さを満足し、且つ、釘打ち性、鋸引き性に優れ、更
には経済性にも優れた、真に木材合板パネルを代替し得
る新規なプラスチック複合パネルを、使用済みプラスチ
ック、特に、容器包装リサイクル法で対象とされる一般
家庭から排出される使用済みプラスチックを主原料とし
て得ることができる、プラスチック複合パネルを提供す
ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意検討を加えた結果、以下の知見を
得た。
【0019】 プラスチック複合パネルの曲げ剛性
は、成形後のプラスチック、特に、外層のプラスチック
の曲げ剛性に依存し、成形後のプラスチックが同一種の
場合には、プラスチックの結晶化度が高いほど、曲げ剛
性が高くなる。
【0020】 同一種のプラスチックにおいて、結晶
化度を高めるには、加熱成形時の冷却速度を遅くするこ
と、アイソタクティシティ率を高めること、即ち、不純
物が少ない樹脂とすること、結晶核材を添加すること等
の手段がある。
【0021】なお、アイソタクティシティ率とは、文
献:Macromolecules,6,926(19
73)に記載された方法、即ち、13C−NMRを使用
して測定されるポリプロピレンの分子鎖のペンタッド単
位でのアイソタクティシティ分率である。
【0022】 しかしながら、加熱成形後の冷却速度
を遅くすることは、生産性を落とすことになるので、好
ましくない。また、結晶核材の添加は、プラスチック複
合パネルの密度やコスト増加を伴うので、好ましくな
い。但し、生産性を高める必要があり、必要な冷却速度
が確保できない場合には、結晶核材の添加は有効な手段
となる。
【0023】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であって、下記を特徴とするものである。
【0024】請求項1記載の発明は、プラスチックを主
原料とするプラスチック複合パネルにおいて、前記プラ
スチックは、アイソタクティシティ率が95%以上のプ
ラスチックを含むことに特徴を有するものである。
【0025】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記アイソタクティシティ率が95%以上
のプラスチックに結晶核剤が添加されていることに特徴
を有するものである。
【0026】請求項3記載の発明、請求項1または2記
載の発明において、前記アイソタクティシティ率が95
%以上のプラスチックがパネル外表面に接する外層に含
まれていることに特徴を有するものである。
【0027】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
内の何れか1つに記載の発明において、木材粉が配合さ
れていることに特徴を有するものである。
【0028】請求項5記載の発明は、請求項1から4の
内の何れか1つに記載の発明において、前記プラスチッ
クは、脱塩化ビニール処理または脱塩素処理されたプラ
スチックを含んでいることに特徴を有するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明のプラスチック複合
パネルの一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0030】図1は、本発明のプラスチック複合パネル
の構成を示す断面図である。
【0031】図1において、1は、中心層、2は、中心
層1の外側に形成された外層、3は、気泡、4は、後述
する木材粉である。外層2の厚さは、パネル全体の厚さ
を12mmとした場合、0.5から2.0mm、より好
ましくは、0.8から1.5mmの範囲内とする。
【0032】本発明のプラスチック複合パネルは、コン
クリート型枠用パネルとしての作業性向上の観点から、
軽量化のために、発泡構造を基本構造としている。しか
し、パネル全体を均一に発泡させた場合は、型枠として
の加工性、釘抜き抵抗低下による釘抜け、割れ発生等の
問題があり、また、型枠として必要な曲げ剛性も不足す
る。
【0033】そこで、本発明では、曲げ剛性への影響が
少ない中心層1を、発泡構造とし、発泡構造としたこと
によるパネルの曲げ剛性の低下を補うために、中心層1
の外側にアイソタクティシティ率が95%以上のプラス
チックを主成分とする外層2を形成した。なお、中心層
1もアイソタクティシティ率が95%以上のプラスチッ
クを主成分とするもので構成しても良い。
【0034】中心層1の気泡比率は、中心層1の軽量化
を考慮して、パネル全体の25%以上とすると良く、こ
れにより、木材合板パネルと同等に使用できる比重とな
る。
【0035】アイソタクティシティ率が95%以上のプ
ラスチックを使用する理由は、以下の通りである。
【0036】本発明者等は、コンクリート型枠用パネル
として、十分な曲げ剛性を得るために必要な主原料であ
るプラスチックの曲げ弾性率を求めた。この結果、45
00MPa以上の曲げヤング係数が必要であることが分
かった。そこで、アイソタクティシティ率と曲げヤング
係数との関係について調べたところ、図2に示す結果を
得た。図2から明らかなように、4500MPa以上の
曲げヤング係数を得るには、95%以上のアイソタクテ
ィシティ率が必要であることが分かった。なお、図2
は、ポリプロピレンで測定した結果である。
【0037】従って、本発明では、アイソタクティシテ
ィ率が95%以上のプラスチックを主成分とするもので
外層2を構成した。
【0038】外層2が表面にあることで、パネル成形の
際に冷却速度が早く外層2を構成するプラスチックが十
分に結晶化しない場合には、必要に応じて結晶化を促進
させる結晶核剤を添加すると良い。
【0039】結晶化を促進する結晶核剤としては、タル
ク、ジベンジリデンソルビトール(特開平11−323
029号公報に開示されている。)等を使用することが
でき、その添加割合は、アイソタクティシティ率が95
%以上のプラスチックに対して、0.03から1mas
s%程度添加する。
【0040】なお、結晶核剤の添加割合が多くても、そ
の効果の増加程度は低下すること、および、プラスチッ
ク複合パネルの密度は、結晶核剤の添加割合に応じて増
加することから、結晶核剤の適正な添加割合が存在す
る。
【0041】外層2は、中心層1との耐剥離性を考慮し
て、後述する中心層の組成に類似するポリオレフィン系
の樹脂(ポリエチレン:PE、ポリプロピレン:PP)
を主原料することが好ましい。なお、密度は同程度であ
るが、弾性率は、PPの方がPEの約1.5倍と高いの
で、曲げ剛性向上のためには、PPの方がより好まし
い。なお、接着剤によって外層2を中心層1に接着させ
る場合には、中心層は、外層2と類似の樹脂である必要
はない。
【0042】中心層1としては、PEおよびPPを主体
とする脱塩化ビニール処理した使用済みプラスチックを
用いると良い。脱塩化ビニール処理として、湿式比重分
離を採用した場合には、軽量化の効果もある。
【0043】プラスチック複合パネルの付加価値を更に
高めるために、プラスチック複合パネル用原料への廃棄
物の利用(リサイクル)について検討を重ねた。
【0044】この結果、おが屑等の木材粉4を、製造段
階で中心層1に配合しても(外層2に配合しても差し支
えない)、何ら問題がなく、逆に木材粉4を混入させる
ことにより、比重は若干軽くなり、パネルとしての曲げ
剛性、曲げ強度、釘打ち性、鋸切断時の鋸刃への樹脂の
絡みつき性等が全体的に向上する。しかも、容器包装リ
サイクル法対応の使用済みプラスチックをプラスチック
複合パネル用原料として用いた場合(後述)に、問題と
なる異臭も大幅に低減され、ほとんど気にならないレベ
ルとなる。
【0045】この木材粉4のサイズは、パネルに混入さ
れた状態で、ほぼ10mm以下の長さであることが好ま
しい。10mmを超えると、局部的に強度の弱い部位が
できやすく、パネルとしての強度が低下する。また、配
合比率は、中心層1および/または外層2の質量に対
し、50mass%以下、好ましくは、3から50ma
ss%の範囲内であることが好ましい。3mass%未
満では、上述した効果が低下し、一方、50mass%
を超えると、局部的に強度の弱い部位ができやすく、パ
ネルとしての強度が低下するからである。
【0046】なお、本発明では、木材粉以外に、全ての
層で均一に、または各々の層毎に、古紙、顔料、有機お
よび/または無機繊維等を含有させることも可能であ
る。
【0047】なお、外層2にフィラ-を添加しても良
い。フィラーとしては、タルク、マイカ、シリカ、チタ
ニア、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機系フィラーが
あげられる。
【0048】また、本発明のプラスチック複合パネルの
主原料であるプラスチックは、バージンのプラスチック
にも、産業廃棄物や一般廃棄物としての使用済みプラス
チックにも適用可能である。なお、一般廃棄物としての
使用済みプラスチックを対象とする場合には、使用後の
焼却処理や再利用の利便性等を考慮して、脱塩化ビニー
ル処理(湿式比重分離処理、加熱温度制御された溶融造
粒後の形態選別処理等)、または脱塩素処理(加熱分解
処理等)された使用済みプラスチックを用いることが好
ましい。
【0049】ここで、一般廃棄物としての使用済みプラ
スチックには、一般の家庭のごみとして分別排出され、
地方自治体によって分別回収される容器包装リサイクル
法に対応した使用済みプラスチックを含む。なお、容器
包装リサイクル法に対応した使用済みプラスチックは、
主としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート等
の汎用プラスチックと金属箔や紙、その他の調味料類等
の異物が混合されたものである。
【0050】脱塩化ビニール処理の一方法である湿式比
重分離処理は、破砕した使用済みプラスチックを、比重
1.0近傍の水等の比重液を用い分離する方法で、塩化
ビニールは重比重分側に分離される。軽比重分側には、
主としてポリエチレン、ポリプロピレンであり、一部ポ
リスチレン、その他、分離できなかった異物が混入した
ものが回収される。本発明においては、若干の異物が混
入してもプラスチック複合パネルの主原料として用いる
ことが可能である。なお、脱塩化ビニール処理された軽
比重分を使用すれば、その比重は、1.0以下であるの
で、その分軽量化を図ることができる。
【0051】但し、前述したように、木材粉4を配合し
ないで、一般廃棄物としての使用済みプラスチックをプ
ラスチック複合パネルの主原料として用いた場合には、
異物に由来する特有の異臭がするため、作業者に嫌悪感
をもたれるという問題も見られた。
【0052】本発明のパネルを形成するには、上記低比
重分を溶融後、押出成形により成形するか、あるいは、
低比重分を直接加熱圧縮成形する等、公知の発泡構造と
することが必要である。
【0053】また、発泡法としては、公知の化学発泡
法、ガス発泡法、機械発泡法、水発泡法等を適用するこ
とができる。
【0054】更に、本発明は、上述した2種3層構造パ
ネル以外に、1種1層構造あるいは3種5層構造等、多
層構造パネルにも適用できる。
【0055】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0056】容器包装リサイクル法に基づき、分別回収
された使用済みプラスチックを、粉砕後、水系溶媒を用
いた比重分離法により、比重が1.0以下の成分を分離
した。分離した軽比重分粉砕物を適宜洗浄し、これを原
料1とした。また、木材粉は、型枠施工現場より回収し
た桟木を、必要に応じて磁選機にかけて釘等を除去した
後、粉砕機により、全体の長さが3mm以下となるまで
粉砕し、これを原料2とした。
【0057】上記原料1と原料2および化学発泡剤とし
てのアゾジカルボンジアミン系発抱剤を、それぞれ表1
に示す比率でミキシング機により混合し、図3に示す連
続パネル製造機の中心層用押出成形機5に投入して軟化
させ、同時に、外層用押出成形機6に表1に示すアイソ
タクティシティ率を有するポリプロピレン(PP)から
なる外層形成物質2Aを投入し、2種3層Tダイ7から
同時に押し出すことによって、中心層1の外表面に外層
2が融着した発泡成形体8Aを押出成形した。次いで、
このようにして成形された発泡成形体8Aをベルト状の
プレス装置9により加圧、成形しながら冷却して、発泡
構造体8Bを成形した。
【0058】そして、この外層2が形成された発泡構造
体8Bの両端部を切断機10によりカットし、最終的に
幅600mm、長さ1800mm、厚み12mmのプラ
スチック複合パネル11、即ち、本発明実施例1から4
および比較例1から3をそれぞれ製造した。実施例3、
4および比較例3においては、結晶核剤として外層にタ
ルクを使用し、ポリプロピレンに対して1mass%添
加した。
【0059】そして、各パネルを表1に示す試験に供し
て性能評価を行った。この結果を表1に併せて示す。
【0060】なお、比較例4として、南洋木材合板パネ
ルの性能評価の結果を表1に併せて示す。
【0061】表1における試験および評価方法は、以下
の通りである。
【0062】曲げ剛性(曲げヤング係数):日本農林規
格「コンクリート型枠用合板」規定の方法に準拠して曲
げ試験を行い算出した。
【0063】曲げ強度:JIS K−7171に従い曲
げ試験を行い算出した。
【0064】比重:板の寸法から計算される体積と、質
量から算出した。
【0065】平滑性:型枠パネルとして使用した際のコ
ンクリート面の表面状態から判定し、良好であるものを
○印とした。
【0066】転用可能回数:、試験的にコンクリート型
枠として使用した場合、表層のワレ、剥離等が発生し
て、再使用ができなくなるまでの、転用可能回数であ
る。
【0067】鋸引き性:幅600mmのパネルを電動鋸
で幅方向に繰り返し切断し、5回に1回の割合で桟木用
木材を切断し、木材の切れ味が低下するまでのパネル切
断回数で判定した。
【0068】釘打ち性:パネルの裏に40×40mmの
桟木を置いて表面から100本釘で打ち付け、パネル表
面にクラックが生じた割合(%)で評価した。
【0069】臭気:ほとんど気にならないものを○印と
した。
【0070】総合評価:試験的にコンクリート型枠とし
て使用した場合の作業性であり、木材合板(比較例4)
とほぼ同等に使用可能であるものを○印、木材合板と同
等に使用できないものを×印とした。
【0071】
【表1】
【0072】表1から明らかなように、本発明実施例1
および4は、何れもコンクリート型枠用パネルに求めら
れる各種性能において、木材合板パネルを代替し得る性
能を有することが分かった。なお、曲げヤング係数の評
価については、コンクリート型枠として使用する際に、
補強用の桟木の本数を増やすことなく、木材合板パネル
と同等の取り扱いが可能な範囲として、4.5GPa以
上を合格とした。また、比重については、木材合板パネ
ルと同等のハンドリングが可能な範囲として、0.65
以下を合格とした。曲げヤング係数は、木材合板パネル
以下であっても問題なく使用できるため、前述したよう
に、本発明においては、4.5GPa以上を合格とし
た。即ち、実施例1から4は、外層2のアイソタクティ
シティ率が95%であるので、十分な曲げヤング係数
と、木材合板パネルとほぼ同等の曲げ強度を有してい
た。
【0073】これに対して、比較例1から3は、外層の
アイソタクティシティ率が本発明範囲外の95%未満で
あるので、曲げヤング係数が不十分で曲げ強度が木材合
板パネルより低く、木材合板パネルを代替し得ないこと
が分かった。
【0074】また、実施例3、4および比較例3から、
外層への結晶核剤の添加により、曲げヤング係数および
曲げ強度が増加することが分かった。
【0075】なお、上述した本発明実施例の型枠用パネ
ルは、何れも使用後は産業廃棄物として高炉に吹き込
み、コークスの代替としてケミカルリサイクルが可能で
ある等、リサイクル性にも優れたものであることが分か
った。
【0076】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、必
要な曲げ剛性と軽さを満足し、且つ、釘打ち性、鋸引き
性、表面の平滑性に優れ、十分に木材合板パネルを代替
し得る性能を有し、また、木材合板パネルよりも転用可
能回数に優れ、更に、このようなパネルを使用済みプラ
スチック、特に、容器包装リサイクル法で対象とされる
一般家庭から排出される使用済みプラスチックを原料と
して提供することは、地球温暖化防止の観点から非常に
大きな産業的な意義があり、しかも、本発明のパネル
は、使用後は高炉に吹き込み鉄鋼原料としてケミカルリ
サイクルが可能で、トータルでの二酸化炭素削減効果が
非常に大きいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパネルを示す断面図である。
【図2】アイソタクティシティ率と曲げヤング係数との
関係を示すグラフである。
【図3】パネルの連続製造機を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1:中心層 2:外層 2A:外層形成物質 3:気泡 4:木材粉 5:中心層用押出成形機 6:外層用押出成形機 7:Tダイ 8A:発泡成形体 8B:発泡構造体 9:プレス装置 10:切断機 11:プラスチック複合パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 泰宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鶴田 秀和 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 古田 彰彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックを主原料とするプラスチッ
    ク複合パネルにおいて、前記プラスチックは、アイソタ
    クティシティ率が95%以上のプラスチックを含むこと
    を特徴とするプラスチック複合パネル。
  2. 【請求項2】 前記アイソタクティシティ率が95%以
    上のプラスチックに結晶核剤が添加されていることを特
    徴とする、請求項1記載のプラスチック複合パネル。
  3. 【請求項3】 前記アイソタクティシティ率が95%以
    上のプラスチックがパネル外表面に接する外層に含まれ
    ていることを特徴とする、請求項1または2記載のプラ
    スチック複合パネル。
  4. 【請求項4】 木材粉が配合されていることを特徴とす
    る、請求項1から3の内の何れか1つに記載のプラスチ
    ック複合パネル。
  5. 【請求項5】 前記プラスチックは、脱塩化ビニール処
    理または脱塩素処理されたプラスチックを含んでいるこ
    とを特徴とする、請求項1から4の内の何れか1つに記
    載のプラスチック複合パネル。
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