JP2002327530A - プラスチック複合パネルおよびその製造方法 - Google Patents

プラスチック複合パネルおよびその製造方法

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JP2002327530A
JP2002327530A JP2001126983A JP2001126983A JP2002327530A JP 2002327530 A JP2002327530 A JP 2002327530A JP 2001126983 A JP2001126983 A JP 2001126983A JP 2001126983 A JP2001126983 A JP 2001126983A JP 2002327530 A JP2002327530 A JP 2002327530A
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JP2001126983A
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English (en)
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Shiro Miyata
志郎 宮田
Koichi Kitao
幸市 北尾
Hidekazu Tsuruta
秀和 鶴田
Yasuhiro Harada
泰宏 原田
Akihiko Furuta
彰彦 古田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築工事や土木工事のコンクリート施工現場
にて使用される、軽量で曲げ剛性に優れ且つコンクリー
ト打設後のコンクリートの表面平滑性に優れ、使用後の
リサイクル性にも優れている。 【解決手段】 プラスチックを主原料とするプラスチッ
ク複合パネルにおいて、中心層1と、中心層1の表面に
形成された外層2とを有し、中心層1は、気孔を有し、
外層2は、メルトフローレートが0.1から10g/1
0min.の範囲内の熱可塑性樹脂を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック複合
パネルおよびその製造方法、特に、建築工事や土木工事
のコンクリート施工現場にて使用される、軽量で曲げ剛
性に優れ、且つ、コンクリート打設後のコンクリートの
表面平滑性に優れ、更に、使用後のリサイクル性にも優
れたプラスチック複合パネルおよびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート型枠用パネルには、安価で
加工性に優れた、南洋木材の合板が広く使用されてき
た。しかし、近年乱伐による森林資源の枯渇による二酸
化炭素吸収能力の低下、および、使用後の焼却処理によ
る二酸化炭素排出が問題視され、世界的に地球温暖化が
大きな課題となる中で、木材合板パネルの代替材の開
発、普及が強く望まれている。
【0003】このような要望に対して、従来より多くの
代替材が提案されている。例えば、鉄鋼やアルミニウム
製の金属型枠等は、剛性、耐衝撃性等に優れ、これらの
特性が要求される特殊分野等で一部利用されているもの
の、重いことから、木材合板パネルの代替には至ってい
ない。
【0004】軽さの点で有望なプラスチックを主原料と
したパネルとして、以下のものが知られている。
【0005】特開平9−228632号公報には、圧力
を加えて表皮層と中間発泡層とを形成するコンクリート
型枠用プラスチック複合パネルが開示されている。以
下、これを従来技術1という。
【0006】特開平8−100523号公報には、密度
が1から10kg/m3の高発泡層と密度が20から5
0kg/m3の低または未発泡層の2層からなるコンク
リート型枠用プラスチック複合パネルが開示されてい
る。以下、これを従来技術2という。
【0007】特開平7−124947号公報には、熱硬
化性廃プラスチックと廃ポリスチレンとからなる成型物
が開示されている。以下、これを従来技術3という。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のプラ
スチック系代替材料は、以下のような問題点があり、コ
ンクリート型枠用パネルに求められる要求性能を満足す
るものではなく、普及には至っていない。
【0009】従来技術1は、発泡成形体の製造時に、表
面を急冷したり圧縮しただけでは、元々の発泡構造がど
うしても残存するので、表面の平滑性に劣る。
【0010】従来技術2は、表層が未発泡層の場合に
は、表面性状は劣らないが、高発泡層の発泡倍率が高す
ぎるので、曲げ強度、釘うち性等の型枠用パネルとして
の基本的性能に劣る。
【0011】従来技術3は、使用済みプラスチックの再
利用を目的としており、環境および資源問題の観点から
は非常に意義深いことであるが、熱硬化性使用済みプラ
スチックと廃ポリスチレンは、産業廃棄物からしか得ら
れず、しかも、軽量化を実現することが難しいという課
題がある。
【0012】他にもリサイクル樹脂を用いる方法の例は
いくつか提案されているものの、比較的成分や性状が一
定で不純物も少ないことから、リサイクルしやすい産業
廃棄物を利用する場合がほとんどであり、一般家庭から
排出される使用済みプラスチック、例えば、容器包装リ
サイクル法で分別回収された使用済みプラスチックを主
原料とすることは、成分や性状が不安定であることおよ
びプラスチック以外の金属や紙等の不純物が混入してい
ることから、まだ、実現していないのが現状である。
【0013】以上の例に見られるように、プラスチック
製型枠用パネルは、性能面で不十分であるだけでなく、
価格面においても既存の木材合板型枠に対する競争力に
かけ、結果として木材合板パネルの代替を実現できてい
ない。特に一般廃棄物として排出される使用済みプラス
チックを原料とした型枠用パネルは、地球環境保護の観
点から非常に期待される技術であるが、これまで有望な
技術は提案されていないのが現状である。
【0014】従って、本発明の目的は、必要な曲げ剛性
と軽さを満足し、且つ、釘うち性、鋸引き性、表面性状
に優れ、更には経済性にも優れた、真に木材合板パネル
を代替し得る新規なプラスチック複合パネルを、使用済
みプラスチック、特に、容器包装リサイクル法で対象と
される一般家庭から排出される使用済みプラスチックを
主原料として得ることができる、プラスチック複合パネ
ルおよびその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
プラスチックを主原料とするプラスチック複合パネルに
おいて、中心層と、前記中心層の表面に形成された外層
とを有し、前記中心層は、気孔を有し、前記外層は、メ
ルトフローレートが0.1から10g/10min.の
範囲内の熱可塑性樹脂を含むことに特徴を有するもので
ある。
【0016】請求項2記載の発明は、前記中心層の気孔
率は、20から60%の範囲内であることに特徴を有す
るものである。
【0017】請求項3記載の発明は、前記外層の厚さ
は、0.2から2mmの範囲内であることに特徴を有す
るものである。
【0018】請求項4記載の発明は、前記中心層および
/または前記外層は、3から50mass%の範囲内の
木材粉を含んでいることに特徴を有するものである。
【0019】請求項5記載の発明は、前記プラスチック
は、脱塩化ビニール処理または脱塩素処理されたプラス
チックを含んでいることに特徴を有するものである。
【0020】請求項6記載の発明は、プラスチックを主
原料とする請求項1から5の内の何れか1つに記載のプ
ラスチック複合パネルの製造方法であって、気孔を有す
る中心層と前記中心層の表面の、メルトフローレートが
0.1から10g/10min.の範囲内の熱可塑性樹
脂を含む外層とを同時に押出し成形することに特徴を有
するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施態様を、図
面を参照しながら説明する。
【0022】図1は、本発明のプラスチック複合パネル
の構成を示す断面図である。
【0023】図1において、1は、気孔3を有する中心
層、2は、中心層1の表面に形成された未発泡の外層で
ある。外層2は、メルトフローレートが0.1から10
g/10min.の熱可塑性樹脂を含んでいる。4は、
後述する木材粉である。
【0024】本発明のプラスチック複合パネルにおいて
は、コンクリート型枠用パネルとしての作業性向上の観
点から、軽量化のために、発泡構造を基本構造としてい
る。しかし、パネル全体を均一に発泡させた場合は、型
枠としての加工性、釘抜き抵抗低下による釘抜け、割れ
発生等の問題があり、また、型枠として必要な曲げ剛性
も不足し、しかも、パネルの表面性状(平滑性)が悪
い。
【0025】そこで、本発明では、曲げ剛性への影響が
少ない中心層1を、発泡構造とし、発泡構造としたこと
による曲げ剛性の低下を抑制し、且つ、パネルの表面性
状を良くするために、中心層1の表面に、メルトフロー
レートが0.1から10g/10min.の範囲内の熱
可塑性樹脂を含む未発泡構造の外層2を形成した。
【0026】本発明において、中心層1の表面に外層2
を設けた理由は、上述したように、パネルの剛性を高め
るため、および、中心層1の表面に生じた凹凸を平滑化
して、パネルの表面性状を良くするためである。
【0027】そこで、本発明者等は、中心層1の表面に
生じた凹凸を平滑化することができる外層2を構成する
樹脂の適性について、鋭意検討した。この結果、中心層
1の表面を平滑化できる樹脂とできない樹脂があること
が分かった。そこで、パネルの表面性状の悪化状況を調
べたところ、外層2の外表面が波打っている状況と、外
層2の外表面に孔明きが発生している状況の異なる2種
類の悪化状況があることが分かった。
【0028】後述するように、パネルは、押出成型機に
よって成型した後、成型品を加熱圧縮させることにより
製造されるが、パネルの表面性状が悪化しているときの
パネル製造条件や成型したパネルを切断して、表面性状
の悪化原因を調べたところ、外層2の外表面が波打って
いる状況のときには、押出成型機の押出負荷が増加して
いることが分かった。一方、外層2の外表面に孔明きが
発生している状況のときには、中心層1で発泡させた気
孔が外層2を貫通して外層2の外表面にまで達している
ことが分かった。即ち、これらの悪化状況は、押出成型
時または加熱圧縮時の外層を構成する樹脂の粘性の違い
によって生じることが分かった。
【0029】そこで、樹脂の粘性を評価する指標とし
て、一般に使用されているメルトフローレートを用い、
外層2を構成する樹脂の粘性の最適範囲を調べた。
【0030】その結果、外層2を構成する熱可塑性樹脂
の230℃におけるメルトフローレートの範囲を0.1
から10g/10min.の範囲内にすれば、上述した
パネルの表面性状の悪化を防止できることが分かった。
なお、メルトフローレートが0.1g/10min.未
満であると、外層2の外表面が急激に波打ち、一方、メ
ルトフローレートが10g/10min.を超えると、
外層2に急激に孔明きが生じる。
【0031】熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ABS、ポリスチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ナイロン等の汎用性樹脂で良い。なお、
剛性、隠蔽性確保のために熱可塑性樹脂にフィラーを添
加しても良い。フィラーとしては、タルク、マイカ、シ
リカ、チタニア、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機系
フィラーがあげられる。
【0032】次に、本発明者等は、中心層1の好ましい
気孔率範囲を得るべく更に検討を重ねた。この結果、中
心層1の気孔率が60%を超えると、釘抜き抵抗、曲げ
剛性曲げ強度等が不十分となること、および20%未満
では、プラスチック複合パネルの比重が大きくなり、コ
ンクリート型枠用パネルとしての作業性向上が劣るよう
になることを見出した。従って、本発明では、中心層1
の好ましい気孔率を20〜60%の範囲内とした。気孔
率の単位は、vol.%である。
【0033】更に、本発明者等は、外層の厚さとパネル
の曲げ剛性およびパネルの比重との関係について検討を
重ねた。この結果を図2に示す。
【0034】図2から明らかなように、外層2の厚みが
0.2mm未満であると、パネルの軽量化の面では好ま
しいが、曲げ剛性が不十分となる。一方、外層2の厚み
が2mmを超えると、パネルの曲げ剛性面では好ましい
が、プラスチック複合パネルの比重が大きくなり、コン
クリート型枠用パネルとしての作業性向上が劣るように
なる。従って、本発明では、外層2の好ましい厚みを
0.2〜2mmの範囲内とし、より好ましい範囲を0.
8〜1.5mmの範囲内とした。なお、図2の結果は、
パネルの全体の厚さを13mmとした場合であるが、パ
ネルの全体の厚さが10から30mmの範囲内であって
も、13mmの厚さの場合とほぼ同様の結果が得られ
た。
【0035】上述したプラスチック複合パネルは、コン
クリート型枠用パネルとしての軽さと曲げ剛性を満足す
ることができ、実用上問題なく使用することができた。
【0036】しかし、本発明者等は、現状に満足せず、
プラスチック複合パネルの付加価値を更に高めるため
に、プラスチック複合パネル用原料への廃棄物の利用
(リサイクル)について検討を重ねた。
【0037】この結果、おが屑等の木材粉4を、中心層
および/または外層に配合しても、何ら問題がなく、逆
に木材粉4を混入させることにより、比重は若干軽くな
り、パネルとしての曲げ剛性、曲げ強度、釘うち性、鋸
切断時の鋸刃への樹脂の絡みつき性等が全体的に向上す
ることが分かった。しかも、容器包装リサイクル法対応
の使用済みプラスチックをプラスチック複合パネル用原
料として用いた場合(後述)に、問題となる異臭も大幅
に低減され、ほとんど気にならないレベルとなることが
分かった。
【0038】この木材粉4のサイズは、パネルに混入さ
れた状態で、ほぼ10mm以下の長さであることが好ま
しい。10mmを超えると、局部的に強度の弱い部位が
できやすく、パネルとしての強度が低下する。また、配
合比率は、中心層および/または外層の質量に対し、3
〜50mass%の範囲内であることが好ましい。3m
ass%未満では、上述した効果が低下し、一方、50
mass%を超えると、局部的に強度の弱い部位ができ
やすく、パネルとしての強度が低下するからである。な
お、本発明では、木材粉以外に古紙、顔料、有機および
/または無機繊維等を含有させることも可能である。
【0039】また、本発明のプラスチック複合パネルの
主原料であるプラスチックは、基本的にはバージンのプ
ラスチックを対象に検討したものであるが、産業廃棄物
や一般廃棄物としての使用済みプラスチックも適用可能
であることも分かった。なお、一般廃棄物としての使用
済みプラスチックを対象とする場合には、使用後の焼却
処理や再利用の利便性等を考慮して、脱塩化ビニール処
理(湿式比重分離処理、加熱温度制御された溶融造粒後
の形態選別処理等)、または脱塩素処理(加熱分解処理
等)された使用済みプラスチックを用いることが好まし
い。
【0040】ここで、一般廃棄物としての使用済みプラ
スチックには、一般の家庭のごみとして分別排出され、
地方自治体によって分別回収される容器包装リサイクル
法に対応した使用済みプラスチックを含む。なお、容器
包装リサイクル法に対応した使用済みプラスチックは、
主としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート等
の汎用プラスチックと金属箔や紙、その他の調味料類等
の異物が混合されたものである。
【0041】脱塩化ビニール処理の一方法である湿式比
重分離処理は、破砕した使用済みプラスチックを、比重
1.0近傍の水等の比重液を用い分離する方法で、塩化
ビニールは重比重分側に分離される。軽比重分側には、
主としてポリエチレン、ポリプロピレンであり、一部ポ
リスチレン、その他、分離できなかった異物が混入した
ものが回収される。本発明においては、若干の異物が混
入してもプラスチック複合パネルの主原料として用いる
ことが可能である。なお、脱塩化ビニール処理された軽
比重分を使用すれば、その比重は、1.0以下であるの
で、その分軽量化を図ることができる。
【0042】但し、前述したように、木材粉12を配合
しないで、一般廃棄物としての使用済みプラスチックを
プラスチック複合パネルの主原料として用いた場合に
は、異物に由来する特有の異臭がするため、作業者に嫌
悪感をもたれるという問題も見られた。
【0043】次に、本発明のプラスチック複合パネルの
製造方法について説明する。
【0044】図3に示すように、主原料であるプラスチ
ックに発泡剤を添加した原料を、中心層用押出成形機5
に投入して軟化させ、同時にメルトフローレートが0.
1から10g/10min.の範囲内の熱可塑性樹脂
を、外層用押出成形機6に投入して軟化させ、2種3層
Tダイ7から同時に押し出すことによって、中心層1の
外表面に外層2が融着した成形体8を押出成形する。次
いで、この成形体8の表面をベルト状のプレス装置9に
より圧下して、中心層1と外層2とを密着させると共
に、パネルを平坦化させる。そして、成形体8の両端部
を切断機10によりカットすれば、プラスチック複合パ
ネル11が製造される。
【0045】別の製造方法を図4に示す。このように、
主原料であるプラスチックに発泡剤を添加した原料を、
中心層用押出成形機5に投入して軟化させ、同時にメル
トフローレートが0.1から10g/10min.の範
囲内の熱可塑性樹脂を、外層用押出成形機6に投入して
軟化させ、2種3層Tダイ7から同時に押し出すことに
よって、中心層1の外表面に外層2が融着した成形体8
を押出成形する。次いで、この成形体8をロール状のプ
レス装置12により造形、冷却して、中心層1と外層2
とを密着させると共にパネルを平坦化させる。次いで、
多段ロール13等の冷却手段により冷却する。そして、
そして、成形体8の両端部を切断機10によりカットす
れば、プラスチック複合パネル11が製造される。
【0046】なお、ロール状のプレス装置12のみで平
坦化が十分でない場合には、形状矯正・表面仕上機14
にかけることによって、十分な表面仕上げと平坦化が図
れる。
【0047】上述した2つの製造方法の何れにおいて
も、2種3層Tダイ7の形態としては、マルチマニホー
ルド方式、フィードブロック方式等公知の多層押出用の
ダイ構造を適用することができるが、各層の厚み精度等
の観点からマルチマニホールド方式の方が好ましい。ま
た、ダイからの樹脂の安定的な押出しのため、押出機と
ダイとの間にギヤポンプ15等の公知の押出安定化のた
めの装置を組み込めば、より精度良く、本発明パネルを
製造することができる。
【0048】なお、成形体の成形方法としては、これ以
外に、例えば、射出成型等の方法によって中心層を製造
した後に、加熱状態で外層を融着または塗布する方法
等、公知の成形方法を適用することができる。また、発
泡法としては、発泡剤の添加に限らず、公知の高圧ガス
封入法、機械発泡法、水発泡法等いずれも適用可能であ
る。
【0049】これらの製造方法は、工業的にも容易な方
法のため、大きなコスト増を招かずに、本発明のプラス
チック複合パネルを得ることができる。
【0050】なお、本発明は、上述したコンクリート型
枠用パネルおよびその製造方法以外に、これと同様な品
質が要求される他の部材およびその製造方法にも適用で
きる。
【0051】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。
【0052】容器包装リサイクル法に基づき、分別回収
された使用済みプラスチックを、粉砕後、水を用いた湿
式比重分離法により、比重が1.0以下の成分を分離し
た。分離した軽比重分粉砕物を適宜洗浄し、これを原料
1とした。また、木材粉は、型枠施工現場より回収した
南洋木材の桟木を、必要に応じて磁選機にかけて釘等を
除去した後、粉砕機により、全体の長さが3mm以下と
なるまで粉砕して、木材粉を調製し、これを原料2とし
た。
【0053】上記原料1と原料2および化学発泡剤とし
てのアゾジカルボンジアミン系発抱剤を、それぞれ表1
から4に示す比率でミキシング機により混合し、図4に
示すような連続パネル製造機の中心層用押出成形機5に
投入し、同時に、表1から4に示すメルトフローレート
のポリプロピレン樹脂(PP)またはポリエチレン樹脂
(PE)もしくはポリスチレン樹脂(PS)を、連続パ
ネル製造機の外層用押出成形機6に投入した。なお、メ
ルトフローレートは、230℃で測定した値である。ま
た、この樹脂には、表1から4に示すフィラーを20m
ass%添加した(実施例14を除く)。このようにし
て、厚さ約12mm、幅約0.8mの、中心層1と外層
2とからなる成形体を押出成形した。このようにして成
形された成形体8を、図4に示すロール状のプレス装置
12により、外表面を冷却・加圧することにより、中心
層1と外層2とを密着させると共に、パネルを平坦化さ
せた。
【0054】次いで、この成形体8の両端部を切断機1
0によりカットし、最終的に幅600mm、長さ180
0mm、厚み12mmの19種のプラスチック複合パネ
ル11、即ち、本発明実施例1から17および比較例1
および2を製造した。そして、各パネルを表1から4に
示す試験に供して性能評価を行った。この結果を表1か
ら4に合わせて示す。表1から4における試験および評
価方法は、以下の通りである。なお、比較例3として、
南洋木材合板パネルの性能評価の結果を表3に併せて示
す。
【0055】曲げ剛性:日本農林規格「コンクリート型
枠用合板」規定の方法に準拠して曲げ試験を行い、曲げ
ヤング係数を算出した。
【0056】曲げ強度:JIS K−7171に従い曲
げ試験を行い算出した。
【0057】比重:板の寸法から計算される体積と、質
量から算出した。
【0058】平滑性(表面性状):型枠用パネルとして
使用した際の、コンクリート面の表面状態により判定し
た。良好なものを○印、わずかに凹凸が見られるものを
△印、凹凸が顕著であるものを×印とした。
【0059】転用可能回数:、試験的にコンクリート型
枠として使用した場合、表層の割れ、剥離等が発生し
て、再使用ができなくなるまでの、転用可能回数であ
る。
【0060】鋸引き性:幅600mmのパネルを電動鋸
で幅方向に繰り返し切断し、5回に1回の割合で桟木用
木材を切断し、木材の切れ味が低下するまでのパネル切
断回数で判定した。
【0061】釘うち性:パネルの裏に40×40mmの
桟木を置いて表面から100本釘で打ち付け、パネル表
面にクラックが生じた割合(%)で評価した。
【0062】臭気:ほとんど気にならないものを○印、
やや気になるものを△印、気になり作業にならないもの
を×印とした。
【0063】総合評価:試験的にコンクリート型枠とし
て使用した場合の作業性であり、木材合板パネルと同等
以上の性能を有しているものを◎印、ほぼ木材合板パネ
ル程度の性能を有しているものを○印、桟木の配置等一
部の変更で木材合板パネルとほぼ同様に使用可能である
ものを△印、木材合板と同等に使用できないものを×印
とした。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】表1から表4から明らかなように、本発明
実施例1から4、6、7、12、13、15および16
は、何れも、型枠用パネルに求められる各種特性におい
て、十分に木材合板パネルの代替可能となり得ることが
分かった。
【0069】本発明実施例5は、中心層の気孔率が他の
実施例に比べて小さいので、比重が大きかったが、木材
合板パネルの代替可能となり得ることが分かった。
【0070】本発明実施例8は、中心層の気孔率が他の
実施例に比べて大きいので、曲げ強度および釘うち性が
やや劣っていたが、木材合板パネルの代替可能となり得
ることが分かった。
【0071】本発明実施例9は、外層の厚さが他の実施
例に比べて薄いので、曲げヤング係数、曲げ強度および
平滑性がやや劣っていたが、木材合板パネルの代替可能
となり得ることが分かった。
【0072】本発明実施例10は、外層の厚さが他の実
施例に比べて厚いので、比重が大きかったが、木材合板
パネルの代替可能となり得ることが分かった。
【0073】本発明実施例11は、原料2の配合量が他
の実施例に比べて多いので、曲げヤング係数および曲げ
強度がやや劣っていたが、木材合板パネルの代替可能と
なり得ることが分かった。
【0074】本発明実施例14は、外層が(PP)のみ
であるので、曲げヤング係数および曲げ強度がやや劣っ
ていたが、木材合板パネルの代替可能となり得ることが
分かった。
【0075】本発明実施例17は、外層としてメルトフ
ローレートが高いポリスチレン樹脂(PS)を使用した
ために、平滑性が他の実施例に比較して若干劣っていた
が、木材合板パネルの代替可能となり得ることが分かっ
た。
【0076】これに対して、比較例1は、外層のメルト
フローレートが何れの本発明実施例より小さいので、平
滑性に劣り、木材合板パネルの代替可能となり得ないこ
とが分かった。
【0077】比較例2は、外層のメルトフローレートが
何れの本発明実施例より大きいので、平滑性に劣り、木
材合板パネルの代替可能となり得ないことが分かった。
【0078】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、必
要な曲げ剛性と軽さを満足し、且つ、釘うち性、鋸引き
性、表面の平滑性に優れ、十分に木材合板パネルを代替
し得る性能を有し、また、木材合板パネルよりも転用可
能回数に優れ、更に、このようなパネルを使用済みプラ
スチック、特に、容器包装リサイクル法で対象とされる
一般家庭から排出される使用済みプラスチックを原料と
して提供することによって、地球温暖化防止の観点から
非常に大きな産業的な意義があり、しかも、本発明のパ
ネルは、使用後は高炉に吹き込み鉄鋼原料としてケミカ
ルリサイクルが可能で、トータルでの二酸化炭素削減効
果が非常に大きいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパネルを示す断面図である。
【図2】パネルの表層厚さとパネルの曲げ剛性および比
重との関係を示すグラフである。
【図3】ベルト状の連続製造機を示す概略断面図であ
る。
【図4】ロール状の連続製造機を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1:中心層 2:外層 3:気孔 4:木材粉 5:中心層用押出成形機 6:外層用押出成形機 7:2種3層Tダイ 8:成形体 9:プレス装置 10:切断機 11:パネル 12:ロール状プレス装置 13:多段ロール 14:形状矯正・表面仕上機 15:ギヤポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 31:10 B29L 31:10 (72)発明者 鶴田 秀和 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 原田 泰宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 古田 彰彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK01C AK04 AK07 AK12 BA03 BA06 BA10B BA10C DJ01A EH20 EH202 EJ17 EJ172 GB07 JA06B JA06C JK03 JK14 JL03 4F207 AA04 AA11 AA13 AB02 AB20 AG03 AH43 AH46 KB22 KF02 KF04 KK04 KL76 KM06 KM16 KW50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックを主原料とするプラスチッ
    ク複合パネルにおいて、 中心層と、前記中心層の表面に形成された外層とを有
    し、前記中心層は、気孔を有し、前記外層は、メルトフ
    ローレートが0.1から10g/10min.の範囲内
    の熱可塑性樹脂を含むことを特徴とするプラスチック複
    合パネル。
  2. 【請求項2】 前記中心層の気孔率は、20から60%
    の範囲内であることを特徴とする、請求項1記載のプラ
    スチック複合パネル。
  3. 【請求項3】 前記外層の厚さは、0.2から2mmの
    範囲内であることを特徴とする、請求項1または2記載
    のプラスチック複合パネル。
  4. 【請求項4】 前記中心層および/または前記外層は、
    3から50mass%の範囲内の木材粉を含んでいるこ
    とを特徴とする、請求項1から3の内の何れか1つに記
    載のプラスチック複合パネル。
  5. 【請求項5】 前記プラスチックは、脱塩化ビニール処
    理または脱塩素処理されたプラスチックを含んでいるこ
    とを特徴とする、請求項1から4の内の何れか1つに記
    載のプラスチック複合パネル。
  6. 【請求項6】 プラスチックを主原料とする請求項1か
    ら5の内の何れか1つに記載のプラスチック複合パネル
    の製造方法であって、 気孔を有する中心層と前記中心層の外表面の、メルトフ
    ローレートが0.1から10g/10min.の範囲内
    の熱可塑性樹脂を含む外層とを同時に押出成形すること
    を特徴とするプラスチック複合パネルの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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