JP3676899B2 - 内燃機関用のイオン電流検出装置 - Google Patents

内燃機関用のイオン電流検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃焼によって生じる燃焼ガスの電離をイオン電流として検出し、その燃焼状態を検出するイオン電流検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
点火式内燃機関(以下、単にエンジンという)では、燃焼室(以下、シリンダと呼ぶ)内に導入する空気と燃料の混合気をピストンで圧縮し、点火プラグで点火して燃焼させ動力を取り出している。エンジンの出力とシリンダ位置に対する点火時期は、密接な関係を有しており、一般には、点火時期を早くすると高出力が得られるが、早くしすぎるとノッキングと呼ばれる異常燃焼状態を発生して、エンジンの破壊を引き起こす可能性がある。従って、従来から、エンジンに振動を検出するセンサ(以下、振動センサと呼ぶ)を設け、この振動センサで検出した信号からノッキングの発生を判定して点火時期を遅らせ、ノッキングの発生限界レベルで高出力が得られるように制御している。
【0003】
しかし、ノッキングはシリンダで発生するものであり、複数のシリンダからの振動を振動センサで検出するには、振動センサの設置位置が振動検出の感度における重要な要素となる。すべてのシリンダからの振動が確実に検出でき、かつ吸排気バルブ等、他の振動源からの振動に影響されない最適な振動センサの設置位置はエンジン毎に微妙に異なるため、その設置位置設定はエンジン設計における重要課題となっている。
【0004】
一方、シリンダ内で混合気が燃焼すると、燃焼ガスが電離(イオン化)するため、これに電圧を印加すると、イオンの作用で電流が流れる。この電流はイオン電流と呼ばれ、シリンダ内の燃焼状態に応じて敏感に変化するため、イオン電流を検出することにより燃焼状態を検出するできることが知られている。
イオン電流は、点火直後に急激に増加し短時間でピークに達し、その後緩やかに減少する。ノッキングが発生した場合は、イオン電流に数キロヘルツの振動成分が重畳する。ノッキング検出に必要な信号を抽出するには急激に変動するイオン電流からノッキングに起因する振動成分のみを抽出することが不可欠である。
【0005】
イオン電流は、点火による燃焼ガスの電離作用により発生するものであるため、点火状態やエンジン回転数により変化し、その継続時間は数msec〜十数msecである。また、イオン電流に重畳するノッキング振動成分は、イオン電流の発生後、数百μsec後から生じ、特にイオン電流継続期間の前期に大きい。従って、イオン電流に重畳するノッキング振動成分を出する場合は、イオン電流発生からいかに早く検出できるようにするかが重要である。また、イオン電流は電流が極めて小さい状態から急激に増加する性質をもつため、高周波成分をカットするなどの波形を鈍らせる処置をせずに、オペアンプなどを用いてフィルタ特性を鋭くしたバンドパスフィルタに入力すると、電流の立上り直後に通過周波数近辺の周波数でリンギングが発生する。このリンギングはバンドパスフィルタの周波数特性が鋭いほど生じやすく、かつその減衰に要する時間も長くなるので特に注意が必要である。
【0006】
リンギングが発生している間は、ノッキングに起因するイオン電流の振動成分がなくてもバンドパスフィルタの出力には見かけ上ノッキング信号が現れるため、ノッキングの検出が正確に行えない。このことから、リンギングによる振動がノッキングによる信号の振幅よりも十分小さくなるまでノッキングの検出はできない。この間はノッキングの検出が不可能な期間となる。このため、リンギングの発生期間をできるだけ短くするようなバンドパスフィルタの設定を行うことが考えられるが、このようにするとノッキングを検出することができなくなる。
【0007】
本願発明の出願人は、先に特願平7−163869号で、点火プラグをイオン電流検出用の電極として用いノッキングを検出するシステムを提案している。このノッキング検出装置は、振動センサを用いる場合に比べて、エンジンごとの機差が少なく、振動検出装置が不要になる等の特徴をもつ高精度な制御システムを実現している。
図18は、上記イオン電流検出装置の回路図である。図18において、同時着火方式による点火装置201に、イオン電流検出装置202が接続されている。イオン電流検出装置202は、検出用電圧発生回路203、イオン電流−電圧変換回路204、イオン電流閾値検出回路205、タイマ206、マスク回路207及び交流成分検出回路208から構成されている。
【0008】
検出用電圧発生回路203は、点火装置201のトランジスタT1によって点火コイルLの一次巻線L1に流れる電流を遮断したとき発生する逆起電力によってコンデンサC1を充電し、コンデンサC1に充電した電荷により、点火放電後、点火プラグPG1とPG2に正極性の電圧を印加する。イオン電流−電圧変換回路204は、検出用電圧発生回路203によって点火プラグPG1とPG2に正極性の電圧を印加した際に流れるイオン電流を電圧に変換し、ほぼ一定電圧の低周波成分とノッキングに起因する高周波成分とが重畳した信号を得る。
【0009】
イオン電流閾値検出回路205は、検出用電圧発生回路203によって点火プラグPG1及びPG2に正極性の電圧を印加した際に流れるイオン電流を所定の閾値と比較し、閾値以上のイオン電流が検出されたか否かを判定し、閾値以上のイオン電流が検出された場合、イオン電流検出信号を出力する。タイマ206は、イオン電流閾値検出回路205から出力されるイオン電流検出信号を所定時間だけ遅延させて出力し、トランジスタT2の制御を行う。
【0010】
マスク回路207は、イオン電流−電圧変換回路204で得られた電圧信号に対して、演算増幅器(以下、オペアンプと呼ぶ)回路では回路応答上、除去できないような高周波成分を除去した後、増幅を行い、交流成分検出回路208で十分な振幅の信号が得られるようにする。また、マスク回路207は、トランジスタT2の動作に応じて、イオン電流−電圧変換回路204から入力された電圧信号をマスクコントロールする。すなわち、マスク回路207は、イオン電流閾値検出回路205で閾値以上のイオン電流が検出されてから所定時間後に、高周波成分を除去した信号の増幅を行って出力する。交流成分検出回路208は、バンドパスフィルタで形成され、マスク回路207で増幅された信号の高周波成分に含まれるノッキング信号を取り出す。
【0011】
このように、図18では、所定の閾値を超えるイオン電流が流れた場合、イオン電流の大きさによらず一定の電圧に変換するようにオペアンプを用いた帰還回路を構成し、帰還回路内にノッキングによる特定周波数の信号の帰還量が小さくなるようにする。このような帰還回路にノッキングによる電流変動を含むイオン電流波形を入力するとノッキングの信号周波数成分を強調できる。強調されたノッキング信号を含むイオン電流の信号をコンデンサ及び抵抗からなるフィルタに通し、オペアンプ等を用いたバンドパスフィルタを用いてノッキング信号のみを更に抽出して、イオン電流に含まれるノッキング信号を検出する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、フィルタ効果の高いバンドパスフィルタにステップ状信号のような急激にレベル変動する信号を入力すると、バンドパスフィルタの通過周波数近辺における周波数でリンギングが発生する。すなわち、イオン電流の電流波形をそのままバンドパスフィルタを用いて処理すると、イオン電流発生直後にリンギングが発生しやすくなり、ノッキングが発生していなくともイオン電流発生直後にノッキング状態であると誤検出するという問題があった。
また、図18で示したようなイオン電流検出装置では、オペアンプを多数必要とし、回路規模が大きいため製造コストが高く、装置が大きくなるという問題があった。
【0013】
図18で示したノッキング信号検出機能を有するイオン電流検出装置では、イオン電流発生時には、バンドパスフィルタへの信号入力を遮断し、一定時間経過後に信号入力の遮断を解除してバンドパスフィルタへ信号を伝達している。その際に、信号の遮断回路段であるマスク回路207にはコンデンサと抵抗で構成したフィルタを設け、バンドパスフィルタへ入力される信号をなまらせ、遮断回路停止後に急激な信号レベルの変動がないように構成している。このため回路構成が複雑になっており、回路が簡略化できリンギングが発生しにくいバンドパスフィルタの実現が求められていた。
【0014】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、回路を簡略化して小型化でき、低コストであって、かつリンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができる内燃機関用のイオン電流検出装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本第1の発明に係るイオン電流検出装置は、一次側に印加された電圧により二次側に高電圧を発生させる点火コイルと、点火コイルに発生した電圧により点火する点火プラグと、シリンダとからなる内燃機関における、燃焼時に発生するイオン電流を検出する内燃機関用のイオン電流検出装置において、上記点火プラグにイオン電流検出用の電圧を印加する検出用電圧発生部と、該検出用電圧発生部から点火プラグに印加された電圧に基づいて生じるイオン電流を電圧に変換するイオン電流−電圧変換部と、該イオン電流−電圧変換部で変換された信号から特定周波数領域の交流成分を検出するフィルタ部と、検出用電圧発生部から点火プラグに印加された電圧に基づいて生じるイオン電流を検出し、該イオン電流が所定の閾値を超えるとイオン電流検出信号を出力するイオン電流閾値検出部と、上記フィルタ部のフィルタ特性を制御するフィルタ特性制御部とを備え、フィルタ特性制御部は、イオン電流閾値検出部からイオン電流検出信号が出力されると、所定の時間迄は、上記フィルタ部に対して特定周波数領域の交流成分の検出能力を低下させ、所定の時間後は、上記フィルタ部に対して特定周波数領域の交流成分の検出能力を高めるものである。
【0016】
本第2の発明に係るイオン電流検出装置は、第1の発明において、上記イオン電流−電圧変換部は、イオン電流を検出するイオン電流検出部と、ダイオードとで形成され、該ダイオードの順方向電圧の対数特性を用いてイオン電流検出部で検出されたイオン電流に含まれる交流成分の比率に比例する電圧を出力する。
【0017】
本第3の発明に係るイオン電流検出装置は、第2の発明において、上記イオン電流検出部は、カレントミラー回路からなる。
【0018】
本第4の発明に係るイオン電流検出装置は、第1から第3の発明において、上記フィルタ部は、非反転増幅回路部と、該非反転増幅回路部における負帰還回路に設けられたノッチフィルタ回路部と、該ノッチフィルタ回路部から出力される信号を上記非反転増幅回路部に帰還させるためのバッファ回路部とからなるバンドパスフィルタである。
【0019】
本第5の発明に係るイオン電流検出装置は、第4の発明において、上記フィルタ特性制御部は、イオン電流閾値検出部からイオン電流検出信号が出力されると、所定の時間迄は、上記ノッチフィルタ回路部における特定周波数領域の減衰量を小さくし、所定の時間後は、上記ノッチフィルタ回路部における特定周波数領域の減衰量を大きくする。
【0020】
本第6の発明に係るイオン電流検出装置は、第4及び第5の発明において、上記バッファ回路部は、演算増幅器で形成されたボルテージホロワである。
【0021】
本第7の発明に係るイオン電流検出装置は、第4及び第5の発明において、上記バッファ回路部は、トランジスタ回路で形成されたインピーダンス変換回路である。
【0022】
本第8の発明に係るイオン電流検出装置は、第4及び第5の発明において、上記インピーダンス変換回路は、入力がnpnトランジスタで形成される。
【0023】
本第9の発明に係るイオン電流検出装置は、第7及び第8の発明において、上記インピーダンス変換回路における入力バイアス電流の補償を行う補償回路部を更に備えた。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるイオン電流検出装置の例を示す回路図である。図1において、同時着火方式による点火装置1に、イオン電流検出装置2が端子A1及び端子A2で接続されている。点火装置1において、点火コイル3は一次巻線4と二次巻線5からなり、一次巻線4の一端は、バッテリ6の+側電極に接続され、バッテリ6の−側電極は接地されている。
【0025】
一次巻線4の他端は、点火コイル3の一次側電流を制御する点火制御用のnpnトランジスタ7のコレクタ、npnトランジスタ7のコレクタ電圧を制限するためのツェナーダイオード8のカソード、及び端子A1にそれぞれ接続され、npnトランジスタ7のエミッタは接地されている。npnトランジスタ7のベースは、ツェナーダイオード8のアノードが接続され、点火制御用コンピュータユニット(図示せず)から点火制御信号が入力されている。ツェナーダイオード8は、点火コイル3の一次電流を遮断した際に発生する逆起電力によってnpnトランジスタ7のコレクタ電圧の上昇を制限するためのものであり、コレクタ電圧を約300V程度に制限している。
【0026】
点火コイル3の二次巻線5の一端と接地との間には、シリンダ9内に設置した点火プラグ10が接続されており、二次巻線5の他端と接地との間には、シリンダ11内に設置された点火プラグ12が接続されている。二次巻線5の他端には、ダイオード13のカソードが接続されており、ダイオード13のアノードは端子A2に接続されている。ダイオード13は、点火時に点火プラグ12に発生する正の高電圧による電流がイオン電流検出装置2に流入することを防止するものであり、数万V以上の逆方向耐圧を有している。
【0027】
イオン電流検出装置2は、検出用電圧発生回路21、イオン電流−電圧変換回路22、バンドパスフィルタ23、イオン電流閾値検出回路24及びタイマ25で形成されている。なお、上記検出用電圧発生回路21は検出用電圧発生部をなし、イオン電流−電圧変換回路22はイオン電流−電圧変換部を、バンドパスフィルタ23はフィルタ部を、イオン電流閾値検出回路24はイオン電流閾値検出部をなし、タイマ25はフィルタ特性制御部をそれぞれなしている。
【0028】
検出用電圧発生回路21は、抵抗31、ダイオード32〜34、ツェナーダイオード35及びコンデンサ36で形成されている。抵抗31の一端は端子A1に接続され、抵抗31の他端はダイオード32のアノードに接続されている。また、ダイオード32のカソードはツェナーダイオード35のカソードとコンデンサ36の一端にそれぞれ接続されており、接続部は端子A2に接続されている。ツェナーダイオード35のアノード、コンデンサ36の他端、ダイオード33のアノード及びダイオード34のカソードはそれぞれ接続され、該接続部をBとする。接続部Bはイオン電流−電圧変換回路22とイオン電流閾値検出回路24にそれぞれ接続されている。
【0029】
検出用電圧発生回路21は、npnトランジスタ7の動作によって、点火コイル3の一次側電流が急激に遮断された場合に、点火コイル3の一次巻線4における逆起電力による正の高電圧(300〜400V程度)が端子A1に発生する。このとき、コンデンサ36に保持された電荷がゼロであると、バッテリ6→一次巻線4→抵抗31→ダイオード32→コンデンサ36→ダイオード33→接地の経路で電流が流れ、コンデンサ36が充電される。コンデンサ36が充電されることによって、コンデンサ36の両端電圧が上昇し、ツェナーダイオード35のツェナー電圧に達すると、バッテリ6→一次巻線4→抵抗31→ダイオード32→ツェナーダイオード35→ダイオード33→接地の経路で電流が流れる。
【0030】
一方、点火コイル3の二次巻線5には、一次巻線4に発生した電圧に対して、一次巻線4と二次巻線5の巻数比に応じた高電圧が発生する。普通、二次巻線5の両端には数十kVの電圧が発生するようになっている。二次巻線5の両端に高電圧が発生している間は、ダイオード13がアノードよりもカソードの方が電圧が高いため、ダイオード13を介して電流は流れない。ダイオード13のアノードは、コンデンサ36の充電電圧となっており、約100Vの電圧を維持しているため、二次巻線5の両端電圧が減少するとダイオード13は順方向にバイアスされてイオン電流が流れる。
【0031】
イオン電流−電圧変換回路22は、pnpトランジスタ41〜43及びnpnトランジスタ44で形成されている。pnpトランジスタ41〜43でカレントミラー回路を形成しており、pnpトランジスタ41及び42のベースは互いに接続され、該接続部はpnpトランジスタ43のエミッタに接続されている。pnpトランジスタ41及び42の各エミッタはそれぞれ接続されて電源端子VRに、pnpトランジスタ41のコレクタはpnpトランジスタ43のベースに、該接続部は検出用電圧発生回路21の接続部Bにそれぞれ接続されている。
【0032】
pnpトランジスタ42のコレクタはnpnトランジスタ44のコレクタに接続され、該接続部にnpnトランジスタ44のベースを接続し、該接続部をCとする。pnpトランジスタ43のコレクタ及びnpnトランジスタ44のエミッタはそれぞれ接地されている。なお、上記pnpトランジスタ41〜43はイオン電流検出部をなし、npnトランジスタ44はダイオードとして動作する。
【0033】
イオン電流−電圧変換回路22は、イオン電流を検出し、検出したイオン電流を電圧に変換する回路である。イオン電流−電圧変換回路22において、電源端子VRはpnpトランジスタ41のコレクタとpnpトランジスタ43のベースとの接続部の電圧が0Vになるような電圧、例えば1.4Vの電源電圧が供給されている。このことから、イオン電流は、pnpトランジスタ41のコレクタ→コンデンサ36→ダイオード13の経路で点火プラグ10及び12に向かって流れるため、pnpトランジスタ41〜43で形成されたカレントミラー回路によって、イオン電流に比例した電流がnpnトランジスタ44のコレクタに流れる。イオン電流はnpnトランジスタ44のベース電圧の変動に変換される。
【0034】
npnトランジスタ44のベース電圧VB44は、npnトランジスタ44のコレクタに流れる電流をIC44とすると、下記(1)式で表される。
VB44={k×T×ln(IC44)}/e …………………(1)
上記(1)式において、kはボルツマン係数、eは素電荷量、Tは絶対温度である。
【0035】
従って、ノッキングによるイオン電流、すなわちnpnトランジスタ44のコレクタ電流の変動量をΔIC44とすると、ΔIC44によるnpnトランジスタ44のベースにおける電圧変動幅ΔVB44は、下記(2)式から求めることができる。
ΔVB44={k×T×ln(IC44+ΔIC44)}/e−{k×T×ln(IC44)}/e=k×T×ln{(IC44+ΔIC44)/IC44}/e ……………(2)
上記(2)式より、イオン電流におけるノッキングによる変動幅の比率が一定で、温度が一定であれば、npnトランジスタ44のベース電圧に現れる電圧変動は同じであることが分かる。
【0036】
バンドパスフィルタ23は、オペアンプ51と2つの抵抗52,53で形成された非反転増幅回路54と、抵抗55〜57及びコンデンサ58〜60で形成されたノッチフィルタ61と、ボルテージホロワを形成したオペアンプ62で形成されている。バンドパスフィルタ23において、オペアンプ51の非反転入力はイオン電流−電圧変換回路22の接続部Cに接続され、オペアンプ51における反転入力と出力との間には抵抗53が接続され、オペアンプ51の反転入力は抵抗52を介してオペアンプ62の出力に接続されている。
【0037】
ノッチフィルタ61において、抵抗55及びコンデンサ59の一端がオペアンプ51の出力に接続され、該接続部はバンドパスフィルタ23の出力端子Dをなし、抵抗55の他端は抵抗56の一端に接続されると共にコンデンサ58の一端に接続されている。コンデンサ59の他端はコンデンサ60の一端と抵抗57の一端に接続され、抵抗56の他端とコンデンサ60の他端は接続され、該接続部はオペアンプ62の非反転入力に接続され、バンドパスフィルタ23の出力端子Eをなす。また、コンデンサ58の他端と抵抗57の他端は接続され、該接続部をFとし、接続部Fはタイマ25に接続されている。なお、オペアンプ62において、反転入力は出力に接続されている。
【0038】
ここで、ノッチフィルタ61の入力端子である出力端子Dの電圧をV1とし、ノッチフィルタ61の出力端子である出力端子Eの電圧をV2とすると、ノッチフィルタ61における、接続部Fを接地した場合の周波数特性は図2で示すようになる。図2から分かるように、ノッチフィルタ61は、特定の周波数の信号を通過させないため、バンドパスフィルタ23のように、負帰還回路の帰還回路に組み込むと、ノッチフィルタの非通過周波数の信号は負帰還量が極めて小さくなるので、結果として非通過周波数の信号が帰還回路の負帰還点に電圧変動して現れる。このようにして、バンドパスフィルタ23は、ノッチフィルタ61の特性と反対の特性を有することとなる。
【0039】
次に、イオン電流閾値検出回路24は、イオン電流の所定の閾値と比較し、閾値以上のイオン電流が流れたか否かを判定し、該判定結果をタイマ25に出力する。
図3は、イオン電流閾値検出回路24の回路例を示した図である。図3において、イオン電流閾値検出回路24は、npnトランジスタ71〜75と、定電流源76〜79で形成され、npnトランジスタ71及び72はカレントミラー回路を形成している。
【0040】
npnトランジスタ71及び72の各エミッタはそれぞれ接地され、npnトランジスタ71のコレクタは定電流源76を介して電源端子VCCに接続されている。また、npnトランジスタ71及び72の各ベースは接続され、該接続部はnpnトランジスタ71のコレクタに接続されている。npnトランジスタ72のコレクタは、検出用電圧発生回路21の接続部Bに接続されると共に、npnトランジスタ73のベースに接続されている。npnトランジスタ73のエミッタは接地され、npnトランジスタ73のコレクタは定電流源77を介して電源端子VCCに接続されている。npnトランジスタ73のコレクタと定電流源77との接続部は、npnトランジスタ74のベースに接続されている。
【0041】
npnトランジスタ74のエミッタは接地され、npnトランジスタ74のコレクタは定電流源を78を介して電源端子VCCに接続されている。npnトランジスタ74のコレクタと定電流源78との接続部は、npnトランジスタ75のベースに接続されている。npnトランジスタ75のエミッタは接地され、npnトランジスタ75のコレクタは定電流源79を介して電源端子VCCに接続されている。npnトランジスタ75のコレクタと定電流源79との接続部は、タイマ25に接続されている。
【0042】
このような構成において、検出電圧発生回路21の接続部Bにイオン電流が流れると、該イオン電流がnpnトランジスタ73のベースに流れる。このとき、npnトランジスタ73のベースに流れるイオン電流が、npnトランジスタ71及び72で形成されたカレントミラー回路に流れる電流よりも大きい場合、npnトランジスタ73がオンする。このことから、npnトランジスタ74はオフすると共に、npnトランジスタ75がオンするため、タイマ25に「L」レベルの信号、すなわちイオン電流検出信号が出力される。次に、イオン電流がnpnトランジスタ71及び72で形成されたカレントミラー回路に流れる電流よりも小さい場合、npnトランジスタ73はオフし、npnトランジスタ74がオンし、npnトランジスタ75がオフすることから、タイマ25に「H」レベルの信号が出力される。
【0043】
タイマ25は、イオン電流閾値検出回路24から入力される、閾値以上のイオン電流が検出されたことを示すイオン電流検出信号、すなわちイオン電流閾値検出回路24から入力される「L」レベルの信号を、所定時間だけ遅延させる。
図4は、タイマ25の回路例を示した図である。図4において、タイマ25は、npnトランジスタ81〜86、pnpトランジスタ87,88、ダイオード89、コンデンサ90、定電流源91〜94及び抵抗95〜98で形成されている。npnトランジスタ82,83及び抵抗98は、微少な電流で動作しないようにするためのリークカット回路を形成し、npnトランジスタ85及び86はカレントミラー回路を形成し、また、上記pnpトランジスタ87,88及び定電流源91は、差動増幅回路を形成している。
【0044】
pnpトランジスタ87及び88の各エミッタは接続され、該接続部は定電流源91を介して電源端子VCCに接続される。pnpトランジスタ87のコレクタは接地され、ベースはnpnトランジスタ81のコレクタに接続され、該接続部と接地との間にコンデンサ90が接続されている。npnトランジスタ81において、エミッタは接地され、コレクタは抵抗95を介して電源端子VCCに接続され、ベースはイオン電流閾値検出回路24におけるnpnトランジスタ75のコレクタと定電流源79との接続部に接続されている。また、抵抗96の一端が電源端子VCCに接続され、抵抗97の一端が接地されるように、電源端子VCCと接地との間には抵抗96及び97の直列回路が接続されている。抵抗96及び97の接続部はpnpトランジスタ88のベースに接続され、抵抗96及び97で差動増幅回路の基準電圧を生成する。
【0045】
npnトランジスタ82及び83の各ベースはそれぞれ接続され、該接続部はpnpトランジスタ88のコレクタに接続されると共に、npnトランジスタ82のコレクタに接続されている。npnトランジスタ82のエミッタは抵抗98を介して接地され、npnトランジスタ83のエミッタは接地されている。npnトランジスタ83のコレクタは定電流源92を介して電源端子VCCに接続され、npnトランジスタ83のコレクタと定電流源92との接続部は、npnトランジスタ84のベースに接続されている。npnトランジスタ84のエミッタは接地され、npnトランジスタ84のコレクタは定電流源93を介して電源端子VCCに接続されている。npnトランジスタ84のコレクタと定電流源93との接続部は、ダイオード89のアノードに接続されている。
【0046】
npnトランジスタ85及び86の各ベースは接続され、該接続部はnpnトランジスタ85のコレクタに接続されている。npnトランジスタ85のコレクタは、ダイオード89のカソードに接続されると共に、定電流源94を介して電源端子VCCに接続されている。npnトランジスタ85及び86の各エミッタはそれぞれ接地され、npnトランジスタ86のコレクタは、バンドパスフィルタ23の接続部Fに接続されている。
【0047】
上記のような構成において、イオン電流閾値検出回路24からnpnトランジスタ81のベースにイオン電流検出信号、すなわち「L」レベルの信号が入力されると、npnトランジスタ81はオフし、コンデンサ90は抵抗95を介して充電される。コンデンサ90の充電にともない、pnpトランジスタ87のベース電圧が上昇し、pnpトランジスタ87のベース電圧がpnpトランジスタ88のベース電圧よりも上昇すると、pnpトランジスタ88のコレクタ電流が増加しnpnトランジスタ83がオンする。npnトランジスタ83がオンすると、npnトランジスタ84はオフし、npnトランジスタ86のベースには定電流源93及び94から電流が流れる。
【0048】
すなわち、タイマ25は、イオン電流閾値検出回路24から「L」レベルの信号が入力されると、コンデンサ90が充電されることによってpnpトランジスタ87のベース電圧が、npnトランジスタ88の所定のベース電圧よりも上昇する時間だけ遅延された後、npnトランジスタ86のベースに定電流源93及び94から電流が供給される。なお、タイマ25における遅延時間は、コンデンサ90の容量、抵抗95の抵抗値及びpnpトランジスタ88のベース電圧によって決定される。
【0049】
一方、イオン電流閾値検出回路24からタイマ25に「H」レベルの信号が入力され、npnトランジスタ81がオンしたときは、コンデンサ90はnpnトランジスタ81によって放電され、pnpトランジスタ87のベース電圧が低下する。pnpトランジスタ87のベース電圧が、pnpトランジスタ88のベース電圧よりも低下すると、pnpトランジスタ88のコレクタ電流が減少し、npnトランジスタ83がオフする。npnトランジスタ83がオフすると、npnトランジスタ84がオンし、npnトランジスタ86のベースには定電流源94からだけ電流が流れる。このように、タイマ25は、イオン電流閾値検出回路24からの信号レベルに応じて、npnトランジスタ86のベース電流を変え、npnトランジスタ86の飽和電圧を変えるように構成している。
【0050】
定電流源93は、定電流源94よりも大きな電流を流すことができるように設定されている。例えば、定電流源93は200μAの電流を、定電流源94は6μAの電流をそれぞれ流すことができる。すなわち、タイマ25は、イオン電流閾値検出回路24からイオン電流検出信号、すなわち「L」レベルの信号が入力されると、所定の時間だけ遅延させてnpnトランジスタ86のベースに流れる電流を6μAから206μAに増加させる。また、タイマ25は、イオン電流閾値検出回路24から「H」レベルの信号が入力されると、npnトランジスタ86のベースに流れる電流を6μAにする。
【0051】
図5は、タイマ25の他の例を示した回路図であり、タイマ25として図5で示した回路を使用してもよい。図4との相違点は、図4のnpnトランジスタ85をなくし、npnトランジスタ86のベースを定電流源94を介して電源端子VCCに接続し、npnトランジスタのベースと定電流源94との接続部をダイオード89のカソードに接続したことにある。
【0052】
ここで、npnトランジスタ86のベースに流れる電流を変えることによって、バンドパスフィルタ23のノッチフィルタ61における周波数特性の変化について説明する。図6は、npnトランジスタ86のベース電流の変化に対するノッチフィルタ61の周波数特性の変化を説明するための図である。図6で示すように、ノッチフィルタ61は、npnトランジスタ86のベース電流が小さくなるほど、特定の周波数に対する遮断性能が低下し、ベース電流が大きくなるほど、特定の周波数に対する遮断性能が良くなることが分かる。ノッチフィルタ61は、接続部Fが接地されたときに、特定の周波数に対する遮断性能が最もよくなる。
【0053】
図7は、タイマ25のnpnトランジスタ86のベース電流を大きくした場合における、バンドパスフィルタ23の出力端子D及び出力端子Eから出力される波形の周波数特性を示した図である。また、図8は、タイマ25のnpnトランジスタ86のベース電流を小さくした場合における、バンドパスフィルタ23の出力端子D及び出力端子Eから出力される信号の周波数特性を示した図である。なお、図7及び図8において、(D−E)で示したグラフは、出力端子Dの電圧から出力端子Eの電圧を減算した波形の周波数特性を示した図である。図7及び図8に示すように、タイマ25のnpnトランジスタ86のベース電流を大きくすると、バンドパスフィルタ23の周波数特性が鋭くなる。
【0054】
以上の説明から明らかなように、イオン電流閾値検出回路24は、閾値以上のイオン電流を検出すると、タイマ25にイオン電流検出信号を出力し、タイマ25は所定の時間後に、バンドパスフィルタ23のノッチフィルタ61における特定の周波数に対する遮断性能を鋭くするように作用する。
【0055】
すなわち、点火直後イオン電流が急激に変動している状態では、例えばnpnトランジスタ86のベース電流を6μAにしてノッチフィルタ61の非通過周波数での遮断特性を緩慢にすることによって、バンドパスフィルタ23のQを低くして、リンギングの発生期間をできるだけ短くしている。そして、所定の時間経過後に、npnトランジスタ86のベース電流を206μAにしノッチフィルタ61の特定周波数での遮断性能を鋭くすることにより、バンドパスフィルタ23のQを高くしてノッキング信号検出に十分な検出感度を持たせるようになっている。
【0056】
図9は、イオン電流検出装置2において、ノッキングが発生していないときの動作を示すタイミングチャートであり、図10は、ノッキングが発生したときの動作を示すタイミングチャートである。
図9及び図10において、(a)はイオン電流による接続部Cの電圧変動を、(b)はタイマ25のnpnトランジスタ86におけるベース電流を、(c)はノッチフィルタ61の端子D及びEの間に得られる検出出力をそれぞれ示す。なお、(d)はタイマ25のnpnトランジスタ86におけるベース電流を大きくしたままの状態におけるノッチフィルタ61の端子D及びEの間に得られる検出出力である。
【0057】
図9及び図10で示すように、イオン電流が発生した時点、すなわち、イオン電流による接続部Cの電位が急激に変動した直後、タイマ25のnpnトランジスタ86のベース電流は6μAと小さく、所定の時間経過後に、206μAと大きくなっている。これによって、リンギングが短時間で消滅しノッキング信号がノッチフィルタ61の(D−E)間に現れている。なお、npnトランジスタ86のベース電流を常時206μAにしていると、(D−E)間にリンギングが長く発生し、リンギングとノッキングの区別ができなくなっていることが見てとれる。
【0058】
以上の動作を要約すると、混合気が点火しイオン電流が発生してから所定期間、例えば約500μsecの間はノッキングの検出動作を行わず、その後にバンドパスフィルタ23の特性を切り換えてノッキングの検出を行う。なお、フィルタ特性の切り換えにより、若干のリンギング発生は避けられないため、バンドパスフィルタ23におけるフィルタ特性の切り換えタイミングとノッキングの検出を行うタイミングとに、適当な時間差を設けるようにするほうがより望ましい。例えば、イオン電流の発生から350μsecの期間は、バンドパスフィルタ23のQを低くしてフィルタ特性を緩慢にしたままにし、イオン電流の発生から350μsec後にバンドパスフィルタ23のQを高くしてフィルタ特性を鋭くし、イオン電流の発生から500μsec後からノッキングの検出を行うようにすればよい。
【0059】
上述したイオン電流検出装置2においては、npnトランジスタ86のベース電流が小さい場合と大きい場合とで、図11で示すように、バンドパスフィルタ23における通過周波数の中心周波数が低周波数側にシフトすることが避けられない。この周波数シフトを避けるには図12に示すような構成にすればよい。
【0060】
図12において、ノッチフィルタ61は、コンデンサ58の一端が抵抗55及び56の接続部に接続され、コンデンサ58の他端がタイマ25のnpnトランジスタ86のコレクタに接続されている。ノッチフィルタ61の抵抗57は、一端がコンデンサ59及び60の接続部に接続され、他端が接地されている。
このように構成すれば、バンドパスフィルタ23の周波数特性は図13に示すようになる。図13から分かるように、タイマ25におけるnpnトランジスタ86のベース電流を小さくしたときと大きくしたときとで、バンドパスフィルタ23における通過周波数の中心周波数が同一になる。
【0061】
上記のように、本発明の実施の形態1におけるイオン電流検出装置は、イオン電流閾値検出回路24が、所定の閾値以上のイオン電流を検出すると、タイマ25にイオン電流検出信号を出力し、タイマ25が所定の時間後に、バンドパスフィルタ23のノッチフィルタ61における特定の周波数に対する遮断性能を鋭くなるようにした。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。更に、バンドパスフィルタにおけるリンギングの抑制とノッキングの検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。
【0062】
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、バンドパスフィルタ23の出力端子Eの電圧をインピーダンス変換する手段としてオペアンプ62でボルテージホロワを形成してなるバッファ回路を用いたが、該バッファ回路をトランジスタ回路で形成したインピーダンス変換回路で形成してもよく、このようにしたものを本発明の実施の形態2とする。
【0063】
図14は、本発明の実施の形態2におけるイオン電流検出装置を示した部分回路図である。なお、図14において、図1と同じものは同じ符号で示しており、ここではその説明を省略すると共に、図1と異なる部分のみを示しており、図1との相違点のみ説明する。
図14における図1との相違点は、図1のバンドパスフィルタ23におけるオペアンプ62を、インピーダンス変換回路101に置き換えたことにあり、これに伴って図1のバンドパスフィルタ23をバンドパスフィルタ102とし、図1のイオン電流検出装置2をイオン電流検出装置103としたことにある。
【0064】
図14において、インピーダンス変換回路101は、pnpトランジスタ105、npnトランジスタ106及び2つの定電流源107,108で形成されている。pnpトランジスタ105のベースは、ノッチフィルタ61における抵抗56及びコンデンサ60の接続部に接続され、pnpトランジスタ105のコレクタは接地されている。また、pnpトランジスタ105のエミッタは定電流源107を介して電源端子VCCに接続され、pnpトランジスタ105のエミッタと定電流源107との接続部はnpnトランジスタ106のベースに接続されている。npnトランジスタ106のコレクタは電源端子VCCに接続され、エミッタは定電流源108を介して接地されている。npnトランジスタ106のエミッタと定電流源108との接続部は、抵抗52を介してオペアンプ51の反転入力に接続されている。
【0065】
上記のような構成において、インピーダンス変換回路101は、図1のオペアンプ62でボルテージホロワを形成してなるバッファ回路と同様の動作を行うが、入出力間におけるオフセット電圧は大きくなる。しかし、本実施の形態2のイオン電流検出装置103における用途においては、オフセット電圧が特に問題となることはない。ここで、図1のオペアンプ62の帯域幅が狭い場合、オペアンプ51で構成される電圧増幅段のゲインが高い状態で帰還回路の位相が遅れ、高周波で発振しやすい回路となる。これに対して、インピーダンス変換回路101は、周波数特性を高くすることができるため、高周波でも発振し難くすることができる。
【0066】
このように、本発明の実施の形態2におけるイオン電流検出装置は、図1のオペアンプ62で形成したインピーダンス変換回路をトランジスタ回路で形成したインピーダンス変換回路にしたことにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができると共に、簡単な回路構成で発振し難い回路を得ることができる。
【0067】
実施の形態3.
実施の形態2におけるインピーダンス変換回路101の回路構成を、入力側にnpnトランジスタを使用し、出力側にpnpトランジスタを使用するようにしてもよい。このようにしたものを、本発明の実施の形態3とする。
図15は、本発明の実施の形態3におけるイオン電流検出装置を示した部分回路図である。なお、図15において、図14と同じものは同じ符号で示しており、ここではその説明を省略すると共に、図14との相違点のみ説明する。
【0068】
図15における図14との相違点は、図14のインピーダンス変換回路101をインピーダンス変換回路111に置き換えたことにあり、これに伴って図14のバンドパスフィルタ102をバンドパスフィルタ112とし、図14のイオン電流検出装置103をイオン電流検出装置113としたことにある。
【0069】
インピーダンス変換回路111は、npnトランジスタ112、pnpトランジスタ113及び2つの定電流源114,115で形成されている。npnトランジスタ112のベースは、ノッチフィルタ61における抵抗56及びコンデンサ60の接続部に接続され、npnトランジスタ112のコレクタは電源端子VCCに接続されている。また、npnトランジスタ112のエミッタは定電流源114を介して接地され、npnトランジスタ112のエミッタと定電流源114との接続部はpnpトランジスタ113のベースに接続されている。pnpトランジスタ113のコレクタは接地され、エミッタは定電流源115を介して電源端子VCCに接続されている。pnpトランジスタ113のエミッタと定電流源115との接続部は、抵抗52を介してオペアンプ51の反転入力に接続されている。
【0070】
上記のような構成において、インピーダンス変換回路111は、図1のオペアンプ62でボルテージホロワを形成してなるバッファ回路と同様の動作を行うが、入出力間におけるオフセット電圧は大きくなる。しかし、本実施の形態3のイオン電流検出装置113における用途においては、オフセット電圧が特に問題となることはない。ここで、図1のオペアンプ62の帯域幅が狭い場合、オペアンプ51で構成される電圧増幅段のゲインが高い状態で帰還回路の位相が遅れ、高周波で発振しやすい回路となる。これに対して、インピーダンス変換回路111は、周波数特性を高くすることができるため、高周波でも発振し難くすることができる。
【0071】
ここで、ノッチフィルタ61において、使用するコンデンサの容量を小さくし、部品のコストを削減しようとした場合、必然的に抵抗55〜57の各抵抗値が大きくなる。抵抗55及び56の抵抗値が大きくなると、バッファ回路をなすインピーダンス変換回路の入力に必要とされる入力バイアス電流により、ノッチフィルタ61における入出力の両端、すなわち出力端子D及びEの両端に電圧が発生する。バンドパスフィルタ111は、ノッチフィルタ61の入出力の両端電圧を検出して所定のフィルタ特性を得るため、ノッチフィルタ61両端の電圧降下が大きくなると後段の回路構成が難しくなる。後段のゲインを高くとるためにノッチフィルタ61の入出力両端での電圧降下をできるだけ小さくする必要がある。
【0072】
ノッチフィルタ61の入出力両端の電圧降下を小さくする手段として、インピーダンス変換回路の入力バイアス電流を小さくする必要がある。このため、インピーダンス変換回路111では、半導体集積回路において、npnトランジスタの方がpnpトランジスタよりも電流増幅の面で性能の高いものが得られることから、入力側にnpnトランジスタ112を使用することにより、入力バイアス電流を小さくすることができる。
【0073】
このように、本発明の実施の形態3におけるイオン電流検出装置は、図1のオペアンプ62で形成したインピーダンス変換回路をトランジスタ回路で形成したインピーダンス変換回路にすると共に、インピーダンス変換回路の入力側をnpnトランジスタで形成し、出力側をpnpトランジスタで形成したことにより、実施の形態2と同様の効果を得ることができると共に、ノッチフィルタの入出力両端の電圧降下を小さくすることができることから、ノッチフィルタのコンデンサの容量を小さくすることができ、コストの削減を図ることができる。
【0074】
実施の形態4.
実施の形態3においては、インピーダンス変換回路からなるバッファ回路の入力バイアス電流を低減するために、インピーダンス変換回路の入力側をnpnトランジスタで形成するようにしたが、回路動作の制約上、インピーダンス変換回路の入力側にnpnトランジスタを用いることができない場合があることから、インピーダンス変換回路の入力側にpnpトランジスタを用いると共に、バンドパスフィルタにインピーダンス変換回路の入力バイアス電流の低減を行う回路を付加するようにしてもよく、このようにしたものを本発明の実施の形態4とする。
【0075】
図16は、本発明の実施の形態4におけるイオン電流検出装置を示した部分回路図である。なお、図16において、図14と同じものは同じ符号で示しており、ここではその説明を省略すると共に、図14との相違点のみ説明する。
図16における図14との相違点は、図14のバンドパスフィルタ102に、インピーダンス変換回路101におけるpnpトランジスタ105のベース電流を補償するためのベース電流補償回路121を設けたことにあり、これに伴って、図14のバンドパスフィルタ102をバンドパスフィルタ122とし、図14のイオン電流検出装置103をイオン電流検出装置123としたことにある。なお、上記ベース電流補償回路121は補償回路部をなす。
【0076】
図16において、バンドパスフィルタ122は、非反転増幅回路54、ノッチフィルタ61、インピーダンス変換回路101及びベース電流補償回路121で形成されている。ベース電流補償回路121は、npnトランジスタ125,126、pnpトランジスタ127及び定電流源128で形成されており、npnトランジスタ125及び126でカレントミラー回路を形成している。
【0077】
ベース電流補償回路121において、npnトランジスタ125及び126のベースはそれぞれ接続され、該接続部はnpnトランジスタ126のコレクタに接続されている。npnトランジスタ125及び126の各エミッタはそれぞれ接地され、npnトランジスタ125のコレクタはインピーダンス変換回路101におけるpnpトランジスタ105のベースに接続されている。npnトランジスタ126のコレクタはpnpトランジスタ127のベースに接続され、pnpトランジスタ127のコレクタは接地されている。また、pnpトランジスタ127のエミッタは定電流源128を介して電源端子VCCに接続されている。
【0078】
上記のような構成において、インピーダンス変換回路101の入力バイアス電流は、pnpトランジスタ105のベースからノッチフィルタ61の抵抗56へ流れるが、該電流と同一の電流をベース電流補償回路121のnpnトランジスタ125で接地へ流すようにし、インピーダンス変換回路101の入力バイアス電流を補償することができる。
【0079】
このように、本実施の形態4におけるイオン電流検出装置は、インピーダンス変換回路101の入力バイアス電流と同一の電流を、ベース電流補償回路121によって、インピーダンス変換回路101の入力から接地へ流すようにしたことから、実施の形態3と同様の効果を得ることができると共に、インピーダンス変換回路の入力にpnpトランジスタを使用したことにより、インピーダンス変換回路からノッチフィルタに流れる電流がノッチフィルタに影響を及ぼすことをなくすことができる。
【0080】
実施の形態5.
実施の形態4においては、インピーダンス変換回路の入力にpnpトランジスタが使用され、インピーダンス変換回路の出力にnpnトランジスタが使用された場合、すなわち実施の形態2におけるインピーダンス変換回路に対してベース電流補償回路を設けたが、実施の形態3で示したような、入力にnpnトランジスタを使用し、出力にpnpトランジスタを使用したようなインピーダンス変換回路に対して、更にベース電流補償回路を設けるようにしてもよく、このようにしたものを、本発明の実施の形態5とする。
【0081】
図17は、本発明の実施の形態5のイオン電流検出装置を示した部分回路図である。なお、図17において、図15と同じものは同じ符号で示しており、ここではその説明を省略すると共に、図15との相違点のみ説明する。
図17における図15との相違点は、図15のバンドパスフィルタ112に、インピーダンス変換回路111におけるnpnトランジスタ112のベース電流を補償するためのベース電流補償回路131を設けたことにあり、これに伴って、図15のバンドパスフィルタ112をバンドパスフィルタ132とし、図15のイオン電流検出装置113をイオン電流検出装置133としたことにある。なお、上記ベース電流補償回路131は補償回路部をなす。
【0082】
図17において、バンドパスフィルタ132は、非反転増幅回路54、ノッチフィルタ61、インピーダンス変換回路111及びベース電流補償回路131で形成されている。ベース電流補償回路131は、pnpトランジスタ135,136、npnトランジスタ137及び定電流源138で形成されており、pnpトランジスタ135及び136でカレントミラー回路を形成している。
【0083】
ベース電流補償回路131において、pnpトランジスタ135及び136のベースはそれぞれ接続され、該接続部はpnpトランジスタ136のコレクタに接続されている。pnpトランジスタ135及び136の各エミッタはそれぞれ電源端子VCCに接続され、pnpトランジスタ135のコレクタはインピーダンス変換回路111におけるnpnトランジスタ112のベースに接続されている。pnpトランジスタ136のコレクタはnpnトランジスタ137のベースに接続され、npnトランジスタ137のコレクタは電源端子VCCに接続されている。また、npnトランジスタ137のエミッタは定電流源138を介して接地されている。
【0084】
上記のような構成において、インピーダンス変換回路111の入力バイアス電流は、ノッチフィルタ61からnpnトランジスタ112のベースへ流れる電流と同一の電流をベース電流補償回路131のpnpトランジスタ135からノッチフィルタ61へ流すようにし、インピーダンス変換回路111の入力バイアス電流を更に確実に補償することができる。
【0085】
このように、本実施の形態5におけるイオン電流検出装置は、ノッチフィルタ61からインピーダンス変換回路111へ流れる電流と同一の電流を、ベース電流補償回路131によって、ノッチフィルタ61の出力、すなわち出力端子Eへ流すようにしたことから、実施の形態3と同様の効果を得ることができると共に、インピーダンス変換回路の入力にnpnトランジスタを使用したことによってノッチフィルタからインピーダンス変換回路に流れる電流が、ノッチフィルタに影響を及ぼすことをなくすことができる。
【0086】
【発明の効果】
第1の発明に係るイオン電流検出装置は、フィルタ特性制御部は、イオン電流閾値検出部からイオン電流検出信号が出力されると、所定の時間迄は、上記フィルタ部に対して特定周波数領域の交流成分の検出能力を低下させ、所定の時間後は、上記フィルタ部に対して特定周波数領域の交流成分の検出能力を高めるようにした。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。更に、フィルタ部におけるリンギングの抑制とイオン電流に重畳した交流成分からなるノッキング信号の検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。
【0087】
第2の発明に係るイオン電流検出装置は、第1の発明において、具体的には、イオン電流−電圧変換部は、イオン電流を検出するイオン電流検出部と、ダイオードとで形成され、該ダイオードの順方向電圧の対数特性を用いてイオン電流検出部で検出されたイオン電流に含まれる交流成分の比率に比例する電圧を出力する。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。更に、フィルタ部におけるリンギングの抑制とイオン電流に重畳した交流成分からなるノッキング信号の検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。
【0088】
第3の発明に係るイオン電流検出装置は、第2の発明において、具体的には、イオン電流検出部は、カレントミラー回路からなる。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。更に、フィルタ部におけるリンギングの抑制とイオン電流に重畳した交流成分からなるノッキング信号の検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。
【0089】
第4の発明に係るイオン電流検出装置は、第1から第3の発明において、具体的には、フィルタ部は、非反転増幅回路部と、該非反転増幅回路部における負帰還回路に設けられたノッチフィルタ回路部と、該ノッチフィルタ回路部から出力される信号を非反転増幅回路部に帰還させるためのバッファ回路部とからなるバンドパスフィルタである。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。更に、フィルタ部におけるリンギングの抑制とイオン電流に重畳した交流成分からなるノッキング信号の検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。
【0090】
第5の発明に係るイオン電流検出装置は、第4の発明において、具体的には、フィルタ特性制御部は、イオン電流閾値検出部からイオン電流検出信号が出力されると、所定の時間迄は、ノッチフィルタ回路部における特定周波数領域の減衰量を小さくし、所定の時間後は、ノッチフィルタ回路部における特定周波数領域の減衰量を大きくする。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。更に、フィルタ部におけるリンギングの抑制とイオン電流に重畳した交流成分からなるノッキング信号の検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。
【0091】
第6の発明に係るイオン電流検出装置は、第4又は第5の発明において、具体的には、バッファ回路部は、演算増幅器で形成されたボルテージホロワである。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。更に、フィルタ部におけるリンギングの抑制とイオン電流に重畳した交流成分からなるノッキング信号の検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。
【0092】
第7の発明に係るイオン電流検出装置は、第4又は第5の発明において、具体的には、バッファ回路部は、トランジスタ回路で形成されたインピーダンス変換回路である。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。また、フィルタ部におけるリンギングの抑制とイオン電流に重畳した交流成分からなるノッキング信号の検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。更に、簡単な回路構成で発振し難い回路を得ることができる。
【0093】
第8の発明に係るイオン電流検出装置は、第7の発明において、具体的には、インピーダンス変換回路は、入力がnpnトランジスタで形成される。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。また、フィルタ部におけるリンギングの抑制とイオン電流に重畳した交流成分からなるノッキング信号の検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。更に、簡単な回路構成で発振し難い回路を得ることができると共に、ノッチフィルタ回路部の入出力両端の電圧降下を小さくすることができることから、ノッチフィルタ回路部を形成するコンデンサの容量を小さくすることができ、コストの削減を図ることができる。
【0094】
第9の発明に係るイオン電流検出装置は、第7又は第8の発明において、具体的には、インピーダンス変換回路における入力バイアス電流の補償を行う補償回路部を更に備えた。このことから、イオン電流検出装置において、リンギングによるノッキング状態の誤検出をなくすことができると共に、回路の簡略化及び小型化を行うことができ、コストの低減を図ることができる。また、フィルタ部におけるリンギングの抑制とイオン電流に重畳した交流成分からなるノッキング信号の検出感度向上という相反する特性に対して双方の改善を行うことができ、イオン電流発生から短時間でノッキングの検出を行うことができる。更に、簡単な回路構成で発振し難い回路を得ることができると共に、ノッチフィルタ回路部の入出力両端の電圧降下を小さくすることができることから、ノッチフィルタ回路部を形成するコンデンサの容量を小さくすることができ、コストの削減を図ることができる。また、インピーダンス変換回路における入力バイアス電流がノッチフィルタ回路部に影響を及ぼすことをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるイオン電流検出装置の例を示した回路図である。
【図2】 図1のノッチフィルタ61の周波数特性を示した図である。
【図3】 図1のイオン電流閾値検出回路24の回路例を示した図である。
【図4】 図1のタイマ25の回路例を示した図である。
【図5】 図1のタイマ25の他の回路例を示した図である。
【図6】 図4のnpnトランジスタ86のベース電流の変化に対するノッチフィルタ61の周波数特性の変化を示した図である。
【図7】 図4のnpnトランジスタ86のベース電流を大きくした場合における、バンドパスフィルタ23の周波数特性を示した図である。
【図8】 図4のnpnトランジスタ86のベース電流を小さくした場合における、バンドパスフィルタ23の周波数特性を示した図である。
【図9】 図1のイオン電流検出装置2における、ノッキングが発生していないときにおける動作を示したタイミングチャートである。
【図10】 図1のイオン電流検出装置2における、ノッキングが発生したときにおける動作を示したタイミングチャートである。
【図11】 図1のバンドパスフィルタ23の周波数特性を示した図である。
【図12】 本発明の実施の形態1におけるイオン電流検出装置の他の例を示した部分回路図である。
【図13】 図12のバンドパスフィルタの周波数特性を示した図である。
【図14】 本発明の実施の形態2におけるイオン電流検出装置を示した部分回路図である。
【図15】 本発明の実施の形態3におけるイオン電流検出装置を示した部分回路図である。
【図16】 本発明の実施の形態4におけるイオン電流検出装置を示した部分回路図である。
【図17】 本発明の実施の形態5のイオン電流検出装置を示した部分回路図である。
【図18】 従来のイオン電流検出装置の例を示した回路図である。
【符号の説明】
2,103,113,123,133 イオン電流検出装置、 21 検出用電圧発生回路、 22 イオン電流−電圧変換回路、 23,102,112,122,132 バンドパスフィルタ、 24 イオン電流閾値検出回路、 25 タイマ、 54 非反転増幅回路、 61 ノッチフィルタ、 62 オペアンプ、 101,111 インピーダンス変換回路、 121,131 ベース電流補償回路

Claims (9)

  1. 一次側に印加された電圧により二次側に高電圧を発生させる点火コイルと、点火コイルに発生した電圧により点火する点火プラグと、シリンダとからなる内燃機関における、燃焼時に発生するイオン電流を検出する内燃機関用のイオン電流検出装置において、
    上記点火プラグにイオン電流検出用の電圧を印加する検出用電圧発生部と、
    該検出用電圧発生部から点火プラグに印加された電圧に基づいて生じるイオン電流を電圧に変換するイオン電流−電圧変換部と、
    該イオン電流−電圧変換部で変換された信号から特定周波数領域の交流成分を検出するフィルタ部と
    検出用電圧発生部から点火プラグに印加された電圧に基づいて生じるイオン電流を検出し、該イオン電流が所定の閾値を超えるとイオン電流検出信号を出力するイオン電流閾値検出部と、
    上記フィルタ部のフィルタ特性を制御するフィルタ特性制御部とを備え、
    フィルタ特性制御部は、イオン電流閾値検出部からイオン電流検出信号が出力されると、所定の時間迄は、上記フィルタ部に対して特定周波数領域の交流成分の検出能力を低下させ、所定の時間後は、上記フィルタ部に対して特定周波数領域の交流成分の検出能力を高めることを特徴とするイオン電流検出装置。
  2. 上記イオン電流−電圧変換部は、イオン電流を検出するイオン電流検出部と、ダイオードとで形成され、該ダイオードの順方向電圧の対数特性を用いてイオン電流検出部で検出されたイオン電流に含まれる交流成分の比率に比例する電圧を出力することを特徴とする請求項1に記載のイオン電流検出装置。
  3. 上記イオン電流検出部は、カレントミラー回路からなることを特徴とする請求項2に記載のイオン電流検出装置。
  4. 上記フィルタ部は、
    非反転増幅回路部と、
    該非反転増幅回路部における負帰還回路に設けられたノッチフィルタ回路部と、
    該ノッチフィルタ回路部から出力される信号を上記非反転増幅回路部に帰還させるためのバッファ回路部とからなるバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のイオン電流検出装置。
  5. 上記フィルタ特性制御部は、イオン電流閾値検出部からイオン電流検出信号が出力されると、所定の時間迄は、上記ノッチフィルタ回路部における特定周波数領域の減衰量を小さくし、所定の時間後は、上記ノッチフィルタ回路部における特定周波数領域の減衰量を大きくすることを特徴とする請求項4に記載のイオン電流検出装置。
  6. 上記バッファ回路部は、演算増幅器で形成されたボルテージホロワであることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載のイオン電流検出装置。
  7. 上記バッファ回路部は、トランジスタ回路で形成されたインピーダンス変換回路であることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載のイオン電流検出装置。
  8. 上記インピーダンス変換回路は、入力がnpnトランジスタで形成されることを特徴とする請求項7に記載のイオン電流検出装置。
  9. 上記インピーダンス変換回路における入力バイアス電流の補償を行う補償回路部を更に備えたことを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載のイオン電流検出装置。
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