JP3194676B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP3194676B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の燃焼室に
設けられた点火プラグに流れるイオン電流の検出に基づ
いて失火を検出する内燃機関の失火検出装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関では燃料と空気の混合気を圧縮
させ、燃焼室内に設置された点火プラグに高電圧を印加
することにより生じる電気火花により混合気を燃焼させ
る。混合気の燃焼が行われなかった状態を失火と呼ぶ
が、その場合、内燃機関として出力が充分に得られない
ばかりでなく、排気系に燃料を多量に含む混合気が流入
し、消音器等を腐食させるなどの問題が生じる。従っ
て、失火の状態を検出し、運転者に対して警告を行う必
要がある。
【0003】内燃機関の失火検出装置としては、燃焼室
に設けられた点火プラグに流れるイオン電流を検出する
ことにより失火を検出する回路がある。燃焼室内におい
て、燃焼が行われると、それに伴って、燃焼室内の分子
は電離(イオン化)する。電離状態にある燃焼室内に点火
プラグを通じて電圧を印加すると、微小な電流が流れる
が、これをイオン電流と呼ぶ。失火時にはイオン電流が
極めて小さくなるため、これを検出し、失火の判定を行
うことができる。
【0004】図7は従来のこの種の内燃機関の失火検出
装置として例えば特開平4−191465号公報に開示
されたものである。図7において、1は点火コイル、1
aおよび1bは点火コイル1のそれぞれ1次コイルと2
次コイル、2は燃焼室20内に設けられている点火プラ
グであり、2次コイル1bの負極側に接続される。1次
コイル1aは正極側が電源4に接続され、負極側が電流
スイッチング用のトランジスタ5のコレクタに接続され
ている。トランジスタ5のエミッタはアースに接続さ
れ、ベースは燃焼を制御する制御装置(図示せず)に制御
されている。
【0005】8は失火検出回路であり、9は2次コイル
1bの正極側に接続されたコンデンサ、10は2次コイ
ル1bの正極側とアースの間に接続されてコンデンサ9
に充電される電圧を設定するためのツェナーダイオー
ド、11はコンデンサ9側をアノードとする向きに接続
され、かつコンデンサ9の低電位側とアースの間に接続
されたダイオード、12は抵抗を示す。
【0006】以上のように構成された回路において、内
燃機関の点火時期には、燃焼を制御する制御装置(図示
せず)の制御によりトランジスタ5がオン状態から急激
にオフ状態となる。この時、点火コイル1の1次電流が
急激に減少し、コイルの逆起電力により高電圧が発生す
る。点火コイル1の2次側では、1次側に発生する電圧
が1次コイル1aと2次コイル1bのコイルの巻数比に
従って増幅されて現れる。従って、点火プラグ2には、
結果として、例えば約−10KV〜−25KVの電圧が
印加される。
【0007】図7に示す回路では、点火時のエネルギー
を利用して、コンデンサ9にイオン電流を検出するのに
充分な電荷を蓄積し、このコンデンサ9から供給される
電圧により点火直後にイオン電流の検出を行っている。
点火時の電流は、図7の矢印2cの方向に沿って流れ、
点火プラグ2で放電を生じ、燃焼室20内の混合気を着
火させる。この放電電流は、コンデンサ9の充電を行
い、コンデンサ9はツェナーダイオード10に制限され
る電圧に充電される。
【0008】点火のための矢印2cの方向の電流が減少
しゼロとなると、コンデンサ9に保持された電圧が点火
プラグ2に印加される。このとき、燃焼室20内におい
て、燃焼が正常に行われていると、イオン電流が矢印2
dの方向に沿って抵抗12を通って流れるため、この抵
抗12で電圧降下が生じ、その電圧降下を検出信号とし
て、これから失火の有無を判断する。ここで、失火の場
合には流れるイオン電流が極めて少なく、実質的に出力
にはこれによる電圧が現れないことになる。
【0009】ところで、このような内燃機関の失火検出
装置としては、後述するように、浮遊容量等の原因によ
り失火検出に誤検出を招くという問題があった。すなわ
ち、失火検出回路は、実際には点火コイル等と共に自動
車のエンジンルーム内に設置される。設置に際しては、
エンジン構造等により様々な形態で行われるが、特に、
図7に示す点火コイル1と点火プラグ2の間は、長いも
のであれば2m程度となる場合がある。配線が長くなる
と、他の電位の配線、特にアースとの間に浮遊容量が発
生する。
【0010】図7に示す回路の場合、アースに対する浮
遊容量をCf[F](ファラッド)とすると、浮遊容量Cf
とコンデンサ9と抵抗12の直列回路が形成される。こ
の直列回路の動作は、浮遊容量値Cfと抵抗12の抵抗
値により定まる充放電時定数の影響を大きく受け、特
に、ノイズ信号の時間幅を大きくするという不具合を生
じた。実例を示すと、100μsec(マイクロ秒)、1
0mA(ミリアンペア)のノイズ電流が、イオン電流と比
較して問題のない1μA(マイクロアンペア)以下に減衰
するためには、浮遊容量Cfが500pF(ピコファラ
ッド)、抵抗12が200KΩ(キロオーム)であるとす
ると、約1msec(ミリ秒)の時間が必要となり、ノイ
ズ電流波形が約10倍に広がることになる。これによ
り、ノイズをイオン電流と誤って検出する可能性があ
る。
【0011】対策としては、抵抗12の抵抗値を小さく
するか、浮遊容量を下げるなどの方法が考えられるが、
抵抗値を下げることは、失火検出感度の低下により、イ
オン電流値が減少する低回転域において、検出不可能と
なるなどの問題を生じ、また、浮遊容量の低減は、検出
回路の設置場所、設置方法に大きな制約を与えることに
なる。
【0012】このような点に鑑み、浮遊容量の原因によ
る誤検出を防止して、より信頼性の高めた内燃機関の失
火検出回路が本発明者により既に提案されている(特願
平6−8880号、出願日:平成6年(西暦1994
年)1月28日)。図8は上述した浮遊容量による誤検
出を防止するようにした内燃機関の失火検出装置と同様
な回路を示す構成図である。
【0013】図8において、図7と同一部分は同一符号
を示し、その説明は省略する。新たな符号として、2a
と2bは点火コイル1の2次コイル1bの両極で発生す
る高電圧で電気火花を飛ばす同時着火方式の点火プラ
グ、3はカソードが点火プラグ2bに接続されるととも
にアノードが失火検出回路8内のコンデンサ9の正極側
に接続されたイオン電流検出用の高耐圧ダイオードを示
し、上記点火コイル1の1次コイル1aの負極側には、
電流スイッチング用のトランジスタ5のコレクタが接続
されると共に、抵抗6及び高圧ダイオード7を介して失
火検出回路8のコンデンサ9が接続され、コンデンサ9
へ正極性バイアス電圧が印加されて上記点火コイル1の
1次コイル1aから抵抗6及び高圧ダイオード7を介し
て充電電流が供給されるようになされている。
【0014】また、新たな符号としての13は、コンデ
ンサ9の低電位側にアノードが接続されると共にアース
側にカソードが接続されたダイオード11を第1のダイ
オードとするのに対し、第2のダイオードをなすもの
で、カソードがコンデンサ9の低電位側に接続されると
共にアノードがアース側に接続されている。14は反転
入力をダイオード11のアノードに、非反転入力をアー
スにそれぞれ接続すると共に、反転入力と出力間には帰
還抵抗15が接続された演算増幅器(以下オペアンプと
する)である。
【0015】上述した図8に示すように構成された回路
において、内燃機関の点火時期には、燃焼を制御する制
御装置(図示せず)の制御によりトランジスタ5がオン
状態から急激にオフ状態となる。この時、点火コイル1
の1次電流が急激に減少し、コイルの逆起電力により高
電圧が発生する。点火コイル1の2次側では、1次側に
発生する電圧が1次コイル1aと2次コイル1bのコイ
ルの巻数比に従って増幅されて現れる。従って、点火プ
ラグ2aには、例えば約−10V〜−25KVの負電圧
が印加されると共に、点火コイル2bには例えば約10
KV〜25KVの正電圧が印加される。
【0016】図8に示す回路では、点火コイル1の1次
側から逆起電力により高電圧が発生した期間、点火コイ
ル1の1次側から抵抗6及び高圧ダイオード7を介して
コンデンサ9に流れる電流により、コンデンサ9はツェ
ナーダイオード10に制限される電圧(例えばツェナー
ダイオード10のツェナー電圧:VZ =50V)に充電
され、コンデンサ9にイオン電流を検出するのに充分な
電荷を蓄積し、このコンデンサ9に充電される電圧に基
づいて点火コイル1の2次側に流れるイオン電流の検出
を行っている。
【0017】図9には図8に示す回路の各部分S1とS
2の波形図を示した。S1は点火コイル1の1次コイル
1aに流れる電流を制御するトランジスタ5のベース電
位、S2は1次コイル1aの負極側端電位をそれぞれ示
す。ここで、トランジスタ5は1次コイル1aに電流を
流すON期間にはON、1次コイル1aの電流を止める
OFF期間にはOFFされる。トランジスタ5がONか
らOFFに変化する時に、コイルの逆起電力のために1
次コイル1aの負極側端であるS2での電圧は、このと
き、VH =約300V程度に上昇する。この電圧はトラ
ンジスタ5のコレクターエミッタ間耐圧に等しい。この
逆起電力発生期間に、抵抗6及びダイオード7を介して
コンデンサ9に電流が流れ、コンデンサ9はほぼツェナ
ーダイオード10で制限されるツェナー電圧Vz(例え
ば50V)付近まで充電され、点火コイル1の1次コイ
ル1aの負極端S2での電圧V2 はほぼツェナー電圧V
zの値に降下する。なお、厳密には抵抗6の電圧降下と
ダイオード7の順方向電圧とが加算された値に降下す
る。
【0018】上記点火コイル1の1次コイル1aに発生
した高電圧VH は、点火コイル1の1次コイル1aと2
次コイル1bの巻数比に従って増幅され、2次コイル1
bの負極端に接続された点火プラグ2aに印加され、点
火プラグ2aを点火する。この点火時の電流は矢印2c
の方向に流れ、点火プラグ2aで火花を発生して放電を
生じ燃焼室20内の混合気を着火させる。そして、上記
コンデンサ9の充電が完了すると、コンデンサ9に保持
された電圧が点火プラグ2aに印加される状態になり、
このとき、燃焼室20内で正常に燃焼が行われている
と、点火コイル1の2次側に矢印2dの方向にイオン電
流が流れる。
【0019】このイオン電流を、失火検出回路8によ
り、電圧変換し、変換された電圧が一定のしきい値を超
えるか超えないかで失火の有無を判断する。すなわち、
失火の場合、つまり燃焼が行われていない時には流れる
イオン電流が極めて少ないので、実質的に出力にはこれ
による電圧が現れない。なお、点火コイル1の1次コイ
ル1a端S2での電圧は、コンデンサ9による放電後、
次第に減少し電源4のバッテリ電圧VBAT に至って、そ
の後、トランジスタ5がOFF制御されると0となる。
【0020】ここで、上記コンデンサ9の低電位側の電
圧は、上記オペアンプ14と抵抗15で構成される反転
増幅器の反転入力の電圧であり、正常にオペアンプ14
が動作して入る場合、この反転入力電圧と非反転入力電
圧とが等しくゼロボルトとなる。オペアンプ14が正常
に動作しない場合とは、矢印2cの方向に電流が流れた
場合と、矢印2dの方向の電流が大き過ぎてオペアンプ
14の出力が飽和した場合の2種類があり、矢印2cの
方向に電流が流れた場合、すなわち、コンデンサ9が充
電状態の場合には、1次コイル1aから抵抗6及びダイ
オード7を介してコンデンサ9に充電電流が流れるの
で、コンデンサ9の低電位側での電圧が第1のダイオー
ド11の順方向電圧(0.7V)となり、また、矢印2
dの方向の電流が大き過ぎてオペアンプ14の出力が飽
和した場合は、第2のダイオード13が導通状態にな
り、それぞれ順方向電圧分だけコンデンサ9の低電位側
端での電圧が下がる。オペアンプ14が正常に動作して
いる場合には、イオン電流は抵抗15の電圧降下として
現われ、アース基準の信号に変換され、これが出力され
る。
【0021】このような回路構成を採ることにより、コ
ンデンサ9の低電位側は電流変化に対する電圧変化が小
さくなる。オペアンプ14が正常であれば、見かけ上、
コンデンサ9の低電位側端での電圧はゼロボルト一定、
オペアンプ14の動作が正常でなくても、ダイオードの
順方向電圧で一定となる。すなわち、コンデンサ9の低
電位の点から見た検出回路のインピーダンスが極めて低
いことになる。この作用により、イオン電流の電流/電
圧変換特性(検出感度)を損なうことなく、回路のインピ
ーダンスを低減させ、結果として、浮遊容量と回路のイ
ンピーダンスによる誤動作耐量を著しく向上させること
ができる。
【0022】具体的な値として、浮遊容量が200pF
(ピコファラッド)程度で誤動作していたものが、同様の
検出感度を保ちつつ、2000pF程度の容量に対して
も動作でき、実用上発生し得る浮遊容量に対して、充分
な動作マージンを得ることができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図8に示す内燃機関の失火検出装置には、次のような
問題があった。イオン電流を検出するためのコンデンサ
9は、点火コイル1の1次コイル1aから充電電流を受
けて充電を行うため、2次側の点火にかかわらず、コン
デンサ9が充電される。そのため、点火プラグ2aで放
電を生じた際にも、イオン電流の検出が可能な状態とな
っており、2次側の放電電圧の変動を受けて誤検出して
しまうことがあった。
【0024】この発明は上述した点に鑑みなされたもの
で、点火コイルの2次側の放電電圧の変動を受ける期間
に誤検出をすることなく精度の高い失火検出を行うこと
ができる内燃機関の失火検出装置を得ることを目的とす
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明に係る内燃機関
の失火検出装置は、1次コイルの一端に電源を接続する
と共に他端に内燃機関の点火時期にスイッチング制御さ
れるスイッチング素子を接続してなる点火コイルと、こ
の点火コイルの2次コイル側に接続されて高電圧の印加
に基づいて内燃機関の燃焼室内で放電を生じさせて混合
気を着火させる点火プラグと、上記点火コイルの1次コ
イル側からのバイアス電圧の供給を受けて充電し上記点
火プラグの放電時に該充電された電圧を点火プラグ側に
印加してイオン電流を流出させるコンデンサ、このコン
デンサの低電位側とアースとの間に上記コンデンサへの
充電電流の供給方向に接続された第1のダイオード及び
上記コンデンサからのイオン電流の流出方向に接続され
た第2のダイオード、上記コンデンサの高電位側とアー
ス間に接続されて該コンデンサの充電電圧を設定する充
電電圧設定用ツェナーダイオード、上記コンデンサの低
電位側を反転入力端子としアースを非反転入力端子とす
ると共に上記反転入力端子と出力端子間に帰還抵抗を接
続してなる演算増幅器を有し、上記コンデンサから流出
されるイオン電流の検出に基づいて失火の有無を判断す
る失火検出回路とを備えた内燃機関の失火検出装置にお
いて、上記点火プラグの放電期間中は上記演算増幅器か
ら出力が送出されるのを阻止して失火検出回路による誤
検出を防止する放電期間検出部を設けたことを特徴とす
るものである。
【0026】また、上記放電期間検出部として、上記1
次コイルの他端と上記演算増幅器の反転入力端子との間
に設けられて、上記充電電圧設定用ツェナーダイオード
のツェナー電圧以下のツェナー電圧を有し、そのツェナ
ー電圧を越えて流れる電流を上記演算増幅器の反転入力
端子側に流出させる方向に接続した放電期間検出用ツェ
ナーダイオードを備えたことを特徴とするものである。
【0027】また、上記放電期間検出部として、上記1
次コイルに発生する1次側電圧と上記電源の電源電圧と
を比較して1次側電圧が電源電圧より高いときにハイレ
ベルの信号を上記演算増幅器の反転入力端子側に与える
比較器を備えたことを特徴とするものである。
【0028】また、上記放電期間検出部として、上記1
次コイルに発生する1次側電圧を複数に分圧する複数の
1次側電圧分圧抵抗と、上記電源の電源電圧を複数に分
圧する複数の電源電圧分圧抵抗と、これら分圧抵抗によ
って分圧された1次側電圧と電源電圧とをそれぞれ比較
して1次側電圧が電源電圧より高いときにハイレベルの
信号を出力する複数の比較器と、これら比較器の出力の
論理和を得てその論理和出力を上記演算増幅器の反転入
力端子側に与える論理和素子とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0029】また、上記放電期間検出部として、上記演
算増幅器の出力と第1の設定値とを比較して該演算増幅
器の出力が第1の設定値より高いときにハイレベルの信
号を出力する第1の比較器と、上記コンデンサの高電位
側電圧と第2の設定値とを比較してコンデンサの高電位
側電圧が第2の設定値より高いときにハイレベルの信号
を出力する第2の比較器と、上記第1の比較器の出力の
反転出力を得るインバータと、このインバータの出力と
上記第2の比較器の出力との論理和を得る論理和素子と
を備えたことを特徴とするものである。
【0030】
【作用】この発明に係る内燃機関の失火検出装置におい
ては、点火プラグの放電期間中は失火検出回路内の演算
増幅器から出力が送出されるのを阻止して失火検出回路
による誤検出を防止する放電期間検出部を設けたことに
より、放電電圧の変動を受ける期間に、失火検出の誤検
出をしなく、精度の高い内燃機関の失火検出装置が得ら
れる。
【0031】また、上記放電期間検出部として、1次コ
イルの他端と演算増幅器の反転入力端子との間に設けら
れて、充電電圧設定用ツェナーダイオードのツェナー電
圧以下のツェナー電圧を有し、そのツェナー電圧を越え
て流れる電流を上記演算増幅器の反転入力端子側に流出
させる方向に接続した放電期間検出用ツェナーダイオー
ドを備えたことにより、放電期間はイオン電流の検出が
阻止されて失火検出回路による誤検出が防止され、この
ため、放電電圧の変動を受ける期間に、誤検出をしな
い。
【0032】また、上記放電期間検出部として、1次コ
イルに発生する1次側電圧と電源の電源電圧とを比較し
て1次側電圧が電源電圧より高いときにハイレベルの信
号を演算増幅器の反転入力端子側に与える比較器を備え
たことにより、失火検出回路をモノリシックICで構成
する場合、設計上耐圧マージンの問題も生じることがな
いので放電期間検出部をもそのモノリシックIC内に一
体化させて構成することができ、設置上の点からも特に
有効なものとなる。
【0033】また、上記放電期間検出部として、1次コ
イルに発生する1次側電圧を複数に分圧する複数の1次
側電圧分圧抵抗と、電源の電源電圧を複数に分圧する複
数の電源電圧分圧抵抗と、これら分圧抵抗によって分圧
された1次側電圧と電源電圧とをそれぞれ比較して1次
側電圧が電源電圧より高いときにハイレベルの信号を出
力する複数の比較器と、これら比較器の出力の論理和を
得てその論理和出力を演算増幅器の反転入力端子側に与
える論理和素子とを備えたことにより、他の比較器の比
較出力がローレベルであってもいずれかの比較器の比較
出力がハイレベルであれば、そのハイレベルの信号を演
算増幅器の反転入力端子側に与えることができ、従っ
て、1次コイルに接続されて点火時期にスイッチングさ
れるスイッチング素子のオン期間中、電源電圧の変動を
受けずに、また、放電期間中もイオン電流の検出を行わ
ないので、さらに、検出精度の良好な検出装置が得られ
ることになる。
【0034】また、上記放電期間検出部として、演算増
幅器の出力と第1の設定値とを比較して該演算増幅器の
出力が第1の設定値より高いときにハイレベルの信号を
出力する第1の比較器と、コンデンサの高電位側電圧と
第2の設定値とを比較してコンデンサの高電位側電圧が
第2の設定値より高いときにハイレベルの信号を出力す
る第2の比較器と、上記第1の比較器の出力の反転出力
を得るインバータと、このインバータの出力と上記第2
の比較器の出力との論理和を得る論理和素子とを備えた
ことにより、放電期間中、第2の比較器の出力がハイレ
ベルである時に論理和素子からの出力をハイレベルとす
るため、従って、放電期間中の電圧変動による失火の誤
検出がなくなり、精度の高い検出装置が得られると共
に、放電期間検出部の回路構成は、コンパレータと論理
素子のみで構成されていて、抵抗等を全く必要としない
ので電力消費が極めて少なく、さらに、失火検出回路を
モノリシックICで構成する場合に、そのモノリシック
IC内に放電期間検出部をも簡単に一体化することを可
能にする。
【0035】
【実施例】 実施例1.以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図1は実施例1に係る内燃機関の失火検出装置を示
す回路構成図である。図1において、1〜11及び13
〜15は図8に示す内燃機関の失火検出装置と同一部分
を示し、1は1次コイルの正極側に電源4を接続すると
共に負極側に内燃機関の点火時期にスイッチングされる
トランジスタ5を接続してなる点火コイル、1aおよび
1bは点火コイル1のそれぞれ1次コイルと2次コイ
ル、2aと2bは点火コイル1の2次コイル1bの負極
側と正極側でそれぞれ発生する高電圧により電気火花を
飛ばす同時着火方式の点火プラグ、3はカソードが点火
プラグ2bに接続されるとともにアノードが失火検出回
路8内のコンデンサ9の正極側に接続されたイオン電流
検出用の高耐圧ダイオード、4は電源、5はコレクタが
点火コイル1の1次コイル1aの負極側に接続されると
共にエミッタがアースに接続され、かつベースが燃焼を
制御する制御装置(図示せず)により制御される電流スイ
ッチング素子としてのトランジスタ、6と7は点火コイ
ル1の1次コイル1aの負極側に接続された直列体をな
す抵抗と高圧ダイオードを示し、点火コイル1の1次コ
イル1aからの正極性バイアスを失火検出回路8のコン
デンサ9へ供給するようになされている。なお、20は
燃焼室を示す。
【0036】また、8は後述するコンデンサ9から流出
されるイオン電流の検出に基づいて失火の有無を判断す
る失火検出回路であり、9は1次コイル1aの負極側に
抵抗6及びダイオード7を介して接続されると共に2次
コイル1bの正極側に高耐圧ダイオード3を介して接続
されて、1次コイル1aからのバイアス電圧の供給を受
けて充電し点火プラグの放電時に該充電された電圧を点
火プラグ側に印加することにより点火コイル1の2次側
にイオン電流を流出させるためのコンデンサ、10はこ
のコンデンサ9の高電位側とアースとの間に接続されて
コンデンサ9に充電される電圧を設定する例えばツェナ
ー電圧VZ が50Vの充電電圧設定用ツェナーダイオー
ド、11はコンデンサ9の低電位側をアノードとしてコ
ンデンサ9の低電位側とアースとの間にコンデンサ9へ
の充電電流の供給方向に接続された第1のダイオード、
13はコンデンサ9の低電位側をカソードとしてコンデ
ンサ9の低電位側とアースとの間にコンデンサ9からの
イオン電流の流出方向に接続された第2のダイオード、
14は反転入力端子がコンデンサ9の低電位側に接続さ
れると共に非反転入力端子がアース側に接続され、かつ
反転入力端子と出力間に帰還抵抗15が接続された演算
増幅器(以下オペアンプとする)である。
【0037】さらに、新たな符号として、16は点火コ
イル1の1次コイル1aの負極側に接続された抵抗、1
7はその抵抗16の他端とオペアンプ14の反転入力端
子(コンデンサ9の低電位側)との間に設けられて上記
充電電圧設定用ツェナーダイオード10のツェナー電圧
以下の例えば約20〜30Vでクランプするツェナー電
圧を有し、そのツェナー電圧を越えて流れる電流をオペ
アンプ14の反転入力端子側に流出させる方向に接続さ
れた放電期間検出用ツェナーダイオードであり、上記抵
抗16とツェナーダイオード17とで、点火プラグの放
電期間中はオペアンプ14から出力が送出されるのを阻
止して失火検出回路8による失火の誤検出を防止する2
次側の放電期間検出部を構成している。
【0038】以下、図1に示す回路の動作を図2に示す
波形図を参照して説明する。図2には図1に示す回路の
各部分S1〜S3の波形図を示した。S1は点火コイル
の1次側の電流を制御するトランジスタ5のベース電
位、S2は点火コイル1の1次コイル1aの負極端での
電位、S3は点火コイル1の2次コイル1bの負極端に
接続された点火プラグ2aの接続端での電位をそれぞれ
示している。ここで、トランジスタ5は1次コイル1a
に電流を流すON期間にはON、1次コイル1aの電流
を止めるOFF期間にはOFFされる。トランジスタ5
がONからOFFに変化する時に、コイルの逆起電力の
ために1次コイル1aの負極側端であるS2の電圧は例
えば約VH =300V程度に上昇する。この電圧はトラ
ンジスタ5のコレクターエミッタ間耐圧に等しい。ま
た、この際、抵抗6及びダイオード7を介してコンデン
サ9に電流が流れ、コンデンサ9はほぼツェナーダイオ
ード10で制限される電圧VZ に充電される。
【0039】S2に発生した高電圧は、点火コイル1の
1次コイル1aと2次コイル1bの巻数比に従って増幅
され、2次コイル1bの負極端に接続された点火プラグ
2aの接続端S3での電位は例えば約30KVに達し、
点火プラグ2aに火花が発生して放電が生じ燃焼室20
内の混合気が着火する。この放電期間中、すでにコンデ
ンサ9にはほぼツェナーダイオード10で制限される電
圧VZ が保持されているため、点火のためのS2での高
電圧VH が急激に低下してほぼツェナーダイオード10
で制限される電圧VZ に至り、これに伴いS3での電圧
が低下して、矢印2cの方向に流れる電流が減少しゼロ
になると、上記コンデンサ9に保持された電圧VZ が点
火プラグ2aに印加される状態になり、イオン電流が矢
印2dの方向に流れることが可能となる。
【0040】この2次側放電期間中はイオン電流の検出
が可能な状態になるので2次側の放電電圧の変動を受け
て誤検出する可能性があるが、図1に示す回路において
は、1次コイル1aの負極側端、つまりS2での電圧は
ほぼツェナーダイオード10のツェナー電圧VZ =50
Vあり、これは、ツェナーダイオード17のツェナー電
圧を超えているため、ツェナー電流が抵抗16を通って
オペアンプ14の反転入力端子側(コンデンサ9の低電
位側)に流れるため、これにより、2次側放電期間中
に、オペアンプ14は出力されなく、その結果として、
2次側放電期間はイオン電流の検出が阻止されて失火検
出回路8による誤検出が防止される。このため、2次側
の放電電圧の変動を受ける期間に、誤検出をしないので
精度の高い内燃機関の失火検出装置を得ることができ
る。
【0041】実施例2.次に、図3は実施例2に係る内
燃機関の失火検出装置を示す回路構成図である。図3に
おいて、1〜11及び13〜15は図1に示す実施例1
と同一部分を示し、その説明は省略する。新たな符号と
して、18と19は電源4とアース間に接続されて電源
4の電源電圧を分圧する電源電圧分圧抵抗、20と21
は点火コイル1の1次コイル1aの負極側端とアース間
に接続されて1次側電圧を分圧する1次側電圧分圧抵
抗、22は各分圧抵抗による分圧電圧の入力に基づいて
電源電圧と1次側電圧とを比較して1次側電圧が電源電
圧より高いときにハイレベルの信号を出力する比較器
(以下、比較器をコンパレータとする)であり、上記分
圧抵抗18〜21とコンパレータ22とで、点火プラグ
の放電期間中はオペアンプ14からの出力の送出を阻止
して失火検出回路8による誤検出を防止する2次側の放
電期間検出部を構成している。
【0042】このように構成された回路により、1次コ
イル1aの負極端電圧が電源電圧VBAT を超える期間、
つまり2次側放電期間中は、コンパレータ22の出力が
“H”となり、このハイレベルの信号がオペアンプ14
の反転入力側に入力される。この結果、オペアンプ14
の出力は送出されないため、2次側放電期間中はイオン
電流の検出が阻止されて失火検出回路8による誤検出が
防止されることになり、実施例1と同様の効果を得るこ
とができる。
【0043】また、この実施例2に係る回路構成によれ
ば、放電期間検出部としては、抵抗とコンパレータとに
より構成されており、上述した実施例1のように、ツェ
ナーダイオードを用いていないため、失火検出回路8を
モノリシックICで構成する場合、放電期間検出部をも
そのモノリシックIC内に一体化させて構成することが
できる。すなわち、実施例1による放電期間検出部内の
放電期間検出用ツェナーダイオード17のツエナ−電圧
(20〜30V)が失火検出回路8内の充電電圧設定用
ツェナーダイオード10のツエナ−電圧(50V)と異
なり、失火検出回路8をモノリシックICで構成する場
合、実施例1では、設計上耐圧マージンがなく、従っ
て、放電期間検出部を外付けする必要があったが、実施
例2においては、失火検出回路8をモノリシックICで
構成する場合、放電期間検出部をもそのモノリシックI
C内に一体化させることができ、設置上の点からも特に
有効なものとなる。
【0044】実施例3.次に、図4は実施例3に係る内
燃機関の失火検出装置を示す回路構成図である。図4に
おいて、1〜11及び13〜15は図1に示す実施例1
と同一部分を示し、その説明は省略する。新たな符号と
して、23〜25は電源4の電源電圧を分圧する電源電
圧分圧抵抗、26〜28は1次側電圧を分圧する1次側
電圧分圧抵抗、29と30はこれら分圧抵抗によって分
圧された1次側電圧と電源電圧をそれぞれ比較して1次
側電圧が電源電圧より高いときにハイレベルの信号を出
力するコンパレータ、31はコンパレータ29と30の
出力の論理和を得てその論理和出力をオペアンプ14の
反転入力端子側に与える論理和素子であり、これら電源
電圧分圧抵抗23〜25、1次側電圧分圧抵抗26〜2
8、コンパレータ29と30、及び論理和素子31で、
点火プラグの放電期間中はオペアンプ14からの出力の
送出を阻止して失火検出回路8による誤検出を防止する
放電期間検出部を構成している。
【0045】このように構成された回路によれば、コン
パレータ29または30のいずれか一方の比較出力がロ
ーレベルであっても他方がハイレベルであれば、そのハ
イレベルの信号をオペアンプ14の反転入力端子側に与
える構成となっているため、トランジスタ5のオン期間
中、電源電圧の変動を受けずに、また、放電期間中もイ
オン電流の検出を行わないので、さらに、検出精度の良
好な検出装置を得ることができる。
【0046】実施例4.次に、図5は実施例4に係る内
燃機関の失火検出装置を示す回路構成図である。図5に
おいて、1〜11及び13〜15は図1に示す実施例1
と同一部分を示し、その説明は省略する。新たな符号と
して、32はオペアンプ14の出力と第1の設定値V1
(例えば5V)とを比較して該オペアンプ14の出力が
第1の設定値より高いときに出力信号Aとしてハイレベ
ルの信号を出力する第1のコンパレータ、33はコンデ
ンサ9の高電位側電圧と第2の設定値(例えば実施例1
のツェナーダイオード17のツェナー電圧と同様な20
〜30V)とを比較してコンデンサ9の高電位側電圧が
第2の設定値より高いときに出力信号Bとしてハイレベ
ルの信号を出力する第2のコンパレータ、34は上記第
1のコンパレータ32の出力の反転出力を得るインバー
タ、35はこのインバータ34の出力と上記第2のコン
パレータ33の出力との論理和を得る論理和素子であ
り、これら第1のコンパレータ32、第2のコンパレー
タ33、インバータ34、及び論理和素子35で、点火
プラグの放電期間中はオペアンプ14からの出力の送出
を阻止して失火検出回路8による誤検出を防止する放電
期間検出部を構成している。
【0047】図5に示す回路構成によれば、2次側の放
電期間中、第2のコンパレータ33の出力Bが“H”で
ある時は、第1のコンパレータ32の出力をA、第2の
コンパレータ33の出力をB、論理和素子35の出力を
OUTとして示す図6の論理値表のように、論理和素子
35からの出力OUTとしては“H”となるため、結果
的に失火の検出がなされず、従って、放電期間中の電圧
変動による失火の誤検出がなくなり、精度の高い検出装
置が得られる。また、図5に示す放電期間検出部の回路
構成は、コンパレータと論理素子のみで構成されてい
て、抵抗等を全く必要としないので電力消費が極めて少
なく、さらに、失火検出回路8をモノリシックICで構
成する場合に、そのモノリシックIC内に放電期間検出
部をも簡単に一体化することができる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る内燃機関
の失火検出装置によれば、失火検出回路内に2次側の点
火に拘わらず1次側から充電されるコンデンサを有する
内燃機関の失火検出装置において、点火プラグの放電期
間中は失火検出回路内の演算増幅器から出力が送出され
るのを阻止して失火検出回路による誤検出を防止する放
電期間検出部を設けたことにより、放電電圧の変動を受
ける期間に、失火検出の誤検出をしなく、精度の高い内
燃機関の失火検出装置が得られるという効果がある。
【0049】また、上記放電期間検出部として、1次コ
イルの他端と演算増幅器の反転入力端子との間に設けら
れて、充電電圧設定用ツェナーダイオードのツェナー電
圧以下のツェナー電圧を有し、そのツェナー電圧を越え
て流れる電流を上記演算増幅器の反転入力端子側に流出
させる方向に接続した放電期間検出用ツェナーダイオー
ドを備えたことにより、放電期間中はイオン電流の検出
が阻止されて失火検出回路による誤検出が防止され、こ
のため、放電電圧の変動を受ける期間に、誤検出をしな
いという効果がある。
【0050】また、上記放電期間検出部として、1次コ
イルに発生する1次側電圧と電源の電源電圧とを比較し
て1次側電圧が電源電圧より高いときにハイレベルの信
号を演算増幅器の反転入力端子側に与える比較器を備え
たことにより、失火検出回路をモノリシックICで構成
する場合、設計上耐圧マージンの問題も生じることがな
いので放電期間検出部をもそのモノリシックIC内に一
体化させて構成することができ、設置上の点からも特に
有効なものとなる。
【0051】また、上記放電期間検出部として、1次コ
イルに発生する1次側電圧を複数に分圧する複数の1次
側電圧分圧抵抗と、電源の電源電圧を複数に分圧する複
数の電源電圧分圧抵抗と、これら分圧抵抗によって分圧
された1次側電圧と電源電圧とをそれぞれ比較して1次
側電圧が電源電圧より高いときにハイレベルの信号を出
力する複数の比較器と、これら比較器の出力の論理和を
得てその論理和出力を演算増幅器の反転入力端子側に与
える論理和素子とを備えたことにより、他の比較器の比
較出力がローレベルであってもいずれかの比較器の比較
出力がハイレベルであれば、そのハイレベルの信号を演
算増幅器の反転入力端子側に与えることができ、従っ
て、1次コイルに接続されて点火時期にスイッチングさ
れるスイッチング素子のオン期間中、電源電圧の変動を
受けずに、また、放電期間中もイオン電流の検出を行わ
ないので、さらに、検出精度の良好な検出装置が得られ
る。
【0052】また、上記放電期間検出部として、演算増
幅器の出力と第1の設定値とを比較して該演算増幅器の
出力が第1の設定値より高いときにハイレベルの信号を
出力する第1の比較器と、コンデンサの高電位側電圧と
第2の設定値とを比較してコンデンサの高電位側電圧が
第2の設定値より高いときにハイレベルの信号を出力す
る第2の比較器と、上記第1の比較器の出力の反転出力
を得るインバータと、このインバータの出力と上記第2
の比較器の出力との論理和を得る論理和素子とを備えた
ことにより、放電期間中、第2の比較器の出力がハイレ
ベルである時に論理和素子からの出力をハイレベルとす
るため、従って、放電期間中の電圧変動による失火の誤
検出がなくなり、精度の高い検出装置が得られると共
に、放電期間検出部の回路構成は、コンパレータと論理
素子のみで構成されていて、抵抗等を全く必要としない
ので、失火検出回路をモノリシックICで構成する場合
に、そのモノリシックIC内に放電期間検出部をも簡単
に一体化でき、かつ電力消費が極めて少ないものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1に係る内燃機関の失火検
出装置を示す回路構成図である。
【図2】 図1の回路動作を説明するための各部電圧波
形図である。
【図3】 この発明の実施例2に係る内燃機関の失火検
出装置を示す回路構成図である。
【図4】 この発明の実施例3に係る内燃機関の失火検
出装置を示す回路構成図である。
【図5】 この発明の実施例4に係る内燃機関の失火検
出装置を示す回路構成図である。
【図6】 図5の回路動作を説明するときの論理値表で
ある。
【図7】 従来の内燃機関の失火検出装置を示す回路構
成図である。
【図8】 浮遊容量の影響による誤検出を防止するため
の内燃機関の失火検出装置を示す回路構成図である。
【図9】 図8の回路動作を説明するための各部電圧波
形図である。
【符号の説明】
1 点火コイル、1a 1次コイル、1b 2次コイ
ル、2a、2b 同時着火方式の点火プラグ、4 電
源、5 トランジスタ、8 失火検出回路、9 コンデ
ンサ、10 充電電圧設定用ツェナーダイオード、11
第1のダイオード、13 第2のダイオード、14
演算増幅器、15 帰還抵抗、17 放電期間検出用ツ
ェナーダイオード、22、29、30 比較器、23〜
25 電源電圧分圧抵抗、26〜28 1次側電圧分圧
抵抗、31、35 論理和素子、32 第1の比較器、
33 第2の比較器、34 インバータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−191466(JP,A) 特開 平4−265474(JP,A) 特開 平4−194367(JP,A) 特開 平4−140481(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 17/12 F02P 3/04 304

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次コイルの一端に電源を接続すると共
    に他端に内燃機関の点火時期にスイッチング制御される
    スイッチング素子を接続してなる点火コイルと、この点
    火コイルの2次コイル側に接続されて高電圧の印加に基
    づいて内燃機関の燃焼室内で放電を生じさせて混合気を
    着火させる点火プラグと、上記点火コイルの1次コイル
    側からのバイアス電圧の供給を受けて充電し上記点火プ
    ラグの放電時に該充電された電圧を点火プラグ側に印加
    してイオン電流を流出させるコンデンサ、このコンデン
    サの低電位側とアースとの間に上記コンデンサへの充電
    電流の供給方向に接続された第1のダイオード及び上記
    コンデンサからのイオン電流の流出方向に接続された第
    2のダイオード、上記コンデンサの高電位側とアース間
    に接続されて該コンデンサの充電電圧を設定する充電電
    圧設定用ツェナーダイオード、上記コンデンサの低電位
    側を反転入力端子としアースを非反転入力端子とすると
    共に上記反転入力端子と出力端子間に帰還抵抗を接続し
    てなる演算増幅器を有し、上記コンデンサから流出され
    るイオン電流の検出に基づいて失火の有無を判断する失
    火検出回路とを備えた内燃機関の失火検出装置におい
    て、上記点火プラグの放電期間中は上記演算増幅器から
    出力が送出されるのを阻止して失火検出回路による誤検
    出を防止する放電期間検出部を設けたことを特徴とする
    内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 上記放電期間検出部は、上記1次コイル
    の他端と上記演算増幅器の反転入力端子との間に設けら
    れて、上記充電電圧設定用ツェナーダイオードのツェナ
    ー電圧以下のツェナー電圧を有し、そのツェナー電圧を
    越えて流れる電流を上記演算増幅器の反転入力端子側に
    流出させる方向に接続した放電期間検出用ツェナーダイ
    オードを備えたことを特徴とする請求項1記載の内燃機
    関の失火検出装置。
  3. 【請求項3】 上記放電期間検出部は、上記1次コイル
    に発生する1次側電圧と上記電源の電源電圧とを比較し
    て1次側電圧が電源電圧より高いときにハイレベルの信
    号を上記演算増幅器の反転入力端子側に与える比較器を
    備えたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の失火
    検出装置。
  4. 【請求項4】 上記放電期間検出部は、上記1次コイル
    に発生する1次側電圧を複数に分圧する複数の1次側電
    圧分圧抵抗と、上記電源の電源電圧を複数に分圧する複
    数の電源電圧分圧抵抗と、これら分圧抵抗によって分圧
    された1次側電圧と電源電圧とをそれぞれ比較して1次
    側電圧が電源電圧より高いときにハイレベルの信号を出
    力する複数の比較器と、これら比較器の出力の論理和を
    得てその論理和出力を上記演算増幅器の反転入力端子側
    に与える論理和素子とを備えたことを特徴とする請求項
    1記載の内燃機関の失火検出装置。
  5. 【請求項5】 上記放電期間検出部は、上記演算増幅器
    の出力と第1の設定値とを比較して該演算増幅器の出力
    が第1の設定値より高いときにハイレベルの信号を出力
    する第1の比較器と、上記コンデンサの高電位側電圧と
    第2の設定値とを比較してコンデンサの高電位側電圧が
    第2の設定値より高いときにハイレベルの信号を出力す
    る第2の比較器と、上記第1の比較器の出力の反転出力
    を得るインバータと、このインバータの出力と上記第2
    の比較器の出力との論理和を得る論理和素子とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の失火検出装
    置。
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