JPH0566268U - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JPH0566268U JP006778U JP677892U JPH0566268U JP H0566268 U JPH0566268 U JP H0566268U JP 006778 U JP006778 U JP 006778U JP 677892 U JP677892 U JP 677892U JP H0566268 U JPH0566268 U JP H0566268U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、構成を簡略化してコストダウン
を実現すると共に電流制限値のバラツキを除去した内燃
機関用点火装置を得る。 【構成】 バッテリ１と各昇圧回路４との間に挿入され
た共通の抵抗器５と、この抵抗器の両端間電圧とパワー
トランジスタ３の上限電流に対応した基準電圧Vaとを比
較する演算増幅器７と、この演算増幅器の出力信号Ａに
応じて各昇圧回路内のパワートランジスタの通電電流を
制限する制限手段８とにより電流制限回路9Aを構成し、
共通の抵抗器を介して各昇圧回路毎のパワートランジス
タの通電電流を検出して上限電流に制限し、パワートラ
ンジスタを過電流から保護する。

Description

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】
この考案は、点火コイルを通電遮断して昇圧電圧を生成するためのパワートラ ンジスタを過電流から保護するようにした内燃機関用点火装置に関し、特に構成 を簡略化してコストダウンを実現すると共に電流制限値のバラツキを除去した内 燃機関用点火装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図３はパワートランジスタの電流制限機能を備えた従来の内燃機関用点火装置 を示す構成図である。 図において、１はバッテリ、２はバッテリ１に接続された点火コイル、３は点 火コイル２を通電遮断するためのパワートランジスタであり、点火コイル２及び パワートランジスタ３は昇圧回路４を構成している。
【０００３】 パワートランジスタ３は、コレクタが点火コイル２の一次巻線に接続されてお り、ベースに印加されるＥＣＵ(図示せず)からの点火信号Ｄにより通電遮断され る。Ｖｉは昇圧回路４から出力される昇圧電圧であり、パワートランジスタ３の 遮断時に点火コイル２の二次巻線の一端から生成される。 昇圧回路４は複数の気筒に対応して個別に設けられており、各気筒毎の点火制 御タイミングに応答して点火信号Ｖｉを生成するようになっている。ここでは、 ４気筒エンジンを例にとって、同一構成からなる４個の昇圧回路４を設置した場 合を示している。
【０００４】 ５はパワートランジスタ３のエミッタとグランドとの間に挿入された微小抵抗 値の抵抗器であり、両端間電圧がパワートランジスタ３の通電電流に比例した値 を示す。この場合、抵抗器５の一端が接地されているので、抵抗器５とパワート ランジスタ３との接続点での高電位電圧Ｖｔが抵抗器５の両端間電圧となる。 ６はパワートランジスタ３のコレクタ及びエミッタ間の通電電流の上限に対応 した基準電圧Ｖｒを生成する基準電圧源であり、負極が抵抗器５のグランド側の 一端に接続されており、基準電圧Ｖｒは抵抗器５の両端間電圧に対する比較基準 となる。
【０００５】 ７は抵抗器５の両端間電圧に相当する高電位電圧Ｖｔと基準電圧Ｖｒとを比較 する演算増幅器であり、Ｖｔ−Ｖｒに対応した出力信号Ａを生成する。 ８は出力信号Ａがベースに印加されてオン動作が制御されるトランジスタであ り、パワートランジスタ３の通電電流を制限する制限手段を構成しており、コレ クタがパワートランジスタ３のベースに接続され、且つエミッタが接地されてい る。
【０００６】 抵抗器５、基準電圧源６、演算増幅器７及びトランジスタ８は、パワートラン ジスタ３の通電電流を上限電流と一致させるための電流制限回路９を構成してお り、抵抗器５の両端間電圧即ち高電位電圧Ｖｔが基準電圧Ｖｒと一致するように パワートランジスタ３のベース電流を制限する。同一構成の電流制限回路９は各 昇圧回路４にそれぞれ設けられている。
【０００７】 次に、図３に示した従来の内燃機関用点火装置の動作について説明する。 まず、通電開始時期において点火信号ＤがＨレベルになると、点火信号Ｄに応 答してパワートランジスタ３がオンし、点火コイル２が通電されて一次巻線に電 流が流れる。この一次電流は、パワートランジスタ３を介して電流制限回路９内 の抵抗器５に流れ、抵抗器５の一端からは両端間電圧に相当する高電位電圧Ｖｔ が出力される。
【０００８】 高電位電圧Ｖｔは基準電圧Ｖｒと共に演算増幅器７に入力され、演算増幅器７ はＶｔ−Ｖｒに応じた出力信号Ａによりトランジスタ８のオン動作を制御する。 例えば、Ｖｔ＞Ｖｒとなってパワートランジスタ３の通電電流が過電流を示すと きには、出力信号Ａのレベルを高くしてトランジスタ８のオン動作を増大させ、 点火信号Ｄをグランドにバイパスさせてパワートランジスタ３のベース電流を抑 制する。このようにベース電流を制御することにより、パワートランジスタ３の 通電電流は上限値に制限され、常に一定電流値に制御される。
【０００９】 従って、点火コイル２の通電時におけるパワートランジスタ３の通電電流は、 上限電流を越えることがなく、過電流から保護される。尚、各電流制限回路９に おいて、高電位電圧Ｖｔ及び基準電圧Ｖｒを生成するための抵抗器５及び基準電 圧源６の回路定数は、それぞれ予め調整されている。 続いて、点火時期において点火信号ＤがＬレベルになりパワートランジスタ３ がオフすると、点火コイル２の二次巻線に昇圧電圧Ｖｉが発生して制御対象気筒 の点火プラグに供給され、爆発工程が行われる。
【００１０】 このとき、制御対象気筒において点火が確実に行われたことを確認するため、 必要に応じて点火検出回路(図示せず)が設けられる。点火検出回路は、例えば、 一次電流に対応した検出電圧が点火のための所要下限電流以上であることを示す ときに点火確認信号をＥＣＵに供給する。これにより、ＥＣＵは点火コイルが正 常に動作しているか否かを判断し、一次電流が所要下限電流以下であって点火コ イル２の異常を示す場合には、ＥＣＵは該等点火コイルに対応した気筒に対する 燃料噴射を停止する等の処置を行う。
【００１１】
【考案が解決しようとする課題】
従来の内燃機関用点火装置は以上のように、パワートランジスタ３を保護する ための電流制限回路９が各昇圧回路４毎に気筒数に応じて設けられているので、 構成が複雑になってコスドダウンが実現できないうえ、電流制限回路９毎に抵抗 器５の抵抗値及び基準電圧Ｖｒを調整する必要があるため各電流制限値にバラツ キが生じるという問題点があった。
【００１２】 この考案は上記のような問題点を解決するためになされたもので、構成を簡略 化してコストダウンを実現すると共に電流制限値のバラツキを除去した内燃機関 用点火装置を得ることを目的とする。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
この考案の請求項１に係る内燃機関用点火装置は、バッテリと各昇圧回路との 間に挿入された共通の抵抗器と、この抵抗器の両端間電圧とパワートランジスタ の上限電流に対応した基準電圧とを比較する演算増幅器と、この演算増幅器の出 力信号に応じて各昇圧回路内のパワートランジスタの通電電流を制限する制限手 段とにより電流制限回路を構成したものである。
【００１４】 又、この考案の請求項２に係る内燃機関用点火装置は、バッテリと各昇圧回路 との間に挿入された共通の抵抗器と、この抵抗器の両端間電圧とパワートランジ スタの上限電流に対応した第１の基準電圧とを比較する演算増幅器と、この演算 増幅器の出力信号に応じて各昇圧回路内のパワートランジスタの通電電流を制限 する制限手段とにより電流制限回路を構成すると共に、共通の抵抗器と、この抵 抗器の両端間電圧と点火コイルの所要下限電流に対応した第２の基準電圧とを比 較して点火確認信号を生成する比較器とにより点火検出回路を構成したものであ る。
【００１５】
【作用】
この考案の請求項１においては、単一の共通の抵抗器を介して各昇圧回路毎の パワートランジスタの通電電流を検出して上限電流に制限し、パワートランジス タを過電流から保護する。
【００１６】 又、この考案の請求項２においては、単一の共通の抵抗器を介して各昇圧回路 毎のパワートランジスタの通電電流を検出して上限電流に制限し、パワートラン ジスタを過電流から保護すると共に、点火コイルの一次電流が点火の所要下限電 流以上のときに点火確認信号を発生し、制御対象気筒に対応した点火コイルの動 作状態を判定する。
【００１７】
【実施例】 実施例１． 以下、この考案の実施例１を図について説明する。図１はこの考案の実施例１ を示す構成図であり、9Aは電流制限回路９に対応しており、１〜８は前述と同様 のものである。
【００１８】 電流制御回路9Aは、バッテリ１と各昇圧回路４との間に挿入された単一で共通 の抵抗器５と、抵抗器５の両端間電圧とパワートランジスタ３の上限電流に対応 した基準電圧Ｖｒとを比較する演算増幅器７と、演算増幅器７の出力信号Ａに応 じて各昇圧回路４内のパワートランジスタ３の通電電流を制限する制限手段即ち トランジスタ８とにより構成されている。
【００１９】 この場合、基準電圧源６の負極は抵抗器５の低電位側に接続されている。又、 演算増幅器７の非反転入力端子(＋)には抵抗器５の高電位側の電圧即ちバッテリ 電圧Ｖｂが印加され、反転入力端子(−)には抵抗器５の低電位側の電圧に基準電 圧Ｖｒを加算した低電位基準電圧Ｖａが印加され、演算増幅器７はＶｂ−Ｖａに 応じた出力信号Ａを出力する。 ここで、低電位基準電圧Ｖａは、抵抗器５の両端間電圧をＶ5とすれば、
【００２０】 Ｖａ＝Ｖｂ−Ｖ5＋Ｖｒ
【００２１】 により表わされるので、Ｖｂ−Ｖａ＝Ｖ5−Ｖrとなり、演算増幅器７の出力信号 Ａは、両端間電圧Ｖ5と基準電圧Ｖrとの差に応じた値となる。 又、各昇圧回路４毎に設けられたトランジスタ８は、同一の出力信号Ａにより 共通に制御されている。
【００２２】 次に、図１に示したこの考案の実施例１の動作について説明する。尚、基本的 な通電点火動作については、前述と同様なのでここでは説明しない。 まず、点火信号Ｄの立ち上がりによりパワートランジスタ３がオンすると、点 火コイル２の一次電流が抵抗器５を介して流れ、抵抗器５の両端間電圧Ｖ5が発生 する。
【００２３】 電流制限回路9Aは、バッテリ電圧Ｖｂと低電位電圧Ｖａとの差に応じた出力信 号Ａにより、トランジスタ８のオン動作を制御してパワートランジスタ３のベー ス電流を制御する。これにより、パワートランジスタ３は、常に一定の上限電流 が通電され、過電流から保護される。
【００２４】 このとき、各昇圧回路４に対応したトランジスタ８が同時に制御されるが、パ ワートランジスタ３のベース電流制限は、制御対象気筒に対して順次生成される 点火信号Ｄのみに作用するので、何ら支障は生じない。 このように、単一の電流制限回路9Aを用いて全ての昇圧回路４内のパワートラ ンジスタ３の電流値を制限することにより、構成が簡略化すると共に、抵抗器５ の抵抗値並びに基準電圧Ｖｒの調整バラツキがなくなる。
【００２５】 実施例２． 図２はこの考案の実施例２を示す構成図であり、電流制限機能のみならず点火 検出機能をも備えた内燃機関用点火装置に適用した場合を示している。 11は点火コイル２の所要下限電流に対応した基準電圧ＶR(＜Ｖr)を生成する基 準電圧源であり、負極が抵抗器５の低電位側に接続されている。12は抵抗器５の 両端間電圧Ｖ5と基準電圧ＶRとを比較して点火確認信号Ｅを生成する比較器であ り、非反転入力端子(＋)にはバッテリ電圧Ｖｂが印加され、反転入力端子(−)に は抵抗器５の低電位電圧に基準電圧ＶRを加算した低電位基準電圧ＶAが印加され ている。
【００２６】 抵抗器５、基準電圧源11及び比較器12は、点火コイル２の通電電流(一次電流) に基づいて点火を確認するための点火検出回路を構成している。 13は点火確認信号Ｅと各気筒毎の点火信号Ｄとの論理積を個別にとるアンドゲ ート、14は各アンドゲート13の論理出力の論理和をとるオアゲートである。オア ゲート14の論理出力Ｆは、点火確認信号Ｅが気筒毎に正確に生成されたことを示 しており、点火確認信号Ｅ及び論理出力Ｆのうちの少なくとも一方は、ＥＣＵに 入力される。
【００２７】 この場合、抵抗器５は、電流制限回路9Aのみならず点火検出回路の要素として も作用し、両端間電圧Ｖ5は基準電圧ＶRと比較される。 又、比較器５はＶb−ＶA(＝Ｖ5−ＶR)に基づいて、点火コイル２の一次電流が 所要下限電流以上であることを示す、Ｖ5＞ＶRのときに点火確認信号Ｅを出力す る。即ち、制御対象気筒が確実に点火するための所要下限電流以上の一次電流が 流れれば、両端間電圧Ｖ5が基準電圧ＶR以上となるため、点火確認信号Ｅにより 点火が確認される。
【００２８】 又、図示したように、アンドゲート13を介して、点火確認信号Ｅと各制御対象 気筒毎の点火信号Ｄとの論理積をとり、更に、オアゲート14により論理和をとれ ば、各点火信号Ｄに対応した信頼性の高い点火確認信号として論理出力Ｆが得ら れる。 このように、共用の抵抗器５を点火検出回路に適用することにより、更に構成 を簡略化してコストダウンを実現することができる。
【００２９】
【考案の効果】
以上のようにこの考案の請求項１によれば、バッテリと各昇圧回路との間に挿 入された共通の抵抗器と、この抵抗器の両端間電圧とパワートランジスタの上限 電流に対応した基準電圧とを比較する演算増幅器と、この演算増幅器の出力信号 に応じて各昇圧回路内のパワートランジスタの通電電流を制限する制限手段とに より電流制限回路を構成し、共通の抵抗器を介して各昇圧回路毎のパワートラン ジスタの通電電流を検出して上限電流に制限し、パワートランジスタを過電流か ら保護するようにしたので、構成を簡略化してコストダウンを実現すると共に電 流制限値のバラツキを除去した内燃機関用点火装置が得られる効果がある。
【００３０】 又、この考案の請求項２によれば、バッテリと各昇圧回路との間に挿入された 共通の抵抗器と、この抵抗器の両端間電圧とパワートランジスタの上限電流に対 応した第１の基準電圧とを比較する演算増幅器と、この演算増幅器の出力信号に 応じて各昇圧回路内のパワートランジスタの通電電流を制限する制限手段とによ り電流制限回路を構成すると共に、共通の抵抗器と、この抵抗器の両端間電圧と 点火コイルの所要下限電流に対応した第２の基準電圧とを比較して点火確認信号 を生成する比較器とにより点火検出回路を構成し、共通の抵抗器を介して各昇圧 回路毎のパワートランジスタの通電電流を検出して上限電流に制限し、パワート ランジスタを過電流から保護すると共に、点火コイルの一次電流が点火の所要下 限電流以上のときに点火確認信号を発生し、制御対象気筒に対応した点火コイル の動作状態を判定するようにしたので、構成を簡略化してコストダウンを実現す ると共に電流制限値のバラツキを除去した内燃機関用点火装置が得られる効果が ある。
【図面の簡単な説明】
【図１】この考案の実施例１を示す構成図である。
【図２】この考案の実施例２を示す構成図である。
【図３】従来の内燃機関用点火装置を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
１ バッテリ ２ 点火コイル ３ パワートランジスタ ４ 昇圧回路 ５ 抵抗器 ７ 演算増幅器 ８ トランジスタ(制限手段) ９Ａ 電流制限回路 １２ 比較器 Ａ 出力信号 Ｅ 点火確認信号 Ｖｉ 昇圧電圧 Ｖr、ＶR 基準電圧

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項１】 バッテリに接続された点火コイル及びこ
    の点火コイルを通電遮断するためのパワートランジスタ
    を各々が含む複数の昇圧回路と、 前記パワートランジスタの通電電流を制限するための電
    流制限回路と、 を備え、 前記各昇圧回路の出力電圧に基づいて複数の気筒を個別
    に点火制御する内燃機関用点火装置において、 前記電流制御回路は、 前記バッテリと前記各昇圧回路との間に挿入された共通
    の抵抗器と、 前記抵抗器の両端間電圧と前記パワートランジスタの上
    限電流に対応した基準電圧とを比較する演算増幅器と、 前記演算増幅器の出力信号に応じて前記各昇圧回路内の
    パワートランジスタの通電電流を制限する制限手段と、 により構成されたことを特徴とする内燃機関用点火装
    置。
  2. 【請求項２】 バッテリに接続された点火コイル及びこ
    の点火コイルを通電遮断するためのパワートランジスタ
    を各々が含む複数の昇圧回路と、 前記パワートランジスタの通電電流を制限するための電
    流制限回路と、 前記点火コイルの通電電流に基づいて点火を確認するた
    めの点火検出回路と、 を備え、 前記各昇圧回路の出力電圧に基づいて複数の気筒を個別
    に点火制御する内燃機関用点火装置において、 前記電流制御回路は、 前記バッテリと前記各昇圧回路との間に挿入された共通
    の抵抗器と、 前記抵抗器の両端間電圧と前記パワートランジスタの上
    限電流に対応した第１の基準電圧とを比較する演算増幅
    器と、 前記演算増幅器の出力信号に応じて前記各昇圧回路内の
    パワートランジスタの通電電流を制限する制限手段と、 により構成され、 前記点火検出回路は、 前記抵抗器と、 前記抵抗器の両端間電圧と前記点火コイルの所要下限電
    流に対応した第２の基準電圧とを比較して点火確認信号
    を生成する比較器と、 により構成されたことを特徴とする内燃機関用点火装
    置。
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