JPS6055712B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関、特に自動車内燃機関に適用する点火
装置に関し、特に点火コイルの１次電流を通電する時間
を制御する制御手段に関するものてある。

〔従来の技術〕

従来、点火装置を構成する回路内に基準時間パルスを発
生する基準時間パルス発生回路を有し、点火コイルの１
次電流通電時間と前記基準時間パルスのパルス幅とを比
較し、その差が最小となるよう負帰還制御を行うことに
より、点火コイルの１次電７ｆｃ，流通電時間を直接的
に制御する点火装置が例えは特開昭５０−１４０７３１
号公報、特開昭５２一１４３３４３号公報て提案されて
いるまた、従来、機関回転数に反比例して点火コイルの
１次電流非通電時間を変化させて、点火コイルの１次電
流通電時間を間接的に制御するものが特開昭５４−１３
８４吋公報、特開昭５０−１５２７玲号公報、特公昭５
５−５０１屹号公報等により提案されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、上述した従来の前者のものでは、点火コイル
の１次電流通電時間の制御を負帰還制御により行つてい
るので、負帰還の帰還量が点火コイルの１次電流通電時
間の特性に大きく影響す！る。

例えば、帰還量が少ない場合は点火コイルの１次電流通
電時間は所望時間より長くなり、帰還量が多い場合は点
火コイルの１次電流通電時間が安定せずにハンチングし
、場合によつては間引き点火等の点火ミスに至る等の問
題がある。また、４このような問題が発生しないよう負
帰還の帰還量を幅狭い範囲で設定しなくてはならないが
、回路を構成する部分のバラツキ、使用される温度範囲
等を考えると、帰還回路を構成する回路素子の常数を固
定するのは難しく、製品個々に調整する必要があるとい
う問題がある。また、上述した従来の後者のものでは、
点火コイルの１次電流電非通電時間を機関回転数に反比
例して大きく変化させる必要があるが、この非通電時間
を低速から高速まて正確に制御することは制御幅が広す
ぎることから困難であるので、点火コイルの１次電流通
電時間を精度よく制御することができないのみならず、
これに伴つて、定電流）制御回路および補正回路によつ
て、点火コイルの１次電流定電流制御時間を大幅に補正
する必要があるので、必然的に帰還量が多くなつて、点
火コイルの１次電流通電時間が安定せずにハンチングが
発生するという問題がある。

そこで、本発明は点火コイルの１次電流通電時間を、安
定にかつ精度よく制御するものてある。

〔問題点を解決するための手段〕そのため本願の第１番
目の発明は、点火時間が決定されている点火入力信号に
同期してピーク電”圧値が一定となる三角波電圧を発生
する三角波発生回路と、点火１サイクルごとに電源電圧
で決まる一定時間幅の基準時間パルスを発生する基準時
間パルス発生回路と、前記三角波発生回路の三角波電圧
と前記基準時間パルス発生回路の基準時間パルスとが入
力され、点火コイルの１次電流通電時間を、前記基準時
間パルス発生回路の基準時間パルスで決まる電源電圧に
応じた一定時間にすべく点火コイルの１次電流通電時間
を制御する通電時間決定回路とを備え、この通電時間決
定回路は、前記基準時間パルス発生回路の基準時間パル
スの波高値を前記三角波発生回路で発生する三角波電圧
のピーク値とほぼ同じ電圧でクランプするクランプ回路
と、このクランプした基準時間パルスを積分する積分回
路と、この積分した電圧と前記三角波電圧とを比較して
前記点火コイルの１次電流通電時間を前記基準時間パル
ス発生回路の基準時間パルスで決まる電源電圧に応じた
一定時間にするためのパルス出力を発生する比較回路と
を含んでなることを特徴とする内燃機関用点火装置を提
供するものである。

さらに本願の第２番目の発明は、点火時間が決定されて
いる点火入力信号に同期して、ピーク電圧値が一定とな
る三角波電圧を発生する三角波発生回路と、点火１サイ
クルごとに電源電圧で決まる一定時間幅の基準時間パル
スを発生する基準時間パルス発生回路と、点火コイルの
１次電流を定電流制御する定電流制御回路と、前記三角
波発生回路の三角波電圧と基準時間パルス発生回路の基
準時間パルスと前記定電流制御回路からの定電流制御時
間パルスとが入力される通電時間決定回路とを備え、こ
の通電時間決定回路は、前記基準時間パルス発生回路の
基準時間パルスの波高値を前記三角波発生回路で発生す
る三角波電圧のピーク値とほぼ同じ電圧でクランプする
クランプ回路と、このクランプした基準時間パルスを積
分する積分回路と、この積分した電圧と前記三角波電圧
とを比較して前記点火コイルの１次電流通電時間を制御
するためのパルス出力を発生する比較回路と、前記定電
流制御回路からの定電流制御時間パルスのパルス幅に応
じて、前記積分回路の積分電圧あるいは前記三角波発生
回路の三角波電圧の傾斜を補正する補正回路とを含んて
あることを特徴とする内燃機関用点火装置を提供するも
のである。

〔作 用〕

これにより本願第１番目の発明によれば点火１サイクル
ごとに基準時間パルス発生回路に発生する基準時間パル
スをクランプ回路を介して積分回路により積分し、この
積分回路の基準時間パルスのパルス幅に比例した積分電
圧と、点火入力信号に同期して三角波発生回路に発生す
るピーク電圧値が一定となる三角波電圧とを比較回路に
より比較して、点火コイルの１次電流通電時間を基準時
間パルス発生回路の基準時間パルスで決まる電源電圧に
応じた一定時間にするためのパルス出力を発生する。

これにより、１次電流通電時間そのものを負帰還制御す
ることなく、点火コイルの１次電流通電時間が基準時間
パルス発生回路の基準時間パルスで決まる電源電圧に応
じた一定時間に直接的に制御される。さらに、本願の第
２番目の発明によれば、上記第１番目の発明の作用に加
えて、定電流制御回路により点火コイルの１次電流を定
電流制御すると共に、この定電流制御している時間に応
じて定電流制御回路に発生する定電流制御時間パルスの
パルス幅に応じて積分回路の積分電圧あるいは三角波発
生回路の三角波電圧の傾斜を補正回路により補正して、
１次電流を定電流制御している時間がほぼ一定になるよ
うに比較回路のパルス出力を補正する。

〔実施例〕

以下本発明を図に示す実施例について説明する。

第１図に本発明の第１実施例を示す。第１図において、
１〜９はトランジスタ、１０は点火コイルの１次電流を
制御するパワートランジスタ、１１はダイオードである
。１２〜１４はツェナーダイオードであり、電源電圧が
所定値以上の場合パワートランジスタ１０を強制的に０
ＦＦさせることにより、パワートランジスタ１０を保護
するため過電圧検出素子をなすものである。

１５はパワートランジスタ１０の保護用ツェナーダイオ
ード、１６〜３３は抵抗、３４〜３６はコンデンサであ
る。

１００は三角波発生回路であり、１８５は直流出力発生
回路、１９０はリセット回路、１９５は加速制御回路、
１０１〜１２４はトランジスタ、１３０〜１３３はダイ
オード、１４０〜１６９は抵抗、１７０，１７１はコン
デンサ、１７２は三角波発生用のコンデンサ、１８０は
比較器である。

２００は基準時間パルス発生回路で、２０１はトランジ
スタ、２１０〜２１５は抵抗、２２０はコンデンサ、２
３０は比較器である。

３００は通電時間決定回路であり、３０１〜３０７はト
ランジスタ、３１０〜３１８は抵抗、３２０はコンデン
サである。

３５０比較回路であり、３５１〜３６３はトランジスタ
、３７０は抵抗である。

３８０はクランプ回路、３９０は積分回路である。

４００は公知の定電圧電源回路、５００は点火コイル６
００の１次電流を所定値に制限するための公知の定電流
制御回路、６００は点火コイルである。

■ｂは電源バッテリに接続される電源端子である。次に
上記構成においてその作動について説明する。

第１図に示す回路図及び第２図に示す各部波形図を用い
て以下説明する。第１図の回路図中のノＡ−Ｓの各端子
の波形図を第２図図示のＡ−Ｓに示す。入力端子Ａに電
子式時期制御装置等の矩形波点火信号発生装置より点火
時期が決定されている第２図Ａに示す矩形波の点火入力
信号が印加されると、点火タイミングａにてトランジス
タ１は０ＦＦから０Ｎとなり、三角波発生回路１００は
トランジスタ１０１は０Ｎから０ＦＦとなり、コンデン
サ１７０はトランジスタ１２４で決まる定電流で第２図
Ｂに示すごとく充電を開始する。コンデンサ１７０の充
電電圧が、抵抗１４４と１４２で定まる電圧に達すると
トランジスタ１０２はＯＦＦとなり、トランジスタ１０
３が０Ｎとなり、トランジスタ１０４が０Ｎ１トランジ
スタ１０５が０ＦＦとなる。また、コンデンサ１７０の
充電電圧がさらに上昇して、抵抗１４８，１４９で決ま
る電圧＋トランジスタ１０７の■ＢＴ：の電圧に達する
と、トランジスタ１０７は０Ｎとなり、トランジスタ１
０８は０Ｎとなる。トランジスタ１０８はトランジスタ
１０９によりＮＯＲ回路を構成し、第２図Ｅに示す一定
時間幅のパルスを作つている。またＥ点のパルス波形を
トランジスタ１１０で反転し、トランジスタ１０５とト
ランジスタ１０６でＮＯＲ回路を構成し第２図Ｆに示す
一定時間幅のパルスを作つている。そして、第２図Ｅに
示す一定時間Ｔ１の間トランジスタ１１１は０ＦＦとな
り、コンデンサ１７１はトランジスタ１２４で決まる定
電流でダイオード１３１を介して充電される。コンデン
サ１７１の端子電圧であるＧ点の電圧は第２図Ｇに示す
ように機関の回転数に比例する電圧となる。このＧ点の
電圧と抵抗１５７で決まる電流がトランジスタ１１２を
流れ、トランジスタ１１２とトランジスタ１１３でカレ
ントミラー回路を構成しているので、トランジスタ１１
３には回転数に比例した電流が流れる。さらにトランジ
スタ１１４，１１５により電流交換し、三角波発生用の
コンデンサ１７２はトランジスタ１１４を介して回転数
に比例した電流値の直流出力で充電される。ここで、コ
ンデンサ１７１を充電する電流１１に対しコンデンサ１
７１を充電する電流Ｊ２は１１２ｉ，と設定しており、
さらにトランジスタ１１３を流れる電流１３に対し、三
角波発生用のコンデンサ１７２を充電する電波１４は２
ｉ３となるよう設定し、さらにコンデンサ１７０と三角
波発生用のコンデンサ１７２の容量を同じにしているの
で、三角波発生用のコンデンサ１７２の端子電圧である
Ｈ点の波形は第２図Ｈに示すように機関の回転数に関係
なくピーク値一定の三角波電圧となる。この三角波電圧
のピーク値はＤ点の電圧で決まる。そして、Ｆ点で発生
する一定時間幅パルスＴ２信号によりトランジスタ１１
６が瞬時ＯＮしてコンデンサ１７２の充電電荷を瞬時に
放電（リセット）する。また、Ｈ点の三角波電圧と、Ｄ
点の電圧を比較器１８０にて比較し、点火タイミングａ
の時点でＨ点の電圧がＤ点の電圧に達していない場合は
、トランジスタ１１９が０Ｎし、トランジスタ１１８が
０ＦＦして、トランジスタ１２３で決まる定電流でダイ
オード１３３を介してコンデンサ１７）２を充電し、ま
た、ダイオード１３２を介してコンデンサ１７１をトラ
ンジスタ１２３で決まる定電流で充電し、Ｈ点の電圧が
Ｄ点の電圧に達するとこれらの充電をストップし、加速
時の補正を行い、加速応答性の良い三角波電圧を発生さ
せてい門る。

ここで、第２図１のＴ３期間がこのときの補正期間であ
る。次に、基準時間パルス発生回路２００の作動につい
て説明する。

三角波発生回路１００のＦ点で発生する一定時間幅パル
ス（Ｔ２）信号によりトラ・ンジスタ２０１が瞬時ＯＮ
して、コンデンサ２０２に充電されていた電荷を瞬時に
放電（リセット）させ、第２図ＦのＴ２期間後電源電圧
と抵抗２１２，２１３、コンデンサ２２０で決まる充電
時定数でコンデンサ２２０は充電される。コンデンサ２
２０の充電電圧（Ｊ点の電圧）と抵抗２１５，２１４で
決まるＫ点の電圧とを比較器２３０で比較することによ
り、点火１サイクルごとに電源電圧で決まる一定時間幅
の基準時間パルスを作成している。次に、通電時間決定
回路３００について説明する。

基準時間パルス発生回路２００の比較器２３０の出力で
ある基準時間パルスの波高値を三角波発生回路１００の
Ｄ点の電圧でクランプ回路３８０のトランジスタ３０２
によりクランプし、さらにクランプ回路３８０のトラン
ジスタ３０３によりエミッタフォロワ回路を構成してい
るので、トランジスタ３０３のエミッタ端子（Ｌ点）で
の振幅電圧はＤ点の電圧、すなわち三角波発生用のコン
デンサ１７２に発生する三角波電圧のピーク値と同じと
なり、このクランプされたＬ点の基準時間パルスを抵抗
３１２とコンデンサ３２０とよりなる積分回路３９０で
積分し、この積分回路３９０の積分電圧と三角波発生回
路１００のＨ点の三角波電圧とを比較回路３５０て比較
している。第２図■，にＬ点の波形を示す。こで、Ｔ４
基準時間パルス発生回路２００の基準時間パルスで決ま
る電源電圧に応じた一定時間である。第２図Ｍ，Ｈに示
すように、Ｈ点の三角波電圧とＭ点積分電圧とを比較回
路３５０で比較することにより、第２図Ｌに示す点火後
の、電源電圧に応じた一定時間Ｔ４が、第２図０に示す
点火前の電源電圧に応じた一定時間Ｔ５に変換される（
Ｔ４＝Ｔ５となる）。また、機関が高回転時Ｍ点の積分
電圧が低下し、低下３１３，３１４で決まるＮ点の電圧
より低下した場合は、トランジスタ３０４，３０５を介
してＭ点の積分電圧はＮ点の電圧ホールドするように作
動する。従つて、機関の高回転時は比較回路３５０のパ
ルス出力（Ｏ点）のデューティ比（Ｔ５／Ｔ）が一定と
なるように制御している。

また、Ｎ点の電圧は電源電圧により変化するよう構成し
ているのて、機関の高回転時は、電源電圧に応じて比較
回路３５０のパルス出力のデューティ比（Ｔ５／Ｔ）が
、電源電圧が高いとデューティ比が小さく、電源電圧が
低いとデューティ比が大きくなるように変化する。次に
、比較回路３５０の作動を説明する。

Ｍ点の積分電圧をトランジスタ３５１のベースに入力し
、Ｈ点の三角波電圧をトランジスタ３５７のベースに入
力して、両者の比較を行つている。トランジスタ３５７
のベース電位がトランジスタ３５１のベース電位に達す
ると、トランジスタ３５７は０ＦＦの方向にアナログ的
に動作し、トランジスタ３５４も０ＦＦの方向にアナロ
グ的に動作する。したがつて、トランジスタ３５３，３
５１は０ＦＦ状態から０Ｎ状態に移行し、トランジスタ
３５６のコレクタ電位すなわち比較回路３５０の出力端
子は、ハイレベルからローレベルに移行する。ここで、
トランジスタ３５８，３５９は定電流源を構成している
。また、トランジスタ３６０〜３６３にて、トランジス
タ３５４，３５７のバイアス電流により三角波発生用の
コンデンサ１７２を充電するのを防止するためのバイア
ス電流をキャンセルするよう構成している。また、トラ
ンジスタ３０７，３５２によりＭ点の電位を変化させる
ことなく比較回路３５０に帰還をかけてヒステリシス特
性を持たせることにより、比較回路３５０の誤動作防止
を行つている。そして、比較回路３５０のパルス出力と
三角波発生回路１００のＥ点の波形をそれぞれ入力とす
るトランジスタ３と４でＮＯＲ回路を構成し、点火タイ
ミングのずれを補正している。このトランジスタ３，４
のＮＯＲ出力である第２図Ｐに示す波形のＴ６はＴ６＝
Ｔ５−（Ｔ１−Ｔ２）となり、ここで（Ｔ１−Ｔ２）は
一定時間であると共に、時間的には１００ｐｓｅｃ前後
と小さいため、ほぼＴ６＝Ｔ５となる。したがつて、Ｐ
点の信号はトランジスタ５，７，９を介してパワートラ
ンジスタ１０を作動させ、Ｔ６期間パワートランジスタ
１０は導通し、点火コイル６００の１次電流を通電する
。そして、点火コイル６００の１次電流を抵抗３１，３
０，２９で検出し、その検出信号により定電流制御回路
５００で１次電流が所定電流に達しているか否かを判断
し、所定電流に達した場合はトランジスタ８を０Ｎ方向
のアナログ的に動作させ、トランジスタ９をＯＮ方向に
アナログ的に動作させることにより、パワートランジス
タ１０のベース電流を減少させて、点火コイル６００の
１次電流が所定値になるように定電流制御を行つている
。

なお、上記実施例においては、定電流制御回路５００に
より点火コイル６００の１次電流を所定値に制限するよ
うにしたが、この一定電流は基準時間パルス発生回路２
００の基準時間パルスのパルス幅とほぼ一致する時間の
み流れ、定電流制御回路５００を用いなくとも１次電流
のピーク値もある程度均一化できるものであるため、定
電流制御回路５００は省略することもてきる。第３図は
本発明の第２実施例を示すもので、上記第１実施例に対
し、マルチコレクタのトランジスタ３０１を用い、トラ
ンジスタ３０８，３０９および抵抗３１９より構成され
る補正回路３９５を追加し、定電流制御回路５００より
点火コイル７６００の１次電流を所定値に制限している
期間のパルス（定電流制御時間パルス）を出力するよう
にしたものである。

第２図Ｒに点火コイル６００の１次電圧波形を、第２図
Ｓに点火コイル６００の１次電流波形を、第２図Ｕに定
電流制御時間パフルス（Ｔ７）を示す。通電時間決定回
路３００は定電流制御回路５００からの定電流制御時間
パルスにより第２図Ｕ（７）Ｔ７期間トランジスタ３０
９がＯＮし、抵抗３１９を介してコンデンサ３２０を充
電する。したがつて、Ｍ点の電圧は定電流制御ノ時間パ
ルスのパルス幅の増加に応じて上昇し、第２図０に示す
パルスＴ５が基準時間パルス発生回路の基準時間パルス
（第２図Ｌ（７）Ｔ４）よりパルス幅は短くなる。

すなわち、点火コイル６００の１次電流通電時間が短か
くなり定電流制御時間パルスのパルス幅Ｔ７が短くなる
。すなわち、定電流制御時間パルスを通電時間決定回路
３００にフィードバックすることにより、通電時間決定
回路３００のＭ点の積分電圧を補正し、点火コイル６０
の１次電流通電時間を定電流制御時間が短くなるように
補正している。なお、上述した第２実施例においては、
補正回路３９５により通電時間決定回路３００における
積分回路３９０の積分電圧を補正して、点火コイル６０
０の１次電流通電時間を、定電流制御時間に応じて補正
するようにしたが、補正回路３９５により三角波発生回
路１００における直流出力発生回路１８５のコンデンサ
１７１の充電電圧を補正して、三角波発生用のコンデン
サ１７２の三角波電圧の傾斜を変化させ、それより定電
流制御時間に応じて点火コイル６００の１次電流通電時
間を補正するようにしてもよい。

次に、第４図にいて上記第２実施例に用いられる定電流
制御回路の一実施例について説明する。

第４図に示すＵ−Ｙの各端子は第３図に示す回路図中の
Ｕ−Ｙの各端子に接続される。第４図において、５０１
〜５１３はトランジスタ、５２０〜５２３はダイオード
、５３１〜５５１は抵抗、５２５はコンデンサである。
次に、その作動について説明する。

抵抗５４．牡ダイオード５２３、抵抗５４５、トランジ
スタ５１０，５０９、抵抗５４２，５４１にて点火コイ
ル６００の１次電流値と比較するための基準電圧を作り
、この電圧は抵抗５４０を介してトランジスタ５０８の
ベースに印加される。点火コイ，ル６００の一次電流値
を検出した検出電圧が端子Ｗを介してトランジスタ５０
３のベースに印加される。したがつて、点火コイル６０
０の一次電流が流れ始めると、前記検出電圧は点火コイ
ル６００の一次電流値に比例して上昇し、前記基準電圧
・に検出電圧が達するとトランジスタ５０３は０ＦＦ方
向にアナログ的に動作し、トランジスタ５０４は０Ｎ方
向にアナログ的に動作する。したがつてトランジスタ５
０７はＣＦＦ側に移動し、トランジスタ５０７のコレク
タ電圧は上昇する。このコレクタ電圧の上昇に伴い、端
子■を介して第３図に示す回路中のトランジスタ８，９
が０Ｎ側に移行し、パワートランジスタ１０のベース電
流が減少し点火コイル６００の一次電流を所定値の制限
する。また、第４図において、トランジスタ５０７のコ
レクタ電圧の上昇によりトランジスタ５１１が０Ｎとな
り、トランジスタ５１２がＯＮ１トランジスタ５１３が
０ＦＦとなつて定電流ノ制御している期間のペルス（定
電流制御時間パルス）を端子Ｕに出力する。抵抗５３１
，５３３）ダイオード５２１，５２２、抵抗５３２、ダ
イオード５２０、抵抗５３４、トランジスタ５０２、抵
抗５５１にて電源電圧が低下した場合にトラン・ジスタ
５０８のベース電位である基準電圧が低下しても一定値
となるように補正している。すなわち、電源電圧が抵下
しても点火コイル６００の一次電流を定電流制御する制
御値が変わらないようにしている。なお、上述した各実
施例においては、基準時間パルス発生回路２００を、点
火入力信号の点火タイミングａとほぼ同じタイミングに
よりトリガするようにしたが、この基準時間パルス発生
回路２００は点火１サイクルごとに、即ち１回に点火に
対し１回トリガされて基準時間パルスを発生すればよい
ものであるため、点火入力信号の点火タイミングａでは
ない側のタイミング（第２図Ａ（７）ｂのタイミング）
でトリガしたり、また、点火入力信号を得るために電子
式点火時期制御装置を有するものにおいては、この電子
式点火時期制御装置に用いられる気筒検出用センサから
の、各気筒の基準位置にて発生する基準信号によりトリ
ガするようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上述べたように本願の第１番目の発明においては、基
準時間パルス発生回路の基準時間パルスを積分して得ら
れる、この基準時間パルスのパルス幅に比例した積分回
路の積分電圧と、点火入力信号に同期して三角波発生回
路の発生するピーク電圧が一定となる三角波電圧とを比
較回路により比較して、点火コイルの一次電流通電時間
が基準時間パルス発生回路の基準時間パルスて決まる電
源電圧に応じた一定時間に直接的に制御されるから、従
来の点火コイルの一次電流通電時間と基準時間パルス発
生回路の基準時間パルスのパルス幅とを比較してその差
が最小となるように負帰還制御（閉ループ制御）するこ
とにより、点火コイルの一次電流通電時間を直接的に制
御するものが、負帰還の帰還量が点火コイルの一次電流
通電時間の特性に大きく影響し、点火コイルの一次電流
通電時間が所望時間より長くなつたり、ハンチングが生
じたりする問題があるのに対し、本願の第１番目の発明
の構成は閉ループ制御であるから、点火コイルの一次電
流通電時間を精度よく、かつハンチングが起こることな
く制御することができると共に、回路を構成する部品の
バラツキ等により点火コイルの一次電流通電時間の特性
が大きく影響されることもない、すなわち閉ループ制御
で発生する問題をすべて解消することができるという優
れた効果がある。

また、従来の機関回転数に反比例して点火コイルの一次
電流非通電時間を変化させて、点火コイルの一次電流通
電時間を間接的に制御するものが、非通電時間を低速か
ら高速まて正確に制御することが制御幅が広すぎること
によつて困難であるという問題があるのに対し、本願の
第１番目の発明によれば、点火コイルの通電時間を基準
時間パルス発生回路の基準時間パルスで決まる電源電圧
に応じた一定時間に直接的に制御することができるから
、通電時間を電源電圧に応じた一定時間に精度よく制御
することができるという優れた効果がある。さらに、本
願の第１番目の発明においては、三角波発生回路て発生
する三角波電圧のピーク電圧値とほぼ同じ電圧て基準時
間パルス発生回路の基準時間パルスの波高値をクランプ
し、このクランプした基準時間パルスを積分して上記三
角波電圧と比較し、点火コイルの１次電流通電時間を決
定するパルス出力を発生させるから、このパルス出力幅
は基準パルス発生回路の基準時間パルスのパルス幅どほ
ぼ一致し、従つて、点火コイルの一次電流通電時間の設
定が容易であると共に、基準時間パルス発生回路の基準
時間パルスは実際の一次電流通電時間と比較する必要が
ないため点火１サイクルごとに発生すればよいから、基
準時間パルス発生回路のトリガ回路の設計自由度が増す
という優れた効果がある。

さらに、本願の第２番目の発明においては、点火コイル
の一次電流を定電流制御する定電流制御回路と、この定
電流制御回路からの定電流制御時間パルスのパルス幅に
応じて、積分回路の積分時間あるいは三角波発生回路の
三角波電圧の傾斜を補正する補正回路とを備えるから、
基本となる閉角度は基準時間パルス発生回路で発生回路
て発生する基準時間パルスで決まるため、基準時間パル
スのパルス幅を点火コイルの１次電流が所定値に達する
までの時間を模擬して決定しておくことにより、点火コ
イルー次電流の定電流制御時間を極力短くすることがで
き、従つて通電時間決定回路に定電流制御時間を帰還し
て点火コイルの一次電流通電時間を補正する補正範囲は
、従来の点火コイルの一次電流通電時間と基準時間パル
スとの差が最小となるように負帰還制御するものや、機
間回転数に反比例して点火コイルの一次電流非通電時間
を変化させるものに比べ狭くてよい、すなわち点火コイ
ルー次電流通電時間の補正範囲が狭いので回路定数のバ
ラツキ等により定電流制御時間の帰還量が変化しても、
点火コイルの一次電流通電時間のハンチング等は起こり
にくいという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の第１実施例を示す電気回路図、第
２図は第１図図示装置の作動説明に供する各部波形図、
第３図は本発明装置の第２実施例”を示す電気回路図、
第４図は第３図図示装置における定電流制御回路を詳細
に示す電気回路図である。 １００・・・・・・三角波発生回路、１７２・・・・・
・三角波発生用のコンデンサ、１８５・・・・・・直流
出力発生回・路、１９０・・・・・・リセット回路、２
００・・・・・・基準時間パルス発生回路、３００・・
・・・・通電時間決定回路、３５０・・・・・・比較回
路、３８０・・・・・・クランプ回路、３９０・・・・
・・積分回路、３９５・・・・・・補正回路、５００・
・・・・・定電流制御回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 点火時期が決定されている点火入力信号に同期して
   、ピーク電圧値が一定となる三角波電圧を発生する三角
   波発生回路と、点火１サイクルごとに電源電圧で決まる
   一定時間幅の基準時間パルスを発生する基準時間パルス
   発生回路と、前記三角波発生回路の三角波電圧と前記基
   準時間パルス発生回路の基準時間パルスとが入力され、
   点火コイル１次電流電通時間を、前記基準時間パルス発
   生回路の基準時間パルスで決まる電源電圧に応じた一定
   時間にすべく点火コイルの１次電流通電時間を制御する
   通電時間決定回路とを備え、この通電時間決定回路は、
   前記基準時間パルス発生回路の基準時間パルスの波高値
   を前記三角波発生回路で発生する三角波電圧のピーク値
   とほぼ同じ電圧でクランプするクランプ回路と、このク
   ランプした基準時間パルスを積分する積分回路と、この
   積分した電圧と前記三角波電圧とを比較して前記点火コ
   イルの１次電流通電時間を前記基準時間パルス発生回路
   の基準時間パルスで決まる電源電圧に応じた一定時間に
   するためのパルス出力を発生する比較回路とを含んでな
   ることを特徴とする内燃機関用点火装置。 ２ 前記三角波発生回路は、機関回転数にほぼ比例した
   直流出力を発生する直流出力発生回路と、この直流出力
   発生回路の出力により充電される三角波発生回路のコン
   デンサと、前記点火入力信号で決まる点火タイミングと
   ほぼ同じタイミングにより前記コンデンサの充電電荷を
   瞬時にリセットするリセット回路とを含んでなり、前記
   直流出力発生回路と前記積分回路とは別回路により構成
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の内燃機関用点火装置。 ３ 前記基準時間パルス発生回路は前記点火入力信号に
   よりトリガされるものであることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項あるいは第２記載の内燃機関用点火装置。 ４ 点火時期が決定されている点火入力信号に同期して
   、ピーク電圧値が一定となる三角波電圧を発生する三角
   波発生回路と、点火１サイクルごとに電源電圧で決まる
   一定時間幅の基準時間パルスを発生する基準時間パルス
   発生回路と、点火コイルの１次電流電を定電流制御する
   定電流制御回路と、前記三角波発生回路の三角波電圧と
   前記基準時間パルス発生回路の基準時間パルスと前記定
   電流制御回路からの定電流制御時間パルスとが入力され
   る通電時間決定回路とを備え、おの通電時間決定回路は
   、前記基準時間パルス発生回路の基準時間パルスの波高
   値を前記三角波発生回路で発生する三角波電圧のピーク
   値とほぼ同じ電圧クランプするクランプ回路と、このク
   ランプした基準時間パルスを積分する積分回路と、この
   積分した電圧と前記三角波電圧とを比較して前記点火コ
   イルの１次電流通電時間を制御するためのパルス出力を
   発生ずる比較回路と、前記定電流制御回路からの定電流
   制御時間パルスのパルス幅に応じて、前記積分回路の積
   分電圧あるいは前記三角波発生回路の三角波電圧の傾斜
   を補正する補正回路とを含んでなることを特徴とする内
   燃機関用点火装置。