JP2010106702A - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン電流を検出する装置の部品点数を削減し、低コストかつコンパクトに燃焼状態を精度よく検出する。これにより、内燃機関効率を最大限までに引上げることを可能にする。
【解決手段】燃焼室内の混合気に着火するための飛火放電を発生する点火プラグ2と、点火プラグ2で飛火放電を発生させるための高電圧を供給する点火コイル1と、点火コイル1を駆動する信号を供給するECU3とを備え、ECU3からの駆動信号に応じて点火コイル1の1次巻線に流れる1次電流通電時の電磁誘導による起電力(2次電圧)を点火プラグ2に印加することで、燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、それに基づいて、燃焼室内の燃焼状態を検出する。
【選択図】図2

Description

この発明は内燃機関の燃焼状態検出装置に関し、特に、内燃機関の燃焼時に生じるイオン量の変化を検出することにより、内燃機関の燃焼状態を検出するための内燃機関の燃焼状態検出装置に関する。
近年、環境保全、燃料枯渇の問題が提起されており、自動車業界においても、これらの問題への対応が大きな課題となっている。
その対応策として、内燃機関効率を最大限までに引上げようとする技術が多く開発されているが、このためには燃焼状態を把握する必要があり、燃焼状態を検出できる装置へのニーズが急激に高まっている。
従来の燃焼状態を検出できる装置として、例えば特許文献1に示す装置が提案されている。これは燃焼室内で燃焼に応じて発生するイオンを電流の形態で検出する装置であって、検出されたイオン電流を利用して燃焼状態を判断する装置である。
特許第3753290号公報
イオン電流を検出するためには燃焼室内に設置される検出プローブに高電圧を印加する必要があり、この高電圧を生成する手段としてツェナーダイオードとコンデンサが使用されている。
特許文献1に示すように、これらのツェナーダイオードとコンデンサは点火コイルの2次巻線低圧側に接続されるが、相応の耐電圧や容量が必要となるため、部品として大きくなってしまい、また、相応のコストが必要となる点から、コンパクト化、低コスト化の障壁となっているという問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、低コストかつコンパクトに燃焼状態を精度よく検出し、内燃機関を効率よく運転することを可能にする内燃機関の燃焼状態検出装置を提供することを目的とする。
この発明は、燃焼室内の混合気に着火するための飛火放電を発生する点火プラグと、前記点火プラグにおいて前記飛火放電を発生させるための高電圧を供給する点火コイルと、前記点火コイルを駆動するための駆動信号を供給する点火制御手段と、前記燃焼室内に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、前記イオン電流の検出値に基づいて、前記点火プラグにおける燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段とを備え、前記点火コイルに供給する前記駆動信号に応じて前記点火コイルの1次巻線に流れる1次電流の通電時の電磁誘導によって前記点火コイルの2次巻線に発生する起電力を前記点火プラグに印加することで、燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、当該イオン電流の検出値に基づいて、前記点火プラグにおける燃焼状態を検出する内燃機関の燃焼状態検出装置である。
この発明は、燃焼室内の混合気に着火するための飛火放電を発生する点火プラグと、前記点火プラグにおいて前記飛火放電を発生させるための高電圧を供給する点火コイルと、前記点火コイルを駆動するための駆動信号を供給する点火制御手段と、前記燃焼室内に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、前記イオン電流の検出値に基づいて、前記点火プラグにおける燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段とを備え、前記点火コイルに供給する前記駆動信号に応じて前記点火コイルの1次巻線に流れる1次電流の通電時の電磁誘導によって前記点火コイルの2次巻線に発生する起電力を前記点火プラグに印加することで、燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、当該イオン電流の検出値に基づいて、前記点火プラグにおける燃焼状態を検出する内燃機関の燃焼状態検出装置であるので、低コストかつコンパクトに燃焼状態を精度よく検出し、内燃機関を効率よく運転することを可能にする。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の全体構成の一例を示す図である。図1において、1は点火プラグに高電圧を供給する点火コイル、2は点火コイル1からの高電圧により燃焼室内の混合気に着火するための飛火放電を発生する点火プラグ、3は点火コイル1を駆動するための信号を供給して、エンジンの制御を行うエンジンコントロールユニット(以下、ECUとする。)である。また、4はECU3から点火コイル1への通電信号が送信される経路で、5は点火プラグ2からECU3へのイオン電流が流れる経路である。
図1の構成において、点火コイル1は、点火プラグ2に燃焼室内の混合気に着火するための飛花放電を発生させるための高電圧を生成する装置であるが、当該機能だけでなく、イオン電流を検出するための電圧を生成する装置と、検出したイオン電流信号を増幅して出力する装置(増幅回路24)とを含んでいる。
点火プラグ2は、燃焼室内の混合気に着火するための飛花放電を発生する装置であるが、当該機能だけでなく、イオン電流を検出するための検出プローブの役割(イオン電流検出手段)も持っている。
ECU3は、図4に示すように、点火コイル1を駆動するための信号を供給する点火制御手段40を有して、エンジンの制御を担うとともに、内燃機関の燃焼時に発生するイオン量の変化を示すイオン電流信号を処理して点火プラグ2における燃焼状態を判断する燃焼状態検出手段43も搭載している。点火制御手段40は、点火コイル1に対する駆動信号として、燃焼室内の混合気に着火するための第1の通電信号を供給する第1通電手段41と、燃焼室内のイオン電流を検出するための第2の通電信号を供給する第2通電手段42とを備えている。
図2は本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置における装置回路の一例を示す図である。図2において、21は点火コイル1内の1次巻線、22は点火コイル1内の2次巻線、23は1次巻線21に流れる1次電流、24は増幅回路である。なお、符号1〜5は、図1の構成と同一のものであるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。ただし、図2において、ECU3が複数個図示されているが、これは図の信号の流れをわかりやすく簡潔に示すためで、当然のことながら、実際には、ECU3は単数個設けられていることとする。
図2の回路図を用いて、本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の動作について説明する。
ECU3より経路4を介して点火コイル1へ通電信号が供給されると、点火コイル1内の1次巻線21に1次電流23が流れる。これに応じて点火コイル1内の2次巻線22に電磁誘導による2次電圧が発生する。
次に、当該2次電圧が点火プラグ2の電極に印加される。このとき、点火プラグ2の放電によりイオンが発生して、点火プラグ2の電極近傍にイオンが存在していれば、当該イオンを含むイオン電流が点火プラグ2で検出される。検出されたイオン電流信号は、2次巻線22を介して、増幅回路24に入力されて増幅される。増幅されたイオン電流信号は、経路5を介して、ECU3へと伝達される。ECU3は、伝達されたイオン電流信号に基づいて、燃焼室内の燃焼の状態を判断する。具体的には、イオン電流信号の値と予め設定されたイオン電流検出用閾値(図3の符号301参照)とを比較して、燃焼の状態を検出する。
図3のタイミングチャートを用いてイオン電流を検出する方法を説明する。図3において、50は、ECU3から点火コイル1に供給される駆動信号(点火信号)、23は、図2に示した、1次巻線21に流れる1次電流、52は点火プラグ2に印加される2次電圧、53はイオン電流である。
図3に示す例では、所定のクランク角のタイミング31(以下、クランク角タイミングとする。)にて、燃焼室内の混合気燃料に着火させることを目的として、ECU3の第1通電手段41により、点火コイル1への1回目の通電(第1の通電信号)が開始される。このときの2次電圧は、図3のように、クランク角タイミング31で急激に大きくなる。従って、この時点からイオン電流の検出が可能となるが、通常はこの時点では燃焼室内に燃焼は発生しておらず、従ってイオンの発生は無い。すなわち、イオン電流53の値も、図3に示すように、この時点ではゼロである。
クランク角タイミング31から以降、クランク角タイミング32までは、2次電圧は図3に示すように徐々に低下していく。
そこで、所定のクランク角タイミング32で、ECU3の第1通電手段41により、点火コイル1への1回目の通電(第1の通電信号)が遮断されると、負側に大きな2次電圧が発生し、点火プラグ2の電極で飛火放電が発生する。ここで、この1回目の飛火放電は燃焼室内の燃料に着火するための主の飛火放電であるという点に注意が必要である。この飛火放電中は負側の電圧が点火プラグ2の電極に印加されているので、イオン電流を検出することができない。
なお、第1通電手段41は、この1回目の通電期間(通電信号の供給期間)37、すなわち、クランク角タイミング31からクランク角タイミング32までの期間は、各運転条件毎に設定するようにする。
次に、クランク角タイミング33で、今度は、燃焼室内のイオン電流の検出を目的として、ECU3の第2通電手段により、点火コイル1への2回目の通電(第2の通電信号)を開始する。これにより、電磁誘導による2次電圧が点火プラグ2に印加され、従って、クランク角タイミング33からクランク角タイミング34までの期間38に発生するイオン電流53を検出できるようになる。
なお、この2回目の通電開始のタイミング(すなわち、クランク角タイミング33)は、燃焼性を確保できる飛火放電期間の最小値と同程度となるように各運転条件毎に設定する。
ただし、1回目の通電遮断(すなわち、クランク角タイミング32)から、2回目の通電開始(クランク角タイミング33)までの間隔が短くなりすぎると、電磁誘導による2次電圧が小さく場合があり、イオン電流を検出するための十分な電圧を供給できなくなるので、この間隔には下限閾値を設けておき、当該下限閾値よりも大きい値に設定する。このように、好ましくは、第2通電手段42は、第1通電手段41による第1の通電信号の供給終了時点から、運転条件毎に設定される所定期間経過後に、第2の通電信号の供給を開始するようにする。
もしくは、要求される放電期間の短い運転条件では1回目の通電期間をより短くなるように設定すると、1回目の通電遮断(クランク角タイミング32)から2回目の通電開始(クランク角タイミング33)までの間隔が短くても、電磁誘導による2次電圧が小さくなることを抑止することできるので、イオン電流の検出性を維持できる。
イオン電流の検出精度を向上するためには、十分な2次電圧を点火プラグ2に印加することが必要である。本実施の形態1では、100V程度が検出精度を確保するのに必要な2次電圧であると想定している。
クランク角タイミング33以降は、図3に示すように、2次電圧は徐々に低下してしまうので、2次電圧が低下しきる前のクランク角タイミング35で、ECU3の第2通電手段42は、2回目の通電(第2の通電信号)の遮断を実施し、必要であれば、クランク角タイミング302で、3回目の通電を実施する。なお、この場合の3回目の通電も、2回目の通電と同様の、燃焼室内のイオン電流の検出を目的とする、ECU3の第2通電手段42による、点火コイル1への通電(第2の通電信号)である。このように、燃焼室内のイオン電流の検出を目的とする点火コイル1への通電は、少なくとも1回以上供給され、その供給回数は必要に応じて適宜決定する。
ここで飛火放電期間の短い点火動作を繰返すと、図3に示すように1次電流23の値が徐々に増加していく。点火コイル1は、この保護のために、1次電流23の上限を制限する1次電流制限機能を含む場合がある。この1次電流制限機能がある場合には、最終的には、この機能に設定された制限値で1次電流23の値は一定となる。1次電流23の値が一定となると、電磁誘導による2次電圧が発生しなくなるため、イオン電流53の検出ができなくなってしまう。従って、1次電流23が制限値に当たらないように点火コイル1の通電期間/放電期間を適宜設定するようにする。もしくは、1次電流制限機能を取り外しておくか、あるいは、1次電流制限値を点火コイル1を保護できる範囲内で可能な高い値に設定しておく。本実施の形態1においては、14V程度を想定している。このように、点火コイル1は、1次巻線21に流れる1次電流を制限しないことが望ましい。
このようにして、ECU3の第2の通電手段42から点火コイル1に供給される信号に応じて点火コイル1の1次巻線21に流れる1次電流23の通電時の電磁誘導によって点火コイル1の2次巻線22に発生する2次電圧を点火プラグ2に印加することで、イオン電流53の変化量が点火プラグ2で検出される。検出されたイオン電流53は、増幅回路24で増幅されて、ECU3の燃焼状態検出手段43へと伝達される。ECU3の燃焼状態検出手段43は、当該イオン電流53の値に基づいて、燃焼室内の燃焼の状態を判定する。具体的には、イオン電流53の値とイオン電流検出用閾値301とを比較して、燃焼の状態を検出する。
以上のように、本実施の形態においては、燃焼室内の混合気に着火するための飛火放電を発生するとともに、燃焼室内に発生するイオン電流を検出する点火プラグ2と、点火プラグ2において飛火放電を発生させるための高電圧を供給する点火コイル1と、点火コイル1を駆動するための駆動信号を供給するとともにイオン電流の検出値に基づいて、点火プラグ2における燃焼状態を検出するECU3とを備え、点火コイル1に供給する信号に応じて点火コイル1の1次巻線21に流れる1次電流の通電時の電磁誘導によって点火コイル1の2次巻線22に発生する起電力(2次電圧)を点火プラグ2に印加することで、燃焼室内に発生したイオン電流を検出し、当該イオン電流の検出値に基づいて、点火プラグ2における燃焼状態を検出するようにしたので、イオン電流を検出する装置の部分点数を従来に比べて削減することができ、低コストかつコンパクトに装置を構成し、精度よく燃焼状態を検出することができる。これにより、内燃機関を効率よく運転し、内燃機関の効率を最大限までに引上げることを可能にするため、ひいては、燃料枯渇問題および環境保全に役立てることができるという効果が得られる。
また、ECU3に設けられた点火制御手段40は、点火コイル1に対して、燃焼室内の混合気に着火するための第1の通電信号を供給する第1通電手段41と、点火コイル1に対して、燃焼室内のイオン電流を検出するための第2の通電信号を供給する第2通電手段42とを備え、第2通電手段42は、イオン電流を検出するための第2の通電信号を、必要に応じて、少なくとも1回以上供給するようにしたので、容易にかつ任意の回数において、イオン電流を検出することができ、検出精度を向上させることができる。
この発明の燃焼状態検出装置は、内燃機関を利用する自動車、二輪車、船外機、他特機などに搭載され、内燃機関を効率良く運転できるようにし、燃料枯渇問題、環境保全に役立てられるものである。
本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置における装置構成図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置における装置回路図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置における信号のタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置に設けられたエンジンコントロールユニットの内部構成を示したブロック図である。
符号の説明
1 点火コイル、2 点火プラグ、3 エンジンコントロールユニット(ECU)、21 1次巻線、22 2次巻線、23 1次電流、24 増幅回路、40 点火制御手段、41 第1通電手段、42 第2通電手段、43 燃焼状態検出手段、50 駆動信号、52 2次電圧、53 イオン電流。

Claims (5)

  1. 燃焼室内の混合気に着火するための飛火放電を発生する点火プラグと、
    前記点火プラグにおいて前記飛火放電を発生させるための高電圧を供給する点火コイルと、
    前記点火コイルを駆動するための駆動信号を供給する点火制御手段と、
    前記燃焼室内に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、
    前記イオン電流の検出値に基づいて、前記点火プラグにおける燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と
    を備え、
    前記点火コイルに供給する前記駆動信号に応じて前記点火コイルの1次巻線に流れる1次電流の通電時の電磁誘導によって前記点火コイルの2次巻線に発生する起電力を前記点火プラグに印加することで、燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、当該イオン電流の検出値に基づいて、前記点火プラグにおける燃焼状態を検出する
    ことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
  2. 前記点火制御手段は、
    前記点火コイルに対して、前記駆動信号として、前記燃焼室内の混合気に着火するための第1の通電信号を供給する第1通電手段と、
    前記点火コイルに対して、前記駆動信号として、前記燃焼室内のイオン電流を検出するための第2の通電信号を供給する第2通電手段と
    を備え、
    前記第2通電手段は、前記イオン電流を検出するための前記第2の通電信号を少なくとも1回以上供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  3. 前記第2通電手段は、前記第1通電手段による第1の通電信号の供給終了時点から、運転条件毎に設定される所定期間経過後に、前記第2の通電信号の供給を開始する
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  4. 前記第1通電手段は、前記第1の通電信号の供給期間を運転条件毎に設定する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  5. 前記点火コイルは、前記1次巻線に流れる1次電流を制限しない
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
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