JP2002004996A - イオン電流検出装置 - Google Patents

イオン電流検出装置

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JP2002004996A JP2000184618A JP2000184618A JP2002004996A JP 2002004996 A JP2002004996 A JP 2002004996A JP 2000184618 A JP2000184618 A JP 2000184618A JP 2000184618 A JP2000184618 A JP 2000184618A JP 2002004996 A JP2002004996 A JP 2002004996A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 点火プラグの電極間への印加電圧を発生する
ための構成を低コストで実現すると共に、耐久信頼性が
高く、イオン電流を確実に発生させることができるイオ
ン電流検出装置を提供する。 【解決手段】 実施例のイオン電流検出装置1において
は、ECU19の指令によるトランジスタ17のオン・
オフにより、一次電流i1を通電開始することで、二次
巻線L2の両端に検出用高電圧を発生させている。そし
て、二次巻線L2に直列接続した検出抵抗21の一端の
電位Vrを用いてイオン電流を検出している。このよう
に、点火コイルで検出用高電圧を発生することから、高
価なコンデンサやツェナーダイオードを備える必要がな
いため、低コストで耐久信頼性の高いイオン電流検出装
置を構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車用
の内燃機関の燃焼状態を、点火プラグの電極間に流れる
イオン電流に基づいて検出するためのイオン電流検出装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン等に使用される内燃機関
においては、点火プラグによる火花放電により混合気が
燃焼すると、その燃焼に伴ってイオンが発生することか
ら、点火プラグの火花放電後にその点火プラグの電極間
に電圧を印加すると、イオン電流が流れる。そして、イ
オンの発生量は混合気の燃焼状態によって変化すること
から、このイオン電流を検出し、解析処理を行うことに
よって、失火検知やノッキング検出等を行うことができ
る。
【0003】従来より、このイオン電流を検出するため
のイオン電流検出装置としては、点火プラグによる火花
放電発生時に発生する火花放電電流(二次電流)により
コンデンサを一定電圧に充電し、火花放電後にこのコン
デンサを放電することで点火プラグの電極間に電圧を印
加し、この時流れるイオン電流を検出するものが主流で
ある(例えば、特開平4−191465号公報や特開平
10−238446号公報等)。なお、このようなイオ
ン電流検出装置では、コンデンサに並列にツェナーダイ
オードが備えられて、コンデンサが過充電により破壊さ
れるのを防ぐとともに、コンデンサの両端電圧を一定電
圧に制限している。
【0004】このように、コンデンサをイオン電流発生
用の電源として用いるイオン電流検出装置は、イオン電
流発生用としての専用電源装置を特に設ける必要が無く
なるため、部品点数が比較的少なくなると共に、小型化
が図れるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、イオン電流
を発生させるのに必要な電圧が数百[V]と高いため、
上記のイオン電流検出装置に用いるコンデンサとして、
高耐圧(耐電圧が数百[V]以上)のものを用いる必要
がある。
【0006】また、内燃機関において火花放電を発生さ
せるための点火用高電圧は数十[kV]以上と非常に高
電圧であり、火花放電時に点火プラグに流れる火花放電
電流は大電流となる。このため、ツェナーダイオードと
しては、瞬間的に発生する数十[W]の比較的大きな電
力(ツェナー電圧×火花放電電流)に耐えることができ
るものを用いる必要がある。さらに、ツェナーダイオー
ドとしては、充電時のコンデンサの両端電圧がイオン電
流を発生可能な電圧となるように、ツェナー電圧(降伏
電圧)の誤差の少ない信頼性の高いものを用いる必要が
ある。
【0007】このような高耐圧のコンデンサや大電力に
耐えられるツェナーダイオードは高価であることから、
上述のイオン電流検出装置はコストが高くなるという問
題がある。また、火花放電電流の一部を利用してコンデ
ンサに電荷を蓄えるにあたり、過度の電荷を蓄えようと
すると、その分火花放電電流が減少し、点火プラグによ
る点火性能が悪化する虞がある。そのために、過度に高
耐圧のコンデンサを使用することはできず、高電圧が印
加され、大電流が流れるという厳しい環境下で使用され
るイオン電流検出装置においては、コンデンサやツェナ
ーダイオードの破壊等が早期に発生し易く、耐久信頼性
に優れるものとは言い難い。
【0008】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、イオン電流を検出するにあたり、点火プラグ
の電極間へ印加する検出用電圧を発生するための構成を
低コストで、かつ耐久信頼性が高いもとのして実現する
ことができるイオン電流検出装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1記載の発明は、一次巻線および二
次巻線を有し、一次巻線に流れる一次電流を遮断するこ
とにより、二次巻線に点火用高電圧を発生する点火コイ
ルと、二次巻線と共に閉ループを形成するとともに、点
火用高電圧が印加されることにより、自身の電極間に火
花放電を点火プラグと、点火プラグの電極間に火花放電
が開始されてから、所定時間経過後に一次巻線に再通電
することにより、該火花放電を強制的に遮断するととも
に、二次巻線の両端に点火用高電圧とは逆極性の検出用
高電圧を発生させる検出用高電圧発生手段と、検出用高
電圧が点火プラグに印加されることにより、当該点火プ
ラグの電極間に流れるイオン電流を検出するイオン電流
検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】かかる構成のイオン電流検出装置では、点
火プラグによる火花放電が開始されてから、所定時間経
過後に一次巻線への通電を再開することにより、火花放
電を強制的に遮断するのに同期して、二次巻線の両端に
イオン電流を検出することができる大きさの検出用高電
圧を発生させる点が注目すべき点である。
【0011】点火コイルは、一次巻線に流れる一次電流
を遮断して急激に磁束密度を変化させることにより、点
火プラグによる火花放電の発生に必要な点火用高電圧を
二次巻線の両端に発生するように構成されている。ここ
で、点火用高電圧の供給に伴う点火プラグの火花放電中
に再度一次電流を通電すると、二次巻線にて発生した起
電力の消費に伴い低下する磁束が再び増えようとする。
それにより、点火コイルの二次巻線側では磁束が低下す
る状態を維持する方向に逆起電力が発生し、即ち二次巻
線の両端に点火用高電圧とは逆極性の電圧が発生して、
点火プラグによる火花放電が強制的に遮断されることに
なる。
【0012】このとき、点火プラグの火花放電中に一次
巻線に再通電することで二次巻線の両端に発生する電圧
は、上述したように点火用高電圧とは逆極性の電圧(検
出用高電圧)となる。そして、この逆極性の電圧をイオ
ン電流検出のための電源として用い、点火プラグに印加
することにより、点火プラグの電極間に流れるイオン電
流を検出することができるのである。
【0013】したがって、本発明(請求項1)では、イ
オン電流を検出するための検出用高電圧を発生させるに
あたり、火花放電電流の一部を利用して電荷を蓄えるコ
ンデンサやその充電電圧を規定するためのツェナーダイ
オードなど、イオン電流検出のための電源装置に相当す
るものを別途に備える必要がなくなる。つまり、本発明
(請求項1)のイオン電流検出装置によれば、イオン電
流を発生させるための電源を点火コイルを用いることで
有効に実現することができ、高耐圧のコンデンサやツェ
ナーダイオード等が不要となり、低コストでかつ耐久信
頼性の向上を達成することができる。
【0014】また、点火プラグの火花放電中における一
次巻線への再通電中には、二次巻線のインダクタンスL
(自己インダクタンス+一次巻線との相互インダクタン
ス)は小さくなる。そして電流経路(イオン電流の経
路)における静電容量Cとすると、点火コイルの減衰振
動の周波数fは〔数1〕のように表すことができる。
【0015】
【数1】
【0016】この〔数1〕において、二次巻線のインダ
クタンスLが小さくなると、減衰振動の周波数fが大き
くなる。つまり、一次巻線への再通電によりイオン電流
を発生させる場合には、二次巻線のインダクタンスLが
小さくなることから減衰振動の周波数fが大きくなり、
イオン電流が流れ始めた直後に発生する減衰振動が、短
時間で終了することになる。このため、本発明では、点
火プラグの火花放電中に一次巻線に再通電することによ
り、二次巻線の両端にイオン電流を検出するための検出
用高電圧を発生させる構成を図るが故に、イオン電流が
減衰振動の影響を受ける時間が非常に短くなる。したが
って、早期にイオン電流の検出を行うことが可能となる
とともに、ノイズの影響を抑えたイオン電流を検出する
ことができる時間が長くなり、イオン電流の検出精度が
向上する。
【0017】但し、本発明のイオン電流検出装置を構成
するにおいては、二次巻線の両端に発生する検出用高電
圧をイオン電流検出のための電源として利用するもので
あることから、検出用高電圧値としてはイオン電流を検
出することが可能なレベルであることが当然のことなが
ら必須となる。その一方、この検出用高電圧値として
は、一次巻線に再通電したときに、あらゆる運転条件下
において点火プラグにて火花放電が再度発生しないよう
なレベルに制限する必要がある。そして、このように二
次巻線の両端に発生する検出用高電圧値を上述した範囲
内にするには、内燃機関の性能を考慮して、一次巻線と
二次巻線との巻数比や一次巻線の抵抗値等を適宜調整し
ておくとよい。
【0018】また、点火プラグの電極間に火花放電が開
始してから、一次巻線に再通電するタイミングとして過
度に短い時間を設定した場合には、点火プラグによる点
火性能が悪化し、失火を招く可能性が高くなる。このた
め、内燃機関を正常に運転するために一次巻線に再通電
するタイミングとしては、点火プラグによる火花放電が
開始してから0.05〔ms〕以上経過した時期を設定
することが好ましい。
【0019】ここで、上述(請求項1)のイオン電流検
出装置においてイオン電流を検出するには、請求項2に
記載のように、イオン電流検出手段は、点火プラグおよ
び二次巻線と直列接続される検出用抵抗素子と、検出用
抵抗素子に並列接続され、点火用高電圧の発生時に流れ
る火花放電電流を流すことのみ許容する整流素子とを備
えており、検出用高電圧の印加により発生する前記検出
用抵抗素子の両端電圧に基づき、イオン電流を検出する
とよい。
【0020】このように整流素子と検出用抵抗素子とを
備えることで、点火用高電圧により発生する火花放電電
流は整流素子を流れ、検出用高電圧により発生するイオ
ン電流は検出用抵抗素子を流れることになる。そして検
出用抵抗素子の抵抗値を一定値(固定値)とすることに
より、検出用抵抗素子の両端電圧は流れるイオン電流の
大きさに応じて変化するため、検出用抵抗素子の両端電
圧と抵抗値とに基づいて、イオン電流の大きさを検出す
ることができる。
【0021】また、点火用高電圧の発生時に流れる火花
放電電流を流すことのみ許容する整流素子を、検出用抵
抗素子に並列接続することで、点火用高電圧の発生時に
火花放電電流が流れる放電電流経路において、検出用抵
抗素子による放電電流経路の抵抗値の上昇を抑えること
ができる。これにより、火花放電電流の損失を抑えるこ
とができ、さらに本発明では火花放電電流を利用して電
荷を蓄えるイオン電流検出用電源としてのコンデンサが
不要となり、コンデンサによる火花放電電流の減少を抑
えることもできるので、点火プラグによる点火性能の低
下がなく、失火の発生をより抑制することができる。
【0022】ところで、二次巻線の両端にイオン電流を
検出するための検出用高電圧を発生させるべく、一次巻
線に再通電を行う手法としては、例えば、一次巻線に直
列接続され、点火用高電圧の発生のために一次巻線に流
れる一次電流を通電・遮断するスイッチング手段を、再
通電時においてもスイッチング駆動制御することが考え
られる。この手法であれば、1つのスイッチング手段を
用いて、点火用高電圧と検出用高電圧との両者を発生さ
せることができ、部品点数を抑えることができる。しか
し、この手法では、内燃機関の運転中における1つのス
イッチング手段に対する通電時間が長くなりがちで発熱
量が大きくなるために、発熱によりスイッチング手段が
破壊されてしまう可能性がある。
【0023】そこで、上述(請求項1または請求項2)
のイオン電流検出装置においては、請求項3に記載のよ
うに、点火コイルの一次巻線に直列接続され、一次巻線
に流れる一次電流を通電・遮断する第1スイッチング手
段と、第1スイッチング手段に並列接続され、二次巻線
の両端に検出用高電圧を発生させるために一次巻線に再
通電を行う第2スイッチング手段とを備えるとよい。
【0024】このように、点火用高電圧と検出用高電圧
を発生させるためのスイッチング手段を分担させること
により、1つのスイッチング手段に対する通電時間を短
縮させることができ、スイッチング手段の過剰な発熱を
抑えることができる。なお、第1スイッチング手段及び
第2スイッチング手段としては、具体的にパワートラン
ジスタやFET等の半導体素子からなるスイッチング素
子等を挙げることができる。
【0025】ところで、内燃機関における混合気の燃焼
状態は、内燃機関の運転状態によって変化するものであ
り、例えば、低回転低負荷時には混合気の燃焼は緩慢に
進行し、高回転高負荷時には混合気の燃焼は比較的迅速
に進行する。そして、混合気の燃焼に伴い発生するイオ
ンの発生状態も、内燃機関の運転状態によって変化して
おり、低回転低負荷時には発生密度が低く発生期間が長
くなり、高回転高負荷時には発生密度が高く発生期間が
短くなる。
【0026】そこで、上述(請求項1から請求項3のい
ずれか)のイオン電流検出装置においては、請求項4に
記載のように、検出用高電圧発生手段は、前記一次巻線
に再通電することにより、前記二次巻線の両端に前記検
出用高電圧を発生させる時期を、内燃機関の運転状態に
基づいて設定する運転状態検出手段を備えるとよい。
【0027】つまり、内燃機関の低回転低負荷時は、混
合気の燃焼が緩慢に進むことから、火花放電の持続時間
を長く設定して火花エネルギを大きくすることが望まし
く、その一方で、イオンの発生期間も長いために、点火
プラグによる火花放電を遮断して二次巻線の両端に検出
用高電圧を発生させる時期が遅くなる場合にも、イオン
電流を検出することができる。また、内燃機関の高回転
高負荷時は、混合気の燃焼が比較的迅速に進むことか
ら、火花放電の持続時間を短く設定して火花エネルギを
小さくしても良好な点火性能を得ることができ、その一
方で、イオンの発生期間は短いため、点火プラグによる
火花放電を遮断して二次巻線の両端に検出用高電圧を発
生させる時期が早くなるので、イオン電流を確実に検出
することができる。
【0028】したがって、本発明(請求項4)のイオン
電流検出装置によれば、内燃機関の運転状態に応じた適
切な時期にイオン電流を検出するための検出用高電圧を
発生させることで、混合気への着火性を良好に維持しつ
つ、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
さらに、内燃機関の運転状態に基づいて、点火プラグに
よる火花放電を遮断するタイミング(換言すれば、二次
巻線の両端に検出用高電圧を発生させるタイミング)を
変化させることで、イオン電流の検出精度を高めつつ、
点火プラグに供給される火花エネルギを混合気の燃焼に
必要な量に制御することができ、点火プラグの電極消耗
を抑制する効果を得ることもできる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面と
共に説明する。まず、図1は、第1実施例のイオン電流
検出装置の構成を表す電気回路図である。なお、本実施
例では、1気筒分について説明を行うが、本発明は複数
の気筒を備える内燃機関についても適用でき、各気筒毎
のイオン電流検出装置の基本構成は同様である。
【0030】図1に示すように、本実施例のイオン電流
検出装置1は、定電圧(例えば電圧12[V])を出力
する電源装置(バッテリ)11と、内燃機関の気筒に設
けられた点火プラグ13と、一次巻線L1と二次巻線L
2とからなり、点火用高電圧を発生する点火コイル15
と、一次巻線L1と直列接続されたnpn型パワートラ
ンジスタから成るトランジスタ17と、トランジスタ1
7を駆動制御するための第1指令信号Saを出力する電
子制御装置(以下、ECUと呼ぶ)19と、二次巻線L
2と直列に接続される検出抵抗21と、検出抵抗21に
並列接続されるダイオード23と、検出抵抗21の一端
の電位Vr(イオン電流値×検出抵抗値)を用いてイオ
ン電流を検出する検出回路25と、を備えている。
【0031】これらのうち、トランジスタ17は、点火
コイル15の一次巻線L1への通電・遮断をECU19
からの第1指令信号Saに基づいてスイッチング駆動さ
れる半導体素子からなるスイッチング素子であり、本実
施例の内燃機関に備えられる点火装置はフルトランジス
タ型点火装置である。
【0032】そして、一次巻線L1は、一端が電源装置
11の正極に接続され、他端がトランジスタ17のコレ
クタに接続されており、二次巻線L2は、一端が検出抵
抗21を介して電源装置11の負極と同電位のグランド
に接続され、他端が点火プラグ13の中心電極13aに
接続されている。
【0033】また、ダイオード23は、アノードが二次
巻線L2と検出抵抗21との接続点に接続され、カソー
ドが電源装置11の負極と導電位のグランドに接続され
て、検出抵抗21に並列接続されている。そして、二次
巻線L2と検出抵抗21との接続点は、検出回路25の
入力端子に接続されている。
【0034】さらに、点火プラグ13において、中心電
極13aと対向して火花放電を発生させる火花放電ギャ
ップを形成する接地電極13bは、電源装置11の負極
と同電位のグランドに接地されており、トランジスタ1
7は、ベースがECU19の第1指令信号Saの出力端
子に接続され、エミッタが電源装置11の負極と導電位
のグランドに接地されている。
【0035】そして、ECU19から出力される第1指
令信号Saがローレベル(一般にグランド電位)である
場合には、ベース電流ibが流れずトランジスタ17は
オフ状態(遮断状態)となり、トランジスタ17によっ
て一次巻線L1に電流(一次電流i1)が流れることは
ない。また、ECU19から出力される第1指令信号S
aがハイレベル(一般に電源電圧Vc)である場合に
は、ベース電流ibが流れてトランジスタ17はオン状
態(通電状態)となり、トランジスタ17によって一次
巻線L1に電流(一次電流i1)が流れる。
【0036】このため、第1指令信号Saがハイレベル
であり一次巻線L1に一次電流i1が流れている状態
で、第1指令信号Saがローレベルになると、トランジ
スタ17がオフ状態となり、一次巻線L1への一次電流
i1の通電が停止される。すると、点火コイル15にお
ける磁束密度が急激に変化して、二次巻線L2に点火用
高電圧が発生し、これが点火プラグ13に印加されるこ
とで、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放
電が発生する。
【0037】尚、点火コイル15は、一次巻線L1への
通電・遮断により、二次巻線L2における点火プラグ1
3の中心電極13a側にグランド電位よりも低い負極性
の点火用高電圧を発生するように構成されており、この
点火用高電圧の供給により点火プラグの電極13a−1
3b間に火花放電が発生する。そして、火花放電に伴い
二次巻線L2に流れる二次電流(火花放電電流)i2
は、点火プラグ13の中心電極13aから二次巻線L
2、ダイオード23を通り、グランドを介して接地電極
13bに流れる。
【0038】また、点火プラグによる火花放電中は、第
1指令信号Saがローレベルであり一次巻線L1に一次
電流i1が流れていない状態にあるが、第1指令信号S
aがハイレベルになると、トランジスタ17が再度オン
状態となり、一次巻線L1への一次電流i1の再通電が
開始される。すると、二次巻線L2にて発生した起電力
の消費に伴い低下する磁束が再び増えようとし、二次巻
線L2側では低下する状態を維持する方向に逆起電力が
発生する。それにより、点火コイル15の二次巻線L2
の両端に、点火用高電圧とは逆極性で点火用高電圧より
も低い電圧(以下、検出用高電圧ともいう)が発生す
る。なお、このとき点火プラグ13による火花放電は強
制的に遮断される。
【0039】一次巻線L1への再通電により二次巻線L
2の両端にこの検出用高電圧が発生した時に、点火プラ
グ13の電極13a−13b間にイオンが存在している
と、二次巻線L2から点火プラグ13を通り、グラン
ド、検出抵抗21を通じて二次巻線L2に至る経路に電
流(イオン電流io)が流れる。そして、イオン電流i
oが発生すると、イオン電流ioの大きさに比例した電
圧が検出抵抗21の両端に発生して、電位Vrがイオン
電流ioの大きさに比例して変化し、検出回路25は、
検出した電位Vrに基づき、イオン電流信号SiをEC
U19に出力する。このとき、検出回路25は、ECU
19の入力端子の入力レンジに応じた範囲内で電位Vr
と同様の変化を示し、かつ電位Vrとは正負が反転した
信号を、イオン電流信号Siとして出力する。
【0040】なお、イオン電流ioは、ダイオード23
に印加される電圧が順方向ではなく逆方向となるため、
ダイオード23には流れず、検出抵抗21を通じて流れ
る。ここで、図1に示す回路図における第1指令信号S
a、一次巻線L1に流れる一次電流i1、点火プラグ1
3の中心電極13aの電位Vp、および、検出抵抗21
の一端の電位Vr(イオン電流)の各状態を表すタイム
チャートを図2に示す。
【0041】図2に示すように、時刻t1にて、第1指
令信号Saがローレベルからハイレベルに切り換わる
と、点火コイル15の一次巻線L1に電流(一次電流)
i1が流れ始め、これに伴う磁束密度の変化により二次
巻線L2の両端に電圧が発生し、点火プラグ13の中心
電極13aの電位Vpが正の値を示す。なお、このとき
二次巻線L2の両端に発生する電圧は数百[V]〜数千
[V]程度と低く、また、検出抵抗21での電圧降下も
発生するため、点火プラグ13の電極13a−13b間
に印加される電圧は、火花放電の発生に必要な電圧より
も低電圧となるため、火花放電は発生しない。
【0042】その後、予め設定された通電時間が経過し
た時刻t2にて、第1指令信号Saがハイレベルからロ
ーレベルに切り換わると、点火コイル15の一次巻線L
1への一次電流i1の通電が遮断され急激に磁束密度が
変化することになり、点火コイル15の二次巻線L2に
点火用高電圧(数十[kV]以上)が発生する。そし
て、点火プラグ13の中心電極13aに負極性の点火用
高電圧が印加されて、中心電極13aの電位Vpが急峻
に低下し、点火プラグ13の電極13a−13b間に火
花放電が発生して、二次巻線L2に二次電流i2が流れ
る。
【0043】このあと、時刻t3にて、第1指令信号S
aがローレベルからハイレベルに切り換わると、再び一
次巻線L1に電流(一次電流)i1が流れ始め、二次巻
線L2の両端に時刻t2とは逆極性の検出用高電圧が発
生し、この検出用高電圧が点火プラグ13の電極13a
−13b間に印加される。これにより、火花放電が強制
的に遮断され、それに同期して、点火プラグ13の電極
13a−13b間にイオンが存在すると、電極13a−
13b間にこのイオンの発生量に応じたイオン電流が流
れることになり、このイオン電流は、二次巻線L2から
検出抵抗21に流れる。なお、イオンは混合気(燃料)
の燃焼に伴う電離作用により発生するため、正常燃焼時
にはイオンが発生するが、失火時にイオンが発生するこ
とはない。
【0044】このあと、時刻t4になると第1指令信号
Saのレベルが緩やかに減少を開始し、時刻t5になる
と第1指令信号Saがローレベルとなる。このように、
緩やかに第1指令信号Saを減少させてトランジスタ1
7のベース電流ibを緩やかに減少させることにより、
トランジスタ17の電流増幅率の関係から、一次電流i
1が緩やかに減少する。これにより、一次電流i1を通
電遮断する場合に比べて、点火コイル15での単位時間
あたりの磁束密度の変化量が小さくなり、二次巻線L2
に発生する電圧が小さくなるため、二次巻線L2に点火
用高電圧が発生するのを抑えることができ、不適切な時
期における火花放電の発生を抑制することができる。
【0045】なお、図2に示すイオン電流は、正常燃焼
時の波形を示しており、時刻t3から時刻t4までの期
間において、イオンの発生量に比例したイオン電流が発
生していることが判る。また、検出抵抗21の両端電圧
の検出位置の関係から、図2に示すイオン電流波形が負
の値となるほど(図中下になるほど)、イオン電流が大
きくなることを表している。
【0046】次に、本イオン電流検出装置1のECU1
9において実行されるイオン電流検出処理について、図
3に示すフローチャートを用いて説明する。なお、EC
U19は、内燃機関の火花放電発生時期(点火時期)、
燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するため
のものであり、以下に説明するイオン電流検出処理のほ
かに、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力),回
転速度(エンジン回転数)、スロットル開度、冷却水
温、吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態
検出処理等を実行している。
【0047】また、図3に示すイオン電流検出処理は、
例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を検出する
クランク角センサからの信号に基づき、内燃機関が、吸
気,圧縮,燃焼,排気を行う1燃焼サイクルに1回の割
合で実行されており、点火制御のための処理も実行して
いる。
【0048】そして、内燃機関が始動されてイオン電流
検出処理が開始されると、まずS110(Sはステップ
を表す)にて、別途実行される運転状態検出処理にて検
出された内燃機関の運転状態を読込み、S120にて、
その読み込んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期
(所謂点火時期)tsおよびイオン電流検出時期tiを
設定する。
【0049】なお、S110での処理では、内燃機関の
エンジン回転数と、スロットル開度や吸気管負圧(吸入
空気量)等を用いて算出されるエンジン負荷とを含む情
報に基づいて、運転状態を読み込むことが好ましい。そ
して、S120での処理では、火花放電発生時期tsに
ついては、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメー
タとするマップ若しくは計算式を用いて制御基準値を求
め、これを冷却水温,吸気温等に基づき補正する、とい
った従来から知られている手順で設定される。
【0050】また、イオン電流検出時期tiは、エンジ
ン回転数とエンジン負荷を含む運転状態に基づいて、予
め用意されたマップ若しくは計算式を用いて設定され
る。なお、このとき用いるマップもしくは計算式は、混
合気の燃焼が緩慢に進む運転条件下(低回転低負荷時
等)にはイオン電流検出時期tiが遅い時期に設定され
るように、また、混合気の燃焼が急速に進む運転条件下
(高回転高負荷時等)にはイオン電流検出時期tiが早
い時期に設定されるように構成されている。本実施例で
は、エンジン回転数とエンジン負荷をパラメータとする
マップを用いて、最適なイオン電流検出時期tiを設定
する。
【0051】次に、S130では、S120にて設定し
た火花放電発生時期tsに基づき、火花放電発生時期t
sに対して、予め設定された一次巻線L1の通電時間だ
け早い一次巻線L1の通電開始時期を求め、通電開始時
期に達した時点(図2に示す時刻t1)で、第1指令信
号Saをローレベルからハイレベルに変化させる。
【0052】尚、S130の処理により、第1指令信号
Saがローレベルからハイレベルに切り換わると、トラ
ンジスタ17がオン状態となり、点火コイル15の一次
巻線L1に一次電流i1が流れる。また、火花放電発生
時期tsまでの一次巻線L1の通電時間は、一次巻線L
1への通電によって点火コイル15に蓄積されるエネル
ギが、内燃機関のあらゆる運転条件下で混合気を燃焼さ
せることができる最大の火花エネルギとなるように、予
め設定されている。
【0053】そして、続くS140では、クランク角セ
ンサからの検出信号に基づき、S120で設定した火花
放電発生時期tsに達したか否かを判断し、否定判定さ
れた場合には、同ステップを繰り返し実行することで、
火花放電発生時期tsになるまで待機する。そして、S
140にて、火花放電発生時期tsに達したと判断され
ると(図2に示す時刻t2)、S150に移行する。
【0054】すると、S150では、第1指令信号Sa
をハイレベルからローレベルに反転させ、この結果、ト
ランジスタ17がターンオフして一次電流i1が急激に
遮断され、点火コイル15の磁束密度が急激に変化して
二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、点火プラグ13
の電極13a−13b間に火花放電が発生する。
【0055】次のS160では、S120で設定したイ
オン電流検出時期tiに達したか否かを判断し、否定判
定された場合には、同ステップを繰り返し実行すること
で、イオン電流検出時期tiになるまで待機する。そし
て、S160にて、イオン電流検出時期tiに達したと
判断されると(図2に示す時刻t3)、S170に移行
して、S170では、第1指令信号Saをローレベルか
らハイレベルに反転する。
【0056】この結果、第1指令信号Saがハイレベル
になると、トランジスタ17がオン状態となり、一次巻
線L1は再び通電されるので、二次巻線L2の点火用高
電圧の発生が抑えられ、点火プラグ13での火花放電が
強制的に遮断される。また、このとき(図2に示す時刻
t3)、二次巻線L2の両端には点火用高電圧とは逆極
性で、点火用高電圧よりも低い検出用高電圧が発生す
る。
【0057】そして、この検出用高電圧が、点火プラグ
13の電極13a−13b間に印加されることにより、
電極13a−13b間にイオンが存在する場合には、イ
オン電流ioが発生して、検出抵抗21の両端にイオン
電流ioの大きさに比例する電圧が発生する。これによ
り、検出抵抗21と二次巻線L2との接続点の電位Vr
が、検出抵抗21の両端電圧に応じて変化することにな
り、S180にて、検出回路25は、電位Vrを検出す
る(換言すれば、イオン電流検出値を読み込む)と共
に、ECU19に対してイオン電流信号Siを出力す
る。
【0058】続いて、S190では、S160にて肯定
判定された後、イオン電流ioを検出するための時間と
して、予めECU19に設定してある第1指令信号Sa
のハイレベル継続時間を経過したか否かを判断し、否定
判定された場合には、同ステップを繰り返し実行するこ
とで待機する。そして、S190にて、第1指令信号S
aのハイレベル継続時間が経過したと判断されると(図
2に示す時刻t4)、S200に移行する。本実施例で
は、第1指令信号Saのハイレベル継続時間は、内燃機
関の運転状態に関わらず、予め設定された固定値として
いるが、運転状態に合わせて適切な値を設定してもよ
い。
【0059】そして、S200では、第1指令信号Sa
をハイレベルからローレベルに緩やかに減少させていく
第1指令信号レベル低下処理を行う。つまり、トランジ
スタ17のベース電流ibを緩やかに減少させ、トラン
ジスタ17の電流増幅率の関係から、一次電流i1を緩
やかに減少させるのである。これにより、点火コイル1
5での単位時間あたりの磁束密度の変化量が小さくな
り、二次巻線L2に発生する電圧が小さくなるため、二
次巻線L2に点火用高電圧が発生するのを防ぐことがで
き、不適切な時期での火花放電の発生を抑えつつ、最終
的に一次電流i1の通電を停止することができる。
【0060】このあと、S200での処理により第1指
令信号Saがローレベルとなり(図2における時刻t
5)、S200における処理が終了すると、本イオン電
流検出処理が終了する。なお、ECU19では、イオン
電流検出処理を実行することにより発生するイオン電流
ioに基づいて、内燃機関の失火の有無を判定する失火
判定処理を行っている。この失火判定処理では、図2に
おける時刻t3から時刻t4までの期間において、検出
回路25から入力されるイオン電流信号Siに基づき失
火判定を行っている。そして、失火判定処理では、時刻
t3の直後のピーク値を除くイオン電流信号Siのピー
ク値と、失火判定のために予め定められた判定基準値と
を比較し、ピーク値が判定基準値を下回る場合に失火と
判定している。
【0061】以上説明したように、実施例のイオン電流
検出装置1においては、ECU19の指令によるトラン
ジスタ17のスイッチング駆動により、二次巻線L2に
発生した点火用高電圧を点火プラグ13に印加して、電
極13a−13b間に火花放電を発生させている。そし
て、その後、内燃機関の運転状態に基づき設定したイオ
ン電流検出時期tiに再度一次電流i1を流すことによ
り、火花放電を強制的に遮断させると共に、検出用高電
圧を二次巻線L2の両端に発生させている点に特徴があ
る。
【0062】よって、本実施例のイオン電流検出装置に
よれば、検出用高電圧を点火コイルで発生することか
ら、高価なコンデンサを備える必要が無く、また、高価
なツェナーダイオードを備える必要がないため、低コス
トでイオン電流検出装置を構成することができる。
【0063】さらに、本実施例のイオン電流検出装置で
は、イオン電流検出処理にて、混合気の燃焼が緩慢に進
む運転条件下(低回転低負荷時等)にはイオン電流検出
時期tiが遅い時期に設定されるように、また、混合気
の燃焼が急速に進む運転条件下(高回転高負荷時等)に
はイオン電流検出時期tiが早い時期に設定される。こ
のように、内燃機関の運転状態に応じて、イオン電流検
出時期tiが設定されるため、イオン電流を確実に検出
することができ、イオン電流の検出精度が向上する。
【0064】なお、イオン電流検出時期tiを変化させ
ることに伴い火花放電の継続時間が変化することになる
が、低回転低負荷時には、火花放電の継続時間が長く設
定されるため、混合気への着火性が低下する低回転低負
荷時においても、確実に混合気へ着火することができ
る。また、高回転高負荷時においては、火花放電の継続
時間が短く設定されるが、高回転高負荷時における混合
気の着火性は良好であるため、混合気を燃焼させること
ができる。
【0065】ここで、本実施例のイオン電流検出装置を
用いて、正常燃焼時と失火時とのそれぞれにおいて測定
したイオン電流の測定結果を図4に示す。なお、図4
(a)が正常燃焼時の測定結果であり、図4(b)が失
火時の測定結果である。そして、本測定は、回転数が1
400[rpm]、トルクが10[Nm]、空燃比(A
/F)が14.7という条件下で内燃機関を運転し、点
火プラグによる火花放電が開始されてから0.5[m
S]経過した時点で検出用高電圧を発生させて、イオン
電流を検出するという手順で行った。なお、失火時の測
定については、燃料供給を行わないことで、模擬的に失
火状態を作り、測定を行った。
【0066】まず、図4(a)に示す測定結果において
は、時刻t11が火花放電発生時期(点火時期)であ
り、時刻t12が検出用高電圧の発生時期である。そし
て、イオン電流波形は、時刻t12の直後に大きなイオ
ン電流が瞬間的に流れた後、イオン電流が一旦小さくな
っていることを示し、その後、徐々に電流値が上昇し
て、時刻t12から約1.2[mS]経過した時点でピ
ーク値となることを示している。そして、ピーク値を示
した後、徐々に電流値が減少していき、時刻t13の時
点で、イオン電流が流れなくなる。
【0067】また、図4(b)に示す測定結果において
は、時刻t21が火花放電発生時期(点火時期)であ
り、時刻t22が検出用高電圧の発生時期である。そし
て、イオン電流波形は、時刻t22の直後に大きなイオ
ン電流が瞬間的に流れるものの、その後、イオン電流が
流れていないことを示している。つまり、時刻t22か
ら時刻t23までの期間に、イオン電流は流れていな
い。また、時刻t22から時刻t23までの時間は、図
4(a)における時刻t12から時刻t13までの時間
に等しい。
【0068】そして、図4(a)および図4(b)のそ
れぞれの測定結果を比較すると、検出用高電圧の発生時
期(時刻t11、時刻t21)の直後におけるイオン電
流波形は、両者とも瞬間的に大きく変動しており、ほぼ
等しい波形を示すが、その後については、図4(a)の
正常燃焼の場合には電流値が大きくなるが、図4(b)
の失火の場合には電流値は変化しないことが判る。
【0069】このことから、検出用高電圧が発生してか
ら一定時間(例えば、0.5[mS])が経過した後の
イオン電流波形を用いることで、失火検知が可能である
ことが判る。つまり、検出用高電圧が発生してから一定
時間が経過した後のイオン電流波形におけるピーク値
と、失火判定用に予め定められた判定基準値とを比較
し、ピーク値が判定基準値以上となる場合には正常燃焼
と判定でき、ピーク値が判定基準値よりも小さい場合に
は失火と判定することができる。
【0070】よって、図4に示す測定結果から、本イオ
ン電流検出装置を用いることで、イオン電流を検出でき
ることが判り、また、イオン電流の検出結果から失火検
知が可能であることが判る。以上、本発明の第1実施例
について説明したが、本発明は上記実施例に限定される
ものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0071】そこで、本発明の第2実施例として、検出
用高電圧を発生するために一次電流i1を再通電するた
めのスイッチング素子を、点火用のスイッチング素子
(トランジスタ17)とは別に設けたものについて説明
する。そして、図5は、第2実施例のイオン電流検出装
置1の構成を表す電気回路図である。なお、以下の説明
において、第1実施例と同じ構成要素については、同一
番号(符号)を付与して説明する。
【0072】図5に示すように、第2実施例のイオン電
流検出装置1は、定電圧(例えば電圧12V)を出力す
る電源装置(バッテリ)11と、内燃機関の気筒に設け
られた点火プラグ13と、一次巻線L1と二次巻線L2
とからなり、点火用高電圧を発生する点火コイル15
と、一次巻線L1と直列接続されたnpn型パワートラ
ンジスタから成るトランジスタ17と、トランジスタ1
7を駆動制御するための第1指令信号Saを出力する電
子制御装置(以下、ECUと呼ぶ)19と、二次巻線L
2と直列に接続される検出抵抗21と、抵抗素子91に
並列接続されるダイオード23と、検出抵抗21の一端
の電位Vr(イオン電流値×検出抵抗値)を用いてイオ
ン電流を検出する検出回路25と、イオン電流を検出す
るための検出用高電圧を二次巻線L2の両端に発生させ
るべく一次電流i1の再通電を行うための一次電流通電
回路51と、を備えている。また、ECU19は、一次
電流通電回路51を制御するための第2指令信号Sbを
一次電流通電回路51に対して出力している。
【0073】ここで、第2実施例のイオン電流検出装置
1は、第1実施例のイオン電流検出装置に一次電流通電
回路51を追設して構成されたものであることから、第
1実施例と同一の構成要素についての説明は省略し、第
1実施例と異なる構成要素である一次電流通電回路51
を中心に説明する。
【0074】図5に示すように、第2実施例の一次電流
通電回路51は、エミッタが接地され、ベースがECU
19の第2指令信号Sbを出力する端子と接続され、コ
レクタがコンデンサ87の一端(電極)に接続されると
ともに、ダイオード83を介してグランドに接地された
npn型のトランジスタ85を備えている。そして、ダ
イオード83は、アノードがグランドに接地され、カソ
ードがトランジスタ85のコレクタに接続されている。
【0075】また、コンデンサ87は、トランジスタ8
5との接続端(電極)とは反対側の接続端(電極)が、
抵抗素子91を介して、一次巻線L1とトランジスタ1
7との接続点に接続されている。さらに、ダイオード8
9が抵抗素子91に並列接続されており、ダイオード8
9は、アノードが抵抗素子91と一次巻線L1との接続
点に接続され、カソードが抵抗素子91とコンデンサ8
7との接続点に接続されている。
【0076】そして、ECU19から出力される第2指
令信号Sbがローレベルである場合には、一次電流通電
回路51内のトランジスタ85がオフ状態となり、一次
電流通電回路51が、電源装置11の正極から一次巻線
L1に向かう方向に一次電流i1を流すことはない。
【0077】また、第2指令信号Sbがハイレベルであ
る場合、一次電流通電回路51内のトランジスタ85が
オン状態となり、一次電流通電回路51が、電源装置1
1の正極側から点火コイル15の一次巻線L1を通って
電源装置11の負極側に至る、一次巻線L1の通電経路
を形成し、一次巻線L1に一次電流i1を流す。このと
き、一次巻線L1からコンデンサ87に流れ込む電流
は、抵抗素子91ではなく、ダイオード89を通じて流
れる。
【0078】そして、通電経路に流れる電流によってコ
ンデンサ87に電荷が蓄積されるに従い、一次電流i1
は緩やかに減少し、コンデンサ87に、一次巻線L1の
インダクタンスとコンデンサ87の静電容量とで決まる
一定の時定数にて、所定量の電荷が蓄積されると、コン
デンサ87に電流が流れなくなり、一次電流i1を遮断
する。
【0079】そして、このとき、一次電流i1が再通電
されることで二次巻線L2の両端において検出用高電圧
が発生するが、この検出用高電圧の発生期間がイオンの
発生期間を含むように、一次電流通電回路51による一
次電流i1の通電時間が設定されている。そして、一次
電流通電回路51による一次電流i1の通電時間は、コ
ンデンサ87の静電容量や抵抗素子91の抵抗値を変化
させることで変更することができる。
【0080】なお、コンデンサ87が、一次巻線L1側
(抵抗素子91側)に接続された電極を正極性として完
全に充電されている場合、第2指令信号Sbがハイレベ
ルであっても、一次電流i1は流れないため、予めコン
デンサ87に蓄積された電荷を放電させておく必要があ
る。そして、第2実施例では、点火用高電圧を発生させ
るために第1指令信号Saをハイレベルにすることで、
すなわち、トランジスタ17をオン状態とすることで
(図3におけるS130の処理時に)、充電されている
コンデンサ87を放電させることができる。
【0081】つまり、トランジスタ17をオン状態とす
ると、トランジスタ17、抵抗素子91、コンデンサ8
7、ダイオード83による閉ループが形成され、コンデ
ンサ87に蓄積された電荷によって、この閉ループに電
流が流れることにより、コンデンサ87は放電される。
このとき、コンデンサ87から放電される電流は、ダイ
オード89ではなく抵抗素子91を通じて流れるため、
通電経路の抵抗値が大きくなる。このため、通電経路に
流れる電流値が小さくなり、トランジスタ17に流れる
電流量が抑制されることになる。これにより、コンデン
サ87に蓄積された電荷を放電させた時に伴うトランジ
スタ17の発熱を小さく抑えることが可能となる。
【0082】したがって、一次電流通電回路51は、コ
ンデンサ87が放電された状態で、第2指令信号Sbが
ローレベルからハイレベルに変化される(このとき第1
指令信号Saはローレベル)と、一次巻線L1に一次電
流i1の通電を再開し、時間経過に従い一次電流i1は
緩やかに減少されていき、最終的に一次電流i1は遮断
される。そして、次の点火用高電圧を発生させるべく再
度第1指令信号Saがハイレベルになること(このとき
第2指令信号Sbはローレベル)で、コンデンサ87に
蓄積された電荷が放電される。
【0083】ここで、図5に示す回路図における第1指
令信号Sa、第2指令信号Sb、一次巻線L1に流れる
一次電流i1、点火プラグ13の中心電極13aの電位
Vp、及び、検出抵抗21の一端の電位Vr(イオン電
流)の各状態を表すタイムチャートを図6に示す。
【0084】まず、図6における時刻t31から時刻t
33までの各状態については、図2における時刻t1か
ら時刻t3までの各状態と同じである。そして、時刻t
33にて、第2指令信号Sbがローレベルからハイレベ
ルに切り換わると、一次電流通電回路51の動作によ
り、再び一次巻線L1に電流(一次電流)i1が流れ始
める。これにより、二次巻線L2の両端に時刻t32に
て発生した点火用高電圧とは逆極性の検出用高電圧が発
生し、点火プラグ13の電極13a−13b間にこの検
出用高電圧が印加される(なお、このとき点火プラグ1
3による火花放電は強制的に遮断される)。そして、こ
の時、点火プラグ13の電極13a−13b間にイオン
が存在すると、電極13a−13b間にこのイオンの発
生量に応じた電流が流れることになり、このイオン電流
は、二次巻線L2から検出抵抗21に流れる。なお、イ
オンは混合気(燃料)の燃焼に伴う電離作用により発生
するため、正常燃焼時にはイオンが発生するが、失火時
にイオンが発生することはない。
【0085】このとき、再通電された一次電流i1によ
り一次電流通電回路51におけるコンデンサ87が充電
されていき、時刻t34で一次電流i1がピーク値を示
した後、一次電流i1が緩やかに減少していき、時刻t
35にて一次電流i1が流れなくなると共に、第2指令
信号Sbがハイレベルからローレベルに切り換わる。
【0086】このように、コンデンサ87により一次電
流i1が緩やかに減少するこで、点火コイル15での単
位時間あたりの磁束密度の変化量が小さくなり、二次巻
線L2に発生する電圧が小さくなるため、二次巻線L2
に点火用高電圧が発生するのを抑えることができ、不適
切な時期における火花放電の発生を抑制することができ
る。
【0087】なお、図6に示すイオン電流は、正常燃焼
時の波形を示しており、時刻t33から時刻t34まで
の期間において、イオンの発生量に比例したイオン電流
が発生していることが判る。また、検出抵抗21の両端
電圧の検出位置の関係から、図6に示すイオン電流波形
が負の値となるほど(図中下になるほど)、イオン電流
が大きくなることを表している。
【0088】次に、第2実施例のイオン電流検出装置1
のECU19において実行されるイオン電流検出処理に
ついて、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
なお、ECU19は、第1実施例と同様に内燃機関を総
合的に制御するためのものであり、以下に説明するイオ
ン電流検出処理のほかに、別途、運転状態検出処理等を
実行している。また、図7に示すイオン電流検出処理
は、例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を検出
するクランク角センサからの信号に基づき、内燃機関
が、吸気,圧縮,燃焼,排気を行う1燃焼サイクルに1
回の割合で実行されており、点火制御のための処理も実
行している。
【0089】そして、第2実施例のイオン電流検出処理
におけるS110からS160までの処理内容について
は、図3に示す第1実施例のイオン電流検出処理におけ
るS110からS160までの処理内容と同じであるこ
とから、S210以降の処理を中心に説明する。
【0090】そして、内燃機関が始動されてイオン電流
検出処理が開始されると、S110からS150までの
処理を実行することにより、点火プラグ13の電極13
a−13b間に火花放電が発生する。その後、イオン電
流検出時期tiに達してS160にて肯定判定されると
(図6に示す時刻t33)、S210に移行して、S2
10では第2指令信号Sbをローレベルからハイレベル
に反転する。
【0091】そして、S210での処理により第2指令
信号Sbがハイレベルになると、一次電流通電回路51
におけるトランジスタ85がオン状態となり、一次巻線
L1、ダイオード89、コンデンサ87、トランジスタ
85の順に通電経路が形成され、一次電流i1が再び流
れ始める。このように、一次巻線L1への再通電が行わ
れることで、二次巻線L2の点火用高電圧の発生が抑え
られ、点火プラグ13での火花放電が強制的に遮断され
る。また、このとき(図6に示す時刻t33)、二次巻
線L2の両端には点火用高電圧とは逆極性で、点火用高
電圧よりも低い電圧が発生する。
【0092】そして、この検出用高電圧が、点火プラグ
13の電極13a−13b間に印加されることにより、
電極13a−13b間にイオンが存在する場合には、イ
オン電流ioが発生して、検出抵抗21の両端にイオン
電流ioの大きさに比例する電圧が発生する。これによ
り、検出抵抗21と二次巻線L2との接続点の電位Vr
が、検出抵抗21の両端電圧に応じて変化することにな
り、S220にて、検出回路25は、電位Vrを検出す
る(換言すれば、イオン電流検出値を読み込む)と共
に、ECU19に対してイオン電流信号Siを出力す
る。このとき、一次電流i1は、一次電流通電回路51
の動作により、図6における時刻t34までは上昇し、
その後、緩やかに減少していく。
【0093】続いて、S230では、S160にて肯定
判定された後、イオン電流ioを検出するための時間と
して、予めECU19に設定してある第2指令信号Sb
のハイレベル継続時間を経過したか否かを判断し、否定
判定された場合には、同ステップを繰り返し実行するこ
とで待機する。そして、S230にて、第2指令信号S
bのハイレベル継続時間が経過したと判断されると(図
6に示す時刻t35)、S240に移行する。
【0094】なお、第2実施例における第2指令信号S
bのハイレベル継続時間は、図6における時刻t33か
ら時刻t35までの時間であり、第1実施例における第
1指令信号Saのハイレベル継続時間(図2における時
刻t3から時刻t4まで)よりも長い時間が設定されて
いる。また、第2指令信号Sbのハイレベル継続時間
は、内燃機関の運転状態に関わらず、予め設定された固
定値としているが、運転状態に合わせて適切な値を設定
してもよい。
【0095】続くS240では、第2指令信号Sbをハ
イレベルからローレベルに切り換えて、トランジスタ8
5をオフ状態とする。そして、S240での処理が終了
すると、本イオン電流検出処理が終了する。なお、第2
実施例のECU19においても、第1実施例と同様に、
イオン電流検出処理を実行することにより発生するイオ
ン電流に基づき、内燃機関の失火の有無を判定する失火
判定処理を行っている。この失火判定処理では、図6に
おける時刻t33から時刻t34までの期間において、
検出回路25から入力されるイオン電流信号Siに基づ
き失火判定を行っている。そして、失火判定処理では、
時刻t33の直後のピーク値を除くイオン電流信号Si
のピーク値と、失火判定のために予め定められた判定基
準値とを比較し、ピーク値が判定基準値を下回る場合に
失火と判定している。
【0096】そして、第2実施例のイオン電流検出装置
1においては、トランジスタ85が特許請求の範囲に記
載の第2スイッチング手段に相当し、トランジスタ17
が第1スイッチング手段に相当している。なお、第2実
施例のイオン電流検出装置は、第1実施例と同様の効果
を発揮できることは言うまでもない。
【0097】ここで、第1実施例、第2実施例ともに、
二次巻線L2の両端に発生する点火用高電圧とは逆極性
の検出用高電圧をイオン電流検出のための電源として利
用するものである。それより、検出用高電圧値は、イオ
ン電流ioを検出することが可能なレベルに設定されて
おり、かつ、あらゆる運転条件下において点火プラグ1
3にて火花放電が再度発生しないレベルに制限されてい
る。つまり、二次巻線L2の両端に発生する検出用高電
圧値をこうした範囲内に設定すべく、内燃機関の性能を
考慮して、一次巻線L1と二次巻線L2との巻数比や一
次巻線L1の抵抗値等を適宜調整した点火コイルを用い
ている。なお、二次巻線L2の両端に発生する検出用高
電圧が100〔V〕〜1200〔V〕の範囲内となるよ
う調整された点火コイルを用いることで、イオン電流を
良好に検出することができ、かつ火花放電の再発生を防
ぐことができる。
【0098】以上、本発明の2つの実施例について説明
したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、種々の態様を採ることができる。例えば、イオン電
流検出処理におけるS110での処理において、運転状
態を読み込む処理に加えて、別途内燃機関が十分に暖機
された運転状態であるか否か(例えば、内燃機関の冷却
水温度が50℃を超えたか否か)を判断するとよい。そ
して、十分に暖機されていない場合(冷却水温度が50
℃以下である場合)には、S160以降の処理を行わず
に、イオン電流検出処理を終了するのである。そして、
内燃機関の暖機が十分となった場合には、S160以降
の処理を実行して、イオン電流の検出を行うのである。
これにより、火花放電の継続時間が長くなり、冷間始動
後の暖機運転時のように冷却水温度が低く、着火性の劣
る運転状態であっても、失火させることなく確実に混合
気を燃焼させることができる。
【0099】また、イオン電流を用いて検出可能な燃焼
状態としては、失火に限らず、例えば、ノッキング等が
挙げられる。そして、ノッキングを検出する一例として
は、一次巻線への再通電により二次巻線の両端に発生す
る検出用高電圧を点火プラグに印加して、点火プラグの
電極間に流れるイオン電流を検出し、検出したイオン電
流の波形を解析することによりノッキング判定を行う方
法がある。
【0100】また、イオン電流の検出には、火花放電経
路上に直列接続する検出機器ではなく、火花放電経路と
容量結合される検出機器を用いてもよい。そして、イオ
ン電流が流れることで発生する蓄積電荷の変化に基づ
き、イオン電流を検出するのである。このように容量結
合される検出機器を用いることで、火花放電経路の抵抗
値の変化をより確実に抑制することができ、点火装置へ
の影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のイオン電流検出装置の構成を表
す電気回路図である。
【図2】 第1実施例のイオン電流検出装置の各部の状
態を表すタイムチャートである。
【図3】 第1実施例のECUにおいて実行されるイオ
ン電流検出処理のフローチャートである。
【図4】 (a)が正常燃焼時におけるイオン電流の測
定結果であり、(b)が失火時におけるイオン電流の測
定結果である。
【図5】 第2実施例のイオン電流検出装置の構成を表
す電気回路図である。
【図6】 第2実施例のイオン電流検出装置の各部の状
態を表すタイムチャートである。
【図7】 第2実施例のECUにおいて実行されるイオ
ン電流検出処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1…イオン電流検出装置、11…電源装置、13…点火
プラグ、13a…中心電極、13b…接地電極、15…
点火コイル、17…トランジスタ、19…電子制御装置
(ECU)、21…検出抵抗、23…ダイオード、25
…検出回路、51…一次電流通電回路、85…トランジ
スタ、L1…一次巻線、L2…二次巻線。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線および二次巻線を有し、前記一
    次巻線に流れる一次電流を遮断することにより、前記二
    次巻線に点火用高電圧を発生する点火コイルと、 前記二次巻線と共に閉ループを形成するとともに、前記
    点火用高電圧が印加されることにより、自身の電極間に
    火花放電を発生する点火プラグと、 前記点火プラグの電極間に火花放電が開始されてから、
    所定時間経過後に前記一次巻線に再通電することによ
    り、該火花放電を強制的に遮断するとともに、前記二次
    巻線の両端に前記点火用高電圧とは逆極性の検出用高電
    圧を発生させる検出用高電圧発生手段と、 前記検出用高電圧が前記点火プラグに印加されることに
    より、該点火プラグの電極間に流れるイオン電流を検出
    するイオン電流検出手段と、 を備えることを特徴とするイオン電流検出装置。
  2. 【請求項2】 前記イオン電流検出手段は、 前記点火プラグおよび前記二次巻線と直列接続される検
    出用抵抗素子と、 該検出用抵抗素子に並列接続され、前記点火用高電圧の
    発生時に流れる火花放電電流を流すことのみ許容する整
    流素子と、を備えており、 前記検出用高電圧の印加により発生する前記検出用抵抗
    素子の両端電圧に基づき、イオン電流を検出すること、
    を特徴とする請求項1に記載のイオン電流検出装置。
  3. 【請求項3】 前記点火コイルの一次巻線に直列接続さ
    れ、該一次巻線に流れる一次電流を通電・遮断する第1
    スイッチング手段と、 該第1スイッチング手段に並列接続され、前記二次巻線
    の両端に前記検出用高電圧を発生させるために前記一次
    巻線に再通電を行う第2スイッチング手段と、を備える
    こと、を特徴とする請求項1または請求項2に記載のイ
    オン電流検出装置。
  4. 【請求項4】 前記検出用高電圧発生手段は、前記一次
    巻線に再通電することにより前記二次巻線の両端に前記
    検出用高電圧を発生させる時期を、内燃機関の運転状態
    に基づいて設定する運転状態検出手段、を備えること、 を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    イオン電流検出装置。
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