JP6373932B2 - 放電停止装置 - Google Patents

放電停止装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6373932B2
JP6373932B2 JP2016214957A JP2016214957A JP6373932B2 JP 6373932 B2 JP6373932 B2 JP 6373932B2 JP 2016214957 A JP2016214957 A JP 2016214957A JP 2016214957 A JP2016214957 A JP 2016214957A JP 6373932 B2 JP6373932 B2 JP 6373932B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
energization
discharge
time
current
switch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016214957A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018071488A (ja
Inventor
俊文 中村
俊文 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2016214957A priority Critical patent/JP6373932B2/ja
Priority to US15/586,699 priority patent/US10364787B2/en
Priority to DE102017207592.9A priority patent/DE102017207592A1/de
Publication of JP2018071488A publication Critical patent/JP2018071488A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6373932B2 publication Critical patent/JP6373932B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P11/00Safety means for electric spark ignition, not otherwise provided for
    • F02P11/02Preventing damage to engines or engine-driven gearing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P3/00Other installations
    • F02P3/02Other installations having inductive energy storage, e.g. arrangements of induction coils
    • F02P3/04Layout of circuits
    • F02P3/05Layout of circuits for control of the magnitude of the current in the ignition coil
    • F02P3/051Opening or closing the primary coil circuit with semiconductor devices
    • F02P3/053Opening or closing the primary coil circuit with semiconductor devices using digital techniques
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P5/00Advancing or retarding ignition; Control therefor
    • F02P5/04Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions
    • F02P5/145Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions using electrical means
    • F02P5/15Digital data processing
    • F02P5/1502Digital data processing using one central computing unit
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P9/00Electric spark ignition control, not otherwise provided for
    • F02P9/002Control of spark intensity, intensifying, lengthening, suppression

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、内燃機関用点火装置による火花放電を放電途中で停止させる放電停止装置に関するものである。
周知のように、点火主回路と、直流電源と、点火制御手段とを備えた電流遮断型の内燃機関用点火装置がある。点火主回路は、点火コイルと該点火コイルの一次巻線に対して直列に接続された点火用スイッチとを有して一次巻線と点火用スイッチとにより一次電流通電回路が構成されている。
直流電源は、一次電流通電回路の両端に印加するための直流電圧を出力する。そして、点火制御手段は、点火用スイッチを内燃機関の点火時期よりも前のタイミングでオン状態にした後点火時期にオフ状態にするように制御する。
さらに、点火制御手段は、点火用スイッチがオフ状態になった際に点火コイルの一次巻線に誘起する高い電圧(通常は、400V程度)を、該点火コイルによりさらに昇圧することにより、点火コイルの二次巻線に点火用の高電圧を誘起させる。そして、点火制御手段は、この点火用高電圧を内燃機関の気筒に取りつけられた点火プラグに印加することにより、機関を点火するようになっている。
この種の点火装置においては、機関の低速時などに必要とする最大の点火エネルギを得ることができるように回路が設計される。このため、機関の高速運転時のように、必要とする点火エネルギが比較的小さくて済む状況になると、点火エネルギが過剰になるという問題を有している。
従来から、電流遮断型の点火装置の点火エネルギを制御する提案がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1の点火装置は、点火動作時に点火コイルの一次巻線に誘起する電圧がアノードカソード間に順方向に印加される向きの点火エネルギ制御用のサイリスタを、点火コイルの一次巻線に対して並列に接続している。
そして、特許文献1は、点火時期に点火コイルの一次電流を遮断した後、適当なタイミングでこのサイリスタをオン状態にして点火コイルの一次巻線を短絡している。特許文献1は、このような短絡動作を採用することにより、点火出力を減衰させて、点火エネルギが過剰にならないように制御している。
また、特許文献2は、点火コイルの一次巻線と点火用スイッチとの直列回路に対して並列に単方向通電素子を接続して、点火動作を行った後に、電源スイッチをオフし、点火用スイッチを再導通させている。特許文献2は、このようにして点火コイルの一次巻線を短絡する短絡回路を構成させ、点火エネルギを制御している。
また、一次巻線を短絡させる以外にも、特許文献3のように、コンデンサを用いて一次巻線の電流を徐々に減衰させることでも、火花放電を停止させることができる。
上記のように、点火エネルギの制御手段を設けることで、点火エネルギが過剰になることを防ぐことができる。この結果、点火プラグの無用の消耗を防ぐことができ、点火プラグの寿命を延ばすことができる。
特開2001−12338号公報 特開2003−314419号公報 特開2001−193621号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
上記のような一次巻線の両端を短絡させることによる点火エネルギの制御手段を備えた従来の点火装置において、一次巻線の両端を短絡させた閉ループ経路には、一次巻線の内部抵抗以外にも、閉ループを形成する素子のオン抵抗や配線抵抗等による抵抗成分が存在する。
また、一次コイル短絡動作開始から点火コイル内の磁気エネルギ消費が完了するまでの時間を短縮させる目的、あるいは放電停止動作時のエネルギ消費を点火コイルの一次巻線と閉ループ経路に分散させて一次巻き線の発熱を抑制する目的で、閉ループ経路内に抵抗器を設置する場合がある。そのような場合には、一次巻線の閉ループ経路の抵抗値が高くなる。
しかしながら、一次巻線の閉ループ経路の抵抗値が高い場合には、点火コイル内に残されている磁束により発生する電流が制限される。この結果、放電停止動作開始から二次巻線での火花放電が停止完了するまでの時間が長くなる。さらに、抵抗値が高くなる場合には、二次巻線での火花放電を停止するだけの電流値に到達しなくなり、二次巻線側での火花放電が電流値の小さい状態で残ることになる。
一次巻線の閉ループ経路の抵抗値増大によって起こる放電停止完了までの長期化は、放電停止による点火エネルギの制御性能を低下させる。また、放電停止までの間に内燃機関気筒内の流動により放電が吹き消え、再度放電するといった繰り返し現象(多重放電)を引き起こす可能性がある。このような多重放電が発生すると、逆に点火プラグの電極の消耗を早めてしまい、点火プラグの耐久性に悪影響を及ぼす。
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたものであって、点火装置による放電を放電途中で素早く確実に停止させることのできる放電停止装置を得ることを目的とするものである。
本発明に係る放電停止装置は、間隙を介して対向する第1の電極と第2の電極とを有し、間隙に火花放電を発生させることで内燃機関の燃焼室内の可燃混合気を着火させる点火プラグと、1次コイルと、1次コイルと磁気結合する2次コイルと、を含む点火コイルと、1次コイルへ電流を供給する電源装置と、1次コイルと電源装置との間に配置され、電源装置から供給される電流の導通状態/遮断状態の切り替えを行う第1スイッチと、第1スイッチを導通状態に切り替えることで1次コイルに電流を通電させ、可燃混合気を着火させるために十分な火花放電を点火プラグに発生させるためのエネルギを1次コイルに蓄積させ、1次コイルにエネルギが蓄積されている状態で、第1スイッチを遮断状態に切り替え、電流を遮断し、2次コイルに高電圧を発生させ、高電圧により点火プラグの間隙に火花放電を発生させるコントローラとを備えた内燃機関用点火装置において、火花放電を放電途中で停止させる放電停止装置であって、1次コイルの両端をつなぐ還流経路中に配置され、還流経路の導通状態/遮断状態の切り替えを行う第2スイッチを備え、コントローラは、火花放電の発生中に、第1スイッチを導通状態に切り替え、1次コイルに電流を再通電させる再通電制御処理部と、火花放電の発生中に第2スイッチを導通状態に切り替え、還流経路を導通状態にする還流制御処理部とを含んで構成され、再通電制御処理部と還流制御処理部を用いて、火花放電を放電途中で停止させ、再通電制御処理部は、1次コイルに流れる電流の変化量を検出し、電流の変化量があらかじめ設定された閾値以下となっているときに、第1スイッチを遮断状態に切り替え、再通電を終了させるものである。
本発明によれば、電源装置から点火コイルの1次コイルに供給される電流の導通/遮断の切り替えを行う第1スイッチに加え、1次コイルの両端をつなぐ還流経路中に第2スイッチをさらに設け、火花放電の発生中に、第1スイッチを導通状態に切り替え、1次コイルに電流を再通電させる再通電制御処理部と、第2スイッチを火花放電の発生中に導通状態に切り替え、還流経路を導通状態にする還流制御処理部と、を備えて構成されている。この結果、点火装置による放電を放電途中で素早く確実に停止させることのできる放電停止装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1における放電停止装置の全体構成を示す電気回路図である。 本発明の実施の形態1における放電停止装置の具体的な構成を示す電気回路図である。 本発明の実施の形態1に係る図2の回路構成を備えた放電停止装置における各部の波形を示したタイムチャートである。 本実施の形態1におけるECUにより実行される点火制御処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態1における電流検出器を備えた放電停止装置の具体的な構成を示す電気回路図である。 本発明の実施の形態1におけるECUにより実行される点火制御処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態2における放電停止装置の具体的な構成を示す電気回路図である。 本発明の実施の形態2に係る図7の回路構成を備えた放電停止装置における各部の波形を示したタイムチャートである。
以下、本発明の放電停止装置の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態では、単気筒の内燃機関について説明を行うが、本発明は、複数気筒を備える内燃機関についても適用できる。その場合、同様な基本構成の放電停止装置を気筒数分備えてもよいし、一次巻線短絡手段等の放電停止装置の一部構成要素を複数気筒で共有してもよい。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における放電停止装置の全体構成を示す電気回路図である。図1に示すように、本実施の形態1で示す基本的な構成は、点火コイル1、点火プラグ2、スイッチ3、スイッチ4、電源装置5、抵抗6、および制御装置7を備えている。
点火コイル1は、点火コイル1に磁気エネルギを注入する一次巻線1aと、内燃機関の気筒に設けられた点火プラグ2に点火用高電圧を発生させる二次巻線1bとで構成される。スイッチ3は、一次巻線1aと直列接続されており、閉状態となることで、一次巻線1a、スイッチ3、電源装置5による閉回路が構成される。
スイッチ4は、一次巻線1aの両端を短絡するためのスイッチであり、一次巻線1aとスイッチ4で形成される閉ループ経路内には抵抗6が接続されている。また、電源装置5は、放電用の電気エネルギを供給する電源である。抵抗6は、スイッチ4がオン状態時の一次巻線1aの閉ループ経路の抵抗成分を表しており、スイッチ4のオン抵抗や配線抵抗などを含む抵抗値である。
さらに、制御装置7は、第1指令信号Saおよび第2指令信号Sbを各々出力することで、スイッチ3、スイッチ4の開閉制御を行う。
そして、一次巻線1aの一端は、電源装置5の正極に接続され、他端は、スイッチ3を介して電源装置5の負極に接続される。スイッチ3のオンオフは、制御装置7の第1指令信号Saにより制御される。一方、二次巻線1bの両端は、それぞれ点火プラグの中心電極と側方電極に接続される。
さらに、一次巻線1aの一端には、スイッチ4の一端が接続され、スイッチ4の他端は、抵抗6を介して一次巻線1aの他端に接続される。スイッチ4をオンすることで、一次巻線1aを短絡させることができる。スイッチ4のオンオフは、制御装置7の第2指令信号Sbによって制御される。
そして、第1指令信号Saによってスイッチ3がオフされる場合には、一次巻線1aに電流が流れることはない。また、第2指令信号Sbによってスイッチ4がオフ状態で、第1指令信号Saによってスイッチ3がオンされると、電源装置5の正極側から点火コイルの一次巻線1aを通って電源装置5の負極側に至る通電経路が形成され、一次巻線1aに一次電流i1が流れる。
次に、一次巻線1aに一次電流i1が流れて点火コイルに磁気エネルギが蓄えられている状態で、第1指令信号Saによりスイッチ3がオフされると、一次巻線1aへの一次電流i1の通電が停止し、一次電流i1が遮断させる。すると、二次巻線1bに点火用高電圧が発生し、これが点火プラグ2に印加されることで、点火プラグ2の電極間に火花放電が発生する。
火花放電中に、あらかじめ設定した時刻で、第1指令信号Saによってスイッチ3が再度オンされると、電源装置5の正極側から一次巻線1aに再通電がはじまる。再通電に伴う一次電流i1により、点火コイルに残された磁束Φに対応する磁界Hが発生すると、二次巻線1bに点火用高電圧とは逆極性の電圧が発生する。
この結果、点火プラグ2での火花放電が強制的に停止される。また、一次巻線1aに再通電する時間は、制御装置7内の再通電時間算出手段によって、点火コイル1内の残り磁束Φに対して最適に制御される。
次に、制御装置7は、第2指令信号Sbによりスイッチ4をオンすることで、点火コイル1の一次巻線1aの両端が短絡されて一次巻線1aとスイッチ4と抵抗6による閉ループが形成された状態で、第1指令信号Saによりスイッチ3をオフする。すると、点火コイル1内の磁束エネルギにより、形成された一次巻線1aの閉ループに電流が流れはじめ、閉ループ内の抵抗成分によって点火コイル内に残された磁気エネルギが消費される。
一次巻線1aを短絡させるスイッチ4がオフ状態で点火用スイッチ3をオフにすると、再通電が終了する時刻で、二次巻線1bで点火用高電圧が発生し、再放電が起こってしまう。そのため、点火用のスイッチ3をオフする以前の時刻で、一次巻線1aを短絡させるスイッチ4をオンしておく必要がある。
その後、点火コイル内の磁気エネルギを消費完了し、スイッチ4をオフにして1次巻線の短絡を開放する。このようにして、内燃機関の1燃焼サイクルにおける火花放電が終了する。
図1に示す基本構成により、本実施の形態1に係る放電停止装置の一連の手順を説明した。しかしながら、この説明は、概念的であるため、実際に本発明の放電停止装置を実施することを想定し、図1の構成をさらに具体化した放電停止装置の構成について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における放電停止装置の具体的な構成を示す電気回路図である。図2に示すように、先の図1の回路構成を具体化した放電停止装置は、点火コイル101、点火プラグ102、IGBT103、サイリスタ104、電源装置(バッテリ)105、電子制御装置(以下、ECUと呼ぶ)106、および抵抗107を備えている。
点火コイル101は、一次巻線101a、二次巻線101b、および整流素子108で構成されている。点火プラグ102は、内燃機関の気筒に設けられている。IGBT103は、一次巻線101aと直列接続されている。サイリスタ104は、一次巻線101aの両端を短絡するために一次巻線101aと並列接続されている。電源装置(バッテリ)105は、放電用の電気エネルギ(例えば、電圧12V)を供給する。
さらに、電子制御装置(以下、ECUと呼ぶ)106は、IGBT103およびサイリスタ104に対して、第1指令信号S1aおよび第2指令信号S1bを各々出力する。
また、抵抗107は、サイリスタ104に直列接続される。抵抗107は、サイリスタ104がオン状態時の一次巻線101aの閉ループ経路の抵抗成分を表しており、サイリスタのオン抵抗や配線抵抗などを含む。
そして、一次巻線101aの一端は、電源装置105の正極に接続され、他端は、IGBT103のコレクタに接続されている。また、二次巻線101bの一端は、整流素子108を介して、電源装置105の正極に接続されている一次巻線101aの一端に接続され、他端は、点火プラグ102の中心電極102aに接続されている。
そして、点火プラグ102の側方電極102bは、電源装置105の負極と同電位のグランドに接地されている。IGBT103のベースは、ECU106と接続され、IGBT103のエミッタは、グランドに接地されている。
また、サイリスタ104は、カソードが一次巻線101aと電源装置105との接続端に、アノードが抵抗107を通じて一次巻線101aとIGBT103との接続端に、ゲートがECU106に、それぞれ接続されている。
そして、ECU106からIGBT103に対して出力される第1指令信号S1aがローレベル(一般にグランド電位)である場合には、IGBT103にベース電流は流れず、IGBT103はオフ状態となる。この結果、IGBT103を通じて一次巻線101aに電流が流れることはない。
また、第1指令信号S1aがハイレベルである場合には、IGBT103はオン状態となる。この結果、電源装置105の正極側から点火コイル101の一次巻線101aを通って電源装置105の負極側に至る、一次巻線101aの通電経路が形成され、一次巻線101aに一次電流i1が流れる。
したがって、第1指令信号S1aがハイレベルであり、一次巻線101aに一次電流i1が流れている状態の時に、第1指令信号S1aがローレベルに切り替わると、IGBT103がターンオフし、一次巻線101aへの一次電流i1の通電が停止され、一次電流i1が遮断させることになる。
すると、点火コイル101の二次巻線101bに点火用高電圧が発生する。そして、この点火用高電圧が点火プラグ102に印加されることで、点火プラグ102の電極102a−102b間に火花放電が発生する。
なお、点火コイル101は、IGBT103による一次巻線101aへの通電遮断により、点火プラグ102の中心電極102a側にグランド電位よりも低い負の点火用高電圧を発生させるように構成されている。この結果、火花放電に伴い二次巻線101bに流れる二次電流i2は、点火プラグ102の中心電極102aから二次巻線101bを通って、一次巻線101a側に流れる。
また、二次巻線101bと一次巻線101aとの接続部分には、二次巻線101bから一次巻線101a側の順方向に電流が流れることを許容し、逆方向への電流の流れを阻止するために、ダイオード等からなる整流素子108が設けられている。
図2に示した本実施の形態1の具体例では、整流素子108として、アノードが二次巻線101bに、カソードが一次巻線101aに接続されたダイオードが設けられている。そして、この整流素子108の動作によって、IGBT103のターンオン時、すなわち、一次巻線101aへの通電開始時に、二次巻線101bに電流が流れることが阻止される。
次に、ECU106からサイリスタ104に対して出力される第2指令信号S1bがローレベルである場合には、サイリスタ104がオフ状態となる。このため、一次巻線101aの両端が、サイリスタ104により短絡されることはない。
また、第2指令信号S1bがハイレベルである場合には、サイリスタ104がオン状態となり、点火コイル101の一次巻線101aの両端が短絡される。この結果、一次巻線101aとサイリスタ104と抵抗107による閉ループが形成される。
なお、サイリスタ104がオン状態のとき、一次巻線101aに流れる電流は、IGBT103がオン状態のときに流れる方向と同じ方向にのみ流れることが許容される。図2の回路構成では、整流素子108の一端は、二次巻線101b側に接続されるが、整流素子108の一端がグランドに接続された構成を採用しており、この構成によっても同様の効果が得られる。
続いて、タイミングチャートを用いて、図2の回路構成の一連動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る図2の回路構成を備えた放電停止装置における各部の波形を示したタイムチャートである。
具体的には、この図3では、図2に示す回路図における、第1指令信号S1a、第2指令信号S1b、点火コイル101の一次巻線101aに流れる一次電流i1、点火プラグ102の中心電極102aの電位Vp、および点火コイル101の二次巻線101bに流れる二次電流i2の各状態を、上段から順にタイミングチャートとして示している。
時刻t11にて、ECU106は、第1指令信号S1aをローレベルからハイレベルに切り換える。この結果、点火コイル101の一次巻線101aに一次電流i1が流れる。その後、ECU106は、あらかじめ設定された通電時間が経過した時刻t12にて、第1指令信号S1aをハイレベルからローレベルに切り換え、点火コイル101の一次巻線101aへの一次電流i1の通電を遮断する。
遮断した結果、点火プラグ102の中心電極102aに負の点火用高電圧が印加されて、その電位Vpが急峻に低下し、点火プラグ102の電極102a−102b間に火花放電が発生する。
そして、点火プラグ102の電極102a−102b間に火花放電が発生した後、内燃機関の運転状態に基づいて算出された火花放電維持時間が経過した時刻t13にて、ECU106は、第1指令信号S1aをローレベルからハイレベルに再び切り替る。この結果、一次巻線101aに再通電の一次電流i1が流れはじめる。
点火コイル101の鉄芯に残されている磁束Φに対応する磁界Hを発生する電流値にまで再通電の一次電流i1が達する時刻t15において、火花発生時に二次巻線101bに発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧が、二次巻線101bに誘導される。この結果、電極102a−102b間の電圧が放電維持電圧を下回ると、点火プラグ102での火花放電が強制的に遮断される。
鉄芯に残されている磁束Φが多いほど、火花放電が停止する一次電流i1は、高くなる。このため、鉄芯に残されている磁束Φが多いほど、必要な再通電時間は、長くなる。
放電停止後に再通電を続けると、コイルに追加で無用な磁束Φが蓄えられる。このため、ECU106は、再通電時間算出手段によって算出された再通電終了時刻t16にて、第1指令信号S1aをハイレベルからローレベルに再度切り替えることで、再通電を停止させる。
なお、ECU106は、この時刻t16以前の時刻t14において、第2指令信号S1bをローからハイレベルに切り替え、サイリスタ104をオン状態にして、一次巻線101aの両端を短絡しておく。この結果、再通電後は、点火コイル15に残されている磁束Φによって、一次巻線101aとサイリスタ104と抵抗107により形成される閉ループに一次電流i1が流れ始める。
ここで、サイリスタ104をオン状態にする時刻t14は、時刻t13から時刻t16までの間の任意の時刻でよい。
この時、一次巻線101aの閉ループ経路の抵抗成分107が大きくなると、磁束Φに対応する磁界Hを発生する電流値にまで一次電流i1が上昇しなくなり、再度、点火プラグ102に点火用高電圧と同極性の電圧が発生する。しかしながら、再絶縁破壊電圧は、放電維持電圧(数百V程度)に比べて圧倒的に高電圧(数kVから数十kV)である。このため、点火プラグ102の電極102a−102b間には、再度の火花放電は発生しない。
点火コイル101に残されていた磁束Φが一次巻線101aの内部抵抗と閉ループ経路の抵抗成分107によって消費されて、一次電流i1が徐々に減少していく。そして、磁束が消費された時刻t17において、一次電流i1は、流れなくなる。
その後、ECU106は、時刻t18において、第2指令信号S1bをハイレベルからローレベルに切り替えることで、サイリスタ104をターンオフさせる。この結果、一次巻線101aとサイリスタ104とによる閉ループが開放される。このようにして、内燃機関の1燃焼サイクルにおける火花放電が終了する。
次に、上述した図3のタイミングチャートを用いて、再通電時間算出手段による演算処理について説明する。再通電時間算出手段は、点火プラグ102の電極間での放電の切れを保障し、なおかつ、コイルに無駄な磁束が蓄えられないように再通電時間を算出する。つまり、再通電時間は、点火プラグ102の電極間での放電が切れる時刻t15から、再通電が終了する時刻t16までの時間が短くなるように、設定されなければいけない。
再通電時間算出手段による再通電時間算出例その1.
算出例その1では、再通電時間算出部は、一次巻線への初期通電時間(以下、一次通電時間と呼ぶ)と火花放電維持時間を用いて、再通電時間を算出する。点火コイル1内の磁束Φは、一次通電遮断時である時刻t12のときが最大であり、点火プラグ102で火花放電が続いている間に、磁束Φが消費されていく。
そのため、時刻t12と時刻t13の間隔に相当する放電維持時間が短いほど、点火コイル内に残っている磁束が多くなる。よって、火花放電時間が短いほど、放電停止に要する一次巻線への再通電の電流値は高くなり、再通電時間算出手段は、時刻t13と時刻t16の間隔に相当する再通電時間を長く設定する。
例えば、算出される再通電時間は、
再通電時間=(α×一次通電時間×残留磁束割合)
と考えることができる。ここで、
α=(α1/α2)
であり、α1は、磁束Φに対応する磁界Hを発生する電流値であり、α2は、再通電開始から放電停止までの区間に相当する再通電区間での電流値の増加速度である。α1とα2は、点火コイルの実験データや設計パラメータから決定することができる。
また、残留磁束割合は、一次通電終了時の磁束Φを最大として、放電停止開始時に点火コイル内に残された磁束Φの割合であり、
残留磁束割合=(1−(放電維持時間/通常放電維持時間))
と考えられる。
ここで、通常放電維持時間は、放電停止を行わない場合と同じ放電条件での火花放電維持時間である。
例として、一次通電時間を5[ms]、放電維持時間を0.2[ms]、通常放電維持時間を2[ms]、実験により決定したαを0.02とすると、残留磁束割合は、0.9となり、再通電時間は、0.09[ms]と算出できる。
このようにして算出された再通電時間で再通電停止時刻t16を設定することで、点火プラグ102での放電を遮断可能な再通電電流を流すことができる。
そして、時刻t16を適切に設定することで、必要以上に長く再通電が行われないため、無用なコイル発熱が抑制される。このような再通電時間の演算は、点火周期毎に行ってもよく、また、あらかじめ設定したマップを用いて行ってもよい。
次に、ECU106において実行される点火制御処理をフローチャートに沿って説明する。図4は、本実施の形態1におけるECU106により実行される点火制御処理のフローチャートである。なお、この図4のフローチャートは、一例として、図3の回路構成に対応している。
ECU106は、内燃機関の火花放電発生時期、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するためのものである。さらに、ECU106は、以下に説明する点火制御処理のために、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力),回転速度,スロットル開度,冷却水温,吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処理を行っている。
点火制御処理は、例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサからの信号に基づき、内燃機関が、吸気、圧縮、燃焼、排気を行う1燃焼サイクルに1回の割合で実行される。
そして、この点火制御処理が開始されると、まず、ステップS101にて、ECU106は、別途実行される運転状態検出処理にて検出された機関の運転状態を読込む。
次に、ステップS102にて、ECU106は、その読み込んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期(いわゆる点火時期)ts、火花放電維持時間Ttを算出し、さらに、火花放電発生時期tsと火花放電維持時間Ttから再通電開始時期rbを算出する。
なお、火花放電発生時期tsは、例えば、内燃機関の吸入空気量と回転速度をパラメータとするマップ若しくは計算式を用いて制御基準値を求め、これを冷却水温,吸気温等に基づき補正する、といった手順で算出される。
また、火花放電維持時間Ttは、例えば、内燃機関の回転速度と機関負荷を表すスロットル開度とに基づき、混合気を燃焼させるのに要する火花エネルギが大きい第1の運転条件下では長く、火花エネルギが小さくてよい第2の運転条件下では短くなるように、あらかじめ設定されたマップ若しくは計算式を用いて算出される。具体的には、第1の運転条件とは、内燃機関の低負荷低回転時等に相当し、第2の運転条件とは、高負荷高回転時等に相当する。
ここでは、火花放電発生時期tsは、B20°、火花放電維持時間Ttは、0.2[ms]とする。また、混合気に点火するには、火花放電時間は、0.05[ms]以上とするとよい。よって、一次巻線への再通電が開始される再通電開始時期rbは、火花放電発生時期ts=B20°の時刻からカウントして、火花放電維持時間Tt=0.2[ms]だけ経過した時刻となる。
次に、ステップS103にて、ECU106は、再通電維持時間算出部により、再通電維持時間Rt、一次巻線短絡時間Tbを算出する。
再通電維持時間Rtは、一次通電時間と火花放電維持時間Ttに基づいて、火花放電が停止する再通電の電流値が低い場合には短く、火花放電が停止する再通電の電流値が高い場合には長くなるように、あらかじめ設定されたマップ若しくは計算式を用いて算出される。
具体的には、火花放電が停止する再通電の電流値が低い場合とは、点火コイル101に残されている磁束Φが多い場合に相当し、火花放電が停止する再通電の電流値が高い場合とは、点火コイル101に残されている磁束Φが多い場合に相当する。
ここでは、算出された再通電時間Rtは、0.05[ms]とする。再通電による発熱を抑制するには、再通電時間Rtは、0.5[ms]以下となる範囲で算出するとよい。
さらに、一次巻線短絡時間Tbは、例えば、火花放電維持時間Ttに基づいて、点火コイル101に残された磁束Φが消費されるまでサイリスタ104のオン状態を継続するように、あらかじめ設定されたマップ若しくは計算式を用いて算出される。
なお、一次巻線短絡時間Tbは、火花放電維持時間Ttが長い場合には短く、火花放電維持時間Ttが短い場合(点火コイル101に残されている磁束Φが多い場合)には長くなるように設定される。
具体的には、火花放電維持時間Ttが長い場合とは、点火コイル101に残されている磁束Φが少ない場合に相当し、火花放電維持時間Ttが短い場合とは、点火コイル101に残されている磁束Φが多い場合に相当する。ここでは、一次巻線短絡時間Tbは、7[ms]とする。
次に、ステップS104にて、ECU106は、ステップS102にて算出した火花放電発生時期tsよりも、あらかじめ設定された一次通電時間だけ早い、一次巻線101aの通電開始時期を求める。そして、ECU106は、通電開始時期に達した時点、すなわち、先の図3に示す時刻t11の時点で、第1指令信号S1aをローレベルからハイレベルに変化させる。
第1指令信号S1aをローレベルからハイレベルに切り換えると、IGBT103がオン状態になる。このため、点火コイル101の一次巻線101aに一次電流i1が流れる。
そして、ステップS105にて、ECU106は、クランク角センサからの検出信号に基づき、ステップS102で算出した火花放電発生時期tsに達したか否かを判断する。そして、ECU106は、NOと判定した場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電発生時期tsになるまで待機する。
一方、ECU106は、ステップS105にて、火花放電発生時期tsに達したと判断すると、すなわち、時刻t12になったと判断すると、ステップS106に移行する。
次に、ステップS106にて、ECU106は、図3の時刻t12に示したように、第1指令信号S1aをハイレベルからローレベルに反転させる。この結果、IGBT103がターンオフして、一次電流i1が遮断されて、点火コイル101の二次巻線101bに点火用高電圧が誘導され、点火プラグ102の電極102a−102b間に火花放電が発生する。
続いて、ステップS107にて、ECU106は、ステップS105にて火花放電発生時期tsに達したと判断した後、ステップS102にて算出した火花放電維持時間Ttで火花放電を遮断開始するように設定された再通電開始時期rbに達したか否かを判断する。そして、ECU106は、再通電開始時期rbに達したと判断すると、すなわち、時刻t13に達したと判断すると、ステップS108に移行する。
次に、ステップS108にて、ECU106は、第1指令信号S1aをローレベルからハイレベルに切り換える。これにより、電源105から点火コイル101の一次巻き線101aに再通電が発生し、電流i1が流れ始める。
次に、ステップS109にて、ECU106は、第2指示信号S1bをローレベルからハイレベルに切り換える。この処理は、後述するステップS111で第1指令信号S1aをハイレベルからローレベルに切り替えるまでに行わなければいけない。
続いて、ステップS110にて、ECU106は、ステップS107にて再通電開始時期rbに達したと判断された後、ステップS103にて算出した、火花放電維持時間Ttで火花放電を遮断開始するように設定された再通電維持時間Rtに達したか否かを判断する。そして、ECU106は、再通電維持時間Rtに達した、すなわち、時刻t16である、と判断すると、ステップS111に移行する。
ステップS111にて、ECU106は、第1指令信号S1aをハイレベルからローレベルに切り換える。これにより、電源105から点火コイル101の一次巻き線101aへの再通電が止まる。それと同時に、点火コイル101に残っている磁束によって、一次巻線101aとサイリスタ104とで形成される閉ループに、一次電流i1が流れ始める。
このステップ後、点火コイル101に残されていた磁束が、一次巻線101aの内部抵抗と抵抗107によって消費されていき、一次巻線101aとサイリスタ104との閉ループに流れる一次電流i1が減少していく。
続く、ステップS112にて、ECU106は、ステップS109で第2指令信号S1bがローレベルからハイレベルに変更された後、ステップS103で算出された一次巻線短絡時間Tbが経過したか否かを判定する。そして、ECU106は、YESと判定した場合には、ステップS113に移行し、NOと判定した場合には、同じステップを繰り返し実行することで待機する。
そして、一次巻線短絡時間Tbが経過し、時刻t18に到達すると、ステップS113にて、ECU106は、第2指令信号S1bをハイレベルからローレベルに反転させて、本点火制御処理を終了する。
再通電時間算出手段による再通電時間算出例その2.
算出例その2では、再通電時間算出部は、再通電時の一次巻線101aの電流変化によって再通電時間を算出する。これが特に有効なケースは、内燃機関気筒内の流動等に火花放電が流され伸長するとき、あるいは放電経路が変化する等の場合である。
そのような時、点火プラグ102で火花放電が続いている間の磁束Φの減少速度は、エンジン気筒内の放電状況によって大きく変化する。そのため、同じ火花放電維持時間でも点火コイル内に残される磁束Φは、同じではない。つまり、実際の内燃機関気筒内において、一次通電時間と火花放電維持時間による演算では、点火コイル内に残される磁束Φに適した再通電時間の算出が困難である。
点火コイル内に残っている磁束Φに対応する磁界Hが発生し、点火プラグ102での火花放電が停止する時刻t15までは、再通電の電流値は、急速に上昇していく。その一方で、火花放電停止時刻t15後は、点火コイル101の鉄芯にさらに磁束Φを蓄えていくことになるため、時刻t15以降における再通電の電流上昇速度は、鈍化する。そこで、算出例その2において、再通電時間算出部は、この電流変化によって、放電停止完了時刻t15を検知する。
例えば、再通電時間算出部は、再通電の電流微分値を取得し、再通電を開始してからある時刻で電流の微分値があらかじめ設定した閾値を下回ったときに、放電停止完了時刻t15を過ぎてコイルへの再充電に移行したと判断する。この時刻を再通電停止時刻t16とすると、時刻t16は、コイル内の残り磁束Φに適した再通電時間の設定となる。
上記のように算出された時刻t16で再通電を停止させることで、放電停止開始時刻t13の磁束Φが未知であっても、点火プラグ102での放電を遮断可能な再通電電流を流すことができ、なおかつ、必要以上に長く再通電が行われず、無用なコイル発熱を抑制することができる。
この時刻t16を演算する場合には、放電停止装置の構成として、再通電時の一次巻線101aを流れる再通電の電流変化を検出するための電流検出器を備える必要がある。
図5は、本発明の実施の形態1における電流検出器を備えた放電停止装置の具体的な構成を示す電気回路図である。電流検出抵抗109は、電源105の正極端子と一次巻線101aとの間に直列に設置される。電流検出抵抗109の両端の電圧V1aと電圧V1bは、差動増幅器110に入力される。
そして、ECU106は、電流検出抵抗109の両端間での電圧降下を差動増幅器110によって増幅した出力V1を測定する。そして、ECU106は、出力V1を電流値に変換する。
次に、ECU106において実行される点火制御処理について、フローチャートに沿って説明する。図6は、本発明の実施の形態1におけるECU106により実行される点火制御処理のフローチャートである。なお、この図6のフローチャートは、一例として、図5の回路構成に対応している。
ECU106は、内燃機関の火花放電発生時期、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するためのものである。さらに、ECU106は、以下に説明する点火制御処理のために、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力),回転速度,スロットル開度,冷却水温,吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処理を行っている。
点火制御処理は、例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサからの信号に基づき、内燃機関が、吸気、圧縮、燃焼、排気を行う1燃焼サイクルに1回の割合で実行される。
そして、この点火制御処理が開始されると、まず、ステップS201にて、ECU106は、別途実行される運転状態検出処理にて検出された機関の運転状態を読込む。
次に、ステップS202にて、ECU106は、その読み込んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期(いわゆる点火時期)ts、火花放電維持時間Ttを算出し、さらに再通電開始時期rbを算出する。
なお、火花放電発生時期tsは、例えば、内燃機関の吸入空気量と回転速度をパラメータとするマップ若しくは計算式を用いて制御基準値を求め、これを冷却水温,吸気温等に基づき補正する、といった手順で算出される。
また、火花放電維持時間Ttは、例えば、内燃機関の回転速度と機関負荷を表すスロットル開度とに基づき、混合気を燃焼させるのに要する火花エネルギが大きい第1の運転条件下では長く、火花エネルギが小さくてよい第2の運転条件下では短くなるように、あらかじめ設定されたマップ若しくは計算式を用いて算出される。具体的には、第1の運転条件とは、内燃機関の低負荷低回転時等に相当し、第2の運転条件とは、高負荷高回転時等に相当する。
ここでは、火花放電発生時期tsは、B20°、火花放電維持時間Ttは、0.2[ms]とする。また、混合気に点火するには、火花放電時間は、0.05[ms]以上とするとよい。よって、一次巻線への再通電が開始される再通電開始時期rbは、火花放電発生時期ts=B20°の時刻からカウントして、火花放電維持時間Tt=0.2[ms]だけ経過した時刻となる。
次に、ステップS203にて、ECU106は、ステップS202にて算出した火花放電発生時期tsよりも、あらかじめ設定された一次通電時間だけ早い、一次巻線101aの通電開始時期を求める。そして、ECU106は、通電開始時期に達した時点、すなわち、先の図3に示す時刻t11の時点で、第1指令信号S1aをローレベルからハイレベルに変化させる。
ステップS203の処理により、第1指令信号S1aをローレベルからハイレベルに切り換えると、IGBT103がオン状態になる。このため、点火コイル101の一次巻線101aに一次電流i1が流れる。
そして、ステップS204にて、ECU106は、クランク角センサからの検出信号に基づき、ステップS202で算出した火花放電発生時期tsに達したか否かを判断する。そして、ECU106は、NOと判定した場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電発生時期tsになるまで待機する。
一方、ECU106は、ステップS204にて、火花放電発生時期tsに達したと判断すると、すなわち、時刻t12になったと判断すると、ステップS205に移行する。
次に、ステップS205にて、ECU106は、図3の時刻t12に示したように、第1指令信号S1aをハイレベルからローレベルに反転させる。この結果、IGBT103がターンオフして、一次電流i1が遮断されて、点火コイル101の二次巻線101bに点火用高電圧が誘導され、点火プラグ102の電極102a−102b間に火花放電が発生する。
続いて、ステップS206にて、ECU106は、ステップS204にて火花放電発生時期tsに達したと判断した後、ステップS202にて算出した火花放電維持時間Ttで火花放電を遮断開始するように設定された再通電開始時期rbに達したか否かを判断する。そして、ECU106は、再通電開始時期rbに達したと判断すると、すなわち、時刻t13に達したと判断すると、ステップS207に移行する
次に、ステップS207にて、ECU106は、第1指令信号S1aをローレベルからハイレベルに切り換える。これにより、電源105から点火コイル101の一次巻き線101aに再通電が発生し、電流i1が流れ始める。
次に、ステップS208にて、ECU106は、第2指示信号S1bをローレベルからハイレベルに切り換える。この処理は、後述するステップS201で第1指令信号S1aをハイレベルからローレベルに切り替えるまでに行わなければいけない。
次に、ステップS209にて、ECU106は、電流i1の微分値を読込む。その後、ステップS210に移動する。続いて、ステップS210にて、ECU106は、電流i1の微分値があらかじめ設定された閾値を下回ったか否か判断する。ECU106は、NOと判定した場合には、再びステップS209に戻ることで、電流値i1の微分値が閾値を下回るまで待機する。
一方、ECU106は、電流i1の微分値があらかじめ設定された閾値を下回る時刻t16に到達すると、放電停止が完了したと判断する。ここで、事前の放電停止実験により、再通電開始から放電遮断完了までの電流微分値が30[A/ms]、放電遮断完了後にコイルに磁束が蓄積される時の電流微分値が2[A/ms]と得られていたとすると、閾値は、2から30[A/ms]の範囲内で設定される。
完全な放電遮断を保障するには、閾値を低く設定するとよい。たとえば、閾値は10[A/ms]以下に設定する。
続いて、ステップS211にて、ECU106は、第1指令信号S1aをハイレベルからローレベルに切り換える。これにより、電源105から点火コイル101の一次巻き線101aの再通電が止まる。それと同時に、点火コイル101に残っている磁束によって、一次巻線101aとサイリスタ104とで形成される閉ループに、一次電流i1が流れ始める。
このステップ後、点火コイル101に残されていた磁束が、一次巻線101aの内部抵抗と抵抗107によって消費されていき、一次巻線101aとサイリスタ104との閉ループに流れる一次電流i1が減少していく。
次に、ステップS212にて、ECU106は、ステップS208でハイレベルに切り替えてからの経過時間である一次巻線短絡時間Tbを算出する。例えば、ECU106は、ステップS208からステップS211までの期間に相当する再通電時間に基づいて、点火コイル101に残された磁束Φが消費されるまでサイリスタ104のオン状態を継続するように、あらかじめ設定されたマップ若しくは計算式を用いて、一次巻線短絡時間Tbを算出する。
なお、一次巻線短絡時間Tbは、再通電時間が長い場合には短く、再通電時間が短い場合には長くなるように設定される。具体的には、再通電時間が長い場合とは、点火コイル101に残されている磁束Φが少ない場合に相当し、再通電時間が短い場合とは、点火コイル101に残されている磁束Φが多い場合に相当する。ここでは、一次巻線短絡時間Tbは、7[ms]とする。
続く、ステップS213にて、ECU106は、ステップS208で第2指令信号S1bがローレベルからハイレベルに変更された後、ステップS212で算出された一次巻線短絡時間Tbが経過したか否かを判定する。そして、ECU106は、YESと判定した場合には、ステップS214に移行し、NOと判定した場合には、同じステップを繰り返し実行することで待機する。
そして、一次巻線短絡時間Tbが経過し、時刻t18に到達すると、ステップS214にて、ECU106は、第2指令信号S1bをハイレベルからローレベルに反転させて、本点火制御処理を終了する。
なお、図3のタイミングチャートにおいて、時刻t12が火花放電発生時期tsに相当し、時刻t12から時刻t15までの期間が火花放電維持時間Ttに相当し、時刻t13が再通電開始時期rbに相当し、時刻t13から時刻t16までの期間が再通電継続時間Rtに相当している。
以上のように、実施の形態1に係る放電停止装置は、火花放電の発生中に、第1スイッチを導通状態に切り替え、1次コイルに電流を再通電させる再通電制御処理部と、1次コイルの一方と、1次コイルのもう一方と、をつなぐ還流経路中に配置される第2スイッチを火花放電の発生中に導通状態に切り替え、還流経路を導通状態にする還流制御処理部と、を備えて構成されている。
この結果、再通電装置と還流装置を用いて、火花放電を停止させることで、火花放電を放電途中で素早く確実に停止させることができる。
さらに、再通電装置は、還流装置により、還流経路が導通状態になっているときに、第1スイッチを遮断状態に切り替え、再通電を終了させることで、火花放電を放電途中で素早く確実に停止させることができる。この結果、再通電による点火コイルの無用な発熱を抑制することができる。
さらに、還流装置は、再放電装置により、1次コイルに電流を再通電させているときに、第2スイッチを導通状態に切り替えることで、火花放電を放電途中で素早く確実に停止させることができる。
さらに、再通電装置は、1次コイルが火花放電を発生させるために蓄積したエネルギの大きさに応じて再通電の期間を調整することで、火花放電を放電途中で素早く確実に停止させることができる。この結果、再通電による点火コイルの無用な発熱を抑制することができる。
さらに、再通電装置は、1次コイルに流れる電流の変化量である電流微分値を検出し、電流の変化量が判定値以下となっているときに、第1スイッチを遮断状態に切り替え、再通電を終了させることができる。この結果、火花放電を放電途中で素早く確実に停止させることができ、再通電による点火コイルの無用な発熱を抑制することができる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2における放電停止装置の具体的な構成を示す電気回路図である。図7に示すように、本実施の形態2の放電停止装置構成は、点火コイル101、点火プラグ102、IGBT103、電源装置(バッテリ)105、ECU106、トランジスタ201、202、単方向素子203、および抵抗204〜206を備えている。
点火コイル101は、一次巻線101aと二次巻線101bとからなる。点火プラグ102は、内燃機関の気筒に設けられている。IGBT103は、一次巻線101aと直列接続され、オン状態となることで、一次巻線101aの両端を短絡する。
電源装置(バッテリ)105は、放電用の電気エネルギとして、例えば、電圧12Vを供給する。ECU106は、第1指令信号S1aおよび第2指令信号S1bを各々出力する。
トランジスタ201は、電源スイッチを構成している。また、トランジスタ202は、トランジスタ201をオンオフ制御する。単方向通電素子203は、点火コイル101の一次巻線101aに並列に接続されている。
抵抗204は、単方向素子203に直列に接続されている。抵抗205は、トランジスタ201のベースと、エミッタが接地されたトランジスタ202のコレクタとの間に接続されている。さらに、抵抗206は、トランジスタ201のエミッタベース間に接続されている。
ここで、抵抗204は、トランジスタ201がオフ状態、かつIGBT103がオン状態時の一次巻線101aの閉ループ経路の抵抗成分を表しており、単方向通電素子203の順方向抵抗や配線抵抗などを含んでいる。
そして、一次巻線101aの一端は、トランジスタ201のコレクタに接続され、他端は、IGBT103のコレクタに接続されている。また、二次巻線101bの一端は、整流素子108を介して、電源装置105の正極に接続されている一次巻線101aの一端に接続されている。また、二次巻線101bの他端は、点火プラグ102の中心電極102aに接続されている。
そして、点火プラグ102の側方電極102bは、電源装置105の負極と同電位のグランドに接地されている。また、IGBT103のベースは、ECU106と接続され、IGBT103のエミッタは、グランドに接地されている。
電源装置105の正極側出力端子は、トランジスタ201のエミッタに接続されている。トランジスタ201のベースは、エミッタが接地されたトランジスタ202のコレクタに抵抗205を通して接続されている。トランジスタ201のエミッタベース間には、抵抗206が接続されている。トランジスタ202のゲートは、ECU106に接続されている。
また、点火コイル101 の一次巻線101aに対して並列に、単方向通電素子203を構成するダイオードが、アノードを接地側に向けて接続されている。抵抗204の一端は、トランジスタ201のエミッタに接続され、もう一端は、単方向通電素子203を構成するダイオードのカソード側に接続されている。
そして、ECU106からIGBT103に対して出力される第1指令信号S2aが、一般にグランド電位に相当するローレベルであることによりIGBT103がオフ状態であるか、またはECU106からトランジスタ202に対して出力される第2指令信号S2bが、一般にグランド電位に相当するローレベルであることによりトランジスタ201がオフ状態である場合には、一次巻線101aに電流が流れることはない。
また、第1指令信号S2aがハイレベルで、IGBT103がオン状態であり、なおかつ、第2指令信号S2bがハイレベルで、トランジスタ202がオン状態である場合には、電源装置105の正極側から点火コイル101の一次巻線101aを通って電源装置105の負極側に至る、一次巻線101aの通電経路が形成され、一次巻線101aに一次電流i1が流れる。
したがって、第1指令信号S2aと第2指令信号S2bがともにハイレベルであり、一次巻線101aに一次電流i1が流れている状態のときに、第1指令信号S2aがローレベルになると、IGBT103がターンオフし、一次巻線101aへの一次電流i1の通電が遮断されることになる。
すると、点火コイル101の二次巻線101bに点火用高電圧が発生する。そして、この点火用高電圧が点火プラグ102に印加されることで、点火プラグ102の電極102a−102b間に火花放電が発生する。
なお、点火コイル101は、IGBT103による一次巻線101aへの通電遮断により、点火プラグ102の中心電極102a側にグランド電位よりも低い負の点火用高電圧を発生させるように構成されている。この結果、火花放電に伴い二次巻線101bに流れる二次電流i2は、点火プラグ102の中心電極102aから二次巻線101bを通って、一次巻線101a側に流れる。
また、二次巻線101bと一次巻線101aとの接続部分には、二次巻線101bから一次巻線101a側の順方向に電流が流れることを許容し、逆方向への電流の流れを阻止するために、ダイオード等からなる整流素子108が設けられている。
図7に示した本実施の形態2の具体例では、整流素子108として、アノードが二次巻線101bに、カソードが一次巻線101aに接続されたダイオードが設けられている。そして、この整流素子108の動作によって、IGBT103のターンオン時、すなわち、一次巻線101aへの通電開始時に、二次巻線101bに電流が流れることが阻止される。
なお、本実施の形態2では、整流素子108の一端が、二次巻線101b側に接続されているが、整流素子108の一端が、グランドに接続された構成でも、同様の効果を得ることができる。
次に、ECU106からIGBT103に対して出力される第1指令信号S2aがハイレベルであり、かつ、ECU106からトランジスタ202に対して出力される第2指令信号S2bがローレベルである場合には、点火コイル101の一次巻線101aの両端が短絡される。
この結果、一次巻線101aとダイオード203と抵抗204による閉ループが形成される。なお、ダイオード203によって、一次巻線101aに流れる電流は、一次電流i1が通電状態のときに流れる方向と同じ方向にのみ流れることが許容される。
続いて、タイミングチャートを用いて、図7の回路構成の一連動作について説明する。図8は、本発明の実施の形態2に係る図7の回路構成を備えた放電停止装置における各部の波形を示したタイムチャートである。
具体的には、この図8では、図7に示す回路図における、第1指令信号S2a、第2指令信号S2b、点火コイル15の一次巻線101aに流れる一次電流i1、点火プラグ102の中心電極102aの電位Vp、および点火コイル101の二次巻線101bに流れる二次電流i2の各状態を、上段から順にタイミングチャートとして示している。
ECU106は、時刻t20にて、第2指令信号S2bをローレベルからハイレベルに切り換え、その後の時刻t21にて、第1指令信号S2aをローレベルからハイレベルに切り換える。この結果、点火コイル101の一次巻線101aに一次電流i1が流れる。
その後、ECU106は、あらかじめ設定された通電時間が経過した時刻t22にて、第1指令信号S2aをハイレベルからローレベルに切り換え、点火コイル101の一次巻線101aへの一次電流i1の通電を遮断する。
遮断した結果、点火プラグ102の中心電極102aに負の点火用高電圧が印加されて、その電位Vpが急峻に低下し、点火プラグ102の電極102a−102b間に火花放電が発生する。
そして、点火プラグ102の電極102a−102b間に火花放電が発生した後、内燃機関の運転状態に基づいて算出された火花放電維持時間が経過した時刻t23にて、ECU106は、第1指令信号S2aをローレベルからハイレベルに再び切り替る。この結果、一次巻線101aに再通電の一次電流i1が流れはじめる。
点火コイル101の鉄芯に残されている磁束Φに対応する磁界Hを発生する電流値にまで再通電の一次電流i1が達する時刻t24において、火花発生時に二次巻線101bに発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧が、二次巻線101bに誘導される。この結果、電極102a−102b間の電圧が放電維持電圧を下回ると、点火プラグ102での火花放電が強制的に遮断される。
鉄芯に残されている磁束Φが多いほど、火花放電が停止する一次電流i1は、高くなる。このため、鉄芯に残されている磁束Φが多いほど、必要な再通電時間は、長くなる。
放電停止後に再通電を続けると、コイルに追加で無用な磁束Φが蓄えられる。このため、ECU106は、再通電時間算出手段によって算出された再通電終了時刻t25にて、第2指令信号S2bをハイレベルからローレベルに切り替えることで、再通電を停止させる。
なお、この時刻t25で一次巻線101aの両端が短絡状態になる。この結果、再通電後は、点火コイル101に残されている磁束Φによって、一次巻線101aとダイオード203と抵抗204により形成される閉ループには、一次電流i1が流れ始める。
本実施の形態2では、第2指令信号S2bは、時刻t22以降の火花放電中にオン状態である場合について説明した。しかしながら、時刻t22以降で第2指令信号S2bをオフ状態にし、時刻t23以前に再度第2指令信号S2bをオン状態にしてもよい。
先の実施の形態1と同様に、一次巻線101aの閉ループ経路の抵抗成分204が大きくなると、磁束Φに対応する磁界Hを発生する電流値にまで一次電流i1が上昇しなくなり、再度、点火プラグ102に点火用高電圧と同極性の電圧が発生する。しかしながら、再絶縁破壊電圧は、放電維持電圧(数百V程度)に比べて圧倒的に高電圧(数kVから数十kV)である。このため、点火プラグ102の電極102a−102b間には、再度の火花放電は発生しない。
点火コイル101に残されていた磁束Φが一次巻線101aの内部抵抗と閉ループ経路の抵抗成分204によって消費されて、一次電流i1が徐々に減少していく。そして、磁束が消費された時刻t26において、一次電流i1は、流れなくなる。
その後、ECU106は、時刻t27において、第1指令信号S2aをハイレベルからローレベルに切り替えることで、IGBT103をターンオフさせる。この結果、一次巻線101aとダイオード203と抵抗204による閉ループが開放される。このようにして、内燃機関の1燃焼サイクルにおける火花放電が終了する。
以上のように、実施の形態2に係る放電停止装置は、一次巻線を通電し、その後、遮断することにより、点火コイルの二次巻線に誘導される点火用高電圧を点火プラグに印加して、点火プラグの電極間に火花放電を発生させる。
そして、内燃機関の運転状態に基づいて算出した火花放電維持時間で、一次巻線を短時間再通電させ、火花発生時に二次巻線に発生していた点火用高電圧とは逆極性の電圧を二次巻線に誘導し、点火プラグでの火花放電を強制的に遮断することで放電停止させている。
このような短時間の再通電後に、一次巻線の両端を短絡させた経路で磁束を消費させることで、一次巻線の閉ループ経路の抵抗値が高い場合でも、二次巻線側の放電を素早く確実に遮断している。また、再通電時間は、再通電時間算出手段により最適に制御されており、点火コイルの無駄な発熱も生まない。
なお、本発明は上述した実施の形態1、2に限定されるものではなく、以下に例示するような、種々の態様を採ることができる。実施の形態1、2において、一次巻線の再通電手段は、放電用の電気エネルギを供給する電源装置や点火用スイッチ等、一次通電手段と共用していた。しかしながら、例えば、一次通電経路とは別に再通電手段専用の電源やスイッチング手段を新たに設置しても、同様に点火装置による火花放電を放電途中で素早く確実に停止させることが可能である。
また、サイリスタやダイオード等の単方向素子の代わりに、トランジスタ等を用いて一次巻線の両端を短絡するように内燃機関用点火装置を構成しても、一次巻線を短絡させることができ、点火コイル内の残り磁束を消費できる。
また、再通電電流検出手段として電流検出抵抗を用いたが、電流検出手段は、カレントトランス等の任意の手法を用いてもよい。また、電流検出手段の設置箇所は、一次巻線の電流を検出可能ならば、任意の箇所でよく、例えば、点火用スイッチと一次巻線の間等に設置してもよい。
また、上述した実施の形態1、2では、各スイッチの制御をコントローラであるECUで行う形で説明したが、コントローラ内に、1次コイルへの再通電制御を行う再通電制御処理部と、1次コイルの両端をつなぐ還流経路の還流制御を行う還流制御処理部を個別に設ける構成とすることも可能である。
101 点火コイル、102 点火プラグ、103 点火用スイッチを構成するIGBT(第1スイッチ)、104 単方向通電素子を構成するサイリスタ(第2スイッチ)、105 直流電源、106 ECU(コントローラ)、107 抵抗(一次巻線短絡時の閉ループ経路の抵抗成分)、109 電流検出手段を構成する電流検出抵抗、201 電源スイッチを構成するトランジスタ、202 電源スイッチをオンオフするトランジスタ(第2スイッチ)、203 単方向通電素子を構成するダイオード、204 抵抗(一次コイル短絡時の閉ループ経路の抵抗成分)。

Claims (4)

  1. 間隙を介して対向する第1の電極と第2の電極とを有し、前記間隙に火花放電を発生させることで内燃機関の燃焼室内の可燃混合気を着火させる点火プラグと、
    1次コイルと、前記1次コイルと磁気結合する2次コイルと、を含む点火コイルと、
    前記1次コイルへ電流を供給する電源装置と、
    前記1次コイルと前記電源装置との間に配置され、前記電源装置から供給される電流の導通状態/遮断状態の切り替えを行う第1スイッチと
    前記第1スイッチを導通状態に切り替えることで前記1次コイルに電流を通電させ、前記可燃混合気を着火させるために十分な前記火花放電を前記点火プラグに発生させるためのエネルギを前記1次コイルに蓄積させ、前記1次コイルに前記エネルギが蓄積されている状態で、前記第1スイッチを遮断状態に切り替え、前記電流を遮断し、前記2次コイルに高電圧を発生させ、前記高電圧により前記点火プラグの前記間隙に前記火花放電を発生させるコントローラと
    を備えた内燃機関用点火装置において、火花放電を放電途中で停止させる放電停止装置であって、
    前記1次コイルの両端をつなぐ還流経路中に配置され、前記還流経路の導通状態/遮断状態の切り替えを行う第2スイッチを備え、
    前記コントローラは、
    前記火花放電の発生中に、前記第1スイッチを導通状態に切り替え、前記1次コイルに電流を再通電させる再通電制御処理部と、
    前記火花放電の発生中に前記第2スイッチを導通状態に切り替え、前記還流経路を導通状態にする還流制御処理部と
    を含んで構成され、
    前記再通電制御処理部と前記還流制御処理部を用いて、前記火花放電を放電途中で停止させ
    前記再通電制御処理部は、前記1次コイルに流れる電流の変化量を検出し、前記電流の変化量があらかじめ設定された閾値以下となっているときに、前記第1スイッチを遮断状態に切り替え、前記再通電を終了させる
    放電停止装置。
  2. 前記再通電制御処理部は、前記還流制御処理部により、前記還流経路が導通状態になっているときに、前記第1スイッチを遮断状態に切り替え、前記再通電を終了させる
    請求項1に記載の放電停止装置。
  3. 前記還流制御処理部は、前記再通電制御処理部により、前記1次コイルに前記電流を再通電させているときに、前記第2スイッチを導通状態に切り替える
    請求項1または2に記載の放電停止装置。
  4. 前記再通電制御処理部は、前記1次コイルが前記火花放電を発生させるために蓄積された前記エネルギの大きさに応じて、前記再通電の期間を調整する
    請求項1から3のいずれか1項に記載の放電停止装置。
JP2016214957A 2016-11-02 2016-11-02 放電停止装置 Expired - Fee Related JP6373932B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016214957A JP6373932B2 (ja) 2016-11-02 2016-11-02 放電停止装置
US15/586,699 US10364787B2 (en) 2016-11-02 2017-05-04 Discharge stopping device
DE102017207592.9A DE102017207592A1 (de) 2016-11-02 2017-05-05 Entladungs-Stoppvorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016214957A JP6373932B2 (ja) 2016-11-02 2016-11-02 放電停止装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018071488A JP2018071488A (ja) 2018-05-10
JP6373932B2 true JP6373932B2 (ja) 2018-08-15

Family

ID=61912514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016214957A Expired - Fee Related JP6373932B2 (ja) 2016-11-02 2016-11-02 放電停止装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10364787B2 (ja)
JP (1) JP6373932B2 (ja)
DE (1) DE102017207592A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018178997A (ja) * 2017-04-20 2018-11-15 株式会社デンソー 内燃機関用点火システム
DE112019004778T5 (de) * 2018-10-24 2021-09-09 Hitachi Astemo, Ltd. Steuervorrichtung für brennkraftmaschine
JP6698906B1 (ja) * 2019-04-02 2020-05-27 三菱電機株式会社 内燃機関の放電状態検出装置
JP7196741B2 (ja) * 2019-04-09 2022-12-27 株式会社デンソー 点火制御装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5791377A (en) * 1980-11-26 1982-06-07 Nippon Soken Inc Ignition method of internal combustion engine
JPS5786562A (en) * 1980-11-17 1982-05-29 Nippon Soken Inc Ignition system for internal combustion engine
JP3322862B2 (ja) * 1999-02-19 2002-09-09 日本特殊陶業株式会社 内燃機関用点火装置
JP4358370B2 (ja) 1999-06-25 2009-11-04 日本特殊陶業株式会社 内燃機関用点火装置
JP3582423B2 (ja) * 1999-10-26 2004-10-27 国産電機株式会社 内燃機関点火装置
JP2001140739A (ja) * 1999-11-15 2001-05-22 Ngk Spark Plug Co Ltd 内燃機関用点火装置
JP3982318B2 (ja) 2002-04-26 2007-09-26 国産電機株式会社 内燃機関用点火装置
AT504369B8 (de) * 2006-05-12 2008-09-15 Ge Jenbacher Gmbh & Co Ohg Zündeinrichtung für eine brennkraftmaschine
JP6274056B2 (ja) * 2013-11-28 2018-02-07 株式会社デンソー 点火装置
CN103745816B (zh) * 2013-12-31 2018-01-12 联合汽车电子有限公司 一种大能量点火线圈
US9932955B2 (en) * 2014-04-10 2018-04-03 Denso Corporation Ignition apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
US10364787B2 (en) 2019-07-30
DE102017207592A1 (de) 2018-05-03
JP2018071488A (ja) 2018-05-10
US20180119666A1 (en) 2018-05-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6373932B2 (ja) 放電停止装置
US10508637B2 (en) Ignition control system
WO2015156296A1 (ja) 点火装置
JP6324432B2 (ja) 内燃機関の点火制御装置および点火制御方法
JP2015132170A (ja) 内燃機関用の点火装置
JP6337586B2 (ja) 点火装置
US10934991B2 (en) Internal combustion engine combustion state detecting device
JP6337585B2 (ja) 点火装置
JP6563699B2 (ja) 点火制御装置
WO2019130462A1 (ja) 内燃機関用点火装置
JP6627644B2 (ja) 点火制御装置
JP4141014B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP2008106723A (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP6622513B2 (ja) 点火装置
JP7055243B2 (ja) 点火装置
JP4358370B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP4521502B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP6890071B2 (ja) 点火制御方法及び点火制御装置
JP6269270B2 (ja) 点火装置
JP2020139445A (ja) 内燃機関用点火装置
JP2003184723A (ja) 内燃機関用点火装置
JP4536219B2 (ja) イオン電流検出装置
JP4169266B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP2002048038A (ja) 内燃機関用点火装置
JP6531841B2 (ja) 点火装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180611

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6373932

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees