JP4567878B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火コイルに発生した点火用高電圧を印加することで点火プラグの電極間に火花放電を発生させるとともに、火花放電の終了後にイオン電流を発生させる機能を備えた内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジン等に使用される内燃機関においては、点火プラグによる火花放電により混合気が燃焼すると、その燃焼に伴ってイオンが発生することから、点火プラグの火花放電により混合気が燃焼した後に、その点火プラグの電極間に電圧を印加することでイオン電流が流れる。そして、イオンの発生量は混合気の燃焼状態によって変化することから、このイオン電流を検出し、解析処理を行うことによって、失火検知やノッキング検出等を行うことができる。
【0003】
そして、従来より、このイオン電流を発生させる機能を備えた内燃機関用点火装置としては、二次巻線の一端に点火プラグが電気的接続される一方、二次巻線の他端に直列にコンデンサが備えられており、点火プラグでの火花放電発生時に、点火コイルの二次巻線および点火プラグに流れる火花放電電流(二次電流)によりこのコンデンサを充電し、火花放電終了後に充電されたコンデンサを放電して、二次巻線を介して点火プラグの電極間に電圧を印加することで、イオン電流を発生させる構成が主流である(例えば、特開平4−191465号公報や特開平10−238446号公報など)。
【0004】
なお、このような内燃機関用点火装置では、コンデンサに並列にツェナーダイオードが備えられて、コンデンサが過充電により破壊されるのを防ぐとともに、コンデンサの両端電圧を一定電圧(100〜300[V])に制限している。
このように、コンデンサをイオン電流発生用の電源として用いる内燃機関用点火装置は、イオン電流発生用としての専用電源装置(バッテリなど)を特に設ける必要が無くなるため、部品点数が比較的少なくなると共に、小型化を図ることができるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように点火プラグでの火花放電時に流れる二次電流にて充電したコンデンサを放電させることで点火プラグの電極間にイオン電流を発生させる構成の内燃機関用点火装置では、点火コイルにエネルギを蓄積するために一次巻線への通電を開始した際に、点火用高電圧とは逆極性の高電圧(数kV)が二次巻線に発生して、点火プラグが正常な点火時期以前に火花放電を生じてしまい、混合気への誤着火を引き起こす虞がある。
【0006】
つまり、上述の内燃機関用点火装置は、二次電流の通電経路に直列接続されたコンデンサに対し、火花放電発生時には充電が可能となり、またイオン電流発生時には放電が可能となるように、二次電流の通電経路が両方向の電流を通電可能となるように構成されている。このため、上述の内燃機関用点火装置では、一次巻線への通電開始時の点火コイルにおける磁束密度の変化に伴い、一次電流の通電遮断時とは逆極性の誘導電圧が二次巻線の両端に発生することになり、この時に発生する誘導電圧が火花放電に必要な電圧値を超える高電圧となる場合には、本来の火花放電時とは逆方向の二次電流が流れる状態で、点火プラグに火花放電が発生することになる。
【0007】
また、一次巻線への通電時間を同じ長さに設定した条件下においては、内燃機関の回転速度が高くなるほど、一次巻線への通電開始時期は、クランク角度の早い時期に設定されることになり、つまり、シリンダ内の筒内圧が低い時期に設定されることになる。そして、点火プラグにおける放電電圧は、シリンダ内の筒内圧が低くなるほど低下することが知られていることから、高回転運転時においては、一次巻線への通電開始時に二次巻線に発生する点火用高電圧とは逆極性の高電圧(数kV)によって、混合気への誤着火が起こり易くなる。
【0008】
このような早い時期での混合気への誤着火の発生を防ぐためには、二次電流の通電経路における電流の通電可能な方向を一方向として、一次電流の通電遮断時にのみ電流が流れるのを許容するように、所謂、逆流防止用ダイオードを二次巻線の一端と点火プラグとにより形成される通電経路に設けると良い。しかしながら、二次巻線の一端と点火プラグとにより形成される通電経路に、一次電流の通電遮断時にのみ電流が流れるのを許容する逆流防止用ダイオードを設ける場合、上述の公報技術に示されたイオン電流を発生させる機能を備えた内燃機関用点火装置では、二次電流によるコンデンサへの充電は可能となるものの、コンデンサの放電による電流を流すことができなくなる。つまり、点火プラグの電極間にイオン電流を発生させることが不可能となって、点火プラグの電極間におけるイオン電流の検出を行うことができない。
【0009】
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、一次巻線への通電開始時に点火プラグに火花放電が発生して、混合気への誤着火を引き起こすことを抑制するとともに、点火プラグの電極間におけるイオン電流の発生、検出が可能な内燃機関用点火装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、一次巻線および二次巻線を有し、一次巻線に流れる一次電流を遮断することで二次巻線に点火用高電圧を発生する点火コイルと、点火コイルの一次巻線に流れる一次電流の通電・遮断を行うスイッチング手段と、二次巻線に直列接続されて閉ループを形成すると共に、点火用高電圧が印加されることにより、自身の電極間に火花放電を発生する点火プラグと、を備えた内燃機関用点火装置であって、点火コイルの二次巻線と点火プラグにより形成される閉ループ中に接続され、一次巻線への通電遮断時に二次巻線に発生する電流の通電を許容し、一次巻線への通電開始時に二次巻線に発生する電流の通電を阻止する逆流防止用ダイオードと、点火プラグと二次巻線の点火用高電圧発生端とを接続する通電経路との間で容量結合するとともに、点火プラグにおける火花放電の終了後に点火コイルに残る残留エネルギにより充電される静電容量構成手段と、静電容量構成手段に直列接続されるとともに、静電容量構成手段の放電により点火プラグの電極間にイオン電流が流れる際に、このイオン電流に比例した電流を検出するための電流検出手段と、を備え、静電容量構成手段は、点火プラグと二次巻線の点火用高電圧発生端とを接続する通電経路の周囲を包囲する電極板を備え、この電極板と通電経路との間で容量結合して電荷を蓄積し、電流検出手段は、静電容量構成手段に直列接続される検出用抵抗からなり、該検出用抵抗の両端電圧により点火プラグの電極間に流れるイオン電流に比例した電流を検出すること、を特徴とする。
【0011】
つまり、本発明の内燃機関用点火装置では、点火コイルの二次巻線と点火プラグとにより形成される閉ループに対して、逆流防止用ダイオードを設けることにより、二次電流の通電経路において通電可能な電流方向を一方向に制限している。そして、この逆流防止用ダイオードが、一次巻線への通電開始時に二次巻線の両端に発生する高電圧による通電を阻止することから、一次巻線への通電開始時に、二次巻線に発生する高電圧(数kV)によって点火プラグの電極間(中心電極と接地電極との間)に火花放電が発生するのを防止することができる。
【0012】
また、点火プラグと二次巻線の点火用高電圧発生端とを接続する通電経路との間で容量結合される静電容量構成手段は、点火プラグでの火花放電終了後の点火コイルにおける残留エネルギで充電され、そのあと、蓄積された電荷を放電することで、点火プラグの電極間にイオン電流を発生させている。つまり、点火プラグでの火花放電終了後の点火コイルに残る残留エネルギで充電される静電容量構成手段が、本発明では、イオン電流を発生させるための電流源として動作している。
なお、本発明の静電容量構成手段は、点火プラグと二次巻線の点火用高電圧発生端とを接続する通電経路の周囲を包囲する電極板を備え、この電極板と通電経路との間で容量結合して電荷を蓄積する。
【0013】
ここで、点火プラグにて火花放電が終了した際に点火コイルに残る残留エネルギは、火花放電を継続させるには不十分ではあるが、イオン電流を発生させるための静電容量構成手段の充電には十分な量である。このため、火花放電終了後の残留エネルギで充電された静電容量構成手段は、その両端電圧が約1〜5[kV]となり、従来のイオン電流発生用のコンデンサが発生する電圧(100〜300[V])よりも高い電圧(検出用高電圧)を点火プラグの電極間に印加することができる。これにより、従来よりも大きいイオン電流が点火プラグの電極間に流れ、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
【0014】
そして、電流検出手段は、静電容量構成手段の放電時においては、静電容量構成手段および点火プラグと共に閉ループを形成することになり、点火プラグの電極間に発生するイオン電流に比例した電流を検出することができる。
したがって、本発明(請求項1)の内燃機関用点火装置によれば、一次巻線への通電開始時に誤って混合気への着火が行われることがなくなり、混合気への誤着火による内燃機関の損傷を防ぐことができるとともに、点火プラグでの火花放電終了後に充電される静電容量構成手段の放電により、イオン電流を発生させることができる。また、従来よりも高い電圧を印加でき、また、ノイズの影響を抑えることができるため、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
【0015】
なお、イオン電流を発生させるために点火プラグの電極間に電圧(検出用高電圧)を印加する際には、点火プラグを構成する中心電極が負電位、接地電極が正電位となるように電圧を印加する場合に比べて、中心電極が正電位、接地電極が負電位となるように電圧を印加する場合の方が、より大きなイオン電流が発生可能となることが知られている。これは、体積の大きい陽イオンが、中心電極よりも表面積の大きい接地電極から電子の供給を受けることにより、より多くの電子の交換、移動が行われることになるからである。
【0016】
このことから、本発明の内燃機関用点火装置においては、点火プラグでの火花放電終了後の点火コイルに残る残留エネルギで充電された静電容量構成手段の放電によって、点火プラグの中心電極を正電位として電圧(検出用高電圧)が印加されるように構成するとよく、これにより、イオン電流の検出精度をさらに向上させることができる。そして、このためには、一次電流の通電遮断時に、点火プラグの中心電極が正電位となる点火用高電圧が印加されるように、点火プラグに接続される点火コイル(具体的には、二次巻線の巻線方向)を調整するとよい。
【0017】
そして、本発明(請求項1)の内燃機関用点火装置においては、イオン電流に比例する電流を検出する電流検出手段は、静電容量構成手段に直列接続される検出用抵抗からなり、この検出用抵抗の両端電圧により点火プラグの電極間に流れるイオン電流に比例した電流を検出する。
【0018】
このように備えられた検出用抵抗には、イオン電流を発生させるために静電容量構成手段が放電することにより、点火プラグの電極間に流れるイオン電流に比例した両端電圧が発生する。このため、検出用抵抗の両端電圧の変化を測定し、測定した両端電圧値と検出用抵抗の抵抗値とに基づいて検出用抵抗に流れる電流を算出することにより、イオン電流の大きさを検出することが可能となる。
【0019】
よって、本発明(請求項1)の内燃機関用点火装置によれば、点火プラグの電極間に流れるイオン電流が検出可能となり、検出したイオン電流に基づいて内燃機関の失火判定やノッキング判定が可能となる。
ところで、静電容量構成手段に対して直列接続した検出用抵抗を備えた内燃機関用点火装置においては、静電容量構成手段を充電する際に、検出用抵抗にも電流が流れることにより、検出用抵抗の両端に余計なノイズ成分が生じてしまい、イオン電流にそのノイズ成分が重畳する可能性がある。
【0020】
そこで、上述(請求項1)の内燃機関用点火装置においては、請求項2に記載のように、検出用抵抗と静電容量構成手段との接続端にアノードが接続される形態で、検出用抵抗に並列接続されるバイパス用ダイオードを備えるとよい。
これにより、静電容量構成手段への充電時に流れる電流は、検出用抵抗ではなく、バイパス用ダイオードに流れることになり、検出用抵抗の両端における余分なノイズ成分の発生を抑制することができる。
【0021】
よって、本発明(請求項2)の内燃機関用点火装置によれば、検出用抵抗の両端における余計なノイズ成分の発生を抑えることができ、イオン電流へのノイズ成分の重畳を抑制し、イオン電流の検出精度をより高めることができる。
【0022】
そして、上述(請求項1または請求項2)の内燃機関用点火装置は、例えば、請求項3に記載のように、逆流防止用ダイオードは、二次巻線の点火用高電圧発生端と点火プラグとを接続する通電経路中に接続され、静電容量構成手段は、点火プラグと逆流防止用ダイオードとを接続する通電経路との間で容量結合されるように構成するとよい。
【0023】
つまり、このように逆流防止用ダイオードおよび静電容量構成手段を配置することで、静電容量構成手段の放電により発生するイオン電流の電流経路に対し、点火コイル(詳細には、二次巻線)から流れ込む電流を、逆流防止用ダイオードによって一方向のみに制限することができる。このため、点火コイルによる減衰振動がイオン電流に重畳するのを抑制でき、イオン電流の検出時におけるノイズの影響を抑えることができる。
【0024】
また、逆流防止用ダイオードによって、静電容量構成手段の放電電流が点火コイル側(二次巻線側)に流れるのを阻止できるため、静電容量構成手段の放電電流が点火プラグ以外の電流経路に流れることが無くなり、静電容量構成手段に蓄積されている電荷を、無駄なくイオン電流の発生に利用することができる。
【0025】
よって、本発明(請求項3)の内燃機関用点火装置によれば、イオン電流の検出時におけるノイズの影響を抑えることができるため、イオン電流の検出精度を向上させることができる。また、静電容量構成手段に蓄積されている電荷を、無駄なくイオン電流の発生に利用することができるため、無駄な電力の浪費を抑えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず、図1は、実施例のイオン電流検出が可能な内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。なお、本実施例では、1気筒分について説明を行うが、本発明は複数の気筒を備える内燃機関についても適用でき、各気筒毎の内燃機関用点火装置の基本構成は同様である。
【0027】
図1に示すように、本実施例の内燃機関用点火装置1は、定電圧(例えば、電圧12[V])を出力する電源装置(バッテリ)11と、内燃機関の気筒に設けられた点火プラグ13と、一次巻線L1と二次巻線L2とを備えて点火用高電圧を発生する点火コイル15と、一次巻線L1と直列接続されたnpn型パワートランジスタから成るトランジスタ17と、トランジスタ17を駆動制御するための第1指令信号Saを出力する電子制御装置19(以下、ECU19と呼ぶ)と、を備えている。さらに、内燃機関用点火装置1は、アノードが二次巻線L2(二次巻線L2の点火用高電圧発生端35)に接続され、カソードが点火プラグ13の中心電極13aに接続された逆流防止用ダイオード31と、中心電極13aと逆流防止用ダイオード31とを接続する通電経路に接近して容量結合され、後述する点火プラグ13での火花放電終了後の点火コイル15に残る残留エネルギに応じて電荷を蓄積させる静電容量を構成することになる導電体33と、この導電体33と電源装置11の負極と同電位のグランドとの間に接続される検出抵抗21と、検出抵抗21に並列接続されるバイパス用ダイオード23と、検出抵抗21の両端電圧Vr(イオン電流に比例する検出電流io×検出抵抗21の抵抗値)に基づき、イオン電流に応じて変動するイオン電流検出信号Siを出力するための検出回路25と、を備えている。
【0028】
これらのうち、トランジスタ17は、点火コイル15の一次巻線L1への通電・遮断を行うために、ECU19からの第1指令信号Saに基づいてスイッチング動作する半導体素子からなるスイッチング素子であり、本実施例の内燃機関に備えられる点火装置はフルトランジスタ型点火装置である。
【0029】
そして、一次巻線L1は、一端が電源装置11の正極に接続され、他端がトランジスタ17のコレクタに接続されており、二次巻線L2は、一端が電源装置11の負極と同電位のグランドに接続され、他端(すなわち、点火用高電圧発生端35)が逆流防止用ダイオード31のアノードに接続されている。
【0030】
また、逆流防止用ダイオード31は、アノードが二次巻線L2に接続され、カソードが点火プラグ13の中心電極13aに接続されており、二次巻線L2から点火プラグ13の中心電極13aに向かう電流の通電を許容し、点火プラグ13の中心電極13aから二次巻線L2に向かう電流の通電を阻止している。
【0031】
次に、導電体33は、中心電極13aと逆流防止用ダイオード31とを接続する通電経路の周囲を包囲する電極板からなり、上記通電経路と導電体33との間で容量結合して電荷を蓄積できる静電容量C(図1に示す点囲み線部分)を構成しており、また、導電体33は検出抵抗21を介して電源装置11の負極と同電位のグランドに接続されている。このため、導電体33により構成される静電容量Cおよび検出抵抗21の直列回路は、火花放電時に発生する二次電流i2の通電経路において、点火プラグ13に対して並列に接続されることになる。
【0032】
また、バイパス用ダイオード23は、アノードが導電体33により構成される静電容量Cと検出抵抗21との接続点に接続され、カソードが電源装置11の負極と同電位のグランドに接続されて、検出抵抗21に並列接続されている。さらに、導電体33により構成される静電容量Cと検出抵抗21との接続点は、検出回路25の入力端子に接続されている。
【0033】
そして、検出回路25は、検出抵抗21の両端電圧Vrに基づき、点火プラグ13の電極間(中心電極13aと接地電極13bとの間)に発生するイオン電流に応じて変動するイオン電流検出信号Siを出力するように構成されている。なお、検出回路25は、出力するイオン電流検出信号Siの変動範囲が、ECU19に入力可能な範囲を逸脱しないように構成されている。
【0034】
さらに、点火プラグ13において、中心電極13aと対向して火花放電を発生させる火花放電ギャップを形成する接地電極13bは、電源装置11の負極と同電位のグランドに接地されている。また、トランジスタ17は、ベースがECU19の第1指令信号Saの出力端子に接続され、エミッタが電源装置11の負極と同電位のグランドに接地されている。
【0035】
そして、ECU19から出力される第1指令信号Saがローレベル(一般にグランド電位)である場合には、ベース電流ibが流れずトランジスタ17はオフ状態(遮断状態)となり、トランジスタ17によって一次巻線L1に電流(一次電流i1)が流れることはない。また、ECU19から出力される第1指令信号Saがハイレベル(一般に定電圧電源からの供給電圧5[V])である場合には、ベース電流ibが流れてトランジスタ17はオン状態(通電状態)となり、トランジスタ17によって一次巻線L1に電流(一次電流i1)が流れる。
【0036】
このため、第1指令信号Saがハイレベルであり一次巻線L1に一次電流i1が流れている状態で、第1指令信号Saがローレベルになると、トランジスタ17がオフ状態となり、一次巻線L1への一次電流i1の通電が遮断(停止)される。すると、点火コイル15における磁束密度が急激に変化して、二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、これが点火プラグ13に印加されることで、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電が発生する。
【0037】
尚、点火コイル15は、一次巻線L1への通電を遮断(停止)することで、二次巻線L2における点火プラグ13の中心電極13aにグランド電位よりも高い正極性の点火用高電圧を発生するように構成されており、この点火用高電圧の供給により点火プラグの電極13a−13b間に火花放電が発生する。そして、火花放電に伴い二次巻線L2に流れる二次電流i2(火花放電電流i2)は、二次巻線L2から逆流防止用ダイオード31、点火プラグ13の中心電極13a、接地電極13bの順に通過して、グランドを介して二次巻線L2に戻る方向に流れる。
【0038】
そして、点火プラグ13における火花放電の継続に伴い、点火コイル15に蓄積されたエネルギが消費されていき、このエネルギが火花放電の継続に必要な量を下回ると、点火プラグ13における火花放電が自然終了する。なお、点火プラグ13における火花放電が自然終了した時点では、点火コイル15には残留エネルギが残されており、二次巻線L2の両端には、火花放電の発生には不十分ではあるものの、概略数kVの電圧が発生している。
【0039】
このため、点火プラグ13における火花放電が自然終了した後には、二次巻線L2の両端に発生する電圧が、逆流防止用ダイオード31、導電体33により構成される静電容量Cおよびバイパス用ダイオード23(検出抵抗21)の直列回路に印加されることになる。このとき、点火コイル15の残留エネルギにより発生する二次電流i2は、逆流防止用ダイオード31、導電体33により構成される静電容量Cおよびバイパス用ダイオード23を通じて流れることになり、この二次電流i2の通電に伴い導電体33により構成される静電容量Cに電荷が蓄積される。この後、導電体33により構成される静電容量Cの両端電圧が二次巻線L2の両端電圧と等しくなるまで、静電容量Cへの電荷の蓄積が行われる。
【0040】
そして、導電体33により構成される静電容量Cおよび二次巻線L2のそれぞれの両端電圧が等しくなると、この静電容量Cの両端電圧(換言すれば、検出用高電圧)が点火プラグ13の電極13a−13b間に印加されることになる。この時点で、点火プラグ13の電極13a−13b間にイオンが存在している場合には、電極13a−13b間にイオン電流が発生する。このようにしてイオン電流が発生すると、導電体33により構成される静電容量Cの一端から点火プラグ13を通り、グランド、検出抵抗21を通じて上記静電容量Cの他端に至る経路にイオン電流に比例した検出電流ioが流れる。
【0041】
そして、点火プラグ13の電極13a−13b間にイオン電流が発生すると、検出電流ioの大きさに比例した電圧が検出抵抗21の両端に発生して、検出抵抗21の両端電圧Vrが検出電流io(イオン電流)の大きさに比例して変化することになる。このとき、検出電流ioの発生に伴いバイパス用ダイオード23に印加される電圧は、順方向電圧ではなく逆方向電圧となるため、検出電流ioはバイパス用ダイオード23には流れずに、検出抵抗21を通じて流れる。
【0042】
このようにして、検出抵抗21の両端電圧Vrが変化すると、検出回路25は、検出した検出抵抗21の両端電圧Vrに基づきイオン電流検出信号SiをECU19に出力する。なお、検出回路25は、ECU19の入力端子の入力レンジに応じた範囲内で検出抵抗21の両端電圧Vrと同様の変化を示し、かつ検出抵抗21の両端電圧Vrとは正負が反転した信号を、イオン電流検出信号Siとして出力することで、ECU19に対してイオン電流に応じて変動するイオン電流検出信号Siを出力している。
【0043】
ここで、混合気への着火が正常に行われた場合の、図1に示す回路図における第1指令信号Sa、一次巻線L1に流れる一次電流i1、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vp、および、検出抵抗21の両端電圧Vr(換言すれば、イオン電流)の各状態を表すタイムチャートを図2に示す。
【0044】
図2に示すように、時刻t1にて、第1指令信号Saがローレベルからハイレベルに切り換わると、点火コイル15の一次巻線L1に電流(一次電流i1)が流れ始める。このとき、一次電流i1の通電開始に伴う磁束密度の変化により、二次巻線L2の両端に電圧が発生するが、この時発生する電圧は、点火プラグ13の中心電極13aが負電位となるように発生する。ここで、一次電流i1の通電開始時に二次巻線L2の両端に発生する電圧により生じる電流は、逆流防止用ダイオード31により通電が阻止されることになり、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vpが変化することはなく、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電が発生することはない。
【0045】
そして、時刻t1からあらゆる内燃機関の運転状態に適応するように予め設定された通電時間(一次電流通電時間)が経過した時刻t2にて、第1指令信号Saがハイレベルからローレベルに切り換わると、点火コイル15の一次巻線L1への一次電流i1の通電が遮断されて、急激に磁束密度が変化することになり、点火コイル15の二次巻線L2に点火用高電圧(数十[kV]以上)が発生する。そして、二次巻線L2の点火用高電圧発生端35から点火プラグ13の中心電極13aに正極性の点火用高電圧が印加されて、中心電極13aの電位Vpが急峻に上昇し、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電が発生して、二次巻線L2に二次電流i2が流れる。
【0046】
このあと、時刻t2から時刻t3にかけて、点火コイル15の磁束エネルギが点火プラグ13における火花放電の継続に伴って消費されていき、点火コイル15の磁束エネルギにより二次巻線L2の両端に発生する電圧が火花放電に必要な電圧よりも小さくなると、火花放電を継続することができなくなり、火花放電が自然終了する。しかしながら、点火プラグ13における火花放電が自然終了した後にも、点火コイル15には残留エネルギが存在するため、二次巻線L2の両端には誘導電圧が継続して発生している。
【0047】
このようにして、点火プラグ13における火花放電の自然終了後に、点火コイル15の残留エネルギにより二次巻線L2の両端に発生する誘導電圧は、逆流防止用ダイオード31、導電体33により構成される静電容量Cおよびバイパス用ダイオード23(検出抵抗21)の直列回路に印加される。したがって、この誘導電圧により発生する二次電流i2は、逆流防止用ダイオード31、導電体33により構成される静電容量Cおよびバイパス用ダイオード23を通じて流れることになり、この二次電流i2の通電に伴い静電容量Cに電荷が蓄積される。
【0048】
このあと、導電体33により構成される静電容量Cの両端電圧が二次巻線L2の両端電圧と等しくなるまでこの静電容量Cへの電荷の蓄積(充電)が行われることになり、また、このとき、静電容量Cへの充電に伴い、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vpが上昇する。なお、点火コイル15に存在する残留エネルギにより二次巻線L2の両端に発生する誘導電圧は、導電体33により構成される静電容量Cの容量に対して十分に大きい電圧となることから、この静電容量Cの充電に要する時間は短時間であり、図2においては、時刻t3の直後に、中心電極13aの電位Vpが上昇してピーク値を示す時点が、静電容量Cが充電された時期である。
【0049】
そして、導電体33により構成される静電容量Cおよび二次巻線L2のそれぞれの両端電圧が等しくなると、この静電容量Cの両端電圧が点火プラグ13の電極13a−13b間に印加されることになり、点火プラグ13の電極13a−13b間にイオンが存在している場合には、この電極13a−13b間にイオン電流が発生する。
【0050】
なお、イオンは混合気(燃料)の燃焼に伴う電離作用により発生するため、正常燃焼時にはイオンが発生するが、失火時にイオンが発生することはない。
このようにしてイオン電流が図2における時刻t3の直後から発生すると、導電体33により構成される静電容量Cの一端から点火プラグ13を通り、グランド、検出抵抗21を通じて上記静電容量Cの他端に至る経路にイオン電流に比例した検出電流ioが流れる。この検出電流ioが流れることにより、検出抵抗21の両端に電位差が発生し、検出抵抗21の両端電圧Vrがイオン電流の大きさに応じて変化することになる。このときのイオン電流(検出抵抗21の両端電圧Vr)の変動は、図2における時刻t3から時刻t4までの波形のように、略山形の波形を示すことになる。
【0051】
なお、図2に示すイオン電流は、正常燃焼時の波形を示しており、時刻t3から時刻t4までの期間においては、イオンの発生量に比例したイオン電流が発生していることが判る。また、検出抵抗21の両端電圧Vrの検出位置の関係から、図2においては、イオン電流波形が負の値となるほど(図中下になるほど)、イオン電流の電流量が大きくなることを表している。
【0052】
次に、混合気への着火が正常に行われずに失火した場合の、図1に示す回路図における第1指令信号Sa、一次巻線L1に流れる一次電流i1、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vp、および、検出抵抗21の両端電圧Vr(換言すれば、イオン電流)の各状態を表すタイムチャートを図3に示す。
【0053】
まず、図3における時刻t11から時刻t13までの各部の状態は、図2に示す時刻t1から時刻t2までの各部の状態とほぼ同様の変化を示している。ただし、時刻t12から時刻t13までの間においては、点火プラグ13の中心電極13aと接地電極13bとの間で火花放電が発生しているものの、混合気への着火が行われていない失火状態となっている。
【0054】
なお、図3に示す波形においては、高回転運転時の失火状態を想定していることから、混合気の乱流によって早期に火花放電が終了して、正常燃焼時よりも火花放電の継続時間が短くなった状態を示している。
そして、時刻t13にて火花放電が終了し、図2の場合と同様に、点火コイル15の残留エネルギによって二次巻線L2の両端に発生する誘導電圧により導電体33により構成される静電容量Cが充電され、この静電容量Cおよび二次巻線L2のそれぞれの両端電圧が等しくなると、静電容量Cの両端電圧が点火プラグ13の電極13a−13b間に印加される。
【0055】
しかし、混合気への着火が行われずに失火しているため、気筒内にはイオンが存在していないため、点火プラグ13の電極13a−13b間にイオン電流が流れることはない。このため、時刻t13以降においては、図3に示すように、検出抵抗21の両端電圧Vr(イオン電流波形)はほとんど変化していない。
【0056】
このことから、点火プラグ13における火花放電終了後に、導電体33により構成される静電容量Cの放電により点火プラグ13の電極13a−13b間に電圧を印加した際に、検出抵抗21の両端電圧Vr(イオン電流)が変動する場合には、正常燃焼が行われたと判断することができ、反対に、検出抵抗21の両端電圧Vr(イオン電流)が変動しない場合には、失火したと判断することができる。
【0057】
なお、時刻t13から時刻t14までの間、導電体33により構成される静電容量Cに蓄積された電荷は、点火プラグ13の電極間の浮遊容量などで消費されることになり、中心電極13aの電位Vpは緩やかに減少していく。
ところで、内燃機関の高回転運転時は、燃焼室内の混合気の乱流が強いために火花放電が早期に終了するため、点火コイル15に残る残留エネルギは大きくなる。このように、高回転運転時において失火した場合には、点火コイル15に残る残留エネルギが大きいために、低回転運転時に比べて、導電体33により構成される静電容量Cの充電電圧が高電圧となる。このため、高回転運転時においては、高電圧に充電された上記静電容量Cの放電により、点火プラグ13の電極13a−13b間で、再度火花放電が発生する場合がある。
【0058】
このように、失火後に再び点火プラグ13にて火花放電が発生する場合の、図1に示す回路図における第1指令信号Sa、一次巻線L1に流れる一次電流i1、点火プラグ13の中心電極13aの電位Vp、および、検出抵抗21の両端電圧Vr(換言すれば、イオン電流)の各状態を表すタイムチャートを図4に示す。
【0059】
図4においては、時刻t21から時刻t23までは、図3に示す失火時のタイムチャートにおける時刻t11から時刻t13までと同様の波形を示している。
そして、時刻23のあと、時刻t24に達した時点で、導電体33により構成される静電容量Cの放電による電圧印加により、点火プラグ13の電極13a−13b間の絶縁が破壊されて、再度火花放電が発生することで、中心電極13aの電位Vpがグランド電位とほぼ同電位まで低下する。この時、検出抵抗21の両端電圧Vrが変動して瞬時的に大きい値を示すことになるが、火花放電の再発生によって、導電体33により構成される静電容量Cに蓄積された電荷が放出されることになり、その後、検出抵抗21の両端電圧Vrはほとんど変化することはない。
【0060】
このため、混合気への着火が行われずに失火した後、導電体33により構成される静電容量Cの放電によって点火プラグ13にて火花放電が再発生した場合でも、検出抵抗21の両端電圧Vrの波形、すなわちイオン電流検出信号Siの波形は失火時と略同様の波形を示すことになり、失火と判定することが可能となる。よって、火花放電が再発生した場合でも、失火検出の検出精度が低下することがない。
【0061】
次に、内燃機関用点火装置1のECU19において実行されるイオン電流検出処理について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
なお、ECU19は、内燃機関の火花放電発生時期(点火時期)、燃料噴射量、アイドル回転数等を総合的に制御するためのものであり、以下に説明するイオン電流検出処理のほかに、別途、内燃機関の吸入空気量(吸気管圧力),回転速度(エンジン回転数)、スロットル開度、冷却水温、吸気温等、機関各部の運転状態を検出する運転状態検出処理等を実行している。
【0062】
また、図5に示すイオン電流検出処理は、例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサからの信号に基づき、内燃機関が、吸気,圧縮,燃焼,排気を行う1燃焼サイクルに1回の割合で実行されており、さらに、点火制御のための処理も併せて実行している。
【0063】
そして、内燃機関が始動されてイオン電流検出処理が開始されると、まずS110(Sはステップを表す)にて、別途実行される運転状態検出処理にて検出された内燃機関の運転状態を読込み、S120にて、その読み込んだ運転状態に基づき、火花放電発生時期(所謂点火時期)tsおよびイオン電流検出開始時期tiを設定する。
【0064】
なお、S110での処理では、内燃機関のエンジン回転数と、スロットル開度や吸気管負圧(吸入空気量)等を用いて算出されるエンジン負荷とを含む情報を、運転状態として読み込むことが好ましい。
そして、S120での処理では、火花放電発生時期tsについては、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとするマップ若しくは計算式を用いて制御基準値を求め、これを冷却水温,吸気温等に基づき補正する、といった従来から知られている手順で設定される。
【0065】
また、イオン電流検出開始時期tiは、火花放電が自然終了する時期に設定されるように、エンジン回転数とエンジン負荷を含む運転状態に基づいて、予め用意されたマップ若しくは計算式を用いて設定される。なお、このとき用いるマップもしくは計算式は、混合気の燃焼が緩慢に進む運転条件下(低回転低負荷時等)にはイオン電流検出開始時期tiが遅い時期に設定されるように、また、混合気の燃焼が急速に進む運転条件下(高回転高負荷時等)にはイオン電流検出開始時期tiが早い時期に設定されるように構成されている。本実施例では、エンジン回転数とエンジン負荷をパラメータとするマップを用いて、最適なイオン電流検出開始時期tiを設定する。
【0066】
次に、S130では、S120にて設定した火花放電発生時期tsに基づき、火花放電発生時期tsに対して、予め設定された一次巻線L1の通電時間だけ早い一次巻線L1の通電開始時期を求め、通電開始時期に達した時点(図2に示す時刻t1)で、第1指令信号Saをローレベルからハイレベルに変化させる。
【0067】
尚、S130の処理により、第1指令信号Saがローレベルからハイレベルに切り換わると、トランジスタ17がオン状態となり、点火コイル15の一次巻線L1に一次電流i1が流れる。また、火花放電発生時期tsまでの一次巻線L1の通電時間は、一次巻線L1への通電によって点火コイル15に蓄積されるエネルギが、内燃機関のあらゆる運転条件下で混合気を燃焼させることができる最大の火花エネルギとなるように、予め設定されている。
【0068】
そして、続くS140では、クランク角センサからの検出信号に基づき、S120で設定した火花放電発生時期tsに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、火花放電発生時期tsになるまで待機する。そして、S140にて、火花放電発生時期tsに達したと判断されると(図2に示す時刻t2)、S150に移行する。
【0069】
すると、S150では、第1指令信号Saをハイレベルからローレベルに反転させ、この結果、トランジスタ17がターンオフして一次電流i1が遮断され、点火コイル15の磁束密度が急激に変化して二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、点火プラグ13の電極13a−13b間に火花放電が発生する。
【0070】
次のS160では、S120で設定したイオン電流検出開始時期tiに達したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで、イオン電流検出開始時期tiになるまで待機する。そして、S160にて、イオン電流検出開始時期tiに達したと判断されると(図2に示す時刻t3)、S170に移行して、S170では、検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siの読み込みを開始する。
【0071】
ここで、イオン電流検出開始時期tiは、S120での処理において、火花放電が自然終了する時期に設定されており、S170に移行した時には、火花放電が自然終了して、点火プラグ13の中心電極13aと逆流防止用ダイオード31とを接続する通電経路に接近して容量結合する導電体33により構成される静電容量Cへの充電が開始されている。このあと、二次巻線L2の両端電圧と等しい電圧に充電された上記静電容量Cは、蓄積した電荷を放電することで、点火プラグ13の電極13a−13b間にイオン電流を発生させるための電圧(検出用高電圧)を印加する。
【0072】
そして、導電体33により構成される静電容量Cの放電による電圧が、点火プラグ13の電極13a−13b間に印加される時点で、この電極13a−13b間にイオンが存在する場合には、イオン電流に比例する検出電流ioが発生して、検出抵抗21の両端にイオン電流の大きさに比例する電圧が発生する。これにより、検出抵抗21と導電体33により構成される静電容量Cとの接続点の電位が、検出抵抗21の両端電圧Vrに応じて変化することになり、S170の処理が開始された後は、ECU19の内部では、検出抵抗21の両端電圧Vrの変化に応じて検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siを読み込む処理が継続して行われる。
【0073】
続いて、S180では、S160にて肯定判定された後、イオン電流検出信号Siを読み込むための時間として予めECU19に設定してある検出信号読込時間を経過したか否かを判断し、否定判定された場合には、同ステップを繰り返し実行することで待機する。そして、S180にて、検出信号読込時間が経過したと判断されると(図2に示す時刻t4)、S190に移行する。本実施例では、検出信号読込時間は、内燃機関の運転状態に関わらず、予め設定された固定値としているが、運転状態に合わせて適切な値を設定してもよい。
【0074】
そして、S190では、S170で開始したイオン電流検出信号Siの読み込み処理を停止する。S190における処理が終了すると、本イオン電流検出処理が終了する。
なお、ECU19では、点火プラグ13の電極13a−13b間に発生するイオン電流に比例する検出電流ioに基づいて、内燃機関の失火の有無を判定する失火判定処理を別途実行している。つまり、この失火判定処理では、図2における時刻t3から時刻t4までの期間において、検出回路25から出力されるイオン電流検出信号Siに基づき失火判定を行っている。
【0075】
そして、失火判定処理では、時刻t3の直後のピーク値を除くイオン電流検出信号Siのピーク値と、失火判定のために予め定められた判定基準値とを比較し、ピーク値が判定基準値を下回る場合に失火と判定している。また、この他の失火判定方法としては、時刻t3から時刻t4までの期間中における時刻t3の直後のピーク値を除くイオン電流検出信号Siの積分値を算出し、この積分値と失火判定のために予め定められた判定基準値とを比較し、積分値が判定基準値を下回る場合に失火と判定してもよい。
【0076】
以上説明したように、実施例の内燃機関用点火装置1においては、二次電流i2の通電経路である点火コイル15の二次巻線L2と点火プラグ13の中心電極13aとの間に、逆流防止用ダイオード31を備えることにより、二次電流i2の通電経路において通電可能な電流方向を一方向に制限している。そして、逆流防止用ダイオード31が、一次巻線L1への通電開始時に二次巻線L2の両端に発生する高電圧による二次電流i2の通電を阻止する。このため、ECU19の指令によるトランジスタ17のスイッチング動作により一次巻線L1への通電を開始した時に、点火プラグ13の電極間(中心電極13aと接地電極13bとの間)に火花放電が発生することがない。
【0077】
また、二次巻線L2の点火用高電圧発生端35と点火プラグ13との通電経路において、点火プラグ13の中心電極13aと逆流防止用ダイオード31とを接続する通電経路に接近して容量結合する導電体33により構成される静電容量Cは、点火プラグ13における火花放電終了後の点火コイル15の残留エネルギで充電され、そのあと、蓄積された電荷を放電することで、点火プラグ13の電極13a−13b間にイオン電流を発生させている。つまり、この静電容量Cは、イオン電流を発生するための電流源として動作している。
【0078】
ここで、火花放電が終了した際に点火コイル15に残る残留エネルギは、火花放電を継続させるには不十分ではあるが、イオン電流を発生させるための導電体33により構成される静電容量Cの充電には十分な量である。このため、火花放電終了後の残留エネルギで充電されたこの静電容量Cは、その両端電圧が約1〜5[kV]となり、従来のイオン電流発生用のコンデンサが発生する電圧(100〜300[V])よりも高い電圧を点火プラグ13の電極間に印加することができる。これにより、従来よりも大きいイオン電流を発生でき、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
【0079】
そして、検出抵抗21は、導電体33により構成される静電容量Cの放電時においては、この静電容量Cおよび点火プラグ13と共に閉ループを形成することになり、点火プラグ13の電極間に発生するイオン電流に比例した電流を検出することができる。なお、ECU19では、イオン電流検出信号Siに基づき検出抵抗21の両端電圧を算出し、算出した両端電圧値を検出抵抗21の抵抗値で除算することで、イオン電流の電流値を算出している。
【0080】
さらに、本実施例の内燃機関用点火装置1では、点火コイル15の二次巻線L2の点火用高電圧発生端35と点火プラグ13との間に配置された逆流防止用ダイオード31が、一方向の電流のみを許容することから、点火コイル15の残留エネルギに起因した減衰振動がイオン電流に重畳するのを抑制でき、イオン電流の検出時におけるノイズの影響を抑えることができる。
【0081】
したがって、本実施例の内燃機関用点火装置1によれば、一次巻線L1への通電開始時に、誤って混合気への着火が行われることがなくなり、混合気への誤着火による内燃機関の損傷を防ぐことができる。さらに、点火プラグ13における火花放電終了後に充電される導電体33により構成される静電容量Cの放電により、イオン電流を発生させることができる。また、従来よりも高い電圧(検出用高電圧)を印加でき、また、ノイズの影響を抑えることができるため、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
【0082】
また、本実施例の内燃機関用点火装置1においては、一次電流i1の通電遮断時に、点火プラグ13の中心電極13aが正電位となる点火用高電圧が印加されるように、点火プラグ13と点火コイル15(二次巻線L2)とが接続されている。このため、上記静電容量Cの放電によって、点火プラグ13の中心電極13aを正電位として電圧が印加されることから、イオン電流の検出精度をさらに向上させることができる。
【0083】
ここで、本実施例の内燃機関用点火装置を用いて、正常燃焼時と失火時とのそれぞれにおいて測定したイオン電流の測定結果を図6に示す。なお、図6(a)および図6(b)が正常燃焼時の測定結果であり、図6(c)が失火時の測定結果である。
【0084】
そして、本測定は、ガスエンジンを用いて行っており、回転数が2000[rpm]、負荷が25[%]、排気酸素濃度が3.2[%]という条件下で運転して、点火プラグの電極間に流れるイオン電流を検出するという手順で行った。なお、失火時の測定については、燃料供給を行わないことで模擬的に失火状態を作り、測定を行った。さらに、図6(a)では、抵抗値が1[MΩ]の検出抵抗を用いており、図6(b)では、抵抗値が100[kΩ]の検出抵抗を用いて測定を行った。
【0085】
まず、図6(a)に示す測定結果においては、時刻t31が火花放電発生時期(点火時期)であり、時刻t32が火花放電の終了時期である。そして、イオン電流波形は、時刻t32を経過した後にイオン電流が流れ始め、時刻t32から約1.0[mS]経過した時点でピーク値となることを示している。そして、ピーク値を示した後、徐々に電流値が減少していき、時刻t33の時点で、イオン電流が流れなくなる。
【0086】
また、図6(b)に示す測定結果においては、時刻t41が火花放電発生時期(点火時期)であり、時刻t42が火花放電の終了時期である。そして、イオン電流波形は、時刻t42を経過した後にイオン電流が流れ始め、時刻t42から約0.8[mS]経過した時点でピーク値となることを示している。そして、ピーク値を示した後、徐々に電流値が減少していき、時刻t43の時点で、イオン電流が流れなくなる。
【0087】
なお、図6(a)および図6(b)に示すそれぞれのイオン電流波形を比較すると、火花放電の終了時期(時刻t32、時刻t43)の直後におけるイオン電流波形は、両者とも略山形の波形を示しており、ほぼ等しい波形である。
さらに、図6(c)に示す測定結果においては、時刻t51が火花放電発生時期(点火時期)であり、時刻t52が火花放電の終了時期である。そして、イオン電流波形は、時刻t52の後しばらくは小さな変化を示しているが、このとき、イオン電流は流れていない。また、時刻t52から約3.6[mS]が経過した時刻t53において、点火プラグの中心電極の電位がグランド電位(0[V])に等しい電位となっている。
【0088】
そして、正常燃焼時(図6(a)および図6(b))と失火時(図6(c))のそれぞれの測定結果を比較すると、火花放電の終了時期(時刻t32、時刻t43、時刻t52)を経過した後におけるイオン電流波形が、それぞれ異なる波形であることが判る。つまり、正常燃焼時(図6(a)および図6(b))には、イオン電流波形が、火花放電の自然終了時期を経過した後に略山形の波形を示すのに対して、失火時(図6(c))には、イオン電流波形が、火花放電の終了時期を経過した後にほとんど変化しない波形を示すことが判る。
【0089】
よって、図6に示す測定結果から、本内燃機関用点火装置を用いることで、イオン電流を検出できることが判り、また、イオン電流の検出結果から失火検知が可能であることが判る。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0090】
例えば、イオン電流検出処理におけるイオン電流検出開始時期tiは、イオン電流の発生時期を含むように設定すればよいことから、火花放電が自然終了する時期よりも早い時期に設定しても良い。また、イオン電流検出開始時期については、運転状態に応じて設定される変動期間ではなく、予め定められた固定期間としても良い。
【0091】
また、イオン電流を用いて検出可能な燃焼状態としては、失火に限らず、例えばノッキング等が挙げられる。このノッキングを検出するにあたっても、点火プラグに流れるイオン電流を検出し、検出したイオン電流波形を公知の手法を用いて解析することで、ノッキング判定を行うことができる。
【0092】
さらに、逆流防止用ダイオードは、一次巻線への通電開始時に二次巻線に発生する電流の通電を阻止すると共に、一次巻線への通電遮断時に二次巻線に発生する電流の通電を許容するように備えればよいため、逆流防止用ダイオードの設置箇所は、図1に示す内燃機関用点火装置1のように、二次巻線L2と静電容量Cとの間に限ることはない。例えば、図7に示す第2実施例の内燃機関用点火装置2のように、アノードが電源装置11の負極と同電位のグランドに接続され、カソードが二次巻線L2の点火用高電圧発生端35とは反対側の端部に接続されるように配置しても良い。また、図8に示す第3実施例の内燃機関用点火装置3のように、アノードが導電体33により構成される静電容量Cに接続され、カソードが点火プラグ13の中心電極13aに接続されるように配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。
【図2】 混合気への着火が正常に行われた場合の内燃機関用点火装置における各部の状態を表すタイムチャートである。
【図3】 混合気への着火が正常に行われずに失火した場合の内燃機関用点火装置における各部の状態を表すタイムチャートである。
【図4】 失火後に再び火花放電が発生する場合の内燃機関用点火装置における各部の状態を表すタイムチャートである。
【図5】 内燃機関用点火装置の電子制御装置(ECU)において実行されるイオン電流検出処理の処理内容を表すフローチャートである。
【図6】 実施例の内燃機関用点火装置を用いて、正常燃焼時と失火時とのそれぞれにおいて測定したイオン電流の測定結果であり、(a)および(b)が正常燃焼時の測定結果であり、(c)が失火時の測定結果である。
【図7】 第2実施例の内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。
【図8】 第3実施例の内燃機関用点火装置の構成を表す電気回路図である。
【符号の説明】
1…内燃機関用点火装置、11…電源装置、13…点火プラグ、13a…中心電極、13b…接地電極、15…点火コイル、17…トランジスタ、19…電子制御装置(ECU)、21…検出抵抗、23…バイパス用ダイオード、25…検出回路、31…逆流防止用ダイオード、33…導電体、C…静電容量、L1…一次巻線、L2…二次巻線。
Claims (3)
- 一次巻線および二次巻線を有し、前記一次巻線に流れる一次電流を遮断することで前記二次巻線に点火用高電圧を発生する点火コイルと、
該点火コイルの前記一次巻線に流れる前記一次電流の通電・遮断を行うスイッチング手段と、
前記二次巻線に直列接続されて閉ループを形成すると共に、前記点火用高電圧が印加されることにより、自身の電極間に火花放電を発生する点火プラグと、を備えた内燃機関用点火装置であって、
前記点火コイルの前記二次巻線と前記点火プラグにより形成される前記閉ループ中に接続され、前記一次巻線への通電遮断時に前記二次巻線に発生する電流の通電を許容し、前記一次巻線への通電開始時に前記二次巻線に発生する電流の通電を阻止する逆流防止用ダイオードと、
前記点火プラグと前記二次巻線の点火用高電圧発生端とを接続する通電経路との間で容量結合するとともに、前記点火プラグにおける火花放電の終了後に前記点火コイルに残る残留エネルギにより充電される静電容量構成手段と、
前記静電容量構成手段に直列接続されるとともに、前記静電容量構成手段の放電により前記点火プラグの電極間にイオン電流が流れる際に、該イオン電流に比例した電流を検出するための電流検出手段と、
を備え、
前記静電容量構成手段は、前記点火プラグと前記二次巻線の点火用高電圧発生端とを接続する通電経路の周囲を包囲する電極板を備え、当該電極板と前記通電経路との間で容量結合して電荷を蓄積し、
前記電流検出手段は、前記静電容量構成手段に直列接続される検出用抵抗からなり、該検出用抵抗の両端電圧により前記点火プラグの電極間に流れる前記イオン電流に比例した電流を検出すること、
を特徴とする内燃機関用点火装置。 - 前記電流検出手段は、前記検出用抵抗と前記静電容量構成手段との接続端にアノードが接続される形態で、前記検出用抵抗に並列接続されるバイパス用ダイオードを備えること、
を特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。 - 前記逆流防止用ダイオードは、前記二次巻線の点火用高電圧発生端と前記点火プラグとを接続する通電経路中に接続され、
前記静電容量構成手段は、前記点火プラグと前記逆流防止用ダイオードとを接続する通電経路との間で容量結合されること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
Priority Applications (1)
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