JP3753290B2 - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の燃焼時に生じるイオン量の変化を検出することにより内燃機関の燃焼状態を検出する燃焼状態検出装置に関し、特に低圧配電の内燃機関における2次電流経路の断線による高電圧リークを防止できる内燃機関の燃焼状態検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複数気筒により駆動される内燃機関においては、各気筒の燃焼室内に導入された空気および燃料の混合気をピストンの上昇により圧縮し、燃焼室内に設置された点火プラグに点火用高電圧を印加して電気火花を発生させ、混合気の燃焼時に発生する爆発力をピストン押し下げ力に変換することにより、内燃機関の回転出力として取り出している。
【0003】
このように燃焼室内において燃焼が行われると、燃焼室内の分子が電離(イオン化)するので、燃焼室内に設置されたイオン電流検出用電極(通常、点火プラグの電極が用いられる)にバイアス電圧を印加すると、電荷を有するイオンが点火プラグ間をイオン電流として流れることが知られている。
【0004】
また、イオン電流は、燃焼室内の燃焼状態により敏感に変化するため、イオン電流の発生状態を検出することにより内燃機関の燃焼状態を検出できることが知られている。
【0005】
図5は例えば特開平10−231770号公報に記載された低圧配電による従来の内燃機関の燃焼状態検出装置の一例を示す回路構成図である。
図において、車載のバッテリ1の陽極は、点火コイル2の1次巻線2aの一端に接続され、1次巻線2aの他端は、1次電流を通電遮断するためのエミッタ接地のパワートランジスタ3を介してグランドに接続されている。
【0006】
点火コイル2の2次巻線2bは、1次巻線2aとともにトランスを構成しており、2次巻線2bの高圧側は、各気筒(図示せず)に対応した点火プラグ4の一端に接続されており、点火制御時に負極性の高電圧を出力する。
【0007】
対向電極からなる点火プラグ4は、点火用高電圧が印加されることにより、放電して各気筒内の混合気を着火する。
なお、点火コイル2および点火プラグ4は、各気筒毎に並設されているが、ここでは、代表的に一組の点火コイル2および点火プラグ4のみを示す。
【0008】
2次巻線2bの低圧側は、電流制限手段を構成する並列接続の抵抗器5およびダイオード6を介してイオン電流検出回路10に接続されている。
抵抗器5は、イオン電流検出回路10内のコンデンサCから2次巻線2bを介して点火プラグ4に流れる放電電流を抑制し、1次巻線2aへの通電開始時に2次巻線2bの高圧側に発生する電圧を抑制する。
また、ダイオード6は、点火用高電圧の印加時に流れる2次電流(点火電流)I2の方向が順方向となるように挿入されており、点火制御時における抵抗器5の両端間の電位差を抑制するようになっている
イオン電流検出回路10は、並列接続の抵抗器5およびダイオード6と2次巻線2bを介して、点火極性とは逆極性すなわち正極性のバイアス電圧を点火プラグ4に印加し、燃焼時に発生するイオン量に対応したイオン電流を検出する。
【0009】
イオン電流検出回路10は、並列接続の抵抗器5およびダイオード6を介して2次巻線2bの低圧側に接続されたコンデンサCと、コンデンサCとグランドとの間に挿入されたダイオードDと、ダイオードDに並列接続された抵抗器Rと、コンデンサCおよびダイオードDに並列接続されたバイアス電圧制限用のツェナーダイオードDZとを含む。
【0010】
コンデンサCおよびダイオードDからなる直列回路並びにこの直列回路に並列接続されたツェナーダイオードDZは、2次巻線2bの低圧側とグランドとの間に挿入されて、点火電流発生時にコンデンサCにバイアス電圧を充電するための充電経路を構成している。
【0011】
コンデンサCは、パワートランジスタ3のオフ時(1次巻線2aの通電電流の遮断時)において、2次巻線2bから出力される高電圧で放電した点火プラグ4を介して流れる2次電流により充電される。この充電電圧は、ツェナーダイオードDZにより所定のバイアス電圧(たとえば、数100V程度)に制限され、イオン電流検出用のバイアス手段すなわち電源として機能する。
【0012】
イオン電流検出回路10内の抵抗器Rは、バイアス電圧によって流れるイオン電流を電圧変換し、イオン電流検出信号EiとしてECU(電子制御装置)20に入力する。
マイクロコンピュータからなるECU20は、イオン電流検出信号Eiに基づいて内燃機関の燃焼状態を判定し、燃焼状態の悪化を検出した場合には、不都合が生じないように適宜対応制御を行う。
【0013】
また、ECU20は、各種センサ(図示せず)から得られる運転条件に基づいて点火時期等を演算し、パワートランジスタ3に対する点火信号Pのみならず、各気筒毎のインジェクタ(図示せず)に対する燃料噴射信号や各種アクチュエータ(スロットルバルブやISCバルブ等)に対する駆動信号を出力する。
【0014】
図6は電流制限手段を介して2次巻線2bおよびイオン電流検出回路10に流れる電流経路を示す説明図であり、点火プラグ4の放電時(点火制御時)に高電圧により流れる2次電流I2の経路を実線で、イオン電流検出時にバイアス電圧により流れるイオン電流iの経路を一点鎖線でそれぞれ示している。
【0015】
次に、図6を参照しながら、図5に示した従来の内燃機関の燃焼状態検出装置の動作について説明する。
通常、ECU20は、運転条件に応じて点火時期等を演算し、目標制御タイミングでパワートランジスタ3のベースに点火信号Pを印加し、パワートランジスタ3をオンオフ制御する。
【0016】
これにより、パワートランジスタ3は、点火コイル2の1次巻線2aに流れる1次電流を通電遮断して1次電圧を昇圧し、さらに2次巻線2bの高圧側に点火用高電圧(たとえば、数10kV)を発生させる。
【0017】
この2次電圧は、各気筒内の点火プラグ4に印加され、点火制御気筒の燃焼室内に放電火花を発生させて混合気を燃焼させる。このとき、燃焼状態が正常であれば、点火プラグの周辺および燃焼室内に所要量のイオンが発生する。
【0018】
そして、前述のように、点火信号Pによりパワートランジスタ3がオンされると、1次巻線2aの電流が通電開始されて、2次巻線2bの高圧側に正極性の電圧が発生する。
【0019】
このとき、コンデンサCから2次巻線2bの低圧側への放電電流が抵抗器5によって制限されているので、2次巻線2bに発生する電圧は、バイアス電圧が重畳されずに高圧側および低圧側に分割される。
【0020】
この1次巻線2aの通電開始時において、2次巻線2bの高圧側に正極性の電圧が発生しても、前述のように、コンデンサCから2次巻線2bの低圧側への放電電流が抵抗器5によって制限されるので、2次巻線2bの高圧側に発生する正極性の電圧は抑制され、点火プラグ4が放電することはない。
【0021】
続いて、1次電流の遮断時において、2次巻線2bの高圧側に点火用高電圧が発生して点火プラグ4が放電すると、2次電流I2は、ダイオード6を介した経路(図6内の実線矢印)を流れ、コンデンサCを所定電圧に充電する。
また、点火プラグ4の放電によりイオンが発生するので、イオン電流iは、抵抗器5を介した経路(図6内の一点鎖線矢印)を流れる。
【0022】
このように、電流制限用の抵抗器5にダイオード6を並列接続することにより、点火制御時の2次電流I2は、図6のように、抵抗器5を流れずにダイオード6を流れる。これにより、抵抗器5の両端間の電位差が低下するので、点火性能が改善される。
【0023】
また、1次電流の通電開始時においては、抵抗器5の電流制限機能が有効となるので、コンデンサCから2次巻線2bへの放電電流が制限され、誤制御およびバイアス電圧低下が防止される。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の内燃機関の燃焼状態検出装置は以上のように構成されているので、以下のような問題点があった。
即ち、2次電流経路に断線が発生した場合、例えば図5の(ア)の位置での断線あるいは点火プラグ4での失火が発生したときには、図7に破線で示すように、2次巻線高圧側での発生電圧(ピーク電圧約40kV)が振動し、低圧側においても破線で示すように振幅は異なるもののこれと同期した電圧振動(ピーク電圧約8kV)が生じる。しかし、低圧側において正極側に現れる振動分はバイアス電圧制限用ツェナーダイオードDZに制限されて200V程度以下に抑えられる。
【0025】
また、図5の(イ)、(ウ)の位置で断線した場合には、点火プラグ4での容量放電は起こるものの2次電流経路が形成されていないために放電が持続せず、点火装置として正常に動作しない。
【0026】
従って、従来装置では、2次電流経路の断線や点火プラグで失火が発生した場合に2次巻線低圧側に高電圧が発生し、イオン電流検出回路等へリークしてその内部の部品を破損したり、あるいは2次電流経路の断線により2次電流経路が形成されないために放電が持続せず、点火装置として正常に動作しない等の問題点があった。
【0027】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、2次電流経路の断線や点火プラグで失火が発生した場合でも、2次巻線低圧側に発生する電圧を抑制して高電圧のリークを防止でき、また、点火装置としての正常な動作を確保することのできる内燃機関の燃焼状態検出装置を得ることを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、1次巻線および2次巻線を有するトランス構成からなり、1次巻線への電流遮断時に2次巻線の高圧側に負極性の点火用高電圧を発生する点火コイルと、2次巻線の高圧側に接続され、点火用高電圧が印加される点火プラグと、点火用高電圧の印加により点火プラグで放電し発生するイオンを検出するのに必要な正極性のバイアス電圧が充電されるバイアス手段と、2次巻線の低圧側とバイアス手段の間に設けられ、バイアス電圧の低下を抑制する電流制限手段と、バイアス手段からの放電電流を点火プラグを介して流れるイオン電流として検出するイオン電流検出手段と、イオン電流検出手段の検出値に基づいて点火プラグにおける燃焼状態を検出するECUとを備え、バイアス手段と電流制限手段とを点火コイルの絶縁封止材内に封止したものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に関連する装置の一例を示す構成図であり、図において、図5と対応する部分には同一符号を付し、その重複説明を省略する。
図1においては、2次巻線2bの低圧側とグランドとの間に、アノードを2次巻線2b側に接続した断線時電圧制限用ツェナーダイオード9と、アノードをグランド側に接続した非断線時通電防止用ダイオード10とを直列に接続する。このツエナーダイオード9とダイオード10により2次電流経路の断線や点火プラグ4で失火が発生した場合に2次巻線低圧側に発生する高電圧を抑制する抑制手段を構成する。
【0034】
また、バイアス電圧制限用ツエナーダイオード7のカソードを充電電流経路用ダイオード6のカソードと放電電流制限用抵抗器5の一端の接続点に接続し、ツエナーダイオード7のアノードをダイオードD1を介してグランドに接地する。また、ツエナーダイオード7と並列にバイアス電圧用コンデンサ8を接続する。ツエナーダイオード7とコンデンサ8はバイアス手段を構成する。そして、イオン電流検出手段30の入力側をツエナーダイオード7のアノードに接続し、その出力側をECU20に接続する。その他の構成は図5と同様である。
【0035】
次に、動作について、図2を参照して説明する。
通常、ECU20は、運転条件に応じて点火時期等を演算し、目標制御タイミングでパワートランジスタ3のベースに点火信号Pを印加し、パワートランジスタ3をオンオフ制御する。
【0036】
これにより、パワートランジスタ3は、点火コイル2の1次巻線2aに流れる1次電流を通電遮断して1次電圧を昇圧し、さらに2次巻線2bの高圧側に点火用高電圧(たとえば、数10kV)を発生させる。
【0037】
この2次電圧は、各気筒内の点火プラグ4に印加され、点火制御気筒の燃焼室内に放電火花を発生させて混合気を燃焼させる。このとき、燃焼状態が正常であれば、点火プラグの周辺および燃焼室内に所要量のイオンが発生する。
そして、前述のように、点火信号Pによりパワートランジスタ3がオンされると、1次巻線2aの電流が通電開始されて、2次巻線2bの高圧側に正極性の電圧が発生する。
【0038】
このとき、コンデンサ8から2次巻線2bの低圧側への放電電流が抵抗器5によって制限されているので、2次巻線2bに発生する電圧は、バイアス電圧が重畳されずに高圧側および低圧側に分割される。
【0039】
この1次巻線2aの通電開始時において、2次巻線2bの高圧側に正極性の電圧が発生しても、前述のように、コンデンサ8から2次巻線2bの低圧側への放電電流が抵抗器5によって制限されるので、2次巻線2bの高圧側に発生する正極性の電圧は抑制され、点火プラグ4が放電することはない。
【0040】
続いて、1次電流の遮断時において、2次巻線2bの高圧側に点火用高電圧が発生して点火プラグ4が放電すると、点火電流である2次電流I2は、図1に実線矢印で示すようにダイオード6を介した経路を流れ、コンデンサ8を所定電圧に充電する。
また、点火プラグ4の放電によりイオンが発生するので、イオン電流iは、図1に一点鎖線矢印で示すような抵抗器5を介した経路を流れる。
【0041】
このように、電流制限用の抵抗器5にダイオード6を並列接続することにより、点火制御時の2次電流I2は、抵抗器5を流れずにダイオード6を流れる。これにより、抵抗器5の両端間の電位差が低下するので、点火性能が改善される。また、1次電流の通電開始時においては、抵抗器5の電流制限機能が有効となるので、コンデンサ8から2次巻線2bへの放電電流が制限され、誤制御およびバイアス電圧低下が防止される。
【0042】
さて、図1の(ア)の位置での断線あるいは点火プラグ4での失火が発生した場合には、2次巻線低圧側に高電圧が発生し、正負に振動するが、図2に示すように正側の電圧はバイアス電圧制限用ツェナーダイオード7のアバランシェ電圧VZ7で抑えられ、負側の電圧は抑制手段として設置されたツェナーダイオード9のアバランシェ電圧VZ9で抑えられる。
また、ツェナーダイオード9と直列に接続されたダイオード10は、断線の無い正常時に2次電流がバイアス回路でなく抑制手段を通じて直接グランドに流れてしまうことを防止する。
【0043】
このように、図1の例では、2次電流経路の(ア)の位置での断線や点火プラグで失火が発生した場合でも、2次巻線低圧側に発生する電圧を抑制して、高電圧がイオン電流検出手段の回路部品やその他の回路の部品等へリークするのを防止できる。
【0044】
図3はこの発明の実施の形態1に関連する第2の装置を示す構成図であり、図において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その重複説明を省略する。
図3においては、図1において、2次巻線2bの低圧側とグランドとの間で断線時電圧制限用ツェナーダイオード9と直列接続されている非断線時通電防止用ダイオード10の代わりに断線時2次電流経路用ツエナーダイオード11を用いる。これらのツエナーダイオード9とツエナーダイオード11により2次電流経路の断線や点火プラグ4で失火が発生した場合に2次巻線低圧側に発生する高電圧を抑制する抑制手段を構成する。
【0045】
なお、断線時2次電流経路用ツエナーダイオード11のアバランシェ電圧は、バイアス電圧制限用ツェナーダイオード7のアバランシェ電圧よりも高く設定し、断線の無い正常時に2次電流がバイアス手段でなく抑制手段を通じて直接グランドに流れてしまうことを防止するようになされている。その他の構成は図1と同様である。
【0046】
次に、動作について説明する。なお、通常の動作については、図1の場合と同様であるのでその説明を省略する。
いま、図3の(ア)の位置での断線あるいは点火プラグ4での失火が発生した場合には、2次巻線低圧側に高電圧が発生し、正負に振動するが、図2に示すように正側の電圧はバイアス電圧制限用ツェナーダイオード7のアバランシェ電圧VZ7で抑えられ、負側の電圧は抑制手段として設置されたツェナーダイオード9のアバランシェ電圧VZ9に抑えられる。
また、ツェナーダイオード9と直列に接続されたツエナーダイオード11により、断線の無い正常時に2次電流がバイアス手段でなく抑制手段を通じて直接グランドに流れてしまうことが防止される。
【0047】
次に、図3の(イ)、(ウ)の位置で断線した場合には、2次電流I2が同図に破線で示すようにツエナーダイオード9とツエナーダイオード11を通じてグランドヘ流れるため、2次電流経路が確保される。また、断線のない正常時には2次電流I2は同図に実線で示すようにバイアス手段としてのツエナーダイオード7およびコンデンサ8側へ流れる。
【0048】
このように、図3の例では、2次電流経路の(ア)の位置での断線や点火プラグで失火が発生した場合でも、2次巻線低圧側に発生する電圧を抑制して、高電圧がイオン電流検出手段の回路部品やその他の回路の部品等へリークするのを防止できる。
また、2次電流経路の(イ)、(ウ)の位置で断線した場合でも常に2次電流経路を確保できるので、点火装置としての正常な動作を維持することができる。
【0049】
図4はこの発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃焼状態検出装置を示す構成図であり、図において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その重複説明を省略する。
図4においては、抵抗器5、ダイオード6、ツエナーダイオード7およびコンデンサ8の部分を、例えばエポキシ樹脂等で形成された点火コイル2の絶縁封止材40内に封止する。その他の構成は、上述のように断線対策として設けられたツェナーダイオード9とダイオード10が省略されている以外は図1と同様である。従って、その動作についても、これらのツェナーダイオード9とダイオード10の動作が省略されている以外は図1の場合と同様であるのでその説明を省略する。
【0050】
かくして、2次電流経路断線により高電圧が発生する2次巻線低圧側の部分を実質的に絶縁封止材40内に封止したので、高電圧のリークが防止される。
また、2次電流経路断線により2次巻線低圧側に高電圧が発生した場合におけるツエナーダイオード7とダイオードD1の接続点の電位は、この接続点がイオン電流検出手段30に接続されていることと、この接続点に現れる正の電圧に実質的に対応した電流がダイオードD1を通してグランドに流れるので、高電圧となることはない。
【0051】
このように、この発明の実施の形態1によれば、コンデンサ等を含むバイアス手段と抵抗器等を含む電流制限手段とを点火コイルの絶縁封止材中に封止したことで、2次電流経路の断線や点火プラグで失火が発生したした場合の発生電圧による部品間あるいは他の装置への放電を防止することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、1次巻線および2次巻線を有するトランス構成からなり、前記1次巻線への電流遮断時に前記2次巻線の高圧側に負極性の点火用高電圧を発生する点火コイルと、前記2次巻線の高圧側に接続され、前記点火用高電圧が印加される点火プラグと、前記点火用高電圧の印加により前記点火プラグで放電し発生するイオンを検出するのに必要な正極性のバイアス電圧が充電されるバイアス手段と、前記2次巻線の低圧側と前記バイアス手段の間に設けられ、前記バイアス電圧の低下を抑制する電流制限手段と、前記バイアス手段からの放電電流を前記点火プラグを介して流れるイオン電流として検出するイオン電流検出手段と、該イオン電流検出手段の検出値に基づいて前記点火プラグにおける燃焼状態を検出するECUとを備え、バイアス手段と電流制限手段とを点火コイルの絶縁封止材内に封止したので、イオン電流の経路でもある2次電流経路での断線や点火プラグで失火が発生した場合でも、2次巻線低圧側に発生する電圧を抑制して、高電圧がイオン電流検出手段の回路部品やその他の回路の部品等へリークするのを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に関連する装置の一例を示す回路構成図である。
【図2】 この発明の動作説明に供するための図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に関連する第2の装置を示す回路構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態1を示す回路構成図である。
【図5】 従来の内燃機関の燃焼状態検出装置を示す回路構成図である。
【図6】 従来の内燃機関の燃焼状態検出装置による点火制御時の2次電流経路とイオン電流検出時のイオン電流経路とを示す図である。
【図7】 従来の内燃機関の燃焼状態検出装置における動作説明に供するための図である。
【符号の説明】
2 点火コイル、 2a 1次巻線、 2b 2次巻線、 3 パワートランジスタ、 4 点火プラグ、5 抵抗器、6 ダイオード、 7,9,11 ツエナーダイオード、 10 ダイオード、 20 ECU、 30 イオン電流検出手段、 40 絶縁封止材。

Claims (1)

  1. 1次巻線および2次巻線を有するトランス構成からなり、前記1次巻線への電流遮断時に前記2次巻線の高圧側に負極性の点火用高電圧を発生する点火コイルと、
    前記2次巻線の高圧側に接続され、前記点火用高電圧が印加される点火プラグと、
    前記点火用高電圧の印加により前記点火プラグで放電し発生するイオンを検出するのに必要な正極性のバイアス電圧が充電されるバイアス手段と、
    前記2次巻線の低圧側と前記バイアス手段の間に設けられ、前記バイアス電圧の低下を抑制する電流制限手段と、
    前記バイアス手段からの放電電流を前記点火プラグを介して流れるイオン電流として検出するイオン電流検出手段と、
    前記イオン電流検出手段の検出値に基づいて前記点火プラグにおける燃焼状態を検出するECUと
    を備え、前記バイアス手段と前記電流制限手段とを前記点火コイルの絶縁封止材内に封止したことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
JP37341198A 1998-12-28 1998-12-28 内燃機関の燃焼状態検出装置 Expired - Lifetime JP3753290B2 (ja)

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