JP3676145B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/54Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed with two or more sets of type or printing elements

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Printers Characterized By Their Purpose (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支軸に沿うインクキャリッジの往復運動による走査によって記録用紙に印刷するインクジェットプリンタに関するものであり、詳しくは、印刷の高速化を図り得るインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェットプリンタとして、例えば、特開平6−24001号公報に開示されたものがある。
【0003】
上記公報のインクジェットプリンタでは、図41(a)に示すように、記録用紙102の搬送方向に対して直交する方向に設けられたスクリューシャフト101に支持されたインクキャリッジ100が、このスクリューシャフト101に沿って直線的に走査されるようになっている。
【0004】
また、図41(b)に示すように、インクキャリッジ100は、黄色のインクタンク103a・赤色のインクタンク103b・青色のインクタンク103c・黒色のインクタンク103dを有しており、各インクタンク103a・103b・103c・103dに対してそれぞれインクヘッド104a・104b・104c・104dが記録用紙102に向けて下方の一面に形成されている。
【0005】
上記のインクヘッド104a・104b・104c・104dには、それぞれ、インクノズル105…が複数個配列されており(同図においては8個)、例えば、文字等の一行分を同時に噴射できるようになっている。
【0006】
これによって、図42にも示すように、記録用紙102を搬送方向に紙送りしながら、インクキャリッジ100を直線的に走査し、その時に下向きにインクを噴射して印刷するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のインクジェットプリンタでは、印刷速度は、プリンタ自体の用紙搬送距離つまりインクノズル配列距離とインクキャリッジ100の走査速度とによって決定され、その速度アップは不可能であるという問題点を有している。
【0008】
また、重ね打ちや両面印刷等の処理も不可能であり、ユーザーに対して高解像度,及びウォーターマークと印刷データ等との異種情報の印刷を高速に提供することができないという問題点を有している。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、異種情報の同時印刷及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットプリンタは、上記課題を解決するために、支軸に沿うインクキャリッジの往復運動による走査によって記録用紙に印刷するインクジェットプリンタにおいて、上記インクキャリッジは、単一に設けられた搬送経路を一枚ずつ順番に搬送される記録用紙の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷可能とすべく該2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルを有するインクヘッドを備えている。
【0011】
このため、1個のインクキャリッジを走査することによって、1枚の記録用紙に同時に2箇所への印刷を行うことができるので、同一色について記録用紙の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷するときには、一方向へのインクノズルのみ有するインクヘッドに比べて、印刷時間を半分に短縮することができる。
【0012】
また、2方向へのインクノズルの印刷データを各方向毎に使い分けることによって、記録用紙における1回のみの搬送にて同一箇所に重ね打ちしたり、印刷の解像度を高めたり、異種情報を記録したりすることができる。さらに、スイッチバックパス機構を設ければ、両面印刷も可能となる。
【0013】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、異種情報の同時印刷及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0014】
本発明のインクジェットプリンタでは、上記記録用紙の搬送方向に対して上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルを有するインクヘッドにて記録用紙における2箇所の設定記録位置に印刷すべく、搬送経路における、上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズル間距離を調整するノズル間距離調整手段が設けられている。
【0015】
すなわち、記録用紙の搬送方向に対して2方向へのインクノズルを有するインクヘッドにて記録用紙における2箇所の設定記録位置に印刷するためには、搬送経路における2方向のインクノズル間距離を調整しなければ、適切に記録用紙の搬送方向における任意の2箇所に印刷することができない。
【0016】
しかし、本発明によればノズル間距離調整手段にて搬送経路における2方向のインクノズル間距離を調整することによって、適切に記録用紙の搬送方向における任意の2箇所に印刷することができる。
【0017】
また、ノズル間距離調整手段は、搬送経路における2方向のインクノズル間距離を調整するものであるから、用紙サイズが異なっていても自在にインクノズル間距離を調整することにより記録用紙における2箇所の設定記録位置に適切に印刷させることができる。
【0018】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、及び異種情報の同時印刷等の印刷の効率化を確実に図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0019】
また、記録用紙における用紙サイズのバラエティに対応することができる。
【0020】
本発明のインクジェットプリンタは、上記課題を解決するために、前記記載のインクジェットプリンタにおいて、記録用紙の前記搬送経路における、前記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルの間には、記録用紙の搬送を伸縮可能に案内する伸縮案内手段が設けられていることを特徴としている。
【0021】
すなわち、ノズル間距離調整手段によって搬送経路における2方向のインクノズル間距離が調整された場合、その伸縮された2方向のインクノズル間距離に合わせて記録用紙をガイドするものがないと、記録用紙を適切に搬送することができない。
【0022】
しかし、本発明では、伸縮案内手段が設けられているので、ノズル間距離調整手段によって搬送経路における2方向のインクノズル間距離が伸縮自在に調整された場合においても、その伸縮された2方向のインクノズル間距離に合わせて記録用紙をガイドし、その記録用紙を適切に搬送することができる。
【0023】
また、伸縮案内手段は、記録用紙の搬送経路における2方向のインクノズルの間における記録用紙の搬送を伸縮可能に案内するので、用紙サイズが異なっていても自在に調整することができる。
【0024】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、及び異種情報の同時印刷等の印刷の効率化を確実に図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0025】
また、記録用紙における用紙サイズのバラエティに対応することができる。
本発明のインクジェットプリンタは、上記課題を解決するために、前記記載のインクジェットプリンタにおいて、上記記録用紙の搬送方向に対する上記2箇所の方向へのインクノズルは、各方向のインクノズルのそれぞれが同一色について支軸に沿う走査方向と記録用紙の搬送方向とに対して斜めに配列された複数のインク穴を有すると共に、上記各方向のインクノズルにおける同一色について複数配列された個々のインク穴同士は、支軸に沿う走査方向の間隔及び記録用紙の搬送方向の間隔の少なくともいずれか一方の間隔が上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズル相互間で半ピッチずつずれていることを特徴としている。
【0026】
上記の発明によれば、一方向へ向いたインクノズルにて一回目の印刷を行い、次いで、他の方向へ向いたインクノズルにて、支軸に沿う走査方向の間隔及び/又は記録用紙の搬送方向の間隔を半ピッチずつずらして二回目の印刷を一回目の印刷部分に重ねて印刷することによって、支軸に沿う走査方向及び/又は記録用紙の搬送方向の解像度及び印刷密度をそれぞれ2倍に高めることができる。
【0027】
この結果、印刷解像度の向上等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0028】
本発明のインクジェットプリンタは、上記課題を解決するために、前記記載のインクジェットプリンタにおいて、上記記録用紙の搬送経路における、上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルの間には、記録用紙の表裏を反転する用紙反転手段が設けられ、かつ上記用紙反転手段は、先に、記録用紙の一方の面を上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルの一方に対向させ、その後、記録用紙の上記一方のノズルに対向させた面に対して裏の面を上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルの他方に対向させるように、記録用紙を反転する。
【0029】
このため、2方向のインクノズルにおける一方のインクノズルにて記録用紙の表面を印刷した後、用紙反転手段にて記録用紙の表裏を反転し、次いで、他方のインクノズルにて記録用紙の裏面を印刷するという両面印刷を行うことができる。
【0030】
また、この両面印刷の機構は、単一の搬送経路を通る記録用紙の印刷を2方向のインクノズルを用いて行うので、2方向のインクノズル間で記録用紙の表裏を反転させれば足りる。このため、用紙反転手段の構造を簡単なものにすることができる。
【0031】
また、従来の一方向のインクノズルにて記録用紙に両面印刷する場合に比べると、本発明では、2方向のインクノズルにおける一方のインクノズルにて記録用紙の表面を印刷し、その時同時に、他方のインクノズルにて先に印刷した記録用紙の裏面を印刷することができる。このため、記録用紙を複数枚両面印刷するときには、両面印刷時間を従来の半分にすることができる。
【0032】
この結果、印刷の高速化及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
本発明のインクジェットプリンタは、上記課題を解決するために、前記記載のインクジェットプリンタにおいて、記録用紙の前記搬送経路における2方向のインクノズルの少なくともその間には、記録用紙の印字面を乾燥する乾燥手段が設けられていることを特徴としている。
【0033】
すなわち、2方向のインクノズルにて一枚の記録用紙を連続して短時間に印刷した場合には、2方向のインクノズルにおける一方のインクノズルにて印刷した後、他方のインクノズルにて印刷するときに、一方のインクノズルにて印刷した部分が十分に乾燥していなくてインクが滲む等のおそれや、搬送ローラー等に付着したインクが記録用紙を汚す等のおそれがある。
【0034】
しかし、本発明では、乾燥手段が設けられているので、先のインクノズルにて印刷した後は、乾燥手段によってその印刷した部分が乾燥される。
【0035】
このため、後のインクノズルにて印刷するときにも、先のインクノズルにて印刷した部分が十分に乾燥してなくてインクが滲んだり、搬送ローラー等に付着したインクが記録用紙を汚したりするというおそれが無くなる。
【0036】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、異種情報の同時印刷及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、インクジェットプリンタとして、カラー印刷可能なプリンタを例示して説明するが、必ずしもこれに限らず、黒色一色のみが印刷可能なプリンタにも適用することが可能である。
【0038】
本実施の形態のインクジェットプリンタには、図2に示すように、記録用紙2の搬送方向に対して直角方向に支軸1が設けられていると共に、この支軸1には1つのインクキャリッジ5が該支軸1に沿って往復移動走査できるように設けられている。このインクキャリッジ5の走査は直線的であり、その走査の両端に助走部とオーバーラン部とを有している。
【0039】
上記インクキャリッジ5は、カラー印刷できるように、順に、黄色インクタンク3a・赤色インクタンク3b・青色インクタンク3c・黒色インクタンク3dからなるインクタンク3を備えている。そして、これら黄色インクタンク3a・赤色インクタンク3b・青色インクタンク3c・黒色インクタンク3dには、それぞれ、黄色、赤色、青色、黒色の各インクが貯留されている。
【0040】
ここで、本実施の形態のインクキャリッジ5では、図3に示すように、一つの搬送経路のみを一枚ずつ順番に搬送される記録用紙2の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷可能とすべく該2方向に向いた正面側インクヘッド6と背面側インクヘッド7とを備えている。
【0041】
すなわち、同図に示すように、正面側インクヘッド6はインクタンク3の正面下側に配置されて正面側を向いている一方、背面側インクヘッド7はインクタンク3の背面下側に配置されて背面側を向いている。
【0042】
上記の正面側インクヘッド6には、図4(a)に示すように、各色用の正面インクノズル4a…が設けられており、各正面インクノズル4a…は、斜め右下がりにノズル穴が各々例えば8個ずつ形成されている。これによって、例えば、文字等の一行分幅のインクを同時にインクキャリッジ5の正面から記録用紙2に向かって横方向に噴射できるようになっている。
【0043】
一方、上記の背面側インクヘッド7についても、図4(b)に示すように、各色用の背面インクノズル4b…が設けられていると共に、各背面インクノズル4b…には、斜め右上がりにノズル穴が各々8個ずつ形成されている。これによって、同様にして、例えば、文字等の一行分幅のインクを同時にインクキャリッジ5の背面から上記記録用紙2に向かって横方向に噴射できるようになっている。
【0044】
したがって、図1に示すように、1枚の記録用紙2がインクキャリッジ5の周りを背面から下へ及び下から正面へと通る搬送経路内を順次搬送されるときに、正面インクノズル4a…から噴出されるインクが記録用紙2における前半分である搬送方向先方行の例えば15行分のデータを印刷し、その時同時に、背面インクノズル4b…から噴出されるインクが、上記先方行である15行分に続く記録用紙2における後半分である15行分のデータを印刷することができるようになっている。なお、正面インクノズル4a…及び背面インクノズル4b…にてそれぞれ何行分印刷するかは、ソフト的に行われるものとなっている。したがって、必ずしもこれに限らず、例えば、正面インクノズル4a…から噴出されるインクが記録用紙2における搬送方向先方行の例えば5行分のデータを印刷し、その時同時に、背面インクノズル4b…から噴出されるインクが、記録用紙2における搬送方向後方行の例えば5行分のデータを印刷することが可能である。
【0045】
この結果、本実施の形態では、インクキャリッジ5は、一つの搬送経路のみを一枚ずつ順番に搬送される記録用紙2の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷可能とすべく該2方向に向いた正面側インクヘッド6と背面側インクヘッド7とを備えているが、必ずしもこれに限らず、記録用紙2の搬送方向に対して同時に3箇所等の複数箇所へ印刷可能とすべく該3箇所等の複数方向に向いた正面側インクヘッド6と背面側インクヘッド7と、図示しないさらに下方側へのインクヘッドとを設け、各インクヘッドにてソフト的に所望の行数を適正に印刷することが可能である。
【0046】
次に、上記支軸1は、上述したように、記録用紙2を搬送しているときに上記インクキャリッジ5を主走査方向に安定した状態で移動可能とするために用いられる。したがって、この支軸1は、正面インクノズル4a…及び背面インクノズル4b…がインクキャリッジ5の両側端に位置することによる印刷の妨げとならないように、インクキャリッジ5の下側に配置されている。
【0047】
上記インクキャリッジ5の主走査方向の移動動作は、送信されるデータに伴って搬送される記録用紙2の動きに連動し、インクキャリッジ5は支軸1を往復運動する。このとき、記録用紙2は、図5に示すように、支軸1の下側に設置されたノズル間距離調整手段としての用紙長さ調整ローラー8・8の間を経由して搬送される。
【0048】
上記用紙長さ調整ローラー8・8は、図6(a)(b)に示すように、これら用紙長さ調整ローラー8・8の駆動側に歯合するギア9aを保有したローラー駆動用モーター9により駆動力を得て、記録用紙2を搬送する。
【0049】
ここで、本実施の形態の用紙長さ調整ローラー8・8は、搬送される記録用紙2の副走査方向(搬送方向)の長さ(以下、「全長」と称する。)によって用紙長さ調整用軸受けフレーム12が上下運動をし、その位置を上下移動することが可能な構成となっている。
【0050】
すなわち、上記の用紙長さ調整ローラー8・8及びローラー駆動用モーター9は、フレーム駆動用モータ13の動作によって上下移動する用紙長さ調整用軸受けフレーム12の機構内に設けられており、このフレーム駆動用モーター13の動作と連動して、用紙長さ調整用軸受けフレーム12に設けられている用紙長さ調整ローラー8・8も同様に上下方向に移動する。
【0051】
したがって、記録用紙2の全長が短いときは、図6(a)に示すように、用紙長さ調整用軸受けフレーム12はインクキャリッジ5に近づく。一方、記録用紙2の全長が長い時は、図6(b)に示すように、用紙長さ調整用軸受けフレーム12はインクキャリッジ5から遠ざかることができるようになっている。
【0052】
このため、用紙長さ調整ローラー8・8を上下移動させることによって、上記の記録用紙2がどのような用紙長さを有していても、正面インクノズル4a…のインク噴射位置を記録用紙2の前半第1行目にセットすることができると共に、その時同時に、背面インクノズル4b…のインク噴射位置を記録用紙2の後半第1行目にセットすることができる。
【0053】
そして、その状態で、インクキャリッジ5を往方向に主走査することにより、図7(a)に示すように、1枚の記録用紙2の搬送方向に対して、記録用紙2の前半部分の第1行目を正面インクノズル4a…からインクを噴出して印刷すると同時に、記録用紙2の後半部分の第1行目を背面インクノズル4b…からインクを噴出して印刷する。
【0054】
次いで、図7(b)に示すように、1枚の記録用紙2の搬送方向に対して、再度、インクキャリッジ5を例えば復方向に主走査することによって、記録用紙2の前半部分の第2行目を正面インクノズル4a…にて印刷すると同時に、後半部分の第2行目を背面インクノズル4b…にて印刷する。
【0055】
この作業を、繰り返すことにより、正面インクノズル4a…にて記録用紙2の前半部分のデータを印刷し、その時同時に、背面インクノズル4b…にて記録用紙2の後半部分のデータを印刷することができるようになっている。
【0056】
そして、図7(c)に示すように、1枚の記録用紙2の印刷は、正面インクノズル4a…にて印刷した部分の最終行と、背面インクノズル4b…にて印刷した部分の最初の1行目とがつながり、2つのインクノズル4a…・4b…にて印刷されるデータが最終的に1つとなるようになっている。
【0057】
一方、本実施の形態では、前記図6(a)(b)に示すように、記録用紙2の搬送経路には、用紙長さ調整ローラー8・8の前後に伸縮案内手段としての伸縮ガイド10・10を設置している。これによって、記録用紙2が正しく用紙長さ調整ローラー8・8の間及びインクキャリッジ5の前面部に搬送されるように、2つのインクノズル4a…・4b…間の搬送経路を確保すべく、記録用紙2をガイドするものとなっている。
【0058】
すなわち、上述したように、記録用紙2の全長に応じて用紙長さ調整ローラー8・8が上下移動するので、ガイド長さが固定されている場合には、記録用紙2の搬送がスムーズにならないおそれがある。
【0059】
そこで、伸縮ガイド10・10は、記録用紙2の全長に応じて用紙長さ調整用軸受けフレーム12の動作と連動して伸縮し、記録用紙2の搬送がスムーズに行えるように調節できるものとなっている。
【0060】
また、上記正面側及び背面側に位置する伸縮ガイド10・10はそれぞれ3連になっており、例えば、これら各ガイドの各々に横溝を開け、その横溝へ図示しないピンを挿通することによって、各ガイドの各々を連結させている。したがって、用紙長さ調整用軸受けフレーム12が記録用紙2の全長に応じて上下移動すると、この横溝に連結された3連になった伸縮ガイド10が伸縮する。
【0061】
さらに、上記の伸縮ガイド10・10を記録用紙2に応じてまとまった動きをさせるために、伸縮ガイド10の各々にはバネ11…が設置されている。これによって、伸縮ガイド10の動きがばらばらにならないように調節している。
【0062】
すなわち、上記バネ11…は、各伸縮ガイド10・10における外側において、上側ガイドと中間ガイドとを連結するために設けられるものと、中間ガイドと下側ガイドとを連結するために設けられるものとの2個ずつの対となっており、伸縮ガイド10が伸びたときにバネ11…も伸びる一方、伸縮ガイド10が縮むときはバネ11…も収縮するよう構成されている。この結果、正面側3個及び背面側3個から構成されている伸縮ガイド10の動きを適切に制御し得るようになっている。なお、上記の伸縮ガイド10・10は、必ずしも各側3個に限らず、他の複数個でも良い。
【0063】
上記のインクジェットプリンタにおける印刷工程の動作を、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0064】
先ず、インクジェットプリンタ側が、1ページ分のデータを受信すると(S1)、用紙長さ調整用軸受けフレーム12を上下移動させることにより用紙長さ調整ローラー8・8を上下移動させて、2つの正面側インクヘッド6と背面側インクヘッド7との間の搬送経路の長さを、記録用紙2の1ページの印刷長さの半分にセットする(S2)。
【0065】
次いで、新しい記録用紙2の前半部分の第1行目を正面インクノズル4a…にて印刷できる位置まで記録用紙2を搬送させる(S3)。これによって、1ページ分データの後半部分の第1行目を背面インクノズル4b…にて印刷できる位置に記録用紙2をセットすることができる。
【0066】
次に、1ページ分のデータの前半部分を正面インクノズル4a…の印刷用メモリに蓄積する一方、1ページ分のデータの後半部分を背面インクノズル4b…の印刷用メモリに蓄積する(S4)。
【0067】
次いで、印刷用メモリからデータを正面インクノズル4a…と背面インクノズル4b…とに送信し、同時に2つのインクノズル4a…・4b…から1走査分の印刷をした後、記録用紙2を1走査分つまり1行分搬送させる(S5)。
【0068】
次いで、2つのインクノズルによって行った1ページ分のデータの印刷が終了したか否かを判断し(S6)、1ページ分の印刷が終了していなければ、S5に戻って1走査分の印刷と搬送とを繰り返す。一方、S6で1ページ分のデータの印刷が終了していれば記録用紙2を排出する(S7)。
【0069】
次いで、次のデータが有るか否かを判断し(S8)、次のデータが無ければ終了し、次のデータが有る場合にはS1に戻ってS1〜S8までの作業を繰り返す。
【0070】
以上の行程によって、印刷を前半、後半に分割して高速印刷をすることが可能となる。
【0071】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、インクキャリッジ5は、単一に設けられた搬送経路を一枚ずつ順番に搬送される記録用紙2の搬送方向に対して同時に複数箇所へ印刷可能とすべく該複数方向への正面インクノズル4a…及び背面インクノズル4b…を有する正面側インクヘッド6及び背面側インクヘッド7を備えている。
【0072】
このため、1個のインクキャリッジ5を走査することによって、1枚の記録用紙2に同時に複数箇所への印刷を行うことができるので、同一色について記録用紙2の搬送方向に対して同時に複数箇所へ印刷するときには、一方向へのインクノズルのみ有するインクヘッドに比べて、短時間に印刷することができる。
【0073】
また、複数方向への正面インクノズル4a…及び背面インクノズル4b…の印刷データを各方向毎に使い分けることによって、記録用紙2における1回のみの搬送にて同一箇所に重ね打ちしたり、印刷の解像度を高めたり、異種情報を記録したりすることができる。なお、上記の異種情報については、背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…とが互いに異なる色のインクを噴射することを含んでいる。
【0074】
さらに、スイッチバックパス機構を設ければ、両面印刷も可能となる。
【0075】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、異種情報の同時印刷及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0076】
また、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、インクキャリッジ5は、単一に設けられた搬送経路を一枚ずつ順番に搬送される記録用紙2の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷可能とすべく該2方向への正面インクノズル4a…及び背面インクノズル4b…を有する正面側インクヘッド6及び背面側インクヘッド7を備えている。
【0077】
このため、1個のインクキャリッジ5を走査することによって、1枚の記録用紙2に同時に2箇所への印刷を行うことができるので、同一色について記録用紙2の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷するときには、一方向へのインクノズルのみ有するインクヘッドに比べて、印刷時間を半分に短縮することができる。
【0078】
また、2方向への正面インクノズル4a…及び背面インクノズル4b…の印刷データを各方向毎に使い分けることによって、記録用紙2における1回のみの搬送にて同一箇所に重ね打ちしたり、印刷の解像度を高めたり、異種情報を記録したりすることができる。なお、上記の異種情報については、背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…とが互いに異なる色のインクを噴射することを含んでいる。
【0079】
さらに、後述するように、スイッチバックパス機構を設ければ、両面印刷も可能となる。
【0080】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、異種情報の同時印刷及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0081】
ところで、記録用紙2の搬送方向に対して2方向の、正面インクノズル4a…を有する正面側インクヘッド6及び背面インクノズル4b…を有する背面側インクヘッド7にて記録用紙2における2箇所の設定記録位置に印刷するためには、搬送経路における2方向のインクノズル間距離を調整しなければ、適切に記録用紙2の搬送方向における任意の2箇所に印刷することができない。
【0082】
しかし、本実施の形態のインクジェットプリンタによれば、記録用紙2の搬送方向に対して2方向の、正面インクノズル4a…を有する正面側インクヘッド6及び背面インクノズル4b…を有する背面側インクヘッド7にて、記録用紙2における2箇所の設定記録位置に印刷すべく、搬送経路における2方向の正面インクノズル4a…及び背面インクノズル4b…の間のインクルズル間距離を調整する用紙長さ調整ローラー8・8が設けられている。
【0083】
したがって、この用紙長さ調整ローラー8・8によって搬送経路における正面インクノズル4a…と背面インクノズル4b…とのインクノズル間距離を調整することによって、適切に記録用紙2の搬送方向における任意の2箇所に印刷することができる。
【0084】
また、用紙長さ調整ローラー8・8は、搬送経路における正面インクノズル4a…と背面インクノズル4b…とのインクノズル間距離を調整するものであるから、用紙サイズが異なっていても自在にインクノズル間距離を調整することにより記録用紙2における2箇所の設定記録位置に適切に印刷させることができる。
【0085】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、及び異種情報の同時印刷等の印刷の効率化を確実に図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0086】
また、本実施の形態では、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を有するインクキャリッジ5において、設定された記録用紙2の用紙長さに基づき、2つの背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間のインクノズル間の搬送経路に記録用紙2の1枚分の長さの半分の搬送経路距離を設け、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて2枚の記録用紙2の前半と後半とを同時に印刷している。
【0087】
この結果、2つのそれぞれの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…にて1枚の記録用紙2における前半と後半とを同時に印刷することができるため、インクノズルが1つの場合に比べて、印刷時間を約半分にすることができる。
【0088】
また、本実施の形態では、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を有するインクキャリッジ5において、設定された記録用紙2の用紙長さに基づき、2つの背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間のインクノズル間の搬送経路に記録用紙2の1枚分の長さの半分の搬送経路距離を設け、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて2枚の記録用紙2の前半と後半とを同時に印刷するに際して、記録用紙2の先端行が正面インクノズル4a…の印字位置となるように搬送されるようになっている。
【0089】
これによって、記録用紙2の前半部分を正面インクノズル4a…にて印字することができ、記録用紙2の最初から印刷することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を有するインクキャリッジ5において、設定された記録用紙2の用紙長さに基づき、2つの背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間のインクノズル間の搬送経路に記録用紙2の1枚分の長さの半分の搬送経路距離を設け、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて2枚の記録用紙2の前半と後半とを同時に印刷するに際して、記録用紙2の後半の先頭行が背面インクノズル4b…の印字位置となるように搬送されるようになっている。
【0091】
これによって、記録用紙2の後半部分を背面インクノズル4b…にて印字することができ、記録用紙2の後半部を適切に印刷することができる。
【0092】
また、本実施の形態では、用紙長さ調整ローラー8・8における搬送経路の正面インクノズル4a…と背面インクノズル4b…とのインクノズル間距離の調整は、図示しないインクジェットプリンタの表示パネルに配置される用紙選択スイッチからの指示によって行われるようになっている。
【0093】
この結果、ユーザーの所望の用紙サイズに応じて、各サイズの記録用紙2に対して印刷位置を適切に配置させることができる。
【0094】
また、本実施の形態では、印字用の印字データは、図示しない制御部にて、画像データの前半部と後半部とを分割して、その後、同時に各背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…に送信されるようになっている。
【0095】
このため、印字部を2つに分けるだけではなく、制御部においても印字データを前半分と後半分に分割して、各該当する背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…に同時に送信することによって、両背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…にて同時に印刷することを可能にし、印字の高速化及び効率化を図ることができる。
【0096】
一方、用紙長さ調整ローラー8・8によって搬送経路における2方向のインクノズル間距離が調整された場合、その伸縮された2方向のインクノズル間距離に合わせて記録用紙2をガイドするものがないと、記録用紙2を適切に搬送することができない。
【0097】
しかし、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、記録用紙2の搬送経路における2方向の正面インクノズル4a…と背面インクノズル4b…との間には、記録用紙2の搬送を伸縮可能に案内する伸縮ガイド10・10が設けられている。
【0098】
このため、用紙長さ調整ローラー8・8によって搬送経路における2方向のインクノズル間距離が伸縮自在に調整された場合においても、その伸縮された2方向のインクノズル間距離に合わせて記録用紙2をガイドし、その記録用紙2を適切に搬送することができる。
【0099】
また、伸縮ガイド10・10は、記録用紙2の搬送経路における背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間における記録用紙2の搬送を伸縮可能に案内するので、用紙サイズが異なっていても自在に調整することができる。
【0100】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、及び異種情報の同時印刷等の印刷の効率化を確実に図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0101】
さらに、記録用紙2における用紙サイズのバラエティに対応することができる。
【0102】
また、本実施の形態では、用紙サイズに応じて搬送経路を伸縮できるように用紙長さ調整ローラー8・8を設けると共に、搬送経路に伸縮ガイド10・10を設けて、この用紙長さ調整ローラー8・8に連動するようにしている。
【0103】
このため、用紙サイズに応じて伸縮ガイド10・10を伸縮させることにより、搬送経路を確保することができると共に、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を有しているので1回の走査にて2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…にて2箇所を同時に印刷する際に、効率良く印刷ができかつ印刷時間を短縮できる。また、搬送経路の変更を容易に行うことができる。さらに、用紙サイズのバラエティに対応ができる。
【0104】
なお、本実施の形態においては、一枚の記録用紙2の前半と後半とに対して、正面インクノズル4a…と背面インクノズル4b…とから同時噴射して印刷するようになっていたが、必ずしもこれに限定されず、同じ方式にて、例えば、2枚の記録用紙2・2を同時に印刷することが可能である。
【0105】
すなわち、図9に示すように、単一の搬送経路を一枚ずつ順番に搬送される記録用紙2…が2枚以上の複数枚存在する場合には、正面インクノズル4a…から1枚目の記録用紙2aにインクを噴射して印刷し、このとき同時に、背面インクノズル4b…から2枚目の記録用紙2bにインクを噴射して印刷することによって、印刷の高速化を図ることができる。
【0106】
具体的には、同図に示すように、先ず、用紙長さ調整ローラー8・8を、記録用紙2a・2bの全長に合った位置に移動する。
【0107】
次に、1枚目の記録用紙2aを搬送して、正面インクノズル4a…の位置に記録用紙2aの先端が配置される。2枚目の記録用紙2bは、背面インクノズル4b…の位置に記録用紙2bの先端が配置される。
【0108】
その後、各印刷データが正面インクノズル4a…及び背面インクノズル4b…に送信され、インクキャリッジ5の走査及びインク噴出によって印刷が行われる。すなわち、正面インクノズル4a…にて1枚目の記録用紙2aを印刷し、このとき同時に、背面インクノズル4b…にて2枚目の記録用紙2bを印刷する。これによって、2枚同時印刷が可能となる。
【0109】
上述した2枚同時印刷を行う場合の制御動作を、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0110】
先ず、用紙長さ調整ローラー8・8の位置が、記録用紙2の全長以上となるようにセットされる。すなわち、背面インクノズル4b…のインクが噴出する位置に記録用紙2がかからないようにセットされる(S11)。次いで、インクジェットプリンタ側が、1ページ分のデータを受信し、正面インクノズル4a…の印刷用メモリに蓄積する(S12)。
【0111】
次いで、1枚目の記録用紙2aを搬送する(S13)。ここで、2枚目のデータがあるか否かを判断し(S14)、2枚目のデータがある場合は、2枚目の記録用紙2bのデータを受信し、背面インクノズル4b…の印刷用メモリに蓄積し(S15)、2枚目の記録用紙2bを背面インクノズル4b…にて印刷できる位置まで搬送させる(S16)。
【0112】
次いで、正面インクノズル4a…の印刷用メモリと背面インクノズル4b…印刷用のメモリからデータをそれぞれのインクノズル4a…・4b…に送信し、同時に2つのインクノズル4a…・4b…からインクを噴出して2枚同時に印刷する。これにより、それぞれ1ページ分を印刷する(S17)。
【0113】
印刷が終了したら、先に記録用紙2aを排出し、次に記録用紙2bを排出することによって、2枚の記録用紙2a・2bを順次排出する(S18)。
【0114】
2枚の記録用紙2a・2bを排出した後、次のデータがある場合は(S19)、S12に戻りS12〜S19までの作業を繰り返す。
【0115】
また、前記S14において、データが1枚で終わりの場合は、正面インクノズル4a…の印刷用メモリからデータを正面インクノズル4a…に送信し、1ページ分のデータを記録用紙2aに印刷する(S20)。そして、印刷が終了したら、その印刷された記録用紙2aを排出する(S21)。
【0116】
以上の行程により2枚同時印刷が可能となる。
【0117】
このように、本実施の形態では、2方向のインクノズルを有するインクキャリッジ5において、設定された記録用紙2の用紙長さに基づき、2つの背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間のインクノズル間の搬送経路に記録用紙2の1枚分以上の搬送経路距離を設け、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて2枚の記録用紙2a・2bを同時に印刷している。
【0118】
この結果、2つのそれぞれの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…にて記録用紙2a・2bの1枚ずつを同時に印刷することができるため、インクノズルが1つの場合に比べて、記録用紙2が複数枚ある場合の印刷時間を約半分にすることができる。
【0119】
また、本実施の形態では、2方向のインクノズルを有するインクキャリッジ5において、設定された記録用紙2の用紙長さに基づき、2つの背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間のインクノズル間の搬送経路に記録用紙2の1枚分以上の搬送経路距離を設け、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて2枚の記録用紙2a・2bを同時に印刷するに際して、背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…の各印字位置に記録用紙2a・2bの先端が配置された後に、同時に印字を行うようになっている。
【0120】
このため、複数枚を印刷する場合において、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…にて各記録用紙2a・2bの最初から同時に印刷することができ、印字の高速化及び効率化を図ることができる。
【0121】
また、本実施の形態では、2方向のインクノズルを有するインクキャリッジ5において、設定された記録用紙2の用紙長さに基づき、2つの背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間のインクノズル間の搬送経路に記録用紙2の1枚分よりも大きい搬送経路距離を設け、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて2枚の記録用紙2a・2bを同時に印刷するに際して、正面インクノズル4a…の印字位置に記録用紙2aの先端が配置されたときに、記録用紙2aの後端を、搬送経路中において背面インクノズル4b…の印字位置を過ぎた位置とすることができる。
【0122】
これによって、先頭に配置される記録用紙2aの後端と、背面インクノズル4b…にて印字すべく背面インクノズル4b…の印字位置に配される記録用紙2bの先端とが重なることなく、2枚同時に印字することができる。
【0123】
また、本実施の形態では、2方向のインクノズルを有するインクキャリッジ5において、設定された記録用紙2の用紙長さに基づき、2つの背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間のインクノズル間の搬送経路に記録用紙2の1枚分よりも大きい搬送経路距離を設け、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて2枚の記録用紙2a・2bを同時に印刷するに際して、正面インクノズル4a…の印字位置に記録用紙2aの先端が配置されたときに、記録用紙2aの後端を、搬送経路中において背面インクノズル4b…の印字位置を過ぎた位置とすると共に、さらに、次の記録用紙2bの先端を背面インクノズル4b…の印字位置とすることができる。
【0124】
これによって、記録用紙2aと記録用紙2bとが重なることなく、各々最初から同時印刷することができる。
【0125】
また、本実施の形態では、2方向のインクノズルを有するインクキャリッジ5において、設定された記録用紙2の用紙長さに基づき、2つの背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間のインクノズル間の搬送経路に記録用紙2の1枚分以上の搬送経路距離を設け、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて2枚の記録用紙2a・2bを同時に印刷するに際して、正面インクノズル4a…への印刷データと背面インクノズル4b…への印刷データとが各々を異なったものとすることができる。
【0126】
これによって、異なった種類のデータについて、印字の高速化及び効率化を図ることができる。
【0127】
また、本実施の形態では、2方向のインクノズルを有するインクキャリッジ5において、設定された記録用紙2の用紙長さに基づき、2つの背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間のインクノズル間の搬送経路に記録用紙2の1枚分以上の搬送経路距離を設け、2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて2枚の記録用紙2a・2bを同時に印刷するに際して、正面インクノズル4a…への印刷データと背面インクノズル4b…への印刷データとを同じものとすることができる。
【0128】
これによって、複数枚を印刷する場合に、印刷速度を半分にして、印字の高速化及び効率化を図ることができる。
【0129】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図11ないし図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0130】
前記実施の形態1においては、図6(a)(b)に示すように、記録用紙2の搬送経路には、用紙長さ調整ローラー8・8の前後に伸縮案内手段としての伸縮ガイド10・10が設置されており、これによって、記録用紙2が正しく2つの用紙長さ調整ローラー8・8及びインクキャリッジ5の前面部に搬送されるように、記録用紙2をガイドするものとなっている。
【0131】
しかしながら、記録用紙2の搬送をスムーズに行うためには、伸縮案内手段として必ずしも伸縮ガイド10・10に限らない。
【0132】
すなわち、本実施の形態では、例えば、図11(a)(b)に示すように、伸縮ガイド10・10の代りに伸縮案内手段としての搬送ガイドベルト14が設けられている。
【0133】
この搬送ガイドベルト14は、インクキャリッジ5における背面インクノズル4b…による記録用紙2bへの印刷直後の位置に対に設けられた背面印刷後搬送ローラー17・17のうちの後面側の背面印刷後搬送ローラー17と、用紙長さ調整ローラー8・8のうちの上側の用紙長さ調整ローラー8と、正面インクノズル4a…による記録用紙2bへの印刷直前の位置に設けられた正面印刷前搬送ローラー18・18のうちの前面側の正面印刷前搬送ローラー18と、下方に位置しかつ搬送ガイドベルト14の回転に従動して回転するテンションローラ15とに巻回されている。
【0134】
上記のテンションローラ15は、フレーム駆動用モーター13のモーターギヤ13aに歯合するベルト用軸受フレーム16に設けられている。したがって、フレーム駆動用モーター13の駆動によってベルト用軸受フレーム16が上下方向に移動し、これによって、テンションローラ15も上下方向に移動するようになっている。
【0135】
また、前記実施の形態1で述べたように、フレーム駆動用モーター13のモーターギヤ13aは用紙長さ調整用軸受けフレーム12にも歯合している。したがって、用紙長さ調整用軸受けフレーム12が上昇するときにはベルト用軸受フレーム16は下降する一方、用紙長さ調整用軸受けフレーム12が下降するときには上昇する。
【0136】
これにより、用紙長さ調整用軸受けフレーム12に設けられている用紙長さ調整ローラー8・8が上昇又は下降したときには、用紙長さ調整ローラー8・8とは逆に下降又は上昇するテンションローラ15によって、搬送ガイドベルト14に常に一定のテンションがかかる。このため、搬送ガイドベルト14は、用紙長さ調整ローラー8・8の上下移動によって弛んだり張ったりしないものとなっている。
【0137】
そして、これによって、記録用紙2bは、背面印刷後搬送ローラー17・17を経た後、搬送ガイドベルト14に案内され、用紙長さ調整ローラー8・8を通り、正面印刷前搬送ローラー18・18を経て正面インクノズル4a…の噴出位置まで、各インクノズル4a…・4b…間距離に対応して適切に搬送されることになる。
【0138】
一方、記録用紙2bを案内するための伸縮案内手段としては、さらに他の方法を採用することが可能である。
【0139】
その方法では、先ず、ノズル間距離調整手段としての前記用紙長さ調整ローラー8・8では、用紙長さ調整ローラー8・8が用紙長さ調整用軸受けフレーム12に設けられていることによって上下移動できるものとなっていたが、例えば、図12(a)(b)に示すように、インクキャリッジ5の下方に各用紙サイズに応じた位置で固定されたノズル間距離調整手段としての短用紙長さ調整ローラー20・20、中用紙長さ調整ローラー21・21、長用紙長さ調整ローラー22・22を順に3段に設ける。
【0140】
次いで、本実施の形態の伸縮案内手段としての伸縮ガイド30・30では、前記実施の形態1にて説明した伸縮ガイド10・10と同様に、背面側に3つの第1背面側ガイド31・第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33が設けられ、かつ正面側に3つの第1正面側ガイド36・第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38が設けられているが、伸縮ガイド10・10を伸縮させるためのバネ11…を廃したものとなっている。
【0141】
そして、その代わりに、上記伸縮ガイド30・30は、各第1背面側ガイド31・第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33に設けられた連結軸31a・32a・33a、及び各第1正面側ガイド36・第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38に設けられた連結軸36a・37a・38aを中心として各第1背面側ガイド31・第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33及び第1正面側ガイド36・第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38が回転可能な構成となっている。
【0142】
また、第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33及び第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38の各後方には、第2背面側ガイド用ソレノイド34・第3背面側ガイド用ソレノイド35及び第2正面側ガイド用ソレノイド39・第3正面側ガイド用ソレノイド29がそれぞれ設けられている。
【0143】
さらに、第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33及び第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38には、第2背面側ガイド用ソレノイド34・第3背面側ガイド用ソレノイド35及び第2正面側ガイド用ソレノイド39・第3正面側ガイド用ソレノイド29のアーム部分が引っかかるリブ32b・33b及びリブ37b・38bが設けられており、第2背面側ガイド用ソレノイド34・第3背面側ガイド用ソレノイド35及び第2正面側ガイド用ソレノイド39・第3正面側ガイド用ソレノイド29の進退運動によって、各第1背面側ガイド31・第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33及び第1正面側ガイド36・第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38が稼動する仕組みとなっている。
【0144】
また、各第2背面側ガイド用ソレノイド34・第3背面側ガイド用ソレノイド35及び第2正面側ガイド用ソレノイド39・第3正面側ガイド用ソレノイド29には、アーム部分にスプリング34a・35a及びスプリング39a・29aが挿入されており、第2背面側ガイド用ソレノイド34・第3背面側ガイド用ソレノイド35及び第2正面側ガイド用ソレノイド39・第3正面側ガイド用ソレノイド29の開放をスムーズにさせる仕組みになっている。
【0145】
上記構成の伸縮ガイド30・30における用紙サイズを検知した時の各ガイドの制御動作を、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0146】
先ず、記録用紙2がB4サイズ以上のサイズか否かを判断し(S31)、B4サイズ以上のA3、B4等の大サイズ用紙の場合は、図12(b)に示すように、第2背面側ガイド用ソレノイド34・第3背面側ガイド用ソレノイド35及び第2正面側ガイド用ソレノイド39・第3正面側ガイド用ソレノイド29が開放されたままで記録用紙2が搬送され、印刷される(S36)。
【0147】
一方、S31において、B4サイズよりも小さい場合には、さらに記録用紙2がA4よりも大きいサイズか否かが判断される(S32)。
【0148】
そして、S32においてA4からB4までのサイズではなく、さらに小さいA4やB5等の小サイズの記録用紙2であると判断されたときには、図12(a)に示すように、第2背面側ガイド用ソレノイド34と第2正面側ガイド用ソレノイド39とがONとなり(S33)、第2背面側ガイド32及び第2正面側ガイド37が連結軸32a及び連結軸37aを中心として回転する(S34)。
【0149】
このとき、第2背面側ガイド32及び第2正面側ガイド37における、各第2背面側ガイド用ソレノイド34と第2正面側ガイド用ソレノイド39とによって引かれる側とは逆側の端部が、各々隣接する上方の第1背面側ガイド31及び第1正面側ガイド36に当接する。このため、第1背面側ガイド31及び第1正面側ガイド36がそれぞれ連結軸31a及び連結軸36aを中心に短用紙長さ調整ローラー20・20側に回転する(S35)。これによって、小サイズ用紙の搬送経路が確保され、下方に設けられた第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33及び第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38への記録用紙2の流出を遮断し、この状態で記録用紙2を搬送して印刷を開始する(S36)。
【0150】
そして、記録用紙2の印刷終了後は、上記第2背面側ガイド用ソレノイド34及び第2正面側ガイド用ソレノイド39はOFFとなり、スプリング34a及びスプリング39aの復帰力によって、図12(b)に示すように、伸縮ガイド30・30は大サイズ用紙経路にまで復帰する。
【0151】
一方、S32において、A4RやB5R等のB4サイズよりも小さくかつA4よりもよりも大きい中サイズの記録用紙2bの場合は、第3背面側ガイド用ソレノイド35と第3正面側ガイド用ソレノイド29とをONにさせる(S37)。
【0152】
これによって、同様の動作により、第3背面側ガイド33及び第3正面側ガイド38の回転により(S38)、上側に存在する第2背面側ガイド32及び第2正面側ガイド37を中用紙長さ調整ローラー21・21側に回転させ(S39)、下方の搬送経路を遮断する。これにより、S36に移行してこの状態で記録用紙2を搬送して印刷を開始する。
【0153】
また、記録用紙2の印刷終了後は、第3背面側ガイド用ソレノイド35と第3正面側ガイド用ソレノイド29とがOFFとなり、スプリング35a及びスプリング29aの復帰力によって、図12(b)に示すように、伸縮ガイド30・30は大サイズ用紙経路にまで復帰する。
【0154】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、伸縮ガイド10・10の代わりに搬送ベルト14を使用し、この搬送ベルト14のテンションを、搬送性能が変わらないように常に一定の値にするためのテンションローラ15を設けている。そして、用紙サイズに応じて位置が変わる用紙長さ調整ローラー8・8の移動に連動してテンションローラ15の位置も変化するようにしている。
【0155】
この結果、記録用紙2に応じた搬送経路を確保することができる。また、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を有しているので、1回の走査にて背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…にて2箇所を同時に印刷する際に、効率良く印刷ができかつ印刷時間を短縮できる。さらに、搬送経路の変更を容易に行うことができると共に、用紙サイズのバラエティに容易に対応することができる。
【0156】
また、搬送ベルト14を使用することによって、記録用紙2がリブ等に引っかかるという搬送ジャムトラブルの減少を図ることができる。
【0157】
さらに、テンションローラ15を設けることによって、常に安定した搬送性能等を得ることができる。
【0158】
また、1モータにて用紙長さ調整ローラー8・8とテンションローラ15とを連動させているので、用紙長さ調整ローラー8・8と搬送ベルト14との構成が簡単な機構となり、かつ精度良く用紙長さ及び記録用紙2のガイドができる。
【0159】
このため、低コストにて設計が可能となる。
【0160】
また、本実施の形態では、ノズル間距離調整手段として3段の短用紙長さ調整ローラー20・20、中用紙長さ調整ローラー21・21、長用紙長さ調整ローラー22・22を順に設けると共に、背面側に3つの第1背面側ガイド31・第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33を設け、かつ正面側に3つの第1正面側ガイド36・第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38を設け、さらに各ガイドには、回転軸である連結軸31a・32a・33a及び連結軸36a・37a・38aを設けている。そして、各第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33及び第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38の端部を各第2背面側ガイド用ソレノイド34・第3背面側ガイド用ソレノイド35及び第2正面側ガイド用ソレノイド39・第3正面側ガイド用ソレノイド29にて引くことにより、第1背面側ガイド31・第2背面側ガイド32・第3背面側ガイド33及び第1正面側ガイド36・第2正面側ガイド37・第3正面側ガイド38を、連結軸31a・32a・33a及び連結軸36a・37a・38aを中心として回転させることにより用紙サイズに応じて搬送経路を変化させることを可能としている。
【0161】
このため、用紙サイズに応じた搬送経路を確保することができると共に、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を保有しているので、1回の走査にて2つの背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…にて記録用紙2の2箇所を同時に印刷する際に、効率良く印刷ができかつ印刷時間を短縮することができる。
【0162】
また、搬送経路の変更を容易に行うことができる。さらに、用紙サイズのバラエティに容易に対応することができる。
【0163】
また、省スペースにてノズル間距離調整手段及び伸縮案内手段を設けることができる。さらに、用紙サイズに応じて精度良く伸縮ガイド30・30を変化させることができると共に、機構的にサイズ変更を短時間で行うことができる。
【0164】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図14ないし図24に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0165】
本実施の形態では、実施の形態1に示した1つのインクタンク3に正面インクノズル4a及び背面インクノズル4bの2つのインクノズルを持つインクジェットプリンタにおいて、正面インクノズル4a…のインクノズル穴と背面インクノズル4b…のインクノズル穴との走査方向の間隔を半ピッチずらすことによって、高解像度印刷を可能とするものとなっている。
【0166】
すなわち、正面側インクヘッド6の正面インクノズル4a…は、図14(a)に示すように、各インクノズル穴が、前記支軸1と平行な方向である主走査方向に向かって例えば各行右下がりの配置になっていると共に、主走査方向に1ピッチずつずれた配置となっている。これによって、正面インクノズル4a…は、図15(a)に示すように、奇数列の印刷データを形成すべくインク噴出するものとなっている。
【0167】
一方、背面側インクヘッド7の背面インクノズル4b…は、図14(b)に示すように、各インクノズル穴が、前記支軸1と平行な方向である主走査方向に向かって例えば各行右上がりの配置になっていると共に、主走査方向に1ピッチずつずれた配置となっている。これによって、背面インクノズル4b…は、図15(b)に示すように、偶数列の印刷データを形成すべくインク噴出するものとなっている。
【0168】
すなわち、図14(a)(b)に示すように、正面インクノズル4a…のインクノズル穴と背面インクノズル4b…のインクノズル穴との関係は、互いに半ピッチずつずれた配置となっている。
【0169】
したがって、このように互いにそのインクノズル穴の配置が奇数列と偶数列とに分割されたノズル配列を有する正面インクノズル4a…及び背面インクノズル4b…においては、図15(a)に示すように、先に背面インクノズル4b…にて奇数列を印刷し、次に、図15(b)に示すように、正面インクノズル4a…にて記録用紙2の同じ行に偶数列の印刷を行う。これによって、奇数列印刷と偶数列印刷とが重ね合わさり、図15(c)に示すように、主走査方向に2倍に高解像度化された印刷データを得ることができる。
【0170】
なお、上記においては、正面インクノズル4a…を奇数列に配置し、かつ背面インクノズル4b…を偶数列に配置したが、いずれを奇数列又は偶数列に配置するかは問わない。
【0171】
上述した重ね合わせ印刷の制御動作を、図16に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0172】
先ず、インクジェットプリンタ側が、1ページ分のデータを受信し、奇数列のデータを正面インクノズル印刷用メモリに蓄積すると共に、偶数列のデータを背面インクノズル印刷用メモリに蓄積する(S41)。次いで、背面インクノズル4b…の印刷位置まで記録用紙2を搬送した後(S42)、背面インクノズル印刷用メモリからデータを背面インクノズル4b…に送り、1走査分の印刷をした後、記録用紙2を1走査分つまり1行分搬送させる(S43)。
【0173】
次いで、記録用紙2が正面インクノズル4a…の印刷位置まで達したか否かを判断し(S44)、記録用紙2が正面インクノズル4a…の印刷位置まで達してない場合はS43に戻って、記録用紙2が正面インクノズル4a…の印刷位置に達するまでS43、S44の作業を繰り返す。
【0174】
S44において、記録用紙2が正面インクノズル4a…の印刷位置まで達したら、背面インクノズル印刷用メモリからデータを背面インクノズル4b…に送ると共に、正面インクノズル印刷用メモリからデータを正面インクノズル4a…に送り、同時に2つのインクノズル4a…・4b…にて1走査分の印刷をし、記録用紙2を1走査分搬送させる(S45)。
【0175】
次いで、1ページ分の印刷が終了したか否かを判断し(S46)、終了していない場合は、S45に戻り、印刷が終了するまでS45、S46の作業を繰り返す。
【0176】
S46において1ページ分の印刷が終了したら、記録用紙2を排出する(S47)。
【0177】
その記録用紙2の印刷が終了した後、次のデータがある場合は(S48)、S41に戻りS41〜S48までの作業を繰り返す。
【0178】
以上の行程で主走査方向に対して2倍の高解像度印刷が可能である。
【0179】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、記録用紙2の搬送方向に対する2方向への背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…は、各方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…のそれぞれが同一色について支軸1に沿う走査方向と記録用紙2の搬送方向とに対して斜めに配列された複数のインク穴を有している。また、各方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…における同一色についての複数配列された個々のインク穴同士は、支軸1に沿う走査方向の間隔が2方向へのインクノズル相互間で半ピッチずつずれている。
【0180】
このため、一方向へ向いた背面インクノズル4b…にて一回目の印刷を行い、次いで、他の方向へ向いた正面インクノズル4a…にて、支軸1に沿う走査方向の間隔を半ピッチずつずらして二回目の印刷を一回目の印刷部分に重ねて印刷することによって、支軸1に沿う走査方向の解像度及び印刷密度を2倍に高めることができる。
【0181】
この結果、印刷解像度の向上等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0182】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、正面インクノズル4a…のインクノズル穴及び背面インクノズル4b…のインクノズル穴はいずれも同じ大きさであるが、特にこれに限定するものではなく、インクノズル穴の大きさに変化を持たせることが可能である。
【0183】
例えば、図17(b)に示すように、インクキャリッジ5に搭載されるインクタンク3の背面側インクヘッド7における背面側インクヘッド7…は、インクドロップ径を主走査方向に対して「大小大小…」の大きさの順に配列させる。
【0184】
一方、図17(a)に示すように、インクキャリッジ5に搭載されるインクタンク3の正面側インクヘッド6における正面インクノズル4a…は、インクドロップ径を主走査方向に対して「小大小大…」の大きさの順に配列させる。
【0185】
なお、上記の大小のインクドロップ径は、インクノズル穴の大小によって形成することが可能であると共に、同一インクノズル穴であってもインク量を増減することによっても形成することが可能である。
【0186】
このようなインクドロップ配列にて印刷を行うときには、図18(a)に示すように、先に背面側インクヘッド7の背面インクノズル4b…にて奇数列の印刷データを印刷する。このとき、図17(b)に示す背面側インクヘッド7は、下側が記録用紙2における上側の印刷行を示すことになるので、同図18(a)においては天地が逆となる。
【0187】
次に、図18(b)に示すように、正面側インクヘッド6の正面インクノズル4a…にて偶数列の印刷データを印刷する。そして、これら奇数列の印刷と偶数列の印刷とを重ね合わせることにより、図18(c)に示すように、主走査方向に対して大きいドッド径同士の隙間を小さいドット径にて埋めて高解像度化かつ高密度化された印刷データを得ることができる。
【0188】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、記録用紙2の搬送方向に対する2方向への背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…における各インク穴は、支軸1に沿う走査方向の間隔が2方向へのインクノズル間相互で半ピッチずつずれていると共に、例えば、背面インクノズル4b…から噴出するインクドロップ径を大小交互に並べ、かつ正面インクノズル4a…から噴出するインクドロップ径を小大交互に並べる。
【0189】
これによって、背面インクノズル4b…による1回目の印刷の後、走査方向に半ピッチずらした2回目の印刷を1回目の印刷部分に、正面インクノズル4a…にてドットの隙間を埋めるように重ねて印刷するので、走査方向の解像度を2倍に高め、かつ高密度印刷することができる。
【0190】
すなわち、1つのインクノズルにて印刷する場合に比べ、隙間なく印刷することができる。
【0191】
一方、上記の実施の形態では、いずれも主走査方向に対して、奇数列の印刷と偶数列の印刷とを重ね合わせていたが、必ずしもこれに限らず、副走査方向つまり記録用紙2の搬送方向への正面インクノズル4a…と背面側インクヘッド7との重ね合わせを行うことも可能である。
【0192】
具体的には、図19(a)(b)に示すように、正面側インクヘッド6の正面インクノズル4a…と背面側インクヘッド7の背面インクノズル4b…とは、互いにその配置が奇数行と偶数行とに分割されている。そして、その分割ピッチは、記録用紙2の搬送方向の印刷解像度に対し半ピッチずつずれた配置となっている。
【0193】
このようなノズル配列にて印刷を行うと、図20(a)に示すように、先に背面インクノズル4b…にて奇数行の印刷データを印刷し、次に、図20(b)に示すように、正面インクノズル4a…にて偶数行の印刷データを印刷する。これによって、奇数行の印刷と偶数行の印刷との重ね合わせとなり、図20(c)に示すように、副走査方向に2倍に高解像度化された印刷データを得ることができる。
【0194】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、記録用紙2の搬送方向に対する2方向への背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…は、各方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…のそれぞれが同一色について支軸1に沿う走査方向と記録用紙2の搬送方向とに対して斜めに配列された複数のインク穴を有している。また、各方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…における同一色についての複数配列された個々のインク穴同士は、記録用紙2の搬送方向の間隔が2方向へのインクノズル相互間で半ピッチずつずれている。
【0195】
このため、一方向へ向いた背面インクノズル4b…にて一回目の印刷を行い、次いで、他の方向へ向いた正面インクノズル4a…にて、記録用紙2の搬送方向の間隔を半ピッチずつずらして二回目の印刷を一回目の印刷部分に重ねて印刷することによって、記録用紙2の搬送方向の解像度及び印刷密度を2倍に高めることができる。
【0196】
この結果、印刷解像度の向上等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0197】
また、図21(a)(b)(c)に示すように、正面側インクヘッド6の正面インクノズル4a…と背面側インクヘッド7の背面インクノズル4b…とを互いにその配置が奇数列/偶数列、奇数行/偶数行に分割することも可能である。
【0198】
上記の場合には、その分割ピッチを、インクキャリッジ5の主走査方向の印刷解像度に対して半ピッチずつとすると共に、記録用紙2の搬送方向の印刷解像度に対しても半ピッチずつずれた配置とする。
【0199】
このようなノズル配列において印刷を行うと、図22(a)に示すように、先ず背面インクノズル4b…にて奇数行及び奇数列にてできる配列(奇数配列)を印刷し、次に、図22(b)に示すように、正面インクノズル4a…にて偶数行及び偶数列にてできる配列(偶数配列)を印刷する。これによって、奇数配列と偶数配列との重ね合わせとなり、図22(c)に示すように、主走査方向及び副走査方向にそれぞれ2倍に高解像度化かつ高密度化された印刷データを得ることができる。
【0200】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、記録用紙2の搬送方向に対する2方向への背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…は、各方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…のそれぞれが同一色について支軸1に沿う走査方向と記録用紙2の搬送方向とに対して斜めに配列された複数のインク穴を有している。また、上記各方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…における同一色についての複数配列された個々のインク穴同士は、支軸1に沿う走査方向の間隔及び記録用紙2の搬送方向の間隔が2方向へのインクノズル相互間で半ピッチずつずれている。
【0201】
このため、一方向へ向いた背面インクノズル4b…にて一回目の印刷を行い、次いで、他の方向へ向いた正面インクノズル4a…にて、支軸1に沿う走査方向の間隔及び記録用紙2の搬送方向の間隔を半ピッチずつずらして二回目の印刷を一回目の印刷部分に重ねて印刷することによって、支軸1に沿う走査方向及び記録用紙2の搬送方向の解像度及び印刷密度をそれぞれ2倍に高めることができる。
【0202】
この結果、印刷解像度の向上等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0203】
さらに、上記の例では、インクドロップ径が均一であったが、インクドロップ径を変更することも可能である。
【0204】
すなわち、図23(a)(b)(c)に示すように、正面側インクヘッド6の正面インクノズル4a…及び背面側インクヘッド7の背面インクノズル4b…は、それぞれ互いにその配置が奇数列/偶数列、奇数行/偶数行に分割されており、その分割ピッチは、インクキャリッジ5の主走査方向の印刷解像度に対して半ピッチずつずれた配置となっていると共に、記録用紙2の搬送方向つまり副走査方向の印刷解像度に対しても半ピッチずつずれた配置となっている。
【0205】
また、奇数列/奇数行を印刷する背面インクノズル4b…のインクドロップ径に対して、偶数列/偶数行を印刷する正面インクノズル4a…のインクドロップ径を小さくしている。
【0206】
このようなノズル配列にて印刷を行うと、図24(a)に示すように、先に背面インクノズル4b…にて奇数行と奇数列とでできる配列(奇数配列)を印刷し、次に、図24(b)に示すように、正面インクノズル4a…にて偶数行と偶数列とでできる配列(偶数配列)を印刷する。これによって、奇数配列と偶数配列との重ね合わせとなり、図24(c)に示すように、主走査方向及び副走査方向に対して大きいドッド径同士の隙間を小さいドット径にて埋めて高解像度化かつ高密度化された印刷データを得ることができる。
【0207】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、記録用紙2の搬送方向に対する2方向への背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…は、各方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…のそれぞれが同一色について支軸1に沿う走査方向と記録用紙2の搬送方向とに対して斜めに配列された複数のインク穴を有している。また、上記各方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…における同一色についての複数配列された個々のインク穴同士は、支軸1に沿う走査方向の間隔及び記録用紙2の搬送方向の間隔が2方向へのインクノズル相互間で半ピッチずつずれている。
【0208】
さらに、例えば、背面インクノズル4b…から噴出するインクドロップ径を大径に形成し、かつ正面インクノズル4a…から噴出するインクドロップ径を小径に形成する。
【0209】
この結果、一方向へ向いた背面インクノズル4b…にて一回目の印刷を行い、次いで、他の方向へ向いた正面インクノズル4a…にて、支軸1に沿う走査方向の間隔及び記録用紙2の搬送方向の間隔を半ピッチずつずらして二回目の印刷を一回目の印刷部分に重ねて印刷することによって、支軸1に沿う走査方向及び記録用紙2の搬送方向の解像度及び印刷密度をそれぞれ2倍に高めることができる。
【0210】
また、ドットの隙間を埋めるように重ねて印刷することによって、走査方向と用紙搬送方向の解像度及び密度を高めることができる。
【0211】
この結果、印刷解像度の向上等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0212】
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について図25及び図26に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0213】
本実施の形態のインクジェットプリンタでは、2方向のインクノズルを持つインクキャリッジ5を利用して、1枚の記録用紙2に対して、先ず、背面インクノズル4b…にて第1の印刷データとしてのウォーターマークを印刷し、その後の正面インクノズル4a…による第2の印刷データとしての印刷データを背面インクノズル4b…による印刷部分に重ねて印刷することにより、パソコン等によってウォーターマークと印刷データとの重ね合わせ処理をすることなく、ウォーターマーク付きの印刷が行えるようになっている。すなわち、ロゴ等の定型フォーマットに画像情報を重ね打ちできるようになっている。
【0214】
上記のインクジェットプリンタでは、図25(a)に示すように、ウォーターマークのみを印刷するために背面インクノズル4b…にて印刷する一方、図25(b)に示すように、原稿については正面インクノズル4a…にて印刷する。そして、これらを重ねあわせ印刷することによって、図25(c)に示すように、ロゴ等の定型フォーマットに原稿が重ね打ちできるようになっている。
【0215】
上記のウォーターマークのデータについては、パソコンから送信されたウォーターマークデータを保管しておくことによって、ウォーターマーク印刷のときに毎回ダウンロードする必要がなく使用することができる。
【0216】
これにより、印刷時間の高速化とコストダウンとを図ることができる。
【0217】
上記インクジェットプリンタにおける印刷制御動作を、図26に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0218】
先ず、ウォーターマークデータを背面インクノズル印刷用メモリに蓄積する(S51)。さらに、1ページ分のデータを受信し、正面インクノズル印刷用メモリに蓄積する(S52)。次いで、新しい記録用紙2を背面インクノズル4b…の印刷位置まで搬送し(S53)、背面インクノズル印刷用メモリからデータを背面インクノズル4b…に送信し、1走査分の印刷をし、記録用紙2を1走査分を搬送させる(S54)。
【0219】
次いで、記録用紙2が正面インクノズル4a…の印刷位置まで来たか否かを判断し(S55)、来ていない場合は、S54に戻り、記録用紙2が正面インクノズル4a…の印刷位置に来るまで作業を繰り返す。
【0220】
S55において、記録用紙2が正面インクノズル4a…の印刷位置に来たと判断されたときには、背面インクノズル印刷用メモリからデータを背面インクノズル4b…に送信すると共に、正面インクノズル印刷用メモリからデータを正面インクノズル4a…に送信し、同時に2つのインクノズルにて1走査分の印刷をし、記録用紙2を1走査分搬送させる(S56)。
【0221】
次いで、ウォーターマークと1ページ分の印刷とが終了したか否かを判断し(S57)、印刷が終了していない場合は、S56へ戻り、1ページ分の印刷が終了するまで作業を繰り返す。
【0222】
S57において、印刷が終了したときには記録用紙2を排出する(S58)。
【0223】
次いで、次のデータが有るか否かを判断し(S59)、次のデータが無い場合は、作業を終了する。一方、次のデータがある場合には、S52へ戻り、S52〜S59までの作業を繰り返す。
【0224】
以上の行程で、印刷時間の短縮化とコストダウンが可能となる。
【0225】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、記録用紙2の搬送経路における2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…における一方の背面インクノズル4b…にて例えばウォーターマーク等の第1の印刷データを印刷する一方、他方の正面インクノズル4a…にて第1の印刷データとは異なる種類の例えば文章情報等の第2の印刷データを印刷する。
【0226】
すなわち、1枚の記録用紙2に対して、先ず、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…における一方の背面インクノズル4b…にて例えばウォーターマーク等の第1の印刷データを印刷する。次いで、他方の正面インクノズル4a…にて例えば文章情報等の第2の印刷データを同じ1枚の記録用紙2に印刷する。
【0227】
これによって、一回の記録用紙2の搬送によって、異なる種類の記録情報を印刷することができる。すなわち、印刷画像データに付加情報を加えた印刷が可能となる。
【0228】
この結果、用紙搬送時間を含めた印刷の高速化、異種情報の同時印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0229】
また、本実施の形態では、背面インクノズル4b…又は正面インクノズル4a…から印刷要求がなされたときにのみ画像情報を印刷するようになっている。
【0230】
この結果、背面インクノズル4b…又は正面インクノズル4a…のいずれか一方のインクノズルを使用して印刷要求がなされた画像情報の印刷を行うと共に、他方の使用していないインクノズルを使用して例えば付加情報を印刷することが可能となる。
【0231】
また、本実施の形態では、上記において、他方の使用していないインクノズルを使用して例えば付加情報を印刷する。
【0232】
これによって、1枚の記録用紙2に対して、印刷要求された印刷データと付加情報の印刷とを1回の用紙搬送にて確実に印刷することが可能となる。
【0233】
また、本実施の形態では、上記の付加情報として、一定フォーマットの様式、ロゴ、罫線等を採用することが可能である。
【0234】
これによって、一定のフォーマット様式、ひな形、罫線、若しくは法人名・団体名や住所・電話番号等の定型文、又は極秘・マル秘・社外秘・「コピー」等のロゴを付加情報として印刷要求データに合わせて印刷することが可能となる。
【0235】
また、本実施の形態では、付加情報をパソコンからインクジェットプリンタのメモリにダウンロードし、このメモリから印刷することが可能となっている。
【0236】
この結果、同一の付加情報を複数部印刷する場合等において、この付加情報をパソコンからインクジェットプリンタのメモリにダウンロードし、インクジェットプリンタ内に保持できるので、記録用紙2への印刷毎に付加情報をダウンロードする必要がなくなる。
【0237】
また、インクジェットプリンタのメモリ内に保持した付加情報から印刷することにより、パソコンからインクジェットプリンタヘのデータ転送容量が減り、これにより転送時間が短くなるので、印刷時間を短くすることができる。
【0238】
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について図27ないし図37に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態4の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0239】
本実施の形態のインクジェットプリンタでは、1つのインクタンクに2つのインクノズルを持つインクジェットプリンタにおいて、2つのインクノズル間に、記録用紙1枚をスイッチバックできる機構を有することによって、2つのそれぞれのインクノズルで記録用紙の表面と裏面との両面に印刷することができるようになっている。
【0240】
すなわち、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、図27に示すように、インクキャリッジ5の下方に、記録用紙2を両面印刷するための用紙反転手段としてのスイッチバックパス機構40が設けられている。
【0241】
上記スイッチバックパス機構40は、インクキャリッジ5の下方に設けられた、記録用紙2を搬送するための背面インクノズル側ローラー43・43と、正面インクノズル側ローラー45・45と、これら背面インクノズル側ローラー43・43及び正面インクノズル側ローラー45・45の中間にて下方に延びる用紙ガイド42と、さらにこの用紙ガイド42の下方に設けられた可逆回転可能な用紙方向切替えローラー44・44と、スイッチバックケース41とからなっている。
【0242】
上記背面インクノズル側ローラー43・43は、背面インクノズル4b…にて表面に印刷された記録用紙2をスイッチバックケース41に搬送するためのローラーである。したがって、上記の背面インクノズル側ローラー43・43は、インクキャリッジ5の下方においてインクキャリッジ5の背面インクノズル4b…側に配置されている。
【0243】
また、正面インクノズル側ローラー45・45は、背面インクノズル4b…にて表面に印刷された記録用紙2の裏面を印刷すべく正面インクノズル4a…側に記録用紙2を搬送するために設けられたローラーである。したがって、上記の正面インクノズル側ローラー45・45は、用紙ガイド42から搬送されてきた記録用紙2を正面インクノズル4a…へ搬送するために、インクキャリッジ5の下方において正面インクノズル側に配置されている。
【0244】
一方、上記の用紙ガイド42には、図28にも示すように、その上下方向の略中間位置に用紙ガイド回転軸46が設けられており、図示しないソレノイド等によって、用紙ガイド42はこの用紙ガイド回転軸46を中心として回動し得るようになっている。
【0245】
したがって、背面インクノズル側ローラー43・43を通過した記録用紙2の先端がこの用紙ガイド42を摺動しながら用紙方向切替えローラー44・44にて搬送されることにより、図29に示すように、記録用紙2が立設状態にてスイッチバックケース41に格納される。
【0246】
次いで、記録用紙2の裏面に正面インクノズル4a…にて印刷するときには、図30に示すように、用紙ガイド42を、用紙ガイド回転軸46を中心にして正面インクノズル側ローラー45側へ傾斜させる。
【0247】
これにより、用紙方向切替えローラー44・44を逆回転して、前記スイッチバックケース41に格納されていた記録用紙2を上方移動させる。次いで、記録用紙2の後端つまり記録用紙2の搬送方向先端が用紙ガイド42に摺動案内されるので、記録用紙2は正面インクノズル側ローラー45・45の間を通って正面インクノズル4a…の位置に搬送され、記録用紙2の裏面に正面インクノズル4a…にて印刷される。
【0248】
なお、この場合、背面インクノズル4b…にて印刷した文字と正面インクノズル4a…にて印刷する文字とは、記録用紙2bにおいて天地が逆となるが、これを天地が逆とならないようにソフト的に対応するものとなっている。
【0249】
ここで、スイッチバックパス機構40は、両面印刷データが複数枚数ある場合、図31に示すように、1枚目の記録用紙2aの裏面と2枚目の記録用紙2bの表面とを2つのインクノズル4a…・4b…で同時印刷ができるような構成となっている。
【0250】
すなわち、印刷するデータが2枚以上ある場合には、同図に示すように、記録用紙2aが正面インクノズル4a…にて印刷される時に、2枚目の記録用紙2bも背面インクノズル4b…にて同時印刷される。この結果、印刷速度を高速化することができる。
【0251】
上記構成のインクジェットプリンタの両面印刷動作を、図32に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0252】
先ず、1ページ分の表面のデータを受信し、背面インクノズル印刷用メモリに蓄積する(S61)。次いで、スイッチバックケース41に記録用紙2が有るか否かを判断し(S62)、スイッチバックケース41に記録用紙2が無ければ、新しい記録用紙2を背面インクノズル4b…の印刷位置まで搬送する(S63)。
【0253】
次いで、背面インクノズル印刷用メモリからデータを背面インクノズル4b…に送り、表面の1ページを印刷する(S64)。
【0254】
次いで、表面を印刷した記録用紙2をスイッチバックケース41に搬送する(S65)。
【0255】
次いで、次のページのデータが有るか否かを判断し(S66)、次のページのデータが無い場合には、スイッチバックケース41の記録用紙2を排出する(S76)。
【0256】
一方、S66において次のページのデータが有る場合には、1ページ分の裏面のデータを受信し、正面インクノズル用メモリに蓄積する(S67)。
【0257】
次いで、次のデータが有るか否かを判断し(S68)、次のデータが無い場合には、スイッチバックケース41に存在する記録用紙2を正面インクノズル4a…の印刷位置まで搬送する(S69)。そして、正面インクノズル印刷用メモリからデータを正面インクノズル4a…に送信し、裏面の1ページ目を印刷する(S70)。さらに、記録用紙2の裏面の印刷が終了した後、その記録用紙2を排出する(S71)。
【0258】
一方、S68において、次のデータが有る場合には、S61に戻り、1ページ分の表面のデータを受信し、背面インクノズル印刷用メモリに蓄積する。次いで、S62にてスイッチバックケース41に記録用紙2が有るか否かを判断する。
【0259】
今の場合、スイッチバックケース41に記録用紙2が有るので、新しい記録用紙2を背面インクノズル4b…の印刷位置まで搬送すると共に、スイッチバックケース41に存在する記録用紙2を正面インクノズル4a…の印刷位置まで搬送する(S72)。
【0260】
次いで、印刷用メモリからデータを正面インクノズル4a…と背面インクノズル4b…とに送り、2つのインクノズル4a…・4b…からそれぞれ1ページ分を同時に印刷する(S73)。
【0261】
次いで、記録用紙2の裏面の印刷が終了したら、その記録用紙2を排出する(S74)。また、表面を印刷した記録用紙2を、スイッチバックケース41に搬送する(S75)。
【0262】
次いで、S66に移行して、再度、次のページのデータが有るか否かを判断し、次のページのデータが有る場合には、S66〜S71、S61〜S62、S72〜S75の動作を繰り返す。
【0263】
以上の工程により、複数ページの両面印刷に対して時間の短縮化して行うことが可能である。
【0264】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、記録用紙2の搬送経路における2方向の背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…との間には、記録用紙2の表裏を反転するスイッチバックパス機構40が設けられている。
【0265】
このため、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…における一方の背面インクノズル4b…にて記録用紙2の表面を印刷した後、スイッチバックパス機構40にて記録用紙2の表裏を反転し、次いで、他方の正面インクノズル4a…にて記録用紙2の裏面を印刷するという両面印刷を行うことができる。
【0266】
また、この両面印刷の機構は、単一の搬送経路を通る記録用紙2の印刷を2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を用いて行うので、背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…とのインクノズル間で記録用紙2の表裏を反転させれば足りる。このため、スイッチバックパス機構40の構造を簡単なものにすることができる。
【0267】
また、従来の一方向のインクノズルにて記録用紙2に両面印刷する場合に比べると、本実施の形態では、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…における一方の背面インクノズル4b…にて記録用紙2の表面を印刷し、その時同時に、他方の正面インクノズル4a…にて先に印刷した記録用紙2の裏面を印刷することができる。このため、記録用紙2を複数枚両面印刷するときには、両面印刷時間を従来の半分にすることができる。
【0268】
この結果、印刷の高速化及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0269】
また、本実施の形態のスイッチバックパス機構40では、背面インクノズル4b…にて印刷した後の記録用紙2が通る搬送経路に搬送路変更用ガイドである用紙ガイド42を設けて反転後の搬送経路を変更して、記録用紙2の裏面を印刷すべく正面インクノズル4a…に記録用紙2を搬送するようになっている。
【0270】
このため、単一搬送経路による1回の用紙搬送にて記録用紙2の両面を印刷することができるので、両面印刷時間を短縮できる。また、例えば、用紙ガイド42の移動動作を別制御することにより、精度良く搬送経路の変更を行うことができる。
【0271】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、用紙ガイド42は、用紙ガイド回転軸46にて図示しないモータにて回転してその方向を変えるものとなっていたが、特にこれに限定するものではなく、ソレノイドを用いて用紙ガイドの方向を変えることも可能である。
【0272】
すなわち、具体的には、図33に示すように、スイッチバックパス機構50では、スイッチバックケース41の出入口近傍に存在する用紙方向切替えローラー44・44の手前に、断面三角形の用紙方向切替ガイド51が設けられている。
【0273】
この用紙方向切替ガイド51は、例えばその上側に設けたソレノイド52によって、記録用紙2の方向を変えることができるようになっている。
【0274】
具体式には、同図において矢印A方向に送られた記録用紙2は、背面インクノズル4b…にて片面が印字される。そして、記録用紙2は背面インクノズル側ローラー43・43にて、用紙方向切替えローラー44・44の近傍まで搬送される。
【0275】
このとき、ソレノイド52はOFF状態となっており、用紙方向切替ガイド51は、同図において一点鎖線にて示すように、記録用紙2を用紙方向切替えローラー44・44を通してスイッチバックケース41内に収容するように位置決めされている。
【0276】
そして、記録用紙2が用紙方向切替えローラー44・44によって矢印B方向に搬送され、記録用紙2が完全にスイッチバックケース41に格納されるまで進む。完全に記録用紙2がスイッチバックケース41に格納された後、用紙方向切替ガイド51にリンクしたソレノイド52がONとなって矢印E方向に稼動する。これによって、ソレノイド52にリンクした用紙方向切替ガイド51が稼動し、同図において実線で示すように搬送経路が変わる。
【0277】
そして、用紙方向切替ガイド51が搬送経路を変更した後、用紙方向切替えローラー44・44が逆回転し、記録用紙2を矢印C方向に進め、正面インクノズル側ローラー45・45まで送る。記録用紙2は、正面インクノズル側ローラー45・45によって矢印D方向に搬送され、このとき、正面インクノズル4a…にて記録用紙2の裏面に印刷された後、記録用紙2は排出される。
【0278】
このように、本実施の形態のスイッチバックパス機構50では、背面インクノズル4b…による印刷後の記録用紙2が通る搬送経路に搬送路変更用ガイドである用紙方向切替ガイド51を設けると共に、この用紙方向切替ガイド51をソレノイド52にて制御することによって、用紙方向及び記録用紙2の表裏を切り替えさせる。
【0279】
これにより、用紙方向切替ガイド51をソレノイド52にて切り替えるので、確実に用紙方向及び記録用紙2の表裏を切り替えることができる。
【0280】
ここで、上記のスイッチバックパス機構50では、用紙方向切替ガイド51がソレノイド52によって切替られるものとなっていたが、必ずしもこれに限らず、例えば、ソレノイド52に代えてバネを用いることも可能である。
【0281】
すなわち、図34に示すように、スイッチバックパス機構60では、ソレノイド52に代えてバネ61が設けられている。このバネ61は、常時、用紙方向切替ガイド51を、スイッチバックケース41に格納された記録用紙2を正面インクノズル側ローラー45・45側に導くように搬送経路を開放するようになっている。
【0282】
したがって、このスイッチバックパス機構60では、矢印A方向に送られた記録用紙2は、同様にして、背面インクノズル4b…にて片面が印字される。そして、背面インクノズル側ローラー43・43にて先方に送られる。ここで、搬送経路に設置された用紙方向切替ガイド51は、緊縮状態となっているバネ61によって矢印E方向に常時力がかかっている。
【0283】
しかし、このバネ61の力は弱く、記録用紙2の先端が搬送力によってこの用紙方向切替ガイド51に当接することによって、用紙方向切替ガイド51はこのバネ61に抗して同図において一点鎖線で示す位置に容易に回転する。これによって、記録用紙2は用紙方向切替えローラー44・44まで到達し、この用紙方向切替えローラー44・44により記録用紙2はスイッチバックケース41に格納される。これによって、用紙方向切替ガイド51と記録用紙2との係合が解除されるので、用紙方向切替ガイド51はバネ61の付勢力によって、同図において実線で示す位置となる。
【0284】
その後、用紙方向切替えローラー44・44が逆回転する。そして、記録用紙2は用紙方向切替えローラー44・44によって矢印C方向に進む。このとき、用紙方向切替ガイド51は実線で示す位置となっているため、記録用紙2は正面インクノズル側ローラー45・45の位置に搬送される。次いで、記録用紙2は正面インクノズル側ローラー45・45によって矢印D方向に搬送され、正面インクノズル4a…にて裏面を印刷された後、排出される。
【0285】
このように、本実施の形態のスイッチバックパス機構60では、背面インクノズル4b…にて印刷後の記録用紙2が通る搬送経路に搬送路変更用ガイドである用紙方向切替ガイド51を設ける一方、この用紙方向切替ガイド51をバネ61等の付勢手段にて、常時、搬送経路を塞ぐように設ける。そして、記録用紙2を用紙方向切替ガイド51の付勢力に抗してこの用紙方向切替ガイド51を押し退けて搬送経路を進み、記録用紙2が用紙方向切替ガイド51を通過した後、表裏を反転した記録用紙2が搬送経路を変更し、記録用紙2の裏面を印刷するために、正面インクノズル4a…側に記録用紙2を搬送するようになっている。
【0286】
これによって、単一搬送経路による1回の用紙搬送にて記録用紙2の両面を印刷することができるので、両面印刷時間を短縮できる。また、用紙方向切替ガイド51による搬送経路の変更をバネ61等にて行うので、構造が簡単であり、コストの低減を図ることができる。
【0287】
ところで、上記のスイッチバックパス機構40・50・60では、用紙ガイド42や用紙方向切替ガイド51がモーターやソレノイド52及びバネ61にて稼働するものとなっていたが、必ずしもこれに限らず、これらを省略した構成とすることも可能である。
【0288】
例えば、図35に示すように、スイッチバックパス機構70では、スイッチバックケース71及び用紙方向切替えローラー72・72が傾斜して設けられており、これによって、自在に記録用紙2をスイッチバックさせることが可能となる。
【0289】
具体的には、矢印A方向に送られた記録用紙2は、背面インクノズル4b…にて片面が印字される。そして、背面インクノズル側ローラー43・43にてさらに先方に送られる。
【0290】
ここで、スイッチバックパス機構70では、搬送経路に角度を持たせることにより、記録用紙2は矢印B方向に搬送される。そして、記録用紙2の先端が用紙方向切替えローラー72・72に当接することにより、記録用紙2は矢印A方向に対して略くの字状の搬送経路となるスイッチバックケース71に格納されるようにこの用紙方向切替えローラー72・72にて搬送される。
【0291】
記録用紙2が完全にスイッチバックケース71に格納された後、用紙方向切替えローラー72・72が逆回転する。この時、記録用紙2には硬さがあるため、記録用紙2は矢印D方向には進まず、矢印E方向に進む。そして、やがて記録用紙2は正面インクノズル側ローラー45・45に到達し、この正面インクノズル側ローラー45・45にて矢印F方向に搬送される。次いで、正面インクノズル4a…にて記録用紙2の裏面を印刷した後、記録用紙2は排出される。
【0292】
このように、本実施の形態のスイッチバックパス機構70では、スイッチバックケース41を傾斜させることにより、ソレノイド52やバネ61等を用いることなく、記録用紙2の表裏及び搬送経路を変更するものとなっている。
【0293】
このため、単一搬送経路による1回の用紙搬送にて記録用紙2の両面を印刷することができるので、両面印刷時間を短縮できる。また、用紙方向切替ガイド51による搬送経路の変更にソレノイド52やバネ61等を要しないので、さらに、構造が簡単であり、コストの低減を図ることができる。
【0294】
一方、スイッチバックパス機構70においては、必ずしも用紙方向切替えローラー72・72やスイッチバックケース71を傾斜して設けることなく、記録用紙2をスイッチバックさせることが可能である。
【0295】
すなわち、図36に示すように、スイッチバックパス機構80では、スイッチバックケース41は垂直に設けられると共に、用紙方向切替えローラー81・82も水平に設けられている。
【0296】
ただし、この用紙方向切替えローラー81・82の直上には、矢印A方向からの搬送経路又は矢印D方向への搬送経路を切り替える切り替え路83が設けられている。
【0297】
この切り替え路83は、矢印D方向である正面搬送経路側に設けられた用紙方向切替えローラー81のローラー軸81aに回転可能に軸支された正面側ガイド83aと、矢印A方向である背面搬送経路側に設けられた用紙方向切替えローラー82の直上に設けられた回転軸84の周りに回転自在に軸支された背面側ガイド83bと、これら正面側ガイド83aと背面側ガイド83bの両方の端部を連結するリンク棒85とからなっている。なお、このリンク棒85は、記録用紙2の搬送経路への通過を妨げないように搬送経路の外側に設けられていると共に、水平移動するものとなっている。
【0298】
上記の切り替え路83では、記録用紙2が矢印A方向に搬送されてスイッチバックケース41に格納されるときには、用紙方向切替えローラー81・82は、記録用紙2をスイッチバックケース41に格納する方向に回転する。したがって、用紙方向切替えローラー81は時計方向に回転するので、用紙方向切替えローラー81のローラー軸81aに軸支された正面側ガイド83aもこれに伴って時計方向に回転する。これによって、リンク棒85を介して背面側ガイド83bも回転軸84を中心として時計方向に回転する。
【0299】
この結果、切り替え路83は、背面側搬送経路とスイッチバックケース41とを接続するように切り替えられ、矢印A方向の記録用紙2はこの切り替え路83の中を通ってスイッチバックケース41に格納される。
【0300】
一方、スイッチバックケース41に格納されている記録用紙2を矢印D方向への正面搬送経路に搬送するときには、用紙方向切替えローラー81・82は、記録用紙2を排出するように回転される。したがって、用紙方向切替えローラー81は反時計方向に回転するので、用紙方向切替えローラー81のローラー軸81aに軸支された正面側ガイド83aもこれに伴って反時計方向に回転する。これによって、リンク棒85を介して背面側ガイド83bも回転軸84を中心として反時計方向に回転する。
【0301】
この結果、切り替え路83は、同図において一点鎖線にて示すように、スイッチバックケース41と正面側搬送経路とを接続するように切り替えられ、矢印D方向Bの記録用紙2はこの切り替え路83の中を通ってスイッチバックケース41に格納される。
【0302】
なお、用紙方向切替えローラー81のローラー軸81aに軸支された正面側ガイド83aは用紙方向切替えローラー81の回転に伴って時計方向又は反時計方向に回転するが、切り替え路83が所望の切り替え位置になったときには、用紙方向切替えローラー81は回転を続けるけれども、正面側ガイド83aはそれ以上の回転が起こらないようになっている。
【0303】
上記のスイッチバックパス機構80における具体的な最初からの動作は、図36に示すように、先ず、記録用紙2は矢印A方向へ送られ、正面インクノズル4a…にて片面が印字される。そして、印字後、背面インクノズル側ローラー43・43によって、下方に設けられているスイッチバックケース41側に搬送される。このとき、スイッチバックケース41に直上に存在する用紙方向切替えローラー81・82は、記録用紙2を中に格納する方向に回転し、これによって、用紙方向切替えローラー81が時計方向に回転するので、この用紙方向切替えローラー81の回転に伴って、正面側ガイド83aがローラー軸81aを中心に時計方向に回転する。また、これにより、リンク棒85を介して背面側ガイド83bも回転軸84を中心として時計方向に回転する。
【0304】
この結果、切り替え路83が背面側搬送経路とスイッチバックケース41とを連結するように切り替わり、これによって、記録用紙2が切り替え路83を通して用紙方向切替えローラー81・82に当接し、用紙方向切替えローラー81・82の回転によって、記録用紙2がスイッチバックケース41に格納される。
【0305】
次いで、完全に記録用紙2がスイッチバックケース41に格納された後、用紙方向切替えローラー81・82が逆回転する。用紙方向切替えローラー81の客回転による回転力により、正面側ガイド83aがローラー軸81aを中心に反時計方向に回転する。この回転移動に伴い、リンク棒85を介して背面側ガイド83bも回転軸84を中心として反時計方向に回転する。この結果、切り替え路83がスイッチバックケース41と正面側搬送経路とを連結するように切り替わり、これによって、記録用紙2が矢印C方向に進み、用紙方向切替えローラー81・82にて搬送され、切り替え路83を通して矢印D方向の正面側搬送経路に導かれる。
【0306】
そして、正面インクノズル4a…にて記録用紙2の裏面を印刷した後、記録用紙2は排出される。
【0307】
このように、本実施の形態のスイッチバックパス機構80では、背面インクノズル4b…による印刷後の記録用紙2が通る搬送経路に設置された用紙方向切替えローラー81・82の一方のローラー軸81aに回動可能に取り付けられる切り替え路83を設け、記録用紙2の反転の際のこれら用紙方向切替えローラー81・82の逆回転力を利用して、この切り替え路83の経路及び記録用紙2の表裏を変更するようになっている。
【0308】
この結果、単一搬送経路による1回の用紙搬送にて記録用紙2の両面を印刷することができるので、両面印刷時間を短縮できる。また、記録用紙2を反転させるときの用紙方向切替えローラー81・82の駆動力を利用して切り替え路83を動作させて搬送経路を変更するので、構造が簡単であり、かつ確実に搬送経路を変更することができる。
【0309】
また、搬送経路の変更に別途の駆動力を必要としないので、コストの低減を図ることができる。
【0310】
一方、さらに他のスイッチバックパス機構90も可能である。
【0311】
例えば、スイッチバックパス機構90では、図37に示すように、前記スイッチバックケース41に代えて記録用紙2をスタックできるスタックトレー91が設けられている。そして、このスタックトレー91にスタックされた記録用紙2をピックアップローラー92a・92bにてピックアップすることにより、記録用紙2を正面インクノズル4a…の吐出位置へ搬送し得るようになっている。
【0312】
すなわち、ピックアップローラー92a・92bのうち、記録用紙2の上側を当接するピックアップローラー92bはアーム93を有し、このアーム93は、端部軸93aを中心に回転できるものとなっている。
【0313】
したがって、記録用紙2がスタックされるときには、このピックアップローラー92bは同図において実線にて示すように退避位置に位置している一方、スタックトレー91にスタックされた記録用紙2をピックアップするときには、アーム93が端部軸93aを中心に回転し、これによってピックアップローラー92bが矢印B方向に回転し、同図において一点鎖線で示すように、記録用紙2をピックアップローラー92a・92bにて挟持する位置に位置するものとなる。これによって、ピックアップローラー92a・92bが回転すると、記録用紙2がピックアップされ記録用紙2が矢印D方向に搬送されることとなる。
【0314】
スイッチバックパス機構90における具体的な最初からの動作は、図37に示すように、先ず、矢印A方向へ送られた記録用紙2は、背面インクノズル4b…にて片面が印字される。次いで、記録用紙2は背面インクノズル側ローラー43・43にて先方に送られる。
【0315】
そして、背面インクノズル側ローラー43・43を離れた記録用紙2は、スタックトレー91にスタックされる。スタックされた記録用紙2上に設置されたピックアップローラー92bは、記録用紙2がスタックトレー91に格納された後、矢印B方向のピックアップ位置に回動する。そして、ピックアップローラー92a・92bによって記録用紙2は矢印C方向に移動し、やがて、正面インクノズル側ローラー45・45に送られる。次いで、記録用紙2はこの正面インクノズル側ローラー45・45によって矢印D方向に搬送され、正面インクノズル4a…にて裏面を印刷した後、記録用紙2は排出される。
【0316】
このように、本実施の形態のスイッチバックパス機構90では、背面インクノズル4b…による印刷後の記録用紙2が通る搬送経路上に用紙スタック用のスタックトレー91を設け、背面インクノズル4b…の印刷後の記録用紙2をこのスタックトレー91にスタックし、次いで、スタックした記録用紙2を別途にピックアップすることにより、裏面を印刷するために正面インクノズル4a…側に記録用紙2を搬送する。
【0317】
これにより、単一搬送経路による1回の用紙搬送にて記録用紙2の両面を印刷することができるので、両面印刷時間を短縮できる。また、スタックトレー91を有するので、記録用紙2を1枚だけではなく複数枚をスタックすることができる。この結果、印字1枚目と印字2枚目との間隔自由に制御できるので、2枚目以降の両面印字をより一層高速化することができる。
【0318】
〔実施の形態6〕
本発明のさらに他の実施の形態について図38ないし図40に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態5の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0319】
本実施の形態では、前記実施の形態1及び実施の形態5にて説明したインクジェットプリンタにおいて、乾燥装置を備えるものとなっている。
【0320】
すなわち、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、図38に示すように、実施の形態1にて説明したインクジェットプリンタにおいて、背面インクノズル4b…にて印刷された直後の位置に乾燥手段としての背面用乾燥装置95が設けられると共に、正面インクノズル4a…にて印刷された直後の位置に乾燥手段としての正面用乾燥装置96が設けられている。
【0321】
この背面用乾燥装置95及び正面用乾燥装置96は、記録用紙2の幅方向に延びており記録用紙2に近接する位置に棒状に設けられている。
【0322】
この棒状の背面用乾燥装置95及び正面用乾燥装置96には、例えば、ヒーターが内蔵されており、電気を通すことにより、ヒーターが加熱されこれによって、この背面用乾燥装置95及び正面用乾燥装置96の近傍を記録用紙2が通過するときに乾燥されるものとなっている。
【0323】
ここで、背面用乾燥装置95が無い場合には、前記図5に示すように、背面インクノズル4b…にて印刷された記録用紙2は用紙長さ調整ローラー8・8によって正面インクノズル4a…側へ搬送されることになるが、記録用紙2の後半分が印字された後に未乾燥の状態で用紙長さ調整ローラー8・8を通過するため、印字面と接する側つまり上側の用紙長さ調整ローラー8は、インクにじみを防止するため、一般的な円筒型のローラーよりも接触面積の小さいスターローラーが用いられる。なお、印字面と接触しない側つまり下側の用紙長さ調整ローラー8については記録用紙2の搬送のために円筒型ローラーを用いる。この結果、スターローラーを用いた場合には、記録用紙2の搬送力が低下する傾向がある。
【0324】
しかし、背面用乾燥装置95を設けた場合には、記録用紙2の後半分が印字された後に乾燥状態で用紙長さ調整ローラー8・8を通過する。
【0325】
この結果、背面用乾燥装置95を設けた場合には、用紙長さ調整ローラー8・8について、上側の用紙長さ調整ローラー8についても円筒型のローラを使用すること可能となる。そしてそれによって、記録用紙2の搬送力を増大し、プリント時間の低減を図ることができる。
【0326】
一方、前記実施の形態4にて説明したスイッチバックパス機構40を備えたインクジェットプリンタにおいても、図39に示すように、同様に、背面インクノズル4b…にて印刷された直後の位置に背面用乾燥装置97が設けられると共に、正面インクノズル4a…にて印刷された直後の位置に正面用乾燥装置98が設けられる。
【0327】
これによって、記録用紙2は背面インクノズル4b…にて印字された後、背面用乾燥装置91にて印字面が乾燥され、その後、背面インクノズル側ローラー43・43を通してスイッチバックケース41に格納される。
【0328】
また、スイッチバックケース41から逆向きに搬送される記録用紙2は正面インクノズル4a…にて裏面印字された後、その印字面が正面用乾燥装置98によって乾燥される。
【0329】
ここで、正面用乾燥装置98にて記録用紙2の乾燥を行うときには、既に、背面用乾燥装置97にて乾燥しているので、記録用紙2は既に熱を帯びている。したがって、正面用乾燥装置98による記録用紙2の乾燥は、背面用乾燥装置97による記録用紙2の乾燥に比べて低電力で行うことが可能である。
【0330】
また、スイッチバックパス機構40を備えたインクジェットプリンタにおいても、前述したように、背面用乾燥装置97を設けた場合には、背面インクノズル側ローラー43・43及び正面インクノズル側ローラー45・45を搬送力の強い円筒型のローラーを使用することが可能である。
【0331】
一方、スイッチバックパス機構40を設けた場合の乾燥装置については、図40に示すように、背面インクノズル4b…の直後に設ける背面用乾燥装置97の代わりに、スイッチバックパス機構40の直後に背面用乾燥装置99を設けることも可能である。
【0332】
この場合、背面用乾燥装置99までの間に設置された背面インクノズル側ローラー43・43及び正面インクノズル側ローラー45・45は、スターローラーの使用となって搬送力は落ちるが、背面用乾燥装置93と正面用乾燥装置92との距離が短いので、前記図39に示す背面用乾燥装置97と正面用乾燥装置98とを用いる場合に比較して、正面用乾燥装置98のヒーター電力をさらに低減することが可能となる。
【0333】
以上によって、両面印刷時間の短縮化することが可能である。
【0334】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタでは、記録用紙2の搬送経路における2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…の少なくともその間には、記録用紙2の印字面を乾燥する背面用乾燥装置95が設けられている。
【0335】
すなわち、2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…にて一枚の記録用紙2を連続して短時間に印刷した場合には、一方の背面インクノズル4b…にて印刷した後、他方の正面インクノズル4a…にて印刷するときに、一方の背面インクノズル4b…にて印刷した部分が十分に乾燥していなくてインクが滲む等のおそれや、搬送ローラー等に付着したインクが記録用紙2を汚す等のおそれがある。
【0336】
しかし、本実施の形態では、記録用紙2の搬送経路における2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…の少なくともその間には、記録用紙2の印字面を乾燥する背面用乾燥装置95・97・99が設けられている。
【0337】
したがって、先の背面インクノズル4b…にて印刷した後は、背面用乾燥装置95・97・99によってその印刷した部分が乾燥される。
【0338】
このため、後の正面インクノズル4a…にて印刷するときにも、先の背面インクノズル4b…にて印刷した部分が十分に乾燥してなくてインクが滲んだり、搬送ローラー等に付着したインクが記録用紙2を汚したりするというおそれが無くなる。
【0339】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、異種情報の同時印刷及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0340】
なお、本実施の形態においては、少なくとも背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…とのインクノズル間に設けられた背面用乾燥装置95・97・99を乾燥手段としているが、必ずしもこれに限らず、乾燥手段として正面用乾燥装置96・98を設けることが可能である。
【0341】
すなわち、本実施の形態では、記録用紙2の搬送経路における2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を備えたインクジェットプリンタにおいて、背面インクノズル4b…による記録用紙2の印字面を乾燥する背面用乾燥装置95・97・99を設けると共に、正面インクノズル4a…による記録用紙2の印字面を乾燥する正面用乾燥装置96・98を設けている。
【0342】
この結果、記録用紙2における表面と裏面との両方を乾燥することができ、印字の高速化及び効率化を図ることができる。また、用紙長さ調整ローラー8・8を丸ローラー同士の組み合わせにすることができ、搬送速度を高めることが可能となる。さらに、背面用乾燥装置95・97・99と正面用乾燥装置96・98との両方にて乾燥するので、乾燥効率を高めることができる。
【0343】
また、本実施の形態の背面用乾燥装置97は、背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…とのインクノズル間において、背面インクノズル4b…の配置位置からスイッチバックケース41までの間に設けられている。
【0344】
この結果、背面インクノズル4b…にて印刷した片面部分を確実に乾燥することができる。
【0345】
また、本実施の形態の背面用乾燥装置99は、背面インクノズル4b…と正面インクノズル4a…とのインクノズル間において、スイッチバックケース41の後に設けられていると共に、正面インクノズル4a…の後に正面用乾燥装置98が設けられている。
【0346】
この結果、記録用紙2の両面印刷時において、表面と裏面との両方を乾燥することができる。また、背面用乾燥装置99にて記録用紙2が既に乾燥され、かつ正面インクノズル4a…での印刷においても余熱により印字面が乾き易くなっているので、正面用乾燥装置98のヒーター電力を低減することができる。
【0347】
また、本実施の形態では、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90を有するインクジェットプリンタにおいて、記録用紙2の搬送経路における2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…の少なくともその間には、記録用紙2の印字面を乾燥する背面用乾燥装置97・99が設けられている。
【0348】
したがって、先の背面インクノズル4b…にて印刷した後に、背面用乾燥装置97・99によってその印刷した部分が乾燥される。
【0349】
このため、後の正面インクノズル4a…にて印刷するときにも、先の背面インクノズル4b…にて印刷した部分が十分に乾燥してなくてインクが滲んだり、搬送ローラー等に付着したインクが記録用紙2を汚したりするというおそれが無くなる。
【0350】
この結果、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90を有するインクジェットプリンタにおいて、印刷の高速化、及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができる。
【0351】
また、本実施の形態では、記録用紙2の搬送経路における2方向の背面インクノズル4b…及び正面インクノズル4a…を備えたインクジェットプリンタにおいて、正面インクノズル4a…による記録用紙2の印字位置の後方に正面用乾燥装置96・98を設けることが可能である。
【0352】
この結果、この正面用乾燥装置96・98にて、正面インクノズル4a…による記録用紙2の印字面を乾燥するだけでなく、背面インクノズル4b…による記録用紙2の印字面も乾燥することができる。
【0353】
このため、記録用紙2における表面と裏面との両方を乾燥することができ、印字の高速化及び効率化を図ることができる。
【0354】
また、本実施の形態では、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90を有するインクジェットプリンタにおいて、背面インクノズル4b…による記録用紙2の印字面を乾燥する背面用乾燥装置97・99を設けると共に、正面インクノズル4a…による記録用紙2の印字面を乾燥する正面用乾燥装置96・98を設け、さらに、両面印刷を行わないときには、正面用乾燥装置96・98は所定電力を供給する一方、両面印刷を行うときには、正面用乾燥装置96・98は、所定電力よりも減じた電力を供給するようになっている。
【0355】
この結果、両面印字の場合には、背面用乾燥装置97・99にて背面インクノズル4b…による印字面を乾燥したときの余熱が残っているので、両面印刷を行うときには、正面用乾燥装置96・98は、所定電力よりも減じた電力にて乾燥することできる。
【0356】
この結果、電力消費を低減することができる。
【0357】
また、本実施の形態では、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90を有するインクジェットプリンタにおいて、背面インクノズル4b…による記録用紙2の印字面を乾燥する背面用乾燥装置97を設けるときには、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90の手前の背面インクノズル側ローラー43・43の手前に設けるようになっている。
【0358】
これにより、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90に記録用紙2が搬送される前に、背面インクノズル4b…による記録用紙2の印字面を乾燥するすることができる。
【0359】
また、本実施の形態では、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90を有するインクジェットプリンタにおいて、背面インクノズル4b…による記録用紙2の印字面を乾燥する背面用乾燥装置97を設けるときには、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90の手前の背面インクノズル側ローラー43・43の手前に設けると共に、背面インクノズル側ローラー43・43及び正面インクノズル側ローラー45・45を円筒ローラーにて形成するようになっている。
【0360】
すなわち、背面インクノズル側ローラー43・43の手前の背面用乾燥装置97にて、背面インクノズル4b…による記録用紙2の印字面が乾燥されるので、スターローラーではなく円筒ローラーを使用することにより、スターローラーよりも搬送力の高い円筒ローラーを適用できる。このため、搬送効率を高め、印刷効力を高めることができる。
【0361】
また、本実施の形態では、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90を有し、背面インクノズル4b…による記録用紙2の印字面を乾燥する背面用乾燥装置99を設け、かつ正面インクノズル4a…による記録用紙2の印字面を乾燥する正面用乾燥装置98を設けているインクジェットプリンタにおいて、背面用乾燥装置99は、背面インクノズル4b…による記録用紙2の印字面を乾燥すべく、スイッチバックパス機構40・50・60・70・80・90の直後の正面インクノズル側ローラー45・45の後方であって正面インクノズル4a…での印刷位置の手前に設けられると共に、背面インクノズル側ローラー43・43及び正面インクノズル側ローラー45・45における印字面に接触する側はスターローラーにて形成することができる。
【0362】
これにより、背面用乾燥装置99の設置位置が正面用乾燥装置98の設置位置に近いので、正面用乾燥装置98の消費電力を低減することができる。
【0363】
また、本実施の形態では、正面インクノズル4a…による記録用紙2の印字面を乾燥する正面用乾燥装置96のみ設ける場合には、用紙長さ調整ローラー8・8、背面印刷後搬送ローラー17・17、正面印刷前搬送ローラー18・18、短用紙長さ調整ローラー20・20、中用紙長さ調整ローラー21・21、長用紙長さ調整ローラー22・22における各印字面に接触する側のローラーをスターローラーにて形成すると共に、各印字面に接触しない側のローラーを円筒ローラーにて形成することが可能である。
【0364】
これによって、片面印字の場合に、背面インクノズル4b…による記録用紙2への印字面を汚さないようにすることができると共に、正面用乾燥装置96にて背面インクノズル4b…による記録用紙2への印字面と正面インクノズル4a…による記録用紙2への印字面との両方を乾燥することができる。
【0365】
【発明の効果】
本発明のインクジェットプリンタは、以上のように、インクキャリッジは、単一に設けられた搬送経路を一枚ずつ順番に搬送される記録用紙の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷可能とすべく該2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルを有するインクヘッドを備えていると共に、上記記録用紙の搬送方向に対して上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルを有するインクヘッドにて記録用紙における2箇所の設定記録位置に印刷すべく、搬送経路における、上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズル間距離を調整するノズル間距離調整手段が設けられているものである。
【0366】
それゆえ、1個のインクキャリッジを走査することによって、1枚の記録用紙に同時に2箇所への印刷を行うことができるので、同一色について記録用紙2の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷するときには、一方向へのインクノズルのみ有するインクヘッドに比べて、印刷時間を半分に短縮することができる。
【0367】
また、2方向へのインクノズルの印刷データを各方向毎に使い分けることによって、記録用紙における1回のみの搬送にて同一箇所に重ね打ちしたり、印刷の解像度を高めたり、異種情報を記録したりすることができる。さらに、スイッチバックパス機構を設ければ、両面印刷も可能となる。
【0368】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、異種情報の同時印刷及び両面印刷等の印刷の効率化を図り得るインクジェットプリンタを提供することができるという効果を奏する。
【0369】
また、ノズル間距離調整手段によって搬送経路における2方向のインクノズル間距離を調整することによって、適切に記録用紙の搬送方向における任意の2箇所に印刷することができる。
【0370】
また、ノズル間距離調整手段は、搬送経路における2方向のインクノズル間距離を調整するものであるから、用紙サイズが異なっていても自在にインクノズル間距離を調整することにより記録用紙における2箇所の設定記録位置に適切に印刷させることができる。
【0371】
この結果、印刷の高速化、重ね打ち、印刷解像度の向上、及び異種情報の同時印刷等の印刷の効率化を確実に図り得るインクジェットプリンタを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるインクジェットプリンタの実施の一形態を示すものであり、記録用紙に対してインクキャリッジに設けられた2方向のインクノズルからインクを同時噴射する状態を示す斜視図である。
【図2】 上記インクキャリッジにおけるインクタンクの構造を示す斜視図である。
【図3】 上記インクキャリッジにおける正面側インクヘッド及び背面側インクヘッドから記録用紙に対してインクを同時に噴射する状態を示す側面図である。
【図4】 インクキャリッジにおける各インクヘッドを示す構造図であり、(a)はインクキャリッジにおける正面側インクヘッドを背面方向から見たもの、(b)はインクキャリッジにおける背面側インクヘッドを背面方向から見たものである。
【図5】 支軸の下に配置される用紙長さ調整ローラーが上下移動可能になっている状態を示す斜視図である。
【図6】 上記用紙長さ調整ローラーを上下移動させるための構造を示す説明図であり、(a)はノズル間距離が最短になっている状態を示すもの、(b)はノズル間距離が最長になっている状態を示すものである。
【図7】 上記記録用紙における正面インクノズルにて印刷する部分と背面インクノズルにて印刷する部分との位置関係を示す説明図であり、(a)は記録用紙の前半部の第一行目を正面インクノズルにて印刷し、記録用紙の後半部の第一行目を背面側インクノズルにて印刷した状態を示すもの、(b)は記録用紙の前半部の第二行目を正面インクノズルにて印刷し、記録用紙の後半部の第二行目を背面側インクノズルにて印刷した状態を示すもの、(c)は記録用紙の前半部を正面インクノズルにて印刷終了し、記録用紙の後半部を背面側インクノズルにて印刷終了した状態を示すものである。
【図8】 一枚の記録用紙を前半と後半とに分けて同時に正面インクノズルと背面インクノズルとによって印刷するときの制御動作を示すフローチャートである。
【図9】 上記インクジェットプリンタにおいて、正面インクノズルにて一枚目の記録用紙を印刷しながら、同時に、背面インクノズルにて二枚目の記録用紙を印刷する状態を示す斜視図である。
【図10】 上記正面インクノズルにて一枚目の記録用紙を印刷しながら、同時に、背面インクノズルにて二枚目の記録用紙を印刷するときの制御動作を示すフローチャートである。
【図11】 本発明におけるインクジェットプリンタの他の実施の形態を示す構造図であり、(a)はノズル間の搬送経路を伸縮した場合において搬送ガイドベルトにて記録用紙をガイドする場合におけるノズル間距離が最短の状態を示すもの、(b)は同様の場合におけるノズル間距離が最長の状態を示すものである。
【図12】 上記インクジェットプリンタの変形例を示す構造図であり、(a)はノズル間の搬送経路を伸縮ガイドにて形成しかつ3段の固定の用紙長さ調整ローラーを用いた場合におけるノズル間距離が最短の状態を示すもの、(b)はノズル間の搬送経路を伸縮ガイドにて形成しかつ3段の固定の用紙長さ調整ローラーを用いた場合におけるノズル間距離が最長の状態を示すものである。
【図13】 上記ノズル間の搬送経路を伸縮ガイドにて形成しかつ3段の固定の用紙長さ調整ローラーを用いたインクジェットプリンタでの制御動作を示すフローチャートである。
【図14】 本発明におけるインクジェットプリンタのさらに他の実施の形態を示す説明図であり、(a)は正面インクノズルを奇数列に配置した正面側インクヘッドを背面方向から見たもの、(b)は背面インクノズルを偶数列に配置した背面側インクヘッドを背面方向から見たものである。
【図15】 上記インクジェットプリンタでの印刷状態を示す説明図であり、(a)は正面インクノズルにて印刷する奇数列の印刷データを示すもの、(b)は背面インクノズルにて印刷する偶数列の印刷データを示すもの、(c)は偶数列の印刷と奇数列の印刷とを重ね合わせた状態を示すものである。
【図16】 上記背面インクノズルによる偶数列の印刷データと正面インクノズルによる奇数列の印刷データとを重ね合わせて印刷するときの制御動作を示すフローチャートである。
【図17】 上記インクジェットプリンタにおける変形例を示す説明図であり、(a)は正面インクノズルのインクドロップ径を小大小大…の順に偶数列に形成した正面側インクヘッドを背面方向から見たもの、(b)は背面インクノズルのインクドロップ径を大小大小…の順に奇数列に形成した背面側インクヘッドを背面方向から見たものである。
【図18】 上記インクドロップ径を変えたインクジェットプリンタにおける印刷状態を示す説明図であり、(a)は背面インクノズルにて印刷する奇数列の印刷データを示すもの、(b)は正面インクノズルにて印刷する偶数列の印刷データを示すもの、(c)は奇数列の印刷と偶数列の印刷とを重ね合わせた状態を示すものである。
【図19】 上記インクジェットプリンタにおける他の変形例を示す説明図であり、(a)は正面インクノズルを偶数行に配置した正面側インクヘッドを背面方向から見たもの、(b)は背面インクノズルを奇数行に配置した背面側インクヘッドを背面方向から見たものである。
【図20】 上記インクジェットプリンタでの印刷状態を示す説明図であり、(a)は背面インクノズルにて印刷する奇数行の印刷データを示すもの、(b)は正面インクノズルにて印刷する偶数行の印刷データを示すもの、(c)は奇数行の印刷と偶数行の印刷とを重ね合わせた状態を示すものである。
【図21】 上記インクジェットプリンタにおけるさらに他の変形例を示す説明図であり、(a)は正面インクノズルを偶数行/偶数列に配置した正面側インクヘッドを背面方向から見たもの、(b)(c)は背面インクノズルを奇数行/奇数列に配置した背面側インクヘッドを背面方向から見たものである。
【図22】 上記インクジェットプリンタでの印刷状態を示す説明図であり、(a)は背面インクノズルにて印刷する奇数行/奇数列の印刷データを示すもの、(b)は正面インクノズルにて印刷する偶数行/偶数列の印刷データを示すもの、(c)は奇数行/奇数列の印刷と偶数行/偶数列の印刷とを重ね合わせた状態を示すものである。
【図23】 上記インクジェットプリンタにおけるさらに他の変形例を示す説明図であり、(a)は正面インクノズルのインクドロップ径を小径にして偶数行/偶数列に配置した正面側インクヘッドを背面方向から見たもの、(b)(c)は背面インクノズルのインクドロップ径を大径にして奇数行/奇数列に配置した背面側インクヘッドを背面方向から見たものである。
【図24】 上記インクジェットプリンタでの印刷状態を示す説明図であり、(a)は大径の背面インクノズルにて印刷する奇数行/奇数列の印刷データを示すもの、(b)は小径の正面インクノズルにて印刷する偶数行/偶数列の印刷データを示すもの、(c)は奇数行/奇数列の印刷と偶数行/偶数列の印刷とを重ね合わせた状態を示すものである。
【図25】 本発明におけるインクジェットプリンタのさらに他の実施の形態を示すものであって、ウォーターマークと印刷データとを1枚の記録用紙に重ね合わせて印刷する状態を示す説明図であり、(a)はウォーターマークを示すもの、(b)は印刷データを示すもの、(c)は両者を重ね合わせて印刷したものである。
【図26】 上記ウォーターマークと印刷データとを1枚の記録用紙に重ね合わせて印刷するときの制御動作を示すフローチャートである。
【図27】 本発明におけるインクジェットプリンタのさらに他の実施の形態を示すものであり、スイッチバックパス機構の構造を示す斜視図である。
【図28】 上記スイッチバックパス機構を備えたインクジェットプリンタにおける、背面インクノズルにて印刷された記録用紙がスイッチバックケースに格納されるまでの搬送経路を示す説明図である。
【図29】 上記スイッチバックパス機構を備えたインクジェットプリンタにおける、記録用紙がスイッチバックケースに格納された状態を示す斜視図である。
【図30】 上記スイッチバックパス機構を備えたインクジェットプリンタにおける、スイッチバックケースから正面インクノズル位置までの搬送経路を示す説明図である。
【図31】 上記スイッチバックパス機構を備えたインクジェットプリンタにおいて複数枚の記録用紙を同時に両面印刷する状態を示す斜視図である。
【図32】 上記スイッチバックパス機構を備えたインクジェットプリンタにおいて複数枚の記録用紙を両面印刷するときの制御動作を示すフローチャートである。
【図33】 上記インクジェットプリンタにおける他のスイッチバックパス機構を示す構成図である。
【図34】 上記インクジェットプリンタにおけるさらに他のスイッチバックパス機構を示す構成図である。
【図35】 上記インクジェットプリンタにおけるさらに他のスイッチバックパス機構を示す構成図である。
【図36】 上記インクジェットプリンタにおけるさらに他のスイッチバックパス機構を示す構成図である。
【図37】 上記インクジェットプリンタにおけるさらに他のスイッチバックパス機構を示す構成図である。
【図38】 本発明におけるインクジェットプリンタのさらに他の実施の形態を示すものであり、各インクノズルの直後に設けられた乾燥装置を示す斜視図である。
【図39】 上記乾燥装置を、スイッチバックパス機構を備えたインクジェットプリンタに装着した状態を示す斜視図である。
【図40】 背面用乾燥装置を、スイッチバックパス機構の直後に設けた状態を示す斜視図である。
【図41】 従来のインクジェットプリンタを示すものであり、(a)はインクキャリッジの走査状態を示す斜視図、(b)はインクキャリッジに設けられたインクヘッドの構造を示す底面図である。
【図42】 上記インクジェットプリンタにおいてインクを噴出して印刷する状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 支軸
2 記録用紙
2a 記録用紙
2b 記録用紙
3 インクタンク
4a 正面インクノズル(インクノズル)
4b 背面インクノズル(インクノズル)
5 インクキャリッジ
6 正面側インクヘッド(インクヘッド)
7 背面側インクヘッド(インクヘッド)
8 用紙長さ調整ローラー(ノズル間距離調整手段)
10 伸縮ガイド(伸縮案内手段)
11 バネ
12 用紙長さ調整用軸受けフレーム
14 搬送ガイドベルト(伸縮案内手段)
15 テンションローラ
16 ベルト用軸受フレーム
17 背面印刷後搬送ローラー
18 正面印刷前搬送ローラー
20 短用紙長さ調整ローラー(ノズル間距離調整手段)
21 中用紙長さ調整ローラー(ノズル間距離調整手段)
22 長用紙長さ調整ローラー(ノズル間距離調整手段)
29 第3正面側ガイド用ソレノイド
30 伸縮ガイド(伸縮案内手段)
34 第2背面側ガイド用ソレノイド
35 第3背面側ガイド用ソレノイド
39 第2正面側ガイド用ソレノイド
40 スイッチバックパス機構(用紙反転手段)
41 スイッチバックケース
42 用紙ガイド
43 背面インクノズル側ローラー
44 用紙方向切替えローラー
45 正面インクノズル側ローラー
46 用紙ガイド回転軸
50 スイッチバックパス機構(用紙反転手段)
51 用紙方向切替ガイド
52 ソレノイド
60 スイッチバックパス機構(用紙反転手段)
61 バネ
70 スイッチバックパス機構(用紙反転手段)
71 スイッチバックケース
80 スイッチバックパス機構(用紙反転手段)
83 切り替え路
90 スイッチバックパス機構(用紙反転手段)
91 スタックトレー
92b ピックアップローラー
95 背面用乾燥装置(乾燥手段)
96 正面用乾燥装置(乾燥手段)
97 背面用乾燥装置(乾燥手段)
98 正面用乾燥装置(乾燥手段)
99 背面用乾燥装置(乾燥手段)

Claims (5)

  1. 支軸に沿うインクキャリッジの往復運動による走査によって記録用紙に印刷するインクジェットプリンタにおいて、
    上記インクキャリッジは、単一に設けられた搬送経路を一枚ずつ順番に搬送される記録用紙の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷可能とすべく該2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルを有するインクヘッドを備えていると共に、
    上記記録用紙の搬送方向に対して上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルを有するインクヘッドにて記録用紙における2箇所の設定記録位置に印刷すべく、搬送経路における、上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズル間距離を調整するノズル間距離調整手段が設けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 記録用紙の前記搬送経路における、前記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルの間には、記録用紙の搬送を伸縮可能に案内する伸縮案内手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  3. 支軸に沿うインクキャリッジの往復運動による走査によって記録用紙に印刷するインクジェットプリンタにおいて、
    上記インクキャリッジは、単一に設けられた搬送経路を一枚ずつ順番に搬送される記録用紙の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷可能とすべく該2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルを有するインクヘッドを備えていると共に、
    上記記録用紙の搬送方向に対する上記2箇所の方向へのインクノズルは、各方向のインクノズルのそれぞれが同一色について支軸に沿う走査方向と記録用紙の搬送方向とに対して斜めに配列された複数のインク穴を有すると共に、上記各方向のインクノズルにおける同一色について複数配列された個々のインク穴同士は、支軸に沿う走査方向の間隔及び記録用紙の搬送方向の間隔の少なくともいずれか一方の間隔が上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズル相互間で半ピッチずつずれていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 支軸に沿うインクキャリッジの往復運動による走査によって記録用紙に印刷するインクジェットプリンタにおいて、
    上記インクキャリッジは、単一に設けられた搬送経路を一枚ずつ順番に搬送される記録用紙の搬送方向に対して同時に2箇所へ印刷可能とすべく該2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルを有するインクヘッドを備えていると共に、
    上記記録用紙の搬送経路における上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルの間には、記録用紙の表裏を反転する用紙反転手段が設けられ、かつ上記用紙反転手段は、先に、記録用紙の一方の面を上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルの一方に対向させ、その後、記録用紙の上記一方のノズルに対向させた面に対して裏の面を上記2箇所にそれぞれ向かう2方向へのインクノズルの他方に対向させるように、記録用紙を反転することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 記録用紙の前記搬送経路における2方向のインクノズルの少なくともその間には、記録用紙の印字面を乾燥する乾燥手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
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