JP3676113B2 - 食器洗い機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食器洗い機に関し、更に詳しくは、食器洗い機における表示制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
食器洗い機では、洗浄庫内に水道水を導入して洗浄庫底部に貯留し、洗浄ポンプを作動させて貯留した水を吸引しノズルから水を勢いよく噴射し、洗浄庫内に収容した食器類を洗浄するという構成のものが知られている。
【0003】
その洗浄性能は洗浄に使用する水の温度に大きく依存しており、高温の水を使用するほど汚れ落ちが良好であって且つ時間も短くて済む。そのため、洗い運転時や一部のすすぎ運転時などには、洗浄庫底部に備えられたヒータを利用して貯留された水を所定温度にまで加熱し、この温水を用いて洗いやすすぎを行うようにしている。水が所定温度に到達するまでの所要時間は、導入された水道水の水温、外気温或いは食器の量などに依存している。また、洗浄庫内に外部の給湯器から直接的に温水が供給される場合もある。そのため、このような食器洗い機では、洗いが開始されてから乾燥が終了するまでの総所要時間は外的要因によって大きく変動することになる。
【0004】
このように洗い及び乾燥の総所要時間が一定でないため、従来、食器洗い機では残時間を正確に表示することは困難であった。このような問題に対し、本出願人は、特願平10−363105号において、給水された水の温度に拘わらず残時間を正確に表示することができる食器洗い機を提案している。この新規な食器洗い機における制御の一例としては、例えば、洗い運転が開始されてから1分が経過したときの洗浄庫内の水温を測定し、更にそれから2分が経過したときの水温を同様に測定し、その2つの検知水温から得られる水の温度上昇度に基づいて食器の量や雰囲気温度を推定し、水温によって運転時間の変動する洗い運転時間及び高温すすぎ時間の所要時間を推定し、残時間を計算するようにしている。このようにして、この新規の食器洗い機によれば、運転開始の直後からほぼ正確な残時間を表示できるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の食器洗い機は1回の食事で使用される多人数分の食器を一度に収納し得る十分に大きな容量を有しているので、一般家庭における通常の使用状態では食器洗い及び乾燥運転が繰り返し行われることはない。しかしながら、例えば、きわめて多量の食器を処理するためなどに、一旦乾燥運転が終了した直後に、他の食器を洗浄庫内に収納して洗いを実行しようするという状況が想定し得る。このような場合において上記の如き制御によると、次のような理由により残時間の表示誤差が大きくなることがある。
【0006】
すなわち、乾燥運転の終了直後には洗浄庫内壁は高温になっており、そのような洗浄庫内に水道水が導入されると、洗浄庫の余熱によって水温が上昇し、あたかも初めから湯が供給されたものと誤って判断してしまう。そして、このような誤った判断に基づいて高温すすぎ行程の給水時にも同等の水温を有する湯が供給されるものと看做して所要時間を推定し、残時間を算出及び表示する。ところが実際には、高温すすぎ行程時には冷たい水道水が供給されるため、ヒータ加熱によって所定水温にまで上昇するのに要する時間は先の推定所要時間よりもかなり長くなり、その結果、残時間表示には大きな誤差が生じることになる。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、行程終了までの残時間を正確に表示することができる食器洗い機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願発明者らは、余熱を有する洗浄庫に冷たい水が供給された場合でも、その水温はすぐには上昇せず、実際にノズルから水が噴射されて庫内の高温の空気と水とが撹拌され始めた後に急激に水温が上昇することに着目した。実験によれば、このような急激な温度上昇は運転開始から約1分の間にほぼ収束する。したがって、給水の終了直前又は直後に水温を測定すれば、洗浄庫の余熱の影響を殆ど受けていない水温を検知することができ、一方、洗い運転の開始から所定時間(例えば1分経過以降)が経過した後に水温を測定すれば、洗浄庫の余熱の影響を受けた、つまり余熱により十分に上昇した水温を検知することができる。そこで、このように異なる時点で検知した水温を基に、洗い運転の所要時間と高温すすぎ運転の所要時間とをそれぞれ推定することにより、各所要時間の推定が正確に行えるようにしている。
【0009】
すなわち、本発明に係る第1の食器洗い機は、外部から供給された水を洗浄庫内底部に貯留し、その水をノズルから噴射して洗浄庫内に収容された食器類を洗浄する食器洗い機であって、洗い行程と少なくとも一回の高温すすぎ行程とにおいては貯留した水を加熱手段により加熱する食器洗い機において、
a)洗浄庫内の水の温度を検知する温度検知手段と、
b)洗い行程の初期段階において、前記ノズルからの水の噴射が始まり且つ前記温度検知手段により加熱開始から所定時間経過時の水温であって前記洗浄庫が余熱を有している場合にこの余熱の影響を受けた水温を検知すると共に前記加熱手段による加熱開始後の水温の上昇度合を求め、該水温及び水温上昇に基づいて洗い行程の所要時間を推定する第1の時間推定手段と、
c)洗い行程の初期段階において、前記所定時間経過時より前の前記温度検知手段により給水が終了する前後の時点の前記余熱の影響を殆ど受けていない初期水温を検知すると共に前記加熱手段による加熱開始後の水温の上昇度合を求め、該初期水温及び水温上昇に基づいて高温すすぎ行程の所要時間を推定する第2の時間推定手段と、
d)前記第1の時間推定手段によって推定された洗い行程の所要時間と第2の時間推定手段によって推定された高温すすぎ行程の所要時間とを含む全行程終了までの所要時間を算出する残時間算出手段と、
e)該残時間算出手段により得られた全行程終了までの所要時間を、洗い行程から運転の進行に伴い減少させつつ表示する時間表示手段と、
を備えることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る第2の食器洗い機は、上記第1の食器洗い機において、前記第2の時間推定手段は、高温すすぎ行程の初期段階において前記温度検知手段により検知された水温及び水温上昇に基づいて、該高温すすぎ行程の所要時間を再度推定し、前記残時間算出手段はその所要時間を含む全行程終了までの所要時間を算出し、前記時間表示手段はその時点で表示の修正を行うことを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る第3の食器洗い機は、上記第2の食器洗い機において、前記第2の時間推定手段は、高温すすぎ行程の初期段階において所要時間を再度推定する際に、洗い行程の初期段階に検知された水温上昇を用いて高温すすぎ行程の所要時間を再度推定することを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る第4の食器洗い機は、上記第1〜第3のいずれかの食器洗い機において、洗い行程及び高温すすぎ行程の運転中に一時停止が実行され、その後に運転が再開された場合に、前記第1又は第2の時間推定手段は、前記温度検知手段により水温を検知し、その水温と既に得られている水温上昇とに基づいて当該行程の所要時間を再度推定し、前記残時間算出手段はその所要時間を含む全行程終了までの所要時間を算出し、前記時間表示手段はその時点で表示の修正を行うことを特徴としている。
【0013】
更には、本発明に係る第5の食器洗い機は、外部から供給された水を洗浄庫内の底部に貯留し、その水をノズルから噴射して洗浄庫内に収容された食器類を洗浄する食器洗い機であって、洗い行程と複数回のすすぎ行程のうちの少なくとも一回の行程において貯留した水を加熱手段により加熱する食器洗い機において、
a)洗浄庫内の水の温度を検知する温度検知手段と、
b)前記加熱手段を利用する行程の初期段階において前記温度検知手段により検知された水温に基づいて該行程の所要時間を推定すると共に、当該行程の運転中に一時停止が実行されその後に運転が一時停止の直前の状態に復帰して再開された場合に、前記温度検知手段により水温を再度検知し、その水温に基づいてその行程の所要時間を再度算出する時間推定手段と、
c)該時間推定手段により得られた所要時間を含む全行程終了までの所要時間を前記初期段階と前記運転再開時とに算出する残時間算出手段と、
d)該残時間算出手段により得られた所要時間を運転の経過に伴い減少させつつ表示する時間表示手段と、
を備え、前記一時停止後の運転再開時には、前記初期段階に算出し表示した全行程終了までの所要時間を運転再開時に算出した全行程終了までの所要時間に修正して表示することを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係る第6の食器洗い機は、上記第5の食器洗い機において、前記時間推定手段は、加熱手段を利用する行程の初期段階において前記温度検知手段により初期水温を検知すると共に加熱開始後の水温の上昇度合を求め、該初期水温及び水温上昇に基づいて該行程の所要時間を推定すると共に、当該行程の運転中に一時停止が実行されその後に運転が再開された場合に、前記温度検知手段により水温を検知し、その水温と先の水温上昇とに基づいてその行程の所要時間を再度算出することを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態、及び効果】
上記第1の食器洗い機では、加熱初期段階の水温は主として給水された水の温度に依存しており、一方、水温上昇は、主として外気温(又は洗浄庫の壁面温度)や洗浄庫内に収納されている食器の量に依存している。したがって、洗浄庫内に貯留された所定量の水が所定温度にまで加熱されるに要する時間は、加熱の初期段階での水温と水温の上昇度合とから推定することが可能である。上述のように、洗浄庫が余熱を有している場合であっても、給水が終了する前後の時点では水は余熱による温度上昇を生じていない。そのため、上記第2の時間推定手段は、給水が終了する前後の時点で初期温度を得ることにより、余熱の影響を受けない高温すすぎ行程の所要時間を精度よく推定することができる。一方、第1の時間推定手段は、運転が開始されてから所定時間経過時点で水温を検知することによって、余熱により十分に上昇した水温を得ることができ、これを初期水温とすることによって余熱の影響を考慮した洗い行程の所要時間を精度よく推定することができる。これにより、所要時間が変動する洗い行程とすすぎ行程の所要時間が精度よく求まるので、残時間を正確に算出して表示することができる。
【0016】
なお、第1及び第2の時間推定手段は、例えば予め様々な水温や水温の上昇度合に対する所要時間を実験的に測定してそれをメモリに記憶させておき、取得されたデータをそのメモリの内容に照らすことにより所要時間を算出するものとすることができる。また、上記第1及び第2の時間推定手段における水温上昇は同一の検知結果を用いることができる。
【0017】
また、第1の時間推定手段において加熱開始から所定時間経過後に水温を検知しているのは、洗浄庫内に給水を行うための給水管の内部等に高温の湯水が残っている場合に、加熱前や加熱開始直後には洗浄庫内の水温が不均一であって、水温の検知の誤差が大きくなる恐れがあるからである。
【0018】
このように本発明の食器洗い機によれば、洗浄庫内に導入される水の温度や周囲の気温など、水が所定温度に到達するまでの時間に影響を与える諸条件に拘わらず、且つ、連続的に複数回の運転が繰り返し実行されるような場合であっても、運転終了までの残時間を正確に表示することができる。また、この食器洗い機によれば、洗いやすすぎのために実際に給水された水の温度に基づいて残時間を推定しているので、例えば使用者が給湯を行うことを意図していたにも拘わらず、給湯器の電源投入忘れなどによって冷たい水が洗浄庫内に導入されてしまったような場合であっても、大きな誤差を生じることなく残時間を表示することができる。
【0019】
通常、洗い行程時と高温すすぎ行程時に洗浄庫に導入される水の温度はほぼ同一であるが、例えば運転の途中で給湯器から湯が供給される場合、水の温度は必ずしも同一ではない。そのような場合でも、上記第2の食器洗い機によれば、洗い行程の開始直後に算出された所要時間から順次減少されることにより残時間の表示が更新され、更に高温すすぎ行程の開始直後に再度所要時間の算出が行われて残時間が修正される。したがって、運転終了に近づくに従い一層残時間の表示を正確に行える。
【0020】
また、洗い行程時と高温すすぎ行程時とで食器の量や周囲温度などが同一であれば、水温の上昇度合は略同一であると看做すことができる。したがって、上記第3の食器洗い機によれば、高温すすぎ行程の初期段階では再度水温上昇を測定する必要はなく、既に取得されている水温上昇を利用することができる。
【0021】
また、運転の途中で一時停止が実行された場合には、使用者によりドアが開閉され、冷たい外気が洗浄庫内に流入して既に加熱されている水の温度が下がる可能性がある。ドアの開閉が行われないにしても、運転の中断で水温が下がる可能性がある。そこで、上記第4の食器洗い機では、一時停止の後の運転再開時には、その時点での水温に基づいて残時間の修正が実行される。したがって、たとえ使用者が運転途中でドアの開閉を行った場合でも、残時間表示の誤差は非常に小さくて済む。また、運転再開時に所要時間を推定するに際し、水温上昇は既に得られている値を用いることにより、一度水温を検知した後に迅速に表示を更新することができるという利点がある。
【0022】
上述のような運転一時停止後の運転再開の際の残時間修正処理は、必ずしも上記第1及び第2の時間推定手段を備えていなくとも、水温を用いて残時間を推定する食器洗い機に対してより広範に適用し得る。すなわち、上記第5及び第6の食器洗い機においても、上記と同様に、使用者が運転途中でドアの開閉を行ったときに、その時点での水温に基づいて残時間が再計算される。したがって、残時間表示の誤差は非常に小さくて済む。
【0023】
【実施例】
以下、本発明による食器洗い機の一実施例を図面を参照して説明する。
【0024】
図1は本実施例による食器洗い機の全体構成を示す側面断面図である。機枠1の内部には乾燥室を兼用するステンレス製の洗浄庫2が配設され、洗浄庫2の前面開口には、その下端が軸支されるドア3が手前方向(図1での矢印Pの方向)に開放するように設けられている。洗浄庫2の底部中央には、上面に複数のノズル5が形成された回転自在のアーム4が設けられている。また、洗浄庫2の底部には、循環口7及び排水口8が側方に設けられた貯水槽6が連通して配設されており、貯水槽6の上面には、食器類から流れ落ちた残菜類を捕集するためのメッシュ状のフィルタ9が設けられている。
【0025】
洗浄庫2の底面下方には、洗浄兼排水ポンプ10が配置されている。洗浄兼排水ポンプ10はインペラが左右両方向に回転するようになっており、洗浄時にはそのインペラが所定方向に回転することにより貯水槽6の循環口7から吸い込んだ水をアーム4へ送出する一方、排水時にはインペラは逆方向に回転し、貯水槽6の排水口8から吸い込んだ水を排水ホース11を通して外部へと排出する。給水弁12を介して外部より供給された水は、洗浄庫2の後方に配設された給水口13から洗浄庫2内に注がれる。洗浄庫2の後方には洗浄庫2内の水位を検知するための図示せぬフロートを備える水位検知室14が配置されており、洗浄庫2内の水は図示せぬ連通口を通して該水位検知室14にも流れ込む。また、洗浄庫2底部には、アーム4の回転軸の周囲を大きく周回して、洗浄水やすすぎ水を温めるとともに乾燥時には洗浄庫2内の空気の温度を高めるためのループ状のヒータ15が設けられている。
【0026】
洗浄庫2の後部にはファンモータ17により回転駆動される送風ファン16が配設されており、送風ファン16が回転されると機枠1の背面に形成された吸気口18から吸い込まれた外気が洗浄庫2内へと導入される。また、洗浄庫2内の湿った空気はドア3上部に設けられた排気口19を介して外部へと排出される。
【0027】
また、洗浄庫2の底壁の外側にはサーミスタから成る温度センサ35が取り付けられている。この取付位置は、洗浄庫2に水が貯留されたときにその水に浸る箇所のちょうど裏側に当たる。上述のように洗浄庫2はステンレス製であって熱伝導が極めて良好であるので、水温が変化した場合でも、温度センサ35は迅速に且つ正確にそれを検知することができる。また、乾燥行程時には、送風ファン16により送り込まれた空気は温度センサ35の取付位置に直接接触しないので、温度センサ35は庫内の温度を正確に検知することができる。
【0028】
図2はこの食器洗い機のドア3の下方に設けられている操作パネル20の平面図である。この操作パネル20には、電源スイッチ21、スタートキー22、コース選択キー23、給湯切替キー24が備えられていると共に、選択されたコースを示す複数の表示灯25、残時間を数値として表示するための表示器26、給湯の又は給水の選択を示す表示灯27が備えられている。この図2では表示器26はセグメント表示器になっているが、ドットマトリクスなどによる他の表示器であってもよい。また、スタートキー22は一時停止のキーを兼ねており、運転動作中にスタートキー22が押されるとその時点で運転を一時中断し、その状態から再度このスタートキー22が押されると、先に中断した時点での続きから運転を再開するようになっている。
【0029】
図3は本実施例の食器洗い機の要部の電気系構成図である。制御部30は、CPU31、ROM32、RAM33、タイマ34などを含むマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM32には後述のような動作を行うための制御プラグラムが格納されている。この制御プラグラムに従ってCPU31が各種演算や処理を実行することにより後述の機能が達成される。制御部30には操作パネル20に備えられた電源スイッチ21、スタートキー22、コース選択キー23などから操作信号が入力されると共に、温度センサ35から検知信号が入力されるようになっている。なお、本例では、温度センサ35は0.5℃ステップで温度を検知するものとなっている。制御部30は表示器26に対して所定の表示を行わせると共に、必要に応じてブザー36を鳴動させる。更に、制御部30は、負荷駆動部37を介して、給水弁12、洗浄兼排水ポンプ10及びファンモータ17の動作を制御する。
【0030】
図4はこの食器洗い機における全行程の流れを示すフローチャート、図5は標準コースの運転実行時における温度センサ35による検知温度の変化の一例を示すグラフである。この図5に示す例では、各行程の給水時には約20℃の水温を有する水が供給されるものとしている。
【0031】
図4及び図5に沿って、上記食器洗い機の動作を概略的に説明する。使用者は図示せぬ食器籠に食器類を収納し、ドア3を開いて食器籠を洗浄庫2内部に設置する。所定の操作により運転開始が指示されると、まず洗い行程が実行される(ステップS1)。具体的には、制御部30からの指示により給水弁12が開放されて洗浄庫2底部に所定量の水が溜められる。給水終了後、洗浄兼排水ポンプ10が駆動されると、洗浄兼排水ポンプ10は貯水槽6の循環口7から水を吸引しアーム4へと送出する。水は小径のノズル5より勢いよく飛び出し、水の噴射の反動によりアーム4は回転する。噴射された水は食器類に当たって洗浄庫2底部に流れ落ち、フィルタ9により固形物が除去されて貯水槽6に循環する。また、この洗い運転中はヒータ15に通電され、貯留されている水はヒータ15により加熱されて、その温度は図5に示すようにほぼ直線的に上昇する。
【0032】
水温が所定温度(本例では58℃)にまで達すると、洗い運転は終了され、洗浄兼排水ポンプ10は排水ポンプとして機能するように駆動され、貯水槽6の排水口8から吸引した水を排水ホース11へと吐出する。
【0033】
次いですすぎ行程が実行される(ステップS2)。具体的には、洗い行程時と同様に給水弁12が開放されて、すすぎのための清浄な水が新たに洗浄庫2に導入される。このときにはヒータ15は作動していないが、余熱によって洗浄庫2内に導入された水は温水となる。そして、洗浄運転時と同様に洗浄兼排水ポンプ10は洗浄ポンプとして機能するように駆動され、1分程度のすすぎ運転が実行され、その後、洗浄庫2内の水は排出される。この例ではこのようなすすぎを3回繰り返す(ステップS2a、2b、2c)。
【0034】
その後、最終すすぎとして高温すすぎ行程が実行される(ステップS3)。具体的には、洗い行程及びすすぎ行程時と同様に給水弁12が開放され、清浄な水が新たに洗浄庫2に導入される。給水終了後、洗浄兼排水ポンプ10は洗浄ポンプとして機能するように駆動される。また、ヒータ15は駆動され、貯留された水の温度は運転の継続に伴い上昇する。水温が所定温度(本例では70℃)に到達すると高温すすぎ運転は終了される。このように熱湯を用いて最終すすぎ行程を行うことにより、食器類の殺菌が行えると共に食器類が温まるので次の乾燥行程時に迅速な乾燥が行える。高温すすぎの後には洗浄庫2底部に残った水を排出し、送風ファン16を回転させて洗浄庫2内へ外気を送り込み、この空気をヒータ15により加熱して食器類を乾燥させる(ステップS4)。
【0035】
上述のようにステップS1の洗い行程及びステップS3の高温すすぎ行程では、洗浄庫2に導入された水がそれぞれ所定温度に上昇するまで加熱しているので、その行程に要する時間は水温や周囲の気温、食器の量などに依存して大きく変動する。他方、それ以外のすすぎ行程及び乾燥行程の所要時間はコース毎に予め定められた固定時間となっている。
【0036】
以下、この食器洗い機における時間表示に関する制御動作を詳細に説明する。図6はこの食器洗い機における時間表示制御のメインルーチンのフローチャート、図7は図6中の残時間判定処理Aのサブルーチンを示すフローチャート、図8は同じく図6中の残時間判定処理Bのサブルーチンを示すフローチャート、図9は図7及び図8中の残時間再校正処理のサブルーチンを示すフローチャートである。また、図13は残時間判定処理Aの中で使用されるテーブルA1及びA2の一例を示す図、図14及び図15は同じく残時間判定処理Aの中で使用されるテーブルB1、B2及びB3の一例を示す図、図16及び図17は残時間判定処理Bの中で使用されるテーブルC1、C2及びC3の一例を示す図である。更に、図18は運転期間中における表示器26の表示の一例を示す図である。なお、図18では点灯を実線、点滅を点線で示している。
【0037】
ここでは、操作パネル20上のコース選択キー23の操作により標準コースが選択された上でスタートキー22が押された場合の時間表示の制御について説明する。また、説明を簡単にするために、給排水に要する時間は無視しており、洗浄運転及び高温すすぎ運転以外の、すすぎ行程及び乾燥行程に要する時間の合計は32分であるものとしている。
【0038】
まず、電源スイッチ21が押され(ステップS10)、コース選択キー23の操作により標準コースが選択されると(ステップS11)、コース毎に予め定められている初期予定所要時間がROM32から読み出されて表示器26に表示される(ステップS12)。この初期予定所要時間は、標準的な水道水の水温、周囲温度、食器の量などを想定して予め実験などにより求められた時間である。標準コースに対する初期予定所要時間は75分であるとすると、表示器26には図18(a)に示すような点灯表示がなされる。使用者はこの表示を見て、運転終了までのおおよその所要時間を知ることができる。
【0039】
使用者によりスタートキー22が押されると(ステップS13)、残時間判定要求フラグF1が「1」にセットされ、残時間再校正要求フラグF2はリセットされる(ステップS14)。また、判定時間を計時するためのタイマ34はリセットされる(ステップS15)。その後、図7に示す残時間判定処理Aが実行される(ステップS16)。
【0040】
すなわち、まずフラグF1が0であるか否かが判定される(ステップS40)。先にフラグF1はセットされているので、次にタイマ34の計時が0であるか否かが判定される(ステップS41)。運転の開始直後には上記ステップS15にてタイマ34はリセットされている(つまりt=0である)ので、次に初期温度T0が既に記憶されているか否かが判定される(ステップS42)。この判定処理は、後述のように一時停止により計時tがリセットされた場合にも、初期温度T0が再記憶されないようにするためである。つまり、この初期温度T0の記憶が運転開始の後に1回のみ実行されるようにしている。
【0041】
運転開始の直後には初期温度T0は記憶されていないので、ステップS42からS44へ進み、その時点での温度センサ35による検知温度がT0としてRAM33に格納される。その後、タイマ34がカウントされ(ステップS45)、表示が点滅に変更される(ステップS46)。これにより、図18(b)に示すように、先に表示されていた「75」という数字が点滅表示に変わる。この時点ではタイマ34は1分に到達していないので、ステップS47→S49→S51→S52と進み、スタートキー22が再度押されて一時停止が指示されたか否かが判定される。一時停止の指示があった場合にはタイマ34はリセットされ(ステップS53)、一時停止の指示がない場合にはそのままメインルーチンに戻り、洗い運転に必要な各種処理が実行される(ステップS17)。そして、洗い運転が終了したか否かが判定され(ステップS18)、終了したと判定されるまではステップS16へ戻る。
【0042】
タイマ34の計時開始から1分が経過するまでは、ステップS42からS45へ進むことを除いて上記残時間判定処理Aのサブルーチンが繰り返し実行される。タイマ34の計時開始からちょうど1分が経過すると、ステップS47にてタイマ34の計時が1分であると判定され、その時点での温度センサ35による検知温度がT1としてRAM33に格納される(ステップS48)。その後、上述のようにステップS49→S51→S52と進む。更に、タイマ34の計時開始からちょうど2分が経過すると、ステップS49にてタイマ34の計時が2分であると判定され、その時点での温度センサ35による検知温度がT2としてRAM33に格納される(ステップS50)。
【0043】
洗い運転が進行してタイマ34の計時開始から2分50秒が経過すると、ステップS51→S54→S55と進み、それまで初期予定所要時間(ここでは75分)の点滅表示であったものが、〔−−〕なる記号の点滅表示に変更される(図18(c)参照)。そして、ステップS55から上記ステップS52へと進む。
【0044】
更に運転が進行してタイマ34の計時開始から3分が経過すると、ステップS51→S54→S55→S56と進み、その時点での温度センサ35による検知温度がT3としてRAM33に格納される。そして、約2分前にRAM33に格納されたT1との温度差ΔT(=T3−T1)が計算される(ステップS57)。すなわち、ヒータ15の加熱により水温が図10中の曲線L2に示す如く上昇するとき、タイマ34の計時開始から0分経過時の温度T0と、1分経過時の温度T1と、2分経過時の温度T2と、3分経過時の温度T3と、そして温度差ΔTとが取得される。
【0045】
次いで、ROM32に予め格納されているテーブルを参照して、温度T0、T2及び温度差ΔTから洗い運転及び高温すすぎ運転の予測所要時間を求める(ステップS58)。ここでは、図13〜図15に示したテーブルA1、A2、B1、B2、B3が利用される。図13に示すように、洗い運転の予測所要時間を算出するには、パラメータとして温度T2と温度差ΔTとが用いられる。一方、図14及び図15に示すように、高温すすぎ運転の予測所要時間を算出するには、パラメータとして温度T0と温度差ΔTとが用いられる。すなわち、温度差ΔTは両者に共通に利用されるが、もう一つのパラメータは異なる経過時点における検知温度が利用される。その理由は次の通りである。
【0046】
既述の図5に示した温度変化は、初めに洗浄庫2内に給水がなされた際に、洗浄庫2の内壁等の温度はほぼ周囲温度(常温)になっているということが前提である。一般家庭における通常の使用方法では、このような前提は適切である。しかしながら、例えばこの食器洗い機を連続的に繰り返し使用した場合には、上記前提が成り立たない。すなわち、洗い行程の給水時において、洗浄庫2の内壁はその直前の乾燥行程における加熱によって十分に温められており、たとえ低温の水が給水されたとしても、余熱によって給水された水の温度が上昇する。図11はこのような場合の全行程実行中の温度変化を示すグラフであり、曲線L3がその変化を示している。また、図12は図11中の運転開始初期における拡大図である。
【0047】
図11に示すように、洗い行程において、検知温度は約20℃の水温を有する水の給水が終了した時点でほぼその水温と同程度まで下降するが、洗浄兼排水ポンプ10が駆動されてノズル5からの水の噴射が始まると、噴射された水と洗浄庫2内の高温の空気とが攪拌され、更に洗浄庫2の内壁に接触した水が流下する際に熱せられ、急激にその温度が上昇する。図12に示すように、その温度上昇は水の噴射開始から1分の間に極めて急峻であり、1分を経過するとほぼ落ち着いてヒータ15の加熱による温度上昇に依存する。洗い運転時には、このように洗浄庫2の余熱による初期の水温の上昇の影響で、その運転所要時間が短くなるから、予測所要時間を算出する際にもこのような水温上昇を考慮する必要がある。洗い運転の開始から2分が経過した時点では上記余熱による急激な水温上昇は収まっているから、この2分経過時の水温T2を初期水温のパラメータとすることによって、余熱による水温上昇の影響が予測所要時間に反映されるようにしている。
【0048】
一方、図11に示すように、高温すすぎ行程期間中の水温上昇は上記余熱の影響を全く受けない。したがって、高温すすぎ行程の予測所要時間の算出には、余熱の影響を受けていない初期水温が必要である。そこで、この高温すすぎ行程の予測所要時間を算出する際には、T1やT2ではなく、初期水温T0が用いられる。
【0049】
このようにして得られた2つの予測所要時間とそれ以外の固定の所要時間(ここでは32分)を加算することにより残時間が計算される(ステップS59)。例えば、温度T0が18℃、T2が22℃、温度差ΔTが5℃であった場合には、洗い運転時の予測所要時間と高温すすすぎ運転時の予測所要時間はそれぞれテーブルA1、B1から15分及び25分と求まるから、残時間は72分となる。そして、フラグF1がリセットされた(ステップS60)後に、図18(d)に示す如く、算出された残時間が表示器26に点灯表示される(ステップS61)。
【0050】
但し、上記テーブルでは水温が非常に高い場合に所要時間が非常に短くなっているが、実際には水の温度がいくら高くても或る程度の時間、運転を継続しないと十分な洗浄性能が得られない。そこで、本例では、洗い運転の最短運転時間は9分、高温すすぎ運転の最短運転時間は5分と決められており、テーブルから算出された所要時間がこの値よりも短い場合であっても、上記各最短運転時間が予測所要時間として残時間が計算される。
【0051】
而して、洗い運転の開始から3分が経過した時点で正確な残時間が表示される。最初の3分が経過するまでの始めの2分50秒間は初期予定所要時間が点滅表示となっているので、使用者はこの数値がおおよその値であることを認識することができ、次の10秒間は〔−−〕なる記号の点滅表示になっているので残時間判定中であることを認識することができる。したがって、例えば当初の表示時間が75分であって、3分経過時点で69分や78分などという不連続な表示に切り替わっても使用者が混乱をきたすことがない。
【0052】
洗い運転開始から3分経過以降はフラグF1が「0」になっているので、ステップS16の残時間判定処理Aが実行されるとステップS40からS100へと進み、残時間再校正処理が実行され、その後メインルーチンに戻る。
【0053】
残時間再校正処理は、主として、運転途中で一時停止が実行された際に残時間表示がずれることを防止することを目的としている。運転中は、スタートキー22は一時停止キーとして機能するから、このキーが押されると制御部30は、その時点で運転を一時中断する。この運転中断中は、残時間の減算も当然中止する。また、一時停止中にスタートキー22が押されると、制御部30は先の一時停止直前の状態に復帰して運転を再開する。使用者が一時停止の操作を行う場合、一旦ドア3が開閉されることが多く、洗浄庫2内に冷たい外気が流入して庫内温度が下がる。またドア3が開閉されないまでも、一時停止中にはヒータ15も遮断されるため、貯留されている水の温度が若干低下する。こうしたことから、運転再開から運転終了までの所要時間は計算されたものより長くなる傾向にある。そこで、この残時間再校正処理においては、一時停止の後の運転再開時に再度水温を検知して残時間の再計算を行うようしている。
【0054】
すなわち、図9に示すように、まず残時間再校正要求フラグF2が1であるか否かが判定される(ステップS101)。上記ステップS14でF2はリセットされているので、F2は1ではないと判定され、次に一時停止実行後の運転再開直後であるか否かが判定される(ステップS102)。運転が連続的に行われている場合には、ステップS102からS111へと進み、残時間が減算され、残時間が1分減る毎に表示器26の数値が1ずつ減じられる(ステップS112)。つまり、一時停止の行われない通常の運転時には、ステップS101→S102→S111→S112の繰り返しによって、残時間表示が減ってゆく。
【0055】
ステップS103にて一時停止実行後の運転再開直後であると判定されると、タイマ34の計時がリセットされ(ステップS103)、残時間再校正要求フラグF2が「1」にセットされる(ステップS104)。そして、タイマ34がカウントされ(ステップS105)、表示が点滅に変更される(ステップ106)。これにより、その時点で表示器26に表示されている残時間の数値が点滅表示に変わるので、使用者はこの表示を見て残時間の再校正処理中であることを認識することができる。
【0056】
次いで、タイマ34の計時が2秒に達したか否かが判定され(ステップS107)、2秒に達するまではそのままメインルーチンに戻る。ステップS105にてタイマ34のカウントが開始され、その計時が2秒に達するまでの間は、再びこの残時間再校正処理が実行されると、ステップS101→S104→S105→S106→S107と進む処理が繰り返される。ここで、2秒間待つことによって、洗浄庫2内の空気と水との温度が馴染んで、より的確な水温検知が行える。
【0057】
タイマ34の計時開始からちょうど2秒が経過すると、ステップS107からS108へと進み、その時点での温度センサ35による検知温度がT2’としてRAM33に格納される。そして、上述のテーブルA1及びA2を参照して、温度T2’と既にRAM33に格納されているΔTとから予測所要時間を算出し(但し、この場合上記テーブルのパラメータであるT2をT2’と読み替える)、この洗い運転の予測所要時間と先に算出された高温すすぎ運転の予測所要時間と固定時間とを加算して残時間を求める(ステップ109)。その後、点滅表示になっている数値に代えて新たに算出した残時間を表示させ、残時間再校正要求フラグF2をリセットする(ステップS110)。
【0058】
このような処理により、一時停止が実行された場合、その運転開始直後に残時間の表示が修正される。したがって、一時停止によって水温が低下し運転時間が延びても、それに応じた残時間を表示することができる。
【0059】
図6に戻って説明を続けると、洗い運転が終了した後(ステップS18で「Y」)、洗い運転に使用された水が排水され、更にステップS20、S21、S22、S23の処理の繰返しにより、すすぎ運転が遂行されつつ残時間表示が1分ずつ減じられてゆく。予め定められたすすぎ運転時間が経過しすすぎ運転が終了すると(ステップS23で「Y」)、残時間判定要求フラグF1は「1」にセットされ(ステップS24)、判定時間を計時するタイマ24がリセットされる(ステップS25)。そして残時間判定処理Bが実行される(ステップS26)。
【0060】
残時間判定処理Bは残時間判定処理Aと酷似しているが、残時間判定処理AにおけるステップS41、S42、S44、S46に相当する処理が存在しない点、ステップS74及びS75が追加されている点、ステップS54及びS58に相当するステップS83及びS87の処理内容が残時間判定処理Aとは相違している。すなわち、この残時間判定処理Bでは、ステップS74→S75なる処理により残時間は継続して減算され、1分毎に表示は更新される。そして、高温すすぎ運転が開始されてから2分50秒が経過すると、ステップS83の処理によりその時点での表示が点滅に変わる(図18(e)参照)。
【0061】
更に時間が進んでタイマ34が3分に到達するとステップS84からS85へ進み、その時点での温度センサ35による検知温度がT3としてRAM33に格納される。そして、約2分前にRAM33に格納されたT1との差ΔT(=T3−T1)が計算される(ステップS86)。ステップS79にてRAM33に格納された温度T2及び温度差ΔTから高温すすぎ運転の予測所要時間が算出されるが、このときには先のテーブルB1〜B3ではなく、C1〜C3が参照される。残時間判定処理Aでは高温すすぎの予測所要時間の算出にはT0が使用されたが、ここでは2分経過後の温度T2を用いている。
【0062】
このようにして得た高温すすぎ運転の予測所要時間と残りの固定時間(ここでは乾燥行程の時間である20分)を加算することにより残時間が計算される(ステップS88)。フラグF1がリセットされた(ステップS89)後、そのようにして算出された残時間が表示器26に点灯表示される(ステップS90)。而して、高温すすぎ運転の開始から3分が経過した時点で、残時間はより正確な値に修正される。この表示の更新前の10秒間はそれ以前に表示されていた残時間の点滅表示になっているので、使用者は残時間判定中であることを認識することができ、3分経過時点で数字が2分以上減ったり又は増加したりしても混乱をきたすことがない。
【0063】
高温すすぎ運転開始から3分経過以降はフラグF1が0になっているので、ステップS26の残時間判定処理Bが実行されるとステップS70からS100へと進み、上述の如く残時間再校正処理が実行され、一時停止があった場合にはその運転再開後に残時間の修正がなされ、一時停止がない場合には、残時間が1分減る毎に表示器26の数値が1ずつ減じられる。
【0064】
高温すすぎ運転処理が行われ(ステップS27)、その終了10秒前に達すると(ステップS28で「Y」)、ステップS29の処理により表示器26は点滅表示に変更され(図18(g)参照)、高温すすぎ運転が終了すると(ステップS30で「Y」)、予め決まっている乾燥運転の所要時間がステップS31の処理により点灯表示される(図18(h)参照)。高温すすぎ運転の最後の10秒間は実際に残時間の判定を行っているわけではないが、高温すすぎ運転が終了して乾燥運転に移行する時点で残時間の表示が不連続になる可能性があるため、一時的に点滅表示にすると使用者の混乱が回避できる。
【0065】
その後は、乾燥運転の処理を行いつつ1分が経過する毎に表示器26の残時間を減じてゆき(ステップS32、S33、S34)、乾燥運転が終了したならば(ステップS35で「Y」)、ブザー36を鳴動させ(ステップS36)、更に電源を自動的に遮断して(ステップS37)全ての行程を終了する。
【0066】
上記説明は標準コースが選択された場合の制御であるが、他のスピーディコースやキンコロコースに対しては他の初期予定所要時間と他のテーブルA1、A2、B1〜B3、C1〜C3が設定され、上述と同様の手順で残時間の表示制御が実行される。
【0067】
また、上記実施例では、残時間判定処理Bにおいて実際に水温を測定することによりT1、T2及びT3を求めていたが、残時間判定処理Aと残時間判定処理Bとを実行するときに食器の量や周囲温度などが変化しないものと看做せば、温度上昇度(つまりΔT)は同一であるとすることができる。したがって、残時間判定処理Bにおいては2分経過時の温度T2のみを検知し、ΔTとしては先の残時間判定処理Aの際に求めた値を用い、テーブルC1〜C3を参照して予測所要時間を求めてもよい。
【0068】
また、上記実施例ではテーブルを参照して洗い運転時と高温すすぎ運転時との予測所要時間を求めていたが、テーブルを用いることなく近似計算式でもって所要時間を算出するようにすることもできる。例えば、上述の例では、残時間判定処理Aの時点では次の式により洗い運転の所要時間を得ることができる。
所要時間(分)=(58−T2)×2/(T3−T1) …(1)
また、同じく残時間判定処理Aの時点では次の式により高温すすぎ運転の所要時間を得ることができる。
所要時間(分)=(70−T0)×2/(T3−T1) …(2)
但し、上記(1)(2)式ともに、算出結果が3以下である場合には、所要時間を3分とする。
【0069】
また、上記(1)(2)式による近似は水温が直線的に上昇すると看做しているが、厳密には水温は上昇に伴いその上昇率がなだらかになる。そこで、そのような上昇率の変化を補正する演算処理を加えたり、或いはそのような変化を含めて高次の式でもって近似するようにしてもよい。
【0070】
なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜修正や変更を行なえることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による食器洗い機の全体構成を示す側面断面図。
【図2】 本実施例の食器洗い機の操作パネルの平面図。
【図3】 本実施例の食器洗い機の電気系構成図。
【図4】 本実施例の食器洗い機における全運転行程の流れを示すフローチャート。
【図5】 全行程における温度センサによる水温の検知を説明するためのグラフ。
【図6】 本実施例による食器洗い機における時間表示制御のメインルーチンのフローチャート、
【図7】 図6中の残時間判定処理Aのサブルーチンを示すフローチャート。
【図8】 図6中の残時間判定処理Bのサブルーチンを示すフローチャート。
【図9】 図7及び図8中の残時間再校正処理のサブルーチンを示すフローチャート。
【図10】 加熱開始時の温度上昇曲線を示すグラフ。
【図11】 洗い給水時に余熱を有する場合の、全行程における温度センサによる水温の変化を示すグラフ。
【図12】 図11中の運転開始初期の拡大図。
【図13】 残時間判定処理Aの中で使用されるテーブルA1及びA2の一例を示す図。
【図14】 残時間判定処理Aの中で使用されるテーブルB1及びB2の一例を示す図。
【図15】 残時間判定処理Aの中で使用されるテーブルB3の一例を示す図。
【図16】 残時間判定処理Bの中で使用されるテーブルC1及びC2の一例を示す図。
【図17】 残時間判定処理Bの中で使用されるテーブルC3の一例を示す図。
【図18】 運転期間中における表示器の表示の一例を示す図。
【符号の説明】
2…洗浄庫 5…ノズル
6…貯水槽 10…洗浄兼排水ポンプ
12…給水弁
20…操作パネル
21…電源スイッチ 22…スタートキー
23…コース選択キー 26…表示器
30…制御部
31…CPU 32…ROM
33…RAM 34…タイマ
35…温度センサ 36…ブザー
37…負荷駆動部

Claims (6)

  1. 外部から供給された水を洗浄庫内底部に貯留し、その水をノズルから噴射して洗浄庫内に収容された食器類を洗浄する食器洗い機であって、洗い行程と少なくとも一回の高温すすぎ行程とにおいては貯留した水を加熱手段により加熱する食器洗い機において、
    a)洗浄庫内の水の温度を検知する温度検知手段と、
    b)洗い行程の初期段階において、前記ノズルからの水の噴射が始まり且つ前記温度検知手段により加熱開始から所定時間経過時の水温であって前記洗浄庫が余熱を有している場合にこの余熱の影響を受けた水温を検知すると共に前記加熱手段による加熱開始後の水温の上昇度合を求め、該水温及び水温上昇に基づいて洗い行程の所要時間を推定する第1の時間推定手段と、
    c)洗い行程の初期段階において、前記所定時間経過時より前の前記温度検知手段により給水が終了する前後の時点の前記余熱の影響を殆ど受けていない初期水温を検知すると共に前記加熱手段による加熱開始後の水温の上昇度合を求め、該初期水温及び水温上昇に基づいて高温すすぎ行程の所要時間を推定する第2の時間推定手段と、
    d)前記第1の時間推定手段によって推定された洗い行程の所要時間と第2の時間推定手段によって推定された高温すすぎ行程の所要時間とを含む全行程終了までの所要時間を算出する残時間算出手段と、
    e)該残時間算出手段により得られた全行程終了までの所要時間を、洗い行程から運転の進行に伴い減少させつつ表示する時間表示手段と、
    を備えることを特徴とする食器洗い機。
  2. 前記第2の時間推定手段は、高温すすぎ行程の初期段階において前記温度検知手段により検知された水温及び水温上昇に基づいて、該高温すすぎ行程の所要時間を再度推定し、前記残時間算出手段はその所要時間を含む全行程終了までの所要時間を算出し、前記時間表示手段はその時点で表示の修正を行うことを特徴とする請求項1に記載の食器洗い機。
  3. 前記第2の時間推定手段は、高温すすぎ行程の初期段階において所要時間を再度推定する際に、洗い行程の初期段階に検知された水温上昇を用いて高温すすぎ行程の所要時間を再度推定することを特徴とする請求項2に記載の食器洗い機。
  4. 洗い行程及び高温すすぎ行程の運転中に一時停止が実行され、その後に運転が再開された場合に、前記第1又は第2の時間推定手段は、前記温度検知手段により水温を検知し、その水温と既に得られている水温上昇とに基づいて当該行程の所要時間を再度推定し、前記残時間算出手段はその所要時間を含む全行程終了までの所要時間を算出し、前記時間表示手段はその時点で表示の修正を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の食器洗い機。
  5. 外部から供給された水を洗浄庫内の底部に貯留し、その水をノズルから噴射して洗浄庫内に収容された食器類を洗浄する食器洗い機であって、洗い行程と複数回のすすぎ行程のうちの少なくとも一回の行程において貯留した水を加熱手段により加熱する食器洗い機において、
    a)洗浄庫内の水の温度を検知する温度検知手段と、
    b)前記加熱手段を利用する行程の初期段階において前記温度検知手段により検知された水温に基づいて該行程の所要時間を推定すると共に、当該行程の運転中に一時停止が実行されその後に運転が一時停止の直前の状態に復帰して再開された場合に、前記温度検知手段により水温を再度検知し、その水温に基づいてその行程の所要時間を再度算出する時間推定手段と、
    c)該時間推定手段により得られた所要時間を含む全行程終了までの所要時間を前記初期段階と前記運転再開時とに算出する残時間算出手段と、
    d)該残時間算出手段により得られた所要時間を運転の経過に伴い減少させつつ表示する時間表示手段と、
    を備え、前記一時停止後の運転再開時には、前記初期段階に算出し表示した全行程終了 までの所要時間を運転再開時に算出した全行程終了までの所要時間に修正して表示することを特徴とする食器洗い機。
  6. 前記時間推定手段は、加熱手段を利用する行程の初期段階において前記温度検知手段により初期水温を検知すると共に加熱開始後の水温の上昇度合を求め、該初期水温及び水温上昇に基づいて該行程の所要時間を推定すると共に、当該行程の運転中に一時停止が実行されその後に運転が再開された場合に、前記温度検知手段により水温を検知し、その水温と先の水温上昇とに基づいてその行程の所要時間を再度算出することを特徴とする請求項5に記載の食器洗い機。
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