JP3675779B2 - 有機elディスプレイ素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイに関するもので、特に、有機ELディスプレイ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フールカラー有機ELディスプレイの製造において、R、G、B画素を形成する方法のうち、最も発光効率が改善できる方法として図1aのようにマスクを用いる方法がある。
図1aないし図1dは画素アレイ方式によるフールカラー有機ELディスプレイ及び従来のマスクを示した図面である。
【0003】
図1aに示すように、透明基板1上にITOストリップ2を形成し、絶縁膜3の上に陰極ストリップの間を分離するために隔壁7を形成する。
また、マスク6を用いて、R、G、Bの共通発光層5及びR、G、Bそれぞれの有機発光層(5−1,5−2,5−3)を該当画素各々に形成する。
また、全面に陰極を形成する。
【0004】
前記のようにマスクを用いて有機発光層を形成する方法には画素のアレイ方式によって図1bのようにストリップ方法と、図1cのようにデルタ方法と、図1dのR発光効率を補完するためにR画素の面積をG又はBより大きく形成したアレイ方法がある。
【0005】
前記三つの画素アレイの方法のうち、開口率やITOストリップ(陽極)抵抗の点からストリップ状アレイ方法が最も優れている。即ち、ITOがストリップ条に形成されているので、抵抗が少なくて小さい駆動電圧でも駆動できるという長所がある。
【0006】
この図1bの方式の問題点はマスク6のホールをストリップ状、すなわち帯状に作らなければならないことである。このようにマスクのホールをストリップ状に形成すると、外部引長力に対するマスク6の変形及びマスク6の垂れの現象が深刻になって有機発光層の蒸着時に希望の画素領域にだけ蒸着されず色広がりが激しくなる。
【0007】
図1bのようなストリップ状の画素アレイ構造を有していて、なおかつマスクの変形及び垂れ現象を除去するための方法は図2のように交替にマスクホールを穿孔させたマスクを用いるものである。
【0008】
図2aないし図2dは従来のマスクの構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層の蒸着工程図である。
しかしながら、この方法はR、G、B一つのカラーを示す有機発光層を2回に亘って形成しなければならないので全体で6回の位置合わせを行い、6回の蒸着を実施しなければならないという短所がある。
即ち、R、G、B有機発光層を形成するにあたって図1b、図1c、図1dのマスク6を用いる場合、マスクを3回位置合わせして3回蒸着すればよいが、図2に示すマスクを用いる場合、6回蒸着しなければならないという短所がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためのもので、フールカラー有機ELディスプレイの製作時用いられるマスクの構造を改善することでマスクパターンの変形を防止して発光効率の高いフールカラー有機ELディスプレイ及びその製造方法を提供することが目的である。
【0010】
また、フールカラー有機ELディスプレイの画素アレイ方法のうち、ストリップ状を採択することにおいて、ストリップ状の長いホールに所定個数のブリッジを形成することで引長力に対する変形及び垂れが防止できるマスクの構造を導入して開口率が高く駆動電圧が低いフールカラー素子の有機ELディスプレイ及び製造方法を提供することが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一実施態様によると、基板と、前記基板上に形成される第1電極と、前記第1電極上に形成される絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成される隔壁と、前記絶縁膜上に形成される有機発光層と、前記有機発光層上に形成される第2電極とを有する有機EL表示装置であって、有機発光層をブリッジを備えたストリップホールを有するマスクを用いて形成させたことを特徴とする。
【0012】
前記ブリッジは前記マスクと同一な厚さでマスクと面一に形成することが望ましく、かつブリッジはマスクと異なる厚さでホールを横断して両端部をマスクに載せて形成してもよい。また、ブリッジはマスクの厚さより厚いものを使用し、その両端部を薄くして中央部をホールに入れると共に両端をマスク表面に載せて形成してもよい。
【0013】
ブリッジの幅と厚さは1〜1000μmであることが望ましく、ブリッジは薄膜メタルを用いて形成することが望ましい。
【0014】
前記ホールはストリップ状であることが望ましい。
【0015】
有機発光層はR、G、B共通有機発光層とR、G、B各々の有機発光層からなるか、或いはR、G、B各々の有機発光層と各有機発光層ごとに形成されているR、G、B共通有機発光層からなっていることが望ましい。
【0016】
上記目的を達成するための本発明の他の一実施態様によると、基板上に第1電極パターンを形成する段階と、ホールにブリッジを形成させたマスクを位置合わせさせて少なくとも一つの有機発光層を形成する段階と、有機発光層上に第1電極パターンと垂直方向に第2電極パターンを形成する段階とを含むことを特徴とする。
【0017】
マスクを3回位置合わせさせてR、G、B各有機発光層が交替に列方向に配列されるように形成することが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
【0019】
図3aないし図3dは本発明によるマスクの構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層の蒸着工程図である。
図3aを参照すると、透明基板10上に透明電極物質で第1電極20を形成する。基板にはTFTが形成されている。第1電極20の抵抗を減らすために補助電極を用いることもできる。
【0020】
補助電極に用いられる物質は第1電極20より相対的に抵抗が小さい金属が用いられる。例えば、Cr、Al、Cu、W、Au、Ni、Agなどである。
第1電極20上に絶縁膜30を形成する。絶縁膜30として用いられる物質は無機物、有機物を問わず絶縁体であれば良い。
【0021】
絶縁膜30上に第2電極(図示せず)の間を絶縁するために隔壁70を形成する。
透明基板10上に第1電極20と図示しない第2電極が交差する領域であるそれぞれの画素形成領域にR、G、B共通有機発光層とR、G、B各々の有機発光層を形成する。そのために本実施形態は図4に示すようなマスク60を用いる。
【0022】
図4は本発明によるマスク60の平面図である。このマスク60は多数の平行なストリップ状のホールを有するが、それぞれのホールは複数のブリッジ60−1が横断している。すなわち、一定間隔でブリッジ60−1を設けたホールを形成させている。このように、細長いホールを一つのものとせずに間をブリッジ60−1で仕切ってマスクに強度を持たせ、ホールの変形を防いでいる。見方によっては複数のホールをブリッジ60−1を間において多数並べたものを並列に多数配置した形状となっている。
【0023】
図6は画素ごとに一つのブリッジ60−1をストリップ状のホール間に形成したマスク60を用いてR、G、Bそれぞれの層を形成させる状態を示している。このように、画素ごとにブリッジ60−1で仕切られたホールとすることが望ましいが、ブリッジ60−1は必ずしも画素と画素との間に作る必要はなく、2画素当たり一つ、又は3画素当たり一つ程度にブリッジ60−1を形成させてマスク60のホールの変形を防ぐようにしてもよい。
【0024】
図5aないし図5cは前記図4のマスクのAの部分の詳細図である。ブリッジ60−1の形態は、図5aに示すように、マスク60の厚さでマスクの面と面一に形成したり、図5bに示すように、マスク60と異なる厚さでマスクの表面の上形成したり、図5cに示すように、マスク60より厚い部材でその両端を薄くして厚い中央部がホールに入り薄い両端部がマスク面の上に載るように形成される。
【0025】
マスク60はストリップ状のホールを先ず形成した後、薄膜メタルを用いて、ホールを横切るブリッジ60−1を形成する。
本マスクを用いて発光層を形成させるには、まず、発光領域全体を蒸着させることができるブランクマスクを用いて、第1電極20、絶縁膜30、隔壁70を形成させた透明基板10上にR、G、B共通発光層を一度に蒸着させる。
続けて詳述した実施形態のマスク60を3回位置合わせさせてR、G、B各々の有機発光層が交互に列方向に配列されるようにそれぞれの画素にR、G、B有機発光層を形成する。
【0026】
勿論、R、G、B共通発光層を発光領域全体に蒸着させることなく、マスク60を用いてR、G、B各画素に直接形成することもできる。
その後、他のマスクを用いて陰極物質(Mg−Ag合金、Al、又は他の導電性物質)層を形成して第2電極を形成する。
第2電極上に保護膜層(酸素吸着層、水分吸着層、防湿層など)を形成して封止する。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、次のような効果がある。
前記フールカラー有機ELディスプレイを作るにあたって、開口率及び第2電極の抵抗面で有利なストリップ状の画素アレイ方式を採択するにあたって、ストリップ状のホールにブリッジを備えたマスクを形成してあるので、マスクの引長力に対する変形及び垂れを防止することができる。
【0028】
以上本発明の好適な一実施形態に対して説明したが、本実施形態のものに限定されるわけではなく、本発明の技術思想に基づいて種々の変形可能できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1a】画素アレイ方式によるフールカラー有機ELディスプレイ及び従来のマスクを示した図である。
【図1b】画素アレイ方式によるフールカラー有機ELディスプレイ及び従来のマスクを示した図である。
【図1c】画素アレイ方式によるフールカラー有機ELディスプレイ及び従来のマスクを示した図である。
【図1d】画素アレイ方式によるフールカラー有機ELディスプレイ及び従来のマスクを示した図である。
【図2a】従来のマスク構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層蒸着工程図である。
【図2b】従来のマスク構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層蒸着工程図である。
【図2c】従来のマスク構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層蒸着工程図である。
【図2d】従来のマスク構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層蒸着工程図である。
【図3a】本発明によるマスク構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層蒸着工程図である。
【図3b】本発明によるマスク構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層蒸着工程図である。
【図3c】本発明によるマスク構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層蒸着工程図である。
【図3d】本発明によるマスク構造を用いたフールカラー有機ELディスプレイの有機発光層蒸着工程図である。
【図4】本発明によるマスクの平面図である。
【図5】前記図4のマスクの“A”部分の詳細図である。
【符号の説明】
10 透明基板 20 第1電極
30 絶縁膜 60 マスク
60−1 ブリッジ 70 隔壁

Claims (3)

  1. 基板上に第1電極パターンを形成する段階と、
    高い開口率と高い輝度を得るとともに、変形を防止できるように2つまたは3つのピクセル領域毎に形成したストリップホールと、隣接したホールの間に形成したブリッジとを有するマスクを前記第1電極パターンが形成された基板上部に整列する段階と、
    前記整列されたマスクを用いて前記第1電極パターン上のピクセル領域に少なくとも一つの有機発光層を形成する段階と、
    前記有機発光層上に前記第1電極パターンと垂直方向に第2電極パターンを形成する段階と
    を含んでなることを特徴とする有機ELディスプレイ素子の製造方法。
  2. 前記マスクを3回位置合わせさせてR、G、B各有機発光層が交替に列方向に配列されるように形成することを特徴とする請求項に記載の有機ELディスプレイ素子の製造方法。
  3. 前記基板はTFTが形成された基板であることを特徴とする請求項に記載の有機ELディスプレイ素子の製造方法。
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