JPH0824034B2 - シヤドウマスク式カラー陰極線管 - Google Patents

シヤドウマスク式カラー陰極線管

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JPH0824034B2
JPH0824034B2 JP1018410A JP1841089A JPH0824034B2 JP H0824034 B2 JPH0824034 B2 JP H0824034B2 JP 1018410 A JP1018410 A JP 1018410A JP 1841089 A JP1841089 A JP 1841089A JP H0824034 B2 JPH0824034 B2 JP H0824034B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/02Electrodes; Screens; Mounting, supporting, spacing or insulating thereof
    • H01J29/06Screens for shielding; Masks interposed in the electron stream
    • H01J29/07Shadow masks for colour television tubes
    • H01J29/076Shadow masks for colour television tubes characterised by the shape or distribution of beam-passing apertures

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はモアレの出にくいシヤドウマスク構造を有
するシヤドウマスク式カラー陰極線管に関する。
〔従来の技術〕
シヤドウマスク式カラー陰極線管は、無数の規則正し
い蛍光体ストライプを有する蛍光面と、電子銃と、無数
の規則正しい電子ビーム通過孔(以下、単に「孔」とい
う)を有するシヤドウマスクからなる。シヤドウマスク
は蛍光面にほぼ平行にこれに近接して電子銃側に配置さ
れている。
電子銃を出発した電子ビームは、その断面内で電流密
度(すなわち刺激密度)は必ずしも一定でなく、通常、
ガウス分布またはそれに近い密度分布を有している。こ
の電子ビームは、電子銃の出口近くのカラー陰極線管の
管体の外部にとりつけられた偏向ヨークで偏向され、蛍
光体ストライプに垂直に等間隔の走査線を画いてシヤド
ウマスクの全面に入射し、さらにその一部はシヤドウマ
スクに設けられた孔を通過して蛍光面に入射し、蛍光体
ストライブを選択的に発光させる。
シヤドウマスクに設けられている孔は、それぞれがほ
ぼ長さが一定の長方形状をなしており、これらの孔が長
手方向にブリツジと呼ばれるほぼ幅が一定の部分を間に
はさんで、蛍光体ストライプに実質的に平行な方向にこ
れに対応して並んで孔列を形成している。このような孔
列は、蛍光体ストライプに対応してほぼ等間隔にシヤド
ウマスク面全面に設けられている孔の長さはほぼ一定な
ので、同一孔列内ではブリツジとブリツジの間隔PSは
ほぼ一定である。
ここで、任意の隣り合う2本の孔列を考えると、その
内の1本の孔列のあるブリツジと、それに隣り合うブリ
ツジとの中間に、この孔列に垂直な垂線を引くと、この
孔列の隣りの孔列のブリツジは上記垂線上に設けられて
いる。すなわち、相となり合う孔列上では、ブリツジは
全部半ピツチPA=Ps/2だけ孔列の方向に規則的にずれ
て配置されている。
このようにシヤドウマスクの孔はすべて孔列の方向に
周期性をもつて規則的に配置されており、これに電子ビ
ームによる走査線が等間隔に配置されるとシヤドウマク
の各孔を通る電子ビーム量が孔ごとに異なり、そのため
各孔に対応する蛍光体の発光量が異なり、全体として見
るとシヤドウマスク孔の孔列の方向の周期(間隔)およ
び走査線間隔のいずれよりも大きい干渉じまによる発光
むらが現われるこれをモアレという。モアレは時として
非常に大きな周期または発光の強弱となり、いちじるし
く画質を損うことがある。さらに詳細に説明するため、
以下、モアレの発生をやや解析的に説明する。
まず、シヤドウマスクのない蛍光面を考え、ここへ入
射する電子ビームによる刺激密度の分布を考える。電子
ビームの蛍光面への入射点を刺激点と称するものとする
と、刺激点は一方向(この方向を「X方向」とする)に
直線状に移動して走査線を形成し、走査線がX方向に垂
直な方向(これを「Y方向」とする)に等間隔に並んで
フイールドを形成し、これが繰返されることによつて蛍
光面上に画像が形成される。
この走査線の走査により、上記シヤドウマスクのない
蛍光面に生じるはずの刺激密度は、電子ビーム電流が一
定であればX方向には各Y値ごとに一定となるが、Y方
向には第9図で示すように、周期性を有する。これを刺
激密度分布TB(Y)とすると、フーリエ級数展開によ
つて、TB(Y)はつぎのように表わすことができる。
ここで、PBは等間隔に配置されている相となる走査
線間隔である。ただし、ここでは、ある1本の走査線を
選んで、その中央をY=0に定め、かつすべての走査線
はその延在方向の中心線に関して対称な刺激密度分布を
有しているとしている。また、係数B0,B1…は静止して
いる電子ビーム断面の刺激密度などから計算される定数
である。
第10図は従来のシヤドウマスク式カラー陰極線管の蛍
光面とその発光部分の周期的なモザイク模様を図解的に
簡略化して示した図である。
同図(a)に示す発光部分(1)はシヤドウマスク
(図示せず)の孔に対応してほぼ長方形状をなし、同一
列内ではシヤドウマスクのブリツジに対応する非発光部
分(2)を介して画面の先に定義したY方向にピツチP
Sで規則正しく配置されている。
発光部(1)と非発光部分(2)の寸法関係は、カラ
ー陰極線管の構造から、周知のように蛍光面と電子銃の
間に配置されたシヤドウマスクの孔の諸元でほぼ決定さ
れ、これが若干拡大投影されて蛍光面上に現われる。し
たがつて、厳密にはシヤドウマスクの諸元そのものでは
ないが、実質的に同等の意味をもつているので、実際に
は蛍光面上で論じられるにもかかわらず、あたかもシヤ
ドウマスク上で論じられるような説明を以下適応するも
のとする。
この方法によれば発光部分(1)はシヤドウマスクの
孔であり、非発光部分(2)は孔と孔の間の非孔部であ
るブリツジである。さらに、ピツチPSは「シヤドウマ
スクのY方向に並んだ孔列のブリツジ間隔である」とい
うことになる。
さて、第10(a)図に示した蛍光面上のモザイク模
様、つまりシヤドウマスク孔の模様は、このようにY方
向に並んだ発光部分(1)の列が、ほぼ平行に多数規則
正しく配列されたものから構成されるが、一般に相とな
る列はブリツジ(2)の位置がY方向に互に他を2等分
するように設けられている。
シヤドウマスクは、このように発光部分(1)とブリ
ツジ(2)とが交互に配列されている。シヤドウマスク
面に一定の電子エネルギ(刺激密度)で電子ビームが射
突すると、その一部が孔を通過して蛍光面を発光させ
る。この時、蛍光面のある点の発光輝度(これはその点
に対応するシヤドウマスク通過率にほぼ相当する)を、
蛍光面のその点の発光効率なる言葉で表現すると、各Y
値に対して発光効率をシヤドウマスク孔の列間隔より充
分広いX幅にわたつて平均化したそのY値における平均
発光効率とでもいうべきものが考えられる。
図から明らかなように、この平均発光効率は、同一列
の相となるブリツジ間隔PSの1/2(以下、これを「P
A」とする)の周期関数である。これをTA(Y)とする
と、TA(Y)をフーリエ展開すると ただし、ここでY座標は先の[1]式の場合に定めた
ものを用いるものとする。
さて、走査線で蛍光面が刺激を受け、蛍光面の各点が
発光するが、あるY値に対して発光輝度を、シヤドウマ
スクの孔の列間隔より充分広いX幅にわたつて平均化し
たものを、そのY値における平均輝度とし、L(Y)で
表わすと、L(Y)は[1]式で表わされたシヤドウマ
スクのないときの刺激密度分布TB(Y)と[2]式で
表わされたシヤドウマスクあるために規定される平均発
光効率TA(Y)との積で表わされる。すなわち、 [3]式において、第1項は蛍光面の平均輝度、第2項
の蛍光面の発光部分の分布、つまり(シヤドウマスクの
孔分布)の模様そのものであり、第3項は走査線の模様
そのものをそれぞれ表わす。
また、第4項はさらにつぎのように変形できる。
[4]式における が含まれる2つの周期関数項は、シヤドウマスクの孔分
布の模様、および走査線の模様のいずれよりも小さい空
間周期(ピツチ)の関数であるため、問題にならない
が、 が含まれる2つの周期関数項は、非常に大きなピツチに
なる可能性のある周期関数であり、ピツチと振幅とによ
つては肉眼ではつきりわかるX方向に延在する大きなし
ま模様になつて、非常に見苦しいものとなる。
この模様をモアレ模様と称する。なお、[2],
[3]式における説明では、TA(Y),L(Y)などは
Xの相当大きい区間にわたつての平均値であるとした
が、第9図から明らかなように、従来から主として用い
られるシヤドウマスクにあつては、実際に、シヤドウマ
スクの孔列のうち2列を考えれば充分である。同じ状態
がX方向にシヤドウマスクの2列の孔列間隔でX方向に
繰り返される結果、X方向に延在するしま模様に見え
る。
つぎに、上記[4]式中のモアレの問題項は、つぎの
ように変形できる。
ただし、 すなわち、光の強弱の振幅がαmBn/2、 ピツチがPAPB/(mPB−nPA) …[7] である。
この模様は、mとnの値によつて異なり、(m,n)が
定められたとき、1つ定まる。そこで、ある(m,n)の
組に対応するモアレ模様をモード(m,n)のモアレと称
することとする。
通常、αm,Bnの値は、m=1〜5,n=1〜5の範囲で
問題となるが、通常、m,nは大きくなるのにともなつ
て、αm,Bnは小さくなるので、m+n≦6の範囲で、m,
nのすべての組合わせを問題にすれば充分である。すな
わち、一般のカラー陰極線管装置にあつては、これらの
モードの目立たないような設計がなされるべきである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のモアレを目立たなくする設計には、2つの重要
着眼点があるけれども、それぞれにつぎのような問題点
がある。
まず、第1の着眼点は、モアレのピツチをなるべく小
さくして目立たないように、第10図におけるシヤドウマ
スクのブリツジ(2)の間隔を定めることである。すな
わち、モアレのピツチはPA/PB(mPB−nPA)で表わされ
るるので、問題となるm,nの範囲で、これがあまり大き
くならないように、すなわち、mPB=nPAが近似的にでも
成り立たないようなブリツジ間隔PA、つまりPSを定め
ることである。
通常のカラー陰極線管装置にあつては、走査線の間隔
PBは、動作条件として与えられるのが普通である。し
たがつて、与えられたPBに対し、PA、すなわちシヤド
ウマスクのブリツジ(2)の間隔を適当に選び、どのモ
ードのモアレもそのピツチが目につくほど大きくならな
いようにすればよい。
この具体的な方法は、例えば、A.M.Morrell氏と他の
者によるColor Television Picture Tubes(Academic P
ress Inc New York and London,1974年)の第50〜62頁
にかなり詳しい記述がある。
しかし、ブリツジ(2)のY方向のピツチPAを選ん
で、モアレのピツチをできるだけ小さくしようとする考
えの有効度には限度がある。
例えば一般にカラー陰極線管装置の走査線の間隔PB
は、厳密に一定でなく、わずかな調整状態や、電源電圧
の変動などによつて、ある範囲は当然変化し得るという
問題がある。
また、例えば、走査線の総本数が525本であるNTSCシ
ステムと、同じく625本であるPALシステムのような、走
査線間隔PBの異る2種以上の送像方式の画像に対して
モアレを目立たなくする要求もある。そして、ある特定
のモードに対するモアレのピツチをそれが目立たないほ
ど、小さくするPAの選択は、他の少なくとも1つのモ
ードのモアレピツチに対しては不利に働くことが起り得
るからである。
通常、ブリツジ(2)のY方向のピツチPAの選択に
際しては、与えられた走査線の間隔PBに対して、PAの
範囲をまず大ざつぱに定め、PAの値を大きめにとつた
ときに問題となるモードのモアレと、PAの値を小さめ
にとつたときに問題となるモードのモアレのピツチに着
目し、これが等しくなる点をもつてPAの妥協値とする
のが普通である。しかし、この妥協は、一般に不完全な
ことが多く、さらに、これに前述の走査線の間隔PBが
変化した場合の特性も考慮するとなると、最終的な特性
は、いたつて不満足となるのが普通である。
モアレを目立たなくする第2の着眼点は、モアレの光
強度の振幅αmBn/2を大きくする原因の1つである
[5]式中のαmを、無視できる程小さくすることであ
る。
[5]式中のαmは[2]式中のAmおよびAomによつ
て決定されるが、AmとAomは、単に、シヤドウマスクの
孔配列の走査線配列との位相関係を表わすために2個の
係数を用いているのであつて、実質的な問題は、1つで
ある。
すなわち、シヤドウマスクの孔配列によつて決定され
るY方向の平均、つまりX方向のある程度の範囲にわた
る平均の発光効率を表わす周期関数中の第m高調波の大
小を表わしており、αmがこれを代表している。
αmを小さくする手段としては、すでにいくつかの方
法が知られている。
その第1として、シヤドウマスクの孔列の孔と孔の間
に設けられるブリツジ(2)の間隔は、同一列内で一定
とし、相となる列におけるものとのずれPAを、第10図
におけるようにPS/2としないで他の値とし、X方向に
は同じ模様を2列ないし数列ごとに繰り返すものであ
る。これには、ずれの量を複数個の数値の繰り返し配置
とするものを含んでいる。この例としては、特公昭48−
32596号公報、特開昭52−33473号公報などが知られてい
る。しかし、この方法では、確かにに特定のαmを0と
することができるけれども、少しずつ違つた模様がX方
向にシヤドウマスク孔列2〜数列ごとに繰り返されてい
る。あるいは、少くとも上記2〜数列がまとまつた同一
状態でピツチPSごとにY方向へ繰り返される。すなわ
ち、ある程度の大きさのある同じ模様が周期的に繰り返
されることとなり、鋭敏な人の目にはこの繰り返し模様
が明らかに感知されて気になるという問題がある。
つぎに、試みられた工夫として、シヤドウマスクブリ
ツジ(2)の配置の規則性によつて、モアレが出ること
に着して、ブリツジ(2)の配列をランダムにする方法
をあげることができる。ブリツジ(2)の配列をランダ
ムにすれば[2]式が成立しないのでモアレを防ぐこと
ができる。
この例として、特開昭50−744号公報、特開昭51−400
72号公報、特開昭51−107063号公報などを列挙すること
ができる。ここで、ランダムといつても、同じシヤドウ
マスク孔列のブリツジとブリツジの間隔がある程度以上
離れると、すなわち、1つのシヤドウマスク孔がある程
度以上の長さになると、シヤドウマスクの強度に問題が
生じるので、これはある一定値以下とする必要がある。
また、これに加えて同じシヤドウマスクの孔列のブリ
ツジとブリツジの間隔が、ある程度以上小さくなると、
画面上において、その部分が異常に暗く見える問題があ
り、さらには互に相となるシヤドウマスク孔列のブリツ
ジ位置、つまりY座標の中に、著しく近い数値をとるも
のがあると、やはりその部分が画面上において暗く見え
たり、その近傍でブリツジの密度が薄くなる結果、シヤ
ドウマスクに強度上の問題が生じたりする欠点がある。
したがつて、先に述べた公知例では、ランダムとはい
つても、上記のような欠点を避けるために、ブリツジの
配列に何等かの制限を加えており、結果として完全なラ
ンダムとはいえないのが普通である。ブリツジ位置のラ
ンダム化は、画面に何等かのノイズ状の不均一、すなわ
ち、通常シモフリとか、スノーやソバカスといわれる肉
眼で認められる輝度の不規則な分布を生じさせるのが普
通である。しかし、上記のような制限を加えたランダム
さの程度では、ブリツジ位置の不均一によるノイズの生
ずる割にモアレの除去効果が少なく、結局、実用化には
問題がある状況であつた。
この発明は、上記のような問題点を解消するためにな
されたもので、特定のモードのモアレを目立ちにくくす
る、すなわち、特定のmに対する前記αmを小さくする
新規なシヤドウマスクブリツジの配列を有するシヤドウ
マスク式カラー陰極線管を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明によるシヤドウマスク式カラー陰極線管のシ
ヤドウマスクは、前述の特定のmに対するαmを小さく
するために、シヤドウマスクの個々のブリツジを第10図
に示す従来の位置を中心として従来のPS/2づつずれた
位置から±PA/2の範囲内で移動させるとともに、移動
量の出現頻度が問題となるmに対し、αmが零となるよ
うな確率分布関数によつて規定され、その範囲内でブリ
ツジ位置が周期性なく決定されるようにした点を特徴と
する。
〔作用〕
この発明によるシヤドウマスクのブリツジの配置パタ
ーンは、PA/2の等間隔の位置から、±PA/2の範囲内で
移動させて設けられる。したがつて、強度の問題に影響
を及ぼさないで、ブリツジ位置がPA/2ピツチに比較的
近い部分に集中するために生じる輝度ムラの問題も発生
しにくい。また、ブリツジの配置が、X,Y方向へ共に周
期性をもつていないので、とかく人の目に鋭敏に観察さ
れる繰り返し模様が生じるおそれがない。さらに、ブリ
ツジ位置をずらせる量の出現頻度が、適当な確率分布関
数によつて規定されているため、各Y値における平均発
光効率、つまり問題としている画面上の点を通つて充分
広いX値にわたつて発光効率を平均化したものを表わす
[2]式中のAmおよびAom、したがつて[5]式中のα
mはほぼ零となり、mの関係するモアレ模様がほとんど
現らわれない。
〔発明の実施例〕
以下この発明の一実施例を、画面のY方向の蛍光面有
効径が、425mmであつて、有効径内の走査線数が1030
本、すなわち走査線間隔PBが0.413mm、および同じく走
査線数が900本、すなわち走査線間隔PBが0.472mmの両
システムで用いるカラー陰極線管を例に説明する。
いま、シヤドウマスクのある1つの孔列内での平均ブ
リツジ間隔PSは、輝度とシヤドウマスク強度の要求か
ら1.2mm程度に選ぶことを希望するものとする。なお、
本来、シヤドウマスクに関するこれらの数字は、いつた
ん、蛍光面上で論ぜられたのち、これを適当に縮小して
実際のシヤドウマスク面上の値に換算しなければならな
いが、この換算を省略し、以下の用語においてシヤドウ
マスク面でのものを用いるものの数値は、蛍光面上での
値をそのまま用いるものとする。
同一孔列内で、平均ブリツジ間隔PSが1.2mm程度とい
うことは、もしこれを第10図に示した従来のシヤドウマ
スク構造で構成するならば、 であるからPA=0.6mm程度ということとなる。
そこで、いま、PA=0.6±0.1mmの範囲で、m,nを先に
述べたm+n≦6に限つて、各モアレの空間周期(ピツ
チ)を[5]式に関連して述べた方法で計算してみる
と、第8図の結果が得られる。
図中の実線は走査線数が1030本のシステムに、破線は
走査線数が900本のシステムに対応するものである。モ
アレのピツチは、大きいとき問題となるが、図に示し
た、(m,n)=(1,1),(2,1),(3,2)以外のモード
のモアレのピツチは、充分に小さいので、図示ならびに
以下の説明は省略する。
第8図から明かなように、2種の走査線間隔のシステ
ムに対し、図示したモードと、PAの範囲でモアレピツ
チが最小となるのは、PA≒0.57mmおよびPA≒0.66mmで
ある。このとき、問題となるモードは、前者にあつて
は、900本システムにおけるモード(1,1)および1030本
システムにおけるモード(3,2)の2モードであり、後
者においては、両システムにおける(3,2)モードであ
る。
ここで、(1,1)モードのモアレは、その輝度振幅
(α1B1)が非常に大きく、除去も困難であるから、後
者、すなわちPA=0.66mmを採用したとすると、モアレ
ピツチは約3.4mmであり、これ以下にすることはできな
い。しかも、これは、走査線間隔が当初予定した値通り
の場合であつて、もし何等かの理由でこれが変化する
と、モアレピツチは急速に大きくなつて著しく見苦しい
画面となる。
通常のカラー陰極線管では、モアレピツチは2mmを越
えないことが望まれる。したがつて、いま、これを2mm
まで許すとすれば、問題モードは(3,2)のみであり、
他のモードのモアレはほとんど問題とならない。
そこで考えられる方法としては、モード(3,2)のモ
アレピツチをこれ以上小さくすることはあきらめ、
[5]式における係数α3B2をα3≒0とすることによ
つて無現できるほど小さくし、モアレピツチの如何にか
かわらずこれが輝度の強弱として認められないように対
策することである。
第1図にこの発明の一実施例のシヤドウマスクの孔配
列を示す。
シヤドウマスクの孔列は、Y方向に平行な列をなして
おり、Y方向に垂直(X方向に平行)に、0.66mm間隔の
平行線(100)群を、問題としているシヤドウマスク面
全体を覆つて仮想する。
一方、先に述べたシヤドウマスクの孔列の中心を通る
直線(101)群(これはY方向に平行に、やはりシヤド
ウマスク面全体を覆つている)を仮想し、この交点群を
考える。この交点群の中の任意の1つの交点から始め
て、X方向にもY方向にも1つおきの全交点をとり出
し、それぞれの交点を0とし、+Y方向を+U方向とす
る多数の小さい範囲の座標系(U座標系)を考える。第
1図にはこの座標系を1つだけ書き入れてある。
このU座標系で、Uの位置にブリツジ(2)の中心
(102)を配置する。しかし、多数ある交点0のそれぞ
れに対するUの値は一定でなく、ある確率分布関数Q
(U)を有する確率現象の集合からの独立な確率事象の
1つとして個々の座標系(0点)ごとに定められる。そ
して、この確率分布関数を、Uの値が、特定のUとU+
△Uの範囲をとる確率が、Q(U)△Uで表わされるよ
うな確率密度分布関数Q(U)であるとすると、Q
(U)はつぎの特長を有している。
Q(U)はU=0に関して対称な2つの関数Q12
(U)とQ34(U)の和である。
Q12(U)はU=−0.055に関して対称な2つの関数
Q1(U)とQ2(U)の和である。またQ34(U)はU=
0.055に関して対称な2つの関数Q3(U)とQ4(U)の
和である。
ただし、ここで、0.055とは平行線(100)の間隔0.66
(3はm=3に対応)で計算される数値である。
Q (U)はU=−0.11と+0.11を含み、この間で
のみ零でない値をとる。
ただし、ここで、0.11とは平行線(100)の間隔0.66
(3はm=3に対応)で計算される数値である。
である。
なお、ここに示す第1の実施例では、さらに特殊な特
長としてQ(U)が第2図で示す形を有している。
すなわち、Uに対するQ(U)は(−0.11,0),(−
0.055,9.09),(0,0),(0.055,9.09),(0.11,0)
の各点を直線で結んだものからなつている。この直線の
各区間を、それぞれQ1(U),Q2(U),Q3(U),Q4
(U)とし、Q1〜Q4は図に示した区間以外で0であるも
のとする。
なお、以下において、区間の継ぎ目において、前記対
称性と、各関数の継ぎ目の連続性に数学的な矛盾がない
ようにするには、厳密には区間の継ぎ目での関数の定義
に若干の工夫が必要であるけれども、実用的な影響がな
いので適当に省略している。
したがつて、区間の記述、つまり閉区間、開区間など
の等号のとり方は、必ずしもこの発明の条件とした対称
性を厳密に保つ形になつていないが、必要ならば条件か
ら自明な修正解釈をおこなうものとする。
つぎに、このような構成にすると、先に説明したA3お
よびAo3、したがつてα3を零にできることを示す。
[2]式における平均発光効率TA(Y)の計算は、
すでに述べたように、各Y値ごとに発光効率をシヤドウ
マスクの孔列間隔よりも充分広いXの範囲にわたつて平
均する必要があるけれども、この実施例の場合、確率す
なわちブリツジ位置の期待値をはつきり考慮するなら
ば、孔列の2列分、すなわち第1図にあつては、図中に
2PHで示したX幅に対して計算すれば充分である。
そこで、相となる任意の孔列2つを考え、多数の定め
られた0点のうちの特定の1つをY=0に選び、このブ
リツジ位置の期待値を考慮した平均発光効率、すなわち
シヤドウマスクの平行透過率TA(Y)を求めると、第
3図(a)のようなものとなる。
ここで、Wはシヤドウマスクの孔のX方向の幅であ
る。すなわち、Y=0附近、およびこれから±0.66の倍
数だけ離れた附近を除いてTA(Y)はW/PMである。
Y=0、およびこれから±0.66の倍数だけ離れた附近
(以下、代表的にY=0附近のみ考える)の平均発光効
率TA(Y)は、ブリツジの中心位置の期待値を表現す
る確率分布関数Q(Y)と、ブリツジのY方向の幅から
計算できる。しかし、これには、いわゆるコンボリユー
シヨンの計算を必要とし、複雑なので以下図式的に考え
る。
第3図(a)の関数は、シヤドウマスクにブリツジ
(2)がないとしたときの関数、すなわち同図(b)で
示すT0(Y)=一定=W/PHに、ブリツジ(2)による局
部的な平均発光効率、つまりシヤドウマスクの平均透過
率の減少分を重ね合わせたものとなる。
しかるに、この平均発光効率TA(Y)の減少分は、
ブリツジ(2)の中心点U(102)が、 −0.11≦U<−0.055にあるとき −0.055≦U<0にあるとき 0≦U<0.055にあるとき 0.055≦U≦0.11にあるとき の4つのケースに分け、それぞれの区間内でブリツジの
出現、確率は第2図のQ1[U),Q2(U),Q3(U),Q4
(U)に対応するその各区間に対応して、 T1(Y),T2(Y),T3(Y),T4(Y)であ
るとすると、これらのグラフは、それぞれ同図(C)の
ようになる。
ここで、例えば、T1(Y)が−0.11≦Y<−0.55の範
囲(Q1(U)の範囲)を越えて分布しているのは、ブリ
ツジ(2)にY方向の幅があるためである。
また、先に述べたブリツジ位置の期待値を表わす確率
分布関数Q(U)の形状の特長,から、T1(Y)と
T4(Y)、およびT2(Y)とT3(Y)はそれぞれY=0
に関し対称であり、また、T1(Y)とT2(Y)はY=−
0.055に関し、T3(Y)とT4(Y)はY=+0.055に関し
それぞれ対称である。
さて、第3図(d)には、 のグラフを表わす。
フーリエ展開の公式によつて、[2]式におけるA3
は、例えば、 によつて求めることができる。
積分範囲−0.33〜+0.33は、周期関数であるTA
(Y)の一周期をわかりやすく選んだもので、幅が0.66
ありさえすれば必ずしも上のものにこだわらなくてよ
い。
ところが、先に述べたように、 TA(Y)=T0(Y)+T1(Y)+T2(Y) +T3(Y)+T4(Y) ……[9] であり、また、先の条件,(および第3図(c),
(d))から明らかなように、 さらに、 したがつて、A3=0となる。
Ao3は同じくフーリエ展開の公式を用いれば、 であるが、A3と同様にこれも0であることを示すことが
できる。
この場合、T1(Y)とT4(Y)およびT2(Y)とT3
(Y)の積分の項がそれぞれ先の条件から打ち消し
合う。
A3およびAo3が0とのなるので、[6]式よりα3=
0となり、結局、このモアレは、ピツチはともかく、輝
度振幅強弱が表われないので問題にならないこととな
る。
この方法によれば、ブリツジ(2)の位置は確率的に
各ブリツジごとに異つたものとなり、その意味では従来
公知のランダム位置のものに似ている。しかし、ブリツ
ジ(2)の位置は特定のモードのモアレをなくすべくあ
らかじめ設定された確率分布関数を有するように分布さ
せるため、ブリツジの存在(移動)範囲が比較的狭いに
もかかわらず、効率的に問題モードのモアレを除去でき
る。
したがつて、蛍光面にあらわれるある種のムラも少な
く、総合的に画質の改善が可能となる。そのことは、シ
ヤドウマスク式カラー陰極線管を、輝度やシヤドウマス
クの強度などのモアレ以外の要素に重点をおいた設計が
可能であることを意味し、高性能のカラー陰極線管を得
ることができることとなる。
また、この実施例では、以上述べた説明から明らかな
ように、特定のY値についての平均値な効果を考える
と、実効的にブリツジ(2)の幅を広くして、この部分
が0でないある程度の電子ビーム透過率を有していると
同じ効果を有する。すなわち、一般に黒色に表われるブ
リツジ(2)のコントラストが低下するのと同じような
効果を有する。
従来のシヤドウマスクはY方向の孔ピツチPS(また
は、PAに相当する)をある程度以上大きくすると、ブ
リツジ(2)の列がX方向に連つて黒色の線状に分離し
て見える現象があり、ある程度以上大きなPs(または、
PA)の採用が困難であったが、この実施例によれば、
上記コントラスの低減効果のため、従来より大きな値と
することが可能となる。
以上の説明で、当面選んだ原点(Y=0)の位置は
[1],[2]式で用いたもの、すなわち[1],
[2]式では、ある1本の走査線の中心をY=0として
いるものと異つているが、得られた結果は明らかに原点
のとり方に無関係である。
さらに、上記実施例では、蛍光面の発光効率を計算す
るためのシヤドウマスクのX方向の開孔率、つまり孔幅
が全X幅に示める割合はW/PHとし、これが単純に蛍光面
の発光効率を計算する因子として用いることができるよ
うな説明をしたけれども、実際のカラー陰極線管にあつ
ては、いわゆるブラツクマトリクスと称して、発光部の
X方向の幅をシヤドウマスクの孔幅よりもむしろ蛍光体
ストライブの幅を規制して調整裕度を確保するために、
蛍光面に設けられた黒色非発光ストライプで規定される
ことが多い。
しかし、この実施例では、蛍光体(発光部)のX方向
の幅は、単に第3図(b)のT0(Y)の値を規定するの
みで、モアレに本質的に無関係であり、したがつて、全
体を通じていちいち修正説明をしていない。
なお、確率密度分布関数Q(U)が与えられたとき、
具体的に個々のブリツジ位置Uを計算するには、各ブリ
ツジごとに適当な区間で等確率で発生させた乱数を、Q
(U)の形をもとに決定される適当な関数でUの値に変
換する方法を用いることができる。この詳細はほとんど
自明なので、ここでは説明を省略する。
なお、以上述べた平均PAが0.66mmの場合に、α3を
零にすることによつてm=3の関与するモアレを消去す
るためのQ(U)の形は、上記実施例に限らず、前述の
条件〜を満たしさえすればよい。
したがつて、例えばQ(U)が第4図に示すように、
−0.11≦U≦0.11において一様分布をなしているもの
も、この発明の一実施例といえる。ただし、この場合、
ブリツジ(2)の中心Uが、区間の端部、すなわち、−
0.11または+0.11の近くの値をとる率が、第2図の実施
例に比べて大きくなる。これはブリツジ(2)が特定の
方向に最大量ずれる可能性が大きく、そのようなものが
特定の小さい範囲に集まつて現れる可能性も大きい。し
たがつて、シヤドウマスクの強度の問題、特に一般に球
面状に成形されて用いられる際、好ましくないムラの原
因となる成形の不均一な延びを生じる可能性も高くな
り、必ずしも第2図のものに比べて推奨できるものでは
ない。
以上述べた実施例では、Q(U)は少くともUのある
範囲で連続して分布する確率密度の分布関数としたが、
Q(U)がUのある値のみで零でない値を離散的にとる
確率の分布関数であつてもよい。
この場合、先に述べた条件〜のうち、はU=−
0.11と+0.11を含み、この間でとり得るすべてのUの値
に対し、 とされるべきである。
この実施例として、第5図で示すように、Uが−0.08
25,−0.0275,0.0275,0.0825の4個所で、確率Q(U)
の4個のUの値が等しい確率で表われる。それぞれが前
記条件のQ1(U)〜Q4(U)に対応するものを挙げるこ
とができる。
また、別の実施例として、第6図で示すように、Uが
−0.055と0.055の2個所で、確率Q(U)が すなわち、上記の2個のUの値が等しい確率で表われ
るものを挙げることができる。その場合、それぞれが前
記条件のQ12(U)およびQ34(U)に対応する。そし
て、それぞれが等量のQ1(U)とQ2(U)およびQ3
(U)とQ4(U)の和であると見なせる。
しかし、このようなU≠0の点の数の数の少ないQ
(U)を用いることは、シヤドウマスク上で、局部的に
同じU値のブリツジがあい隣りあつていくつも連続する
可能性があることになり、その部分が見かけ上、規則性
のある癖をもつているように感じられる。その結果、と
きとして、スジ上の画面欠点があるように感じられるの
で、必ずしも推奨させるものではない。
以上、第1図〜第6図で述べた実施例では、PAが0.6
6の場合に、α3を零にすることによつてm=3の関与
するモアレを消去するものであつたが、この発明は任意
のPAおよびmに対して適用できる。
すなわち、第1図において、X方向に仮想して設けた
等間隔の平行線(100)の間隔をPAとし、以下、前に説
明したように、多数の0点およびU座標を定め、個々の
U座標系で座標Uの位置にブリツジ(2)の中心を配置
としたとき、多数あるUのそれぞれの値は、ある確率の
分布関数Q(U)を有する確率現象の集合から得られる
独立な確率事象の1つとして個々の座標系(0点)ごと
に定められる。
そして、この確率の分布関数をQ(U)とすると、Q
(U)はつぎのような特長をもつている。
すなわち、 (A) Q (U)は、U=0に関して対称な2つの関
数Q12(U)とQ34(U)の和である。
(B) Q12(U)は、 に関して対称な2つの関数Q1(U)とQ2(U)の和であ
る。
また、Q34(U)は、 に関して対称な2つの関数Q3(U)とQ4(U)の和であ
る。
(C1) Q (U)は、 を含み、この間でのみ0でない値をとる。
(D1) Q (U)が確率密度の分布関数のとき Q (U)がUの特定の値でのみ0でない値をとる離
散的な確率分布関数のとき を含み、その間にあるすべての可能なUに対して ところで、条件(C1)および(D1)に示した、Q
(U)が零でない値をとる範囲は、必ずしも の間に限らなくとも、αmの値を零とできることは前に
第3図に関連して述べた説明から明らかである。
すなわち、α3=0のために必要な条件は、(A)お
よび(B)であつて、(C1)と(D1)におけるUの範囲
はもつと広くてもよい。ただし、範囲が±PA/2を越え
るのは、PBだけ離れた隣りのブリツジの存在可能範囲
を越える可能性があることになり、シヤドウマスクとし
ての用に供されない。
したがつて、より一般的には、(C1),(D1)の代り
に、つぎの条件を用いることができる。すなわち、 (C) Q (U)は を含み、この間でのみ0でない値をとる。
(D) Q (U)が確率密度分布間隔のとき、 Q (U)がUの特定の値でのみ0でない値をとる離散
的な確率の分布関数のとき を含み、その間にあるすべての可能なUに対し これを、先に述べたPA=0.66 m=3の課題に応用
した実施例の1つを第7図に示す。
同図(a)はQ1(U)〜Q4(U)を示し、同図(b)
は、これらの和として決定される確率の密度分布関数Q
(U)を示している。
この実施例も、Q(U)の分布するUの範囲が広く、
ブリツジ(2)がその平均位置(U=0)よりも大きく
ずれる場合があるので、必ずしもすでに述べたものに比
べて推奨できるものではないが、同じUの値が特定の範
囲に集中することが少いので、mの値の大きにときには
有用である。
以上、Uの値の範囲について述べたが、この発明の適
用に際して、できるだけブリツジ位置の変化が目立たな
い、つまりノイズ状の違和感をなくすことと、シヤドウ
マスクの機械的な強度を保つために、Uの値はできるだ
け0に近いことが望ましく、したがつて、先の(A),
(B),(C1),(D1)の条件は、実際問題としても最
も有用性の高いものである。
さらに、もし、上記(A),(B),(C1),(D1)
の条件を用いるにしても、Uの範囲はmの値で変わつて
くる。先に述べた違和感と、シヤドウマスクの強度の点
から、この発明はm=3,4,5に対して最も推奨されるも
のである。
なお、上記各実施例および一般則を通じて、最後の条
件(d),(d1),(D1),(D)はすべて1個の0点
に1個のブリツジが必ず設けられることを意味してお
り、必ずしも式を用いて規定する必要はない。しかし、
均一分布の乱数から、具体的にUを計算するための特定
の関数を求める場合には、有用なことがある。
以上、この発明の実施例について述べたが、確率の分
布関数Q(U)の形は以上述べたもの以外にも多数考え
られるのはいうまでもない。
Q (U)の形は、Uに対してQ (U)が連続的に
変化する場合の、いわゆる確率密度の分布関数の場合
と、Q (U)が特定の有限個のUに対してのみ零でな
い値をとる離散的な確率分布の関数の場合があるが、す
でに述べたように、状況は全く同じである。何らかの事
情のある場合、両者の併用も可能である。その場合の条
件(D)や(D1)は、一般の確率の法則から容易に導き
出せる。
また、シヤドウマスク面上の位置によつて、Q(U)
の形を異つたものとすることも可能である。その場合、
当然のことながら、ある部分から他の部分にかけてのQ
(U)の形の変化は、徐々に、かつ連続的におこなわれ
るべきである。
さらに、特別な場合、Q (U)の形を以上述べた
(A)〜(D)の条件を満足するように設定するのは、
シヤドウマスクのモアレの最も目立つ部分だけに止め、
他の部分では、全く異る分布関数とすることが可能であ
る。
一般のシヤドウマスクでは、成形の安定性および機械
的な形状維持の確実性のために、その周辺部の強度が、
強度ムラのないことも含めて重要である。その意味で、
一般の蛍光面がほぼ長方形状をなしているカラー陰極線
管用シヤドウマスクにおいて、その周辺部、すなわち、
長辺部および短辺部(この場合、特に経験的には後者が
重要である)で、ブリツジ(2)はU=0にのみ存在す
るのが望ましい。
したがつて、周辺部の近傍では、先に述べた4条件の
うち、条件(B)の満足を放棄し、Q (U)がU=0
の点のみで高い値をとる形の関数となるように、徐々に
変形してゆくことが考えられる。
具体例について説明すると、画面高さが425mmのカラ
ー陰極線管の画面水平幅は、約755mmであるが、この場
合、一例として、このシヤドウマスクの水平両端部、す
なわち短辺部の30mm幅より中心よりの部分は上記4条件
を満足し、上記30mm幅の両端部では条件(B)が放棄さ
れた形で徐々に変形され、最外端のシヤドウマスク孔列
ではすべてのブリツジ(2)がU=0設定されているも
のを挙げることができる。
このような構造は条件(B)を放棄した上記30mm幅の
両端部の区間において、いま問題としているモアレが現
れることになるけれども、関数の形は徐々に変化してい
るため、モアレが問題の端部で急に現れるわけでなく、
しかも両端部は視覚的に注目されることが少いので、実
用的にモアレが気にならない。
なお、数値を示した実施例において、PAを0.66に選
んだのは、(3,2)のモードのモアレのピツチができる
だけ小さくなるように、従来の考え方を用いたためであ
るが、α3=0が可能である以上、原理的にこのモード
のモアレのピツチはもはや問題にならない。
したがつて、PA=0.66以外の値を選んで、以降の数
値を検討してもよく、例えば第8図の場合、0.66よりや
や小さい、図中にPA0と記入してある数値の方が明らか
に好ましい。もし、このカラー陰極線管が、走査線1030
本のシステムにのみ用いられるならば、より小さいPA
を選んだ方がよいということもいえる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、この発明によれば、シヤドウマス
クの孔列のブリツジを、ある範囲内で確率的に決定され
る量だけ移動させ、この確率の分布関数を特定のモード
の最も目立つモアレが解消されるように選定したので、
走査線間隔の変化も含めてモアレが目立ちにくく、かつ
明るさと強度の優れたシヤドウマスクを有するカラー陰
極線管が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例のカラー陰極線管のシヤド
ウマスクの一部拡大正面図、第2図はこの実施例のUの
位置を確率的に与える確率の密度分布関数の例を示す
図、第3図は第2図の確率密度の分布関数にしたがつて
Uの位置を与えると問題のモードのモアレが消えること
を説明するための図、第4図ないし第7図はそれぞれこ
の発明の他の実施例を説明するための図、第8図はこの
発明の実施例において、(3,2)のモードにおけるモア
レの空間周期が大きく問題となることを説明するための
図、第9図は電子ビームの走査線により蛍光面部分に加
えられる刺激密度をあらわす図、第10図は従来のシヤド
ウマスクを有するカラー陰極線管の蛍光面の平均発光効
率をあらわす図である。 (1)……シヤドウマスク孔(発光部分)、(2)……
ブリツジ(非発光部分)、(100)……仮想線、(101)
……シヤドウマスク孔列の中心線、(102)……ブリツ
ジの中心点。 なお、各図中、同一符号はそれぞれ同一または相当部分
を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方向に平行な無数の蛍光体ストライプが
    形成されている蛍光面と、この蛍光面に向って電子ビー
    ムを発射する電子銃と、上記蛍光面と上記電子銃の間に
    配置されたシャドウマスクとを有するカラー陰極線管で
    あって、上記シャドウマスクは上記蛍光体ストライプと
    一定の関係をもってこれにほぼ平行な方向に長手方向を
    有する電子ビーム通過孔がブリッジを介して孔列を形成
    しており、かつ上記シャドウマスクのブリッジの配設位
    置が下記の条件にもとづいて形成されている領域を有す
    ることを特長とするシャドウマスク式カラー陰極線管。 記 電子ビーム通過孔の列に対して垂直な方向にシャドウマ
    スク面上に等間隔PAで設定された複数本の平行線と、上
    記電子ビーム通過孔列の中心線との交点のうち任意の一
    つを選んでこれから始めて上記電子ビーム通過孔列の方
    向および上記平行線の方向に一つおきに交点をとり出
    し、それぞれの交点を原点として上記電子ビーム通過孔
    列の方向にそれぞれU座標を有する小座標系を定め、上
    記ブリッジはそれぞれの小座標系ごとに座標Uの位置に
    その中心があるように一つ設けられており、かつ当該座
    標Uはそれぞれの小座標系ごとにある確率分布関数Q
    (U)を有する確率現象の集合からの独立な確率事象の
    一つとして確率的に独立に定められており、当該確率分
    布関数は、次の(A),(B)および(C)の性質を有
    している。 (A)Q(U)は、U=0に関して対称な2つの関数Q1
    2(U)とQ34(U)の和である。 (B)Q12(U)は、U=−PA/4mに関して対称な二つの
    関数Q1(U)とQ2(U)の和である。また、Q34(U)
    は、U=PA/4mに関して対称な二つの関数Q3(U)とQ4
    (U)の和である。 (C)Q(U)は、−PA/2≦U≦PA/2でのみ0でない値
    をとる。 ただし、mは1〜5整数。
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