JP2000299190A - 有機電界発光装置およびその製造方法 - Google Patents

有機電界発光装置およびその製造方法

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JP2000299190A
JP2000299190A JP11104989A JP10498999A JP2000299190A JP 2000299190 A JP2000299190 A JP 2000299190A JP 11104989 A JP11104989 A JP 11104989A JP 10498999 A JP10498999 A JP 10498999A JP 2000299190 A JP2000299190 A JP 2000299190A
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thin film
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Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
Yoshio Himeshima
義夫 姫島
Takeshi Ikeda
武史 池田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機電界発光装置の表示特性への影響を出来る
限り少なくするようにすると共に、その目的を十分に果
たすことができるスペーサーの形成。 【解決手段】基板上に、少なくとも一部分が薄膜層を上
回る高さをもつドット状スペーサーを存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子、フラッ
トパネルディスプレイ、バックライト、インテリアなど
の分野に利用可能な有機電界発光装置およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機電界発光装置は、基板上に形成され
た第一電極と、その第一電極上に形成された少なくとも
有機化合物からなる発光層を含む薄膜層と、その薄膜層
上に形成された第二電極とを含み、複数の発光画素を有
するものである。
【0003】このような有機電界発光装置は、薄型、低
電圧駆動で高輝度発光や有機発光材料の選択により多色
発光が可能であり、表示素子やディスプレイなどの発光
装置として有用である。
【0004】上記のように構成される有機電界発光装置
の製造方法においては、先ず、透明基板上に形成されて
いる透明導電性膜をパターニングして、間隔をあけて配
置された複数のストライプ状電極である第一電極を形成
する。このように第一電極が形成された基板上に真空蒸
着法などで少なくとも有機化合物からなる発光層を含む
薄膜層を成膜し、さらにその層の上に第二電極をパター
ニングする。
【0005】これらのパターニングにフォトレジストを
用いたウエットエッチング法を適用した場合には、装置
の発光特性および耐久性を著しく劣化させるという問題
があった。特開平6−234969号公報に代表される
ように、有機材料を選択することによりウエットプロセ
スが可能な方法が開示されているが、これらの方法では
用いる有機材料が限定されるという欠点がある。
【0006】ウエットプロセスを用いない一般的なパタ
ーニング法はマスク法で、これは基板前方にシャドーマ
スクを配置し、開口部を介して蒸着物を蒸着することで
パターニングを実現するものである。
【0007】このシャドーマスクを用いたパターニング
においては、シャドーマスクの密着不良による蒸着物の
回り込み、強制的に基板とシャドーマスクを密着させた
場合にマスクとの接触により薄膜層が傷ついて第一電極
や第二電極が短絡すること、第二電極のストライプ状パ
ターンなど開口部が大きくなりマスク部が細かいパター
ンの場合にはシャドーマスクの強度が不足し、シャドー
マスクが撓むなどの問題が指摘された。
【0008】これらの問題を解決する手段がそれぞれ提
案されているが、その1つである薄膜層の傷つきを回避
するために、特開平8−227276号公報などでは薄
膜層の厚さを上回る高さをもつスペーサーを基板上に形
成する工程を加えることが提案されている。シャドーマ
スクをこのスペーサーに密着させた状態で蒸着物を蒸着
せしめることによりパターニングが実施される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】スペーサーは第一電極
に接する状態で形成されることが多いために、十分な電
気絶縁性を有することが好ましい。さらに、スペーサー
はパターン化して用いることが多いので有機ポリマー系
材料で構成されることが多いが、それらから放出される
水分、低分子揮発成分などの発生があり、洗浄、封止な
どの工程でトラブル発生の原因となったり、封止後の装
置性能の劣化を起因するなどの問題を生じることがあ
る。このため、スペーサー自体によるトラブル発生をで
きるだけ抑制できるようにスペーサーを配置することが
望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に形成
された第一電極と、前記第一電極上に形成された少なく
とも有機化合物からなる発光層を含む薄膜層と、前記薄
膜層上に形成された第二電極とを含み、複数の発光画素
を有する有機電界発光装置であって、少なくとも一部分
が前記薄膜層の厚さを上回る高さをもつドット状スペー
サーを基板上に形成することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のスペーサーは、シャドー
マスクを密着させて少なくとも有機化合物からなる発光
層を含む薄膜層や第二電極のパターニングを行う際、有
機材料からなる層の傷つきを回避するために形成される
ものであり、少なくとも一部分が薄膜層の厚さを上回る
高さを有する。
【0012】スペーサーは、第一電極に接する状態で形
成されることが多く、十分な電気絶縁性を有することが
好ましいが、導電性のスペーサーを用いることもでき
る。導電性スペーサーの場合は電極間の短絡を防止する
ための電気絶縁性部分を形成すればよい。スペーサーの
材料は公知のものが用いられるが、無機材料では酸化ケ
イ素、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化チタンなど
の酸化物材料、ガラス材料、セラミックス材料、ケイ
素、ガリウム砒素などの半導体材料などを、有機材料で
はポリイミド系、アクリル系、ノボラック系、シリコー
ン系、ポリビニル系などのポリマー材料をあげることが
できる。さらに、スペーサーを黒色化して表示コントラ
スト向上に寄与するブラックマトリクス的な機能を与え
ることや、パターニングされた第一電極の一部を覆うよ
うに形成して、第一電極と第二電極との短絡を防止する
エッジ保護層的な機能を与えることができる。
【0013】スペーサーは、第一電極をパターニングし
た後に形成するので、ウエットエッチング法の適用が可
能であり、種々の公知の方法が適用できる。
【0014】スペーサー用の薄膜の形成方法としては、
無機材料を用いる場合には、抵抗加熱蒸着、電子ビーム
蒸着、スパッタリング蒸着などのドライプロセスを利用
する方法が、有機材料を用いる場合には、溶液塗布法を
利用する方法があるが、特に限定されるものではない。
スペーサーのパターニング方法も特に限定されないが、
第一電極のパターニングした後に基板全面にスペーサー
用薄膜を形成し、公知のフォトリソグラフィ法を用いて
パターニングする方法が工程的に容易である。フォトレ
ジストを使用したエッチング法あるいはリフトオフ法に
よってスペーサーをパターニングしてもよいし、ポリマ
ー材料に感光性を付与した感光性スペーサー材料を用
い、スペーサー用薄膜を露光・現像することでパターニ
ングすることもできる。
【0015】従来、スペーサーはストライプ状または発
光画素領域を露出するようにして形成されたが、本発明
のスペーサーはドット状に形成される。ドットの平面形
状は丸状、楕円状、三角状、四角状などいずれの形状で
あってもよく、断面形状も矩形状、雛壇状、テーパー
状、逆テーパー状などいずれの形状も可能である。ドッ
ト状にすることはスペーサーとしての機能を十分に果た
すと共に、装置内に存在する樹脂量をできるだけ少なく
することがその目的である。
【0016】本発明の発光画素とは、RGBマトリクス
型ディスプレイでは、それぞれパターン化された第一電
極と第二電極とが交差する部分である。セグメント型で
は独立した各領域が発光画素である。RGBマトリクス
型ディスプレイではR,G,Bの3つの発光画素が1つ
の画素を構成する。
【0017】本発明のドット状スペーサーの数は、基板
上の発光画素の数の1/100以上であることが好まし
い。本発明が目的とする有機電界発光装置は、発光画素
の数が数万以上ある高精細なものである。ドット状スペ
ーサーがその機能を発揮するためには発光画素数の1/
100以上であることが好ましく、1/10以上あるい
は発光画素と同数であってもよい。ドット状スペーサー
の数は、シャドーマスクを使用して蒸着工程を実施する
場合に、シャドーマスクの基板との均一密着を実現し、
薄膜層の傷つきを防止することができるという必要要件
を満たすならば、装置内に取り込まれる樹脂量を最低に
保持するため、ドット状スペーサーの数は少ない方が好
ましいが、最低限度を発光画素の数の1/100にする
ことが適当である。勿論、発光画素の数が少ない装置に
本発明のドット状スペーサーを適用する場合には、1/
100以上での適当な数で配置することができる。
【0018】本発明のドット状スペーサーの平面積は発
光画素の面積より小さく設定することが好ましい。上記
のように発光画素の面積は、第一電極と第二電極の交差
する部分に相当する。通常、第一電極と第二電極は互い
に直交するように配置されるので発光画素の面積は、第
一電極の幅と第二電極の幅との積に相当する。ドット状
スペーサーの平面積を、この発光画素の面積より小さく
することにより、上記のように数を少なくすることと相
俟って、本発明の目的である装置内に取り込まれる樹脂
量を可能な限り少なくすることに寄与することができ
る。
【0019】本発明のドット状スペーサーの位置は特に
限定されるものではなく、場合によっては1つの発光画
素領域内に配置することもできるが、発光面積を有効に
活用するためには発光画素の間に配置することが好まし
い。例えば、セグメント型の発光装置では、各発光画素
の周辺に沿うように配置することができる。基板上に間
隔をあけて配置されたストライプ状第一電極とそれと交
差する複数のストライプ状第二電極がある単純マトリク
ス型の発光装置では、その第二電極の間にドット状スペ
ーサーを配置することができる。例えば、第二電極を幅
270μmで300μmのピッチのストライプ状に形成
する場合には、第二電極間の間隔は30μmであり、こ
の部分にドット状スペーサーを配置すればよい。
【0020】本発明の有機電界発光装置は次のような工
程で製造される。第一電極と第二電極は発光画素に発光
のために十分な電流を供給する役割を有し、光を取り出
すために少なくとも一方は透明である。通常、基板上に
形成される第一電極を透明電極とする。透明電極材料と
しては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化バナ
ジウム、酸化錫インジウム(ITO)などがあるが、パ
ターニングを施す目的からは、加工性に優れたITOを
用いることが好ましい。
【0021】ITO膜をパターニングして間隔をあけて
配置された複数のストライプ状の第一電極は、フォトリ
ソグラフィ法で形成される。
【0022】また本発明においては、導電性向上のため
にITOには少量の銀や金などの金属が含有されていて
もよく、また、錫、金、銀、銅、亜鉛、インジウム、ア
ルミニウム、クロム、ニッケルなどをITOのガイド電
極として使用する。これらのガイド電極として使用され
る金属膜は、2種以上を積層して用いることもできる。
【0023】第一電極のパターニングの後に、前記した
材料を用い、前記した方法で、少なくとも一部分が薄膜
層の厚さを上回る高さをもつドット状スペーサーを、後
工程で形成される第二電極の間に存在するように形成す
る。
【0024】場合によっては、スペーサーを形成する前
に、第一電極の発光画素となる部分を除いた部分または
その周辺を含んだ部分に絶縁層を形成することができ
る。絶縁膜を設置する部分の選択はこれに限定されるも
のではなく、必要な部分に適当な形状で形成することが
可能である。この絶縁層は前記スペーサー材料を用いて
形成することができる。また、例えば、リフトオフ用フ
ォトレジストを全面に塗布した後、発光画素のサイズに
相当する開口部を第一電極のピッチおよび第二電極のピ
ッチでそれぞれの方向に配置したフォトマスクを用いて
パターニングし、電子ビーム蒸着法などで無機膜を形成
する。その後、発光画素の部分に残っているリフトオフ
用レジストを除去することで、発光画素の部分以外の領
域に酸化ケイ素などの無機物からなるの絶縁膜を形成す
ることもできる。
【0025】有機電界発光装置の発光画素に配置される
薄膜層は、1)正孔輸送層/発光層、2)正孔輸送層/
発光層/電子輸送層、3)発光層/電子輸送層、そして
4)以上の層構成物質を一層に混合した形態の発光層の
いずれであってもよい。すなわち、少なくとも有機化合
物からなる発光層が存在していれば、上記1)〜3)の
多層積層構造の他に4)のように発光材料単独または発
光材料と正孔輸送材料や電子輸送材料を含む発光層を一
層設けるだけでもよい。
【0026】上記正孔輸送層、発光層、電子輸送層など
の有機層には公知の材料が用いられる。それらの形成方
法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング
法などがある。特に限定されるものではないが、通常
は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着などの蒸着法が特性
面で好ましい。層の厚みは、有機層の抵抗値にもよるの
で限定することはできないが、経験的には10〜100
0nmの間から選ばれる。
【0027】第二電極となる陰極は、電子を本素子の発
光層に効率よく注入できる物質であれば特に限定されな
い。従って、アルカリ金属などの低仕事関数金属の使用
も可能であるが、電極の安定性を考えると、白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、マグネシウム、インジ
ウムなどの金属、またはこれら金属と低仕事関数金属と
の合金などが好ましい例として挙げられる。また、あら
かじめ有機層に低仕事関数金属を微量ドーピングしてお
き、その後に比較的安定な金属を陰極として成膜するこ
とで、電極注入効率を高く保ちながら安定な電極を得る
こともできる。これらの電極の作製法も抵抗加熱蒸着、
電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ法などのドライプロセスが好ましい。
【0028】本発明のドット状スペーサーが基板上に存
在する有機電界発光装置の製造方法においては、シャド
ーマスクをドット状スペーサーに密着させた状態で蒸着
物を蒸着せしめて発光層もしくは第二電極の少なくとも
一方をパターニングすることが特徴である。
【0029】シャドーマスクには蒸着部分となる開口部
と非蒸着部分となるマスク部分が存在するが、例えば、
ストライプ状の第二電極パターンに対応するシャドーマ
スクにおいては、マスク部分が糸のように細くなり、撓
みなどによって開口部形状が変形するという問題があ
る。このような問題に対しては、ストライプ状開口部の
変形を防止するために開口部を横切るように補強線を導
入してシャドーマスクの強度を向上させる手段が採用さ
れている。マトリクス状に形成される発光層形成に用い
るシャドーマスクに配置される補強線と、ストライプ状
で連続した導線として機能する第二電極の形成に用いる
シャドーマスクに配置される補強線とは、設置する位置
が異なり、それぞれ支障のないように工夫される。図1
に発光層パターニング用シャドーマスクの一例を示し、
図2に第二電極パターニング用シャドーマスクの一例を
示したが、これらに限定されるものではない。
【0030】本発明では、磁性材料からなるシャドーマ
スクを磁力によってドット状スペーサーに密着させるこ
とが好ましい。発光層および第二電極のマスク蒸着法に
用いられるシャドーマスクは、パターンが微細なためマ
スクの強度が十分ではなく、基板上のスペーサーとの密
着性を磁力によって向上させることが必要であり、マス
ク材として磁性材料を用いることが好ましい。その材料
としては、純鉄、炭素鋼、W鋼、Cr鋼、Co鋼、KS
鋼などの焼入硬化磁石材料、MK鋼、Alnico鋼、
NKS鋼、Cunico鋼などの析出硬化磁石材料、O
Pフェライト、Baフェライトなどの焼結磁石材料、な
らびにSm−Co系やNd−Fe−B系に代表される各
種希土類磁石材料、珪素鋼板、Al−Fe合金、Ni−
Fe合金(パーマロイ)などの金属磁心材料、Mn−Z
n系、Ni−Zn系、Cu−Zn系などのフェライト磁
心材料、カーボニル鉄、Moパーマロイ、センダストな
どの微粉末を結合材と共に圧縮成型させた圧粉磁心材料
があげられる。これらの磁性材料を薄い板状に成形した
ものからマスクを作製することが望ましいが、ゴムや樹
脂に磁性材料の粉末を混入してフィルム状に成形したも
のを用いることもできる。
【0031】シャドーマスクの製造方法は、特に限定さ
れるものではなく、機械的研磨法、サンドブラスト法、
焼結法、レーザー加工法などの方法を利用することがで
きるが、加工精度に優れるエッチング法、電鋳法、フォ
トリソグラフィ法を利用することが好ましい。中でも電
鋳法はマスク部分を比較的容易に成形できるので特に好
ましいシャドーマスクの製造方法である。
【0032】フルカラー表示の有機電界発光装置は、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3色の領域に発光ピーク
波長を有する3つの発光色に対応してパターニングされ
た3種類の発光画素を有する。RGB3個の発光画素が
1つの画素を形成する。このようなフルカラー表示の有
機電界発光装置の1つの色の発光層パターニングは、開
口部を第一電極のピッチで3ピッチ毎に形成したシャド
ーマスクを用いて行う。第1の色の発光層をパターニン
グした後、1ピッチ分だけ基板とシャドーマスクの相対
位置を動かして第2の色の発光層を作製し、さらに1ピ
ッチ分だけ相対位置を動かして第3の色の発光層を形成
する。しかし、フルカラー表示の有機電界発光装置の発
光層の形成も、この方法に限定されることはなく、1つ
の発光層のマスク蒸着を2回以上に分割して実施するな
どの方法を用いることもある。
【0033】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0034】実施例1 厚さ1.1mmの無アルカリガラス基板表面にスパッタ
リング蒸着法によって厚さ130nmのITO透明膜が
形成されたITO基板を120×90mmの大きさに切
断した。ITO基板上にフォトレジストを塗布して、通
常のフォトリソグラフィ法により露光・現像を行ってフ
ォトレジストをパターニングした。ITOの不要部分を
エッチングして除去した後、フォトレジストを除去する
ことで、ITO膜を長さ90mm、幅80μmのストラ
イプ状にパターニングした。このようにして形成された
ストライプ状第一電極は100μmピッチで816本配
置された。
【0035】次にネガティブ型のリフトオフ用フォトレ
ジスト(日本ゼオン社製:ZPN1100)を全面に厚
さ3μmに塗布した。このレジストのパターニングに用
いたフォトマスクは65μm幅で235μmの長さの開
口部が幅方向は100μmピッチで、長さ方向は300
μmピッチで配置されたものを用いた。ストライプ状第
一電極上にフォトマスクの幅65μmがその中心に配置
されるように位置合わせしてパターニングした。引き続
き基板上に電子ビーム蒸着法で厚さ150nmの酸化ケ
イ素膜を形成した。この基板をアセトン中で超音波洗浄
するとリフトオフ用レジストが溶解し、その上の酸化ケ
イ素膜が除去され、発光画素部分以外の領域に酸化ケイ
素膜の絶縁層が形成される。
【0036】その次の工程でドット状スペーサーを形成
する。第一電極および絶縁層が形成された基板上の全面
に、ポリイミド系の感光性コーティング剤(東レ社製、
UR−3100)をスピンコート法で塗布し、クリーン
オーブンにより窒素雰囲気下で80℃、1時間プリベー
キングした。次に、この塗布膜に、50μm幅で50μ
m長さの開口部が第一電極に沿った方向に1.8mmピ
ッチで、そして第一電極に直交する方向に0.8mmピ
ッチで配置されたフォトマスクを、ストライプ状にパタ
ーニングされた第一電極の中央部にフォトマスクの50
μm幅の開口部が配置されるように位置合わせして露光
し、現像液(東レ社製、DV−505)を用いて現像し
た。その後、クリーンオーブン中で180℃、30分
間、さらに250℃、30分間ベーキングして、厚さ4
μmのドット状スペーサー3,468個を形成した。
【0037】少なくとも有機化合物からなる発光層を含
む薄膜層は、抵抗線加熱方式による真空蒸着法で形成す
る。この時の真空度は2×10-4Pa以下で、蒸着中は
蒸着源に対して基板を回転させた。まず、正孔輸送層と
して、銅フタロシアニンを15nm、ビス(N−エチル
カルバゾール)を60nm基板全面に蒸着した。
【0038】次に発光層の形成を行うが、用いるシャド
ーマスクは次のようにして形成したものである。すなわ
ち、電鋳法によって電鋳母型上にNi−Co合金を析出
させることで、図1に示すようにストライプ状の開口部
32を有し、それを横切るように形成された補強線33
が存在し、マスク部分と補強線とが同一平面内に形成さ
れた構造を有する。このシャドーマスクの外形は120
×84mm、マスク部分31の厚さは25μmである。
長さ64mm、幅70μmのストライプ状開口部32が
ピッチ300μmで272本配置されている。各ストラ
イプ形状開口部には、開口部を横切り直交する幅20μ
mの補強線33がピッチ1.8mmで形成されている。
シャドーマスクは外形が等しい幅4mmのステンレス鋼
製フレーム34に固定されている。
【0039】前記発光層形成用シャドーマスクを基板前
方に配置してドット状スペーサーに密着させ、基板後方
にはフェライト系磁石(日立金属社製、YBM−1B)
を配置した。この際、ストライプ状第一電極がシャドー
マスクのストライプ状開口部の中心に位置し、補強線が
スペーサーのある位置と一致するように、両者は位置合
わせされている。
【0040】このように配置した基板に対して、赤色
(R)発光層の形成を行う。R発光層のホスト材料は8
−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体(Alq3)で
あり、これにゲスト材料として1重量%の4−(ジシア
ノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノ
スチリル)−4−ピラン(DCM)を共蒸着しながら、
15nmの厚さに蒸着した。
【0041】次いで、発光層形成用シャドーマスクの配
置を第一電極の1ピッチ分だけずらした状態で、ホスト
材料はR発光層と同様のAlq3(21nm)を、ゲス
ト材料は1,3,5,7,8−ペンタメチル−4,4−
ジフロロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダ
セン(PM546)を用いた緑色(G)発光層を形成し
た。さらに、1ピッチ分シャドーマスクを移動して青色
(B)発光層を形成した。B発光層としては、4,4’
−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ジフェニル(D
PVBi)を用いた。この場合にはゲスト材料を使用せ
ず、DPVBiのみを20nm蒸着した。この後、基板
全面にDPVBiを35nm、Alq3を10nm蒸着
し、最後に薄膜層をリチウム蒸気に曝して電子輸送層を
形成した。
【0042】第二電極のパターニングには図2に示すよ
うにマスク部分31の一方の面と補強線33との間に隙
間が存在する構造のシャドーマスクを用いた。このシャ
ドーマスクの外形は120×84mm、マスク部分の厚
さは100μmであり、長さ100mm、幅250μm
のストライプ状開口部がピッチ300μmで200本配
置されている。マスク部分の上には、幅40μm、厚さ
35μm、対向する二辺の間隔が200μmの正六角形
構造からなるメッシュ状の補強線が形成されている。隙
間の高さはマスク部分の厚さと等しく100μmであ
る。このシャドーマスクはステンレス鋼製のフレーム3
4に固定して用いられる。
【0043】第二電極の蒸着時の真空度は3×10-4
a以下で、蒸着中は2つの蒸着源に対して基板を回転さ
せた。発光層のパターニング形成と同様に、第二電極用
マスクを薄膜層までが形成された基板前方に配置して所
定の位置で密着させ、基板後方には板磁石を配置した。
この状態でアルミニウムを320nmの厚さに蒸着して
第二電極をパターニングした。第二電極は、間隔をあけ
て配置された複数のストライプ状にパターニングされて
いる第一電極と直交する配置で、間隔をあけて配置され
た複数のストライプ状にパターニングされている。
【0044】次に、基板を露点−100℃の絶乾アルゴ
ン雰囲気下に移して、エポキシ樹脂(CSC社製、XN
R/H3101)とガラス製の封止板を用いて発光画素
領域を封止した。その後十分に樹脂が硬化してから基板
を通常雰囲気下に取り出した。
【0045】このようにして、本数816本のITOス
トライプ状第一電極上にパターニングされたR、G、B
発光層が形成され、第一電極と直交する幅240μm、
ピッチ300μmのストライプ状第二電極が200本配
置された単純マトリクス型ストライプ配列のカラー表示
の有機電界発光装置が作製された。R、G、Bの3つの
発光画素が1画素を形成するので、本発光装置は300
μmピッチで272×200画素を有する。本実施例に
より、色純度に優れると共に、発光効率が高く、表示欠
陥のない有機電界発光装置が得られた。
【0046】一つの発光画素の面積は65μm×235
μmであり、1つのドット状スペーサーの平面積は50
μm×50μmで前者が大きく、発光画素の数は816
×200=163200でありドット状スペーサーの数
は102×34=3468でドット状スペーサーの数は
発光画素の数の約1/47であった。この数のドット状
スペーサーによりスペーサーとしての役割が遂行でき
た。また、100時間経過後も発光画素のダークスポッ
トの拡大は認められなかった。
【0047】実施例2 ドット状スペーサーの数を形成する発光画素の数と同じ
となるようにした。つまり、実施例1において、第一電
極および絶縁層を形成した後、感光性ポリイミドコーテ
ィング剤を塗布し、これにパターン露光する際のフォト
マスクとして、次のような開口部配置のものを使用し
た。すなわち、50μm幅で50μm長さの開口部が第
一電極に沿った方向に300μmピッチで、そして第一
電極に直交する方向に100μmピッチで配置されたも
ので、ドット状スペーサーの数は163200であっ
た。
【0048】その他の工程は実施例1を繰り返し、色純
度に優れると共に、発光効率が高く、表示欠陥のない有
機電界発光装置が得られた。また、100時間経過後も
発光画素のダークスポットの拡大は認められなかった。
【0049】比較例1 スペーサーを第二電極の間に直線状に形成した。つま
り、実施例1において、第一電極および絶縁層を形成し
た後、感光性ポリイミドコーティング剤を塗布し、これ
にパターン露光する際のフォトマスクとして、50μm
幅で104mm長さの開口部が第一電極に沿った方向に
300μmピッチで配置されたものを使用した。直線状
スペーサーの数は201本であった。
【0050】その他の工程は実施例1を繰り返し、色純
度に優れると共に、発光効率が高く、表示欠陥のない有
機電界発光装置が得られた。しかしながら、100時間
経過後に発光画素のダークスポットの拡大が認められ
た。
【0051】比較例2 スペーサーを形成しなかったこと以外は実施例1を繰り
返し、有機電界発光装置を得た。しかしながら、シャド
ーマスクと薄膜層との接触により導入された傷の影響と
考えられる非発光画素つまり表示欠陥の存在が多数認め
られた。
【0052】
【発明の効果】少なくとも一部分が薄膜層を上回る高さ
をもつドット状スペーサーを基板上に存在させることに
より、スペーサーとしての役割を遂行することが可能で
あり、発光装置に悪影響を与える可能性のある樹脂材料
などを出来る限り少なくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光層パターニング用シャドーマスクの一例を
示す平面図。
【図2】第二電極パターニング用シャドーマスクの一例
を示す平面図。
【符号の説明】
31 マスク部分 32 開口部 33 補強線 34 フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB00 AB03 AB04 BA06 BB01 CA01 CB01 DA00 DB03 EB00 FA00 FA01 FA03 5C094 AA08 AA60 BA27 CA19 CA24 EA05 EB02 GB10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された第一電極と、前記第一
    電極上に形成された少なくとも有機化合物からなる発光
    層を含む薄膜層と、前記薄膜層上に形成された第二電極
    とを含み、複数の発光画素を有する有機電界発光装置で
    あって、少なくとも一部分が前記薄膜層の厚さを上回る
    高さをもつドット状スペーサーが前記基板上に存在する
    ことを特徴とする有機電界発光装置。
  2. 【請求項2】ドット状スペーサーの数が発光画素の数の
    1/100以上であることを特徴とする請求項1記載の
    有機電界発光装置。
  3. 【請求項3】ドット状スペーサーの平面積が発光画素の
    面積より小さいことを特徴とする請求項1記載の有機電
    界発光装置。
  4. 【請求項4】ドット状スペーサーが複数の第二電極の間
    に位置することを特徴とする請求項1記載の有機電界発
    光装置。
  5. 【請求項5】第一電極は間隔をあけて基板上に配置され
    た複数のストライプ状電極であり、第二電極は前記第一
    電極に対して交差する複数のストライプ状電極であり、
    前記第二電極の間にドット状スペーサーが存在すること
    を特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置。
  6. 【請求項6】シャドーマスクをドット状スペーサーに密
    着させた状態で蒸着物を蒸着せしめることにより発光層
    もしくは第二電極の少なくとも一方をパターニングする
    ことを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  7. 【請求項7】磁性材料からなるシャドーマスクを磁力に
    よってドット状スペーサーに密着させることを特徴とす
    る請求項5記載の有機電界発光装置の製造方法。
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