JP3669897B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等の基板に対し、処理室内で送風しつつ現像処理等の処理を施す基板処理装置および基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスのフォトリソグラフィー工程においては、半導体ウエハにレジストを塗布し、これにより形成されたレジスト膜を所定の回路パターンに応じて露光し、この露光パターンを現像処理することによりレジスト膜に回路パターンが形成される。
【0003】
従来から、このような一連の工程を実施するために、レジスト塗布現像処理システムが用いられている。このようなレジスト塗布現像処理システムは、ウエハに塗布現像のための各種処理を施すための各種処理ユニットが多段配置された処理ステーションと、複数の半導体ウエハを収納するカセットが載置され、半導体ウエハを一枚ずつ処理ステーションに搬入し、処理後の半導体ウエハを処理ステーションから搬出しカセットに収納するカセットステーションと、このシステムに隣接して設けられ、レジスト膜を所定のパターンに露光する露光装置との間でウエハを受け渡しするためのインターフェイス部とを一体的に設けて構成されている。
【0004】
このようなレジスト塗布現像処理システムでは、カセットステーションに載置されたカセットからウエハが一枚ずつ取り出されて処理ステーションに搬送され、まずアドヒージョン処理ユニットにて疎水化処理が施され、冷却処理ユニットにて冷却された後、レジスト塗布ユニットにてフォトレジスト膜が塗布され、加熱処理ユニットにてベーキング処理が施される。
【0005】
その後、半導体ウエハは、処理ステーションからインターフェイス部を介して露光装置に搬送されて、露光装置にてレジスト膜に所定のパターンが露光される。露光後、半導体ウエハは、インターフェイス部を介して、再度処理ステーションに搬送され、露光された半導体ウエハに対し、まず、加熱処理ユニットにてポストエクスポージャーベーク処理が施され、冷却後、現像処理ユニットにて現像液が塗布されて露光パターンが現像される。その後、加熱処理ユニットにてポストベーク処理が施され、冷却されて一連の処理が終了する。一連の処理が終了した後、半導体ウエハは、カセットステーションに搬送されて、ウエハカセットに収容される。
【0006】
上述した塗布現像システムにおいて、回転系の処理ユニットである現像ユニットでは、露光後、ベーク処理および冷却処理されたウエハが処理室内のスピンチャックに装着され、現像液が供給されて、ウエハの全面に例えば1mmの厚みになるように塗布される。この現像液がウエハに塗布された状態で所定時間静止されて、自然対流により現像処理が進行される。その後、ウエハがスピンチャックにより回転されて現像液が振り切られ、リンス液が吐出されてウエハ上に残存する現像液が洗い流され、スピンチャックが高速で回転され、ウエハ上に残存する現像液およびリンス液が吹き飛ばされてウエハが乾燥されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような現像工程においては、現像ユニットの処理室内には、その上方からフィルターを介して清浄空気が送風されるとともに処理室の下方から排気され、処理室内に清浄空気のダウンフローを形成するが、ウエハ全面に現像液を塗布した状態で所定時間静止する際には、温度変化を防止するために排気を停止し、現像液の静止終了間際に排気を再開するようにしている。しかしながら、このように現像液の静止中に排気を停止すると、現像ユニットの処理室内の圧力が上昇する。
【0008】
また、ウエハを現像ユニットに搬入する際には、ウエハ搬送装置が現像ユニットのシャッターの正面に到着すると、このシャッターを開き、ウエハ搬送装置によりウエハをスピンチャックに受け渡すようにしているが、このシャッターを開く際、現像ユニットの処理室内の圧力が低下する。
【0009】
このような圧力変動は、従来、現像処理に対してほとんど問題とならなかったが、近年、デバイスの高集積化に伴いパターンが益々微細化しており、また、省スペース化の観点から現像ユニットが小型化されているため、上述したような処理室内の圧力変動が現像処理に影響を与えるおそれがある。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、処理室内の圧力変動を極力抑制し、圧力変動に伴う処理への悪影響を排除することができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、その中で基板に所定の処理を施す処理室と、
前記処理室内にその上方から下方に向けて送風する送風手段と、
前記処理室内をその下方から排気する排気手段と、
基板を処理室へ搬入または処理室から搬出するための搬入出口と、
この搬入出口を開閉するシャッターと、
このシャッターが開いた際に、それに連動して前記送風手段の送風量を増加させ、または排気手段の排気量を減少させるように制御し、処理室内の圧力を略一定に維持する制御手段と
を具備することを特徴とする基板処理装置が提供される。
0012
このような構成によれば、処理ユニットが小型化されて被処理基板の搬入出のためのシャッターの開閉に伴う処理室内の圧力変動しやすい場合であっても、シャッターが開いた際に、それに連動して、送風量を増加させ、または排気量を減少させるように制御して処理室内の圧力を略一定に維持するようにしているため、シャッターが開いた際の圧力低下を補償して、処理室内の圧力変動を極力抑制することができ、圧力変動に伴う影響を排除することができる。
0013
本発明の第2の観点によれば、基板を収容する処理室と、
前記処理室内で基板に対して処理液を供給する処理液供給機構と、
前記処理室内にその上方から下方に向けて送風する送風手段と、
前記処理室内をその下方から排気するための排気手段と、
基板に処理液が供給された後の所定の期間に、前記排気手段の排気動作を停止し、これに連動して、前記送風手段の送風量を減少させ、前記処理室内の圧力を略一定に維持する制御手段と
を具備することを特徴とする基板処理装置が提供される。
0014
このような構成によれば、基板に対して処理液による液処理を施す際に、基板に処理液が供給された後の所定の期間に、温度変動等を防止するために排気手段の排気動作を停止し、それによって処理室内の圧力上昇があっても、排気動作の停止に連動して送風手段の送風量を減少させて処理室内の圧力を略一定に維持するようにしているため、排気動作の停止に伴う圧力上昇を補償して、処理室内の圧力変動を極力抑制することができ、圧力変動に伴う影響を排除することができる。
0015
本発明の第3の観点によれば、処理室内で基板に所定の処理を施す基板処理方法であって、
前記処理室内にその上方から下方に向けて送風するとともに、その下方から排気し、この送風および排気中に、基板を搬入出するための搬入出口を開閉するシャッターを開き、このシャッターが開いた際に、それに連動して送風量を増加させ、または排気量を減少させて、処理室内の圧力を略一定に維持することを特徴とする基板処理方法が提供される。
0016
本発明の第4の観点によれば、 処理室内にその上方から下方に向けて送風するとともに、その下方から排気しつつ、処理室内で基板に処理液を供給して所定の液処理を施す基板処理方法であって、
基板に処理液が供給された後の所定の期間に、排気動作を停止し、これに連動して、前記送風手段の送風量を減少させ、前記処理室内の圧力を略一定に維持することを特徴とする基板処理方法が提供される。
0017
これら本発明の第3の観点または第4の観点の構成によれば、それぞれ上記第1の観点または第2の観点と同様の効果を得ることができる。
0018
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の基板処理装置の一実施形態に係る現像処理ユニットが搭載されたレジスト塗布現像処理システムを示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。
0019
このレジスト塗布現像処理システム1は、搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11と隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間で被処理体としての半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)を受け渡すためのインターフェイス部12とを具備している。
0020
上記カセットステーション10は、ウエハWを複数枚例えば25枚単位でウエハカセットCRに搭載された状態で他のシステムからこのシステムへ搬入またはこのシステムから他のシステムへ搬出したり、ウエハカセットCRと処理ステーション11との間でウエハWの搬送を行うためのものである。
0021
このカセットステーション10においては、図1に示すように、ウエハカセットCRを載置する載置台20上に図中X方向に沿って複数(図では4個)の位置決め突起20aが形成されており、この突起20aの位置にウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション11側に向けて一列に載置可能となっている。ウエハカセットCRにおいてはウエハWが垂直方向(Z方向)に配列されている。また、カセットステーション10は、載置台20と処理ステーション11との間に位置するウエハ搬送機構21を有している。このウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用アーム21aを有しており、このウエハ搬送用アーム21aによりいずれかのウエハカセットCRに対して選択的にアクセス可能となっている。また、ウエハ搬送用アーム21aは、θ方向に回転可能に構成されており、後述する処理ステーション11側の第3の処理ユニット群Gに属するアライメントユニット(ALIM)およびエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
0022
上記処理ステーション11は、ウエハWに対して塗布・現像を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されており、これらによりウエハWが一枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図1に示すように、中心部に搬送路22aを有し、この中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置されている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理ユニット群に分かれており、各処理ユニット群は複数の処理ユニットが鉛直方向に沿って多段に配置されている。
0023
主ウエハ搬送機構22は、図3に示すように、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46を上下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体49はモータ(図示せず)の回転駆動力によって回転可能となっており、それにともなってウエハ搬送装置46も一体的に回転可能となっている。
0024
ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これらの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
0025
また、図1に示すように、この実施の形態においては、4個の処理ユニット群G,G,G,Gが搬送路22aの周囲に実際に配置されており、処理ユニット群Gは必要に応じて配置可能となっている。
0026
これらのうち、第1および第2の処理ユニット群G,Gはシステム正面(図1において手前)側に並列に配置され、第3の処理ユニット群Gはカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理ユニット群Gはインターフェイス部12に隣接して配置されている。また、第5の処理ユニット群Gは背面部に配置可能となっている。
0027
第1の処理ユニット群Gでは、カップCP内でウエハWをスピンチャック(図示せず)に載置してウエハWにレジストを塗布するレジスト塗布処理ユニット(COT)および同様にカップCP内でレジストのパターンを現像する現像ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理ユニット群Gも同様に、2台のスピナ型処理ユニットとしてレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
0028
第3の処理ユニット群Gにおいては、図3に示すように、ウエハWを載置台SP(図1)に載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、冷却処理を行うクーリングユニット(COL)、露光処理前や露光処理後、さらには現像処理後にウエハWに対して加熱処理を行う4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。なお、アライメントユニット(ALIM)の代わりにクーリングユニット(COL)を設け、クーリングユニット(COL)にアライメント機能を持たせてもよい。
0029
第4の処理ユニット群Gも、オーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、クーリングユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、および4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
0030
主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処理ユニット群Gを設ける場合には、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっている。したがって、第5の処理ユニット群Gを設けた場合でも、これを案内レール25に沿ってスライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。
0031
上記インターフェイス部12は、奥行方向(X方向)については、処理ステーション11と同じ長さを有している。図1、図2に示すように、このインターフェイス部12の正面部には、可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部には周辺露光装置23が配設され、中央部には、ウエハ搬送機構24が配設されている。このウエハ搬送機構24は、ウエハ搬送用アーム24aを有しており、このウエハ搬送用アーム24aは、X方向、Z方向に移動して両カセットCR,BRおよび周辺露光装置23にアクセス可能となっている。また、このウエハ搬送用アーム24aは、θ方向に回転可能であり、処理ステーション11の第4の処理ユニット群Gに属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置側のウエハ受け渡し台(図示せず)にもアクセス可能となっている。
0032
このようなレジスト塗布現像処理システムにおいては、まず、カセットステーション10において、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用アーム21aが載置台20上の未処理のウエハWを収容しているウエハカセットCRにアクセスして、そのウエハカセットCRから一枚のウエハWを取り出し、第3の処理ユニット群Gのエクステンションユニット(EXT)に搬送する。
0033
ウエハWは、このエクステンションユニット(EXT)から、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送装置46により、処理ステーション11に搬入される。そして、第3の処理ユニット群Gのアライメントユニット(ALIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施される。この処理は加熱を伴うため、その後ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、クーリングユニット(COL)に搬送されて冷却される。
0034
アドヒージョン処理が終了し、クーリングユニット(COL)で所定の温度に冷却されたウエハWは、引き続き、ウエハ搬送装置46によりレジスト塗布処理ユニット(COT)に搬送され、そこで塗布膜が形成される。塗布処理終了後、ウエハWは処理ユニット群G,Gのいずれかのホットプレートユニット(HP)内でプリベーク処理され、その後いずれかのクーリングユニット(COL)にて所定の温度に冷却される。
0035
冷却されたウエハWは、第3の処理ユニット群Gのアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこでアライメントされた後、第4の処理ユニット群Gのエクステンションユニット(EXT)を介してインターフェイス部12に搬送される。
0036
インターフェイス部12では、余分なレジストを除去するために周辺露光装置23によりウエハの周縁例えば1mmを露光し、インターフェイス部12に隣接して設けられた露光装置により所定のパターンに従ってウエハWのレジスト膜に露光処理が施される。
0037
露光後のウエハWは、再びインターフェイス部12に戻され、ウエハ搬送機構24により、第4の処理ユニット群Gに属するエクステンションユニット(EXT)に搬送される。そして、ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、いずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストエクスポージャーベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により所定の温度に冷却される。
0038
その後、ウエハWは現像ユニット(DEV)に搬送され、そこで露光パターンの現像が行われる。現像処理終了後、ウエハWはいずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により所定温度に冷却される。このような一連の処理が終了した後、第3処理ユニット群Gのエクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に戻され、いずれかのウエハカセットCRに収容される。
0039
次に、図4ないし図6を参照して、現像ユニット(DEV)について説明する。図4は、現像ユニット(DEV)の模式的断面図であり、図5は、図4に示した現像ユニット(DEV)の模式的平面図であり、図6は、現像ユニットの処理工程のタイミングチャートである。
0040
図4に示すように、現像ユニット(DEV)の処理室51内には、環状のカップCPが配置され、カップCPの内側には、ウエハWを吸着するためのスピンチャック52が配置され、このスピンチャック52はモーター55により回転駆動されるようになっている。
0041
また、図5に示すように、処理室51内にはY方向に延びるガイドレール53が設けられ、このガイドレール53上をY方向に沿って図示しない駆動機構により移動可能にノズルアーム54が設けられている。このノズルアーム54の先端には、現像液供給ノズル56が取り付けられている。この現像液供給ノズル56は、長尺状をなし、その長手方向が水平になるように配置されており、ウエハWの直径よりも若干長い長さを有している。現像液の塗布の際には、現像液供給ノズル56がウエハWの中央部分の直上に配置された状態とされ、図示しない現像液供給部から配管を介して供給された現像液が、現像液供給ノズル56の吐出口から帯状に吐出されると同時に、ウエハWが1/2回以上、例えば1回転されることにより、現像液がウエハW全面に塗布される。この現像液供給ノズル56は、複数の吐出口を並列に設けたものであっても、スリット状の吐出口を有するものであってもよい。
0042
さらに、現像処理ユニット(DEV)は、洗浄液を吐出するためのリンスノズル57を有しており、このリンスノズル57は、ガイドレール53上をY方向に移動自在に設けられたノズルアーム58の先端に取り付けられている。これにより、現像液による現像処理の終了後、ウエハW上に移動して、洗浄液をウエハWに吐出するようになっている。
0043
処理室51の側方には、ウエハ搬送装置46のウエハ支持用の保持部材48がウエハWを搬送する際に処理室51内に侵入するための開口59が設けられており、この開口59を開閉するためのシャッター60が昇降自在に設けられている。このシャッター60は、後述するように、現像ユニットコントローラ80によりその開閉が制御されるようになっている。
0044
処理室51の上方には、処理室51内の下方に向けて送風する送風ユニット61が設けられている。この送風ユニット61には、図示しないブロアーから延びる送風管62が接続され、その途中には、ダンパー63が介装されている。このユニット61には、処理室51内に送風する空気を清浄化するためのフィルター64が設けられ、このフィルター64下側には、処理室51内に送風する空気を調節するスリットダンパー65が設けられている。このスリットダンパー65は、上段のスリット板66と下段のスリット板67とで構成され、下段のスリット板67をモーター68により水平移動させることにより、スリットの間隔が調節され、処理室51内に送風する空気の流量が制御されるようになっている。一方、処理室51の底部には、一対の排気管71,72が接続され、これら排気管71,72内には、オートダンパー73が開閉自在に設けられている。オートダンパー73はモーター74により駆動されてその開度が調節され、排気量が制御可能となっている。このようにスリットダンパー65およびオートダンパー73を調節することにより、処理室51内に所定流量の清浄空気のダウンフローが形成される。
0045
上記一対の排気管71,72の下端には、ミストトラップ75が設けられ、このミストトラップ75から、ガスを排出するための排気管76と、液を排出するためのドレイン77とが延びている。
0046
また、現像処理ユニット(DEV)には、スピンチャック52の回転、現像液ノズル56からの現像液の吐出、ノズルアーム54,58の移動など、現像処理ユニット(DEV)全体を制御するための現像ユニットコントローラ80が設けられている。
0047
本実施形態では、この現像ユニットコントローラ80から、下段のスリット板67を移動させるモーター68と、排気管71および72内のオートダンパー73のモーター74とに制御信号が送られるようになっている。
0048
次に、図6を参照して、上記のように構成された現像処理ユニット(DEV)における現像処理のシーケンス動作を説明する。
0049
露光後、ポストエクスポージャーベーク処理が施され、冷却されたウエハWは、ウエハ搬送装置46により、現像処理ユニット(DEV)に搬入される。この際に、クーリングユニット(COL)から搬送装置46が垂直移動して、現像処理ユニット(DEV)のシャッター60の正面に到達すると、シャッター60が開かれる。
0050
このシャッター60が開かれることに連動して、現像ユニットコントローラ80からモーター68に制御信号が送られ、モーター68によりスリット板67が移動されて、スリットダンパー65の間隔が広げられ、図6に示すように、処理室51内への送風量が増加される。
0051
このように、シャッター60が開かれることに連動して、送風量を増加させるように制御し、処理室51内の圧力を略一定に維持するようにしているため、シャッター60の開動作に伴う圧力低下を補償して、処理室51内の圧力変動を極力抑制することができ、圧力変動に伴う影響を排除することができる。なお、送風量の制御はスリットダンパー65の間隔を変化させる代わりに、ダンパー63の開度を変化させてもよい。
0052
送風量を増加させるタイミングは、シャッター60の開動作に連動していればよく、シャッター60が開くのと同時であっても、その前後であってもよい。また、シャッター60を開く際、送風量を増加させることに代えて、排気量を減少させるように、現像ユニットコントローラ80によりモーター74を制御してオートダンパー73の開度を制御してもよい。
0053
次いで、ウエハWは、ウエハ搬送装置46の保持部材48によってカップCPの真上まで搬送されてスピンチャック52に真空吸着される。その後、保持部材48が処理室51から退出され、シャッター60が閉じられる。シャッター60の閉動作に連動して(すなわち、シャッター60が閉じられると同時またはその前後に)、現像ユニットコントローラ80からモーター68に制御信号が送られ、モーター68によりスリット板67が移動されて、スリットダンパー65の間隔が狭められ、処理室51内への送風量が元に戻される。なお、シャッター60を開いた際に排気量を減少させた場合には、排気量を圧力を元に戻すように現像ユニットコントローラ80の制御信号に基づいてモーター74によりオートダンパー73の開度を制御すればよい。
0054
その後、現像液供給ノズル56がウエハWの上方に移動され、この現像液供給ノズル56から現像液が帯状に吐出されながら、ウエハWが1/2回転以上、例えば1回転されることにより、現像液がウエハW全面に例えば1mmの厚みになるように塗布される(液盛り)。そして、この現像液がウエハWに液盛りされた状態で所定時間静止されて、自然対流により現像が進行される。
0055
ウエハW上に現像液を液盛りした状態で静止している間、温度変動による線幅の変動を防止するために、オートダンパー73が閉じられて排気動作が停止される。そして、これに連動して現像ユニットコントローラ80からモーター68に制御信号が送られ、モーター68によりスリット板67が移動されて、スリットダンパー65の間隔が狭められ、処理室51内への送風量が低減される。
0056
このように、排気動作の停止に連動して送風量を減少させるように制御し、処理室内の圧力を略一定に維持しているため、排気動作の停止に伴う圧力上昇を補償して、処理室51内の圧力変動を極力抑制することができ、圧力変動に伴う影響を排除することができる。なお、送風量を減少させるタイミングは、排気動作の停止に連動していればよく、排気動作の停止と同時であってもよいし、または停止の前後であってもよい。
0057
この現像液を液盛りして静止する操作が終了する前には、現像ユニットコントローラ80からモーター68に制御信号が送られ、モーター68によりスリット板67が移動されて、スリットダンパー65の間隔が広げられ、処理室51内への送風量が元に戻される。その後、オートダンパー73が開かれ、排気動作が復帰される。なお、送風量を元に戻すタイミングは、このように排気動作の復帰前であることが好ましいが、復帰と同時または復帰後であってもよい。
0058
このようにして現像液の静止時間が終了後、ウエハWがスピンチャック52により回転されて現像液が振り切られる。その後、リンスノズル57がウエハWの上方に移動され、リンスノズル57から洗浄液が吐出されてウエハW上に残存する現像液が洗い流される。その後、スピンチャック52によりウエハWが高速で回転され、ウエハW上に残存する現像液および洗浄液が吹き飛ばされてウエハWが乾燥される。これにより、一連の現像処理が終了する。
0059
以上のように、本実施形態では、種々の要因で処理室51内の圧力が変動した際に、圧力変動に連動して、現像ユニットコントローラ80により、送風量および排気量のうち少なくとも1つを制御して処理室内の圧力を略一定に維持するようにしているため、処理室51内の圧力変動を極力抑制することができ、圧力変動に伴う影響を排除することができる。
0060
次に、本発明の他の実施形態に係る現像処理ユニット(DEV)について説明する。
図7に示すように、この現像処理ユニット(DEV)は、処理室51内のカップCPの内側に、処理室51内の圧力を検出するための圧力センサ91が設けられており、この圧力センサ91による検出値を現像ユニットコントローラ80に送るようにしている。そして、現像ユニットコントローラ80はこの検出値に基づいて、圧力変化に連動して、送風量および排気量のうち少なくとも1つを調整して処理室51内の圧力が略一定を維持するように制御している。これにより、より精密な圧力制御を行うことができる。また、カップCPの内側に圧力センサ91を設けたのは、処理中のウエハWに近い位置で圧力の検出を正確に行うためである。したがって、圧力センサ91は処理中のウエハWに近い位置であれば、カップCPの外側に設けてもよい。
0061
なお、これらの現像処理装置(DEV)においては、圧力制御のためには送風量の調整を主として行い、排気量の調整については送風量の調整だけでは所望の圧力が得られない場合に行うようにすることが好ましい。このように圧力制御を行うことにより、処理室51内にパーティクルが進入することを効果的に防止することができる。
0062
また、図8に示すように現像ユニットコントローラ80が処理室51内の圧力を変動する大気圧の最大値より常に大きくなるよう維持する制御を行うことにより、大気圧の変動の影響を受けることなく、処理室51内の圧力変動を極めて小さく抑制することができる。
0063
次に、本発明のまた他の実施形態に係る現像処理ユニット(DEV)について説明する。
この現像処理ユニット(DEV)は、図9に示すように、保持部材48を有する搬送装置46の配置された搬送路22aの上方に、下方に向けて送風するための送風ユニット99が設けられている。この送風ユニット99には、送風管62が接続されている。この送風ユニット99には、搬送路22a内に送風する空気を清浄化するためのフィルター92が設けられ、このフィルター92下側には、搬送路22内に送風する空気を調節するスリットダンパー93が設けられている。このスリットダンパー93は、上段のスリット板93aと下段のスリット板93bとで構成され、下段のスリット板93bをモーター94により水平移動させることにより、スリットの間隔が調節され、処理室51内に送風する空気の流量が制御されるようになっている。
0064
上述したように現像処理ユニット(DEV)の処理室51内の圧力制御を行っている場合、シャッター60を開けると開口59を介して処理室51側から搬送装置46側に空気が流れ出て、ウエハ搬送装置46側のウエハWがパーティクル等により汚染されるおそれがある。そこで、この現像処理ユニット(DEV)では、シャッター60を開けたときに送風ユニット99の送風量がシャッター60を閉じているときよりも大きくなるように制御する。より好ましくは、処理室51側と搬送装置46側とが同じ圧力となり、開口59から空気がいずれの側にも流れないように送風ユニット99の送風量を制御する。このように送風ユニット99を制御することにより、ウエハ搬送装置46側のウエハWがパーティクル等により汚染されることを防止することができる。
0065
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る現像処理ユニット(DEV)について説明する。
この現像処理ユニット(DEV)は、図10に示すように、図示しないブロアーから延びる送風管62上に三方弁96が設けられており、この三方弁96の入側はブロアー側に、一方の出側は送風ユニット61側に、他方の出側はバイパス管97を介して排気管76に接続されている。
0066
そして、現像ユニットコントローラ80の制御の基で、送風ユニット61による送風を停止するときには、三方弁96の出側を排気管76側に切り替えてバイパスするようにしている。なお、バイパスされたエアーは排気管76から循環パイプ98を介して送風ユニット61側に循環するようにしてもよい。このようにすることで、清浄エアーを有効に利用することができる。
0067
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明を現像処理ユニットに適用した例について示したが、これに限らず、処理室の上下に送風手段および排気手段が設けられている基板処理装置であれば適用可能である。また、基板として半導体ウエハを用いた場合について説明したが、これに限らず、本発明は、液晶表示装置(LCD)用基板等、他の基板の処理に対しても適用可能である。
0068
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、処理ユニットが小型化されて被処理基板の搬入出のためのシャッターの開閉に伴う処理室内の圧力変動しやすい場合であっても、シャッターが開いた際に、それに連動して、送風量を増加させ、または排気量を減少させるように制御して処理室内の圧力を略一定に維持するようにしているため、シャッターが開いた際の圧力低下を補償して、処理室内の圧力変動を極力抑制することができ、圧力変動に伴う影響を排除することができる。
0069
さらに、基板に対して処理液による液処理を施す際に、基板に処理液が供給された後の所定の期間に、温度変動等を防止するために排気手段の排気動作を停止し、それによって処理室内の圧力上昇があっても、排気動作の停止に連動して送風手段の送風量を減少させて処理室内の圧力を略一定に維持するようにしているため、排気動作の停止に伴う圧力上昇を補償して、処理室内の圧力変動を極力抑制することができ、圧力変動に伴う影響を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る半導体ウエハのレジスト塗布現像処理システムの全体構成を示す平面図。
【図2】 図1のレジスト塗布現像処理システムの正面図。
【図3】 図1に示すレジスト塗布現像処理システムの背面図。
【図4】 本発明の一実施形態に係る現像処理ユニットの全体構成を示す断面図。
【図5】 本発明の一実施形態に係る現像処理ユニットの平面図。
【図6】 現像処理ユニットの処理工程のタイミングチャート。
【図7】 本発明の別の実施形態に係る現像処理ユニット(DEV)の全体構成を示す断面図。
【図8】 変動する大気圧と処理室内の圧力との関係を示すグラフ。
【図9】 本発明のまた別の実施形態に係る現像処理ユニット(DEV)の全体構成を示す断面図。
【図10】 本発明のさらに別の実施形態に係る現像処理ユニット(DEV)の全体構成を示す断面図。
【符号の説明】
46;ウエハ搬送装置
48;保持部材
51;処理室
52;スピンチャック
61;送風ユニット(送風手段)
62;送風管
65;スリットダンパー
66;上段のスリット板
67;下段のスリット板
68;モーター
71,72;排気管(排気手段)
73;オートダンパー
74;モーター
80;現像ユニットコントローラ(制御手段)
W;半導体ウエハ(基板)

Claims (14)

  1. その中で基板に所定の処理を施す処理室と、
    前記処理室内にその上方から下方に向けて送風する送風手段と、
    前記処理室内をその下方から排気する排気手段と、
    基板を処理室へ搬入または処理室から搬出するための搬入出口と、
    この搬入出口を開閉するシャッターと、
    このシャッターが開いた際に、それに連動して前記送風手段の送風量を増加させ、または排気手段の排気量を減少させるように制御し、処理室内の圧力を略一定に維持する制御手段と
    を具備することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記制御手段は、基板が処理室内に搬入された後、前記シャッターを閉じ、これと同時にまたはその前後に、前記送風手段の送風量または排気手段の排気量を元に戻すことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記処理室に対する基板の搬入出を行う基板搬送装置と、
    前記基板搬送装置の上方から下方に向けて送風する搬送系送風手段と、
    前記シャッターの開閉状態に応じて前記搬送系送風手段の送風量を調整する風量調整機構と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記制御手段は、前記シャッターが開いたときに、前記搬送系送風手段の送風量が大きくなるように前記風量調整機構を制御することを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内で基板に対して処理液を供給する処理液供給機構と、
    前記処理室内にその上方から下方に向けて送風する送風手段と、
    前記処理室内をその下方から排気するための排気手段と、
    基板に処理液が供給された後の所定の期間に、前記排気手段の排気動作を停止し、これに連動して、前記送風手段の送風量を減少させ、前記処理室内の圧力を略一定に維持する制御手段と
    を具備することを特徴とする基板処理装置。
  6. 前記制御手段は、前記排気手段が排気動作を停止すると同時または停止の前後に、前記送風手段の送風量を減少させることを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
  7. 前記制御手段は、前記排気手段の排気動作の停止から復帰すると同時または復帰の前後に、前記送風手段の送風量を元に戻すことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の基板処理装置。
  8. 前記排気手段は、前記処理室に接続された排気管内に配置され、排気量を調節するダンパーを有していることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の基板処理装置。
  9. 前記送風手段は、処理室内に供給される気体の流量を調節するスリットダンパーを有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
  10. 処理室内で基板に所定の処理を施す基板処理方法であって、
    前記処理室内にその上方から下方に向けて送風するとともに、その下方から排気し、この送風および排気中に、基板を搬入出するための搬入出口を開閉するシャッターを開き、このシャッターが開いた際に、それに連動して送風量を増加させ、または排気量を減少させて、処理室内の圧力を略一定に維持することを特徴とする基板処理方法。
  11. 基板が処理室内に搬入された後、前記シャッターを閉じ、これと同時にまたはその前後に、送風量または排気量を元に戻すことを特徴とする請求項10に記載の基板処理方法。
  12. 処理室内にその上方から下方に向けて送風するとともに、その下方から排気しつつ、処理室内で基板に処理液を供給して所定の液処理を施す基板処理方法であって、
    基板に処理液が供給された後の所定の期間に、排気動作を停止し、これに連動して、前記送風手段の送風量を減少させ、前記処理室内の圧力を略一定に維持することを特徴とする基板処理方法。
  13. 排気動作の停止と同時または停止の前後に、送風量を減少させることを特徴とする請求項12に記載の基板処理方法。
  14. 排気動作の停止から復帰すると同時または復帰の前後に、送風量を元に戻すことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の基板処理方法。
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