JP5405955B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
この枚葉式の基板処理装置は、基板をほぼ水平に保持しつつ回転させるスピンチャックと、スピンチャックによって回転される基板表面の中央部に処理液を吐出するための処理液ノズルとを備えている。基板の表面上に供給された処理液は、基板の回転により生じる遠心力を受けて、基板の表面上を周縁に向けて流れ、基板の表面の全域に行き渡る。これにより、基板の表面の全域に処理液による処理が施される。
基板表面に供給された高温処理液の温度が低下する主な原因の1つは、処理液に含まれる液体の蒸発である。すなわち、液体の蒸発時に奪われる気化熱によって、処理液の温度低下が生じる。そこで、この発明では、処理液ノズルから基板表面に高温の処理液が供給される一方で、蒸気ノズルから、基板表面に向けて、前記処理液に含まれる液体の蒸気が供給される。これにより、基板表面に供給された処理液が蒸発し難くなるので、処理液の蒸発による温度低下を抑制できる。
また、請求項2に記載のように、前記制御手段は、前記基板表面における前記蒸気ノズルからの蒸気の供給位置を、前記基板表面における前記処理液ノズルからの処理液の供給位置の半分の移動速度で移動させてもよい。
請求項5記載の発明は、前記処理液に含まれる液体と同じ種類の液が流通する液流通管(18)と、不活性ガスが流通する不活性ガス流通管(19)と、前記液流通管を流通する前記液を加熱して蒸発させて蒸気を発生させる加熱手段(20)と、前記液流通管および前記不活性ガス流通管に接続されて、前記液流通管からの液と前記不活性ガス流通管からの不活性ガスとを混合する混合部(15)と、前記混合部で生成された蒸気を、前記蒸気ノズルに供給する蒸気供給管(16)とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、液流量調節手段による液流通管を流通する液の流量調節によって、蒸気ノズルから吐出される蒸気の濃度を変更することができる。これにより、基板の周囲の領域に含まれる蒸気量を変更することができる。また、基板の周囲の領域に含まれる蒸気量の変更を、比較的簡単な構成で実現することができる。
この構成によれば、不活性ガス流通管を流通する不活性ガスの流量を調節することによって、蒸気ノズルから吐出される蒸気の吐出流量を変更することができる。また、この不活性ガスの流量調節によって、基板の周囲の雰囲気の圧力を調節することも可能である。雰囲気に含まれる飽和蒸気量は、雰囲気の圧力に依存するので、この不活性ガスの流量を調節することにより、たとえば、基板の周囲の雰囲気を飽和状態に保つことも可能である。
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る基板処理装置1の構成を模式的に示す断面図である。この基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)におけるデバイス形成領域側の表面に対して、薬液の一例としてのSC1(アンモニア過酸化水素水)による洗浄処理(たとえば、パーティクル除去処理)を施すための枚葉型の装置である。SC1とは、アンモニア過酸化水素水(APM:ammonia-hydrogen peroxide mixture)であり、アンモニア、過酸化水素水および水を所定の混合比(たとえば、アンモニア:過酸化水素水:水=1:4:20)で混合して調製される薬液である。この薬液の溶媒は水である。
SC1ノズル5は、たとえば連続流の状態で高温(たとえば80℃)のSC1を吐出するストレートノズルであり、スピンチャック4の上方で、その吐出口をウエハWの回転中心付近(中央部)に向けて固定的に配置されている。このSC1ノズル5には、高温SC1供給源からの高温のSC1が供給されるSC1供給管13が接続されている。SC1供給管13の途中部には、SC1ノズル5からのSC1の吐出/吐出停止を切り換えるためのSC1バルブ14が介装されている。
第1DIWバルブ22および窒素ガスバルブ24が開かれると、DIWを加熱して生成した水蒸気および窒素ガス流通管19からの窒素ガスが、所定の混合比で混合部15に供給される。これにより、混合部15において予め定める濃度の水蒸気が生成(調製)される。そして、第1DIWバルブ22および窒素ガスバルブ24が開かれた状態で、蒸気バルブ17が開かれると、混合部15で調整された水蒸気が、蒸気供給管16を通して蒸気ノズル6に供給され、蒸気ノズル6から吐出される。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置30を備えている。この制御装置30には、スピンモータ9、SC1バルブ14、第1DIWバルブ22、蒸気バルブ17、第2DIWバルブ26、DIW流量調節バルブ21、ヒータ20、窒素ガスバルブ24、窒素ガス流量調節バルブ23および排気流量調節機構29などが制御対象として接続されている。
処理対象のウエハWは、搬送ロボット(図示しない)によって処理室3に搬入されて(ステップS1)、その表面を上方に向けた状態でスピンチャック4に保持される。
ウエハWがスピンチャック4に保持された後、制御装置30は、スピンモータ9を駆動して、ウエハWを回転開始させる(ステップS2)。ウエハWの回転速度が所定の液処理速度(たとえば、1000rpm)に達すると、制御装置30は、蒸気バルブ17を開いて、蒸気ノズル6から水蒸気を吐出する。蒸気ノズル6からの水蒸気は、ウエハW表面の中間位置Mに供給される。(S3:水蒸気供給)。また、制御装置30は、排気流量調節機構29を制御して、排気管28を流通する排気の流量を低減させる(たとえば、通常時の1/5程度にする)。そのため、ウエハW表面に供給された水蒸気の大部分がカップ8内に留まる。そして、カップ8内には、水蒸気を含む雰囲気が充満する。
SC1ノズル5によるSC1の供給開始から予め定めるSC1処理時間が経過すると、制御装置30はSC1バルブ14を閉じて、SC1ノズル5からのSC1の吐出を停止させる。また、制御装置30は、SC1バルブ14の閉成と同じタイミングで、蒸気バルブ17を閉じる。これにより、蒸気ノズル6からの水蒸気の吐出が停止される。
さらに、制御装置30は、第2DIWバルブ26を開いて、DIWノズル7からウエハWの表面の回転中心付近(中央部)に向けて常温のDIWを吐出する。ウエハWの表面に供給されたDIWが、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁に向けて流れ、このDIWによってウエハWの上面に付着しているSC1が洗い流される(S5:リンス処理)。
その後、制御装置30は、スピンチャック4をスピン乾燥回転速度(たとえば2500rpm程度)まで加速する。これにより、DIWによるリンス後のウエハWの表面に付着しているDIWが遠心力で振り切られて、ウエハWが乾燥される(S6:スピンドライ)。
以上により、この実施形態によれば、ウエハW表面に高温のSC1が供給される際に、ウエハWに水蒸気が供給される。ウエハW表面に供給された水蒸気はカップ8内に滞留し、カップ8内の雰囲気が飽和状態になる。飽和状態にある雰囲気下では、雰囲気に水蒸気が入り込めず、水は蒸発しない。そのため、カップ8内の雰囲気が飽和状態に保たれている場合は、ウエハW表面に供給された高温のSC1に含まれる水は蒸発をせずに、ウエハW表面上を流れる。そのため、SC1に含まれる水の蒸発にともなう熱(すなわち気化熱)の損失がない。
この第2実施形態によれば、ウエハWが回転されるとともに、ウエハW表面におけるSC1の供給位置Pが移動するので、SC1ノズル35から吐出されたSC1を、ウエハ表面の全域に直接供給することができる。また、ウエハW表面における水蒸気の供給位置が、ウエハW表面におけるSC1の供給位置よりもウエハWの径方向の外方に位置しているので、ウエハW表面における中央部以外の領域をウエハWの周縁に向けて流れるSC1に、水蒸気からの熱を付与することができる。そのため、ウエハW表面の全域に対してほぼ均一な温度でSC1を供給できる。これにより、ウエハW表面の全域に対してSC1による処理を、より一層均一に施すことができる。
たとえば、前述の第1実施形態では、蒸気ノズル6が、吐出口をウエハWの回転中心と周縁との間の所定の中間位置Mに向けて配置される構成を示したが、蒸気ノズル6の吐出口がウエハWの周縁付近の領域(たとえば、ウエハWの周端縁から幅1〜4mmの環状領域)に向けて配置されており、蒸気ノズル6から吐出された水蒸気が、ウエハW表面の周縁領域に供給される構成としてもよい。
また、前述の各実施形態では、不活性ガスとして窒素ガスを例示したが、清浄空気やその他の種類の不活性ガスを採用することもできる。
また、前述の各実施形態では、薬液としてSC1を例示したが、SC1以外の薬液も用いることができる。たとえば、その他の薬液として、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)、フッ酸、バファードフッ酸(Buffered HF:フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合液)およびアンモニア水を例示することができる。これらの薬液が採用される場合は、蒸気ノズル6,36から吐出される蒸気として、これらの薬液の溶媒である水の蒸気、即ち水蒸気が用いられる。
また、高温の処理液として、薬液だけでなく、DIW(脱イオン化された水)を用いることもできる。むろん、この場合には、水蒸気の供給を並行して行うことによって、高温DIWの蒸発を抑制できる。
4 スピンチャック(基板保持手段)
5 SC1ノズル
6 蒸気ノズル
8 カップ
9 スピンモータ(基板回転手段)
15 混合部
16 蒸気供給管
18 DIW流通管(液流通管)
19 窒素ガス流通管(不活性ガス流通管)
20 ヒータ(加熱手段)
21 DIW流量調節バルブ(液流量調節手段)
23 窒素ガス流量調節バルブ(ガス流量調節手段)
28 排気管(排気手段)
29 排気流量調節機構
30 制御装置
31 基板処理装置
34 第1アーム揺動駆動機構
35 SC1ノズル(処理液ノズル)
36 蒸気ノズル
39 第2アーム揺動駆動機構
M 中間位置(中央部以外の所定の領域)
W ウエハ
Claims (8)
- 基板を保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持された基板を、所定の回転軸線まわりに回転させる基板回転手段と、
前記基板保持手段に保持された基板表面に対して、常温よりも高温の処理液を吐出する処理液ノズルと、
前記処理液ノズルを保持する第1アームと、
前記第1アームを所定の第1揺動軸を中心として揺動させるための第1アーム揺動駆動機構と、
前記基板保持手段に保持された前記基板表面に対して、前記処理液に含まれる液体の蒸気を吐出する蒸気ノズルと、
前記蒸気ノズルを保持する第2アームと、
前記第2アームを、前記第1揺動軸とは別の第2揺動軸を中心として揺動させるための第2アーム揺動駆動機構と、
前記処理液ノズルからの処理液の吐出と並行して、前記蒸気ノズルから蒸気を吐出させながら、前記第1および第2アーム揺動機構を制御して、前記基板表面における前記処理液ノズルからの処理液の供給位置を、基板の中心部と基板の周縁との間で前記基板表面に沿って移動させ、かつ前記基板表面における前記蒸気ノズルからの蒸気の供給位置の基板回転中心からの距離が前記基板表面における前記処理液ノズルからの処理液の供給位置の基板回転中心からの距離よりも常に大きく保ちながら、前記処理液ノズルからの処理液の供給位置よりも遅い速度で、前記基板表面における前記蒸気ノズルからの蒸気の供給位置を前記基板表面に沿って移動させる制御手段とを含む、基板処理装置。 - 前記制御手段は、前記基板表面における前記蒸気ノズルからの蒸気の供給位置を、前記基板表面における前記処理液ノズルからの処理液の供給位置の半分の移動速度で移動させる、請求項1記載の基板処理装置。
- 前記制御手段は、前記基板表面における前記処理液ノズルからの処理液の供給位置を、基板の中心部と基板の周縁との間で往復移動させる請求項1または2記載の基板処理装置。
- 前記処理液ノズルから吐出される処理液は薬液であり、
前記蒸気ノズルは、前記薬液の溶媒の蒸気を吐出する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記処理液に含まれる液体と同じ種類の液が流通する液流通管と、
不活性ガスが流通する不活性ガス流通管と、
前記液流通管を流通する前記液を加熱して蒸発させて蒸気を発生させる加熱手段と、
前記液流通管および前記不活性ガス流通管に接続されて、前記液流通管からの液と前記不活性ガス流通管からの不活性ガスとを混合する混合部と、
前記混合部で生成された蒸気を、前記蒸気ノズルに供給する蒸気供給管とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記液流通管を流通する液の流量を調節するための液流量調節手段をさらに含む、請求項5記載の基板処理装置。
- 前記不活性ガス流通管を流通する前記不活性ガスの流量を調節するためのガス流量調節手段をさらに含む、請求項5または6記載の基板処理装置。
- 前記基板保持手段を収容するカップと、
前記カップ内の雰囲気を排気するための排気手段と、
前記蒸気ノズルからの蒸気の吐出と並行して、前記カップ内の雰囲気の排気流量を低減または停止させるように、前記排気手段による排気流量を調節するための排気流量調節機構とをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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