JP3661299B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
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    • F16H61/6648Friction gearings controlling of shifting being influenced by a signal derived from the engine and the main coupling
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トロイダル型無段変速機の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に用いられるトロイダル型無段変速機では、図20、21に示すように、同軸上に配置した入出力コーンディスク1、2と、これら入出力コーンディスク間の油膜せん断応力により動力の受け渡しを行うパワーローラ3からなる2組のトロイダル伝動ユニットを備えて、伝達トルクの増大を図ったダブルキャビティ形式の無段変速機10が従来から知られている。
【0003】
図20、図21において、2組の入出力コーンディスク1、2は、それぞれの入力コーンディスク1、1aおよび出力コーンディスク2、2aならびにパワーローラ3、3a、3b、3c(3cは図示せす〉の構成及び作用は等価であるので、以下一組の入出力コーンディスク1、2について説明する。
【0004】
パワーローラ3は入出力コーンディスク1、2間に狭持、押圧され、パワーローラ3と、入出力コーンディスク1、2との間の油膜のせん断力によって、パワーローラ3は入出力コーンディスク1、2間で動力伝達を行う。
【0005】
すなわち、入力コーンディスク1とパワーローラ3との接触点において、入力コーンディスク1の接触点速度とパワーローラ3の接触点速度との差により油膜にせん断応力が働き動力伝達を行うのである。
【0006】
入力コーンディスク1の回転は、上記油膜のせん断によってパワーローラ3に伝達され、次いでパワーローラ3の回転が上記油膜のせん断によって出力コーンディスク2に伝達され、逆に出力コーンディスク2から入力コーンディスク1への動力伝達もパワーローラ3を介して同様に伝達される。
【0007】
ここで、入力コーンディスク1とパワーローラ3の接触点半径と、出力コーンディスク2とパワーローラ3との接触点半径が異なれば、入力コーンディスク1と出力ディスク2との回転数を変更することができ、変速動作を行うものである。
【0008】
上記のような無段変速機10の変速制御は、図21のように、コントローラ61からの指令に応じて駆動されるステップモータ4を介して行われ、ステップモータ4は、コントローラ61が設定した目標変速比に対応した変速指令値u(ステップ数)を与えられて変速指令値に応じた位置まで回転し、変速制御弁5を構成するスプール5a、スリーブ5bのうち、スリーブ5bをスプール5aに対し相対的に中立位置から変位させる。なお、コントローラ61は、スロットル開度センサ62からのスロットル開度TVO、車速センサ63からの車速VSP及び入力回転センサ64が検出した無段変速機10の入力軸回転数Ni等の車両の運転状態に基づいて目標変速比を演算する。
【0009】
この変速制御弁5からの流体圧(以下、油圧とする)に応じて、パワーローラ3、3a、3b、3cの各ピストン6は、パワーローラ3、3aから3cをそれぞれ軸支する各トラニオン41を介して図中上下方向へそれぞれ所定の方向へ駆動し、相互に対向するパワーローラ3および3aは相互逆向きの上下方向へ、パワーローラ3bおよび3cも同じく上下逆向き、また、パワーローラ3および3bは同じ向きhr同期的に変位する。なお、各パワーローラ3、3a〜3cはそれぞれ偏心軸11を介してトラニオン41に軸支される。
【0010】
すべてのパワーローラ3、3a、3b、3Cは、図20、図21に示す回転軸線O1が入出力コーンディスク1、2の回転軸線O2と交差する図示位置から所定のY軸方向にそれぞれオフセットされ、このオフセットによりパワーローラ3、3a、3b、3cは入出力コーンディスク1、2および1a、2aからの分力により、本願出願人が提案した特願平7−71495号公報に示したように、次式の関係に基づいて傾転する。
【0011】
【数1】
Figure 0003661299
【0012】
すなわち、パワーローラ3の回転軸線O1と直交する軸線O3のまわりに傾転し、入出力コーンディスク1、2、1a、2aに対するパワーローラ3、3a、3b、3cの接触円弧径が連続的に変化することで無段変速を行うことができるのである。なお、傾転運動は、このパワーローラ3を軸支するトラニオン41の軸線O3回りの運動を意味するものである。
【0013】
このような無段変速により、コントローラ61の指令に応じた目標変速比が達成される時、パワーローラ3のY軸オフセット(トラニオン41の軸方向変位)および傾転は、トラニオン41、プリセスカム7およびリンク8(図22参照)を介して変速制御弁5のスプール5aへ伝達され、スプール5aは、スリーブ5bに対し相対的に初期の中立位置に復帰し、同時に、両パワーローラ3、3aは、回転軸線O1が入出力コーンディスク1、2の回転軸線O2と交差する図示のような中立位置に戻ることで、上記変速指令値の達成状態を維持することができる。なお、プリセスカム7は下面に傾斜を備えて、傾転角とY軸オフセットの和をスプール5aにフィードバックする。
【0014】
このとき、プリセスカム7によってパワーローラ3の傾転のみならずトラニオン41の軸方向変位であるO3軸方向(以下、Y軸方向という)の変位もスプール5aへ与えるのは、目標変速比を達成するフィードバックループが振動的になるのを防ぐためである。
【0015】
ここで、円滑な変速を行うには、複数のパワーローラ3、3a、3b、3cがそれぞれ同等の動作をすることが必要であるが、図20、図21に示したように、すべてのパワーローラの駆動を、共通の変速制御弁5が制御する油圧によって駆動されるピストン6を介して行うことで、各パワーローラを同期させることができる。
【0016】
すなわち、各パワーローラ3、3a〜3cには、図23の概念図に示すように、トルク伝達に伴って図中Y軸方向へ、パワーローラが伝達するトルクに比例する力が加わるのである。したがって、これら各パワーローラに加われるY軸方向の力に対向して、逆向きに油圧を各ピストン6へ作用させることにより釣り合いを取り、各パワーローラ3、3a〜3cのY軸方向への変位を規制する必要がある。
【0017】
また、各パワーローラ3、3a〜3cが伝達するトルクは、上記したように、入出力コーンディスク1、2とパワーローラ3の回転速度差に比例する油膜せん断力であるから、各パワーローラの傾転角が同じであれば同じ接触点半径となることより、接触点速度は同じであることから、同一トルクを伝達するものであり、逆に、各パワーローラ3、3a〜3cが同一のトルクを伝達しているのであれば、その傾転角はすべて同一であることが保証されるのである。
【0018】
したがって、各パワーローラ3、3a〜3cがY軸方向に対し移動せず、Y軸方向の上記中立位置に静止する形でトロイダル型無段変速機10が安定してトルクを伝達する釣り合いの状態においては、各パワーローラをY軸方向に支持している油圧を共通として各トラニオンへ等しい力を加えることで、各パワーローラが伝達するトルクが同一であることが保証されるのである。さらに、上述したように各パワーローラ3、3a〜3cが伝達するトルクが同一であるならば、各パワーローラの傾転角も同一となって複数のパワーローラ3、3a〜3cを同期させることができるのである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のトロイダル型無段変速機においては、各複数のパワーローラ3、3a〜3cに外部より加わる様々な力は、加工、組立上の寸法公差等によって同一となることはなく、例えば、各パワーローラ3、3a〜3cのY軸方向に対し不測の外乱が生じ、ある一つのパワーローラがY軸方向に移動する場合、このパワーローラは上記(1)式の関係により傾転運動を起こさざるを得ず、このとき、入出力コーンディスク1、2の回転数が同じであれば、傾転運動を起こしたパワーローラのみ接触点での速度差が変化し、油膜せん断応力が変化して伝達トルクが変化するのである。
【0020】
この結果、伝達トルクに比例してパワーローラに加わるY軸方向の力も変化し、図24に示すように、2つのパワーローラA、Bに加わる外乱と、伝達トルクに比例してパワーローラに加わるY軸方向の力及びパワーローラA、Bを支持する油圧が釣り合った別の釣り合い安定状態となり安定するのである。
【0021】
なお、以下に、変速制御を行うカム機構(上記図22のプリセスカム7及びリンク8等)が接続されているパワーローラをA、カム機構が接続されていないものをパワーローラBとすると、図24においてはプリセスカム機構が接続されたパワーローラAに対し外乱を与えたため、これを所定の傾転角に制御すべくプリセスカム機構ならびにプリセスカム機構に接続された変速制御弁5が働き、結果として外乱を与えなかったパワーローラBの傾転角が変化しているものである。
【0022】
以上のメカニズムにより各パワーローラ3、3a〜3cは、不規則な外乱を吸収して入力コーンディスク1から出力コーンディスク2へトルクを伝達するものであるが、上記外乱を吸収するメカニズムが働く過程において、各パワーローラ3、3a〜3cの同期が崩れてY軸方向の運動が振動的になる同期崩れ振動現象を起こす場合がある。
【0023】
すなわち、図20、図21に示したように、ある一つのパワーローラ3の傾転角およびY軸オフセットを、プリセスカム7を介して接続された変速制御弁5から、他のパワーローラ3a、3b、3cにフィードバックする構成とした場合、パワーローラ3のみが外乱によりY軸方向に移動したと仮定すると、その変位は変速制御弁5を通じて他の外乱が加えられていないパワーローラ3a、3b、3cに伝えてしまうため、すべてのパワーローラは図24に示したように同期して運動せず、場合によっては振動的になるのであり、このフィードバック機構を図25のように表すと、パワーローラAの傾転θaとY軸オフセットYaは、プリセスカム7に応じたゲインで油圧にフィードバックされ、一つのパワーローラAに外乱が加わった場合には、図26のシミュレーションのように発振する場合があるという問題があった。
【0024】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、複数のパワーローラのそれぞれに対して、Y軸方向変位の同期崩れによる振動を抑制しながらパワーローラの傾転運動を確実に同期させることが可能なトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、前記各パワーローラを傾転自在に支持するトラニオンと、を備え、前記各トラニオンをアクチュエータにより同一の駆動力のもとでトラニオンの軸方向へ駆動するトロイダル型無段変速機において、
所定の目標傾転角へと前記駆動力を制御する制御機構と、前記第1パワーローラの傾転角及びトラニオンの軸方向変位を、前記制御機構による駆動力の制御にフィードバックする第2のフィードバック手段と、前記第2のパワーローラのトラニオン軸方向変位に応じた力を、変位したトラニオンのみへフィードバックする第1のフィードバック手段と、を設ける。
【0026】
また第2の発明は、トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、前記第1のパワーローラを傾転自在に支持する第1トラニオンと、前記第2のパワーローラを傾転自在に支持する第2トラニオンと、を備えるトロイダル型無段変速機において、
前記第1トラニオンをトラニオン軸方向へ駆動する駆動装置の駆動力を制御する第1の制御機構と、前記第2トラニオンをトラニオン軸方向へ駆動する駆動装置の駆動力を制御する第2の制御機構と、前記第1パワーローラの傾転角と、トラニオンの軸方向変位を、前記第1の制御機構にフィードバックする第2のフィードバック手段と、前記第1のパワーローラの傾転角を前記第2の制御機構にフィードバックする手段と、を備える。
【0027】
また第3の発明は、トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、前記各パワーローラを傾転自在に支持するトラニオンと、を備え、前記各トラニオンをアクチュエータにより同一の駆動力のもとでトラニオンの軸方向へ駆動するトロイダル型無段変速機において、
所定の目標傾転角へと前記駆動力を制御する制御機構と、前記第1パワーローラの傾転角を、前記制御機構による駆動力の制御にフィードバックする第2のフィードバック手段と、前記第1のパワーローラのトラニオン軸方向変位に応じた力を、変位したトラニオンのみへフィードバックする第1のフィードバック手段と、を設ける。
【0028】
また第4の発明は、前記第1または第3の発明において、前記第1フィードバック手段は、前記トラニオンを所定の中立位置へ向けて付勢する付勢手段で構成される。
【0029】
また第5の発明は、前記第1または第3の発明において、前記第2フィードバック手段は、前記トラニオンを駆動するアクチュエータへの流体圧を共通の流体圧とする。
【0030】
また、第6の発明は、トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、前記各パワーローラを傾転自在に支持するトラニオンと、前記各トラニオンを軸方向で同期的に変位させるリンクと、を備え、前記各トラニオンをアクチュエータにより同一の駆動力のもとでトラニオンの軸方向へ駆動するトロイダル型無段変速機において、
所定の目標傾転角へと前記駆動力を制御する制御機構と、前記第1パワーローラの傾転角を、前記制御機構による駆動力の制御にフィードバックするフィードバック手段と、前記リンクの変位に対抗する力をこのリンクへ付与する第3のフィードバック手段を備える。
【0031】
また、第7の発明は、トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、前記各パワーローラを傾転自在に支持するトラニオンと、を備え、前記各トラニオンをアクチュエータにより同一の駆動力のもとでトラニオンの軸方向へ駆動するトロイダル型無段変速機において、
所定の目標傾転角へと前記駆動力を制御する制御機構と、前記第1パワーローラの傾転角を、前記制御機構による駆動力の制御にフィードバックするフィードバック手段と、前記トラニオンの軸まわりの回転速度に応じた力を、トラニオン自身のみへフィードバックする第4のフィードバック手段を、前記複数のトラニオンのうちの少なくとも一つに設ける。
【0032】
また第8の発明は、前記第7の発明において、前記第4フィードバック手段は、前記トラニオンの軸まわりの回転速度に応じた流体圧を該トラニオン自身に設けられたアクチュエータへ付与する。
【0033】
また第9の発明は、トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、前記入出力ディスクに狭持、押圧される複数のパワーローラと、これらパワーローラを傾転自在にそれぞれ支持するとともに、アクチュエータに駆動されて軸方向へ変位可能な複数のトラニオンとを備えて、前記パワーローラの傾転角をトラニオンの軸方向変位のフィードバックに基づいて制御するトロイダル型無段変速機において、前記各トラニオンの軸方向の所定の中立位置からの変位の平均値を検知する平均値検出手段と、この平均値及び前記パワーローラの傾転角に応じた力を、前記複数のトラニオンの軸方向へ付与する第5のフィードバック手段とを備える。
【0034】
また第10の発明は、前記第9の発明において、前記第5フィードバック手段は、トラニオンの軸方向への振動成分のうち、所定の周波数以下の振動成分のみを通過させるフィルタを備える。
【0035】
また、第11の発明は、トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、前記入出力ディスクに狭持、押圧される複数のパワーローラと、これらパワーローラを傾転自在にそれぞれ支持するとともに、アクチュエータに駆動されて軸方向へ変位可能な複数のトラニオンとを備えて、前記パワーローラの傾転角をトラニオンの軸方向変位のフィードバックに基づいて制御するトロイダル型無段変速機において、前記トラニオンの軸方向の変位を電子的変量に基づいて検出又は推定する第1の軸方向変位検出手段と、前記トラニオンの軸方向及び軸まわりの変位を機械的に検出する第2の軸方向変位検出手段と、第1軸方向変位検出手段の通電が遮断されたときに、前記軸方向変位の検出値を第1軸方向変位検出手段から第2軸方向変位検出手段へ切り換える切り換え手段と、この切り換え手段の出力に基づいて前記軸方向または軸まわりの変位に応じた力を前記トラニオンへ付与する第6フィードバック手段とを備える。
【0036】
また第12の発明は、前記第11の発明において、前記第6フィードバック手段は、トラニオンの軸まわりの変位のみを機械的に検出する軸まわり変位検出手段を備え、前記切り換え手段が第1軸方向変位手段の出力を選択している間は、前記第1軸方向変位検出手段と軸まわり変位検出手段の検出値に応じて前記トラニオンを駆動する。
【0037】
【発明の効果】
したがって、第1の発明は、変速時にはアクチュエータによるトラニオンの軸方向変位に応じてパワーローラが傾転して変速比の変更が連続的に行われ、トラニオンの軸方向の変位を制御機構にフィードバックするフィードバックと、軸方向変位をトラニオン自身にフィードバックするフィードバックの少なくとも2つ設けたため、例えば、ダブルキャビティ形式のトロイダル型無段変速機のように2組の入出力ディスクと、多数のパワーローラ及びトラニオンを備える場合では、対向するトラニオンに上記第1フィードバック手段を設けることで、他のトラニオンへの軸方向変位の伝達を遮断して外乱などが加わった場合でも、各トラニオンの軸方向変位の同期崩れによる振動現象を防いで、安定した変速制御を行うことができ、トロイダル型無段変速機の運転性を向上させることが可能となる。
【0038】
また、第2の発明は、トラニオンの軸方向の変位を制御機構にフィードバックするフィードバックと、軸方向変位をトラニオン自身にフィードバックするフィードバックの少なくとも2つを設けたため、変速の際の振動的な動きを抑制するとともに、他のトラニオンへの軸方向変位の伝達を遮断することで、同期崩れによる振動現象を防いで、安定した変速制御を行うことができ、さらに、第2フィードバック手段によってパワーローラの傾転に伴うトラニオンの軸まわりの変位に応じた力を、他のトラニオンへフィードバックするため、各パワーローラの傾転角を確実に同期させることができ、安定かつ正確な変速制御を行うことがでトロイダル型無段変速機の運転性を向上させることが可能となる。
【0039】
また、第3の発明は、軸方向変位をトラニオン自身にフィードバックする第1フィードバック手段により、同期崩れによる振動現象を防止する。
【0040】
また、第4の発明は、前記第1フィードバック手段をトラニオンを所定の中立位置へ向けて付勢する付勢手段で構成したため、例えば、アクチュエータによるトラニオンの軸方向の変位と対向する方向へ付勢することで、軸方向変位に応じた力をトラニオンに付与して、変速の際の振動的な動きを抑制することができる。
【0041】
また、第5の発明は、トラニオンの軸まわりの変位に応じて、第2フィードバック手段がアクチュエータへの流体圧を調整するため、軸まわりの変位に応じた力をトラニオンへ作用させて安定した変速動作を行うことが可能となる。
【0042】
また、第6の発明は、第3フィードバック手段が、各トラニオンを軸方向で同期的に変位させるリンクの変位に応じた力をこのリンクへ付与するため、例えば、アクチュエータによるトラニオンの軸方向の変位と対向する方向へ付与すれば、軸方向変位に応じた力をトラニオンに付与して、変速の際の振動的な動きを抑制することができ、上記と同様に、同期崩れによる振動現象を防止することができる。
【0043】
また、第7の発明は、パワーローラの傾転速度とトラニオンの軸方向変位はほぼ比例するため、第4フィードバック手段は、トラニオンの軸まわりの回転速度(傾転速度)に応じた力を、そのトラニオン自身へフィードバックすることにより、変速の際の振動的な動きを抑制することができ、さらに、このフィードバック手段を複数のトラニオンのうちの少なくとも一つに配置することで、他のトラニオンへの軸方向変位の伝達を遮断して、同期崩れによる振動現象を防いで安定した変速制御を行うことができる。
【0044】
また第8の発明は、第4フィードバック手段は、トラニオンの軸まわりの回転速度に応じた流体圧をアクチュエータへ付与することで、回転速度に応じた力をトラニオンへ付与することができ、変速の際の振動的な動きを抑制して、安定した変速制御を行うことができる。
【0045】
また第9の発明は、各トラニオンの軸方向の所定の中立位置からの変位の平均値とパワーローラの傾転角に応じた力を、各トラニオンの軸方向へ付与するため、複数のトラニオンの同期崩れを防いで変速制御を安定させ、かつ、パワーローラの傾転角を同期させて変速動作を確実に行うことが可能となる。
【0046】
また第10の発明は、フィルタによってトラニオンの軸方向への振動成分のうち、所定の周波数以下の振動成分のみを通過させるため、同期崩れによる振動成分の伝達を抑制でき、安定した変速制御を行うことが可能となる。
【0047】
また、第11の発明は、トラニオンのフィードバック制御を、トラニオンの軸方向の変位を電子的変量に基づいて検出又は推定した第1軸方向変位検出手段の出力に基づいて行い、第1軸方向変位検出手段の通電が遮断されたときには、トラニオンの軸方向及び軸まわりの変位を機械的に検出する第2の軸方向変位検出手段の出力によってフィードバック制御を行うことで、フェイルセーフを確保することができるとともに、複数のトラニオンの軸方向変位量が一致しない状態がもたらすパワーローラの同期崩れ振動を防止することが可能であると同時に、軸方向変位のフィードバックがない場合においても、変速の際のハンチング現象を回避することが可能となって、トロイダル型無段変速機の信頼性を確保することができる。
【0048】
また第12の発明は、第6フィードバック手段は、トラニオンの軸まわりの変位のみを機械的に検出する軸まわり変位検出手段を備え、第1軸方向変位検出手段が通電状態の際に、各トラニオンの軸まわり変位を確実に同期させて、変速制御の精度を向上させることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0050】
図1、図2は、前記従来例と同様のダブルキャビティ形式のトロイダル型無段変速機10に本発明を適用した一例を示し、2組の入力コーンディスク1、1a、出力コーンディスク2、2a及び4つのパワーローラ3、3a〜3cを備えており、縦断面図は前記従来例の図20と同様に構成されて、同一のものに同一の図番を付して重複説明を省略する。
【0051】
入力軸20は、図示しないエンジンと連結されており、図20に示したように、変速機ケース21内に設けた軸受21、22を介して回転自在に支持される一方、中央部では入力軸20と同軸的に配置された中空軸25と回転方向で結合する。
【0052】
この中空軸25は両端で入力コーンディスク1、1aと結合する一方、中央部では出力コーンディスク2、2a及び出力歯車29の内周を挿通して相対回転自在に支持される。
【0053】
そして、出力コーンディスク2、2aは、出力歯車29と結合して変速機ケース21の中間壁23に設けた軸受24、24に軸支され、入力軸20及び中空軸25と相対回転自在に軸支される。なお、出力コーンディスク2、2aと中空軸25との間にはニードル軸受が介装される。
【0054】
中空軸25上で同軸的に配置された入力コーンディスク1、1aおよび出力コーンディスク2、2aは、トロイド曲面が相互に対向するように配設される。そして入出力コーンディスク1、2ならびに1a、2aの対向するトロイド曲面間には、入力軸20を挟んでその両側に配置した一対のパワーローラ3、3a、3b、3c(3cは図示せず)を介在させ、これらパワーローラ3、3a〜3cを入出力コーンディスク1、2、1a、2a間に狭持、押圧するため、次のような付勢手段を備える。
【0055】
入力軸20の軸受23側にはカムディスク27が回転方向で結合しており、このカムディスク27と、入力コーンディスク1の背面(トロイド曲面の裏面)との間には付勢手段としてのローディングカム28が介装される。そして、入力軸20の軸端側に螺合したローディングナット26によってカムディスク27の軸方向の変位が規制され、このローディングカム28は、カムディスク27と入力コーンディスク1の相対回転に応じて伝達トルクに比例した入力軸20の軸方向へのスラスト荷重を発生させて、入出力コーンディスク1、2及び1a、2a間でパワーローラ3、3a及び3b、3cを狭持、押圧し、入力軸20の駆動力を出力歯車29を介して出力軸30へ伝達する。
【0056】
各パワーローラ3、3a、3b、3cは、図1のように、トラニオン41、41で回転自在に軸支され、対向するトラニオン41、41は上端に設けた球面継手42、42を介してアッパーリンク43の両端に回転自在かつ揺動自在に連結され、またトラニオン41、41の下端も球面継手44、44を介してロアリンク45の両端で回転自在かつ揺動自在に連結される。そして、アッパーリンク43及びロアリンク45は、中央部に向けた球面継手46、47により変速機ケース21で揺動自由に支持され、対向するトラニオン41、41はY軸方向(トラニオン41の軸方向で、図1の上下方向)で相互逆向きに同期して変位する。
【0057】
各トラニオン41には、これらを個々に上下方向へストロークさせるアクチュエータとしてのピストン6がそれぞれ配設されており、各ピストン6の図中上下にはピストン室51、52およびピストン室53、54が画成される。
【0058】
そして、これらピストン6、6を相互逆向きに駆動制御するため、ステップモータ4に駆動される変速制御弁5が配設される。
【0059】
ここで、変速制御弁5は、バルブボディ5c内にステップモータ4に駆動されて軸方向へ変位可能なスリーブ5bを収装し、さらにこのスリーブ5bの内周に、後述するフィードバック機構に駆動されて相対変位可能なスプール5aを収装する。
【0060】
変速制御弁5は、入力ボート5dを圧力源55に接続し、一方の連絡ボート5eをピストン室51およびピストン室52に、他方の出力ポート5fをピストン室53およびピストン室54にそれぞれ接続する。
【0061】
そしてスプール5aを、パワーローラ3を軸支するトラニオン41の下端に設けた傾転角のフィードバック機構に連結し、パワーローラ3の傾転角に応じてスプール5aが駆動される。
【0062】
このフィードバック機構(第2フィードバック手段)は、4つのトラニオン41のうちの一つに配設されており、図2にも示すように、パワーローラ3を軸支したトラニオン41の外周に固設されたカム17と、このカム17外周に形成されたカム面と摺接する揺動自在なリンク18を主体に構成される。
【0063】
リンク18は、図1、図2において、下端を軸19によって揺動自由に支持されるとともに、上端でスプール5aの一端と連結し、その途中をカム17に摺接しており、パワーローラ3の傾転に応じてトラニオン41が軸まわりに回転すると、この回転運動のみが、リンク18を介してスプール5aに伝達されるのである。なお、軸19は変速機ケース21に支持される。
【0064】
一方、スリーブ5bは、図中右端に形成したラックを介してステップモータ4のピニオンと歯合しており、前記従来例と同様に、コントローラ61が設定した目標変速比に対応する変速指令値u(ステップ数)に応じて回転したステップモータ4に駆動され、スリーブ5bは出力ポート5e、5fと入力ポート5dの連通状態を制御する。
【0065】
この変速制御弁5の操作指令は、変速指令値uに応動するステップモータ4が、ラックアンドピニオンを介しスリーブ5bをスプール5aに対し相対的に中立位置から変位するとき、圧力源55からの油圧がピストン室52、53に供給される一方、他のピストン室51、54がドレンされ、また、変速制御弁5のスリーブ5bがスプール5aに対して相対的に中立位置から逆方向に変位するときには、圧力源55からの油圧がピストン室51、54に供給される一方、他のピストン室52、53がドレンされ、トラニオン41はそれぞれピストン6に加わった油圧に応じて、図中上下方向へ逆向きに駆動される。
【0066】
対向するトラニオン41、41の軸方向の変位によって、パワーローラ3、3aは、回転軸線O1が入出力コーンディスク1、2の回転軸線O2と交差する図1の状態からY軸方向へオフセット(オフセット量=y)されることになり、このY軸方向のオフセットによってパワーローラ3、3aは入出力コーンディスク1、2からの首振り分力で、自己の回転軸線O1と直交する首振り軸線O3(=Y軸)の周りに傾転(傾転角φ)して無段変速を行うことができる。
【0067】
この変速中に、一方のトラニオン41の下端に配設されたカム17は、リンク18を介して、トラニオン41およびパワーローラ3の傾転角φを、変速制御弁5のスプール5aに機械的にフィードバックする。
【0068】
そして上記傾転によりステップモータ4への変速指令値uが達成されるとき、カム17からなるフィードバック機構が変速制御弁5のスプール5aを駆動し、スリーブ5bに対し相対的に初期の中立位置に復帰させると同時に、パワーローラ3、3aは、回転軸線O1が入出力コーンディスク1、2の回転軸線O2と交差する図1の状態に戻ることで、変速指令値uの達成状態を維持することができる。
【0069】
また、ステップモータ4への変速指令値uは、前記従来例と同様に、エンジンのスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ62からの信号、車速VSPを検出する車速センサ63からの信号、および変速機の入力軸回転数Ni(エンジン回転数Neであってもよい)を検出する入力回転センサ64からの信号に基づいてコントローラ61が決定するものである。
【0070】
しかし、ここでパワーローラ3、3aの傾転角φのみをフィードバックし、トラニオンのO3軸方向、すなわちY軸方向のオフセット量yをもフィードバックしなければ変速制御においてハンチング現象を起こしてしまうことは、前記従来例の特願平7−71495号にも記したとおりである。
【0071】
そこで、アッパーリンク43より上方の各トラニオン41と変速機ケース21内周との間に第1フィードバック手段(付勢手段)としてのバネ35、35を介装するとともに、バネ35の両端をトラニオン41及び変速機ケース21に結合し、バネ35はトラニオン41の中立位置からの変位に対抗する方向へ付勢する。トラニオン41が後述する中立位置から図中Y軸方向に変位すると、バネ35はトラニオン41の変位に対抗して付勢し、トラニオン41は中立位置へ向けて付勢される。
【0072】
このバネ35は、パワーローラ3の回転軸線O1がY軸原点、すなわち、入力軸20の軸線O2と交差する中立位置にあるときには、付勢力を発生しないが、トラニオン41が中立位置からY軸方向へ変位すると、この変位に対応した力を発生する。
【0073】
すなわち、バネ35は変速機ケース21およびトラニオン41に対し両端をY軸方向で固定され、Y軸まわりに回転可能かつY軸以外の軸に対し平行変位可能に配設され、さらに、パワーローラ3の回転軸O1がY軸原点となる中立位置において、バネ35の付勢力が0となるよう、変速機ケース21側にはアジャストプレート34とアジャスター33が配設されて、このアジャスター33によりバネ35が発生する付勢力が予め調整される。
【0074】
そして、図1に示すように、相互に対向するパワーローラ3、3aは対称に運動するため、両パワーローラ3、3aがO2軸に対して対称な位置にあるときには、相互に対向するトラニオン41、41を付勢するバネ35、35の力が等しくなるようにアジャスター33を調整することができる。尚、一対のトラニオン41、41の一方にアジャスター33を配設すればよく、無段変速機10全体のアジャスター33の数を減らすことが可能である。
【0075】
以上のように、トラニオン41、41をそれぞれ所定の中立位置へ付勢するバネ35、35によって、トラニオン41、41が変位した際のY軸オフセットのフィードバックを得る事が可能となり、変速制御においてハンチング現象が発生するのを防止でき、パワーローラ3の傾転のみをカム17及びリンク18から構成されるフィードバック機構によって変速制御弁5へ伝達することで、フィードバック機構を持たない他のパワーローラ3a、3b、3cの傾転運動を確実に同期させることができ、変速制御を行う各ピストン6への油圧系は共通であることより、各パワーローラ3、3a〜3cの傾転角は一致させることができ、前記従来例のように、一つのパワーローラに外乱が加わった場合でも、他のパワーローラにY軸方向の外乱が伝達されることはなく、同期崩れ振動現象を防ぎ、外乱による振動的な運動を抑制して、安定した変速制御を行うことが可能となるのである。
【0076】
ここで、上記構成の模式図を図3に示し、4つのパワーローラ3、3a〜3cの内、パワーローラ3のトラニオン41のみがカム17を主体とする傾転θaのフィードバック機構を備え、各パワーローラには上記バネ35からなるY軸オフセットYa、Ybのローカルフィードバック機構が個別に配設されている。
【0077】
図示のように、カム17のプロフィールによるゲインをCa、油圧機構のゲインをCg、ローカルフィードバックによるゲインをCbとし、傾転θaのフィードバック機構とY軸オフセットYaのローカルフィードバック機構を分離したものである。
【0078】
このように、Y軸方向のフィードバックと傾転方向のフィードバックを独立させても、傾転方向のフィードバックが共通であるならば、図4のシミュレーション結果に示すように、外乱による振動を抑制する方向に作用するのであり、また、Y軸オフセットと傾転角との間には、上記(1)式のような微分方程式の関係があり、フィードバックを行った場合の微分方程式の形が異なるため、傾転方向のフィードバック機構が共通であっても、複数のパワーローラの同期を乱すことはなく、確実に同期させて円滑な変速を行うことができるのである。
【0079】
なお、上記では、Y軸方向のローカルフィードバック機構を各パワーローラ3、3a〜3cに設けたが、全てのパワーローラにローカルフィードバック機構を設けずに、少なくともひとつのパワーローラについてローカルフィードバック機構を設けることで、外乱によるパワーローラの振動的な動きを限定的に抑制することもでき、例えば、図5(A)に示すように、パワーローラ3の傾転をフィードバックするトラニオン41のみにバネ35(ローカルフィードバック)を配設しても良く、あるいは、図5(B)に示すように、プリセスカム7及びリンク機構8は前記従来例の図21と同様に配設し、プリセスカム7を持たないパワーローラ3bのみに対してY軸方向変位をフィードバックする構成であっても、外乱による不正な運動が加わった場合でも、この運動を打ち消す力を新たに加えることで外乱に起因する振動を抑制できるのである。
【0080】
図6は、第2の実施形態を示し、前記第1実施形態のバネ35に代わって、トラニオン41を所定の中立位置へ向けて付勢する磁石36a、36bを設けたもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0081】
トラニオン41を貫通して結合した偏心軸11の変速機ケース21と対向する端面には所定の極性を備えた磁石36bが固設され、この磁石36bは例えば、S極を変速機ケース21に対向させる。
【0082】
一方、変速機ケース21の内周には、パワーローラ3、3aの中立位置で、この磁石36bと対峙する磁石36aが固設され、この磁石36aは図中上方からS、N、Sの極性を備え、パワーローラ3、3aの中立位置では磁石36aのN極と、磁石36bのS極が対向するように形成される。
【0083】
この場合も、前記第1実施例と同様に、トラニオン41が中立位置から変位すると、磁石36a、36bの磁力によって中立位置へ向けて付勢され、ピストン6に加わる油圧に対向する力を発生して、Y軸方向のローカルフィードバックを行うことができる。そして、パワーローラ3の中立位置において、磁石36a、36bが発生する力を0にすることを容易に行うことができる。
【0084】
また、上記したように、全てのトラニオン41に磁石36bを設ける必要は無く、前記第1実施形態と同様に、複数のトラニオン41の内の一つにも配置しても良い。
【0085】
図7は第3の実施形態を示し、前記第1実施形態のバネ35に代わって、トラニオン41自体に弾性部41Aを形成したものである。
【0086】
この場合、弾性部41Aは偏心軸11よりも図中上方で屈曲形成され、上端41Tは変速機ケース21に結合されるものであり、ピストン6に加わる油圧に応じて偏心軸11を支持したトラニオン41が所定の中立位置から変位すると、屈曲した弾性部41Aが偏心軸11を所定の中立位置へ向けて付勢するため、簡易な構成でありながらも、Y軸方向のローカルフィードバックを確実に行うことができる。
【0087】
図8は第4の実施形態を示し、前記第1実施形態のバネ35に代わって、アッパーリンク43及びロアリンク45をコイルバネ37a、37b(第3フィードバック手段)を介してパワーローラ3、3aの中立位置へ向けて付勢するようにしたもので、その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。
【0088】
この場合、アッパーリンク43及びロアリンク45は、それぞれ変速機ケース21に固設されたピン48、48で揺動自由に支持されており、アッパーリンク43を付勢するコイルバネ37aは、基端を変速機ケース21側に、他端をパワーローラ3側のアッパーリンク43に連結して、アッパーリンク43を図中時計回りに付勢する。
【0089】
一方、ロアリンク45を付勢するコイルバネ37bは、基端を変速機ケース21側に、他端をパワーローラ3側のアッパーリンク43に連結して、ロアリンク45を図中反時計回りに付勢する。
【0090】
したがって、パワーローラ3、3aを支持するトラニオン41、41は所定の中立位置へ向けてY軸方向に付勢され、上記と同様にY軸方向のローカルフィードバックを確実に行うことができ、コイルバネ37a、37bを用いることで、変速機ケース21の寸法がY軸方向へ増大するのを抑制し、小型化を推進することができるのである。
【0091】
図9は第5の実施形態を示し、パワーローラ3を支持するトラニオン41に、前記従来例の変速制御弁5に加えて第2の変速制御弁105を設けたものである。なお、クレームとの関係では、変速制御弁5が第1フィードバック手段を、変速制御弁105が第2フィードバック手段を構成する。
【0092】
変速制御弁5は、前記従来例と同様にプリセスカム7を介してY軸方向変位とパワーローラ3の傾転角φに応じて駆動されるスプール5aと、ステップモータ4に駆動されるスリーブ5bを備え、出力ボート5e及び5fはパワーローラ3側のトラニオン41を駆動するピストン室51及びピストン室53にそれぞれ接続される。
【0093】
一方、第2の変速制御弁105は、前記第1実施形態の変速制御弁5と同様に、カム17を介してパワーローラ3の傾転角φのみに応じて駆動されるスプール105aと、ステップモータ4によりスリーブ5bと同期的に駆動されるスリーブ105bを備え、出力ボート105e及び1055はパワーローラ3a側のトラニオン41を駆動するピストン室52及びピストン室54にそれぞれ接続される。
【0094】
変速の際にはプリセスカム7によって傾転角φとY軸オフセットは、変速制御弁5を介してパワーローラ3のみへフィードバックされ、他方のパワーローラ3aに対しては、変速制御弁105を介して傾転角φのみがフィードバックされる。
【0095】
したがって、上記図5に示したフィードバックループとなって、Y軸方向のフィードバックと傾転方向のフィードバックを独立させて、傾転方向のフィードバックによって他のパワーローラ3aの駆動を行うため、前記第1実施形態と同様にし、外乱による振動を抑制することができるのである。
【0096】
図10は第6の実施形態を示し、前記従来例の図21に示した、パワーローラ3を支持するトラニオン41のピストン6に、トラニオン41の回転に応じて推力を発生する第4フィードバック手段としてフィン49を径方向へ同軸的に突設し、かつ、ピストン室51またはピストン室53内に収装したものであり、その他の構成は前記従来例と同様である。
【0097】
この場合、パワーローラ3の傾転角φの微分値、すなわち、傾転速度がY軸オフセット量に比例することから、傾転速度に応じた力をY軸方向に付与して、上記実施形態と同様に外乱による振動を抑制するものであり、パワーローラ3を支持するトラニオン41のピストン6には、フィン49が径方向へ同軸的に突設され、かつ、ピストン室51またはピストン室53内に収装される。
【0098】
変速の際にトラニオン41はパワーローラ3の傾転速度に応じてフィン49が回転し、フィン49が発生する推力によってピストン6にY軸方向の力が作用して、トラニオン41のY軸方向への過大な変位が抑制されるため、上記と同様に外乱が加わった場合でも、他のパワーローラ3a〜3cへ振動が伝達されるのを防ぐことが可能となり、さらに、回転速度(=傾転速度)に応じてトラニオン41へY軸方向の力が作用する構造となっているため、パワーローラ3、3aの所定の中立位置で付勢力が釣り合うような調整機構を不要にし、構造を簡易にすることができる。
【0099】
図11は第7の実施形態を示し、上記第6実施例のフィン49に代わってスクリュー50をピストン6に設け、図中上方のピストン室51に収装したものである。
【0100】
ピストン室51はスクリュー50によって上下の油室51a、51bに画成されており、ピストン6の回転に応じて、油室51a、51b間で作動油の給排を行う。例えば、変速動作に応じてピストン6が所定の方向へ回転すると、スクリュー50は油室51bの作動油を油室51aへ移送して油室51aの油圧を増大させ、上記第6実施形態と同様に、ピストン6にY軸方向の力が作用して、トラニオン41のY軸方向への過大な変位が抑制され、上記と同様に外乱が加わった場合でも、他のパワーローラ3a〜3cへ振動が伝達されるのを防ぐことが可能となる。
【0101】
図12は第8の実施形態を示し、前記従来例の図21に示した、パワーローラ3を支持するトラニオン41を駆動するピストン6に代わって、ダイアフラム状に形成されて、容易に弾性変形可能なピストン66を用いたもので、その他の構成は前記従来例の図21と同様である。
【0102】
図中上下にピストン室51、53を画成するピストン66は、外周をピストン壁67に固定され、内周側ではトラニオン41と軸まわりに相対回転自在に摺接する一方、支持部材68、68を介して軸方向で係合する。
【0103】
一対の支持部材68は軸方向に所定の間隔でトラニオン41に固設され、ピストン66の内周はこれら支持部材68に上下方向で狭持され、支持部材68、68と図中上下のピストン66にはシール材69が介装される。
【0104】
そして、ピストン6は弾性変形可能な部材で形成されており、ピストン室51とピストン室53の間に圧力差が生じた場合には、ピストン66は軸方向へ撓んで支持部材68を介してトラニオン41を駆動し、さらに、この撓んだ状態では、弾性変形を生じているためピストン66には図12の初期位置へ向けて復元力が発生する。すなわち、この復元力によってパワーローラ3のY軸方向変位に対向する力を作用させて、パワーローラ3を支持するトラニオン41へ上記実施形態と同様なローカルフィードバックを行うことができ、上記と同様に外乱が加わった場合でも、他のパワーローラ3a〜3cへ振動が伝達されるのを防ぐことが可能となり、さらにこの場合では、ピストン66の外周がピストン壁67に固定されていることにより、作動油のリークを防ぐシール材69をトラニオン41に近い内周へ配設することができ、シール材69の長さを短縮することで、作動油のリークを低減するとともに、構造の小型化を推進できる。
【0105】
図13は第9の実施形態を示し、前記第1実施形態のコントローラ61を、変速比計算手段61aと、傾転角度計算手段61b及びY軸変位推定手段61cを備え、Y軸方向のトラニオン41の変位=パワーローラ3の位置を推定してステップモータ4へ指令値uを送出するものである。
【0106】
変速比計算手段61aは、スロットル開度センサ62からのスロットル開度TVO、車速センサ63からの車速VSP及び入力回転センサ64が検出した無段変速機10の入力軸回転数Ni等の車両の運転状態に基づいて予め設定したマップなどから目標変速比を演算し、傾転角度計算手段61bはこの目標変速比に応じたパワーローラ3の傾転角を演算する。そして、Y軸変位推定手段61c(第5フィードバック手段)は、傾転角度計算手段61bが計算した傾転角度よりパワーローラ3、3a〜3cのY軸方向の平均位置=Y軸オフセット量平均値を推定し、実変速比が目標変速比となるようにステップモータ4への指令値を演算するとともに駆動する。
【0107】
パワーローラ3の傾転角のみをフィードバックし、トラニオン41の軸O3方向、すなわち、Y軸方向のオフセット量もフィードバックしなければ変速制御において、ハンチング現象を起こしてしまうことは、前記従来例の特願平7−71495号にも記したとおりであり、そこで、コントローラ61は、前記従来例に記したオブザーバを用いる手法等によりY軸オフセット量を推定して、この推定値に上記ハンチングを防止することが可能な所定のゲインを乗じた値をステップモータ4へ指令値uに加算して出力する。
【0108】
なお、このとき、傾転角度計算手段61bが計算した傾転角度は、入出力回転数より算出されたため、全パワーローラの平均値である。従って、これより推定されるY軸オフセット量も全パワーローラの平均値である。
【0109】
前記従来例のように、プリセスカム7によってスプール5aを駆動することも、ステップモータ4によってスリーブ5bを動かすことも、両者の相対位置に関しては等価となるため、Y軸オフセット量のフィードバックを推定した平均値に基づいて行うため、上記変速ハンチング現象を回避することが可能となり、メカニカルなローカルフィードバックを、パワーローラ3の傾転のみをカム17を介して変速制御弁5のスプール5aへ伝達することで、フィードバック機構を持たない他のパワーローラ3a、3b、3cの傾転運動を確実に同期させることができ、変速制御を行う各ピストン6への油圧系は共通であることより、各パワーローラ3、3a〜3cの傾転角は一致し、前記従来例のように、一つのパワーローラに外乱が加わった場合でも、他のパワーローラにY軸方向の外乱が伝達されることはなく、外乱による振動的な運動(同期崩れ振動現象)を抑制して、安定した変速制御を行うことが可能となるのである。
【0110】
図14は第10の実施形態を示し、前記従来例の図21に示したように、パワーローラ3の傾転とY軸オフセットの和を変速制御弁5へフィードバックするプリセスカム7を備えたトラニオン41に、前記第1実施形態に示した傾転角のみをフィードバックするカム17を加えるとともに、変速制御弁5のスプール5aへのフィードバックをプリセスカム7又はカム17のうちの一方へ選択的に切り換えるアクチュエータ70を設けたものである。
【0111】
変速制御弁5の内周には、スプール5aをパワーローラ3側へ向けて常時付勢するバネ65が収装される一方、スプール5aの端部5gにはカム17へ向けて伸縮自在なアクチュエータ70が配設される。
【0112】
ここで、プリセスカム7に駆動されるリンク8にはスプール5aと平行に配置されたロッド9が連結され、このロッド9の端部がスプール5aの端部5gと接離可能に形成される。
【0113】
そして、カム17と摺接するリンク18は上端を回転軸19に連結する一方、他端をアクチュエータ70の端部に連結し、コントローラ61の指令に応じてアクチュエータ70が伸縮することで、トラニオン41からのフィードバック経路が、カム17とプリセスカム7の一方に切り換えられ、アクチュエータ70の伸長位置でカム17がスプール5aを駆動する一方、アクチュエータ70の収縮位置でプリセスカム7がスプール5aを駆動する。
【0114】
この場合、車両が電源系統を失い、コントローラ61が停止すると、伸長していたアクチュエータが収縮し、バネ65により付勢されたスプール5aはプリセスカム7に連結されたロッド9へ押し付けられる一方、カム17と摺接するリンク18は切り離され、プリセスカム7の動作がスプール5aに伝達されるため、Y軸オフセットのフィードバックが可能となり、変速比制御を正常に行うことができ、コントローラ61が停止した場合のフェイルセーフを確保できる。
【0115】
図15、図16は第11の実施形態を示し、前記第9実施形態のY軸変位推定手段61cに代わってY軸変位センサ60(第1軸方向変位検出手段)を設けるとともに、前記第10実施形態のアクチュエータ70を電磁石72に置き換えたものである。
【0116】
まず、制御系の概略は図15に示すように構成され、Y軸変位センサ60の信号はコントローラ61に入力され、コントローラ61は上記Y軸変位推定手段61cに代わって、検出したY軸オフセットからステップモータ4の指令値uを演算する。このY軸変位センサ60は、例えば、静電容量の変化を利用した変位センサで構成され、トラニオン41の変速機ケース21に対する変位を検知して、これを電気信号としてコントローラ61へ伝達する。
【0117】
コントローラ61はY軸変位センサ60からの信号に、コントローラ61の一部を構成する同期崩れ振動(前記従来例の図26に示したような、外乱などによる機械的な振動で、制御のハンチングとは異なる振動)の周波数を減衰する効果を持つコンデンサと抵抗による、いわゆるRCフィルター回路によって実現される高域遮断フィルター61dを通過した後、これに所定のゲインを乗じ、目標変速比を実現する値である指令値uに加算し、ステップモータ4を駆動する。もちろん、高域遮断フィルターに代わって、同期崩れ振動の周波数を減衰する効果を持つ帯域遮断フィルターなどを用いてもよいことは言うまでもない。
【0118】
一方、制御機構は、図16に示すように、プリセスカム7(第2軸方向変位検出手段)とカム17(軸まわり変位検出手段)を有し、切り換え手段によりこれらを選択的に切り換えることで、コントローラ61ならびにY軸変位センサ60の故障時等に対処することが可能となる。
【0119】
切り換え手段は、スプール5aの端部5gに配設されて、カム軸74で揺動自由な切り換えカム71と、この切り換えカム71を選択的に駆動する電磁石72、切り換えカム71がロッド9と当接する方向に付勢する復帰バネ73を主体に構成され、切り換えカム71は、リンク8に連結されたロッド9と、リンク18に連結されたロッド17aと選択的に当接し、電磁石72の駆動に応じて切り換えカム71はトラニオン41の動作のフィードバック経路を、プリセスカム7又はカム17のうちの一方に設定する。
【0120】
コントローラ61は、電源が正常な状態及びY軸変位センサ60の正常時には電磁石72を励磁し、図16のように、復帰バネ73に抗して切り換えカム71を吸着して切り換えカム71とロッド17aを当接させ、スプール5aにパワーローラ3の傾転角のみをフィードバックさせる。
【0121】
一方、Y軸変位センサ60の異常を検知した場合には、コントローラ61が電磁石72への通電を停止し、切り換えカム71は復帰バネ73の付勢力によりカム軸74を中心として回転し、切り換えカム71がロッド9と当接してプリセスカム7の動きをスプール5aにフィードバックするのである。
【0122】
なお、Y軸変位センサ60の異常の検出は、上記従来例の特願平07−71495にて記載したオブザーバを用いた手法等により、例えば、実際の傾転角と傾転角の推定値の差に基づいて行われる。
【0123】
この場合では、上記実施形態の効果に加えて、Y軸変位センサ60によって、直接パワーローラ3のY軸オフセット量を取得するため、前記従来例に記したようにY軸オフセット量が変速速度を決定することにより、変速速度制御を含む、より高度な変速制御を高精度に行うことが可能という効果がある。
【0124】
図17は第12の実施形態を示し、前記第11実施形態のカム17を廃止するとともに、スプール5aの切り換え手段がプリセスカム7と制御弁固定壁75のうちの一方を選択するようにしたもので、その他の構成は前記第11実施形態と同様である。
【0125】
電源の遮断などでコントローラ61が停止した場合においては、電磁石76の通電が停止され、カム復帰バネ78により切り換え77が図中反時計回りに回転し、スプール5aの端部5gはロッド9と当接して、プリセスカム7の動きがスプール5aにフィードバックされ、Y軸方向のフィードバックを正常時の電子制御によるものからメカニカルフィードバックに切り換えることができ、フェイルセーフを確保することができる。
【0126】
図18は第13の実施形態を示し、前記第12実施形態の切り換え手段を、変速機ケース21側に固設された固定壁80又はリンク8に連結された接合部材83と択一的に結合する狭持部材82、82から構成したもので、狭持部材82、82は、電磁石79が通電状態の時には、基端に介装したバネ81に抗してそれぞれ電磁石79、79に吸着して先端部を開き、狭持部材82の端部は固定壁80に当接して、スプール5aの変位が規制され、上記と同様にコントローラ61によるY軸変位のフィードバックが行われる。
【0127】
一方、コントローラ61の異常時等では、電磁石79の通電が遮断され、狭持部材82、82は基端側をバネ81に付勢され、端部側で接合部材83を狭持し、スプール5aは接合部材83を介してリンク8側と結合して、メカニカルフィードバックを行うことができ、Y軸方向のフィードバックを正常時の電子制御によるものからメカニカルフィードバックに切り換えることができ、フェイルセーフを確保することができる。
【0128】
なお、上記第9、11から13実施例のように、通常運転時(コントローラ61等の正常時)において、Y軸オフセット量のフィードバックを電子的に行う場合では、図19に示すように、電子フィードバック手段61eが機能を停止した場合に、自動的にY軸オフセット量のフィードバック系を切り換える切り換え手段61fを設ければよく、例えば、切り換え手段61fがY軸オフセット量のフィードバック系を電子フィードバック手段61eからプリセスカム7へ切り換えると、上述した同期崩れ振動現象は生じるものの、運転性に影響を及ぼす変速比制御のハンチングを避けて、フェイルセーフを確保しながら確実に変速制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すトロイダル型無段変速機の横断面図。
【図2】傾転角をフィードバックするカム及びリンクの斜視図。
【図3】変速制御の概要を示すブロック図。
【図4】外乱を与えた場合のパワーローラの傾転角及びY軸変位と時間の関係を示すグラフ。
【図5】他の変速制御の概要を示すブロック図で、(A)は、パワーローラの傾転をフィードバックするトラニオンのみにバネ(ローカルフィードバック)を設けた場合を、(B)はプリセスカムを持たないパワーローラのみに対してY軸方向変位のフィードバックを行う場合をそれぞれ示す。
【図6】第2の実施形態を示すトロイダル型無段変速機の横断面図
【図7】第3の実施形態を示すトラニオン及びパワーローラの横断面図。
【図8】第4の実施形態を示すトロイダル型無段変速機の横断面図。
【図9】第5の実施形態を示すトロイダル型無段変速機の横断面図。
【図10】第6の実施形態を示し、(A)はフィン及びピストンの斜視図を、(B)はフィン及びピストンの側面図をそれぞれ示す。
【図11】第7の実施形態を示し、(A)はスクリュー及びピストンの斜視図を、(B)はスクリュー及びピストンの側面図をそれぞれ示す。
【図12】第8の実施形態を示すピストンの断面図。
【図13】第9の実施形態を示し、変速制御の概要を示すブロック図。
【図14】第10の実施形態を示すトロイダル型無段変速機の横断面図。
【図15】第11の実施形態を示し、変速制御の概要を示すブロック図。
【図16】同じく、トロイダル型無段変速機の横断面図。
【図17】第12の実施形態を示すトロイダル型無段変速機の横断面図。
【図18】第13の実施形態を示すトロイダル型無段変速機の横断面図。
【図19】さらに他の変速制御の概要を示すブロック図。
【図20】従来例を示すトロイダル型無段変速機の縦断面図。
【図21】同じく従来例を示し、トロイダル型無段変速機の横断面図。
【図22】同じく従来例を示し、プリセスカム及びリンクの斜視図。
【図23】同じく従来例を示し、ダブルキャビティのトロイダル型無段変速機に作用する力の概念図。
【図24】同じく従来例を示し、外乱を与えた場合のパワーローラの傾転角及びY軸変位と時間の関係を示すグラフ。
【図25】同じく従来例を示し、変速制御の概要を示すブロック図。
【図26】同じく従来例を示し、外乱を与えた場合のパワーローラの傾転角及びY軸変位と時間の関係を示すグラフで、同期崩れによる振動現象を示す。
【符号の説明】
1、1a 入力コーンディスク
2、2a 出力コーンディスク
3、3a〜3c パワーローラ
4 ステップモータ
5 変速制御弁
5a スプール
5b スリーブ
5d 入力ポート
5e 出力ボート
5f 出力ボート
6 ピストン
7 プリセスカム
8 リンク
9 ロッド
10 無段変速機
11 偏心軸
17 カム
18 リンク
19 回転軸
20 入力軸
21 変速機ケース
25 中空軸
26 ローディングナット
27 カムディスク
28 ローディングカム
29 出力歯車
30 出力軸
33 アジャスター
34 アジャスタープレート
35 バネ
36a、36b 磁石
37a、37b コイルバネ
41 トラニオン
42、44 球面継手
43 アッパーリンク
45 ロアリンク
46、47 球面継手
48 ピン
51〜53 ピストン室
60 Y軸変位センサ
61 コントローラ
61a 変速比計算手段
61b 傾転角度計算手段
61c Y軸変位推定手段
61d 高域遮断フィルター
61e 電子フィードバック手段
61f 切り換え手段
62 スロットル開度センサ
63 車速センサ
64 入力回転センサ
65 バネ
70 アクチュエータ
71 切り換えカム
72 電磁石
73 復帰バネ
74 カム軸
105 変速制御弁

Claims (12)

  1. トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、
    前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、
    前記各パワーローラを傾転自在に支持するトラニオンと、を備え、
    前記各トラニオンをアクチュエータにより同一の駆動力のもとでトラニオンの軸方向へ駆動するトロイダル型無段変速機において、
    所定の目標傾転角へと前記駆動力を制御する制御機構と、
    前記第1パワーローラの傾転角及びトラニオンの軸方向変位を、前記制御機構による駆動力の制御にフィードバックする第2のフィードバック手段と、
    前記第2のパワーローラのトラニオン軸方向変位に応じた力を、変位したトラニオンのみへフィードバックする第1のフィードバック手段と、を設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、
    前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、
    前記第1のパワーローラを傾転自在に支持する第1トラニオンと、
    前記第2のパワーローラを傾転自在に支持する第2トラニオンと、
    を備えるトロイダル型無段変速機において、
    前記第1トラニオンをトラニオン軸方向へ駆動する駆動装置の駆動力を制御する第1の制御機構と、
    前記第2トラニオンをトラニオン軸方向へ駆動する駆動装置の駆動力を制御する第2の制御機構と、
    前記第1パワーローラの傾転角と、トラニオンの軸方向変位を、前記第1の制御機構にフィードバックする第2のフィードバック手段と、
    前記第1のパワーローラの傾転角を前記第2の制御機構にフィードバックする手段と、を備えることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、
    前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、
    前記各パワーローラを傾転自在に支持するトラニオンと、を備え、
    前記各トラニオンをアクチュエータにより同一の駆動力のもとでトラニオンの軸方向へ駆動するトロイダル型無段変速機において、
    所定の目標傾転角へと前記駆動力を制御する制御機構と、
    前記第1パワーローラの傾転角を、前記制御機構による駆動力の制御にフィードバックする第2のフィードバック手段と、
    前記第1のパワーローラのトラニオン軸方向変位に応じた力を、変位したトラニオンのみへフィードバックする第1のフィードバック手段と、を設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 前記第1フィードバック手段は、前記トラニオンを所定の中立位置へ向けて付勢する付勢手段で構成されたことを特徴とする請求項1または請求項3に記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 前記第2フィードバック手段は、前記トラニオンを駆動するアクチュエータへの流体圧を共通の流体圧とすることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のトロイダル型無段変速機。
  6. トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、
    前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、
    前記各パワーローラを傾転自在に支持するトラニオンと、
    前記各トラニオンを軸方向で同期的に変位させるリンクと、を備え、
    前記各トラニオンをアクチュエータにより同一の駆動力のもとでトラニオンの軸方向へ駆動するトロイダル型無段変速機において、
    所定の目標傾転角へと前記駆動力を制御する制御機構と、
    前記第1パワーローラの傾転角を、前記制御機構による駆動力の制御にフィードバックするフィードバック手段と、
    前記リンクの変位に対抗する力をこのリンクへ付与する第3のフィードバック手段を備えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  7. トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、
    前記入出力ディスクに狭持、押圧される第1、第2のパワーローラと、
    前記各パワーローラを傾転自在に支持するトラニオンと、を備え、
    前記各トラニオンをアクチュエータにより同一の駆動力のもとでトラニオンの軸方向へ駆動するトロイダル型無段変速機において、
    所定の目標傾転角へと前記駆動力を制御する制御機構と、
    前記第1パワーローラの傾転角を、前記制御機構による駆動力の制御にフィードバックするフィードバック手段と、
    前記トラニオンの軸まわりの回転速度に応じた力を、トラニオン自身のみへフィードバックする第4のフィードバック手段を、前記複数のトラニオンのうちの少なくとも一つに設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  8. 前記第4フィードバック手段は、前記トラニオンの軸まわりの回転速度に応じた流体圧を該トラニオン自身に設けられたアクチュエータへ付与することを特徴とする請求項7に記載のトロイダル型無段変速機。
  9. トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、
    前記入出力ディスクに狭持、押圧される複数のパワーローラと、
    これらパワーローラを傾転自在にそれぞれ支持するとともに、アクチュエータに駆動されて軸方向へ変位可能な複数のトラニオンとを備えて、前記パワーローラの傾転角をトラニオンの軸方向変位のフィードバックに基づいて制御するトロイダル型無段変速機において、
    前記各トラニオンの軸方向の所定の中立位置からの変位の平均値を検知する平均値検出手段と、
    この平均値及び前記パワーローラの傾転角に応じた力を、前記複数のトラニオンの軸方向へ付与する第5のフィードバック手段とを備えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  10. 前記第5フィードバック手段は、トラニオンの軸方向への振動成分のうち、所定の周波数以下の振動成分のみを通過させるフィルタを備えたことを特徴とする請求項9に記載のトロイダル型無段変速機。
  11. トロイド状の対向面を備えて同軸上に配置された入出力ディスクと、
    前記入出力ディスクに狭持、押圧される複数のパワーローラと、
    これらパワーローラを傾転自在にそれぞれ支持するとともに、アクチュエータに駆動されて軸方向へ変位可能な複数のトラニオンとを備えて、前記パワーローラの傾転角をトラニオンの軸方向変位のフィードバックに基づいて制御するトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンの軸方向の変位を電子的変量に基づいて検出又は推定する第1の軸方向変位検出手段と、
    前記トラニオンの軸方向及び軸まわりの変位を機械的に検出する第2の軸方向変位検出手段と、
    第1軸方向変位検出手段の通電が遮断されたときに、前記軸方向変位の検出値を第1軸方向変位検出手段から第2軸方向変位検出手段へ切り換える切り換え手段と、
    この切り換え手段の出力に基づいて前記軸方向または軸まわりの変位に応じた力を前記トラニオンへ付与する第6フィードバック手段とを備えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  12. 前記第6フィードバック手段は、トラニオンの軸まわりの変位のみを機械的に検出する軸まわり変位検出手段を備え、前記切り換え手段が第1軸方向変位手段の出力を選択している間は、前記第1軸方向変位検出手段と軸まわり変位検出手段の検出値に応じて前記トラニオンを駆動することを特徴とする請求項11に記載のトロイダル型無段変速機。
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