JP2003049915A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2003049915A
JP2003049915A JP2001240107A JP2001240107A JP2003049915A JP 2003049915 A JP2003049915 A JP 2003049915A JP 2001240107 A JP2001240107 A JP 2001240107A JP 2001240107 A JP2001240107 A JP 2001240107A JP 2003049915 A JP2003049915 A JP 2003049915A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクの変動に伴う構成各部材の弾性変形時
に、各パワーローラ9A 1 、9B1 が入力側回転軸11
aの軸方向に対し直角方向に変位するのを抑えて、意図
しない変速動作を抑える。 【解決手段】 中立状態で、上記各パワーローラ9A
1 、9B1 を支持する変位軸8A、8Bのうち、支持軸
部14に対し枢支軸部15を、各入力側ディスク2A、
2B側に位置させる。弾性変形に伴う、上記軸方向に対
し直角方向に関する上記各パワーローラ9A1 、9B1
の変位方向が、途中で変化する。この結果、これら各パ
ワーローラ9A1 、9B1 の上記直角方向に関する変位
量を抑えて、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るトロイダル型無段
変速機は、自動車用自動変速装置を構成する変速ユニッ
トとして、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調
節する為の変速機として利用する。特に本発明は、パワ
ーローラの周面とこのパワーローラを挟む1対のディス
クの内側面とがこのパワーローラの傾転中心の径方向反
対側に存在しない、所謂ハーフトロイダル型無段変速機
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機を構成する変速ユニット
の一種として、図9〜10に略示する様なハーフトロイ
ダル型のトロイダル型無段変速機が知られている。この
トロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−714
65号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入
力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置さ
れた出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定してい
る。トロイダル型無段変速機を納めたケーシング5(後
述する図12参照)の内側には、上記入力軸1並びに出
力軸3に対し捩れの位置にある枢軸6、6を中心として
揺動するトラニオン7、7を設けている。
【0003】これら各トラニオン7、7は、両端部外側
面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に互いに
同心に、各トラニオン7、7毎に1対ずつ設けている。
これら各枢軸6、6の中心軸は、上記各ディスク2、4
の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、
4の中心軸の方向に対し直角方向若しくはほぼ直角方向
である、捩れの位置に存在する。又、上記各トラニオン
7、7の中心部には変位軸8、8の基半部を支持し、上
記枢軸6、6を中心として各トラニオン7、7を揺動さ
せる事により、上記変位軸8、8の傾斜角度の調節を自
在としている。上記各トラニオン7、7に支持された変
位軸8、8の先半部の周囲には、それぞれパワーローラ
9、9を回転自在に支持している。そして、各パワーロ
ーラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の
内側面2a、4a同士の間に挟持している。
【0004】上記入力側、出力側両ディスク2、4の互
いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い
曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなして
いる。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当
接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2と
の間には、ローディングカム装置等の駆動押圧装置10
を設け、この駆動押圧装置10によって上記入力側ディ
スク2を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつ
つ、回転駆動自在としている。
【0005】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴って上記駆動押圧装
置10が上記入力側ディスク2を、上記複数のパワーロ
ーラ9、9に押圧しつつ回転させる。そして、この入力
側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9
を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディ
スク4に固定の出力軸3が回転する。入力軸1と出力軸
3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸
3との間で減速を行なう場合には、枢軸6、6を中心と
して前記各トラニオン7、7を揺動させ、各パワーロー
ラ9、9の周面9a、9aが図9に示す様に、入力側デ
ィスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク
4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様
に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。反対に、増速を
行なう場合には、上記各トラニオン7、7を揺動させ、
各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図10に示す
様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と
出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、そ
れぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜させ
る。これら各変位軸8、8の傾斜角度を図9と図10と
の中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の
変速比を得られる。
【0006】更に、図11〜12は、実願昭63−69
293号(実開平1−173552号)のマイクロフィ
ルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段
変速機を示している。第一ディスクである入力側ディス
ク2と第二ディスクである出力側ディスク4とは円管状
の入力側回転軸11の周囲に、それぞれこの入力側回転
軸11に対する回転及び互いに独立した回転を自在に支
持している。又、この入力側回転軸11の端部と上記入
力側ディスク2との間に、ローディングカム装置等の駆
動押圧装置10を設けている。一方、上記出力側ディス
ク4には、出力歯車12を結合し、これら出力側ディス
ク4と出力歯車12とが同期して回転する様にしてい
る。
【0007】1対のトラニオン7、7の両端部に互いに
同心に設けた枢軸6、6は1対の支持板13、13に、
揺動並びに軸方向(図11の表裏方向、図12の左右方
向)の変位自在に支持している。そして、上記各トラニ
オン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部を支持し
ている。これら各変位軸8、8は、基半部を構成する支
持軸部14と、先半部を構成する枢支軸部15とを互い
に偏心させている。そして、このうちの支持軸部14を
上記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支持し、
枢支軸部15の周囲にパワーローラ9、9を回転自在に
支持している。
【0008】又、上記各パワーローラ9、9の外側面と
上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、こ
れら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラ
スト玉軸受16、16とスラストニードル軸受17、1
7とを設けている。このうちのスラスト玉軸受16、1
6は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向
の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回
転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受17、
17は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト
玉軸受16、16を構成する外輪18、18に加わるス
ラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の枢支軸
部15、15及び上記外輪18、18が、これら各変位
軸8、8の支持軸部14、14を中心として揺動する事
を許容する。更に、上記各トラニオン7、7は、油圧式
のアクチュエータ19、19により、前記各枢軸6、6
の軸方向に変位させる様にしている。
【0009】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合、入力側回転軸11の回転は駆動押圧装置1
0を介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、こ
の入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ9、
9を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力
側ディスク4の回転が、出力歯車12より取り出され
る。入力側回転軸11と出力歯車12との間の回転速度
比を変える場合には、上記各アクチュエータ19、19
により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方向
に、例えば、図12の下側のパワーローラ9を同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ9を同図の左側に、そ
れぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ
9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出
力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用す
る、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の
向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板
13、13に枢支された枢軸6、6を中心として、互い
に逆方向に揺動する。この結果、前述の図9〜10に示
した様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9a
と上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記
入力側回転軸11と出力歯車12との間の回転速度比が
変化する。
【0010】トロイダル型無段変速機による動力伝達時
には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワーロ
ーラ9、9が上記入力側回転軸11の軸方向に変位す
る。そして、これら各パワーローラ9、9を支持した前
記各変位軸8、8が、それぞれの支持軸部14を中心と
して僅かに回動する。この回動の結果、上記各スラスト
玉軸受16、16の外輪18、18の外側面と上記各ト
ラニオン7、7の内側面とが相対変位する。これら外側
面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受1
7、17が存在する為、この相対変位に要する力は小さ
い。
【0011】又、トロイダル型無段変速機により伝達可
能な動力を大きくすべく、パワーローラ9、9の数を増
やす構造として、図13に示す様に、入力側回転軸11
aの周囲に第一、第二外側ディスクである入力側ディス
ク2A、2Bと第一、第二内側ディスクである出力側デ
ィスク4、4とを2個ずつ設け、これら2個ずつの入力
側ディスク2A、2Bと出力側ディスク4、4とを動力
の伝達方向に関して互いに並列に配置する、所謂ダブル
キャビティ型の構造も、従来から知られている。この図
13に示した構造は、上記入力側回転軸11aの中間部
周囲に出力歯車12aを、軸方向の移動を阻止した状態
で、この入力側回転軸11aに対する回転を自在として
支持している。即ち、ケーシング5の中間壁21に、上
記出力歯車12aの中心部に設けたスリーブ22を、ア
ンギュラ型の玉軸受等の1対の転がり軸受23、23に
より回転自在に支持している。そして、上記スリーブ2
2の両端部に上記各出力側ディスク4、4を、スプライ
ン係合させている。
【0012】又、上記各入力側ディスク2A、2Bは、
上記入力側回転軸11aの両端部に、ボールスプライン
24、24を介して、軸方向の変位可能に、且つ、上記
入力側回転軸11aと共に回転自在に支持している。こ
の入力側回転軸11aは、駆動軸20により、駆動押圧
装置10を介して回転駆動する。上記1対の入力側ディ
スク2A、2Bのうち、この駆動押圧装置10側の入力
側ディスク2Aは、この駆動押圧装置10の作動に伴
い、上記入力側回転軸11aに沿って軸方向に移動す
る。これに対して反対側の入力側ディスク2Bは、大き
な弾性を有する皿ばね26を介してローディングナット
25に突き合わせ、上記入力側回転軸11aの軸方向の
移動を制限(実質的に阻止)している。この様なダブル
キャビティ型のトロイダル型無段変速機の場合には、入
力側回転軸11aから出力歯車12aへの動力の伝達
を、一方の入力側ディスク2Aと出力側ディスク4との
間と、他方の入力側ディスク2Bと出力側ディスク4と
の間との、2系統に分けて行なうので、大きな動力の伝
達を行なえる。
【0013】ところで、ハーフトロイダル型の無段変速
機に組み込むトラニオン7、7の両端部を揺動及び軸方
向の変位自在に支持する為の支持板13、13(図12
参照)は、ケーシング5の内側に、若干の変位自在に支
持する構造が、従来から実施されている構造も含めて一
般的である。この構造は、図12に示した様に、上記各
支持板13、13をケーシング5内に固設した支持ポス
ト27a、27bに対し、揺動及びこれら各支持ポスト
27a、27bの軸方向(図12の上下方向)の変位自
在に支持している。この様な構造の場合には、上記各支
持板13、13と上記各トラニオン7、7の端部との係
合構造を工夫する事により、各枢軸6、6の軸方向に関
するこれら各トラニオン7、7の変位を或る程度同期さ
せる事が可能になる。但し、この様な従来から一般的な
構造の場合には、上記各支持板13、13と上記ケーシ
ング5の内面との間に隙間を介在させる必要がある等、
トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図る為の設計
の自由度が低下する。
【0014】これに対して、上記特開2000−919
9号公報には、各トラニオンの両端部を支持する為の1
対の支持板を、ケーシング内に固定する構造が記載され
ている。この様な支持板をケーシングの内面に固定する
構造を採用すれば、上記従来から一般的な構造で不可避
であった、支持板とケーシングの内面との間の隙間を省
略する分、トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図
る為の設計の自由度が高くなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた様な従来
から知られているトロイダル型無段変速機は、何れの構
造であっても、このトロイダル型無段変速機により伝達
するトルクが大きく変動した場合に、意図しない変速動
作を生じる可能性がある。この様な変速動作は、構成各
部材の弾性変形に伴って、各パワーローラ9、9が各変
位軸8、8の支持軸部14、14を中心として円弧運動
する為に生じる。即ち、前述した様に、上記各変位軸
8、8を構成する支持軸部14、14と枢支軸部15、
15とは互いに偏心しており、上記トルクの変動に伴っ
て各部の弾性変形量が変化した場合には、上記各変位軸
8、8をそれそれの支持軸部14、14を中心として揺
動させ、それぞれの枢支軸部15、15の周囲に支持し
た上記各パワーローラ9、9を、入力側、出力側各ディ
スク2、2A、2B、4の軸方向に変位させる。この変
位に伴って、これら各ディスク2、2A、2B、4の内
側面2a、4aと上記各パワーローラ9、9の周面9
a、9aとを確実に当接させた状態のままに維持でき
る。
【0016】但し、この際、上記各パワーローラ9、9
は、上記各変位軸8、8の支持軸部14、14を中心と
する円弧運動をする。この為、上記各パワーローラ9、
9は、上記入力側、出力側各ディスク2、2A、2B、
4の軸方向に変位するだけでなく、この軸方向に対し直
角方向にも、僅かとは言え変位する。そして、この直角
方向の変位が、例えば0.2mm程度に達すると、上記各
面2a、4a、9a同士の接触部に、枢軸6、6を中心
として各トラニオン7、7を傾斜させる方向の力、即ち
変速比を変化させる方向の力が加わる。この様な機構に
より、トルクの急変動時に意図しない変速動作が行なわ
れると、運転者に違和感を与える為、好ましくない。
【0017】又、支持板13、13をハウジング5に対
し固定する構造の場合には、各パワーローラ9、9毎
に、僅かとは言え変速比が異なる可能性もある。この理
由は、次の通りである。上記支持板13、13を固定す
る構造の場合には、小型・軽量化の為の設計の自由度が
向上する代わりに、支持板13、13の揺動変位により
各枢軸6、6の軸方向に関する各トラニオン7、7の変
位を同期させる機能を得る事はできない。これら各トラ
ニオン7、7の変位を同期させるには、あくまでもアク
チュエータ19、19(図12参照)を互いに同期して
ストロークさせる必要がある。このストロークは、上記
各アクチュエータ19、19への圧油の給排量を規制す
る事により同期させるが、これら各アクチュエータ1
9、19や上記各トラニオン7、7の変位に対する抵抗
の相違により、微妙にずれる可能性がある。尚、この様
なずれの原因となる抵抗のうち、上記各アクチュエータ
19、19に関する抵抗としては、給油配管部分の流路
抵抗やシールリングの摩擦抵抗が、上記各トラニオン
7、7の支持部分に関する抵抗としては、枢軸6、6を
支持している部分の軸受の抵抗(スキュー等に基づく)
やこの枢軸6、6を含む上記各トラニオン7、7のアン
バランス等が考えられる。
【0018】何れにしても、上記各枢軸6、6の軸方向
に関する上記各トラニオン7、7の変位量に差が生じる
と、これら各トラニオン7、7はそれぞれの両端部に設
けた枢軸6、6を中心として互いに相違した速度で揺動
し、互いの傾斜角度が相違してしまう。この結果、それ
ぞれの内側面に支持したパワーローラ9、9同士の間で
変速比に差が生じ、これら各パワーローラ9、9の周面
9a、9a毎に存在する摩擦伝達部(トラクション部)
の全部又は一部で、(不可避なスピン以外の)著しい摩
擦が生じる。この結果、摩擦伝達部を構成する各面2
a、4a、9aの耐久性が損なわれる原因となる。
【0019】本発明は、この様な事情に鑑みて、トルク
変動時に各トラニオンが不用意に傾斜する事を防止し
て、運転者に違和感を与えない様にする事を目的に発明
したものである。更に、必要とすれば、支持板を固定す
る構造で各トラニオンを適切に傾斜させる事により、回
転軸の軸方向に対し直角方向に関する各パワーローラの
変位量が互いに異ならない様にし、十分な耐久性確保を
図れる構造を実現すべく発明したものである。
【0020】尚、トロイダル型無段変速機で、パワーロ
ーラを支持している部材を、入力側、出力側各ディスク
の中心軸に対し直角方向の仮想平面に対し傾斜させる構
造として、米国特許第5395292号、同54237
27号各明細書に記載された構造が知られている。但
し、これら各明細書に記載された構造は、パワーローラ
の周面とこのパワーローラを挟む1対のディスクの内側
面とがこのパワーローラの傾転中心の径方向反対側に存
在する、所謂フルトロイダル型無段変速機に関するもの
である。フルトロイダル型無段変速機の場合には、本発
明の対象となるハーフトロイダル型無段変速機の場合と
は異なり、パワーローラにスラスト荷重が加わらず、こ
のパワーローラを支持する為の(トラニオンに相当す
る)部材が片持ち支持構造で良い等、ハーフトロイダル
型無段変速機とは基本的に異なる。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のトロイダル型無
段変速機のうち、請求項1に係る発明は、前述の図11
〜12に示した様な、入力側ディスクと出力側ディスク
とを1個ずつ設けた、所謂シングルキャビティ型も含
む、本発明の基本構成に関するものであり、請求項2に
係る発明は、前述の図13に示した様な、入力側ディス
クと出力側ディスクとを2個ずつ設けた、所謂ダブルキ
ャビティ型に関するものである。又、これら請求項1〜
2に係る発明は、変位軸を構成する支持軸部と枢支軸部
との位置関係を規定して、トルクが大きく変動した状態
でも不用意な変速動作が行なわれない様にする事を意図
しているものである。言い換えれば、上記請求項1〜2
に係る発明は、各トラニオンの配列方向、並びにこれら
各トラニオンの両端部を支持した支持板の支持構造に関
しては特に限定しない。これに対して、請求項3に係る
発明は、支持板をケーシング内に固定する構造を前提と
して、各パワーローラ毎で変速比に差が生じない様にす
る事も、合わせて意図している為、各トラニオンの配列
方向に就いても限定している。以下、各請求項に記載し
た発明に就いて説明する。
【0022】先ず、請求項1に記載したトロイダル型無
段変速機は、ケーシングと、第一ディスクと、第二ディ
スクと、駆動押圧装置と、複数個のトラニオンと、複数
個のアクチュエータと、複数本の変位軸と、複数個のパ
ワーローラとを備える。このうちの第一ディスクは、上
記ケーシングの内側に回転及び軸方向の変位自在に支持
されている。又、上記第二ディスクは、上記第一ディス
クの内側面にその内側面を対向させた状態でこの第一デ
ィスクと同心に、この第一ディスクとは独立した回転を
可能に支持されている。又、上記駆動押圧装置は、上記
第一ディスクをこの第二ディスクに向け押圧しつつこの
第一ディスクを回転させるものである。又、上記各トラ
ニオンは、これら第一、第二両ディスクの軸方向に関し
て、これら両ディスクの間部分に配置され、これら両デ
ィスクの中心軸に対し捻れの位置にあり、1対の支持板
に揺動及び軸方向の変位自在に支持された枢軸を中心と
して揺動する。又、上記各アクチュエータは、上記各ト
ラニオンを上記各枢軸の軸方向に変位させるものであ
る。又、上記各変位軸は、互いに偏心した支持軸部及び
枢支軸部から成り、このうちの支持軸部を上記各トラニ
オンに回転自在に支持し、枢支軸部をこれら各トラニオ
ンの内側面から突出した状態で設けられている。又、上
記各パワーローラは、上記各変位軸の周囲に回転自在に
支持された状態で、上記両ディスクの内側面同士の間に
挟持されている。
【0023】特に、請求項1に記載したトロイダル型無
段変速機に於いては、このトロイダル型無段変速機によ
る動力伝達を行なわない状態で、上記各ディスクの軸方
向に関して、上記各変位軸を構成する枢支軸部の中心軸
を支持軸部の中心軸よりも上記第一ディスク寄りに外れ
た位置に設けている。この様に枢支軸部の中心軸を支持
軸部の中心軸よりも第二ディスクよりに設ける、上記各
ディスクの軸方向に関する距離は、好ましくは、上記両
ディスクの軸方向に関する上記各パワーローラの変位量
よりも小さい距離とする。尚、これら各パワーローラの
変位量とは、上記トロイダル型無段変速機で最も大きな
トルク(最大トルク、定格トルク)を伝達した場合に、
上記各パワーローラが、中立状態を基準として、上記各
ディスクの軸方向に変位する距離を言う。尚、この中立
状態とは、トロイダル型無段変速機による動力伝達を行
なわない状態、即ち、上記駆動押圧装置が大きな推力を
発生せず、従って構成各部材が殆ど弾性変形していない
状態を言う。
【0024】又、請求項2に記載したトロイダル型無段
変速機は、ケーシングと、回転軸と、第一、第二両内側
ディスクと、第一外側ディスクと、第二外側ディスク
と、駆動押圧装置と、複数個の第一トラニオンと、複数
個の第一アクチュエータと、複数本の第一変位軸と、複
数個の第一パワーローラと、複数個の第二トラニオン
と、複数個の第二アクチュエータと、複数本の第二変位
軸と、複数個の第二パワーローラとを備える。上記回転
軸は、上記ケーシングの内側に、回転及び軸方向の変位
自在に支持されている。又、上記第一、第二両内側ディ
スクは、上記回転軸の中間部周囲に、軸方向の移動を阻
止された状態でこの回転軸に対する相対回転を自在に、
且つそれぞれの内側面を互いに反対側に向けた状態で設
けられている。又、上記第一外側ディスクは、上記第
一、第二両内側ディスクのうちの第一内側ディスクの内
側面にその内側面を対向させた状態で上記回転軸の一端
部に、この回転軸の軸方向の変位のみ自在に支持され、
この回転軸と共に回転する。又、上記第二外側ディスク
は、上記第二内側ディスクの内側面にその内側面を対向
させた状態で上記回転軸の他端部に、この回転軸の軸方
向に関する変位を制限された状態で支持され、この回転
軸と共に回転する。又、上記駆動押圧装置は、上記第一
外側ディスクを上記第二外側ディスクに向け押圧しつつ
これら第一、第二両外側ディスク及び上記回転軸を回転
させる。又、上記各第一トラニオンは、上記回転軸の軸
方向に関して第一外側ディスクと上記第一内側ディスク
との間部分に配置され、上記回転軸に対し捻れの位置に
あり、1対の支持板に揺動及び軸方向の変位自在に支持
された第一枢軸を中心として揺動する。又、上記各第一
アクチュエータは、上記各第一トラニオンを上記各第一
枢軸の軸方向に変位させる。又、上記各第一変位軸は、
互いに偏心した第一支持軸部及び第一枢支軸部から成
り、このうちの第一支持軸部を上記各第一トラニオンに
回転自在に支持し、第一枢支軸部をこれら各第一トラニ
オンの内側面から突出した状態で設けられている。又、
上記各第一パワーローラは、上記第一枢支軸部の周囲に
回転自在に支持された状態で、上記第一外側ディスクの
内側面と上記第一内側ディスクの内側面との間に挟持さ
れている。又、上記各第二トラニオンは、上記回転軸の
軸方向に関して第二外側ディスクと上記第二内側ディス
クとの間部分に配置され、上記回転軸に対し捻れの位置
にあり、上記ケーシングの内側に固定された1対の支持
板に揺動及び軸方向の変位自在に支持された第二枢軸を
中心として揺動する。又、上記各第二アクチュエータ
は、上記各第二トラニオンを上記各第二枢軸の軸方向に
変位させる。又、上記各第二変位軸は、互いに偏心した
第二支持軸部及び第二枢支軸部から成り、このうちの第
二支持軸部を上記各第二トラニオンに回転自在に支持
し、第二枢支軸部をこれら各第二トラニオンの内側面か
ら突出した状態で設けられている。又、上記各第二パワ
ーローラは、上記第二枢支軸部の周囲に回転自在に支持
された状態で、上記第二外側ディスクの内側面と上記第
二内側ディスクの内側面との間に挟持されている。
【0025】特に、請求項2に記載したトロイダル型無
段変速機に於いては、このトロイダル型無段変速機によ
る動力伝達を行なわない状態で、上記回転軸の軸方向に
関して、上記各第一変位軸を構成する第一枢支軸部の中
心軸を第一支持軸部の中心軸よりも(好ましくは、上記
回転軸の軸方向に関する上記各第一パワーローラの変位
量よりも小さい距離だけ)上記第一外側ディスク寄りに
外れた位置に設けると共に、上記各第二変位軸を構成す
る第二枢支軸部の中心軸を第二支持軸部の中心軸よりも
(好ましくは、上記回転軸の軸方向に関する上記各第二
パワーローラの変位量よりも小さい距離だけ)上記第二
外側ディスク寄りに外れた位置に設けている。好ましい
場合のこれら各距離に関する意味は、前述した請求項1
に係る発明の場合と同様である。
【0026】更に、請求項3に係るトロイダル型無段変
速機の場合には、各支持板をケーシングの内側に固定す
ると共に、各トラニオン(第一、第二トラニオンを含
む)を、各ディスク(第一、第二ディスク、第一、第二
外側ディスク、第一、第二内側ディスクを含む)の中心
軸に対し直角方向に存在する仮想平面に対し傾斜させて
いる。
【0027】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機により、第一ディスクと第二ディスクとの間、或
は第一、第二各外側ディスクと第一、第二各内側ディス
クとの間で回転力の伝達を行ない、更にこれら第一ディ
スクと第二ディスクとの間、或は第一、第二各外側ディ
スクと第一、第二各内側ディスクとの間の変速比を変え
る作用は、前述の図11〜12或は図13に示した従来
構造の場合と同様である。
【0028】特に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、作動時に構成各部材の弾性変形に基づいて各
パワーローラ或は第一、第二各パワーローラが各ディス
クの軸方向或は回転軸の軸方向に変位した場合に、この
各ディスクの軸方向或は回転軸の軸方向と直角方向に関
する、これら各パワーローラ或は第一、第二各パワーロ
ーラの変位量が、運転者に違和感を与える変速動作を惹
起させる程に大きくならない様にできる。即ち、請求項
1〜2に係るトロイダル型無段変速機の場合には、上記
構成各部材の弾性変形に基づいて各パワーローラ或は第
一、第二各パワーローラが各ディスクの軸方向或は回転
軸の軸方向に変位する場合に、この軸方向と直角方向に
関するこれら各パワーローラ或は第一、第二各パワーロ
ーラの変位方向が、途中で変わる。この為、これら各パ
ワーローラ或は第一、第二各パワーローラに関して、上
記軸方向と直角な方向の変位量を小さく抑える事ができ
る。この結果、トロイダル型無段変速機により伝達する
トルクが大きく変動した場合でも、上記各パワーローラ
或は第一、第二各パワーローラの傾斜角度が、運転者に
違和感を与える変速動作に結び付く程に大きくならな
い。
【0029】更に、請求項3に記載した様に、各支持板
をハウジング内に固定すると共に、各トラニオンを各デ
ィスクの中心軸に対し直角方向に存在する仮想平面に対
し傾斜させた構造を採用すれば、小型・軽量化を図り易
い構造で、各パワーローラ或は第一、第二各パワーロー
ラの傾斜角度に実用上問題となる程の差が生じる事を防
止できる。この為、これら各パワーローラ或は第一、第
二各パワーローラの周面と、第一ディスク及び第二ディ
スク或は第一、第二各外側ディスク及び第一、第二各内
側ディスクの内側面との接触部に、著しい摩擦が生じる
事を防止して、これら各面の耐久性向上を図れる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1〜5は、請求項1〜3の総て
に対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。
尚、本発明のトロイダル型無段変速機の基本構成は、前
述の図13に示した様な従来から知られている、ダブル
キャビティ型でハーフトロイダル型のトロイダル型無段
変速機の構造と同様である。即ち、駆動軸20から駆動
押圧装置10を介して一方(図2の左方)の入力側ディ
スク2Aに伝達した回転力を、入力側回転軸11aを介
して他方(図2の右方)の入力側ディスク2Bに伝達
し、これら両入力側ディスク2A、2Bを同期して回転
させる様にしている。そして、これら両入力側ディスク
2A、2Bの回転を、それぞれが第一、第二パワーロー
ラである複数個ずつのパワーローラ9A(9A1 、9A
2 )、9B(9B1、9B2 )を介して1対の出力側デ
ィスク4A、4Bに伝達し、これら両出力側ディスク4
A、4Bを互いに同期して回転させる様にしている。
【0031】これら両出力側ディスク4A、4Bの回転
は、これら両出力側ディスク4A、4Bをその両端部に
支持したスリーブ22の中間部外周面に固設した出力歯
車12aから、別の歯車28及び伝達軸29を介して取
り出す様にしている。上記スリーブ22はケーシング5
a内に設けた中間壁21に、転がり軸受23、23を介
して、軸方向の変位を阻止した状態で、回転自在に支持
している。従って、上記両出力側ディスク4A、4Bは
上記中間壁21を挟む位置に、軸方向の変位を阻止した
状態で、回転自在に支持されている。
【0032】トロイダル型無段変速機の運転時に、第一
外側ディスクである上記一方の入力側ディスク2Aは、
上記駆動押圧装置10により図2の右方に押され、第二
外側ディスクである上記他方の入力側ディスク2Bは、
この駆動押圧装置10の作動に基づいて、上記入力側回
転軸11aにより図2の左方に引っ張られる。これに対
して、第一、第二内側ディスクである上記両出力側ディ
スク4A、4Bは、上記中間壁21の両側に支持された
まま、軸方向に変位する事はない。従って、上記トロイ
ダル型無段変速機の運転時には、上記各入力側ディスク
2A、2Bの内側面2a、2aと上記各出力側ディスク
4A、4Bの内側面4a、4aとの距離が縮まり、これ
ら各内側面2a、4aと上記各パワーローラ9A、9B
の周面9a、9aとの当接部(トラクション部)の当接
圧が高くなって、動力伝達を行なえる様になる。
【0033】又、本例のトロイダル型無段変速機の場合
には、前述の特開2000−9199号公報に記載され
た構造の場合と同様に、各第一、第二トラニオンである
トラニオン7A1 、7A2 (7B1 、7B2 )の両端部
に互いに同心に設けた枢軸6、6を揺動並びに軸方向の
変位可能に支持する為の支持板13a、13bを、図1
に示す様に、ケーシング5aの内面に固定している。そ
こで、先に図13により説明した従来構造と同様の部分
に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以
下、本発明の特徴部分並びに上記図13に示した従来構
造と異なる部分を中心に説明する。
【0034】尚、図面の上下方向は、本例の構造を実際
に車両に組み付ける状態での上下方向と一致してはいる
が、トロイダル型無段変速機の機能上、必ずしも図示の
方向に組み付けなければならないものではない。設置す
る車両がFR車であるかFF車であるか等、設置位置や
車体の形状等との関係で、上下左右方向は、設計的に定
められる。但し、説明の明瞭化及び簡略化の為、以下の
説明では、上下方向、左右方向に関しては、図面に基づ
いて表す。又、上記各トラニオン7A1 、7A 2 、7B
1 、7B2 の軸方向とは、これら各トラニオン7A1
7A2 、7B1、7B2 の両端部に設けた上記各枢軸
6、6の中心軸の方向を言う。
【0035】本例の場合、キャビティ33a(33b)
部分に設置する上記各トラニオン7A1 、7A2 (7B
1 、7B2 )を、何れも図1に示す様な構造により、上
記ケーシング5a内に支持している。即ち、このケーシ
ング5aの内面に上記1対の支持板13a、13bを、
互いに平行な状態で固定している。そして、これら両支
持板13a、13bの互いに整合する位置に形成した支
持孔30、30の内側にラジアルニードル軸受31、3
1を、それぞれボールスプライン32、32により、軸
方向に関する円滑な変位自在に設けている。従って、各
アクチュエータ19、19による上記各トラニオン7A
1 、7A2 (7B1 、7B2 )の軸方向変位は上記各ボ
ールスプライン32、32により、同じく揺動変位は上
記各ラジアルニードル軸受31、31により、それぞれ
円滑に行なわれる。
【0036】特に、本例のトロイダル型無段変速機の場
合には、図1からは明らかではないが、図3〜4に示す
様に、各トラニオン7A1 、7A2 、7B1 、7B2
が、入力側回転軸11aの中心軸に対し直交する仮想平
面に対し、互いに逆方向に少し傾斜している。即ち、上
記各トラニオン7A1 、7A2 、7B1 、7B2 はそれ
ぞれの長さ方向両端部に、これら各トラニオン7A1
7A2 、7B1 、7B2の揺動中心となる前記枢軸6、
6を、図1に示す様に、これら各トラニオン7A 1 、7
2 、7B1 、7B2 毎に互いに同心に設けている。前
述の図11〜13に示した各従来構造の場合には、各ト
ラニオン7、7の両端部に設けた枢軸6、6の中心軸
が、回転軸である入力側回転軸11、11aに直交する
仮想平面上に存在していた。従って、各トラニオンの両
端部に設けた枢軸6、6の中心軸同士は、互いに平行で
あった。
【0037】これに対して本例の場合には、上記各トラ
ニオン7A1 、7A2 、7B1 、7B2 の揺動中心とな
る枢軸6、6の中心軸を、何れも上記入力側回転軸11
aの中心軸に対し直交する仮想平面に対し傾斜させてい
る。傾斜している方向は、同一キャビティ33a、33
bに設置した各トラニオン7A1 、7A2 同士、及び各
トラニオン7B1 、7B2 同士で互いに逆方向である。
同時に上記傾斜方向は、入力側、出力側各ディスク2
A、2B、4A、4Bの円周方向に関して同じ側に存在
する各トラニオン7A1 、7B1 同士、及び各トラニオ
ン7A2 、7B2同士で互いに逆方向にしている。この
様に、それぞれが異なる方向に傾斜した、上記各トラニ
オン7A1 、7A2 、7B1 、7B2 の傾斜方向は、上
記入力側回転軸11aが図3〜4の左方から見た状態で
時計方向に回転する場合で、これら図3〜4に示す方向
としている。
【0038】本例の場合、これら図3〜4に示した傾斜
方向は、次のを考慮して規制している。 中立状態で各変位軸8A、8Bを構成する支持軸部
14の中心軸と枢支軸部15の中心軸とを結ぶ線が上記
各トラニオン7A1 、7A2 、7B1 、7B2 の軸方向
に位置するとした場合に、これら各トラニオン7A1
7A2 、7B1 、7B2 に支持した各パワーローラ9A
1 、9A2 、9B1 、9B2 の、これら各トラニオン7
1 、7A2 、7B1 、7B2 の長さ方向に関する変位
量が大きくならない様にする。 上記各トラニオン7A1 、7A2 、7B1 、7B2
が上記各枢軸6、6を中心として揺動する際のモーメン
トに、各パワーローラ9A、9Bを中立位置に戻す方向
の分力を持たせる。
【0039】この為に本例の場合には、各入力側ディス
ク2A、2Bの内側面2a、2aの回転方向が図面で下
向きとなる、図1の右側、図3の手前側に位置する2組
のトラニオン7A1 、7B1 及びパワーローラ9A1
9B1 に関しては、次の様に規制している。先ず、これ
ら2個のトラニオン7A1 、7B1 の傾斜方向に関して
は、下方に向かう程互いに近づく方向に傾斜させてい
る。又、上記各トラニオン7A1 、7B1 の軸方向の、
上記入力側回転軸11aの中心軸に対し直交する仮想平
面に対する傾斜角度θ(本例の場合には3度)は、互い
に等しくしている。又、上記図1の右側、図3の手前側
に位置する2組のトラニオン7A1 、7B 1 に支持する
変位軸8A、8Bに関しては、何れも、支持軸部14を
下に、枢支軸部15を上に、それぞれ設置している。ト
ロイダル型無段変速機の運転時に上記各入力側ディスク
2A、2Bは図3の矢印α方向に、上記各パワーローラ
9A 1 、9B1 は同じく矢印β1 方向に、前記各出力側
ディスク4A、4Bは同じく矢印γ方向に、それぞれ回
転する。又、構成各部材の弾性変形に基づいて上記各入
力側ディスク2A、2B及び各出力側ディスク4A、4
Bが上記入力側回転軸11aの軸方向に変位する際に
は、上記各変位軸8A、8Bの枢支軸部15が、それぞ
れの支持軸部14を中心として揺動変位する。
【0040】これに対して、上記各入力側ディスク2
A、2Bの内側面2a、2aの回転方向が図面で上向き
となる、図1の左側、図4の奥側に位置する2組のトラ
ニオン7A2 、7B2 及びパワーローラ9A2 、9B2
に関しては、次の様に規制している。先ず、これら2個
のトラニオン7A2 、7B2 の傾斜方向に関しては、上
記図2に示した手前側のトラニオン7A1 、7B1 とは
逆に、上方に向かう程互いに近づく方向に傾斜させてい
る。又、上記各トラニオン7A2 、7B2 の軸方向の、
上記入力側回転軸11aの中心軸に対し直交する仮想平
面に対する傾斜角度θ(本例の場合には3度)は、互い
に等しくしている。又、上記図1の左側、図4の奥側に
位置する2組のトラニオン7A2 、7B2 に支持する変
位軸8A、8Bに関しては、何れも、やはり上記図3に
示した手前側のトラニオン7A1 、7B1 に支持する変
位軸8A、8Bとは逆に、支持軸部14を上に、枢支軸
部15を下に、それぞれ設置している。トロイダル型無
段変速機の運転時に上記各入力側ディスク2A、2Bは
図4の矢印α方向に、上記各パワーローラ9A2 、9B
2 は同じく矢印β2 方向に、前記各出力側ディスク4
A、4Bは同じく矢印γ方向に、それぞれ回転する。
又、構成各部材の弾性変形に基づいて上記各入力側ディ
スク2A、2B及び各出力側ディスク4A、4Bが上記
入力側回転軸11aの軸方向に変位する際には、上記各
変位軸8A、8Bの枢支軸部15が、それぞれの支持軸
部14を中心として揺動変位する。
【0041】更に、本例の場合には、上記入力側回転軸
11aの軸方向に関する、上記各変位軸8A、8Bを構
成する支持軸部14と枢支軸部15との位置関係も規制
している。即ち、本例の場合には、上記各変位軸8A
(8B)に関して、図5に示す様に、枢支軸部15の中
心軸と支持軸部14の中心軸とを結ぶ線が、前記トラニ
オン7A1 、7A2 (7B1 、7B2 )の軸方向と平行
若しくは平行に近くなる様にしている。尚、この様な関
係は、前記中立状態で満たす。そして、この中立状態で
は、上記入力側回転軸11aの軸方向に関して、上記枢
支軸部15が上記支持軸部14よりも、小さな距離△L
だけ、入力側ディスク2A(2B)寄り{図5(A)
(B)の左寄り}に外れた位置に存在する。本例の場
合、上記支持軸部14と上記枢支軸部15との中心軸同
士の距離(偏心量)をHとした場合に、上記距離△Lは
H・sinθとなる。
【0042】そして、この様な距離△L(=H・sin
θ)を、上記入力側回転軸11aの軸方向に関して、前
記各パワーローラ9A1 、9A2 (9B1 、9B2 )の
変位量よりも小さくしている。即ち、上記トロイダル型
無段変速機による動力伝達時に上記各パワーローラ9A
1 、9A2 (9B1 、9B2 )は、駆動押圧装置10に
より押圧される上記入力側ディスク2Aの内側面2aに
押され、構成各部材を弾性変形させつつ変位する。即
ち、上記駆動押圧装置10に隣接した、図3〜4の左側
の各パワーローラ9A1 、9A2 に関しては、これら図
3〜4の右方に、上記駆動押圧装置10と反対側に設け
た、図3〜4の右側の各パワーローラ9B1、9B2
関しては、これら図3〜4の左方に、それぞれ変位す
る。上記トロイダル型無段変速機により伝達するトルク
が大きくなって、上記駆動押圧装置10が発生する推力
が最大となり、上記構成各部材の弾性変形量が最大とな
った状態での、上記各パワーローラ9A1 、9A2 (9
1 、9B2 )の中立位置からの変位量をL(図5)と
すると、上記距離△Lをこの変位量Lよりも十分に小さ
く(△L<L)している。
【0043】上述の様に構成する本例のトロイダル型無
段変速機の場合には、作動時、即ち、動力伝達の為に前
記駆動押圧装置10が大きな推力を発生し、構成各部材
の弾性変形に基づいて前記各パワーローラ9A1 、9A
2 、9B1 、9B2 が上記入力側回転軸11aの軸方向
に変位した場合でも、この入力側回転軸11aの軸方向
と直角な方向に関する、上記各パワーローラ9A1 、9
2 、9B1 、9B2の変位量を小さく抑える事ができ
る。
【0044】即ち、本例のトロイダル型無段変速機の場
合には、上述の様に、各変位軸8A、8Bを構成する支
持軸部14と枢支軸部15との位置関係を規制してい
る。そして、この規制に基づき、上記各パワーローラ9
1 、9A2 、9B1 、9B2が、上記構成各部材の弾
性変形に基づいて上記入力側回転軸11aの軸方向に変
位する場合に、この軸方向と直角方向に関する変位方向
が、途中で変わる。この為、上記各パワーローラ9A
1 、9A2 、9B1 、9B2 の、上記軸方向と直角方向
に関する変位量を小さく抑える事ができる。
【0045】この点に就いて、図5〜7により説明す
る。このうちの図5は、図3、4の左側に位置する変位
軸8Aのオフセット方向(支持軸部14と枢支軸部15
との配列方向)の関係が適切で、前記の条件を満たす
場合を、図7はオフセット方向が不適切である為、この
の条件を満たさない場合を、それぞれ示している。
又、破線で示したパワーローラ9A1 、9A2 は、上記
構成各部材が弾性変形せず、中立状態に対応する位置に
存在する状態を、実線で示したパワーローラ9A1、9
2 は、トロイダル型無段変速機により大きなトルクを
伝達するのに伴って弾性変形した上記構成各部材に押さ
れて、上記入力側回転軸11aの軸方向に変位した位置
に存在する状態を、それぞれ示している。
【0046】先ず、図5に示した、各パワーローラ9A
1 、9B1 の支持構造が適切である場合に就いて説明す
る。上記構成各部材が弾性変形に基づいて上記パワーロ
ーラ9A1 、9A2 は、支持軸部14を中心に揺動変位
する。この揺動変位の両端部、即ち、上記破線状態と上
記実線状態とで、上記パワーローラ9A1 、9A2 の回
転中心である枢支軸部15の中心軸は、図5の点イと点
ロとの間を往復揺動する。この往復揺動の途中で上記枢
支軸部15の中心軸は、上記支持軸部14の中心軸を含
み、前記入力側回転軸11aに直交する仮想平面を通過
する。そして、この通過の前後で、前述の様に、この入
力側回転軸11aの軸方向と直角方向に関する、上記パ
ワーローラ9A1 、9A2 の変位方向が変わる。
【0047】即ち、上記枢支軸部15の中心軸が、中立
状態を示す上記点イから上記支持軸部14の中心軸を含
む仮想平面上の点に向けて移動する際には、上記パワー
ローラ9A1 が図5(A)の上方に、同じくパワーロー
ラ9A2 が図5(B)の下方に、それぞれ変位する。こ
れに対して、上記枢支軸部15の中心軸が、上記支持軸
部14の中心軸を含む仮想平面上の点から大トルク伝達
時の状態を示す点ロに向けて移動する際には、上記パワ
ーローラ9A1 は図5(A)の下方に、パワーローラ9
2 は図5(B)の上方に、それぞれ変位する。この様
に、上記各パワーローラ9A1 、9A2 の変位方向が途
中で変わる為、上記大トルク伝達時の弾性変形に基づく
入力側回転軸11aの軸方向に関する、各パワーローラ
9A1 、9A2 の上記軸方向と直角な方向の変位量を小
さく抑える事ができる。尚、図3、4の右側に位置する
各パワーローラ9B1 、9B2 に関しても、上述した各
パワーローラ9A1 、9A2 と同様に、入力側回転軸1
1aの軸方向と直角な方向の変位量を小さく抑える事が
できる。
【0048】図6は、上記各パワーローラ9A、9Bが
上記直角な方向に変位する量を試算した結果を示してい
る。試算の前提として、各トラニオン7A(7A1 、7
2)、7B(7B1 、7B2 )の軸方向の、上記入力
側回転軸11aの中心軸に対し直交する仮想平面に対す
る傾斜角度θを3度とした。又、各変位軸8A、8Bの
オフセット量(支持軸部14と枢支軸部15との中心軸
同士の距離)を11mmとした。又、中立状態と大トルク
付与状態との間で、上記各パワーローラ9A、9Bが上
記入力側回転軸11aの軸方向に関して2mm移動するも
のとした。この様な条件で行なった試算の結果を示す図
6で、横軸は上記各パワーローラ9A、9Bの上記入力
側回転軸11aに対する軸方向変位量を表している。こ
れに対して図6の縦軸は、上記各パワーローラ9A、9
Bが上記入力側回転軸11aの軸方向と直角な方向に関
して変位する量(直角方向変位量)を表している。この
様な図6から明らかな通り、本発明によれば、上記各パ
ワーローラ9A、9Bの上記軸方向と直角な方向への変
位量を小さく抑える事ができる。この為、トルク変動に
伴う変速比の変動を極く小さく抑えられるトロイダル型
無段変速機を実現できる。
【0049】これに対して、図7に示す様に、上記各変
位軸8A(8B)のオフセット方向を、本発明の場合と
は逆にすると、上記各パワーローラ9A(9B)が上記
直角な方向に変位する量が大きくなる。即ち、この図7
に示した状態では、枢支軸部15が点ハと点ニとの間で
変位する。この変位に基づく、上記入力側回転軸11a
の中心軸に対し直角方向の変位量は、上記2点ハ、ニを
結ぶ線と上記入力側回転軸11aの中心軸とのなす角度
が比較的大きくなる事、並びに上記直角方向に関する変
位方向が途中で変わらない事から明らかな通り、図5に
比べて遥かに大きくなる。この為、図7の配置では、ト
ルク変動に伴う変速比の変動が大きくなり、運転者に違
和感を与える可能性が生じる。
【0050】更に、本例のトロイダル型無段変速機の場
合には、前記各トラニオン7A1 、7A2 、7B1 、7
2 がそれぞれの両端部に設けた枢軸6、6を中心とし
て揺動する際のモーメント、即ち、上記各パワーローラ
9A1 、9A2 、9B1 、9B2 を傾斜させようとする
力に、上記各パワーローラ9A1 、9A2 、9B1 、9
2 を中立位置に戻す方向の分力を持たせている。この
点に就いて、図8により説明する。この図8のうち
(A)は、トラニオン7の傾斜方向が適切で、前記の
条件を満たす場合を、(B)はトラニオン7の傾斜方向
が逆である為、このの条件を満たさない場合を、それ
ぞれ示している。又、破線で示したパワーローラ9は、
中立位置に存在し、上記トラニオン7に傾斜方向の力を
付与しない状態を、実線で示したパワーローラ9は、ト
ラニオン7の軸方向に変位した位置に存在し、上記トラ
ニオン7を傾斜させる方向のモーメントを発生させる状
態を、それぞれ示している。
【0051】図8(A)に実線で示した状態にあるパワ
ーローラ9に就いて説明すると、このパワーローラ9の
周面と入力側、出力側各ディスクの内側面との転がり接
触部に作用する接線方向の力に基づいて上記パワーロー
ラ9に、矢印イで示す方向のモーメントが、このパワー
ローラ9及びこのパワーローラ9を支持したトラニオン
7を傾斜させる方向の力として加わる。一方、このトラ
ニオン7の中心軸は角度θ分傾斜しているので、上記モ
ーメントには、入力側回転軸11aの中心軸に対し直角
方向の分力が存在する。そして、図8(A)に示した、
上記の条件を満たす場合には、この分力が上記パワー
ローラ9を、図8(A)に破線で示した中立位置に戻す
方向に加わる。
【0052】この為、構成各部材の弾性変形に基づき、
各変位軸8がそれぞれの支持軸部14を中心に揺動変位
し、上記パワーローラ9が上記トラニオン7の両端部に
設けた枢軸6、6を中心に揺動変位する傾向になって
も、上記分力によりこの揺動変位を収束させる力が加わ
る。又、給油配管部分の流路抵抗やシールリングの摩擦
抵抗の如く、各アクチュエータ19、19(図1、3、
4参照)に関する抵抗が、或は枢軸6、6を支持してい
る部分の軸受の抵抗の相違やこの枢軸6、6を含む上記
各トラニオン7、7のアンバランスの如き、上記各トラ
ニオン7、7の支持部分に関する抵抗等、上記各パワー
ローラ9の位置がずれる原因となる抵抗が存在しても、
これら各パワーローラ9の傾斜角度に、実用上問題とな
る程の差が生じない様にする事が可能になる。この場合
でも、上記各アクチュエータ19、19により上記分力
に見合う以上の力を加え、上記トラニオン7を上記枢軸
6、6の軸方向に対し直角に変位させれば、上記パワー
ローラ9を傾斜させる事は、何ら問題なく行なえる。
【0053】これに対して、図8(B)に示した、上記
の条件を満たさない場合には、上記各パワーローラ9
及びトラニオン7を傾斜させようとする、図8(B)に
矢印ロで示すモーメントのうちで上記入力側回転軸11
aの中心軸に対し直角方向の分力が、上記各パワーロー
ラ9を、図8(B)に破線で示した中立位置から更に遠
ざける方向に加わる。この為、上記各パワーローラ9に
本来の意図とは別に付与される傾斜角度が大きくなるだ
けでなく、これら各パワーローラ9毎の傾斜角度に、実
用上問題となる程の差が生じ易くなる。
【0054】尚、以上の説明から明らかな様に、伝達ト
ルクの変動に伴う構成各部材の弾性変形量の変化に基づ
き、各パワーローラが各ディスクの中心軸の方向に対し
て直角方向に変位するのを抑える為には、必ずしも各ト
ラニオンをこの直角方向に対し傾斜させる必要はない。
これら各トラニオンをこの直角方向に配置したまま、各
変位軸を構成する支持軸部と枢支軸部とを、請求項1〜
2に記載した様に配置、言い換えればこれら両軸部の中
心軸同士を結ぶ線を上記直角方向に対し傾斜させるのみ
で良い。この場合には、上記各トラニオンの両端部を支
持する各支持板を、前述の図12に示す様に、ケーシン
グ内に変位自在に支持する構造を採用する事もできる。
但し、上記両軸部の中心軸同士を結ぶ線を上記直角方向
に対し傾斜させると共に、上記各トラニオンも同方向に
傾斜させれば、上記各パワーローラに加わるスラスト荷
重を支承する為に、上記各トラニオンの幅寸法を特に大
きくする必要がなくて済む為、好ましい。尚、上記各ト
ラニオンを上記直角方向に対し傾斜させる場合には、上
記各支持板をケーシング内に固定する構造を採用する。
【0055】又、図示の例の場合、前記各支持板13
a、13bをケーシング5a内に固定しているので、前
記各枢軸6、6を傾斜させても、上記各トラニオン7A
1 、7A2 、7B1 、7B2 の変位を円滑に行なわせる
事ができる。前述の図12に示した様に、変位自在な支
持板13、13によりそれぞれが異なる方向に傾斜した
複数のトラニオンを支持する事は、これら各トラニオン
の円滑な変位を保証できず、従来の支持構造のままでは
実現は難しい。又、図示の例の様に、上記各トラニオン
7A1 、7A2 、7B1 、7B2 の中心軸を傾斜させる
構造の場合には、これら各トラニオン7A1 、7A2
7B1 、7B2 の傾斜角度を前記各アクチュエータ1
9、19への圧油の給排を制御する為の制御弁にフィー
ドバックする機構に、一般的に使用されているプリセス
カムは使用しない。上記各トラニオン7A1 、7A2
7B1 、7B2 を傾斜させた場合には、これら各トラニ
オン7A1 、7A2 、7B1 、7B2 の軸方向の変位量
は検出せず、その傾斜角度のみを上記制御弁にフィード
バックする。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、トルク変動時に生じる意図しない変速比変
化を抑えて、運転者に違和感を与えないトロイダル型無
段変速機の実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図2のA−
A断面に相当する図。
【図2】一部を省略して示す、図1のB−B断面図。
【図3】図1の右側のトラニオンの配置状態を示す、図
1の略C矢視図。
【図4】図1の左側のトラニオンの配置状態を示す、図
1の略C矢視図。
【図5】トラニオンの傾斜方向及び傾斜角度が適切であ
る場合に於ける、各変位軸の支持軸部と枢支軸部との偏
心方向の規制に基づく作用を説明する為、図3〜4の左
側の各パワーローラを図3〜4と同方向から見た状態で
示す模式図。
【図6】トラニオンを適正に傾斜させた場合に、第一、
第二のトラニオンの長さ方向に関する各パワーローラの
変位量の差が小さくなる事を説明する為の線図。
【図7】トラニオンの傾斜方向及び傾斜角度が不適切で
ある場合に於ける、各変位軸の支持軸部と枢支軸部との
偏心方向の規制に基づく作用を説明する為、図3〜4の
左側の各パワーローラを図3〜4と同方向から見た状態
で示す模式図。
【図8】トラニオンが揺動する際のモーメントの方向を
規制する事に基づく作用を説明する為の模式図。
【図9】トロイダル型無段変速機の基本構成を、最大減
速時の状態で示す略側面図。
【図10】同じく最大増速時の状態で示す略側面図。
【図11】従来から知られている具体的構造の1例を示
す要部断面図。
【図12】図11のD−D断面図。
【図13】従来から知られているダブルキャビティ型の
トロイダル型無段変速機の1例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2、2A、2B 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4、4A、4B 出力側ディスク 4a 内側面 5、5a ケーシング 6 枢軸 7、7A、7B、7A1 、7A2 、7B1 、7B2
ラニオン 8、8A、8B 変位軸 9、9A、9B、9A1 、9A2 、9B1 、9B2
ワーローラ 9a 周面 10 駆動押圧装置 11、11a 入力側回転軸 12、12a、12b 出力歯車 13、13a、13b 支持板 14 支持軸部 15 枢支軸部 16 スラスト玉軸受 17 スラストニードル軸受 18 外輪 19 アクチュエータ 20 駆動軸 21 中間壁 22 スリーブ 23 転がり軸受 24 ボールスプライン 25 ローディングナット 26 皿ばね 27a、27b 支持ポスト 28 歯車 29 伝達軸 30 支持孔 31 ラジアルニードル軸受 32 ボールスプライン 33a、33b キャビティ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、このケーシングの内側に
    回転及び軸方向の変位自在に支持された第一ディスク
    と、この第一ディスクの内側面にその内側面を対向させ
    た状態でこの第一ディスクと同心に、この第一ディスク
    とは独立した回転を可能に且つ軸方向の変位を阻止され
    た状態で支持された第二ディスクと、上記第一ディスク
    をこの第二ディスクに向け押圧しつつこの第一ディスク
    を回転させる駆動押圧装置と、これら第一、第二両ディ
    スクの軸方向に関して、これら両ディスクの間部分に配
    置され、これら両ディスクの中心軸に対し捻れの位置に
    あり、1対の支持板に揺動及び軸方向の変位自在に支持
    された枢軸をそれぞれの両端部に設けた、複数個のトラ
    ニオンと、これら各トラニオンをこれら各枢軸の軸方向
    に変位させる複数個のアクチュエータと、互いに偏心し
    た支持軸部及び枢支軸部から成り、このうちの支持軸部
    を上記各トラニオンに回転自在に支持し、枢支軸部をこ
    れら各トラニオンの内側面から突出させた、複数本の変
    位軸と、これら各変位軸の枢支軸部の周囲に回転自在に
    支持された状態で、上記両ディスクの内側面同士の間に
    挟持された、複数個のパワーローラとを備えた、ハーフ
    トロイダル型のトロイダル型無段変速機に於いて、この
    トロイダル型無段変速機による動力伝達を行なわない状
    態で、上記各ディスクの軸方向に関して、上記各変位軸
    を構成する枢支軸部の中心軸を支持軸部の中心軸よりも
    上記第一ディスク寄りに外れた位置に設けた事を特徴と
    するトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 ケーシングと、このケーシングの内側に
    回転及び軸方向の変位自在に支持された回転軸と、この
    回転軸の中間部周囲に、軸方向の移動を阻止された状態
    でこの回転軸に対する相対回転を自在に、且つそれぞれ
    の内側面を互いに反対側に向けた状態で設けられた第
    一、第二両内側ディスクと、このうちの第一内側ディス
    クの内側面にその内側面を対向させた状態で上記回転軸
    の一端部に、この回転軸の軸方向の変位のみ自在に支持
    され、この回転軸と共に回転する第一外側ディスクと、
    上記第二内側ディスクの内側面にその内側面を対向させ
    た状態で上記回転軸の他端部に、この回転軸の軸方向に
    関する変位を制限された状態で支持され、この回転軸と
    共に回転する第二外側ディスクと、上記第一外側ディス
    クを上記第二外側ディスクに向け押圧しつつこれら第
    一、第二両外側ディスク及び上記回転軸を回転させる駆
    動押圧装置と、上記回転軸の軸方向に関して第一外側デ
    ィスクと上記第一内側ディスクとの間部分に配置され、
    上記回転軸に対し捻れの位置にあり、1対の支持板に揺
    動及び軸方向の変位自在に支持された第一枢軸を中心と
    して揺動する、複数個の第一トラニオンと、これら各第
    一トラニオンをこれら各枢軸の軸方向に変位させる複数
    個の第一アクチュエータと、互いに偏心した第一支持軸
    部及び第一枢支軸部から成り、このうちの第一支持軸部
    を上記各第一トラニオンに回転自在に支持し、第一枢支
    軸部を上記各第一トラニオンの内側面から突出させた、
    複数本の第一変位軸と、上記第一枢支軸部の周囲に回転
    自在に支持された状態で、上記第一外側ディスクの内側
    面と上記第一内側ディスクの内側面との間に挟持され
    た、複数個の第一パワーローラと、上記回転軸の軸方向
    に関して第二外側ディスクと上記第二内側ディスクとの
    間部分に配置され、上記回転軸に対し捻れの位置にあ
    り、上記ケーシングの内側に固定された1対の支持板に
    揺動及び軸方向の変位自在に支持された第二枢軸を中心
    として揺動する、複数個の第二トラニオンと、これら各
    第二トラニオンをこれら各枢軸の軸方向に変位させる複
    数個の第二アクチュエータと、互いに偏心した第二支持
    軸部及び第二枢支軸部から成り、このうちの第二支持軸
    部を上記各第二トラニオンに回転自在に支持し、第二枢
    支軸部を上記各第二トラニオンの内側面から突出させ
    た、複数本の第二変位軸と、上記第二枢支軸部の周囲に
    回転自在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの
    内側面と上記第二内側ディスクの内側面との間に挟持さ
    れた、複数個の第二パワーローラとを備えた、ハーフト
    ロイダル型のトロイダル型無段変速機に於いて、このト
    ロイダル型無段変速機による動力伝達を行なわない状態
    で、上記回転軸の軸方向に関して、上記各第一変位軸を
    構成する第一枢支軸部の中心軸を第一支持軸部の中心軸
    よりも上記第一外側ディスク寄りに外れた位置に設ける
    と共に、上記各第二変位軸を構成する第二枢支軸部の中
    心軸を第二支持軸部の中心軸よりも上記第二外側ディス
    ク寄りに外れた位置に設けた事を特徴とするトロイダル
    型無段変速機。
  3. 【請求項3】 各支持板をケーシングの内側に固定する
    と共に、各トラニオンを、各ディスクの中心軸に対し直
    角方向に存在する仮想平面に対し傾斜させた、請求項1
    〜2の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
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JP2006017144A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

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