JP2003042252A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2003042252A
JP2003042252A JP2001226292A JP2001226292A JP2003042252A JP 2003042252 A JP2003042252 A JP 2003042252A JP 2001226292 A JP2001226292 A JP 2001226292A JP 2001226292 A JP2001226292 A JP 2001226292A JP 2003042252 A JP2003042252 A JP 2003042252A
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shaft
displacement
rotary shaft
shaft portion
axial direction
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Shinji Miyata
慎司 宮田
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転伝達軸23の両端部に支持した1対の入
力側ディスク2A、2Bのうち、一方の入力側ディスク
2Bの軸方向の変位を阻止した構造で、第一、第二両キ
ャビティ42、46部分の変速比を一致させる。 【解決手段】 これら両キャビティ42、46部分に設
置する各トラニオン7A 1 、7B1 を、上記回転伝達軸
23の中心軸に直交する仮想平面に対し、互いに逆方向
に傾斜させる。この傾斜方向と、各パワーローラ9A
1 、9B1 を支持する変位軸8A、8Bの配設方向とを
適切に規制する事により、上記回転伝達軸23の中心軸
に対し直角方向に関する、上記各パワーローラ9A1
9B1 の変位量の差を小さく抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るトロイダル型無段
変速機は、自動車用自動変速装置を構成する変速ユニッ
トとして、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調
節する為の変速機として利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機を構成する変速ユニット
の一種として、図8〜9に略示する様なトロイダル型無
段変速機が知られている。このトロイダル型無段変速機
は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されて
いる様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持
し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に
出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変
速機を納めたケーシング5(後述する図11参照)の内
側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捩れの位置
にある枢軸6、6を中心として揺動するトラニオン7、
7を設けている。
【0003】これら各トラニオン7、7は、両端部外側
面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に互いに
同心に、各トラニオン7、7毎に1対ずつ設けている。
これら各枢軸6、6の中心軸は、上記各ディスク2、4
の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、
4の中心軸の方向に対し直角方向若しくはほぼ直角方向
である、捩れの位置に存在する。又、上記各トラニオン
7、7の中心部には変位軸8、8の基半部を支持し、上
記枢軸6、6を中心として各トラニオン7、7を揺動さ
せる事により、上記変位軸8、8の傾斜角度の調節を自
在としている。上記各トラニオン7、7に支持された変
位軸8、8の先半部の周囲には、それぞれパワーローラ
9、9を回転自在に支持している。そして、各パワーロ
ーラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の
内側面2a、4a同士の間に挟持している。
【0004】上記入力側、出力側両ディスク2、4の互
いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い
曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなして
いる。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当
接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2と
の間には、ローディングカム装置等の駆動押圧装置10
を設け、この駆動押圧装置10によって上記入力側ディ
スク2を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつ
つ、回転駆動自在としている。
【0005】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴って上記駆動押圧装
置10が上記入力側ディスク2を、上記複数のパワーロ
ーラ9、9に押圧しつつ回転させる。そして、この入力
側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9
を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディ
スク4に固定の出力軸3が回転する。入力軸1と出力軸
3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸
3との間で減速を行なう場合には、枢軸6、6を中心と
して前記各トラニオン7、7を揺動させ、各パワーロー
ラ9、9の周面9a、9aが図8に示す様に、入力側デ
ィスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク
4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様
に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。反対に、増速を
行なう場合には、上記各トラニオン7、7を揺動させ、
各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図9に示す様
に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出
力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それ
ぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。
これら各変位軸8、8の傾斜角度を図8と図9との中間
にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比
を得られる。
【0006】更に、図10〜11は、実願昭63−69
293号(実開平1−173552号)のマイクロフィ
ルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段
変速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とは円管状の入力側回転軸11の周囲に、それぞれ
回転自在に支持している。又、この入力側回転軸11の
端部と上記入力側ディスク2との間に、ローディングカ
ム装置等の駆動押圧装置10を設けている。一方、上記
出力側ディスク4には、出力歯車12を結合し、これら
出力側ディスク4と出力歯車12とが同期して回転する
様にしている。
【0007】1対のトラニオン7、7の両端部に互いに
同心に設けた枢軸6、6は1対の支持板13、13に、
揺動並びに軸方向(図10の表裏方向、図11の左右方
向)の変位自在に支持している。そして、上記各トラニ
オン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部を支持し
ている。これら各変位軸8、8は、基半部を構成する支
持軸部14と、先半部を構成する枢支軸部15とを互い
に偏心させている。そして、このうちの支持軸部14を
上記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支持し、
枢支軸部15の周囲にパワーローラ9、9を回転自在に
支持している。
【0008】又、上記各パワーローラ9、9の外側面と
上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、こ
れら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラ
スト玉軸受16、16とスラストニードル軸受17、1
7とを設けている。このうちのスラスト玉軸受16、1
6は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向
の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回
転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受17、
17は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト
玉軸受16、16を構成する外輪18、18に加わるス
ラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の枢支軸
部15、15及び上記外輪18、18が、これら各変位
軸8、8の支持軸部14、14を中心として揺動する事
を許容する。更に、上記各トラニオン7、7は、油圧式
のアクチュエータ19、19により、前記各枢軸6、6
の軸方向に変位させる様にしている。
【0009】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合、入力側回転軸11の回転は駆動押圧装置1
0を介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、こ
の入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ9、
9を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力
側ディスク4の回転が、出力歯車12より取り出され
る。入力側回転軸11と出力歯車12との間の回転速度
比を変える場合には、上記各アクチュエータ19、19
により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方向
に、例えば、図11の下側のパワーローラ9を同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ9を同図の左側に、そ
れぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ
9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出
力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用す
る、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の
向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板
13、13に枢支された枢軸6、6を中心として、互い
に逆方向に揺動する。この結果、前述の図8〜9に示し
た様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと
上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入
力側回転軸11と出力歯車12との間の回転速度比が変
化する。
【0010】トロイダル型無段変速機による動力伝達時
には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワーロ
ーラ9、9が上記入力側回転軸11の軸方向に変位す
る。そして、これら各パワーローラ9、9を支持した前
記各変位軸8、8が、それぞれの支持軸部14を中心と
して僅かに回動する。この回動の結果、上記各スラスト
玉軸受16、16の外輪18、18の外側面と上記各ト
ラニオン7、7の内側面とが相対変位する。これら外側
面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受1
7、17が存在する為、この相対変位に要する力は小さ
い。
【0011】又、トロイダル型無段変速機により伝達可
能な動力を大きくすべく、パワーローラ9、9の数を増
やす構造として、図12に示す様に、入力側回転軸11
aの周囲に入力側ディスク2A、2Bと出力側ディスク
4、4とを2個ずつ設け、これら2個ずつの入力側ディ
スク2A、2Bと出力側ディスク4、4とを動力の伝達
方向に関して互いに並列に配置する、所謂ダブルキャビ
ティ型の構造も、従来から知られている。この図12に
示した構造は、上記入力側回転軸11aの中間部周囲に
出力歯車12aを、この入力側回転軸11aに対する回
転を自在として支持し、この出力歯車12aの中心部に
設けた円筒部の両端部に上記各出力側ディスク4、4
を、スプライン係合させている。又、上記各入力側ディ
スク2A、2Bは、上記入力側回転軸11aの両端部
に、この入力側回転軸11aと共に回転自在に支持して
いる。この入力側回転軸11aは、駆動軸20により、
駆動押圧装置10を介して回転駆動する。この様なダブ
ルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の場合には、
入力側回転軸11aから出力歯車12aへの動力の伝達
を、一方の入力側ディスク2Aと出力側ディスク4との
間と、他方の入力側ディスク2Bと出力側ディスク4と
の間との、2系統に分けて行なうので、大きな動力の伝
達を行なえる。
【0012】但し、図12に示した構造の場合、ケーシ
ングの内部に上記出力歯車12aを支持するのに、この
ケーシングの内部に中間壁21を設けている為、上記ケ
ーシングの構造が複雑になり、コストが嵩む原因とな
る。特に、上記出力歯車12aには、低騒音化の為には
すば歯車を使用する。これに伴って、この出力歯車12
aをその中間部外周面に固設し、両端部に上記両出力側
ディスク4、4をスプライン係合させたスリーブ22
に、上記出力歯車12aと相手歯車との噛合に基づい
て、ラジアル荷重及びスラスト荷重が加わる。従って、
上記中間壁21には、これら両荷重を支承できるだけの
剛性を持たせる必要がある。この為、上記中間壁21の
厚さを大きくする必要が生じ、その分、上記スリーブ2
2及び入力側回転軸11aの長さが長くなり、トロイダ
ル型無段変速機が大型化し、重量も嵩むと言った問題を
生じる。
【0013】この様な事情に鑑みて、中間壁を省略し、
トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図る構造とし
て、特開平11−51137号公報には、図13に示す
様な構造が記載されている。この従来から知られている
ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の第2例
の場合は、請求項に記載した回転軸に相当する回転伝達
軸23の一端(図13の左端)側に入力軸24を、この
回転伝達軸23と同心に配置している。そして、入力軸
24をケーシング5aの片側(図13の左側)に設けた
第一支持壁25に形成した貫通孔26の内側に、ラジア
ルニードル軸受等の軸受27により、回転自在に支持し
ている。そして、上記入力軸24の先端部(図13の右
端部)に形成した小径突部28を上記回転伝達軸23の
一端部内側に挿入し、この小径突部28の周囲にこの回
転伝達軸23の一端部を、滑り軸受、ニードル軸受等の
軸受29により回転自在に支持している。
【0014】一方、上記回転伝達軸23の他端部(図1
3の右端部)は、上記ケーシング5aに設けた第二支持
壁30に、ボルト・ナット等により固設した軸受箱31
の内側に、深溝型玉軸受等の、ラジアル荷重及びスラス
ト荷重を支承する軸受32により、回転自在に支持して
いる。この軸受32は、上記第二支持壁30に固定した
軸受箱31の内周面と、上記回転伝達軸23の他端部
で、この回転伝達軸23の中間部他端寄り部分に螺合固
定したローディングナット33よりも突出した部分の外
周面との間に設けている。
【0015】又、上記回転伝達軸23の中間部周囲には
円管状のスリーブ22aを、軸方向の変位及び上記回転
伝達軸23に対する相対回転自在に支持している。そし
て、第一内側ディスクである出力側ディスク4Aを上記
スリーブ22aの一端部(図13の左端部)に、第二内
側ディスクである出力側ディスク4Bを上記スリーブ2
2aの他端部(図13の右端部)に、それぞれの内側面
4a、4aを互いに反対側に向けた状態で、それぞれ焼
嵌め、スプライン係合等により外嵌している。従って、
これら両出力側ディスク4A、4Bと上記スリーブ22
aとは、互いに同期して回転する。尚、上記両出力側デ
ィスク4A、4Bの一部で上記スリーブ22aの両端縁
から突出した部分の内径側には、ラジアルニードル軸受
50、50等、ラジアル荷重のみを支承する(スラスト
荷重を支承しない)ラジアル軸受を設けて、上記回転伝
達軸23に対する上記スリーブ22a及び出力側ディス
ク4A、4Bの回転及び軸方向の変位を自在としてい
る。又、上記スリーブ22aの中間部外周面には、トロ
イダル型無段変速機の出力を取り出す為の出力歯車12
bを固設している。
【0016】又、上記回転伝達軸23の一端部外周面に
は、第一外側ディスクである入力側ディスク2Aを、ボ
ールスプライン34を介して係合させている。従ってこ
の入力側ディスク2Aは、上記回転伝達軸23に対し
て、この回転伝達軸23の軸方向の変位のみ自在に支持
され、この回転伝達軸23と共に回転する。又、上記入
力側ディスク2Aの内側面2aは、上記出力側ディスク
4Aの内側面4aに対向させている。一方、上記回転伝
達軸23の他端部外周面には、第二外側ディスクである
入力側ディスク2Bを固定している。即ち、この入力側
ディスク2Bの内周面と上記回転伝達軸23の他端部外
周面とをスプライン係合させ、更に前記ローディングナ
ット33により、上記入力側ディスク2Bの外側面を抑
え付けている。又、この入力側ディスク2Bの内側面2
aは、上記出力側ディスク4Bの内側面4aに対向させ
ている。
【0017】一方、回転伝達軸23の一端部と上記入力
側ディスク2Aとの間には、この入力側ディスク2Aを
上記入力側ディスク2Bに向け押圧しつつこれら入力側
ディスク2A、2B及び回転伝達軸23を回転させる、
ローディングカム装置等の駆動押圧装置10を設けてい
る。又、この回転伝達軸23の一端部に形成した外向フ
ランジ状の鍔部35の片面(図13の右側面)と上記駆
動押圧装置10を構成するカム板36の片面(図13の
左側面)内径寄り部分との間には、スラスト玉軸受等の
スラスト軸受37と、皿ばね等の弾性部材38とを設け
て、上記回転伝達軸23に対する上記カム板36の相対
回転を自在にすると共に、上記駆動押圧装置10を構成
する各ローラ39、39及び後述するパワーローラ9
A、9Bへの予圧付与を行なっている。又、前記入力軸
24の先端部外周に設けた腕片40、40の先端部と、
上記カム板36の片面中間部に形成した突片41、41
とを係合させる事により、上記入力軸24の回転を上記
カム板36に伝達自在としている。
【0018】更に、上記回転伝達軸23の軸方向に関し
て入力側ディスク2Aと前記出力側ディスク4Aとの間
部分である、第一キャビティ42には、それぞれが第一
トラニオンである複数個(図示の例では2個)のトラニ
オン7A、7Aを配置している。これら各トラニオン7
A、7Aは、それぞれが第一枢軸である、上記回転伝達
軸23に対し捻れの位置にある枢軸6、6(図8、9、
11参照、図13には省略)を中心として揺動すると共
に、アクチュエータ19、19(図11参照)への圧油
の給排に伴い、これら各枢軸6、6の軸方向に変位可能
である。これら各トラニオン7A、7Aの中間部には、
それぞれが第一変位軸である変位軸8A、8Aを、揺動
変位自在に支持している。これら各変位軸8A、8Aは
それぞれ、互いに偏心した第一支持軸部である支持軸部
14(図11参照)と、第一枢支軸部である枢支軸部1
5とから成る。この様な上記各変位軸8A、8Aは、そ
れぞれの支持軸部14を上記各トラニオン7A、7Aの
中間部内側に形成した円孔43(図11参照)の内側
に、ラジアルニードル軸受44(図11参照)により回
転自在に支持し、枢支軸部15を上記各トラニオン7
A、7Aの内側面から突出させている。又、上記各変位
軸8A、8Aの枢支軸部15の周囲には、それぞれが第
一パワーローラであるパワーローラ9A、9Aを、別の
ラジアルニードル軸受45により、回転自在に支持して
いる。そして、これら各パワーローラ9A、9Aを、前
記入力側ディスク2Aの内側面2aと前記出力側ディス
ク4Aの内側面4aとの間に挟持している。尚、上記各
パワーローラ9A、9Aと上記各トラニオン7A、7A
の中間部内側面との間には、それぞれスラスト玉軸受1
6とスラストニードル軸受17(図11参照)とを設け
ている。
【0019】更に、上記回転伝達軸23の軸方向に関し
て前記入力側ディスク2Bと出力側ディスク4Bとの間
部分である、第二キャビティ46には、それぞれが第二
トラニオンである複数個のトラニオン7B、7Bと、互
いに偏心した第二支持軸部及び第二枢支軸部に相当する
支持軸部14(図11参照)及び枢支軸部15から成
る、第二変位軸に相当する複数本の変位軸8B、8B
と、それぞれが第二パワーローラに相当する複数個のパ
ワーローラ9B、9Bと、スラスト玉軸受16と、スラ
ストニードル軸受17(図11参照)とを設けている。
これら各部材の配置状態は、上述した第一キャビティ4
2部分と同様である。
【0020】上述した様に構成するダブルキャビティ型
のトロイダル型無段変速機の運転時には、前記入力軸2
4の回転が前記駆動押圧装置10を介して前記入力側デ
ィスク2Aに伝わり、前記回転伝達軸23の両端部に支
持した1対の入力側ディスク2A、2Bが、互いに同期
して回転する。同時に、上記駆動押圧装置10の働きに
より、上記入力側ディスク2Aが別の入力側ディスク2
Bに向け押圧され、各ディスク2A、2B、4A、4B
の内側面2a、4aと上記各パワーローラ9A、9Bの
周面9a、9aとの当接圧が高まる。上記各入力側ディ
スク2A、2Bの回転は、上記各パワーローラ9A、9
Bを介して前記各出力側ディスク4A、4Bに伝達さ
れ、これら両出力側ディスク4A、4B及び前記スリー
ブ22aを回転させる。このスリーブ22aの回転は、
前記出力歯車12bにより取り出す。上記入力軸24と
この出力歯車12bとの間での変速比を変える場合に
は、前述の図11に示した従来構造の場合と同様に前記
各トラニオン7A、7Bを、これら各トラニオン7A、
7Bを枢支した枢軸6、6の軸方向に変位させる。
【0021】トロイダル型無段変速機の運転時には、上
記駆動押圧装置10が発生する大きなスラスト荷重に基
づき、上記各ディスク2A、2B、4A、4B、回転伝
達軸23等が弾性変形する。そして、この弾性変形に基
づき、上記回転伝達軸23の軸方向に関する上記各ディ
スク2A、2B、4A、4Bの位置がずれる。一方、支
持板13、13及び支持ポスト47、47(図11参
照)によりケーシング5aに支持されたトラニオン7
A、7Bの位置が、上記回転伝達軸23の軸方向に関し
てずれる事はない。そこで、この様な場合には、前記各
変位軸8A、8Bがそれぞれの支持軸部14、14を中
心に揺動し、それぞれの枢支軸部15、15の周囲に支
持した上記各パワーローラ9A、9Bを、上記回転伝達
軸23の軸方向に変位させる。
【0022】より具体的には、第一、第二両キャビティ
42、46を構成する各入力側ディスク2A、2Bを支
持した上記回転伝達軸23の一端が、上記駆動押圧装置
10の押圧力に基づいて引かれ、図13の左方に変位す
る。又、上記各ディスク2A、2B、4A、4B及び各
パワーローラ9A、9Bも弾性変形する。そして、上記
各ディスク2A、2B、4A、4Bが、それぞれの軸方
向に変位する結果、上記各変位軸8A、8Bが揺動し
て、上記両キャビティ42、46内に設置した上記各パ
ワーローラ9A、9Bが、上記回転伝達軸23に対し軸
方向に変位する。この変位の結果、上記各ディスク2
A、2B、4A、4Bの位置がずれても、上記各パワー
ローラ9A、9Bの周面9a、9aと上記各ディスク2
A、2B、4A、4Bの内側面2a、4aとの当接圧
を、各当接部で均一にできる。
【0023】上述の様に構成し作用する従来から知られ
ているダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の
第2例の場合には、第二外側ディスクである入力側ディ
スク2Bを、上記回転伝達軸23を介して前記ケーシン
グ5aを構成する第二支持壁30に対し回転自在に支持
する為、面倒な中間壁が不要になり、上記ケーシング5
aの製作の手間を軽減して、低コスト化を図れる。又、
第一、第二両内側ディスクである出力側ディスク4A、
4B同士の間隔を短くして、トロイダル型無段変速機の
小型・軽量化を図れる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上述した図13に示す
様な、入力側ディスク2B等の一方の外側ディスクをケ
ーシング5aに対し、回転自在ではあるが軸方向の変位
を阻止した状態で支持している構造の場合、第一キャビ
ティ42部分の変速比と第二キャビティ46部分の変速
比とのずれが大きくなり易い。この理由は、構成各部の
弾性変形に基づき、各パワーローラ9A、9Bが回転伝
達軸23の軸方向(図13の左右方向)に関して変位す
る量が、第一キャビティ42部分のパワーローラ9A、
9Aと第二キャビティ46部分のパワーローラ9B、9
Bとで異なり、その結果、各トラニオン7A、7Bの長
さ方向(図13の表裏方向)に関するパワーローラ9
A、9Bの変位量に差が生じる為である。
【0025】即ち、前述した通り、トロイダル型無段変
速機の運転時に上記構成各部材は、駆動押圧装置10が
発生する大きなスラスト荷重により弾性変形し、この結
果、上記回転伝達軸23の軸方向に関する上記各パワー
ローラ9A、9Bの位置が変化する。但し、この位置の
変化量は、上記駆動押圧装置10を設けた、上記回転伝
達軸23の一端部側と、軸受32により第二支持壁30
に、軸方向の変位を阻止された状態で支持された他端部
側とで異なった値となる。具体的には、他端部寄りの上
記第二キャビティ46部分のパワーローラ9B、9Bの
変位量が比較的小さいのに対して、一端部寄りの第一キ
ャビティ42部分のパワーローラ9A、9Aの変位量が
比較的大きく、上記第二キャビティ46部分のパワーロ
ーラ9B、9Bの変位量の2倍程度になる。
【0026】一方、上記回転伝達軸23の軸方向に関す
る上記各パワーローラ9A、9Bの変位は、前述した通
り、各変位軸8A、8Bを構成する枢支軸部15を、同
じく支持軸部14を中心として揺動させる事により行な
う。従って、上記回転伝達軸23の軸方向に関する上記
各パワーローラ9A、9Bの変位は、この軸方向に関す
る直線運動ではなく、上記支持軸部14を中心とする円
弧運動として行なわれる。この為上記各パワーローラ9
A、9Bは、上記回転伝達軸23の軸方向に変位すると
同時に、この軸方向に対し直角方向、即ち、前記各トラ
ニオン7A、7Bの長さ方向にも変化する。前述の説明
から明らかな通り、これら各トラニオン7A、7Bの長
さ方向の変化は、これら各トラニオン7A、7Bをそれ
ぞれの両端部に設けた枢軸6、6を中心として揺動させ
る動きを惹起させる。そして、上記変位量の相違に基づ
いて、上記第一キャビティ42部分のパワーローラ9
A、9Aが、上記第二キャビティ46部分のパワーロー
ラ9B、9Bよりも大きく傾斜してしまう。この結果、
上記第一キャビティ42部分と上記第二キャビティ46
部分とで変速比に差が生じ、これら第一キャビティ42
部分と上記第二キャビティ46部分とに存在する摩擦伝
達部(トラクション部)の全部又は一部で、(不可避な
スピン以外の)著しい摩擦が生じる。この結果、摩擦伝
達部を構成する各面2a、4a、9aの耐久性が損なわ
れる原因となる。
【0027】この様な不都合は、図13に示した特開平
11−51137号に記載された構造に限らず、1本の
回転軸の周囲に入力側ディスクと出力側ディスクとを2
個ずつ設けたダブルキャビティ側の無段変速機で、上記
回転軸の両端部に設けた1対の外側ディスクのうちの何
れか一方の外側ディスクを軸方向の変位を抑えた状態で
支持した構造の場合には生じる。例えば、特開2000
−220719号公報には、ダブルキャビティ型のトロ
イダル型無段変速機と遊星歯車機構とを組み合わせた無
段変速装置で、一方の外側ディスクを遊星歯車機構を構
成するキャリアに結合固定し、このキャリアを、軸方向
の変位を抑えた状態で回転自在に支持する構造が記載さ
れている。この様な構造の場合にも、上述した様に、各
キャビティ部分で変速比に差が生じ、耐久性確保が難し
くなると言った問題が生じる。
【0028】これに対して、前述の図12に示した、中
間壁21を有する構造の場合には、入力側回転軸11a
の軸方向に関する各パワーローラ9、9の変位量を、各
キャビティ同士の間で互いに等しくできる為、上述の様
な問題は生じない。但し、上記図12に示した構造の場
合、上記中間壁21を設ける事に伴い、小型・軽量化を
図りにくい事は、前述の通りである。本発明は、この様
な事情に鑑みて、小型・軽量化を図り易い構造で、回転
軸の軸方向に関する各パワーローラの変位量が各キャビ
ティ同士の間で大きく異ならない様にし、十分な耐久性
確保を図れる構造を実現すべく発明したものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明のトロイダル型無
段変速機は何れも、例えば前述の図13に示した従来か
ら知られているトロイダル型無段変速機と同様に、ケー
シングと、回転軸と、第一、第二両内側ディスクと、第
一外側ディスクと、第二外側ディスクと、駆動押圧装置
と、複数個の第一トラニオンと、複数本の第一変位軸
と、複数個の第一パワーローラと、複数個の第二トラニ
オンと、複数本の第二変位軸と、複数個の第二パワーロ
ーラとを備える。上記回転軸は、上記ケーシングの内側
に回転自在に支持されている。又、上記第一、第二両内
側ディスクは、上記回転軸の中間部周囲に、それぞれの
内側面を互いに反対側に向けた状態でこの回転軸に対す
る相対的回転及び軸方向の変位自在に支持されている。
又、上記第一外側ディスクは、上記第一、第二両内側デ
ィスクのうちの第一内側ディスクの内側面にその内側面
を対向させた状態で上記回転軸の一端部に、この回転軸
の軸方向の変位のみ自在に支持され、この回転軸と共に
回転する。又、上記第二外側ディスクは、上記第二内側
ディスクの内側面にその内側面を対向させた状態で上記
回転軸の他端部に、この回転軸の軸方向に関する変位を
阻止した状態で支持され、この回転軸と共に回転する。
又、上記駆動押圧装置は、上記第一外側ディスクを上記
第二外側ディスクに向け押圧しつつこれら第一、第二両
外側ディスク及び上記回転軸を回転させるものである。
又、上記各第一トラニオンは、上記回転軸の軸方向に関
して第一外側ディスクと上記第一内側ディスクとの間部
分に配置され、上記回転軸に対し捻れの位置にある第一
枢軸を中心として揺動する。又、前記各第一変位軸は、
互いに偏心した第一支持軸部及び第一枢支軸部から成
り、このうちの第一支持軸部を上記各第一トラニオンに
回転自在に支持し、第一枢支軸部を上記各第一トラニオ
ンの内側面から突出させている。又、前記各第一パワー
ローラは、上記第一枢支軸部の周囲に回転自在に支持さ
れた状態で、上記第一外側ディスクの内側面と上記第一
内側ディスクの内側面との間に挟持されている。又、前
記各第二トラニオンは、上記回転軸の軸方向に関して第
二外側ディスクと上記第二内側ディスクとの間部分に配
置され、上記回転軸に対し捻れの位置にある第二枢軸を
中心として揺動する。又、前記各第二変位軸は、互いに
偏心した第二支持軸部及び第二枢支軸部から成り、この
うちの第二支持軸部を上記各第二トラニオンに回転自在
に支持し、第二枢支軸部を上記各第二トラニオンの内側
面から突出させている。更に、前記各第二パワーローラ
は、上記第二枢支軸部の周囲に回転自在に支持された状
態で、上記第二外側ディスクの内側面と上記第二内側デ
ィスクの内側面との間に挟持されている。そして、前記
第二外側ディスクを、直接又は上記回転軸を介して前記
ケーシングに対し、回転自在に且つ軸方向の変位を阻止
した状態で支持している。
【0030】特に、本発明のトロイダル型無段変速機に
於いては、何れも、上記各第一トラニオンの揺動中心と
なる前記第一枢軸、及び、上記各第二トラニオンの揺動
中心となる上記第二枢軸を、それぞれ上記回転軸の中心
軸に対し直交する仮想平面に対し傾斜した状態で配置し
ている。そして、請求項1に記載したトロイダル型無段
変速機の場合には、仮想平面に対する上記第一、第二各
枢軸の傾斜方向と上記各ディスクの回転方向との関係を
規制する事により、上記各第一、第二トラニオンが上記
各第一、第二枢軸を中心として揺動する際のモーメント
に、上記各パワーローラを中立位置に戻す方向の分力を
持たせている。又、請求項2に記載したトロイダル型無
段変速機の場合には、上記トロイダル型無段変速機によ
る動力伝達を行なわない状態で、上記回転軸の軸方向に
関して、上記各第一変位軸を構成する第一枢支軸部の中
心軸を第一支持軸部の中心軸よりも、上記回転軸の軸方
向に関する上記第一パワーローラの変位量よりも小さい
距離だけ上記第一外側ディスク寄りに外れた位置に、上
記各第二変位軸を構成する第二枢支軸部の中心軸を第二
支持軸部の中心軸よりも上記第二外側ディスク寄り位置
に、それぞれ設けている。
【0031】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機により、第一、第二各外側ディスクと第一、第二
各内側ディスクとの間で回転力の伝達を行ない、更にこ
れら第一、第二各外側ディスクと第一、第二各内側ディ
スクとの間の変速比を変える作用は、前述の図12或は
図13に示した従来構造の場合と同様である。又、中間
壁を省略できる為、小型・軽量化が容易になる点は、上
記図13に示した従来構造の場合と同様である。
【0032】特に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、作動時に構成各部材の弾性変形に基づいて第
一、第二各パワーローラが回転軸の軸方向に変位した場
合に、この回転軸の軸方向と直角方向に関する、これら
第一、第二各パワーローラの変位量に、実用上問題とな
る程の差が生じない様にできる。
【0033】先ず、請求項1に記載したトロイダル型無
段変速機の場合には、各第一、第二トラニオンが各第
一、第二枢軸を中心として揺動する際のモーメントに、
上記各第一、第二パワーローラを中立位置に戻す方向の
分力を持たせている。この為、構成各部材の弾性変形に
基づき、第一、第二各変位軸がそれぞれの支持軸部を中
心に揺動変位し、上記各第一、第二パワーローラが上記
各第一、第二枢軸を中心に揺動変位する傾向になって
も、上記分力によりこの揺動変位を収束させる力が加わ
る。この為、上記各第一、第二パワーローラの傾斜角度
に、実用上問題となる程の差が生じない様にする事が可
能になる。この場合でも、アクチュエータにより上記分
力に見合う以上の力を加え、上記各第一、第二トラニオ
ンを上記各第一、第二枢軸の軸方向に対し直角に変位さ
せれば、上記各第一、第二パワーローラを傾斜させる事
は、何ら問題なく行なえる。
【0034】又、請求項2に記載したトロイダル型無段
変速機の場合には、上記構成各部材の弾性変形に基づい
て第一パワーローラが回転軸の軸方向に変位する場合
に、この軸方向と直角方向に関するこの第一パワーロー
ラの変位方向が、途中で変わる。この為、上記弾性変形
に基づく回転軸の軸方向に関する変位量が大きくなる第
一パワーローラに関しても、この軸方向と直角な方向の
変位量を小さく抑える事ができる。これに対して第二パ
ワーローラが回転軸の軸方向に変位する場合には、この
軸方向と直角方向に関するこの第二パワーローラの変位
方向は、途中で変わらない。但し、この第二パワーロー
ラの上記回転軸の軸方向に関する変位量は小さいので、
この軸方向に対し直角方向の変位量も小さい。この結
果、この軸方向に対し直角方向の変位量に就いては、上
記各第一パワーローラと上記各第二パワーローラとの間
で大きな差が生じない様にできて、これら各第一、第二
パワーローラの傾斜角度に、実用上問題となる程の差が
生じない様にする事が可能になる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1〜5は、請求項1〜3の総て
に対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。
尚、本発明のトロイダル型無段変速機の基本構成は、前
述の図13に示した、特開平11−51137号公報に
記載されて従来から知られている構造と同様である。回
転伝達軸23の支持に関しても、上記図13に示した構
造の場合と同様に、入力軸24(図13参照)側とな
る、図2、3、5の左側を、軸方向の変位可能に且つ回
転自在に支持し、入力軸24と反対側となる、図2、
3、5の右側を、軸方向の変位を阻止した状態で回転自
在に支持している。但し、本例の場合には、各第一、第
二トラニオンであるトラニオン7A1 、7A2 (7B
1 、7B2 )の両端部に互いに同心に設けた枢軸6、6
を揺動並びに軸方向の変位可能に支持する為の支持板1
3a、13bを、図1に示す様に、ケーシング5bの内
面に固定している。そこで、従来構造と同様の部分に関
する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、
本発明の特徴部分並びに上記従来構造と異なる部分を中
心に説明する。
【0036】又、図面の上下方向は、本例の構造を実際
に車両に組み付ける状態での上下方向と一致してはいる
が、トロイダル型無段変速機の機能上、必ずしも図示の
方向に組み付けなければならないものではない。設置す
る車両がFR車であるかFF車であるか等、設置位置や
車体の形状等との関係で、上下左右方向は、設計的に定
められる。但し、説明の明瞭化及び簡略化の為、以下の
説明では、上下方向、左右方向に関しては、図面に基づ
いて表す。又、上記各トラニオン7A1 、7A 2 、7B
1 、7B2 の軸方向とは、これら各トラニオン7A1
7A2 、7B1、7B2 の両端部に設けた上記各枢軸
6、6の中心軸の方向を言う。
【0037】本例の場合、第一、第二キャビティ42、
46(図13参照)部分に設置する上記各トラニオン7
1 、7A2 (7B1 、7B2 )を、何れも図1に示す
様な構造により、上記ケーシング5b内に支持してい
る。即ち、このケーシング5bの内面に上記1対の支持
板13a、13bを、互いに平行な状態で固定してい
る。そして、これら両支持板13a、13bの互いに整
合する位置に形成した支持孔48、48の内側にラジア
ルニードル軸受51、51を、それぞれボールスプライ
ン49、49により、軸方向に関する円滑な変位自在に
設けている。従って、各アクチュエータ19、19によ
る上記各トラニオン7A1 、7A2 (7B1、7B2
の軸方向変位は上記各ボールスプライン49、49によ
り、同じく揺動変位は上記各ラジアルニードル軸受5
1、51により、それぞれ円滑に行なわれる。
【0038】特に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、図1からは明らかではないが、図2〜3に示
す様に、各トラニオン7A1 、7A2 、7B1 、7B2
が、回転伝達軸23の中心軸に対し直交する仮想平面に
対し、互いに逆方向に少し傾斜している。即ち、上記各
トラニオン7A1 、7A2 、7B1 、7B2 はそれぞれ
の長さ方向両端部に、これら各トラニオン7A1 、7A
2 、7B1 、7B2 の揺動中心となる前記枢軸6、6
を、図1に示す様に、これら各トラニオン7A1、7A2
、7B1 、7B2 毎に互いに同心に設けている。前述
した各従来構造の場合には、各トラニオン7、7A、7
Bの両端部に設けた枢軸6、6の中心軸が、回転軸であ
る入力側回転軸11a(図12に示した構造の場合)或
は回転伝達軸23(図13に示した構造の場合)に直交
する仮想平面上に存在していた。従って、異なるキャビ
ティ部分に設置した各トラニオンの両端部に設けた枢軸
6、6の中心軸同士は、互いに平行であった。
【0039】これに対して本例の場合には、上記各トラ
ニオン7A1 、7A2 、7B1 、7B2 の揺動中心とな
る枢軸6、6の中心軸を、何れも上記回転伝達軸23の
中心軸に対し直交する仮想平面に対し傾斜させている。
傾斜している方向は、同一キャビティ42、46に設置
した各トラニオン7A1 、7A2 同士、及び各トラニオ
ン7B1 、7B2 同士で互いに逆方向である。同時に上
記傾斜方向は、入力側、出力側各ディスク2A、2B、
4A、4Bの円周方向に関して同じ側に存在する各トラ
ニオン7A1 、7B1 同士、及び各トラニオン7A2
7B2 同士で互いに逆方向にしている。この様に、それ
ぞれが異なる方向に傾斜した、上記各トラニオン7A
1 、7A2 、7B1 、7B2 の傾斜方向は、上記回転伝
達軸23が図2〜3の左方から見た状態で時計方向に回
転する場合で、これら図2〜3に示す方向としている。
【0040】これら図2〜3に示した傾斜方向は、次の
を考慮して規制している。 請求項1に記載した
様に、上記各トラニオン7A1 、7A2 、7B1 、7B
2 が上記各枢軸6、6を中心として揺動する際のモーメ
ントに、各パワーローラ9A、9Bを中立位置に戻す方
向の分力を持たせる。 同時に、請求項2に記載した
様に、各変位軸8A、8Bを構成する支持軸部14と枢
支軸部15との位置関係との兼ね合いにより、第一キャ
ビティ42部分に設置したパワーローラ9A1 、9A2
と第二キャビティ46部分に設置したパワーローラ9B
1 、9B2 との間で、上記各トラニオン7A1 、7A
2 、7B1、7B2 の長さ方向(図1〜5の上下方向)
に関する変位量に大きな差が生じない様にする。
【0041】この為に本例の場合には、各入力側ディス
ク2A、2Bの内側面2a、2aの回転方向が図面で下
向きとなる、図1の右側、図2の手前側に位置する2組
のトラニオン7A1 、7B1 及びパワーローラ9A1
9B1 に関しては、次の様に規制している。先ず、これ
ら2個のトラニオン7A1 、7B1 の傾斜方向に関して
は、下方に向かう程互いに近づく方向に傾斜させてい
る。又、上記各トラニオン7A1 、7B1 の軸方向の、
上記回転伝達軸23の中心軸に対し直交する仮想平面に
対する傾斜角度θ(本例の場合には3度)は、互いに等
しくしている。又、上記図1の右側、図2の手前側に位
置する2組のトラニオン7A1 、7B1 に支持する変位
軸8A、8Bに関しては、何れも、支持軸部14を下
に、枢支軸部15を上に、それぞれ設置している。トロ
イダル型無段変速機の運転時に上記各入力側ディスク2
A、2Bは図2の矢印α方向に、上記各パワーローラ9
1 、9B1 は同じく矢印β1 方向に、前記各出力側デ
ィスク4A、4Bは同じく矢印γ方向に、それぞれ回転
する。又、構成各部材の弾性変形に基づいて上記各入力
側ディスク2A、2B及び各出力側ディスク4A、4B
が上記回転伝達軸23の軸方向に変位する際には、上記
各変位軸8A、8Bの枢支軸部15が、それぞれの支持
軸部14を中心として揺動変位する。
【0042】これに対して、上記各入力側ディスク2
A、2Bの内側面2a、2aの回転方向が図面で上向き
となる、図1の左側、図3の奥側に位置する2組のトラ
ニオン7A2 、7B2 及びパワーローラ9A2 、9B2
に関しては、次の様に規制している。先ず、これら2個
のトラニオン7A2 、7B2 の傾斜方向に関しては、上
記図2に示した手前側のトラニオン7A1 、7B1 とは
逆に、上方に向かう程互いに近づく方向に傾斜させてい
る。又、上記各トラニオン7A2 、7B2 の軸方向の、
上記回転伝達軸23の中心軸に対し直交する仮想平面に
対する傾斜角度θ(本例の場合には3度)は、互いに等
しくしている。又、上記図1の左側、図3の奥側に位置
する2組のトラニオン7A2 、7B2 に支持する変位軸
8A、8Bに関しては、何れも、やはり上記図2に示し
た手前側のトラニオン7A1 、7B 1 に支持する変位軸
8A、8Bとは逆に、支持軸部14を上に、枢支軸部1
5を下に、それぞれ設置している。トロイダル型無段変
速機の運転時に上記各入力側ディスク2A、2Bは図3
の矢印α方向に、上記各パワーローラ9A2 、9B2
同じく矢印β2 方向に、前記各出力側ディスク4A、4
Bは同じく矢印γ方向に、それぞれ回転する。又、構成
各部材の弾性変形に基づいて上記各入力側ディスク2
A、2B及び各出力側ディスク4A、4Bが上記回転伝
達軸23の軸方向に変位する際には、上記各変位軸8
A、8Bの枢支軸部15が、それぞれの支持軸部14を
中心として揺動変位する。
【0043】更に、本例の場合には、上記回転伝達軸2
3の軸方向に関する、上記各変位軸8A、8Bを構成す
る支持軸部14と枢支軸部15との位置関係も規制して
いる。先ず、第一変位軸である、図2、3、5の左側の
第一キャビティ42部分に設置する各変位軸8Aに関し
ては、図5(A)の左側に示す様に、第一枢支軸部であ
る枢支軸部15の中心軸と、第一支持軸部である支持軸
部14の中心軸とを結ぶ線が、前記トラニオン7Aの軸
方向と平行若しくは平行に近くなる様にしている。尚、
この様な関係は、トロイダル型無段変速機による動力伝
達を行なわない状態、即ち、駆動押圧装置10(図13
参照)が大きな推力を発生せず、従って構成各部材が殆
ど弾性変形していない状態(中立状態)で満たす。そし
て、この中立状態では、上記回転伝達軸23の軸方向に
関して、上記枢支軸部15が上記支持軸部14よりも、
小さな距離△Lだけ、第一外側ディスクである入力側デ
ィスク2A寄り{図5(A)の左寄り}に外れた位置に
存在する。本例の場合、上記支持軸部14と上記枢支軸
部15との中心軸同士の距離(偏心量)をHとした場合
に、上記距離△LはH・sin θとなる。
【0044】そして、この様な距離△L(=H・sin
θ)を、上記回転伝達軸23の軸方向に関して、上記第
一キャビティ42部分に設置する、第一パワーローラで
ある前記各パワーローラ9A1 、9A2 の変位量よりも
小さくしている。即ち、上記トロイダル型無段変速機に
よる動力伝達時に上記各パワーローラ9A1 、9A2
は、駆動押圧装置10(図13参照)により押圧される
上記入力側ディスク2Aの内側面2aに押され、構成各
部材を弾性変形させつつ、図5(A)の右方に変位す
る。上記トロイダル型無段変速機により伝達するトルク
が大きくなって、上記駆動押圧装置10が発生する推力
が最大となり、上記構成各部材の弾性変形量が最大とな
った状態での、上記各パワーローラ9A1 、9A2 の中
立位置からの変位量をLとすると、上記距離△Lをこの
変位量Lよりも十分に小さく(△L<L)している。
【0045】これに対して、第二変位軸である、図2、
3、5の右側の第二キャビティ46部分に設置する各変
位軸8Bに関しては、図5(A)の右側に示す様に、第
二枢支軸部である枢支軸部15の中心軸を、上記回転伝
達軸23の軸方向に関して、第二支持軸部である支持軸
部14の中心軸よりも小さな距離△Lだけ、第二外側デ
ィスクである入力側ディスク2B寄り{図5(A)の右
寄り}位置に設けている。上記枢支軸部15と支持軸部
14との中心軸同士を結ぶ線は、前記トラニオンBの軸
方向と平行若しくは平行に近くしている。従って、本例
の場合、上記支持軸部14と上記枢支軸部15との中心
軸同士の距離(偏心量)をHとした場合に、上記距離△
LはH・sinθとなる。
【0046】上述の様に構成する本発明のトロイダル型
無段変速機の場合には、作動時、即ち、動力伝達の為に
前記駆動押圧装置10が大きな推力を発生し、構成各部
材の弾性変形に基づいて前記各パワーローラ9A1 、9
2 、9B1 、9B2 が上記回転伝達軸23の軸方向に
変位した場合に、この回転伝達軸23の軸方向に関す
る、上記各パワーローラ9A1 、9A2 、9B1 、9B
2 の変位量に、実用上問題となる程の差が生じない様に
できる。
【0047】先ず、本例のトロイダル型無段変速機の場
合には、前記の様に、前記各トラニオン7A1 、7A
2 、7B1 、7B2 がそれぞれの両端部に設けた枢軸
6、6を中心として揺動する際のモーメント、即ち、上
記各パワーローラ9A1 、9A 2 、9B1 、9B2 を傾
斜させようとする力に、上記各パワーローラ9A1 、9
2 、9B1 、9B2 を中立位置に戻す方向の分力を持
たせている。この点に就いて、図4により説明する。こ
の図4のうち(A)は、トラニオン7の傾斜方向が適切
で、上記の条件を満たす場合を、(B)はトラニオン
7の傾斜方向が逆である為、上記の条件を満たさない
場合を、それぞれ示している。又、破線で示したパワー
ローラ9は、中立位置に存在し、上記トラニオン7に傾
斜方向の力を付与しない状態を、実線で示したパワーロ
ーラ9は、トラニオン7の軸方向に変位した位置に存在
し、上記トラニオン7を傾斜させる方向のモーメントを
発生させる状態を、それぞれ示している。
【0048】図4(A)に実線で示した状態にあるパワ
ーローラ9に就いて説明すると、このパワーローラ9の
周面と入力側、出力側各ディスクの内側面との転がり接
触部に作用する接線方向の力に基づいて上記パワーロー
ラ9に、矢印イで示す方向のモーメントが、このパワー
ローラ9及びこのパワーローラ9を支持したトラニオン
7を傾斜させる方向の力として加わる。一方、このトラ
ニオン7の中心軸は角度θ分傾斜しているので、上記モ
ーメントには、回転伝達軸23の中心軸に対し直角方向
の分力が存在する。そして、図4(A)に示した、上記
の条件を満たす場合には、この分力が上記パワーロー
ラ9を、図4(A)に破線で示した中立位置に戻す方向
に加わる。
【0049】この為、構成各部材の弾性変形に基づき、
各変位軸8がそれぞれの支持軸部14を中心に揺動変位
し、上記パワーローラ9が上記トラニオン7の両端部に
設けた枢軸6、6を中心に揺動変位する傾向になって
も、上記分力によりこの揺動変位を収束させる力が加わ
る。この為、上記パワーローラ9の傾斜角度に、実用上
問題となる程の差が生じない様にする事が可能になる。
この場合でも、アクチュエータにより上記分力に見合う
以上の力を加え、上記トラニオン7を上記枢軸6、6の
軸方向に対し直角に変位させれば、上記パワーローラ9
を傾斜させる事は、何ら問題なく行なえる。これに対し
て、図4(B)に示した、上記の条件を満たさない場
合には、パワーローラ9及びトラニオン7を傾斜させよ
うとする、図4(B)に矢印ロで示すモーメントのうち
で上記回転伝達軸23の中心軸に対し直角方向の分力
が、上記パワーローラ9を、図4(B)に破線で示した
中立位置から更に遠ざける方向に加わる。この為、上記
パワーローラ9の傾斜角度に、実用上問題となる程の差
が生じ易くなる。
【0050】更に、本例のトロイダル型無段変速機の場
合には、前記の様に、各変位軸8A、8Bを構成する
支持軸部14と枢支軸部15との位置関係を規制してい
る。そして、この規制に基づき、第一パワーローラであ
り、上記回転伝達軸23の軸方向位置を拘束されていな
い入力側ディスク2Aと接触しているパワーローラ9A
1 、9A2 が、上記構成各部材の弾性変形に基づいて上
記回転伝達軸23の軸方向に変位する場合に、この軸方
向と直角方向に関する変位方向が、途中で変わる。この
為、上記回転伝達軸23の軸方向に関する変位量が大き
くなる、第一キャビティ42部分のパワーローラ9A
1 、9A2 の、上記軸方向と直角方向に関する変位量を
小さく抑える事ができる。これに対して、上記回転伝達
軸23の軸方向位置を拘束されている入力側ディスク2
Bと接触しているパワーローラ9B 1 、9B2 が、この
入力側ディスク2Bの弾性変形に基づいて上記回転伝達
軸23の軸方向に変位する場合に、この軸方向と直角方
向に関する変位方向が、途中で変わる事はない。但し、
上記各パワーローラ9B1 、9B2 の上記回転伝達軸2
3の軸方向の変位量は、自身の弾性変形を除けば、上記
入力側ディスク2Bの弾性変形分だけである為、少しで
ある。この為、第二キャビティ46部分のパワーローラ
9B1 、9B2 の、上記軸方向と直角方向に関する変位
量に就いても、小さく抑える事ができる。
【0051】この点に就いて、図5〜7により説明す
る。この図5のうち(A)は、トラニオン7の傾斜方向
と上記各変位軸8A、8Bのオフセット方向(支持軸部
14と枢支軸部15との配列方向)との関係が適切で、
上記の条件を満たす場合を、(B)はオフセット方向
が不適切である為、このの条件を満たさない場合を、
それぞれ示している。又、破線で示したパワーローラ9
A、9Bは、上記構成各部材が弾性変形せず、中立位置
に存在する状態を、実線で示したパワーローラ9A、9
Bは、トロイダル型無段変速機により大きなトルクを伝
達するのに伴って弾性変形した上記構成各部材に押され
て、上記回転伝達軸23の軸方向に変位した位置に存在
する状態を、それぞれ示している。
【0052】先ず、図5(A)の左側に示した、第一キ
ャビティ42部分のパワーローラ9Aの支持構造が適切
である場合に就いて説明する。上記構成各部材が弾性変
形に基づいて上記パワーローラ9Aは、支持軸部14を
中心に揺動変位する。この揺動変位の両端部、即ち、上
記破線状態と上記実線状態とで、上記パワーローラ9A
の回転中心である枢支軸部15の中心軸は、図5(A)
の点イと点ロとの間を往復揺動する。この往復揺動の途
中で上記枢支軸部15の中心軸は、上記支持軸部14の
中心軸を含み、前記回転伝達軸23に直交する仮想平面
を通過する。そして、この通過の前後で、前述の様に、
この回転伝達軸23の軸方向と直角方向に関する、上記
パワーローラ9Aの変位方向が変わる。
【0053】即ち、上記枢支軸部15の中心軸が、中立
状態を示す上記点イから上記支持軸部14の中心軸を含
む仮想平面上の点に向けて移動する際には、上記パワー
ローラ9Aは図5の上方に変位する。これに対して、上
記枢支軸部15の中心軸が、上記支持軸部14の中心軸
を含む仮想平面上の点から大トルク伝達時の状態を示す
点ロに向けて移動する際には、上記パワーローラ9Aは
図5の下方に変位する。この様に、上記パワーローラ9
Aの変位方向が途中で変わる為、上記大トルク伝達時の
弾性変形に基づく回転伝達軸23の軸方向に関する変位
量が大きくなる、前記入力側ディスク2Aに接するパワ
ーローラ9Aに関しても、この軸方向と直角な方向の変
位量を小さく抑える事ができる。
【0054】次に、図5(A)の右側に示した、第二キ
ャビティ46部分のパワーローラ9Bの支持構造が適切
である場合に就いて説明する。このパワーローラ9Bが
当接している入力側ディスク2Bの弾性変形に基づいて
このパワーローラ9Bは、支持軸部14を中心に揺動変
位する。この揺動変位の両端部、即ち、上記破線状態と
上記実線状態とで、上記パワーローラ9Bの回転中心で
ある枢支軸部15の中心軸は、図5(A)の点ハと点ニ
との間を往復揺動する。この往復揺動の途中で上記枢支
軸部15の中心軸が、上記支持軸部14の中心軸を含
み、前記回転伝達軸23に直交する仮想平面を通過する
事はなく、この回転伝達軸23の軸方向と直角方向に関
する、上記パワーローラ9Bの変位方向が変わる事もな
い。但し、上記パワーローラ9Bの上記回転伝達軸23
の軸方向の変位量は、自身の弾性変形を除けば、実質的
には上記入力側ディスク2Bの弾性変形分だけである
為、少しである。この為、第二キャビティ46部分のパ
ワーローラ9Bの、上記軸方向と直角方向に関する変位
量に就いても、小さく抑える事ができる。
【0055】従って、この軸方向に対し直角方向の変位
量に就いては、前記第一キャビティ42部分のパワーロ
ーラ9A(9A1 、9A2 )と、上記第二キャビティ4
6部分のパワーローラ9B(9B1 、9B2 )との間で
大きな差が生じない様にできる。この結果、これら各パ
ワーローラ9A、9Bの傾斜角度に、実用上問題となる
程の差が生じない様にする事が可能になる。又、必要に
応じて、上記第一キャビティ42部分に設置する変位軸
8Aのオフセット量(支持軸部14の中心軸と枢支軸部
15の中心軸との距離)と、上記第二キャビティ46部
分に設置する変位軸8Bのオフセット量とを変える事に
より、上記差を更に小さくする事も可能になる。
【0056】これに対して、図5(B)に示す様に、上
記各変位軸8A、8Bのオフセット方向を、本発明の場
合とは逆にすると、上記差が大きくなる。即ち、この図
5(B)に示した状態では、回転伝達軸23の軸方向に
関するパワーローラ9Aの変位量が大きくなる第一キャ
ビティ42部分では、枢支軸部15が点ホと点ヘとの間
で変位する。この変位に基づく、上記回転伝達軸23の
中心軸に対し直角方向の変位量は、上記2点ホ、ヘを結
ぶ線と上記回転伝達軸23の中心軸とのなす角度が比較
的大きくなる事から明らかな通り、図5(A)の左部分
に比べて遥かに大きくなる。これに対して、回転伝達軸
23の軸方向に関するパワーローラ9Bの変位量が小さ
くなる第二キャビティ46部分では、枢支軸部15が点
トと点チとの間で変位する。この変位に基づく、上記回
転伝達軸23の中心軸に対し直角方向の変位量は、上記
2点ト、チを結ぶ線と上記回転伝達軸23の中心軸との
なす角度が極く小さくなる事から明らかな通り、図5
(A)の右部分に比べても更に小さくなる。この為、図
5(B)の配置では、第一キャビティ42部分のパワー
ローラ9Aと第二キャビティ46部分のパワーローラ9
Bとの間で、上記回転伝達軸23の中心軸に対し直角方
向の変位量に大きな差が生じる。これらの点に関して本
発明者が試算した結果を、図6〜7により説明する。
【0057】試算の前提として、各トラニオン7A、7
Bの軸方向の、上記回転伝達軸23の中心軸に対し直交
する仮想平面に対する傾斜角度θを3度(傾斜させる場
合)とした。又、各変位軸8A、8Bのオフセット量を
11mmとした。但し、第一キャビティ42と第二キャビ
ティ46とでオフセット量を変える場合には、第二キャ
ビティ46側のオフセット量を14mmとした。又、中立
状態と大トルク付与状態との間で、上記各パワーローラ
9A、9Bが上記回転伝達軸23の軸方向に関して変位
する量は、第一キャビティ42に関しては4mm、第二キ
ャビティ46に関しては2mmとした。
【0058】この様な条件で行なった試算の結果を示す
図6〜7で、横軸は、軸方向位置が固定された入力側デ
ィスク2Bを含んで構成される第二キャビティ46に設
けたパワーローラ9Bの上記回転伝達軸23に対する軸
方向変位量を表している。これに対して図6の縦軸は、
上記第二キャビティ46側のパワーローラ9Bが上記回
転伝達軸23の軸方向と直角な方向に関して変位する量
(直角方向変位量)から、上記第一キャビティ42側の
パワーローラ9Aが上記回転伝達軸23の軸方向と直角
な方向に変位する量を減じた値(直角方向変位量差)を
表している。又、図7の縦軸は、直角方向の変位量及び
直角方向変位量差を表している。この様な図6〜7に示
した各曲線a〜fのうち、先ず図6の曲線aは、上記各
トラニオン7A、7Bの軸方向を上記回転伝達軸23の
中心軸に対し直交する仮想平面上に位置させた(傾斜角
度θ=0度)場合に於ける、上記軸方向変位量と直角方
向変位量差との関係を示している。この様な曲線aから
明らかな通り、従来構造の場合には、第一キャビティ4
2と第二キャビティ46との間で、各パワーローラ9
A、9Bの位置のずれが大きくなる。
【0059】これに対して、図6の曲線bは、各変位軸
8A、8Bのオフセット量を何れも11mmとし、前述の
図2〜3に示す様に上記各トラニオン7A、7Bの軸方
向を上記回転伝達軸23の中心軸に対し直交する仮想平
面に対し傾斜させた場合に於ける、上記軸方向変位量と
直角方向変位量差との関係を示している。この様な曲線
bから明らかな通り、上記各トラニオン7A、7Bの中
心軸を適切に傾斜させる事により、第一キャビティ42
と第二キャビティ46との間で、各パワーローラ9A、
9Bの位置のずれを小さくできる。
【0060】更に、図6の曲線cは、第一キャビティ4
2側の変位軸8Aのオフセット量を11mmとし、第二キ
ャビティ46側の変位軸8Bのオフセット量を14mmと
すると共に、前述の図2〜3に示す様に上記各トラニオ
ン7A、7Bの軸方向を上記回転伝達軸23の中心軸に
対し直交する仮想平面に対し傾斜させた場合に於ける、
上記軸方向変位量と直角方向変位量差との関係を示して
いる。この様な曲線cから明らかな通り、上記各トラニ
オン7A、7Bの中心軸を適切に傾斜させると共に、上
記各変位軸8A、8Bのオフセット量を適切に変える事
により、第一キャビティ42と第二キャビティ46との
間で、各パワーローラ9A、9Bの位置のずれを、より
小さくできる。
【0061】図7は、上記図6の曲線cを得る前提とし
て求めた、第一キャビティ42側のパワーローラ9Aの
直角方向変位量(図7の曲線d)、第二キャビティ46
側のパワーローラ9Bの直角方向変位量(同じく曲線
e)、並びに、これら両直角方向変位量の差(同じく曲
線f)を、それぞれ表している。この図7の曲線fと、
上記図6の曲線cとは、同じものである。
【0062】これら図6〜7に示した曲線a〜fより明
らかな通り、本発明によれば、第一キャビティ42と第
二キャビティ46との間で、各パワーローラ9A、9B
の位置のずれを小さく抑える事ができる。特に、上記試
算の前提とした、一般的な乗用車用のトロイダル型無段
変速機の場合には、上記各トラニオン7A、7Bの軸方
向に関して、50μm程度のずれは、各部の摩擦等によ
り変速動作を開始しない不感帯となる。従って、上記各
部の配置や寸法を適切に規制する事により、第一、第二
両キャビティ42、46同士の間で変速比に殆ど差が生
じないトロイダル型無段変速機を実現できる。尚、1対
の出力側ディスクは、必ずしもスリーブの両端に支持す
る構造とする必要はない。例えば、前記特開2000−
220719号公報に記載されている様に、1対の出力
側ディスクを一体に構成する事もできる。この場合に出
力歯車は、この一体の出力側ディスクの外周縁に一体に
設ける。
【0063】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用し、簡単な構成で安価且つ軽量に構成できる構造で、
しかも安定した変速動作と優れた耐久性とを確保できる
為、トロイダル型無段変速機の低コスト化による普及率
向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図13のA
−A断面に相当する図。
【図2】図1の右側のトラニオンの配置状態を示す、図
1の略B矢視図。
【図3】図1の左側のトラニオンの配置状態を示す、図
1の略B矢視図。
【図4】トラニオンが揺動する際のモーメントの方向を
規制する事に基づく作用を説明する為、図2の左部のパ
ワーローラに加わる力を表した模式図。
【図5】トラニオンの傾斜方向及び傾斜角度と、各変位
軸の支持軸部と枢支軸部との偏心方向との規制に基づく
作用を説明する為、各パワーローラを図2と同方向から
見た状態で示す模式図。
【図6】トラニオンの傾斜と、各変位軸の支持軸部と枢
支軸部との偏心量とが、このトラニオンの長さ方向の変
位に及ぼす影響を説明する為の線図。
【図7】トラニオンを適正に傾斜させた場合に、第一、
第二のトラニオンの長さ方向に関する変位量の差が小さ
くなる事を説明する為の線図。
【図8】トロイダル型無段変速機の基本構成を、最大減
速時の状態で示す略側面図。
【図9】同じく最大増速時の状態で示す略側面図。
【図10】従来から知られている具体的構造の1例を示
す要部断面図。
【図11】図10のC−C断面図。
【図12】従来から知られているダブルキャビティ型の
トロイダル型無段変速機の第1例を示す要部断面図。
【図13】同第2例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2、2A、2B 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4、4A、4B 出力側ディスク 4a 内側面 5、5a、5b ケーシング 6 枢軸 7、7A、7B、7A1 、7A2 、7B1 、7B2
ラニオン 8、8A、8B 変位軸 9、9A、9B、9A1 、9A2 、9B1 、9B2
ワーローラ 9a 周面 10 駆動押圧装置 11、11a 入力側回転軸 12、12a、12b 出力歯車 13、13a、13b 支持板 14 支持軸部 15 枢支軸部 16 スラスト玉軸受 17 スラストニードル軸受 18 外輪 19 アクチュエータ 20 駆動軸 21 中間壁 22、22a スリーブ 23 回転伝達軸 24 入力軸 25 第一支持壁 26 貫通孔 27 軸受 28 小径突部 29 軸受 30 第二支持壁 31 軸受箱 32 軸受 33 ローディングナット 34 ボールスプライン 35 鍔部 36 カム板 37 スラスト軸受 38 弾性部材 39 ローラ 40 腕片 41 突片 42 第一キャビティ 43 円孔 44 ラジアルニードル軸受 45 ラジアルニードル軸受 46 第二キャビティ 47 支持ポスト 48 支持孔 49 ボールスプライン 50 ラジアルニードル軸受 51 ラジアルニードル軸受

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、このケーシングの内側に
    回転自在に支持された回転軸と、この回転軸の中間部周
    囲に、それぞれの内側面を互いに反対側に向けた状態で
    この回転軸に対する相対的回転及び軸方向の変位自在に
    支持された第一、第二両内側ディスクと、このうちの第
    一内側ディスクの内側面にその内側面を対向させた状態
    で上記回転軸の一端部に、この回転軸の軸方向の変位の
    み自在に支持され、この回転軸と共に回転する第一外側
    ディスクと、上記第二内側ディスクの内側面にその内側
    面を対向させた状態で上記回転軸の他端部に、この回転
    軸の軸方向に関する変位を阻止した状態で支持され、こ
    の回転軸と共に回転する第二外側ディスクと、上記第一
    外側ディスクを上記第二外側ディスクに向け押圧しつつ
    これら第一、第二両外側ディスク及び上記回転軸を回転
    させる駆動押圧装置と、上記回転軸の軸方向に関して第
    一外側ディスクと上記第一内側ディスクとの間部分に配
    置され、上記回転軸に対し捻れの位置にある第一枢軸を
    中心として揺動する、複数個の第一トラニオンと、互い
    に偏心した第一支持軸部及び第一枢支軸部から成り、こ
    のうちの第一支持軸部を上記各第一トラニオンに回転自
    在に支持し、第一枢支軸部を上記各第一トラニオンの内
    側面から突出させた、複数本の第一変位軸と、上記第一
    枢支軸部の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第
    一外側ディスクの内側面と上記第一内側ディスクの内側
    面との間に挟持された、複数個の第一パワーローラと、
    上記回転軸の軸方向に関して第二外側ディスクと上記第
    二内側ディスクとの間部分に配置され、上記回転軸に対
    し捻れの位置にある第二枢軸を中心として揺動する、複
    数個の第二トラニオンと、互いに偏心した第二支持軸部
    及び第二枢支軸部から成り、このうちの第二支持軸部を
    上記各第二トラニオンに回転自在に支持し、第二枢支軸
    部を上記各第二トラニオンの内側面から突出させた、複
    数本の第二変位軸と、上記第二枢支軸部の周囲に回転自
    在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの内側面
    と上記第二内側ディスクの内側面との間に挟持された、
    複数個の第二パワーローラとを備え、上記第二外側ディ
    スクを、直接又は上記回転軸を介して上記ケーシングに
    対し回転自在に且つ軸方向の変位を阻止した状態で支持
    したトロイダル型無段変速機に於いて、上記第一、第二
    各枢軸を、それぞれ上記回転軸の中心軸に対し直交する
    仮想平面に対し傾斜した状態で配置すると共に、この仮
    想平面に対する上記第一、第二各枢軸の傾斜方向と上記
    各ディスクの回転方向との関係を規制する事により、上
    記各第一、第二トラニオンが上記各第一、第二枢軸を中
    心として揺動する際のモーメントに、上記各パワーロー
    ラを中立位置に戻す方向の分力を持たせた事を特徴とす
    るトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 ケーシングと、このケーシングの内側に
    回転自在に支持された回転軸と、この回転軸の中間部周
    囲に、それぞれの内側面を互いに反対側に向けた状態で
    この回転軸に対する相対的回転及び軸方向の変位自在に
    支持された第一、第二両内側ディスクと、このうちの第
    一内側ディスクの内側面にその内側面を対向させた状態
    で上記回転軸の一端部に、この回転軸の軸方向の変位の
    み自在に支持され、この回転軸と共に回転する第一外側
    ディスクと、上記第二内側ディスクの内側面にその内側
    面を対向させた状態で上記回転軸の他端部に、この回転
    軸の軸方向に関する変位を阻止した状態で支持され、こ
    の回転軸と共に回転する第二外側ディスクと、上記第一
    外側ディスクを上記第二外側ディスクに向け押圧しつつ
    これら第一、第二両外側ディスク及び上記回転軸を回転
    させる駆動押圧装置と、上記回転軸の軸方向に関して第
    一外側ディスクと上記第一内側ディスクとの間部分に配
    置され、上記回転軸に対し捻れの位置にある第一枢軸を
    中心として揺動する、複数個の第一トラニオンと、互い
    に偏心した第一支持軸部及び第一枢支軸部から成り、こ
    のうちの第一支持軸部を上記各第一トラニオンに回転自
    在に支持し、第一枢支軸部を上記各第一トラニオンの内
    側面から突出させた、複数本の第一変位軸と、上記第一
    枢支軸部の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第
    一外側ディスクの内側面と上記第一内側ディスクの内側
    面との間に挟持された、複数個の第一パワーローラと、
    上記回転軸の軸方向に関して第二外側ディスクと上記第
    二内側ディスクとの間部分に配置され、上記回転軸に対
    し捻れの位置にある第二枢軸を中心として揺動する、複
    数個の第二トラニオンと、互いに偏心した第二支持軸部
    及び第二枢支軸部から成り、このうちの第二支持軸部を
    上記各第二トラニオンに回転自在に支持し、第二枢支軸
    部を上記各第二トラニオンの内側面から突出させた、複
    数本の第二変位軸と、上記第二枢支軸部の周囲に回転自
    在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの内側面
    と上記第二内側ディスクの内側面との間に挟持された、
    複数個の第二パワーローラとを備え、上記第二外側ディ
    スクを、直接又は上記回転軸を介して上記ケーシングに
    対し回転自在に且つ軸方向の変位を阻止した状態で支持
    したトロイダル型無段変速機に於いて、上記第一、第二
    各枢軸を、それぞれ上記回転軸の中心軸に対し直交する
    仮想平面に対し傾斜した状態で配置する事により、上記
    トロイダル型無段変速機による動力伝達を行なわない状
    態で、上記回転軸の軸方向に関して、上記各第一変位軸
    を構成する第一枢支軸部の中心軸を第一支持軸部の中心
    軸よりも、上記回転軸の軸方向に関する上記第一パワー
    ローラの変位量よりも小さい距離だけ上記第一外側ディ
    スク寄りに外れた位置に、上記各第二変位軸を構成する
    第二枢支軸部の中心軸を第二支持軸部の中心軸よりも上
    記第二外側ディスク寄り位置に、それぞれ設けた事を特
    徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 第一、第二の枢軸を支持する為の支持板
    が、ケーシング内に固定されている、請求項1〜2の何
    れかに記載したトロイダル型無段変速機。
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