JP2001165262A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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- F16H15/00—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
- F16H15/02—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
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- F16H15/06—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
- F16H15/32—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
- F16H15/36—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
- F16H15/38—Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
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Abstract
ニオン66、67を揺動変位させるべく、これら各トラ
ニオン66、67を変位させる為の機構の小型化を図
る。 【解決手段】 上記各トラニオン66、67を、それぞ
れ揺動フレーム52、53に、各パワーローラ33、3
6の傾斜角度を変える方向の揺動変位自在に支持する。
そして、上記各揺動フレーム52、53を各支持フレー
ム54、55に、支持軸70、70を中心とする揺動変
位自在に支持する。上記各揺動フレーム52、53を、
それぞれの両端部に設けたアクチュエータにより揺動変
位自在とする。
Description
変速機は、自動車用自動変速装置を構成する変速ユニッ
トとして利用する。
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1
と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4
を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケー
シング5(後述する図8参照)の内側には、上記入力軸
1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸6、6を
中心として揺動するトラニオン7、7を設けている。
面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に互いに
同心に、各トラニオン7、7毎に1対ずつ設けている。
これら各枢軸6、6の中心軸は、上記各ディスク2、4
の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、
4の中心軸の方向に対し直角方向である、捩れの位置に
存在する。又、上記各トラニオン7、7の中心部には変
位軸8、8の基半部を支持し、上記枢軸6、6を中心と
して各トラニオン7、7を揺動させる事により、上記各
変位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。各ト
ラニオン7、7に支持された変位軸8、8の先半部周囲
には、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に支持し
ている。そして、各パワーローラ9、9を、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a同士の
間に挟持している。
いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い
曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなして
いる。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当
接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2と
の間には、ローディングカム装置10を設け、このロー
ディングカム装置10によって上記入力側ディスク2
を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、回転
駆動自在としている。
速機の使用時、入力軸1の回転に伴って上記ローディン
グカム装置10が上記入力側ディスク2を、上記複数の
パワーローラ9、9に押圧しつつ回転させる。そして、
この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーロー
ラ9、9を介して出力側ディスク4に伝達され、この出
力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸6、6を中心として前記各トラニオン
7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周面9a、
9aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内側面2a
の中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周
寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸8、8を
傾斜させる。
ラニオン7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周
面9a、9aが図6に示す様に、入力側ディスク2の内
側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4
aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位
軸8、8を傾斜させる。各変位軸8、8の傾斜角度を図
5と図6との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは円管状の入力軸11の周囲に、それぞれ回転自在に
支持している。又、この入力軸11の端部と上記入力側
ディスク2との間に、ローディングカム装置10を設け
ている。一方、上記出力側ディスク4には、出力歯車1
2を結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車12と
が同期して回転する様にしている。
同心に設けた枢軸6、6は1対の支持板13、13に、
揺動並びに軸方向(図7の表裏方向、図8の左右方向)
に亙る変位自在に支持している。そして、上記各トラニ
オン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部を支持し
ている。これら各変位軸8、8は、基半部と先半部とを
互いに偏心させている。そして、このうちの基半部を上
記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支持し、そ
れぞれの先半部にパワーローラ9、9を回転自在に支持
している。
軸11に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸8、8の基半部と先半部とが偏心してい
る方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転
方向に関して同方向(図8で左右逆方向)としている。
又、偏心方向は、上記入力軸11の配設方向に対してほ
ぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ
9、9は、上記入力軸11の配設方向に亙る若干の変位
自在に支持される。
上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、こ
れら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラ
スト玉軸受14、14とスラストニードル軸受15、1
5とを設けている。このうちのスラスト玉軸受14、1
4は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向
の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回
転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受15、
15は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト
玉軸受14、14を構成する外輪16、16に加わるス
ラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の先半部
及び上記外輪16、16が、これら各変位軸8、8の基
半部を中心として揺動する事を許容する。更に、上記各
トラニオン7、7は、油圧式のアクチュエータ17、1
7により、前記各枢軸6、6の軸方向に亙る変位自在と
している。
速機の場合、入力軸11の回転はローディングカム装置
10を介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、
この入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ
9、9を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの
出力側ディスク4の回転が、出力歯車12より取り出さ
れる。
度比を変える場合には、上記各アクチュエータ17、1
7により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方
向に、例えば、図8の下側のパワーローラ9を同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ9を同図の左側に、そ
れぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ
9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出
力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用す
る、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の
向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板
13、13に枢支された枢軸6、6を中心として、互い
に逆方向に揺動する。この結果、前述の図5〜6に示し
た様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと
上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入
力軸11と出力歯車12との間の回転速度比が変化す
る。
には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワーロ
ーラ9、9が上記入力軸11の軸方向に変位する。そし
て、これら各パワーローラ9、9を支持した前記各変位
軸8、8が、それぞれの基半部を中心として僅かに回動
する。この回動の結果、上記各スラスト玉軸受14、1
4の外輪16、16の外側面と上記各トラニオン7、7
の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との
間には、前記各スラストニードル軸受15、15が存在
する為、この相対変位に要する力は小さい。
無段変速機の場合には、上記入力軸11と出力歯車12
との間での動力伝達を2個のパワーローラ9、9により
行なっている。従って、各パワーローラ9、9の周面9
a、9aと入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2
a、4aとの間で伝達される単位面積当たりの力が大き
くなり、伝達可能な動力に限界を生じる。この様な事情
に鑑みて、トロイダル型無段変速機により伝達可能な動
力を大きくすべく、パワーローラ9、9の数を増やす事
も、従来から考えられている。
増やす為の構造の1例として従来から、1組の入力側デ
ィスク2と出力側ディスク4との間に3個のパワーロー
ラ9、9を配置し、この3個のパワーローラ9、9によ
って動力の伝達を行なう事が、例えば特開平3−746
67号公報に記載されている様に、従来から知られてい
る。この公報に記載された構造の場合には、図9に示す
様に、固定のフレーム18の円周方向等間隔の3個所位
置に、それぞれが120度に折れ曲がった支持片19、
19の中間部を枢支している。そして、隣り合う支持片
19、19同士の間にそれぞれトラニオン7、7を、揺
動並びに軸方向に亙る変位自在に支持している。
式のアクチュエータ17、17により、それぞれの両端
部に互いに同心に設けた枢軸6の軸方向に亙る変位自在
としている。上記各アクチュエータ17、17を構成す
る各油圧シリンダ20、20は、制御弁21を介して、
油圧源であるポンプ22の吐出口に通じている。この制
御弁21は、それぞれが軸方向(図9の左右方向)に亙
って変位自在なスリーブ23とスプール24とを備え
る。
位軸8、8により枢支されたパワーローラ9、9の傾斜
角度を変える場合には、制御モータ25により上記スリ
ーブ23を軸方向(図9の左右方向)に変位させる。こ
の結果、上記ポンプ22から吐出された圧油が、油圧配
管を通じて上記各油圧シリンダ20、20に送り込まれ
る。そして、これら各油圧シリンダ20、20に嵌装さ
れた、上記各トラニオン7、7を枢軸の軸方向に亙り変
位させる為の駆動ピストン26、26が、入力側ディス
ク2及び出力側ディスク4(図5〜7参照)の回転方向
に関して同方向に変位する。又、上記各駆動ピストン2
6、26の変位に伴って上記各油圧シリンダ20、20
から押し出された作動油は、やはり上記制御弁21を含
む油圧配管(一部図示せず)を通じて、油溜27に戻さ
れる。
トン26の変位は、カム28、リンク29を介して上記
スプール24に伝達され、このスプール24を軸方向に
変位させる。この結果、上記駆動ピストン26が所定量
変位した状態で、上記制御弁21の流路が閉じられ、上
記各油圧シリンダ20、20への圧油の給排が停止され
る。従って、上記各トラニオン7、7の軸方向に亙る変
位量は、上記制御モータ25によるスリーブ23の変位
量に応じただけのものとなる。
用するトロイダル型無段変速装置の場合、各トラニオン
7、7には、これら各トラニオン7、7の内側面に支持
したパワーローラ9、9の周面9a、9aと、入力側、
出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aとの当接部
(動力伝達の為のトラクション部)から、この当接部の
接線方向に亙る大きな力(接線力)が加わる。この接線
力に拘らず、各枢軸6、6の軸方向に亙る上記各トラニ
オン7、7の位置決め精度を確保する為には、これら各
トラニオン7、7を変位させる為のアクチュエータ1
7、17として大径のものを使用しなければならない。
大径化すると、これら各アクチュエータ17、17の設
置スペースが嵩む。本発明の対象となるトロイダル型無
段変速機を組み込む自動車用自動変速装置の場合、自動
車の床下の限られた空間に組み込む必要があり、設置ス
ペースが嵩む事は好ましくない。特に、前述の図9に示
す様な、1組の入力側ディスク2と出力側ディスク4と
の間に3個のパワーローラ9、9を配置する構造の場合
には、トロイダル型無段変速機により伝達すべきトルク
が大きくなり、上記接線力が大きくなると、上記各アク
チュエータ17、17の配置が相当に困難になる。本発
明のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑み
て、アクチュエータとして小型のものを使用可能にし、
限られた設置スペースに組み込む為の設計が容易な構造
を実現すべく発明したものである。
段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と
同様に、回転自在に支持された入力側ディスクと、その
内側面をこの入力側ディスクの内側面に対向させた状態
でこの入力側ディスクと同心に配置された出力側ディス
クと、これら入力側ディスクと出力側ディスクとの間に
設けられ、これら両ディスクの中心軸に対し捻れの位置
にある枢軸を中心として揺動する複数のトラニオンと、
これら各トラニオンの内側面から突出した複数の変位軸
と、これら各変位軸に回転自在に支持された状態で、上
記入力側ディスクと出力側ディスクとの内側面同士の間
に挟持された複数のパワーローラとを備える。
於いては、上記各トラニオンの周囲に設けられた支持フ
レームと、支持軸によりこの支持フレームにそれぞれの
外側面中間部を枢支された、上記各トラニオンと同数の
揺動フレームと、これら各揺動フレームを揺動変位させ
る為のアクチュエータとを備える。そして、上記各トラ
ニオンの両端部に設けた上記各枢軸を、上記各揺動フレ
ームの両端部内側面に回転自在に支持している。
変速機が入力側ディスクから出力側ディスクに、複数の
パワーローラを介して動力の伝達を行なう作用は、前述
した従来のトロイダル型無段変速機の場合と同様であ
る。本発明のトロイダル型変速機では、上記入力側ディ
スクと上記出力側ディスクとの間の変速比を変える場合
には、各揺動フレームを同期して、それぞれ支持軸を中
心に揺動変位させる。この揺動変位に伴って、これら各
揺動フレームの内側面に設けた各トラニオンが、上記各
支持軸を中心に円弧運動し、これら各トラニオンの内側
面に支持したパワーローラが、これら各トラニオンの両
端部に設けた枢軸のほぼ軸方向に亙り変位する。そし
て、この変位に基づいて、前述した従来のトロイダル型
無段変速機の場合と同様に、上記各トラニオンが上記各
枢軸を中心に揺動変位して、上記変速比を変える。本発
明のトロイダル型無段変速機の場合には、上記各揺動フ
レームを介して上記各トラニオンを上記各枢軸の軸方向
に亙り変位させるので、これら各トラニオンを直接変位
させる場合に比べて、上記各トラニオンの長さ方向に関
して、各パワーローラの周面と各ディスクの内側面との
接触点から上記支持軸までの長さよりも、この支持軸か
らアクチュエータまでの長さを十分に大きく設計でき
て、接線力に基づく力が各アクチュエータに加わる程度
を小さくできる。この為、これら各アクチュエータを小
型化して、限られた空間への設置を可能にする為の設計
が容易になる。
の1例を示している。尚、図示の例は、本発明のトロイ
ダル型無段変速機30を、乗用車用としては大型で大き
なトルクを発生するエンジンを組み込んだ四輪駆動車用
の自動変速装置の変速ユニットとして利用する場合に就
いて示している。この為、上記トロイダル型無段変速機
30を構成する第一入力側ディスク31と第一出力側デ
ィスク32との間に3個の第一パワーローラ33、33
を、第二入力側ディスク34と第二出力側ディスク35
との間に3個の第二パワーローラ36を、それぞれ設け
て、合計6個のパワーローラ33、36により、動力の
伝達を行なう様に構成している。
達方向に関して最も前段部には、発進クラッチであるト
ルクコンバータ37を設け、このトルクコンバータ37
の出力部に、上記トロイダル型無段変速機30を構成す
る入力軸11の前半部11aを組み込んでいる。図示し
ない走行用エンジンの回転に伴ってこの前半部11a
は、上記トルクコンバータ37により回転駆動される。
そして、この前半部11aの後端部に上記入力軸11の
後半部11bを、1対のラジアルニードル軸受38a、
38bを介して、互いに同心に且つ相対回転自在に支持
している。
との間に、前進と後退とを切り換える為の前後進切り換
えユニット39を、動力の伝達方向に関して直列に設け
ている。遊星歯車機構である、この前後進切り換えユニ
ット39は、それぞれが湿式多板クラッチである前進用
クラッチ40と後退用クラッチ41とを選択して切り換
える事により、前進状態と交代状態とを切り換える。
尚、遊星歯車機構を使用した前後進切り換えユニット3
9の構造及び作用は、従来から周知であり、又、本発明
の要旨とも関係しない為、詳しい説明は省略する。
進切り換えユニット39の後側には、本発明の対象であ
るトロイダル型無段変速機30を設けている。そして、
このトロイダル型無段変速機30の入力部、即ち、上記
前後進切り換えユニット39の出力部につながる部分
と、出力部、即ち、前輪用駆動軸42及び後輪用駆動軸
43につながる部分との間の変速比を連続的に変化させ
る様にしている。このトロイダル型無段変速機30は、
上記後半部11bの周囲に設けている。即ち、この後半
部11bの前後両端部近傍に第一、第二両入力側ディス
ク31、34を、それぞれが断面円弧状の凹面である内
側面2a、2a同士を対向させた状態で、互いに同心に
且つ互いに同期した回転自在に支持している。この為に
図示の例では、前側(図1の左側)に設けた第一入力側
ディスク31を、前記前後進切り換えユニット39であ
る遊星歯車機構を構成するキャリア89の基端部にスプ
ライン係合させると共に、前側への移動を阻止してい
る。これに対して、後側(図1の右側)に設けた第二入
力側ディスク34は、上記後半部11bの後端部に、ボ
ールスプライン90を介して支持している。そして、油
圧式のローディング装置44により、上記第二入力側デ
ィスク34を上記第一入力側ディスク31に向け、押圧
自在としている。
は、小径で大きな押圧力を発生させるべく、1対の油圧
シリンダ45a、45b及び油圧ピストン46a、46
bを、軸方向に亙り互いに直列に、力の伝達方向に関し
て互いに並列に、それぞれ設けている。即ち、押圧力の
発生時には、1対の油圧室47a、47b内に圧油を導
入する。すると、一方(図1の右方)の油圧室47aへ
の油圧導入に伴って上記第二入力側ディスク34が、シ
リンダ筒48を介して上記第一入力側ディスク31に向
け押圧される。同時に、他方(図1の左方)の油圧室4
7bへの油圧導入に伴って上記第二入力側ディスク34
が、直接上記第一入力側ディスク31に向け押圧され
る。上記両油圧室47a、47b内への圧油導入に伴う
力は、足し合わされた状態で上記第二入力側ディスク3
4に加わる。従って上記ローディング装置44は、小径
で大きな押圧力を発生する。尚、上記他方の油圧室47
b内には、皿板ばね等の予圧ばね49を設けて、上記両
油圧室47a、47b内に油圧を導入していない状態で
も、前記各ディスク31、32、34、35の内側面2
a、4aと前記各パワーローラ33、36の周面9a、
9aとの当接部の面圧を、最低限確保できる様にしてい
る。
持筒50を、この後半部11bと同心に設けている。こ
の支持筒50は、ステー56、56の内径側端部によ
り、その両端部を支持固定している。尚、これら各ステ
ー56、56は、後述する支持環51、51にそれぞれ
の外径側端部を支持固定して、やはり後述する第一、第
二各揺動フレーム52、53を揺動自在に支持する為の
第一、第二各支持フレーム54、55を構成する。又、
上記後半部11bの中間部外周面と上記支持筒50の両
端部内周面との間には、それぞれラジアルニードル軸受
57、57を設けて、上記後半部11bを上記支持筒5
0の内側に、回転及び軸方向に亙る変位自在に支持して
いる。
は、前記第一、第二両出力側ディスク32、35を、そ
れぞれラジアルニードル軸受58、58により、回転及
び軸方向に亙る変位自在に支持している。又、上記第
一、第二両出力側ディスク32、35の互いに対向する
端面同士の間には、スラストニードル軸受59を設け
て、これら両出力側ディスク32、35同士の間に加わ
るスラスト荷重を支承しつつ、これら両出力側ディスク
32、35同士の相対回転を自在としている。
側には第一出力歯車60を固定し、この第一出力歯車6
0と前記前輪用駆動軸42とを、前輪用従動歯車62を
介して結合し、上記第一出力側ディスク32により上記
前輪用駆動軸42を回転駆動自在としている。又、この
前輪用駆動軸42の回転を、前輪用デファレンシャルギ
ヤ63を介して、図示しない前輪に伝達自在としてい
る。
面側には第二出力歯車64を固定し、この第二出力歯車
64と前記後輪用駆動軸43とを、後輪用従動歯車65
を介して結合し、上記第二出力側ディスク35により上
記後輪用駆動軸43を回転駆動自在としている。又、こ
の後輪用駆動軸43の回転を、図示しない後輪用デファ
レンシャルギヤを介して、やはり図示しない後輪に伝達
自在としている。上記前輪用駆動軸42の中心軸と上記
後輪用駆動軸43の中心軸とは互いに不一致にしてい
る。そして、これら両駆動軸42、43の配置を、スペ
ース効率を考慮して、最適に選択できる様にしている。
2aと上記第一出力側ディスク32の内側面4aとの間
には前記3個の第一パワーローラ33、33を、前記第
二入力側ディスク34の内側面2aと上記第二出力側デ
ィスク35の内側面4aとの間には前記3個の第二パワ
ーローラ36を、それぞれ挟持している。これら第一、
第二各パワーローラ33、36は、それぞれ第一、第二
各トラニオン66、67の内側面に回転自在に支持して
いる。これら第一、第二各トラニオン66、67は、そ
れぞれの両端部に互いに同心に設けた、上記各ディスク
31、32、34、35の中心軸と交差する事はない
が、これら各ディスク31、32、34、35の中心軸
の方向に対して直角若しくは直角に近い方向となる捻れ
の位置に存在する第一、第二各枢軸68(第二枢軸は図
示せず)を中心に揺動する。又、上記第一、第二各トラ
ニオン66、67は、それぞれ第一、第二各揺動フレー
ム52、53の両端部に、ラジアルニードル軸受69、
69により、揺動変位自在に支持している。
2、53の中間部を前記第一、第二各支持フレーム5
4、55を構成する前記各支持環51、51同士の間
に、各ディスク31、32、34、35の中心軸に対し
平行な支持軸70、70を中心とする揺動変位自在に支
持している。上記第一、第二各支持フレーム54、55
は、互いに平行に配置されたそれぞれ1対ずつの支持環
51、51を、前記ステー56を構成する3本の支持腕
部71、71の外径側端部を介して互いに結合して成
る。上記各支持軸70、70は、上記各支持環51、5
1の円周方向に関して、上記各支持腕部71、71の中
間位置で、上記第一、第二各支持フレーム54、55を
構成する1対ずつの支持環51、51同士の間に掛け渡
している。従って、上記第一、第二各揺動フレーム5
2、53は、円周方向に隣り合う支持腕部71、71同
士の間に、揺動自在に支持されている。尚、上記各支持
軸70、70の外周面と上記各揺動フレーム52、53
に形成した支持孔の内周面との間には、ニードル軸受等
のラジアル軸受を設けている。又、上記各揺動フレーム
52、53の両側面と上記各支持環51、51の側面と
の間には、ニードル軸受等のスラスト軸受を設けてい
る。従って、上記各揺動フレーム52、53の揺動は、
外力が作用しない限り、軽い力で円滑に行なわれる。
2、53を、これら各揺動フレーム52、53の両端部
と上記各支持環51、51との間に設けた、請求項に記
載したアクチュエータである油圧シリンダ72a、72
bにより、揺動変位自在としている。これら各油圧シリ
ンダ72a、72bは、それぞれ上記各支持環51、5
1の一部で上記各揺動フレーム52、53の両端部に整
合する位置に設けている。一方、上記第一、第二各揺動
フレーム52、53の両端部で、上記各油圧シリンダ7
2a、72bに整合する部分にはロッド73a、73b
を、上記各支持軸70、70と平行に、上記第一、第二
各揺動フレーム52、53の両端部を貫通する状態で支
持固定している。そして、上記各油圧シリンダ72a、
72bに嵌装したピストン74a、74bと、上記各ロ
ッド73a、73bを係合させている。
線運動と上記第一、第二各揺動フレーム52、53の両
端部の円弧運動との相違に拘らず、上記各ピストン74
a、74bによりこれら第一、第二各揺動フレーム5
2、53を揺動変位自在とする為、上記各ロッド73
a、73bはこれら第一、第二各揺動フレーム52、5
3の両端部に、上記各ピストン74a、74bの移動方
向に対し直角方向に亙る若干の変位自在に支持してい
る。図示の例では、上記各ロッド73a、73bの両端
部を、それぞれ支持環51、51に形成した、これら各
支持環51、51の直径方向に長い長孔83、83に遊
合させているが、これら各長孔83、83の幅を上記各
ロッド73a、73bの外径よりも大きくして、上記直
角方向に亙る変位を自在としている。
3毎に2対ずつ(各揺動フレーム毎に4個ずつ、トロイ
ダル型無段変速機30全体として合計24個)設けた油
圧シリンダ72a、72bのうちの、上記各揺動フレー
ム52、53の長さ方向一端側に設けた一方の油圧シリ
ンダ72a(72b)を伸長させると共に他方の油圧シ
リンダ72b(72a)を収縮させて、上記各揺動フレ
ーム52、53を所定方向に所定量だけ揺動変位させ
る。
記第一、第二各トラニオン66、67の揺動角度は、上
記各油圧シリンダ72a、72b内への油圧の給排量に
基づいて同期させる他、同期ケーブル75、75(図3
参照。他の図面には省略。)により機械的にも同期させ
ている。この為に、上記第一、第二各トラニオン66、
67の両端部にはそれぞれ同期プーリ76、76を、上
記第一、第二各枢軸68と同心に支持固定している。そ
して、円周方向に隣り合う第一、第二各トラニオン6
6、67の両端部に固定した同期プーリ76、76同士
の間に、上記同期ケーブル75、75をほぼ緩みなく
(僅かな緩みだけで)、襷掛けに掛け渡している。これ
ら各ケーブル75、75の中間部の交差部分は、前記ス
テー56、56の支持腕部71、71の中間部に支持し
た転がり軸受77、77(図3参照。他の図面には省
略。)の外輪の外周面により案内している。
の圧油の給排を制御する為の制御弁21aは、前記各支
持環51、51に支持している。上記各油圧シリンダ7
2a、72bへの圧油の給排により上記各揺動フレーム
52、53が揺動変位すると、これら各揺動フレーム5
2、53に支持したトラニオン66、67の外側面に設
けたカム面78が、上記制御弁21aに付属のプランジ
ャ79を介してこの制御弁21aのスプール24aを変
位させ、上記制御弁21aの切り換えを行なう。尚、上
記カム面78は、上記各トラニオン66、67と別体の
カム板を、これら各トラニオン66、67の外側面に添
接する事で構成しても良い。又、上記カム面78を上記
各トラニオン66、67に一体に形成する場合には、こ
れら各トラニオン66、67の繰り返しの揺動変位に拘
らず、上記カム面78が摩耗するのを防止する為、この
カム面78を熱処理により、例えば HRC40以上に硬化
させておく。又、上記プランジャ79の先端面が上記カ
ム面78をこじり、摩耗を促進するのを防止する為、こ
の先端面を球面状に加工したり、或はこの先端面に鋼球
を、打ち込み等により固定する事が好ましい。又、上記
スプール24aの軸方向に亙る変位を円滑に行なわせる
様にする為、このスプール24aは、転がり軸受或は滑
り軸受等の直動軸受により案内する事が好ましい。
aを構成するスリーブ23aは、変速時には所望の変速
比を実現できる様に、制御モータ25aにより、所定位
置に変位させておく。この様な制御弁21a及び制御モ
ータ25aは、前記第一入力側ディスク31及び第一出
力側ディスク32を含んで構成する第一キャビティ80
側に1個、前記第二入力側ディスク34及び第二出力側
ディスク35を含んで構成する第二キャビティ81側に
1個、トロイダル型無段変速機30全体で2個設けてい
る。そして、第一キャビティ80側の制御モータ25a
によりこの第一キャビティ80側の制御弁21aを、第
二キャビティ81側の制御モータ25aによりこの第二
キャビティ81側の制御弁21aを、マイクロコンピュ
ータを内蔵した図示しない制御器からの指令信号に基づ
き、互いに同期して(直進状態の場合)、或は互いに独
立して(旋回状態の場合)制御する。
油圧シリンダ72a、72bへの圧油の給排に基づき、
上記第一、第二各揺動フレーム52、53が、前記各支
持軸70、70を中心に、所定方向に所定量だけ揺動変
位する。この結果、これら各揺動フレーム52、53に
支持された上記第一、第二各トラニオン66、67が、
ほぼ上記第一、第二枢軸68の軸方向に変位(実際に
は、上記各支持軸70、70を中心とする円弧運動)す
る。そして、前述の図7〜8に示した従来構造の場合と
同様に、前記各パワーローラ33、36の周面9a、9
aと上記各ディスク31、32、34、35の内側面2
a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが
変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記第
一、第二各トラニオン66、67が、上記第一、第二各
揺動フレーム52、53に枢支された第一、第二各枢軸
68を中心として、互いに逆方向に揺動し、前述の図5
〜6に示した様に、上記第一、第二各パワーローラ3
3、36の周面9a、9aと上記各内側面2a、4aと
の当接位置が変化して、第一、第二各入力側ディスク3
1、34と第一、第二各出力側ディスク32、35との
間の回転速度比が変化する。
を揺動変位させる為の、上記各油圧シリンダ72a、7
2bは、これら各揺動フレーム52、53の両端部で上
記各支持軸70、70から離れた部分に存在するので、
上記各油圧シリンダ72a、72bの径を特に大きくし
なくても、上記第一、第二各パワーローラ33、36の
周面9a、9aと、上記第一、第二各入力側ディスク3
1、34並びに上記第一、第二各出力側ディスク32、
35の内側面2a、4aとの当接部から、上記第一、第
二各トラニオン66、67に加わる接線力に対し十分に
対抗できる。即ち、上記各支持軸70、70から上記各
面9a、2a、4a同士の当接部までの距離に比べて、
これら各支持軸70、70から上記各油圧シリンダ72
a、72bまでの距離が大きい。この為、梃子の原理に
よって、これら各油圧シリンダ72a、72bの容量に
より定まる力以上の力を、上記第一、第二各トラニオン
66、67に加える事ができて、その分、上記各油圧シ
リンダ72a、72bの小径化を図れる。しかも、図示
の例では、これら各油圧シリンダ72a、72bを、上
記第一、第二各揺動フレーム52、53の端部毎に2個
ずつ設けているので、上記各油圧シリンダ72a、72
bの小径化をより大幅に図れる。
3、36の回転支持部への潤滑油供給を、前記各支持軸
70、70及び上記第一、第二各揺動フレーム52、5
3を介して行ない、フレキシブルジョイント等の複雑な
部材を不要にしている。即ち、トロイダル型無段変速機
の運転時に上記各パワーローラ33、36は、大きな荷
重を受けつつ高速回転する。この為、上記各パワーロー
ラ33、36の回転支持部への潤滑油供給は安定して行
なう必要があるが、本発明の構造の場合には、従来構造
のままでは、上記各パワーローラ33、36の回転支持
部への潤滑油供給を行なえない。フレキシブルジョイン
トを使用すればこれら各回転支持部への潤滑油供給が可
能ではあるが、コストが嵩むだけでなく、長期間に亙る
信頼性確保が難しい。
揺動フレーム52、53を第一、第二各支持フレーム5
4、55に支持する為の支持軸70、70内に、送油ポ
ンプ等の潤滑油の供給源に通じる第一潤滑油流路84、
84を設けている。又、上記第一、第二各揺動フレーム
52、53内に、これら第一、第二各揺動フレーム5
2、53の揺動変位に拘らず、それぞれの上流側端部を
上記各第一潤滑油流路84、84の下流端に通じさせる
第二潤滑油流路85、85を設けている。更に、前記第
一、第二各トラニオン66、67内に設けた第三潤滑油
流路86、86の上流端を、それぞれ上記各第二潤滑油
流路85、85の下流端に通じさせている。この為に図
示の例では、上記第一、第二各揺動フレーム52、53
の両端部に固定した抑え駒87、87内に潤滑油流路を
設けて、上記各第二潤滑油流路85、85の下流端と、
上記各第三潤滑油流路86、86の上流端とを連通させ
ている。そして、これら各第三潤滑油流路86、86の
下流端から吐出される潤滑油を、上記各パワーローラ3
3、36を回転自在に支持しているスラスト玉軸受14
a、14a、並びに変位軸8a、8aを支持しているラ
ジアルニードル軸受88、88等の軸受に供給自在とし
ている。尚、上記第一、第二、第三各潤滑油流路84、
85、86には、必要に応じ絞り等の流量調整手段を設
けて、各部に送られる潤滑油の量を最適値に規制する。
ニオン66、67に対して上記第一、第二各パワーロー
ラ33、36を支持する為の変位軸8a、8aを、基半
部と先半部とを特に偏心させない、直線状のものを使用
している。代わりに、上記各変位軸8a、8aの先端部
を、スラスト玉軸受14a、14aを構成する外輪16
a、16aの中心から外れた位置に内嵌させている。こ
れら各スラスト玉軸受14a、14aを潤滑する為の潤
滑油は、上記各変位軸8a、8aの中心部に設けた潤滑
油流路、並びに上記各外輪16a、16aの一部に形成
した潤滑油流路を通じて供給する。又、上記第一、第二
各パワーローラ33、36は、貫通孔を持たない丸鉢状
に形成し、上記スラスト玉軸受14a、14aに接触角
を持たせる(アンギュラコンタクトとする)事で、上記
スラスト玉軸受14a、14aに加わるスラスト荷重の
他、ラジアル荷重も支承自在としている。この様な構造
によっても、上記第一、第二各パワーローラ33、36
を所定位置に回転自在に、且つ上記各ディスク31、3
2、34、35の軸方向に亙る若干の変位自在に支持で
きる。尚、上記第一、第二各パワーローラ33、36を
支持する部分の構造は、本発明の要旨ではない。この部
分の構造は、図示の例に限らず、前述の図7〜9に示し
た従来構造と同様に構成しても良い。
ロイダル型無段変速装置の運転時には、前記入力軸11
の後半部11bと共に互いに同期して回転する第一、第
二両入力側ディスク31、34のうち、第一入力側ディ
スク31から上記各第一パワーローラ33、33を介し
て前記第一出力側ディスク32に伝わった動力により、
前記前輪用駆動軸42を回転駆動する。又、第二入力側
ディスク34から上記各第二パワーローラ36を介して
前記第二出力側ディスク35に伝わった動力により、後
輪用駆動軸43を回転駆動する。
4と上記第一、第二両出力側ディスク32、35との間
の伝達効率を確保すべく、これら各ディスク31、3
2、34、35の内側面2a、4aと上記第一、第二各
パワーローラ33、36の周面9a、9aとの当接部の
面圧は、前記油圧式のローディング装置44を構成する
各油圧室47a、47bに導入する油圧を変える事によ
り、容易に調整できる。フルタイム4WD車用の変速装
置の場合、走行条件により、前輪に分配するトルクと後
輪に分配するトルクとが異なる場合が生じるが、本例の
場合には、上記面圧の調整を上記油圧式のローディング
装置44により行なう為、条件に応じて最適の面圧の付
与を行なえる。
輪の回転速度とを一致させるべく、上記前輪用駆動軸4
2の回転速度と上記後輪用駆動軸43の回転速度とを一
致させる際には、前記各油圧シリンダ72a、72bへ
の圧油の給排に基づく、前記支持軸70、70を中心と
する前記第一、第二各揺動フレーム52、53の揺動角
度、並びにこれら各揺動フレーム52、53に支持し
た、前記第一、第二各枢軸68を中心とする第一、第二
各トラニオン66、67の傾斜角度を一致させる。そし
て、上記第一入力側ディスク31と上記第一出力側ディ
スク32との間の変速比と、上記第二入力側ディスク3
4と上記第二出力側ディスク35との間の変速比とを一
致させる。
前輪の回転速度に比べて上記後輪の回転速度を遅くすべ
く、上記前輪用駆動軸42の回転速度に比べて上記後輪
用駆動軸43の回転速度を遅くする際には、上記各第一
トラニオン66、66の傾斜角度と、上記各第二トラニ
オン67の傾斜角度を異ならせる。具体的には、上記第
一入力側ディスク31と上記第一出力側ディスク32と
の間の減速比に比べて、上記第二入力側ディスク34と
上記第二出力側ディスク35との間の減速比を大きくす
る。この結果、センターデフを設けなくても、前輪及び
後輪と路面との間に過大な滑りを発生する事なく、自動
車の運行を安定して行なわせる事ができる。
運転時に、第一、第二各パワーローラ33、36から第
一、第二各トラニオン66、67を介して第一、第二揺
動フレーム52、53には、前記各ディスク31、3
2、34、35の直径方向外方に向く、大きな荷重が加
わる。これらの荷重は、前記各支持軸70、70から、
前記第一、第二各支持フレーム54、55を構成する支
持環51、51に伝わり、これら各支持環51、51内
で相殺される。従って、これら各支持環51、51の剛
性を確保さえすれば、トロイダル型無段変速機を収納す
るケーシングの剛性及び強度を、徒に高くする必要はな
く、トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図れる。
ビティ80、81を構成する、それぞれ1個ずつの第
一、第二支持フレーム54、55と、これら第一、第二
各支持フレーム54、55に支持されるそれぞれ3個ず
つの第一、第二各揺動フレーム52、53、第一、第二
各トラニオン66、67、第一、第二各パワーローラ3
3、36を(第二キャビティ81側は、更にローディン
グ装置44も)、互いに非分離に組み合わされたユニッ
トとして取り扱い自在としている。そして、各ユニット
を組み立てた状態で、これら各ユニットの構成各部材同
士の寸法並びに位置関係を測定したり、構成各部材同士
を互いに動かす等して、これら各ユニットを前記トロイ
ダル型無段変速機30として組み立てた場合に、正しく
動くか否かを確認しておく。
3、36の組み付け高さ、前記各ディスク31、32、
34、35の回転中心軸となる部分から、これらディス
ク31、32、34、35と上記各パワーローラ33、
36の周面9a、9aとの当接部となる部分までの距離
等を測定して、組立状態で当接部で片当たりや同期不安
定、更にはグロススリップが発生しない様にする。又、
各揺動変位部分の揺動変位が円滑に行なわれるか否か、
前記各同期ケーブル75、75の緩みが適正か否か、前
記各油圧シリンダ72a、72bは油漏れ等を生じる事
なく正しく動くか否か、潤滑油の供給通路に目詰まりを
生じていないかどうか等をチェックする。この様に、上
記トロイダル型無段変速機30として組み立てる以前に
各機能をチェックできるので、不具合があった場合の対
応を容易に行なえる。
段変速機を、大型で大きなトルクを発生するエンジンを
組み込んだ四輪駆動車用の自動変速装置用の変速ユニッ
トとして組み込んだ場合に就いて説明した。但し、本発
明のトロイダル型無段変速機は、四輪駆動車用に限ら
ず、一般的な二輪駆動車の為の自動変速装置用の変速ユ
ニットとしても使用できる。この場合には、1対の出力
側ディスクを互いに同期した回転を自在に結合し、これ
ら両出力側ディスクから1本の出力軸に出力を取り出
す。更には、あまり大きなトルクを発生しない、小型の
自動車の為の自動変速装置用の変速ユニットとして使用
する場合には、前述した図5〜8に示した従来構造の様
に、入力側ディスク2と出力側ディスク4とを1個ずつ
設けた、所謂シングルキャビティ型のトロイダル型無段
変速機として構成する事もできる。又、トラクション部
の面圧を確保する為のローディング装置に関しても、例
えば二輪駆動車用の自動変速機を構成する場合には、図
示の様な油圧式のものである必要はなく、前述した従来
構造の様な、機械式に押圧力を発生させる、ローディン
グカム装置でも良い。
用するので、小型で限られた設置空間に組み付け可能
な、トロイダル型無段変速機を組み込んだ自動変速装置
の設計の容易化を図れる。
部に設けた第一枢軸の中心軸を含む平面で切断した状態
で示す断面図。
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
る構造の1例を、一部を切断した状態で示す要部正面
図。
Claims (7)
- 【請求項1】 回転自在に支持された入力側ディスク
と、その内側面をこの入力側ディスクの内側面に対向さ
せた状態でこの入力側ディスクと同心に配置された出力
側ディスクと、これら入力側ディスクと出力側ディスク
との間に設けられ、これら両ディスクの中心軸に対し捻
れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数のトラニ
オンと、これら各トラニオンの内側面から突出した複数
の変位軸と、これら各変位軸に回転自在に支持された状
態で、上記入力側ディスクと出力側ディスクとの内側面
同士の間に挟持された複数のパワーローラとを備えたト
ロイダル型無段変速機に於いて、上記各トラニオンの周
囲に設けられた支持フレームと、支持軸によりこの支持
フレームにそれぞれの外側面中間部を枢支された、上記
各トラニオンと同数の揺動フレームと、これら各揺動フ
レームを揺動変位させる為のアクチュエータとを備え、
上記各トラニオンの両端部に設けた上記各枢軸を、上記
各揺動フレームの両端部内側面に回転自在に支持した事
を特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 【請求項2】 アクチュエータは、各揺動フレーム毎に
それぞれの両端部に配置された油圧シリンダであり、こ
れら油圧シリンダが、上記各揺動フレームの端部を押圧
してこれら各揺動フレームを支持軸を中心に揺動させ
る、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。 - 【請求項3】 各揺動フレームの両端部にそれぞれロッ
ドが、各支持軸と平行に、且つそれぞれの両端部がこれ
ら各揺動フレームの両端部両側面から突出する状態で固
定されており、油圧シリンダは、これら各揺動フレーム
の端部毎に1対ずつ設けられて、それぞれ上記各ロッド
の端部を押圧自在としている、請求項2に記載したトロ
イダル型無段変速機。 - 【請求項4】 各油圧シリンダへの圧油の給排を制御す
る為の制御弁を何れかの揺動フレームの周囲に配置する
と共に、当該揺動フレームに支持したトラニオンの外側
面にカム面を形成し、このカム面に弾性的に突き当てた
部材により上記制御弁の切替を行なう、請求項1〜3の
何れかに記載したトロイダル型無段変速機。 - 【請求項5】 各揺動フレームを支持フレームに支持す
る為の支持軸内に、潤滑油の供給源に通じる第一潤滑油
流路を、上記各揺動フレーム内に、これら各揺動フレー
ムの揺動変位に拘らず、それぞれの上流側端部を上記各
第一潤滑油流路の下流端に通じさせる第二潤滑油流路
を、各トラニオン内に、それぞれの上流端をこれら各第
二潤滑油流路の下流端に通じさせる第三潤滑油流路を、
それぞれ形成し、これら各第三潤滑油流路の下流端から
吐出される潤滑油を、各パワーローラを回転自在に支持
している軸受に供給自在とした、請求項1〜4の何れか
に記載したトロイダル型無段変速機。 - 【請求項6】 円周方向に隣り合うトラニオンの、各枢
軸を中心とする揺動角度を互いに一致させると共に、各
揺動フレームの揺動角度を互いに一致させる為、これら
各トラニオンの端部にそれぞれの一部を係止し、それぞ
れの中間部を交差させて襷掛けとした同期ケーブルを設
けると共に、これら各同期ケーブルの中間部を転がり軸
受により案内する、請求項1〜5の何れかに記載したト
ロイダル型無段変速機。 - 【請求項7】 1個の支持フレームと、この支持フレー
ムに支持されるそれぞれ複数個ずつの揺動フレーム及び
トラニオン及びパワーローラとを、互いに非分離に組み
合わされたユニットとして取扱自在とした、請求項1〜
6の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
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