JP2003021209A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

Info

Publication number
JP2003021209A
JP2003021209A JP2001207747A JP2001207747A JP2003021209A JP 2003021209 A JP2003021209 A JP 2003021209A JP 2001207747 A JP2001207747 A JP 2001207747A JP 2001207747 A JP2001207747 A JP 2001207747A JP 2003021209 A JP2003021209 A JP 2003021209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
continuously variable
power
variable transmission
input
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001207747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003021209A5 (ja
Inventor
Hiroshi Ishikawa
宏史 石川
Takashi Imanishi
尚 今西
Shinji Miyata
慎司 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001207747A priority Critical patent/JP2003021209A/ja
Publication of JP2003021209A publication Critical patent/JP2003021209A/ja
Publication of JP2003021209A5 publication Critical patent/JP2003021209A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型且つ軽量に構成でき、しかも変速動作を
安定させて、入力側、出力側各ディスク2、4の内側面
と各パワーローラ9、9の周面9a、9aとの転がり疲
れ寿命の確保を図る。 【解決手段】 出力側ディスク4と共に回転する出力歯
車12と、伝達軸59の端部に設けた歯車58とを噛合
させて、動力伝達手段を構成する。この伝達軸59の端
部外周面と歯車58の内周面との間に一方向クラッチ6
0を設ける。この一方向クラッチ60は、上記出力歯車
12が正規方向に回転する場合には接続されて、この出
力歯車12の回転を上記歯車58を介して上記伝達軸5
9に伝達する。これに対して、この伝達軸59が逆方向
に回転する場合には接続を断たれて、この回転が上記出
力歯車12を介して上記出力側ディスク4に伝わる事を
防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る無段変速装置は、
自動車用の自動変速機として利用する。特に本発明は、
入力軸と出力軸との間の変速比を変換する為の制御装置
を複雑にする事なく、安定した変速動作を可能にするも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車用の自動変速機として、図4〜5
に略示する様なトロイダル型無段変速機が、一部で実施
されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実
開昭62−71465号公報に開示されている様に、入
力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸
1と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク
4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケ
ーシング5(後述する図7〜8参照)の内側には、上記
入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸
6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設けて
いる。
【0003】これら各トラニオン7、7は、両端部外側
面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に1対ず
つ、互いに同心に設けている。これら各枢軸6、6の中
心軸は、上記各ディスク2、4の中心軸と交差する事は
ないが、これら各ディスク2、4の中心軸の方向に対し
て直角方向若しくは直角に近い方向である、捩れの位置
に存在する。又、上記各トラニオン7、7にそれぞれの
基半部を支持された変位軸8、8の先半部周囲に回転自
在に支持したパワーローラ9、9を、上記入力側、出力
側両ディスク2、4の内側面2a、4a同士の間に挟持
している。
【0004】上記入力側、出力側両ディスク2、4の互
いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い
曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなして
いる。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当
接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2と
の間には、ローディングカム装置等の押圧装置10を設
け、この押圧装置10によって上記入力側ディスク2
を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、回転
駆動自在としている。トロイダル型無段変速機の使用時
には、前記入力軸1の回転に伴って上記押圧装置10が
上記入力側ディスク2を、上記複数のパワーローラ9、
9に押圧しつつ回転させる。そして、この入力側ディス
ク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9を介して
出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に
固定の出力軸3が回転する。
【0005】入力軸1と出力軸3との回転速度を変える
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸6、6を中心として前記各トラニオン
7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周面9a、
9aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面2a
の中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周
寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸8、8を
傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各ト
ラニオン7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周
面9a、9aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内
側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4
aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位
軸8、8を傾斜させる。各変位軸8、8の傾斜角度を図
4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。
【0006】更に、図6〜7は、実願昭63−6929
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは円管状の入力側回転軸11の周囲に、それぞれ回転
自在に支持している。又、この入力側回転軸11の端部
と上記入力側ディスク2との間に、押圧装置10を設け
ている。一方、上記出力側ディスク4には、出力歯車1
2を結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車12と
が同期して回転する様にしている。
【0007】1対のトラニオン7、7の両端部に互いに
同心に設けた枢軸6、6は1対の支持板(ヨーク)1
3、13に、揺動並びに軸方向(図6の表裏方向、図7
の上下方向)の変位自在に支持している。そして、上記
各トラニオン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部
を支持している。これら各変位軸8、8は、基半部と先
半部とを互いに偏心させている。そして、このうちの基
半部を上記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支
持し、それぞれの先半部にパワーローラ9、9を回転自
在に支持している。
【0008】又、上記各パワーローラ9、9の外側面と
上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、こ
れら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラ
スト玉軸受14、14とスラストニードル軸受15、1
5とを設けている。このうちのスラスト玉軸受14、1
4は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向
の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回
転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受15、
15は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト
玉軸受14、14を構成する外輪16、16に加わるス
ラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の先半部
及び上記外輪16、16が、これら各変位軸8、8の基
半部を中心として揺動する事を許容する。更に、上記各
トラニオン7、7は、油圧式のアクチュエータ(油圧シ
リンダ)17、17により、前記各枢軸6、6の軸方向
に変位自在としている。
【0009】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合、入力側回転軸11の回転は押圧装置10を
介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入
力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ9、9を
介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側デ
ィスク4の回転が、出力歯車12より取り出される。入
力側回転軸11と出力歯車12との間の回転速度比を変
える場合には、上記各アクチュエータ17、17により
上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方向に、例
えば、図7の右側のパワーローラ9を同図の下側に、同
図の左側のパワーローラ9を同図の上側に、それぞれ変
位させる。この結果、これら各パワーローラ9、9の周
面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出力側ディス
ク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方
向の力の向きが変化(当接部にサイドスリップが発生)
する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラ
ニオン7、7が、支持板13、13に枢支された枢軸
6、6を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結
果、前述の図4〜5に示した様に、上記各パワーローラ
9、9の周面9a、9aと上記各内側面2a、4aとの
当接位置が変化し、上記入力側回転軸11と出力歯車1
2との間の回転速度比が変化する。
【0010】上記各アクチュエータ17、17への圧油
の給排状態は、1個の制御弁により行ない、何れか1個
のトラニオン7の動きをこの制御弁にフィードバックす
る様にしている。この部分の構造に就いては、例えば特
開平6−257661号公報に記載されて、従来から知
られているが、後述する、従来の具体的構造の第2例を
示す図10により、簡単に説明する。上記圧油の給排状
態を切り換える為の制御弁18は、ステッピングモータ
19により軸方向(図10の左右方向)に変位させられ
るスリーブ20と、このスリーブ20の内径側に軸方向
の変位自在に嵌装されたスプール21とを有する。上記
何れか1個のトラニオン7に付属のロッド22の端部に
はプリセスカム23を固定しており、このプリセスカム
23とリンク腕24とを介して、上記ロッド22の動き
を上記スプール21に伝達する、フィードバック機構を
構成している。
【0011】変速状態を切り換える際には、上記ステッ
ピングモータ19により上記スリーブ20を、所定量だ
け変位させて、上記制御弁18の流路を開く。この結
果、上記各アクチュエータ17、17に圧油が、所定方
向に送り込まれて、これら各アクチュエータ17、17
が上記各トラニオン7、7を所定方向に変位させる。即
ち、上記圧油の送り込みに伴ってこれら各トラニオン
7、7が、前記各枢軸6、6の軸方向に変位しつつ、こ
れら各枢軸6、6を中心に揺動する。そして、上記何れ
か1個のトラニオン7の動き(軸方向及び揺動変位)
が、上記ロッド22の端部に固定したプリセスカム23
とリンク腕24とを介して上記スプール21に伝達さ
れ、このスプール21を軸方向に変位させる。この結
果、上記トラニオン7が所定量変位した状態で、上記制
御弁18の流路が閉じられ、上記各アクチュエータ1
7、17への圧油の給排が停止される。従って、上記各
トラニオン7、7の軸方向及び揺動方向の変位量は、上
記ステッピングモータ19によるスリーブ20の変位量
に応じただけのものとなる。
【0012】尚、トロイダル型無段変速機による動力伝
達時には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワ
ーローラ9、9が上記入力側回転軸11(図6、7)の
軸方向に変位する。そして、これら各パワーローラ9、
9を支持した前記各変位軸8、8が、それぞれの基半部
を中心として僅かに回動する。この回動の結果、上記各
スラスト玉軸受14、14の外輪16、16の外側面と
上記各トラニオン7、7の内側面とが相対変位する。こ
れら外側面と内側面との間には、前記各スラストニード
ル軸受15、15が存在する為、この相対変位に要する
力は小さい。
【0013】更に、伝達可能なトルクを増大すべく、図
8〜10に示す様に、入力側回転軸11aの周囲に入力
側ディスク2A、2Bと出力側ディスク4、4とを2個
ずつ設け、これら2個ずつの入力側ディスク2A、2B
と出力側ディスク4、4とを動力の伝達方向に関して互
いに並列に配置する、所謂ダブルキャビティ型の構造
も、従来から知られている。この図8〜10に示した構
造は、上記入力側回転軸11aの中間部周囲に出力歯車
12aを、この入力側回転軸11aに対する回転を自在
として支持し、この出力歯車12aの中心部に設けた円
筒部の両端部に上記各出力側ディスク4、4を、スプラ
イン係合させている。又、上記各入力側ディスク2A、
2Bは、上記入力側回転軸11aの両端部に、この入力
側回転軸11aと同期した回転自在に支持している。こ
の入力側回転軸11aは、駆動軸25により、ローディ
ングカム式の押圧装置10を介して回転駆動する。
【0014】上述の様なダブルキャビティ型のトロイダ
ル型無段変速機の場合には、入力側回転軸11aから出
力歯車12aへの動力の伝達を、一方の入力側ディスク
2Aと出力側ディスク4との間と、他方の入力側ディス
ク2Bと出力側ディスク4との間との、2系統に分けて
行なうので、大きな動力の伝達を行なえる。尚、この様
なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の場合
も、変速時には油圧式のアクチュエータ17、17(図
7参照)により、トラニオン7、7を枢軸6、6の軸方
向に変位させる。
【0015】上述の様に構成され作用するトロイダル型
無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場
合、遊星歯車装置と組み合わせて無段変速装置を構成す
る事が、特開平1−169169号公報、同1−302
266号公報、同10−196759号公報、同11−
63146号公報等に記載されている様に、従来から提
案されている。即ち、低速走行時にはエンジンの駆動力
をトロイダル型無段変速機のみで伝達し、高速走行時に
は上記駆動力を遊星歯車装置で伝達する事により、高速
走行時に上記トロイダル型無段変速機に加わるトルクの
低減を図る様にしている。この様に構成する事により、
上記トロイダル型無段変速機の構成各部材の耐久性を向
上させる事ができる。
【0016】図11は、上記各公報のうちの特開平10
−196759号公報に記載された無段変速装置を示し
ている。この無段変速装置は、駆動源であるエンジン2
6のクランクシャフト27の出力側端部(図11の右端
部)と入力軸28の入力側端部(図11の左端部)との
間に発進クラッチ29を設けている。又、上記入力軸2
8の回転に基づく動力を取り出す為の出力軸30を、こ
の入力軸28と平行に配置している。そして、この入力
軸28の周囲にトロイダル型無段変速機31を、上記出
力軸30の周囲に遊星歯車装置32を、それぞれ設けて
いる。
【0017】上記トロイダル型無段変速機31の押圧装
置10を構成するカム板33は、上記入力軸28の中間
部で出力側端部寄り(図11の右寄り)部分に固定して
いる。又、入力側ディスク2と出力側ディスク4とは、
上記入力軸28の周囲に、ニードル軸受等、図示しない
軸受により、この入力軸28に対し、互いに独立した回
転を自在に支持している。そして、上記カム板33と入
力側ディスク2とにより、上記押圧装置10を構成して
いる。従って、上記入力側ディスク2は上記入力軸28
の回転に伴い、上記出力側ディスク4に向け押圧されつ
つ回転する。又、上記入力側ディスク2の内側面2aと
上記出力側ディスク4の内側面4aとの間に複数個のパ
ワーローラ9、9を挟持して、前述の図6〜7に示した
如きトロイダル型無段変速機31を構成している。尚、
このトロイダル型無段変速機31は、図11及び図6〜
7に示したシングルキャビティ型のものに限らず、前述
した図8〜10に示す様なダブルキャビティ型のもので
も良い。ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機
を組み込んだ無段変速装置は、前記特開平11−631
46号公報等に記載されている。
【0018】又、上記遊星歯車装置32を構成する太陽
歯車34は、前記出力軸30の入力側端部(図11の右
端部)に固定している。従ってこの出力軸30は、上記
太陽歯車34の回転に伴って回転する。この太陽歯車3
4の周囲にはリング歯車35を、上記太陽歯車34と同
心に、且つ回転自在に支持している。そして、このリン
グ歯車35の内周面と上記太陽歯車34の外周面との間
に、複数個(通常は3〜4個)の遊星歯車組36、36
を設けている。図示の例ではこれら各遊星歯車組36、
36は、それぞれ1対ずつの遊星歯車37a、37bを
組み合わせて成る。これら1対ずつの遊星歯車37a、
37bは、互いに噛合すると共に、外径側に配置した遊
星歯車37aを上記リング歯車35に噛合させ、内径側
に配置した遊星歯車37bを上記太陽歯車34に噛合さ
せている。
【0019】この様に各遊星歯車組36、36をそれぞ
れ1対ずつの遊星歯車37a、37bにより構成するの
は、上記リング歯車35と太陽歯車34との回転方向を
一致させる為である。従って、他の構成部分との関係
で、これらリング歯車35と太陽歯車34との回転方向
を一致させる必要がなければ、単一の遊星歯車をこれら
リング歯車35と太陽歯車34との両方に噛合させても
良い。上述の様な遊星歯車組36、36は、キャリア3
8の片側面(図11の右側面)に回転自在に支持してい
る。又、このキャリア38は、前記出力軸30の中間部
に、回転自在に支持している。
【0020】又、上記キャリア38と前記出力側ディス
ク4とを、第一の動力伝達手段39により、回転力の伝
達を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達手
段39は、互いに噛合した第一、第二の歯車40、41
により構成している。従って上記キャリア38は、上記
出力側ディスク4の回転に伴って、この出力側ディスク
4と反対方向に、上記第一、第二の歯車40、41の歯
数に応じた速度で回転する。
【0021】一方、前記入力軸28と上記リング歯車3
5とは、第二の動力伝達手段42により、回転力の伝達
を可能な状態に接続自在としている。この第二の動力伝
達手段42は、第一、第二のスプロケット43、44
と、これら両スプロケット43、44同士の間に掛け渡
したチェン45とにより構成している。即ち、第一のス
プロケット43を上記入力軸28の出力側端部(図11
の右端部)で前記カム板33から突出した部分に固定す
ると共に、第二のスプロケット44を伝達軸46の入力
側端部(図11の右端部)に固定している。従ってこの
伝達軸46は、上記入力軸28の回転に伴って、この入
力軸28と同方向に、上記第一、第二のスプロケット4
3、44の歯数に応じた速度で回転する。
【0022】又、無段変速装置は、請求項3に記載した
モード切換手段を構成するクラッチ機構を備える。この
クラッチ機構は、低速用クラッチ47と、高速用クラッ
チ48と、後退用クラッチ49とから成る。このうちの
低速用クラッチ47は、上記キャリア38と上記リング
歯車35との間に設けている。この様な低速用クラッチ
47は、接続時には、前記遊星歯車装置32を構成する
太陽歯車34とリング歯車35と遊星歯車組36、36
との相対変位を阻止し、これら太陽歯車34とリング歯
車35とを一体的に結合する。又、高速用クラッチ48
は、上記伝達軸46と、上記リング歯車35に支持板5
0を介して固定した中心軸51との間に設けている。更
に、上記後退用クラッチ49は、上記リング歯車35
と、無段変速装置のハウジング(図示省略)等、固定の
部分との間に、後退用クラッチ49を設けている。各ク
ラッチ47〜49は、何れか1個のクラッチが接続され
た場合には、残り2個のクラッチの接続が断たれる。
【0023】更に、図示の例では、前記出力軸30とデ
ファレンシャルギヤ52とを、第三〜第五の歯車53〜
55で構成する第三の動力伝達手段56により接続して
いる。従って、上記出力軸30が回転すると、これら第
三の動力伝達手段56及びデファレンシャルギヤ52を
介して左右1対の車軸57、57が回転し、自動車の駆
動輪を回転駆動させる。
【0024】上述の様に構成する無段変速装置は、先
ず、低速走行時には、上記低速用クラッチ47を接続す
ると共に、上記高速用クラッチ48及び後退用クラッチ
49の接続を断つ。この状態で上記発進クラッチ29を
接続し、前記入力軸28を回転させると、トロイダル型
無段変速機31のみが、この入力軸28から上記出力軸
30に動力を伝達する。この様な低速走行時に、入力
側、出力側両ディスク2、4同士の間の変速比を変える
際の作用は、前述の図6〜7に示したトロイダル型無段
変速機単独の場合と同様である。勿論、この状態では、
上記入力軸28と出力軸30との間の変速比、即ち、無
段変速装置全体としての変速比は、トロイダル型無段変
速機31の変速比に比例する。又、この状態では、この
トロイダル型無段変速機31に入力されるトルクは、上
記入力軸28に加えられるトルクに等しくなる。
【0025】これに対して、高速走行時には、上記高速
用クラッチ48を接続すると共に、上記低速用クラッチ
47及び後退用クラッチ49の接続を断つ。この状態で
上記発進クラッチ29を接続し、上記入力軸28を回転
させると、この入力軸28から上記出力軸30には、前
記第二の動力伝達手段42を構成する第一、第二のスプ
ロケット43、44及びチェン45と前記遊星歯車装置
32とが、動力を伝達する。
【0026】即ち、上記高速走行時に上記入力軸28が
回転すると、この回転は上記第二の動力伝達手段42並
びに高速用クラッチ48を介して中心軸51に伝わり、
この中心軸51を固定したリング歯車35を回転させ
る。そして、このリング歯車35の回転が複数の遊星歯
車組36、36を介して太陽歯車34に伝わり、この太
陽歯車34を固定した上記出力軸30を回転させる。上
記リング歯車35が入力側となった場合に上記遊星歯車
装置32は、上記各遊星歯車組36、36が停止してい
る(太陽歯車34の周囲で公転しない)と仮定すれば、
上記リング歯車35と太陽歯車34との歯数の比に応じ
た変速比で増速を行なう。但し、上記各遊星歯車組3
6、36は上記太陽歯車34の周囲を公転し、無段変速
装置全体としての変速比は、これら各遊星歯車組36、
36の公転速度に応じて変化する。そこで、上記トロイ
ダル型無段変速機31の変速比を変えて、上記遊星歯車
組36、36の公転速度を変えれば、上記無段変速装置
全体としての変速比を調節できる。
【0027】即ち、上記高速走行時に上記各遊星歯車組
36、36が、上記リング歯車35と同方向に公転す
る。そして、これら各遊星歯車組36、36の公転速度
が遅い程、上記太陽歯車34を固定した出力軸30の回
転速度が速くなる。例えば、上記公転速度とリング歯車
35の回転速度(何れも角速度)が同じになれば、上記
リング歯車35と出力軸30の回転速度が同じになる。
これに対して、上記公転速度がリング歯車35の回転速
度よりも遅ければ、上記リング歯車35の回転速度より
も出力軸30の回転速度が速くなる。反対に、上記公転
速度がリング歯車35の回転速度よりも速ければ、上記
リング歯車35の回転速度よりも出力軸30の回転速度
が遅くなる。
【0028】従って、上記高速走行時には、前記トロイ
ダル型無段変速機31の変速比を減速側に変化させる
程、無段変速装置全体の変速比は増速側に変化する。こ
の様な高速走行時の状態では、上記トロイダル型無段変
速機31に、入力側ディスク2からではなく、出力側デ
ィスク4からトルクが加わる(低速時に加わるトルクを
プラスのトルクとした場合にマイナスのトルクが加わ
る)。即ち、前記高速用クラッチ48を接続した状態で
は、前記エンジン26から入力軸28に伝達されたトル
クは、前記押圧装置10が前記入力側ディスク2を押圧
する以前に、前記第二の動力伝達手段42を介して前記
遊星歯車装置32のリング歯車35に伝達される。従っ
て、入力軸28の側から上記押圧装置10を介して入力
側ディスク2に伝達されるトルクは殆どなくなる。
【0029】一方、上記第二の動力伝達手段42を介し
て上記遊星歯車装置32のリング歯車35に伝達された
トルクの一部は、前記各遊星歯車組36、36から、キ
ャリア38及び第一の動力伝達手段39を介して出力側
ディスク4に伝わる。この様に出力側ディスク4からト
ロイダル型無段変速機31に加わるトルクは、無段変速
装置全体の変速比を増速側に変化させるべく、トロイダ
ル型無段変速機31の変速比を減速側に変化させる程小
さくなる。この結果、高速走行時に上記トロイダル型無
段変速機31に入力されるトルクを小さくして、このト
ロイダル型無段変速機31の構成部品の耐久性向上を図
れる。
【0030】更に、自動車を後退させるべく、前記出力
軸30を逆回転させる際には、前記低速用、高速用両ク
ラッチ47、48の接続を断つと共に、前記後退用クラ
ッチ49を接続する。この結果、上記リング歯車35が
固定され、上記各遊星歯車組36、36が、このリング
歯車35並びに前記太陽歯車34と噛合しつつ、この太
陽歯車34の周囲を公転する。そして、この太陽歯車3
4並びにこの太陽歯車34を固定した出力軸30が、前
述した低速走行時並びに上述した高速走行時とは逆方向
に回転する。
【0031】上述の様に構成し作用するトロイダル型無
段変速機を組み込んだ無段変速装置の変速制御を正しく
行なわせる為には、このトロイダル型無段変速機を構成
する入力側、出力側各ディスク及び各パワーローラが所
定方向に回転している事が必要である。これら各ディス
ク及びパワーローラが逆方向に回転すると、これら各デ
ィスクの内側面とパワーローラの周面との間に作用する
接線方向の力の向きとの関係で、前述の図10に示した
様な油圧制御回路が正しく作動しなくなる。上記各ディ
スク及びパワーローラが逆方向に回転した場合にも正確
な変速動作を行なわせる為には、これら各部材が所定方
向に回転する場合の油圧制御回路に加えて、逆方向に回
転する場合の油圧制御回路を設ける必要がある。
【0032】但し、この様に2種類の油圧制御回路を設
置する事は、トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段
変速装置の構造を複雑にして、この無段変速装置の大型
化、重量増大の原因となる。しかも、上記2種類の油圧
制御回路の切り換え動作を高度に関連付けて円滑に行な
わせない限り、変速制御が不安定になるものと考えられ
る。この様な観点から、例えば特開2000−5515
9号公報に記載されている様に、トロイダル型無段変速
機と回転方向変換手段である遊星歯車装置とを組み合わ
せた無段変速装置で、この遊星歯車装置を前段側(動力
の伝達方向に関して前側であるエンジン側)に設置した
構造は、実用的ではない。
【0033】これに対して、前述の図11に示した様
に、トロイダル型無段変速機31を前段側に、回転方向
変換手段としての機能を備えた遊星歯車装置32を後段
側(動力の伝達方向に関して後側であるデファレンシャ
ルギヤ側)に、それぞれ設けた構造の場合には、原則と
して、上記トロイダル型無段変速機31を構成する入力
側、出力側各ディスク2、4及び各パワーローラ9、9
の回転方向は常に一定である。但し、入力側、出力側各
ディスク及び各パワーローラの回転方向を一定とする構
造であっても、上り坂で停止状態から制動を解除した場
合の如く、入力側ディスクに駆動力が加わらない状態で
出力側ディスクに逆転方向のトルクが加わった場合に、
変速制御が不安定になる可能性がある。
【0034】これに対して、特公平6−72650号公
報には、1対の出力側ディスクを軸方向両端部に、1対
の入力側ディスクを軸方向中央部に、それぞれ配置した
ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機を使用し
た構造で、一方の出力側ディスクと固定部分との間に一
方向クラッチを設けた構造が記載されている。この従来
構造の場合、上記トロイダル型無段変速機の軸方向端部
に設置された出力側ディスクの外側面中心部から出力側
回転軸の端部を軸方向に突出させ、この端部と固定部分
との間に、上記一方向クラッチを設けている。この様な
従来構造によれば、上記トロイダル型無段変速機を構成
する入力側、出力側各ディスク及びパワーローラが、本
来の回転方向と逆方向に回転する事を防止して、変速制
御が不安定になる事を防止できる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】上述した特公平6−7
2650号公報に記載された従来構造の場合には、出力
側ディスクと一方向クラッチとを、軸方向に関して互い
に直列に配置している為、トロイダル型無段変速機の軸
方向寸法が嵩み、このトロイダル型無段変速機を組み込
んだ無段変速装置の小型・軽量化を図りにくくなる。
又、一方向クラッチは、上記出力側ディスクの逆方向回
転を阻止すべく、ロックするまでの間に、僅かとは言え
逆方向の回転を許容する場合がある。トロイダル型無段
変速機の変速制御は、極めて微妙なものであり、この様
に僅かな逆方向回転でも乱れが生じる可能性がある。そ
して、この様な原因での乱れが繰り返され、その度毎に
入力側、出力側各ディスクの内側面と各パワーローラの
周面との当接部(トラクション部)で著しい摩擦が生じ
ると、これら各面の転がり疲れ寿命を低下させる可能性
がある。本発明の無段変速装置は、この様な事情に鑑み
て発明したものである。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明の無段変速装置
は、入力軸と、出力軸と、(動力の伝達方向に関し)こ
れら両軸同士の間で入力軸側に設けられたトロイダル型
無段変速機と、これら両軸同士の間で出力軸側に設けら
れた回転方向変換手段と、これらトロイダル型無段変速
機と回転方向変換手段との間に設けられて、これらトロ
イダル型無段変速機と回転方向変換手段との間で動力を
伝達する動力伝達手段とを備える。特に、本発明の無段
変速装置に於いては、上記動力伝達手段の途中に、この
動力伝達手段が正規の回転方向の動力を伝達する事を許
容し、これと逆方向への動力を伝達する事を阻止する一
方向クラッチを設けている。
【0037】
【作用】上述の様に構成する本発明の無段変速装置によ
れば、トロイダル型無段変速機側に、このトロイダル型
無段変速機を構成する各ディスク及び各パワーローラを
逆方向に回転させようとするトルクが加わる事を防止で
きる。この為、上記トロイダル型無段変速機の変速制御
を安定させて、上記各ディスクの内側面と上記各パワー
ローラの周面との当接部で著しい摩擦が生じる事を防止
し、これら各面の転がり疲れ寿命の確保を図れる。又、
一方向クラッチは、動力伝達手段を構成する1対の部材
の周面同士の間、或は軸方向に隣接した1対の部材同士
の間等、元々空間的に余裕のある部分に設ける事が可能
である。この為、上記一方向クラッチを設ける事に伴っ
て、上記トロイダル型無段変速機を始めとする構成各部
が大型化する事はなく、無段変速装置の小型・軽量化を
容易に図れる。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例として、本発明を、前述の図6〜7に示す様な、入
力側ディスク2と出力側ディスク4とを1個ずつ設け
た、所謂シングルキャビティ型のトロイダル型無段変速
機を組み込んだ無段変速装置に適用した場合に就いて示
している。本例は、請求項1にのみ対応する。尚、本発
明の無段変速装置の特徴は、上記入力側ディスク2及び
出力側ディスク4と、これら両ディスク2、4の内側面
2a、4a同士の間に挟持された各パワーローラ9、9
が正規の方向以外に回転しない様にする点にある。その
他の部分の構造及び作用は、前述した従来構造の場合と
同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複
する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴
部分を中心に説明する。
【0039】本例の場合には、出力歯車12と共に動力
伝達手段を構成する歯車58と伝達軸59との間に、一
方向クラッチ60を設けている。この歯車58は、上記
出力側ディスク4に結合した、上記出力歯車12と噛合
している。無段変速装置の運転時にこの出力側ディスク
4の回転は、この出力歯車12から上記歯車58を介し
て上記伝達軸59に伝わる。更にこの伝達軸59の回転
は、遊星歯車装置等の、図示しない回転方向変換手段及
びデファレンシャルギヤを介して、駆動輪に伝達され
る。この回転方向変換手段が上記トロイダル型無段変速
機よりも後段側に設けている為、このトロイダル型無段
変速機を構成する上記両ディスク2、4及び各パワーロ
ーラ9、9は、車両の前進、後退に関係なく、常に所定
方向にのみ回転する。
【0040】そして上記一方向クラッチ60は、上記歯
車58の内周面と上記伝達軸59の端部外周面との間に
設けて、上記各部材2、4、9が上記所定方向に回転す
る事に伴い上記歯車58が所定方向に回転する場合に接
続されて(ロック状態となって)、この歯車58の回転
を上記伝達軸59に伝達し、この伝達軸59を所定方向
に回転させる様に構成している。逆に言えば、この伝達
軸59がこの所定方向とは逆方向に回転した場合には、
上記一方向クラッチ60の接続が断たれ(この一方向ク
ラッチ60がオーバーラン状態となり)、上記伝達軸5
9の回転が上記歯車58に伝わらない様にしている。こ
の様な一方向クラッチ60の構造は特に限定しない。カ
ムクラッチ、ローラクラッチの他、ラチェット機構も採
用できる。但し、オーバーラン状態で発生する音を抑え
る面からは、カムクラッチ或はローラクラッチが好まし
い。
【0041】上述の様に構成する本発明の無段変速装置
によれば、トロイダル型無段変速機側に、このトロイダ
ル型無段変速機を構成する上記各ディスク2、4及び上
記各パワーローラ9、9を逆方向に回転させようとする
トルクが加わる事を防止できる。即ち、上記一方向クラ
ッチ60は、上記伝達軸59が所定方向とは逆方向に回
転しようとした場合に直ちに接続を断たれる為、上記歯
車58及び前記出力歯車12を介して、上記出力側ディ
スク4に逆方向のトルクが加わる事はない。この為、上
記トロイダル型無段変速機の変速制御を安定させて、上
記各ディスク2、4の内側面2a、4aと上記各パワー
ローラ9、9の周面9a、9aとの当接部で著しい摩擦
が生じる事を防止し、これら各面2a、4a、9aの転
がり疲れ寿命の確保を図れる。
【0042】又、一方向クラッチ60は、上記歯車58
の内周面と上記伝達軸59の端部外周面との間に設けて
いる為、上記一方向クラッチ60を設ける事に伴って、
上記トロイダル型無段変速機を始めとする構成各部が大
型化する事はない。この為、無段変速装置の小型・軽量
化を容易に図れる。
【0043】次に、図2は、請求項1、2に対応する、
本発明の実施の形態の第2例として、本発明を、前述の
図8〜10に示した様な、入力側ディスク2A、2Bと
出力側ディスク4、4とを2個ずつ設けた、所謂ダブル
キャビティ型のトロイダル型無段変速機を組み込んだ無
段変速装置に適用した場合に就いて示している。この為
に本例の場合には、出力歯車12aと噛合する歯車58
aの内周面と伝達軸59aの端部外周面との間に一方向
クラッチ60を設けている。この一方向クラッチ60
も、上述した第1例の場合と同様に、上記歯車58aが
所定方向に回転した場合に、この歯車58aから上記伝
達軸59aに動力を伝達してこの伝達軸59aを所定方
向に回転させるが、この伝達軸59aがこの所定方向と
逆方向に回転した場合には、この伝達軸59aの回転を
上記歯車58aに伝達しない。この様な本例の構造及び
作用は、トロイダル型無段変速機がシングルキャビティ
型からダブルキャビティ型に変わった以外、上述した第
1例と同様である。
【0044】次に、図3は、請求項1、3に対応する、
本発明の実施の形態の第3例として、本発明を、前述の
図11に示した様な、トロイダル型無段変速機31と、
遊星歯車装置32と、低速用、高速用、後退用各クラッ
チ47a、48、49とを組み込んだ無段変速装置に適
用した場合に就いて示している。この為に本例の場合に
は、動力伝達手段が第一の動力伝達手段39と第二の動
力伝達手段42とから成るのに合わせて、1対の一方向
クラッチ60a、60bを設けている。又、低速走行時
に繋がれる低速用クラッチ47aは、太陽歯車34に結
合固定された出力軸30と、キャリア38に結合固定さ
れた第二の歯車41との間に設けている。上記低速用ク
ラッチ47aを繋いだ状態で、上記遊星歯車装置32を
構成する各歯車34、35、37a、37b同士の相対
変位が阻止され、上記第二の歯車41の回転が上記出力
軸30にそのまま伝わる事は、上記図11に示した構造
の場合と同様である。
【0045】上記1対の一方向クラッチ60a、60b
のうち、上記第一の動力伝達手段39側に設けた一方向
クラッチ60aは、この第一の動力伝達手段39を構成
する第二の歯車41と上記低速用クラッチ47aのクラ
ッチハウジング61の外周面との間に設けている。そし
て、この一方向クラッチ60aは、上記低速用クラッチ
47aの接続時、エンジン26により上記第二の歯車4
1が所定方向に回転駆動される場合に接続され、この第
二の歯車41の回転を上記キャリア38に伝達して、こ
のキャリア38を所定方向に回転させる。これに対して
上記一方向クラッチ60aは、このキャリア38がこの
所定方向とは逆方向に回転する場合には接続を断たれ
て、このキャリア38の回転を上記第二の歯車41に伝
達しない。尚、前述の図11に示した構造のまま本発明
を適用するのであれば、上記一方向クラッチ60aを、
上記キャリア38に固定の部分と上記第二の歯車41と
の間に直接設ける。
【0046】又、上記1対の一方向クラッチ60a、6
0bのうち、前記第二の動力伝達手段42側に設けた一
方向クラッチ60bは、この第二の動力伝達手段42を
構成する第二のスプロケット44の内周面と伝達軸46
の端部外周面との間に設けている。そして、この一方向
クラッチ60bは、エンジン26により上記第二のスプ
ロケット44が所定方向に回転駆動される場合に接続さ
れ、この第二のスプロケット44の回転を上記伝達軸4
6に伝達してこの伝達軸46を所定方向に回転させる。
これに対して上記一方向クラッチ60bは、この伝達軸
46がこの所定方向とは逆方向に回転する場合には接続
を断たれて、この伝達軸46の回転を上記第二のスプロ
ケット44に伝達しない。
【0047】上述の様に構成する本例の場合には、低速
走行時及び後退時には、上記第一の動力伝達手段39側
に設けた一方向クラッチ60aが、前記トロイダル型無
段変速機31の出力側ディスク4に逆方向の回転力が伝
わる事を防止する。これに対して高速走行時には、上記
第二の動力伝達手段42側に設けた一方向クラッチ60
bが、上記トロイダル型無段変速機31のカム板33に
逆方向の回転力が伝わる事を防止する。そして、何れの
場合でも、上記トロイダル型無段変速機31の変速制御
を安定させて、入力側、出力側各ディスク2、4の内側
面2a、4aと各パワーローラ9、9の周面9a、9a
との当接部で著しい摩擦が生じる事を防止し、これら各
面2a、4a、9aの転がり疲れ寿命の確保を図る。
【0048】尚、以上の説明は、何れも、一方向クラッ
チを、互いに隣接して動力伝達手段を構成する1対の部
材同士の間に設け、各部が正規の方向に回転する場合に
は上記一方向クラッチを接続し、後段側の部材がこれと
逆方向に回転する場合にこの一方向クラッチの接続を断
つ場合に就いて説明した。これに対して、一方向クラッ
チを、動力伝達手段を構成する何れかの部材と、ハウジ
ング或は隔壁等の固定の部分との間に設け、この部材が
正規の方向に回転する場合には上記一方向クラッチの接
続を断ってこの部材の回転を可能にし、この部材がこれ
と逆方向に回転する場合に上記一方向クラッチを接続し
て上記部材の回転を阻止する事も考えられる。この様な
場合、この一方向クラッチがこの部材の逆方向回転を阻
止すべく、接続される(ロックする)までの間に、僅か
とは言え逆方向の回転を許容する場合がある。但し、上
記動力伝達手段を構成する何れかの部材とトロイダル型
無段変速機との間には、歯車伝達機構のバックラッシュ
やチェン駆動機構の隙間、或はこれら各部材の弾性変形
等に基づく遊びが存在する為、上記僅かな逆方向回転が
上記トロイダル型無段変速機にそのまま伝わる事はな
い。従って、この様な構造を採用しても、前述の特公平
6−72650号公報に記載された構造の様な不都合は
生じない。又、この様な構造を採用すれば、坂道で出力
軸が逆回転する事を防止できる。この点は、上記特公平
6−72650号公報に記載された構造と同様である。
【0049】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、小型且つ軽量に構成でき、しかも十分な耐
久性を有する無段変速装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す要部断面
図。
【図2】同第2例を示す要部断面図。
【図3】同第3例を示す略断面図。
【図4】トロイダル型無段変速機の基本構造を、最大減
速時の状態で示す略側面図。
【図5】同じく最大増速時の状態で示す略側面図。
【図6】トロイダル型無段変速機の具体的構造の第1例
を示す要部断面図。
【図7】図6のx−x断面図。
【図8】トロイダル型無段変速機の具体的構造の第2例
を示す要部断面図。
【図9】図8のy−y断面図。
【図10】同z−z断面図。
【図11】トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変
速装置の1例を示す略断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2、2A、2B 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 ケーシング 6 枢軸 7 トラニオン 8 変位軸 9 パワーローラ 9a 周面 10 押圧装置 11、11a 入力側回転軸 12、12a 出力歯車 13 支持板 14 スラスト玉軸受 15 スラストニードル軸受 16 外輪 17 アクチュエータ 18 制御弁 19 ステッピングモータ 20 スリーブ 21 スプール 22 ロッド 23 プリセスカム 24 リンク腕 25 駆動軸 26 エンジン 27 クランクシャフト 28 入力軸 29 発進クラッチ 30 出力軸 31 トロイダル型無段変速機 32 遊星歯車装置 33 カム板 34 太陽歯車 35 リング歯車 36 遊星歯車組 37a、37b 遊星歯車 38 キャリア 39 第一の動力伝達手段 40 第一の歯車 41 第二の歯車 42 第二の動力伝達手段 43 第一のスプロケット 44 第二のスプロケット 45 チェン 46 伝達軸 47、47a 低速用クラッチ 48 高速用クラッチ 49 後退用クラッチ 50 支持板 51 中心軸 52 デファレンシャルギヤ 53 第三の歯車 54 第四の歯車 55 第五の歯車 56 第三の動力伝達手段 57 車軸 58、58a 歯車 59、59a 伝達軸 60、60a、60b 一方向クラッチ 61 クラッチハウジング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 慎司 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 BA03 BB02 BD01 BE09 CA05 CB06 EC01 ED15 FA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸と、出力軸と、これら両軸同士の
    間で入力軸側に設けられたトロイダル型無段変速機と、
    これら両軸同士の間で出力軸側に設けられた回転方向変
    換手段と、これらトロイダル型無段変速機と回転方向変
    換手段との間に設けられて、これらトロイダル型無段変
    速機と回転方向変換手段との間で動力を伝達する動力伝
    達手段とを備えた無段変速装置に於いて、この動力伝達
    手段の途中に、この動力伝達手段が正規の回転方向の動
    力を伝達する事を許容し、これと逆方向への動力を伝達
    する事を阻止する一方向クラッチを設けた事を特徴とす
    る無段変速装置。
  2. 【請求項2】 第一のディスクが、入力側回転軸の両端
    部に互いの内側面同士を対向させた状態で、且つ、この
    入力側回転軸と同期した回転を自在として配置された1
    対の入力側ディスクであり、第二のディスクが、上記入
    力側回転軸の中間部周囲に、それぞれの内側面をこれら
    各入力側ディスクの内側面に対向させた状態で、互いに
    同期して且つ上記入力側回転軸に対し回転自在に支持さ
    れた1対の出力側ディスクであり、動力伝達手段の端部
    が、これら両出力側ディスク同士の間に設けられてい
    る、請求項1に記載した無段変速装置。
  3. 【請求項3】 駆動源につながってこの駆動源により回
    転駆動される入力軸と、この入力軸の回転に基づく動力
    を取り出す為の出力軸と、トロイダル型無段変速機と、
    回転方向変換手段としての機能を備えた遊星歯車装置
    と、第一の動力伝達手段及び第二の動力伝達手段から成
    る動力伝達手段とを備え、このうちの第一の動力伝達手
    段は、上記入力軸に入力された動力を上記トロイダル型
    無段変速機を介して伝達するものであり、上記第二の動
    力伝達手段は、上記入力軸に入力された動力を上記トロ
    イダル型無段変速機を介する事なく伝達するものであ
    り、上記遊星歯車装置は、太陽歯車とこの太陽歯車の周
    囲に配置したリング歯車との間に設けられ、この太陽歯
    車と同心に且つ回転自在に支持したキャリアに回転自在
    に支持された遊星歯車を、上記太陽歯車とリング歯車と
    に噛合させて成るものであり、上記第一の動力伝達手段
    を通じて送られる動力と上記第二の動力伝達手段を通じ
    て送られる動力とを、上記太陽歯車と上記リング歯車と
    上記キャリアとのうちの2個の部材に伝達自在とすると
    共に、これら太陽歯車とリング歯車とキャリアとのうち
    の残りの1個の部材に上記出力軸を結合しており、又、
    上記入力軸に入力された動力が上記第一の動力伝達手段
    と上記第二の動力伝達手段とを通じて上記遊星歯車装置
    に送られる状態を切り換えるモード切換手段を設けてお
    り、このモード切換手段は、上記第一の動力伝達手段の
    みで動力の伝達を行なわせて上記出力軸を所定方向に回
    転させる第一のモードと、この第一の動力伝達手段と上
    記第二の動力伝達手段との双方で動力の伝達を行なわせ
    て上記出力軸を所定方向に回転させる第二のモードと、
    上記第一の動力伝達手段のみで動力の伝達を行なわせて
    上記出力軸を上記所定方向とは逆の方向に回転させる第
    三のモードとの切り換えを行なうものである、請求項1
    〜2の何れかに記載した無段変速装置。
JP2001207747A 2001-07-09 2001-07-09 無段変速装置 Pending JP2003021209A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001207747A JP2003021209A (ja) 2001-07-09 2001-07-09 無段変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001207747A JP2003021209A (ja) 2001-07-09 2001-07-09 無段変速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003021209A true JP2003021209A (ja) 2003-01-24
JP2003021209A5 JP2003021209A5 (ja) 2006-10-05

Family

ID=19043685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001207747A Pending JP2003021209A (ja) 2001-07-09 2001-07-09 無段変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003021209A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3896958B2 (ja) 無段変速装置
JP3832424B2 (ja) 無段変速装置
US5888160A (en) Continuously variable transmission
JP2000120822A (ja) 無段変速装置
JP2001317601A (ja) トロイダル型無段変速機
US6117037A (en) Toroidal continuous variable transmission
JP2003314645A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP2004239420A (ja) 無段変速装置
JPH10196759A (ja) 無段変速装置
JPH11280867A (ja) 無段変速装置
JP2001165262A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4085457B2 (ja) 無段変速装置
US7014588B2 (en) Toroidal-type continuously variable transmission and continuously variable transmission apparatus
WO2006003887A1 (ja) 四輪駆動車用トロイダル型無段変速機
JP3674264B2 (ja) 無段変速装置
JP2003021209A (ja) 無段変速装置
JP2003021210A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP4144166B2 (ja) 揚水ポンプ又は発電機駆動用無段変速装置
JP4492007B2 (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP4284859B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4329262B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2002031206A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP2001289303A (ja) 無段変速装置
JP4222009B2 (ja) 無段変速装置
JP4158320B2 (ja) 無段変速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060818

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100107