JP5177576B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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すなわち、一対のヨーク23A,23Bをそれぞれ揺動自在に支持する一対ずつの支持ポスト、すなわち、一対のヨーク23A,23Bのうちの一方のヨーク23Aを揺動自在に支持する一対の支持ポスト64,64と、他方のヨーク23Bを揺動自在に支持する一対の支持ポスト68,68とを備える。
また、一対のヨーク23A,23Bをそれぞれ揺動自在に支持する一対ずつの前記支持ポスト64,64,68,68は、各ヨーク23A,23B毎に第1キャビティ221側に配置される前記支持ポスト64,68と、第2キャビティ222側に配置される前記支持ポスト64,68とからなる。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト64,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
すなわち、図6および図7に示す通常のダブルキャビティ式トロイダル型無段変速では、前輪と後輪がそれぞれ50%でトルク伝達を行うので、300Nmが原動機からの動力入力軸1に入力されると、両バリエータが150Nmずつ受け持つことになる。そして、両バリエータが1つの出力歯車4により同一の駆動軸を回転駆動し、これにより前輪または後輪を回転駆動させるので、前輪または後輪の車輪が空転した場合、両キャビティに入力されるトルクが小さく(ゼロ)になる。
断面円弧状の凹面であるその内側面を第1入力側ディスクの内側面に対向させた状態で第1入力側ディスクおよび第2入力側ディスクと同心に、かつこれら第1入力側ディスクおよび第2入力側ディスクとは独立した回転自在に支持された第1出力側ディスクと、
断面円弧状の凹面であるその内側面を第2入力側ディスクの内側面に対向させた状態で第1入力側ディスクおよび第2入力側ディスクと同心に、かつこれら第1入力側ディスクおよび第2入力側ディスクとは独立した回転自在に支持された第2出力側ディスクと、
第1入力側ディスクの内側面と第1出力側ディスクの内側面との間に挟持された、それぞれの周面を球状凸面とした複数個の第1パワーローラと、
第2入力側ディスクの内側面と第2出力側ディスクの内側面との間に挟持された、それぞれの周面を球状凸面とした複数個の第2パワーローラと、
第1出力側ディスクおよび第2出力側ディスクによりそれぞれ独立して回転駆動される第1駆動軸および第2駆動軸と、
を備えたトロイダル型無段変速機において、
第1駆動軸および第2駆動軸のうちの一方の駆動軸の回転速度が他方の駆動軸の回転速度よりも速くなった場合に、一方の駆動軸を回転駆動する出力側ディスクの駆動力を、他方の駆動軸へ伝達する動力伝達手段が設けられていることを特徴とする。
なお、本発明の特徴は、バリエータの出力側ディスクと駆動軸との間の動力伝達機構の構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と略同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図6から図9と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
このトロイダル型無段変速機は、4輪駆動用のダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機であって、第2従動歯車71Bと前輪用駆動軸72Aとの間にワンウェイクラッチ(動力伝達手段)75が設けられている点を除いて、図8のトロイダル型無段変速機と略同様に構成されている。
一方、図3に示すように、後輪が空転した場合、後輪用駆動軸72Bが空転し、この後輪用駆動軸72Bと一体回転する第2従動歯車71Bが空転する。そして、この第2従動歯車71Bの回転速度が前輪用駆動軸72Aの回転速度よりも速くなると、ワンウェイクラッチ75が作動して入りとなり、第2従動歯車71Bと前輪用駆動軸72Aを連結し、第2出力側ディスク3B(すなわち第2バリエータ70B)のトルクを第2出力歯車4Bおよび第2従動歯車71Bを介して前輪用駆動軸72Aへ伝達する。これにより、後輪が空転した場合でも、原動機からのトルクを第1バリエータ70Aおよび第2バリエータ70Bがそれぞれ大体50%ずつ受け持つことになる。
したがって、空転時にも、前輪用駆動軸72Bを回転駆動する第1バリエータ70Aにだけに原動機からのトルクが入力するのを回避することができるので、バリエータの大型化を防止することができる。
また、ワンウェイクラッチ75を用いているので、右輪あるいは左輪の空転を検出する検出する検出手段を別途設ける必要がないため、構造を簡略化することができる。
このトロイダル型無段変速機では、一対の出力側ディスク3,3の間に、一体的に形成された一対の入力側ディスク2,2が配置されている。ここで、図1の場合と同様に、図4において左側の入力側ディスク2および右側の入力側ディスク2をそれぞれ、第1入力側ディスク2Aおよび第2入力側ディスク2Bと、また左側の出力側ディスク3および右側の出力側ディスク3をそれぞれ第1出力側ディスク3Aおよび第2出力側ディスク3Bとする。第1入力側ディスク2Aの内側面と第1出力側ディスク3Aの内側面との間および第2入力側ディスク2Bの内側面と第2出力側ディスク3Bの内側面との間にはそれぞれ、複数個のパワーローラ11(図示せず)が挟持されている。第1入力側ディスク2A、第1出力側ディスク3Aおよびパワーローラ11は、第1バリエータ70Aを構成し、また第2入力側ディスク2B、第2出力側ディスク3Bおよびパワーローラ11は、第2バリエータ70Bを構成している。
また、第1バリエータ70Aの第1出力側ディスク3Aおよび第2バリエータ70Bの第2出力側ディスク3Bにはそれぞれ、別個に第1出力歯車4Aおよび第2出力歯車4Bが一体的に回転するように連結され、これら第1出力歯車4Aおよび第2出力歯車4Bにはそれぞれ、第1従動歯車71Aおよび第2従動歯車71Bが歯合され、これら第1従動歯車71Aおよび第2従動歯車71Bにはそれぞれ、左輪用駆動軸(第1駆動軸)77Aおよび右輪用駆動軸(第2駆動軸)77Bが一体的に回転するように連結され、これら左輪用駆動軸77Aおよび右輪用駆動軸77Bにはそれぞれ左輪(駆動輪)および右輪(駆動輪)が固定されている。これにより、左輪用駆動軸77A(すなわち左輪)および右輪用駆動軸77B(すなわち右輪)がそれぞれ、第1出力側ディスク3A(すなわち第1バリエータ70A)および第2出力側ディスク3B(すなわち第2バリエータ70B)により独立して回転駆動される。そして、前述の一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させ、これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15を互いに逆方向に変位させる際に、各変位量を独立して制御できるようにし、この変位量の独立制御により(駆動装置32,32の独立制御により)、自動車の旋回時、外側の車輪の回転速度に比べて内側の回転速度を遅くすべく、左輪用駆動軸77Aおよび右輪用駆動軸77の一方の駆動軸の回転速度を他方の駆動軸より遅くするようにし、これによりデファレンシャル(差動装置)を省略可能としている。
右輪用駆動軸77Bと左輪用駆動軸77Aとの間に介在されているワンウェイクラッチ78は、右輪が空転して、右輪用駆動軸77Bの回転速度が前輪用駆動軸77Aの回転速度よりも速くなった場合に、右輪用駆動軸77Bと左輪用駆動軸77Aを連結して(すなわちワンウェイクラッチ78が入りとなり)、第2出力側ディスク3B(すなわち第2バリエータ70B)の駆動力を第2出力歯車4B、第2従動歯車71Bおよび右輪用駆動軸77Bを介して左輪用駆動軸77Aへ伝達するようになっている。このワンウェイクラッチ78は、右輪用駆動軸77Bの回転速度が左輪用駆動軸77Aの回転速度よりも速くなくなった場合には、ワンウェイクラッチ75が切りとなり、右輪用駆動軸77Bと左輪用駆動軸72Aとの連結が解除される。
一方、左輪用駆動軸77Aと右輪用駆動軸77Bとの間に介在されているワンウェイクラッチ79は、左輪が空転して、左輪用駆動軸77Aの回転速度が右輪用駆動軸77Bの回転速度よりも速くなった場合に、左輪用駆動軸77Aと左輪用駆動軸77Bを連結して(すなわちワンウェイクラッチ79が入りとなり)、第1出力側ディスク3A(すなわち第1バリエータ70A)の駆動力を第1出力歯車4A、第1従動歯車71Aおよび左輪用駆動軸77Aを介して右輪用駆動軸77Bへ伝達するようになっている。このワンウェイクラッチ79は、左輪用駆動軸77Aの回転速度が右輪用駆動軸77Bの回転速度よりも速くなくなった場合には、ワンウェイクラッチ79が切りとなり、左輪用駆動軸77Aと右輪用駆動軸72Bとの連結が解除される。
一方、右輪が空転した場合、右輪用駆動軸77Bが空転する。そして、この右輪用駆動軸77Bの回転速度が左輪用駆動軸77Aの回転速度よりも20%速くなると、ワンウェイクラッチ78が作動して入りとなり、右輪用駆動軸77Bと前輪用駆動軸77Aを連結し、第2出力側ディスク3B(すなわち第2バリエータ70B)のトルクを第2出力歯車4B、第2従動歯車71Bおよび右輪用駆動軸77Bを介して左輪用駆動軸77Aへ伝達する。これにより、右輪が空転した場合でも、原動機からのトルクを第1バリエータ70Aおよび第2バリエータ70Bがそれぞれ大体50%ずつ受け持つことになる。
また、左輪が空転した場合、左輪用駆動軸77A空転する。そして、この左輪用駆動軸77Aの回転速度が右輪用駆動軸77Bの回転速度よりも20%速くなると、ワンウェイクラッチ79が作動して入りとなり、左輪用駆動軸77Aと右輪用駆動軸77Bを連結し、第1出力側ディスク3A(すなわち第1バリエータ70A)のトルクを第1出力歯車4A、第1従動歯車71Aおよび左輪用駆動軸77Aを介して右用駆動軸77Bへ伝達するようになっている。これにより、左輪が空転した場合でも、原動機からのトルクを第1バリエータ70Aおよび第2バリエータ70Bがそれぞれ大体50%ずつ受け持つことになる。
したがって、空転時にも、左輪用駆動軸77Aを回転駆動する第1バリエータ70Aあるいは右輪用駆動軸77Bを回転駆動する第2バリエータ70Bにだけに原動機からのトルクが入力するのを回避することができるので、バリエータの大型化を防止することができる。
また、ワンウェイクラッチ78,79を用いているので、右輪あるいは左輪の空転を検出する検出する検出手段を別途設ける必要がないため、構造を簡略化することができる。
このトロイダル型無段変速機においては、図1の第1実施形態のワンウェイクラッチ75に代えて、第2従動歯車71Bと前輪用駆動軸72Aとの間に、これら第2従動歯車71Bと前輪用駆動軸72Aとの結合の断接(切断および接合)を行うクラッチ91が設けられている。クラッチ91としては、湿式クラッチでも乾式クラッチでもよい。また、後輪の空転を検出する検出手段が設けられている。この検出手段としては、例えば、伝達特性の代用特性である駆動装置32,32の駆動シリンダ31,31の変速制御差圧を検出し、両バリエータ70A,70の一方のバリエータの差圧に対して他方のバリエータの差圧がある閾値よりも小さいことを空転の判別基準として用いる手段でもよい。または、後輪が空転した場合は、後輪用駆動軸72Bが増速側に変速するので、この検出手段として、両バリエータ70A,70Bの変速比、両出力側ディスク3A,3Bの回転数あるいは両駆動軸72A,72Bの回転数の差あるいは割合から空転を判別するものでもよい。この検出手段とクラッチ91とにより、動力伝達手段が構成される。他の構成は、図1の第1実施形態と同様である。
一方、後輪が空転した場合、後輪用駆動軸72Bが空転し、この後輪用駆動軸72Bと一体回転する第2従動歯車71Bが空転する。そして、この第2従動歯車71Bの回転速度が前輪用駆動軸72Aの回転速度よりも一定速度速くなる(例えば20%速くなる)と、これを前記検出手段が検出し、この検出に基づいてクラッチ91が作動して入りとなり、第2従動歯車71Bと前輪用駆動軸72Aを連結し、第2出力側ディスク3B(すなわち第2バリエータ70B)のトルクを第2出力歯車4Bおよび第2従動歯車71Bを介して前輪用駆動軸72Aへ伝達する。これにより、後輪が空転した場合でも、原動機からのトルクを第1バリエータ70Aおよび第2バリエータ70Bがそれぞれ大体50%ずつ受け持つことになる。なお、クラッチ91は、後輪用駆動軸72B(すなわち第2従動歯車71B)の回転速度が前輪用駆動軸72Aの回転速度よりも前記一定速度より速くなくなった場合には、クラッチ91が切りとなり、第2従動歯車71Bと前輪用駆動軸72Aとの連結が解除される。
したがって、空転時にも、前輪用駆動軸72Bを回転駆動する第1バリエータ70Aにだけに原動機からのトルクが入力するのを回避することができるので、バリエータの大型化を防止することができる。
なお、前記検出手段は、第2従動歯車71B(後輪用駆動軸72B)の回転速度が前輪用駆動軸72Aの回転速度よりも一定速度速くなるとこれを検出するものであるが、この一定速度速くなるには、僅かに速くなると検出する場合も含まれる。
2B(2) 第2入力側ディスク
3A(3) 第1出力側ディスク
3B(3) 第2出力側ディスク
11 第1パワーローラ、第2パワーローラ
14 枢軸
72A 前輪用駆動軸(第1駆動軸)
72B 後輪用駆動軸(第2駆動軸)
77A 左輪用駆動軸(第1駆動軸)
77B 右輪用駆動軸(第2駆動軸)
75,78,79 ワンウェイクラッチ(動力伝達手段)
91 クラッチ(動力伝達手段)
Claims (3)
- それぞれが断面円弧状の凹面である内側面を有し、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持された第1入力側ディスクおよび第2入力側ディスクと、
断面円弧状の凹面であるその内側面を第1入力側ディスクの内側面に対向させた状態で第1入力側ディスクおよび第2入力側ディスクと同心に、かつこれら第1入力側ディスクおよび第2入力側ディスクとは独立した回転自在に支持された第1出力側ディスクと、
断面円弧状の凹面であるその内側面を第2入力側ディスクの内側面に対向させた状態で第1入力側ディスクおよび第2入力側ディスクと同心に、かつこれら第1入力側ディスクおよび第2入力側ディスクとは独立した回転自在に支持された第2出力側ディスクと、
第1入力側ディスクの内側面と第1出力側ディスクの内側面との間に挟持された、それぞれの周面を球状凸面とした複数個の第1パワーローラと、
第2入力側ディスクの内側面と第2出力側ディスクの内側面との間に挟持された、それぞれの周面を球状凸面とした複数個の第2パワーローラと、
第1出力側ディスクおよび第2出力側ディスクによりそれぞれ独立して回転駆動される第1駆動軸および第2駆動軸と、を備えたトロイダル型無段変速機において、
第1駆動軸および第2駆動軸のうちの一方の駆動軸の回転速度が他方の駆動軸の回転速度よりも速くなった場合に、一方の駆動軸を回転駆動する出力側ディスクの駆動力を、他方の駆動軸へ伝達する動力伝達手段が設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 前記動力伝達手段は、一方の駆動軸を回転駆動する出力側ディスクと他方の駆動軸との間に設けられ、一方の駆動軸の回転速度が他方の駆動軸の回転速度よりも速くなった場合に、一方の駆動軸を回転駆動する出力側ディスクから他方の駆動軸への動力伝達を行うワンウェイクラッチであることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
- 前記動力伝達手段は、一方の駆動軸の回転速度が他方の駆動軸の回転速度よりも速くなったことを検出する検出手段と、一方の駆動軸を回転駆動する出力側ディスクと他方の駆動軸との断接を行うクラッチとを備えていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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