JP4345233B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、常時四輪に駆動力を伝達する四輪駆動車用のトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
常時四輪に駆動力を伝達する四輪駆動車用のトロイダル型無段変速機は、例えば、特開平5−157151号公報、特開平8−247241号公報及び特開平8−312745号公報で知られている。このトロイダル型無段変速機は、フロント側バリエータとリヤ側バリエータを備えたダブルキャビティ式で、両バリエータの出力部から出力を別々に取り出し、一方を四輪駆動車の前輪に、他方を後輪に伝達させる四輪駆動車用のトロイダル型無段変速機が知られている。
【0003】
図2は従来の四輪駆動用ダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機を示し、1本の入力軸1にはフロント側バリエータ2とリヤ側バリエータ3が同軸的に配置されている。これらバリエータ2,3は、一対の入力ディスク4,5と一対の出力ディスク6,7とを有し、入力ディスク4と出力ディスク6との間及び入力ディスク5と出力ディスク7との間には摩擦によって動力を伝達するパワーローラ8,9がトラニオン8a,9aに支持され、それぞれ傾転自在に転接されている。
【0004】
フロント側バリエータ2の入力ディスク4は入力軸1に対してボールスプライン10によって回転係合し、軸方向に移動可能になっている。また、リヤ側バリエータ3の入力ディスク5は入力軸1に対して一体的に結合され、ローディングナット11によって抜け止めされている。
【0005】
入力軸1の入力側には両入力ディスク4,5をパワーローラ8,9を介して両出力ディスク6,7に押圧するローディングカム16が嵌合されている。このローディングカム16とフロント側バリエータ2の入力ディスク4との間にはローラ17が設けられている。
【0006】
さらに、フロント側バリエータ2の出力ディスク6及びリヤ側バリエータ3の出力ディスク7には入力軸1に対して嵌合されたスラスト軸受12a,12bが設けられ、このスラスト軸受12a,12bには出力歯車13a,13bが嵌着されている。
【0007】
出力歯車13a,13bには出力軸14a,14bに嵌着された従動歯車15a,15bが噛合されており、出力軸14a,14bの一方が四輪駆動車の前輪に、他方が後輪に伝達され、常時四輪に駆動力を伝達するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、四輪駆動車用のトロイダル型無段変速機は、フロント側バリエータ2及びリヤ側バリエータ3の出力を前後輪の駆動に割り当て、フロント側バリエータ2及びリヤ側バリエータ3の変速比をそれぞれ変化させてセンターデフの機能を持たせている。
【0009】
しかしながら、定常走行の場合は、前輪と後輪の速度差がなく、フロント側バリエータ2とリヤ側バリエータディス3の出力ディスクの速度差もなくなる。従って、出力ディスク6,7間に存在するスラスト軸受12a,12bの転動体が回転しなくなり、転動体の接触部に潤滑油が供給されなくなり、無潤滑状態となって転動面にフレッチング(fretting)摩耗が生じ、定常走行からセンターデフの機能を必要とする走行に移行する際に引っ掛かりなどが生じ、機能が著しく阻害されるという不都合がある。
【0010】
この発明は前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、一対の出力ディスク間に速度差を持たせ、出力ディスク間のスラスト軸受の転動体を常時回転させて潤滑油を供給できるようにしてフレッチング摩耗を防止し、耐久性を向上できるトロイダル型無段変速機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、1本の入力軸と、この入力軸の周囲に回転不能に設けられた一対の入力ディスクと、この入力ディスクに対向した状態で前記入力軸の周囲に回転自在に設けられた一対の出力ディスクと、前記入力ディスクと出力ディスクとの間に転動自在に転接され摩擦によって動力を伝達する複数のパワーローラと、前記一対の出力ディスクの回転運動を独立して取り出す一対の出力歯車と、前記一対の出力ディスクの間に配置され、前記出力歯車に発生するスラスト荷重を受けるスラスト軸受とを備えたトロイダル型無段変速機において、前記一対の出力歯車の回転を、従動歯車を介して四輪駆動車のそれぞれ前輪及び後輪に伝達させると共に、前記前輪と後輪に伝達される出力歯車と従動歯車の変速比を変え、前記一対の出力ディスク間に速度差を持たせたことを特徴とする。
【0013】
前記構成によれば、一対の出力ディスクから一対の出力歯車に伝達される回転を従動歯車を介して四輪駆動車のそれぞれ前輪及び後輪に伝達させることができ、出力歯車と従動歯車の変速比を変え、前記一対の出力ディスク間に速度差を持たせることができる。従って、出力ディスク間のスラスト軸受の転動体を回転させて潤滑油を供給できるようにしてフレッチング摩耗を防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は第1の実施形態を示し、図1はダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機の縦断側面図であり、従来と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
【0016】
図1に示すように、入力軸1にはフロント側バリエータ2とリヤ側バリエータ3が同軸的に配置されている。フロント側バリエータ2における入力ディスク4と出力ディスク6とのパワーローラ8はトラニオン8aに支持され、変速比ゼロの状態に保持されているが、リヤ側バリエータ3における入力ディスク5と出力ディスク7とのパワーローラ9はトラニオン9aに支持され、減速側に傾転した状態に保持されている。すなわち、フロント側バリエータ2とリヤ側バリエータ3とで変速比を変えている。
【0017】
さらに、フロント側バリエータ2とリヤ側バリエータ3の一対の出力ディスク6,7間には入力軸1に対して嵌合されたスラスト軸受12a,12bが設けられている。
【0018】
フロント側バリエータ2のスラスト軸受12aには小径の出力歯車21aが嵌着され、リヤ側バリエータ3のスラスト軸受12bには大径の出力歯車21bが嵌着されている。そして、小径の出力歯車21aには出力軸14aに嵌着された大径の従動歯車22aが噛合され、大径の出力歯車21bには出力軸14bに嵌着された小径の従動歯車22bが噛合されており、フロント側バリエータ2とリヤ側バリエータ3とでその出力部における歯車比を変えている。
【0019】
従って、リヤ側バリエータ3はパワーローラ9が減速側に傾転させ、減速させている分だけ、出力歯車21bと従動歯車22bとの歯車比によって減速量を少なくしてフロント側バリエータ2とリヤ側バリエータ3の出力軸14a,14bの回転速度が一致するようになっている。従って、出力軸14a,14bの一方が四輪駆動車の前輪に、他方が後輪に伝達され、常時四輪に駆動力を伝達するようになっている。
【0020】
前述した四輪駆動車用のトロイダル型無段変速機は、フロント側バリエータ2及びリヤ側バリエータ3の出力を前後輪の駆動に割り当て、フロント側バリエータ2及びリヤ側バリエータ3の変速比をそれぞれ変化させてセンターデフの機能を持たせている。
【0021】
しかも、フロント側バリエータ2及びリヤ側バリエータ3の出力歯車21a,21bと従動歯車22a,22bの変速比を変えることにより、定常走行時においてフロント側バリエータ2とリヤ側バリエータディス3の出力ディスク6,7に僅かな速度差を持たせ、出力ディスク6,7間のスラスト軸受12a,12bの転動体を回転させ、潤滑油を供給することができる。従って、従来のように、スラスト軸受12a,12bの転動体が回転しなくなって潤滑油が供給されないで無潤滑状態となりフレッチング(fretting)摩耗が生じるのを防止できる。
【0022】
出力ディスク6,7の速度差は、相対速度で10〜100rpm程度であり、相対速度が小さいのでベアリングの寿命に影響を及ぼすことがない。スラスト軸受12a,12bのフレッチング摩耗を防止することにより、摩耗という経年変化によるセンターデフ機能の低下を防ぐことができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、一対の出力歯車の回転を従動歯車を介して四輪駆動車のそれぞれ前輪及び後輪に伝達させると共に、一対の出力ディスク間に速度差を持たせたことを特徴とする。従って、定常運転時に一対の出力ディスク間に速度差を持たせ、出力ディスク間のスラスト軸受の転動体を回転させて潤滑油を供給することができ、フレッチング摩耗を防止して耐久性を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示すトロイダル型無段変速機の縦断側面図。
【図2】従来のトロイダル型無段変速機の縦断側面図。
【符号の説明】
1…入力軸
2…フロント側バリエータ
3…リヤ側バリエータ
4,5…入力ディスク
6,7…出力ディスク
8,9…パワーローラ
12a,12b…スラスト軸受
14a,14b…出力軸
21a,21b…出力歯車
22a,22b…従動歯車
Claims (1)
- 1本の入力軸と、この入力軸の周囲に回転不能に設けられた一対の入力ディスクと、この入力ディスクに対向した状態で前記入力軸の周囲に回転自在に設けられた一対の出力ディスクと、前記入力ディスクと出力ディスクとの間に転動自在に転接され摩擦によって動力を伝達する複数のパワーローラと、前記一対の出力ディスクの回転運動を独立して取り出す一対の出力歯車と、前記一対の出力ディスクの間に配置され、前記出力歯車に発生するスラスト荷重を受けるスラスト軸受とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記一対の出力歯車の回転を、従動歯車を介して四輪駆動車のそれぞれ前輪及び後輪に伝達させると共に、前記前輪と後輪に伝達される出力歯車と従動歯車の変速比を変え、前記一対の出力ディスク間に速度差を持たせたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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