JP2001304366A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
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Abstract
為のスラスト玉軸受24の構成部品の転がり疲れ寿命を
確保でき、且つ安定した変速動作を行なえる構造を実現
する。 【解決手段】 トラニオン6を構成する支持板部7の両
端部に設けた1対の折れ曲がり壁部8、8の先端縁同士
を、連結部材33により連結する。この構成により、パ
ワーローラ11から上記支持板部7に加わるスラスト荷
重に拘らず、この支持板部7が弾性変形しにくくなり、
上記課題を解決できる。
Description
無段変速機は、例えば自動車用の自動変速機の変速ユニ
ットとして、或は各種産業機械用の変速機として、それ
ぞれ利用する。
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が、一部
で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、例
えば実開昭62−71465号公報に開示されている様
に、入力軸1と同心に第一のディスクである入力側ディ
スク2を支持し、この入力軸1と同心に配置された出力
軸3の端部に、第二のディスクである出力側ディスク4
を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケー
シングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し
捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラ
ニオン6、6が設けられている。
述する図7に示す様に、支持板部7の長さ方向(図5、
7の左右方向)両端部に1対の折れ曲がり壁部8、8
を、この支持板部7の内側面側(図5の上側)に折れ曲
がる状態で形成している。そして、上記各折れ曲がり壁
部8、8の外側面(上記支持板部7と反対側の面)に上
記各枢軸5、5を、互いに同心に設けている。又、上記
支持板部7の中間部には、次述する変位軸9の基半部を
支持する為の円孔10を形成している。
オン6、6を構成する支持板部7の中間部に形成した上
記円孔10には、上記変位軸9の基半部を支持してい
る。そして、上記各枢軸5、5を中心として上記各トラ
ニオン6、6を揺動させる事により、これら各トラニオ
ン6、6の中間部に支持した変位軸9の傾斜角度の調節
を自在としている。又、これら各トラニオン6、6にそ
れぞれの基半部を支持された変位軸9のうちで、これら
各トラニオン6、6の内側面から突出した先半部の周囲
に、それぞれパワーローラ11を回転自在に支持してい
る。そして、各パワーローラ11、11を、前記入力
側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。尚、
上記各変位軸9、9の基半部と先半部とは、互いに偏心
している。
互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、
上記枢軸5を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近
い曲線を回転させて得られる凹面をなしている。そし
て、球状凸面に形成された各パワーローラ11、11の
周面11a、11aを、上記各内側面2a、4aに当接
させている。
は、ローディングカム式の押圧装置12を設け、この押
圧装置12によって、上記入力側ディスク2を出力側デ
ィスク4に向け、弾性的に押圧している。上記押圧装置
12は、前記入力軸1と共に回転するカム板13と、保
持器14により保持された複数個(例えば4個)のロー
ラ15、15とから構成している。そして、上記カム板
13の片側面(図3〜4の左側面)には、円周方向に亙
る凹凸面であるカム面16を形成し、前記入力側ディス
ク2の外側面(図3〜4の右側面)にも、同様のカム面
17を形成している。そして、上記複数個のローラ1
5、15を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸
を中心とする回転自在に支持している。
機の使用時、上記入力軸1の回転に伴ってカム板13が
回転すると、カム面16によって複数個のローラ15、
15が、入力側ディスク2の外側面に設けたカム面17
に押圧される。この結果、前記入力側ディスク2が、前
記複数のパワーローラ11、11に押圧されると同時
に、前記1対のカム面16、17と複数個のローラ1
5、15の転動面との押し付け合いに基づいて、上記入
力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディス
ク2の回転が、上記各パワーローラ11、11を介して
前記出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク
4に固定の出力軸3が回転する。
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6
を揺動させ、各パワーローラ11、11の周面11a、
11aが図3に示す様に、入力側ディスク2の内側面2
aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外
周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸9、9
を傾斜させる。
ラニオン6、6を揺動させ、上記各パワーローラ11、
11の周面11a、11aが図4に示す様に、入力側デ
ィスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク
4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する
様に、各変位軸9、9を傾斜させる。各変位軸9、9の
傾斜角度を図3と図4との中間にすれば、入力軸1と出
力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは円管状の入力軸18の周囲に、それぞれニードル軸
受19、19を介して、回転及び軸方向の変位自在に支
持している。又、ローディングカム式の押圧装置12を
構成する為のカム板13は上記入力軸18の端部(図6
の左端部)外周面にスプライン係合し、鍔部20によっ
て上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止
されている。又、上記出力側ディスク4には出力歯車2
1を、キー22、22により結合し、これら出力側ディ
スク4と出力歯車21とが同期して回転する様にしてい
る。
する1対のトラニオン6、6の両端部は、それぞれ1対
の支持板23、23に、揺動並びに軸方向(図6の表裏
方向、図7の左右方向)の変位自在に支持している。そ
して、上記各トラニオン6、6を構成する支持板部7の
中間部に形成した円孔10部分に、基半部9aと先半部
9bとを互いに平行で且つ偏心させた変位軸9の基半部
9aを、回転自在に支持している。又、上記各支持板部
7の内側面から突出した、上記各変位軸9の先半部9b
の周囲にパワーローラ11を、回転自在に支持してい
る。
た1対の変位軸9、9は、上記入力軸18に関し、18
0度反対側位置に設けている。又、これら各変位軸9、
9の先半部9bが基半部9aに対し偏心している方向
は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に
関して同方向(図7で左右逆方向)としている。又、偏
心方向は、前記入力軸18の配設方向に対してほぼ直行
する方向としている。従って前記各パワーローラ11、
11は、上記入力軸18の配設方向に若干の変位自在に
支持される。この結果、前記押圧装置12が発生するス
ラスト荷重に基づく構成各部材の弾性変形等に起因し
て、上記各パワーローラ11、11が上記入力軸18の
軸方向に変位する傾向となった場合でも、構成各部材に
無理な力を加える事なく、この変位を吸収できる。
面と上記各トラニオン6、6を構成する支持板部7の内
側面との間には、上記パワーローラ11の外側面の側か
ら順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24
とスラストニードル軸受25とを設けている。このうち
のスラスト玉軸受24は、上記各パワーローラ11に加
わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワー
ローラ11の回転を許容するものである。この様なスラ
スト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26、26
と、これら各玉26、26を転動自在に保持する円環状
の保持器27と、円環状の外輪28とから構成してい
る。又、上記各スラスト玉軸受24の内輪軌道は上記各
パワーローラ11の外側面に、外輪軌道は上記各外輪2
8の内側面に、それぞれ形成している。
記各トラニオン6、6を構成する支持板部7の内側面と
上記外輪28の外側面との間に挟持している。この様な
スラストニードル軸受25は、上記各パワーローラ11
から上記各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつ
つ、これら各パワーローラ11及び外輪28が、前記各
変位軸9の基半部9aを中心として揺動変位する事を許
容する。
(図7の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド29を結合
し、各駆動ロッド29の中間部外周面に駆動ピストン3
0を固設している。そして、これら各駆動ピストン30
を、それぞれ駆動シリンダ31内に油密に嵌装してい
る。
機の場合、入力軸18の回転は、押圧装置12を介して
入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、1対のパワーローラ11、11を介
して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディ
スク4の回転が、出力歯車21より取り出される。
度比を変える場合には、上記1対の駆動ピストン30、
30を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピスト
ン30、30の変位に伴って前記1対のトラニオン6、
6が、互いに逆方向に変位し、例えば図7の下側のパワ
ーローラ11が同図の右側に、同図の上側のパワーロー
ラ11が同図の左側に、それぞれ変位する。この結果、
これら各パワーローラ11、11の周面11a、11a
と前記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面
2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向き
が変化する。そして、この力の向きの変化に伴って前記
各トラニオン6、6が、支持板23、23に枢支された
枢軸5、5を中心として、互いに逆方向に揺動する。
上記各パワーローラ11、11の周面11a、11aと
上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、前記入
力軸18と出力歯車21との間の回転速度比が変化す
る。又、これら入力軸18と出力歯車21との間で伝達
するトルクが変動し、構成各部材の弾性変形量が変化す
ると、上記各パワーローラ11、11及びこれら各パワ
ーローラ11に付属の外輪28が、前記各変位軸9の基
半部9aを中心として僅かに回動する。これら各外輪2
8の外側面と上記各トラニオン6を構成する支持板部7
の内側面との間には、前記各スラストニードル軸受25
が存在する為、上記回動は円滑に行なわれる。従って、
上述の様に各変位軸9、9の傾斜角度を変化させる為の
力が小さくて済む。
型無段変速機の運転時に、上記各トラニオン6、6の内
側面側に回転自在に支持されたパワーローラ11には、
入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aか
らスラスト荷重が加わる。そしてこのスラスト荷重は、
スラスト玉軸受24及びスラストニードル軸受25を介
して上記各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面
に伝達される。従って、トロイダル型無段変速機の運転
時に上記各トラニオン6、6は、図5に誇張して示す様
に、内側面側が凹面となる方向に、僅かとは言え弾性変
形する。
上記スラスト玉軸受24を構成する転動体である玉2
6、26及びスラストニードル軸受25を構成するニー
ドルに加わるスラスト荷重が不均一になる。即ち、上記
各トラニオン6の弾性変形の結果、これら各トラニオン
6を構成する支持板部7の内側面と上記各パワーローラ
11の外側面との距離が不均一になる。そして、これら
両面同士の距離が大きくなった部分に存在する転動体に
加わるスラスト荷重が小さくなる代わりに、この距離が
小さくなった部分に存在する転動体に加わるスラスト荷
重が大きくなる。この結果、一部の転動体に過大なスラ
スト荷重が加わり、この一部の転動体と当該転動体の転
動面が当接している軌道面との当接圧が過大となって、
これら転動面及び軌道面の疲れ寿命が著しく短くなる。
又、図8のA部の様に、上記トラニオン6の両端部に設
けた各枢軸5、5の基端部に応力が集中して、過大なト
ルクが入力された場合には、この部分に亀裂等の損傷が
発生し易くなる。従来は、上記トラニオン6の肉厚を大
きくして、この様な損傷が発生するのを防止していた
が、重量やコストが増大する原因となる為、好ましくな
い。
記各パワーローラ11には、前記入力側ディスク2の回
転方向の力が加わる。即ち、これら各パワーローラ11
の周面11aと入力側ディスク2の内側面2aとの当接
部では、この入力側ディスク2から上記各パワーローラ
11にトルクを伝達する事に伴って、この入力側ディス
ク2の回転方向の力が加わる。又、上記各パワーローラ
11の周面11aと前記出力側ディスク4の内側面4a
との当接部では、このパワーローラ11からこの出力側
ディスク4にトルクを伝達する事に伴う反作用として、
この出力側ディスク4の回転方向と反対方向で上記入力
側ディスク2の回転方向の力が加わる。この結果、上記
各パワーローラ11及びこれら各パワーローラ11を支
持した変位軸9の先半部9bには、図8の矢印α方向又
は矢印β方向の力が加わり、この変位軸9が当該矢印方
向に傾斜する傾向になる。
軸9の先半部9bに支持されたパワーローラ11の位置
がずれると、このパワーローラ11の周面11aと上記
各ディスク2、4の内側面2a、4aとの接触点が所定
位置からずれ、変速動作が不安定になる。この様な変速
動作の不安定な状態は、上記変位軸9が前記トラニオン
6に対し傾斜した場合だけでなく、このトラニオン6が
図5に示す様に弾性変形し、このトラニオン6に支持さ
れた変位軸9の先半部9bの位置がずれる事によっても
生じる。又、上述の様に変位軸9がトラニオン6に対し
傾斜した場合には、図8のB部の様に、この変位軸9の
基端部とトラニオン6との係合部に応力が集中して、こ
の部分に亀裂等の損傷が発生し易くなる。この部分に就
いても従来は、肉厚を大きくして損傷が発生するのを防
止していたが、重量やコストが増大する原因となる為、
好ましくない。
号公報には、図9〜10に示す様に、トラニオン6の内
側面側に片持ち梁式の支持板32を設け、この支持板3
2の先端部により、変位軸9の先端部を支持した構造が
記載されている。この様な構造によれば、この変位軸9
がトラニオン6に対し傾斜する事は防止できるが、この
トラニオン6が図5に示す様に弾性変形する事を防止す
る事はできない。従って、この弾性変形に基づいて、構
成各部に過大な応力が加わる事も、この弾性変形に基づ
いて上記トラニオン6の先半部9bの位置がずれる事も
防止できない。本発明は、この様な事情に鑑みて、各種
不都合の原因となるトラニオン6の弾性変形を防止すべ
く発明したものである。
段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル
型無段変速機と同様に、互いの内側面同士を対向させた
状態で、互いに同心に、且つ回転自在に支持された第
一、第二のディスクと、これら第一、第二のディスクの
中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動す
るトラニオンと、このトラニオンを構成する支持板部の
中間部に、この支持板部の内側面から突出する状態で支
持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持
された状態で、上記第一、第二の両ディスクの間に挟持
されたパワーローラと、このパワーローラの外側面に添
設して設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方
向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容
するスラスト転がり軸受とを備える。そして、上記トラ
ニオンは、上記支持板部の長さ方向両端部に1対の折れ
曲がり壁部を、この支持板部の内側面側に折れ曲がる状
態で形成し、これら各折れ曲がり壁部の外側面に上記各
枢軸を、互いに同心に設けたものである。
於いては、上記各トラニオンを構成する1対の折れ曲が
り壁部の先端部同士を連結部材により連結する。そし
て、上記各パワーローラを、この連結部材と上記支持板
部との間に配置している。更に好ましくは、上記支持板
部と上記連結部材との互いに整合する位置に、互いに同
心の円孔を形成する。そして、上記変位軸の基半部を上
記支持板部に形成した円孔に、この変位軸の先端部を上
記連結部材に形成した円孔に、それぞれ回転自在に支持
する。
変速機の場合には、前述した従来のトロイダル型無段変
速機と同様の作用により、第一、第二の両ディスク同士
の間で回転力の伝達を行ない、又、これら両ディスクの
回転速度の比を調節する。特に、本発明のトロイダル型
無段変速機の場合には、トラニオンの長さ方向両端部に
設けた1対の折れ曲がり壁部の先端部同士を連結部材に
より連結している為、このトラニオンを構成する支持板
部の内側面にスラスト荷重が加わった場合でも、このト
ラニオンが弾性変形しにくい。この為、トラニオンの弾
性変形に基づいて発生する、前述した様な各種不都合を
防止できる。更に、変位軸の先端部を連結部材に対し回
転自在に支持すれば、この変位軸がトラニオンに対し傾
斜する事も防止できて、この変位軸の傾斜に基づいて発
生する、前述した様な不都合をなくせる。
る、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本
発明の特徴は、トロイダル型無段変速機の運転時にトラ
ニオン6を構成する支持板部7の内側面に、パワーロー
ラ11からスラスト玉軸受24及びスラストニードル軸
受25を介して加わるスラスト荷重に拘らず、上記支持
板部7が弾性変形するのを防止する為の構造にある。そ
の他の部分の構造及び作用は、図6〜7に示した構造を
含め、従来から知られているトロイダル型無段変速機の
場合と同様である。よって、重複する図示並びに説明
は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を
中心に説明する。
るトラニオン6は、前述した従来構造の場合と同様に、
上記支持板部7の長さ方向(図1の左右方向)両端部に
1対の折れ曲がり壁部8、8を、この支持板部7の内側
面側(図1の上側)に折れ曲がる状態で形成している。
そして、上記各折れ曲がり壁部8、8の外側面に枢軸
5、5を、互いに同心に設けている。
構成するトラニオン6の場合には、上記各1対の折れ曲
がり壁部8、8の先端部同士を、連結部材33により連
結している。この連結部材33は、鋼等の十分な剛性を
有する材料に、鍛造加工の如き、大きな剛性を得られる
加工を施す事により橋状に造ったもので、連結板部34
の長さ方向(図1の左右方向)両端部に折れ曲がり板部
35、35を、上記トラニオン6側に折り曲げた状態で
形成している。
6に、変位軸9、パワーローラ11、スラスト玉軸受2
4、スラストニードル軸受25を組み付けた後、上記ト
ラニオン6に対し結合固定する。即ち、上記パワーロー
ラ11を跨ぐ様にして、上記各折れ曲がり板部35、3
5の先端縁(図1の下端縁)を上記各折れ曲がり壁部
8、8の先端縁(図1の上端縁)に突き当て、更に図示
しないねじ或はピンにより、上記各折れ曲がり板部3
5、35と上記各折れ曲がり壁部8、8とを結合する事
により、上記トラニオン6に対し結合固定している。
定した状態で上記パワーローラ11は、上記連結部材3
3と上記トラニオン6の支持板部7との間に配置された
状態となる。但し、上記パワーローラ11のうちで、入
力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a(図
3、4、6参照)と当接する部分は、上記連結部材33
の側縁から露出している。上記パワーローラ11の周面
11aの一部で、この様に連結部材33の側縁から露出
した部分が、上記各内側面2a、4aに当接自在とする
為、上記トラニオン6の揺動に拘らず、上記各ディスク
2、4と干渉しない様に、上記連結部材33の形状及び
大きさを設定する。この点に関しては、図9〜10に示
した従来構造の場合と同様である。
無段変速機の場合には、上記トラニオン6の長さ方向両
端部に設けた1対の折れ曲がり壁部8、8の先端部同士
を連結部材33により連結している為、このトラニオン
6の曲げ剛性が向上する。この為、トロイダル型無段変
速機の運転に伴ってこのトラニオン6を構成する支持板
部7の内側面に、図1で下向きのスラスト荷重が加わっ
た場合でも、上記トラニオン6が弾性変形しにくい。即
ち、このトラニオン6の支持板部7が、前述の図5に示
す様にその内側面が凹面となる方向に弾性変形する際に
は、上記1対の折れ曲がり壁部8、8の先端縁同士の間
隔が変化する(縮まる)。これに対して本発明のトロイ
ダル型無段変速機を構成するトラニオン6の場合には、
上記1対の折れ曲がり壁部8、8の先端縁同士を上記連
結部材33により連結する事で、この先端縁同士の間隔
が変化しない様にしている。この為、上記トラニオン6
の弾性変形が抑えられ、この弾性変形に基づいて発生す
る、前述した様な各種不都合を防止できる。
構成するトラニオン6は、過大なトルクが入力された場
合でも、上記トラニオン6の両端部に設けた各枢軸5、
5の基端部に応力が集中する事がなく、このトラニオン
6の肉厚を特に大きくしなくても、上記各枢軸5、5の
基端部分に亀裂等の損傷が発生しにくくできる。この
為、重量やコストの低減を図れる。又、上記トラニオン
6の変形に基づく変位軸9の傾斜を防止し、この変位軸
9の先半部9bに支持したパワーローラ11の位置がず
れるのを抑える事ができるので、変速動作を安定させる
事ができる。
本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合
には、トラニオン6を構成する支持板部7と、連結部材
33aを構成する連結板部34aとの互いに整合する位
置に、互いに同心の円孔10、36を形成している。そ
して、変位軸9Aの基半部9a´を上記支持板部7に形
成した円孔10に、この変位軸9Aの先半部9b´を上
記連結板部34aに形成した円孔36に、それぞれ転が
り軸受等の軸受により、回転自在に支持している。
部9b´の先端部には、この変位軸9Aの基半部9a´
と同心の枢支部37を設け、この枢支部37を上記円孔
36内に、回転自在に支持している。又、上記変位軸9
Aの両端部に設けた互いに同心の基半部9a´及び枢支
部37の間に存在し、これら両部9a´、37に対し偏
心した、上記先半部9b´の周囲にパワーローラ11を
組み付け自在とする為に、上記変位軸9Aを2分割自在
な構造としている。即ち、上記先半部9b´のうち、上
記基半部9a´寄り部分に、スプライン係合部、断面小
判形の非円形嵌合部等の、嵌合結合部38を設けてい
る。上記先半部9b´の周囲にパワーローラ11を組み
付ける際には、上記基半部9a´と上記先半部9b´と
を、上記パワーローラ11の反対側から互いに近づけ合
い、このパワーローラ11の内側で、上記嵌合結合部3
8を結合する。
段変速機の場合には、上記変位軸9Aの先端部に設けた
枢支部37を連結部材33aに対し回転自在に支持し、
この変位軸9Aを両持支持しているので、この変位軸9
Aがトラニオン6に対し傾斜する事も防止できる。この
為、この変位軸9Aの傾斜に基づいて発生する、前述し
た様な不都合を、即ち変速動作が不安定になる事をより
確実に防止できる。
上に述べた通り構成され作用する為、変速動作が安定
し、しかも軽量且つ耐久性の優れたトロイダル型無段変
速機を実現できる。
側に配置したトラニオンに相当するトラニオンを取り出
して示す断面図。
の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
り弾性変形した状態で示す断面図。
ラに加わる力を説明する為の、図1〜2と同様の図。
の構造の1例を、トラニオンの内側面側から見た状態で
示す平面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二の
ディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対
し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオ
ンと、このトラニオンを構成する支持板部の中間部に、
この支持板部の内側面から突出する状態で支持された変
位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態
で、上記第一、第二の両ディスクの間に挟持されたパワ
ーローラと、このパワーローラの外側面に添設して設け
られ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、このパワーローラの回転を許容するスラス
ト転がり軸受とを備え、上記トラニオンは、上記支持板
部の長さ方向両端部に1対の折れ曲がり壁部を、この支
持板部の内側面側に折れ曲がる状態で形成し、これら各
折れ曲がり壁部の外側面に上記各枢軸を、互いに同心に
設けたものであるトロイダル型無段変速機に於いて、上
記各トラニオンを構成する1対の折れ曲がり壁部の先端
部同士を連結部材により連結し、上記各パワーローラ
を、この連結部材と上記支持板部との間に配置した事を
特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 【請求項2】 支持板部と連結部材との互いに整合する
位置に、互いに同心の円孔を形成し、変位軸の基半部を
上記支持板部に形成した円孔に、この変位軸の先端部を
上記連結部材に形成した円孔に、それぞれ回転自在に支
持した、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
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