JP4244502B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用の変速機用の変速ユニットとして、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図6〜7に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシング5(後述する図9参照)の内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設けている。
【0003】
これら各トラニオン7、7は、両端部外側面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に互いに同心に、各トラニオン7、7毎に1対ずつ設けている。これら各枢軸6、6の中心軸は、上記各ディスク2、4の中心軸と交差する事はないが、これら各ディスク2、4の中心軸の方向に対し直角若しくはほぼ直角方向である、捩れの位置に存在する。又、上記各トラニオン7、7の中心部には変位軸8、8の基半部を支持し、上記枢軸6、6を中心として各トラニオン7、7を揺動させる事により、上記各変位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン7、7に支持された変位軸8、8の先半部周囲には、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a同士の間に挟持している。
【0004】
上記入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなしている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム装置10を設け、このローディングカム装置10によって上記入力側ディスク2を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、回転駆動自在としている。
【0005】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴って上記ローディングカム装置10が上記入力側ディスク2を、上記複数のパワーローラ9、9に押圧しつつ回転させる。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸6、6を中心として前記各トラニオン7、7を揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図6に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、前記各変位軸8、8を傾斜させる。
【0007】
反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図7に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。これら各変位軸8、8の傾斜角度を図6と図7との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0008】
更に、図8〜9は、実願昭63−69293号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4とは円管状の入力軸11の周囲に、それぞれ回転自在に支持している。又、この入力軸11の端部と上記入力側ディスク2との間に、ローディングカム装置10を設けている。一方、上記出力側ディスク4には、出力歯車12を結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車12とが同期して回転する様にしている。
【0009】
1対のトラニオン7、7の両端部に互いに同心に設けた枢軸6、6は、支持部材である1対の支持板13、13に、揺動並びに軸方向(図8の表裏方向、図9の左右方向)の変位自在に支持している。そして、上記各トラニオン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部を支持している。これら各変位軸8、8は、基半部と先半部とを互いに偏心させている。そして、このうちの基半部を上記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支持し、それぞれの先半部にパワーローラ9、9を回転自在に支持している。
【0010】
尚、上記1対の変位軸8、8は、上記入力軸11に対して180度反対側位置に設けている。又、これら各変位軸8、8の基半部と先半部とが偏心している方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関して同方向(図9で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸11の配設方向に対してほぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ9、9は、上記入力軸11の配設方向に関して若干の変位自在に支持される。
【0011】
又、上記各パワーローラ9、9の外側面と上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、これら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラスト玉軸受14、14とスラストニードル軸受15、15とを設けている。このうちのスラスト玉軸受14、14は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受15、15は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト玉軸受14、14を構成する外輪16、16に加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の先半部及び上記外輪16、16が、これら各変位軸8、8の基半部を中心として揺動する事を許容する。更に、上記各トラニオン7、7は、油圧式のアクチュエータ17、17により、前記各枢軸6、6の軸方向の変位自在としている。
【0012】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の場合、入力軸11の回転はローディングカム装置10を介して入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車12より取り出される。
【0013】
入力軸11と出力歯車12との間の回転速度比を変える場合には、上記各アクチュエータ17、17により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方向に、例えば、図9の下側のパワーローラ9を同図の右側に、同図の上側のパワーローラ9を同図の左側に、それぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板13、13に枢支された枢軸6、6を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図6〜7に示した様に、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸11と出力歯車12との間の回転速度比が変化する。
【0014】
トロイダル型無段変速機による動力伝達時には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワーローラ9、9が上記入力軸11の軸方向に変位する。そして、これら各パワーローラ9、9を支持した前記各変位軸8、8が、それぞれの基半部を中心として僅かに回動する。この回動の結果、上記各スラスト玉軸受14、14の外輪16、16の外側面と上記各トラニオン7、7の内側面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受15、15が存在する為、この相対変位に要する力は小さい。
【0015】
上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機の場合には、上記入力軸11と出力歯車12との間での動力伝達を2個のパワーローラ9、9により行なっている。従って、各パワーローラ9、9の周面9a、9aと入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aとの間で伝達される単位面積当たりの力が大きくなり、伝達可能な動力の限界が比較的低い。この様な事情に鑑みて、トロイダル型無段変速機により伝達可能な動力を大きくすべく、パワーローラ9、9の数を増やす事も、従来から考えられている。
【0016】
この様な目的でパワーローラ9、9の数を増やす為の構造の1例として従来から、1組の入力側ディスク2と出力側ディスク4との間に3個のパワーローラ9、9を配置し、この3個のパワーローラ9、9によって動力の伝達を行なう事が、例えば特開平3−74667号公報に記載されている様に、従来から知られている。この公報に記載された構造の場合には、図10に示す様に、固定のフレーム18の円周方向等間隔の3個所位置に、それぞれが支持部材であり、120度に折れ曲がった支持片19、19の中間部を枢支している。そして、隣り合う支持片19、19同士の間にそれぞれトラニオン7、7を、揺動並びに軸方向の変位自在に支持している。
【0017】
上記各トラニオン7、7は、それぞれ油圧式のアクチュエータ17、17により、それぞれの両端部に互いに同心に設けた枢軸6の軸方向に変位自在としている。上記各アクチュエータ17、17を構成する各油圧シリンダ20、20は、制御弁21を介して、油圧源であるポンプ22の吐出口に通じている。この制御弁21は、それぞれが軸方向(図10の左右方向)に変位自在なスリーブ23とスプール24とを備える。
【0018】
それぞれが上記各トラニオン7、7に、変位軸8、8により枢支されたパワーローラ9、9の傾斜角度を変える場合には、制御モータ25により上記スリーブ23を軸方向(図10の左右方向)に変位させる。この結果、上記ポンプ22から吐出された圧油が、油圧配管を通じて上記各油圧シリンダ20、20に送り込まれる。そして、これら各油圧シリンダ20、20に嵌装された、上記各トラニオン7、7を枢軸の軸方向に変位させる為の駆動ピストン26、26が、入力側ディスク2及び出力側ディスク4(図6〜8参照)の回転方向に関して同方向に変位する。この変位に伴って上記各トラニオン7、7が枢軸の軸方向に変位し、更にこの枢軸を中心として揺動変位するのは、前述の図8〜9に示した構造の場合と同様である。又、上記各駆動ピストン26、26の変位に伴って上記各油圧シリンダ20、20から押し出された作動油は、やはり上記制御弁21を含む油圧配管(一部図示せず)を通じて、油溜27に戻される。
【0019】
一方、上記圧油の送り込みに伴う駆動ピストン26の変位は、プリセスカム28、リンク29を介して上記スプール24に伝達され、このスプール24を軸方向に変位させる。この結果、上記駆動ピストン26が所定量変位した状態で、上記制御弁21の流路が閉じられ、上記各油圧シリンダ20、20への圧油の給排が停止される。従って、上記各トラニオン7、7の軸方向に関する変位量は、上記制御モータ25によるスリーブ23の変位量に応じただけのものとなる。
【0020】
上述の様に構成され作用する従来のトロイダル型無段変速機の場合、パワーローラ9、9の数(或はパワーローラ9、9の数の2倍の数)だけアクチュエータ17、17を設けていた為、装置が大型化する。これに対して特開平7−259947号公報には、図11〜12に示す様に、複数個(図11の場合には2個、図12の場合には3個)のトラニオン7、7をリンク機構30a、30bにより互いに直列に結合し、1個のアクチュエータ17により上記複数個のトラニオン7、7を変位させる構造が記載されている。この様な構造によれば、アクチュエータ17の数を減らして小型・軽量化を図ると同時に、油圧配管の簡略化による組立作業の簡略化も図れる。
【0021】
図11〜12に示した従来構造の場合、アクチュエータ17の数を減らす事による小型・軽量化を図れるが、部品点数が増える。即ち、図11〜12には省略しているが、これら図11〜12に記載した各トラニオン7、7の両端部に設けた枢軸6、6は、それぞれ支持板13、13(図9参照)或は支持片19、19(図10参照)に支持する。一方、上記各トラニオン7、7同士の間で動きを伝達する為のリンク機構30a、30bは、これら支持板13、13或は支持片19、19とは別個に設けている為、その分、部品点数が増大する。
【0022】
この為、より大幅な小型・軽量化を図る為には、独立したリンク機構30a、30bが不要な構造の実現が望まれる。この様な構造として特開平11−303963号公報には、図13〜14に示す様な構造が提案されている。この従来構造は、支持板13a(図13に記載した構造の場合)或は支持片19a、19a(図14に記載した構造の場合)を揺動変位自在に支持すると共に、これら支持板13a或は支持片19a、19aにより、円周方向に隣り合うトラニオン7、7同士の間で動きを伝達自在としたものである。駆動用のアクチュエータ17は、円周方向両端部に設けたトラニオン7、7に付属の枢軸6、6の端面を軸方向に押圧自在としている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
図13〜14に示した従来構造の場合、部品点数の削減による小型・軽量化を図れるが、動作を安定させる面から、各枢軸6、6を中心とする各トラニオン7、7の揺動変位が円滑に行なわれる様にすべく、改良する事が望まれる。
即ち、上記図13〜14に示した従来構造の場合、アクチュエータ17、17の押圧ロッド31、31の先端面を、何れかの枢軸6、6の端面に突き当てている。従って、変速時に上記各トラニオン7、7を各枢軸6、6を中心に揺動変位させる為には、上記各押圧ロッド31、31の先端面と各枢軸6、6の端面との突き当て面を摩擦変位させるか、上記各アクチュエータ17、17を構成する駆動ピストン26、26を油圧シリンダ20、20内で回動させる必要がある。何れにしても、上記各トラニオン7、7を上記各枢軸6、6を中心に揺動変位させる事に対する抵抗が大きくなる。
【0024】
そして、この様に各トラニオン7、7を揺動変位させる事に対する抵抗が大きくなると、トロイダル型無段変速機の変速動作に悪影響を及ぼす。特に、変速比を急変させる場合や伝達トルクが急激に変化する様な場合に、変速動作が不安定になり易い。更に、駆動ピストン26、26を油圧シリンダ20、20内で回動させる場合には、抵抗増大に基づく変速動作の不安定化の原因となるだけでなく、上記駆動ピストン26、26と油圧シリンダ20、20との間のシール性保持に悪影響を及ぼす事も考えられる。
本発明のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機の場合と同様に、第一、第二のディスクと、複数の支持部材と、複数のトラニオンと、アクチュエータと、複数の変位軸と、複数のパワーローラとを備える。
このうちの第一、第二のディスクは、互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ回転自在に支持されている。
又、上記複数の支持部材は、上記第一、第二のディスクの軸方向に関してこれら第一、第二のディスクの間位置に設けられている。
又、上記複数のトラニオンは、上記第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を有し、この枢軸を中心とする揺動を自在として上記各支持部材に支持されている。
又、上記アクチュエータは、上記各トラニオンを上記枢軸の軸方向に変位させるものである。
又、上記変位軸は、上記各トラニオンの内側面から突出する状態でこれら各トラニオンに支持されている。
又、上記各パワーローラは、上記各変位軸を中心とする回転を自在とされた状態で上記各トラニオンの内側面に支持されて、上記第一、第二の両ディスク同士の間に挟持されている。
【0026】
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各支持部材は、上記枢軸に対し捩れの位置にあり、上記第一、第二のディスクの回転中心に対し平行若しくはほぼ平行である、第二の枢軸を中心とする揺動変位自在に支持されている。又、上記アクチュエータは、上記複数の支持部材のうち、何れかのトラニオンの軸方向両側に配置された1対の支持部材を挟んで当該トラニオンと反対側に1対設けられ、これら両支持部材を、上記第二の枢軸を中心として互いに反対方向に揺動変位させるものである。この為に、上記アクチュエータの出力ロッドの先端面に設けた第一の球状凹部に転動自在に保持した第一の鋼球を、上記支持部材を構成する支持板部の外側面に突き当てている。そして、上記各枢軸の軸方向に関して上記各トラニオンの両端部と当該トラニオンを支持した上記各支持部材との間に、互いの動きを相手側に伝達する為の伝達機構を設けている。この伝達機構は、上記各支持部材を構成する支持板部の内側面にそれぞれ設けた第二の球状凹部に転動自在に保持した第二の鋼球を、上記各トラニオンの両端面に当接させる事により構成している。
【0027】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、部品点数の削減による小型・軽量化を図りつつ、各枢軸を中心とする各トラニオンの揺動変位を円滑に行なわせて、変速動作を安定させる事ができる。
特に本発明の場合には、上記各トラニオンが上記各枢軸の軸方向に変位する際にも、第一、第二の鋼球の転動により、各支持板部の両面と、上記各トラニオンの両端面及び上記アクチュエータの出力ロッドの先端面との各接触部での揺動変位を円滑に行なえる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例は、入力側ディスク2と出力側ディスク4とを動力の伝達方向に関して2個ずつ設けた、所謂ダブルキャビティ型で、各入力側ディスク2と出力側ディスク4との間にパワーローラ9、9を3個ずつ、合計6個設けたトロイダル型無段変速機に本発明を適用した場合に就いて示している。図2には、その片側のキャビティ(入力側ディスク2と出力側ディスク4とパワーローラ9、9とを配置して動力を伝達する部分)のみを示しているが、図2よりも右側部分にも、別のキャビティが存在する。この様なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の基本的な構造及び作用に就いては、従来から周知であるから、全体構成の図示並びに説明は省略する。
【0029】
ケーシング5の内面に設けた取付部32にフレーム18を、このフレーム18の外径側端部3個所位置の取付孔39、39に挿通したスタッド33、33と、これら各スタッド33、33に螺合したナット34とにより結合固定している。図示の例では、これら各スタッド33、33及びナット34により、上記取付部32とフレーム18との間に、ギヤハウジング35を固定している。このギヤハウジング35の内径側には、1対の出力側ディスク4をその両端部にスプライン係合させた出力スリーブ36を、1対の転がり軸受37、37により回転自在に支持すると共に、この出力スリーブ36の中間部外周面に設けた出力歯車38を、上記ギヤハウジング35の内部に収納している。
【0030】
又、上記フレーム18は全体を星形に形成すると共に、その径方向中間部乃至は外径側部分を二股に形成して、3個所の保持部40、40を、円周方向等間隔に形成している。そして、これら各保持部40、40の径方向中間部に、それぞれ支持片19b、19bの中間部を、第二の枢軸41、41により、ニードル軸受42、42を介して枢支している。請求項に記載した支持部材に相当する、上記各支持片19b、19bは、上記第二の枢軸41、41の周囲に配置される円筒状の取付部43と、この取付部43の外周面から径方向外方に突出した1対の支持板部44、44とから成る。これら1対の支持板部44、44同士の交差角度は120度である。従って、円周方向に隣り合う支持片19b、19bの支持板部44、44同士は、互いに平行である。
【0031】
この様な各支持板部44、44には、それぞれ円孔45、45を形成している。上記各支持片19b、19bが中立状態にある場合、円周方向に隣り合う支持片19b、19bの支持板部44、44に形成した円孔45、45同士は互いに同心である。そして、これら各円孔45、45内に、各トラニオン7、7の両端部に設けた枢軸6、6を、ラジアルニードル軸受46、46により支持している。これら各ラジアルニードル軸受46、46を構成する外輪47、47の外周面は、球状凸面としている。この様な外輪47、47は上記各円孔45、45内に、がたつきなく、且つ揺動変位自在に内嵌している。
【0032】
又、上記各支持板部44、44の内側面(各トラニオン7、7に対向する面)に設けた球状凹部(特許請求の範囲に記載した第二の凹部)には鋼球48、48(特許請求の範囲に記載した第二の鋼球)を、転動自在に保持し、これら各鋼球48、48を、上記各トラニオン7、7の端面(肩部)に当接させて、これら各トラニオン7、7と前記各支持片19b、19bとの間に、互いの動きを相手側に伝達する為の伝達機構を設けている。トロイダル型無段変速機を組み立てた状態で、上記各鋼球48、48は、何れも上記各トラニオン7、7の端面に当接している。従って、何れかのトラニオン7が上記各枢軸6、6の軸方向に変位すると、上記各支持片19b、19bが前記第二の枢軸41、41を中心として(図1の時計方向或は反時計方向に関して)同方向に揺動する。そして、総てのトラニオン7、7が、前記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の円周方向に関して、同方向に同じだけ変位する。
【0033】
更に、所定の(図1の下側中央部の)トラニオン7を挟んで、このトラニオン7を上記各枢軸6、6の軸方向(図1の左右方向)に変位させる為の、1対のアクチュエータ17a、17bを設けている。図示の例では、これら各アクチュエータ17a、17bとして、ダブルピストン型で単動型の油圧アクチュエータを使用している。ダブルピストン型とした理由は、直径が小さなアクチュエータ17a、17bでも必要な力を得る為である。又、単動型とした理由は、ダブルピストン型とした場合でも軸方向寸法を短くし、限られた空間内への設置を容易に行なえる様にする為である。即ち、ダブルピストン型で複動型とした場合には、トラニオン7(図1の中央)寄り部分にも油圧室を設ける必要があり、アクチュエータの軸方向長さが嵩む。一方、図1を見れば明らかな通り、トロイダル型無段変速機を納めるケーシング5内で上記トラニオン7を挟む部分には、同程度の空間が存在する。従って、この空間内に、ダブルピストン型で外径が小さく、単動型で軸方向寸法が小さいアクチュエータ17a、17bを設置する事が、空間の有効利用の面から好ましい場合がある。
【0034】
何れにしても、上記1対のアクチュエータ17a、17bの油圧室への圧油の給排状態は、制御弁21により、互いに逆とされる。即ち、一方のアクチュエータ17a(又は17b)の油圧室に圧油を送り込む場合には、他方のアクチュエータ17b(17a)の油圧室は排出状態とする。この様な各アクチュエータ17a、17bの出力ロッド49、49の先端面に設けた球状凹部(特許請求の範囲に記載した第一の凹部)には鋼球50、50(特許請求の範囲に記載した第一の鋼球)を、転動自在に保持しており、これら各鋼球50、50を、図1の下部中央のトラニオン7の両端部を支持した1対の支持片19b、19bを構成する支持板部44、44の外側面に突き当てている。従って、上記図1の下部中央のトラニオン7は、上記制御弁21により上記1対のアクチュエータ17a、17bへの圧油の給排状態を切り換える事により、その両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に変位する。そして、残りのトラニオン7、7も、それぞれの両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に、同じストローク分だけ変位する。
【0035】
上記制御弁21は、前述の図10に示した従来構造の場合と同様に、それぞれが軸方向(図1の左右方向)に変位自在なスリーブ23とスプール24とを備える。このうちのスリーブ23は、制御モータ25(図10参照。図1には省略。)により軸方向(図1の左右方向)に変位自在としている。又、上記図1の下部中央のトラニオン7の動き(軸方向変位及び枢軸6、6を中心とする揺動変位)は、プリセスカム28とリンク29とにより、上記スプール24に伝達自在としている。
【0036】
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速機の作用は、次の通りである。エンジン等の動力源の駆動力は、図示しないトルクコンバータ、電磁クラッチ等の発進クラッチからの動力が伝わる駆動軸51からローディングカム装置10のカム板52に伝わる。この結果、前記入力側ディスク2が、前記出力側ディスク4に向け押圧されつつ回転する。この回転は、前記各パワーローラ9、9を介して上記出力側ディスク4に伝わり、この出力側ディスク4の回転が、前記出力スリーブ36と出力歯車38とを通じて取り出される。
【0037】
上記入力側ディスク2と上記出力側ディスク4との間の変速比を変えるべく、上記各パワーローラ9、9を支持した上記各トラニオン7、7を揺動変位させる際には、前記制御モータ25により前記スリーブ23を軸方向(図1の左右方向)に変位させる。この結果、前記1対のアクチュエータ17a、17bのうちの一方のアクチュエータ17a(又は17b)の油圧室に圧油が送り込まれ、他方のアクチュエータ17b(17a)の油圧室内の油が排出される。この結果、上記図1の下部両側に配置した1対の支持片19b、19bが、それぞれ第二の枢軸41、41を中心として揺動変位し、これら両支持片19b、19bの支持板部44、44に挟持された、図1の下部中央のトラニオン7が、その両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に変位する。又、上記1対の支持片19b、19bの揺動変位は、他のトラニオン7、7にも伝わり、前述の様に総てのトラニオン7、7が、前記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の円周方向に関して、同方向に同じストローク分だけ変位する。尚、上記各トラニオン7、7は、上記各枢軸6、6の軸方向に変位すると同時に、上記両ディスク2、4の径方向にも変位するが、この径方向の変位は極く僅かである。
【0038】
この様に上記各トラニオン7、7が上記各枢軸6、6の軸方向に変位するのに伴って、これら各枢軸6、6の中心軸と上記各支持板部44、44に形成した円孔45、45の中心軸とが不一致になる。この不一致は、前記各ラジアルニードル軸受46、46を構成する外輪47、47の外周面が球状凸面である為、円滑に吸収できる。又、上記各支持板部44、44の両面と、上記各トラニオン7、7の両端面及び上記各アクチュエータ17a、17bの出力ロッド49、49の先端面とは、それぞれ鋼球48、50を介して接触しているので、これら各接触部での揺動変位も円滑に行なわれる。
【0039】
一方、上記両アクチュエータ17a、17bへの圧油の給排に伴う上記図1の下部中央のトラニオン7の変位は、プリセスカム28とリンク29とを介して前記スプール24に伝達され、このスプール24を軸方向に変位させる。この結果、上記両アクチュエータ17a、17bが所定量ストロークした状態で、上記制御弁21の流路が閉じられ、上記両アクチュエータ17a、17bへの圧油の給排が停止される。従って、上記各トラニオン7、7の軸方向に亙る変位量は、上記制御モータ25によるスリーブ23の変位量に応じただけのものとなる。
【0040】
上記各トラニオン7、7が前記各枢軸6、6の軸方向に変位するのに伴って、これら各トラニオン7、7がこれら各枢軸6、6を中心として揺動し、上記入力側ディスク2と出力側ディスク4との間の変速比を変える。この様な上記各トラニオン7、7の揺動変位は、前記ラジアルニードル軸受46、46により、円滑に行なわれる。前記各鋼球48、48と上記各トラニオン7、7との当接部、又はこれら各鋼球48、48と前記各支持板部44、44に形成した球状凹部との当接部で、転がり摩擦若しくは滑り摩擦が発生するが、この転がり摩擦若しくは滑り摩擦は限られたものとなる。従って、部品点数の削減による小型・軽量化を図りつつ、上記各枢軸6、6を中心とする各トラニオン7、7の揺動変位を円滑に行なわせて、変速動作を安定させる事ができる。
【0041】
次に、図3は、本発明に関する参考例の1例を示している。本参考例の場合には、アクチュエータの出力ロッド49aの先端部を、何れかの支持板部44に対し、ピン53により連結している。尚、このピン53の係合部には、長孔等の変位吸収部を設けて、直線運動する出力ロッド49aと円弧運動する支持板部44との間の相対変位の吸収を自在としている。この様に、出力ロッド49aの先端部と支持板部44とをピン53により連結した構造の場合には、この出力ロッド49aの両方向の変位を上記支持板部44に伝達できる。従って、変速用のアクチュエータとして、複動型のものを1個のみ設ける事もできる。
【0042】
尚、本発明を実施する場合に、各トラニオン7、7と各支持片19b、19bとの間で互いに動きを伝達する為の伝達機構を構成する、前記各鋼球48、48と上記各トラニオン7、7との各当接部と、前記各第二の枢軸41、41との位置関係を適切に規制する事が好ましい。即ち、上記各当接部と上記各第二の枢軸41、41の中心とを結ぶ仮想直線の方向を、当該トラニオン7、7の両端部に設けた枢軸6、6の軸方向に対しほぼ直角とする。より具体的には、上記各支持片19b、19bを中立位置にした状態で、上記各仮想直線の方向と上記各枢軸6、6の軸方向とのなす角度が80〜100度の範囲内に収まる様に、上記各当接部と上記各第二の枢軸41、41との位置関係を規制する。この様な規制を行なう理由は、上記各当接部での擦れ合い長さを短くして、摩耗の抑制と変速動作の安定化を図る為である。この点に就いて、図1並びに図4により説明する。
【0043】
トロイダル型無段変速機の変速動作に伴って上記各支持片19b、19bは、上記第二の枢軸41、41を中心として揺動変位し、上記各鋼球48、48はこれら第二の枢軸41、41を中心とする円弧運動を行なう。この円弧運動に伴って、上記各鋼球48、48と上記各トラニオン7、7の端面との当接部の位置が、上記各枢軸6、6の中心軸の方向に対し直角方向に変位する。
【0044】
この様な直角方向への変位(ベクトル)は、図4(a)に示す様に、上記当接部と上記第二の枢軸41の中心軸とを結ぶ仮想直線αの方向と上記枢軸6の中心軸βの方向とが互いに直角となる瞬間に零となる(図4に鎖線γで示す上記円弧運動の軌跡に関し、当接部での接線の方向が上記中心軸βに対し平行になる)。そして、この様に上記仮想直線αの方向と中心軸βの方向とが直角の状態から上記支持片19bが揺動しても、上記直角方向への上記当接部の変位量δ(当接部での滑り若しくは転がり長さ)は小さい。
【0045】
これに対して、図4(b)に示す様に、上記当接部と上記第二の枢軸41の中心軸とを結ぶ仮想直線α´の方向と上記枢軸6の中心軸βの方向とが互いに直角でなくなる(図4に鎖線γで示す上記円弧運動の軌跡に関し、当接部での接線の方向が上記中心軸βに対し非平行になる)と、上記直角方向への変位(ベクトル)が発生する。そして、この様にして生じる、上記当接部の直角方向への変位量δ´は、上記仮想直線α´の方向と中心軸βの方向との交差角度の、直角からのずれが大きくなる程大きくなる。
【0046】
この様な図4(a)(b)の記載から分かる様に、前記各鋼球48、48と前記各トラニオン7、7との各当接部と、前記各第二の枢軸41、41との位置関係を適切に規制して、上記各当接部と上記各第二の枢軸41、41の中心とを結ぶ仮想直線αの方向を、当該トラニオン7、7の両端部に設けた枢軸6、6の中心軸βの方向に対しほぼ直角(中立状態での交差角度を80〜100度の範囲内にする)とすれば、上記各当接部の変位量δを小さく抑える事ができる。そして、この変位量δを小さく抑える事により、上記各当接部の摩耗を少なく抑えると共に、トロイダル型無段変速機の動作を安定させる事ができる。
【0047】
即ち、上記変位量δを小さくして上記各当接部での滑り若しくは転がり長さを短くし、これら各当接部での摩耗を低減できる。又、これら各当接部での滑り若しくは転がり長さを短くする事により、これら各当接部の摩擦抵抗を小さく抑えられる為、複数のトラニオン7、7の変位同期を安定して実現できる。即ち、トロイダル型無段変速機の変速動作を安定させる為には、複数個(図示の例では各キャビティ毎に3個ずつ合計6個)のトラニオン7、7を、互いに同期した状態で変位させる必要がある。これら各トラニオン7、7の変位が同期しなくなると、入力側ディスク2と出力側ディスク4との間での動力の伝達を、一時的にせよ、一部のパワーローラ9のみで行なう状態が出現したり、各パワーローラ9、9の傾斜角度が不一致になったりして、何れかの摩擦伝達部で、過大な摩擦が発生する状態となる可能性がある。
【0048】
これらの状態が発生すると、何れかのパワーローラ9に無理な力が加わったりして、当該パワーローラ9の耐久性が著しく短くなる可能性がある。この様な不都合は、変速動作を緩徐に行なわせるべく、上記各トラニオン7、7の変位を緩徐に行なわせる場合にはあまり問題にはならないが、急な変速動作を実現すべく、上記各トラニオン7、7の変位を迅速に行なわせる場合に顕著になる。トロイダル型無段変速機を自動車用の自動変速機として利用する場合には、急な変速動作を行なう場合が多い為、上記各トラニオン7、7の同期安定性は重要であり、上記各当接部の摩擦を低減する事が重要になる。この様な事情を考えた場合、上記各当接部と前記各第二の枢軸41、41の中心とを結ぶ仮想直線αの方向を、当該トラニオン7、7の両端部に設けた枢軸6、6の中心軸β方向に対しほぼ直角とする事が、トロイダル型無段変速機の実用性向上の面から有効である。
【0050】
更に、前記各支持片19b、19bの弾性変形により、上記各トラニオン7、7の同期安定性が損なわれる事を防止する為、これら各支持片19b、19bの一部に、図1〜2の鎖線及び図5に示す様な補強リブ54、54を設ける事もできる。この様な補強リブ54、54を設けて上記各支持片19b、19bの曲げ剛性を向上させれば、これら各支持片19b、19bが、弾性変形する事なく、円周方向に隣り合うトラニオン7、7同士の間で変位を伝達する様にして、上記同期安定性を確保できる。
【0051】
又、図示の例では、上記各トラニオン7、7の両端面と鋼球48、48との当接部同士を結ぶ仮想直線xと前記各枢軸6、6の中心軸とが平行であり、しかも、この仮想直線xが、各パワーローラ9、9を枢支する為の変位軸8、8の基半部で、上記各トラニオン7、7に支持された部分の軸方向中央部と交差する様にしている。この為、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各パワーローラ9、9から上記各変位軸8、8に加わる力を、何れかの鋼球48、48により有効に支承して、上記各トラニオン7、7に有害なモーメントが発生する事を防止できる。
【0052】
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に上記各パワーローラ9、9には、前記入力側、出力側、両ディスク2、4の回転方向の力が加わり、この力が上記各変位軸8、8を介して上記各トラニオン7、7に、上記各枢軸6、6の軸方向の力として加わる。この様にして上記各変位軸8、8の基半部から上記各トラニオン7、7に加わる力の作用方向が上記仮想直線xと大きくずれていた場合、これら各トラニオン7、7に対し、図1の時計方向若しくは反時計方向に回転する方向のモーメントが加わる。この様なモーメントは、上記各トラニオン7、7の同期安定性に悪影響を及ぼす。これに対して図示の例では、上記仮想直線xが上記変位軸8、8の基半部の軸方向中央部と交差する様にしている為、上述の様なモーメントを小さく抑えて、上記同期安定性の向上に寄与できる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、小型で限られた設置空間に組み付け可能な、トロイダル型無段変速機を組み込んだ自動変速装置の設計の容易化を図れる構造で、しかも安定した変速動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】 本発明に関する参考例の1例を示す、図1のB部に相当する断面図。
【図4】伝達機構の構成各部材の位置関係を説明する為、(a)は好ましい場合を、(b)は好ましくない場合を、それぞれ示す、図1のC部に相当する図。
【図5】補強リブを設けた支持片の斜視図。
【図6】従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図7】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図8】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図9】図8のD−D断面図。
【図10】従来から知られている、伝達可能な動力を大きくする構造の1例を、一部を切断した状態で示す要部正面図。
【図11】従来から知られている、アクチュエータの数を少なくできる構造の第1例を示す要部断面図。
【図12】同第2例を示す要部断面図。
【図13】同第3例を示す要部断面図。
【図14】同第4例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 ケーシング
6 枢軸
7 トラニオン
8 変位軸
9 パワーローラ
9a 周面
10 ローディングカム装置
11 入力軸
12 出力歯車
13、13a 支持板
14 スラスト玉軸受
15 スラストニードル軸受
16 外輪
17、17a、17b アクチュエータ
18 フレーム
19、19a、19b 支持片
20 油圧シリンダ
21 制御弁
22 ポンプ
23 スリーブ
24 スプール
25 制御モータ
26 駆動ピストン
27 油溜
28 カム
29 リンク
30a、30b リンク機構
31 押圧ロッド
32 取付部
33 スタッド
34 ナット
35 ギヤハウジング
36 出力スリーブ
37 転がり軸受
38 出力歯車
39 取付孔
40 保持部
41 第二の枢軸
42 ニードル軸受
43 取付部
44 支持板部
45 円孔
46 ラジアルニードル軸受
47 外輪
48 鋼球
49、49a 出力ロッド
50 鋼球
51 駆動軸
52 カム板
53 ピン
54 補強リブ

Claims (2)

  1. 互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二のディスクと、これら第一、第二のディスクの軸方向に関してこれら第一、第二のディスクの間位置に設けられた複数の支持部材と、これら第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を有し、この枢軸を中心とする揺動を自在として上記各支持部材に支持された複数のトラニオンと、これら各トラニオンを上記枢軸の軸方向に変位させるアクチュエータと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態でこれら各トラニオンに支持された複数の変位軸と、これら各変位軸を中心とする回転を自在とされた状態で上記各トラニオンの内側面に支持されて、上記第一、第二の両ディスク同士の間に挟持された複数のパワーローラとを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記各支持部材は、上記枢軸に対し捩れの位置にある第二の枢軸を中心とする揺動変位自在に支持されており、上記アクチュエータは、上記複数の支持部材のうち、何れかのトラニオンの軸方向両側に配置された1対の支持部材を挟んで当該トラニオンと反対側に1対設けられ、これら両支持部材を上記第二の枢軸を中心として互いに反対方向に揺動変位させるものであって、上記両アクチュエータの出力ロッドの先端面にそれぞれ設けた第一の球状凹部に転動自在に保持した第一の鋼球を、上記両支持部材を構成する支持板部の外側面にそれぞれ突き当てており、上記各枢軸の軸方向に関して上記各トラニオンの両端部と当該トラニオンを支持した上記各支持部材との間には、これら各支持部材を構成する支持板部の内側面にそれぞれ設けた第二の球状凹部に転動自在に保持した第二の鋼球を上記各トラニオンの両端面に当接させる事により、互いの動きを相手側に伝達する為の伝達機構が設けられている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 各トラニオンの両端面と第二の鋼球との当接点と、第二の枢軸の中心とを結ぶ仮想直線の方向は、当該トラニオンの両端部に設けた枢軸の軸方向に対しほぼ直角である、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
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