JP3659328B2 - 半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

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    • H01L2224/48227Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation connecting the wire to a bond pad of the item

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  • Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号入出力部に同軸コネクタを用いた半導体素子収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信やマイクロ波帯、ミリ波帯等の高周波信号を用いる各種半導体素子を収納する半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージという)には、半導体素子と外部電気回路基板とを電気的に接続するための入出力端子として同軸コネクタが用いられている。この同軸コネクタを具備した半導体パッケージを図6に断面図で示す。
【0003】
同図において、21は基体、22は枠体、23は同軸コネクタ、24は蓋体、26は回路基板である。
【0004】
基体21は鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)等の金属から成る略四角形状の板状体であり、その上側主面の略中央部には、IC、LSI、半導体レーザ(LD)、フォトダイオード(PD)等の半導体素子25を搭載して成る回路基板26を載置する載置部21aが設けられている。載置部21aには、半導体素子25が、例えばアルミナ(Al23)質セラミックス等から成る回路基板26に搭載された状態で載置固定される。
【0005】
なお、回路基板26に搭載された半導体素子25は、その電極が回路基板26に被着形成されている線路導体26aにボンディングワイヤ27等を介して電気的に接続されている。
【0006】
基体21の上側主面の外周部には載置部21aを囲繞するようにして枠体22が立設されており、枠体22は基体21とともにその内側に半導体素子25を収容する空所を形成する。
【0007】
枠体22は基体21と同様に鉄−ニッケル−コバルト合金や銅−タングステンの焼結材等から成り、基体21と一体成形される、または基体21に銀ろう等のろう材を介してろう付けされる、またはシーム溶接法等の溶接法により接合されることによって基体21の上側主面の外周部に立設される。
【0008】
枠体22の側面には同軸コネクタ23が嵌着される貫通孔22aが形成されており、貫通孔22a内に同軸コネクタ23を嵌め込むとともに半田等の封着材28を貫通孔22a内の隙間に挿入し、しかる後、加熱して封着材28を溶融させ、溶融した封着材28を毛細管現象により同軸コネクタ23と貫通孔22aの内壁との隙間に充填させることによって、同軸コネクタ23が貫通孔22a内に半田等の封着材28を介して嵌着される。
【0009】
同軸コネクタ23は、鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る円筒状の外周導体23aの中心軸部分に、信号線路として鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る棒状の中心導体23bが絶縁体23cを介して固定されて成り、グランド電極としての外周導体23aが封着材28を介して枠体22に電気的に接続されており、特性インピーダンスに整合された同軸線路モードの信号線路を形成している。また、中心導体23bが半田等から成る導電性接着材26bを介して回路基板26の線路導体26aに電気的に接続される。線路導体26aは、所定の特性インピーダンスに整合されたマイクロストリップ線路となっている。
【0010】
この同軸コネクタ23を備えた半導体パッケージは、内周面にネジ切りを有する貫通孔22bに同軸コネクタプラグ29のネジ状の外周面がネジ止めされ、外部電気回路に接続された同軸ケーブル30が同軸コネクタプラグ29に装着されることによって、内部に収納された半導体素子25が同軸コネクタ23の中心導体23bを介して外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0011】
枠体22の上面に蓋体24をろう付け法やシームウエルド法等の溶接法を採用して接合し、基体21、枠体22および蓋体24から成る容器内部に半導体素子25を収容し気密に封止することによって製品としての半導体装置となる。
【0012】
この半導体パッケージは、基体21の端部に貫通孔21bが設けられており、貫通孔21bを通してネジ止めすることにより、外部回路基板等に実装されることとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の半導体パッケージでは、同軸コネクタ23の中心導体23bと回路基板26の線路導体26aとの接続部において、中心導体23bと線路導体26aとを導電性接着材26bで接続することによって、線路導体26aの表面の端部に中心導体23bが載置されることから、接続部の容量成分が付加されて容量成分が増加し、接続部において信号線路のインピーダンスが低下していた。
【0014】
その結果、接続部でインピーダンスの整合がとれないために、半導体パッケージ内の信号線路において、接続部における高周波信号の反射損失が大きくなり、高周波信号を効率よく伝送するのが困難となるという問題があった。
【0015】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は高周波信号の伝送効率に優れた半導体パッケージを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上側主面に半導体素子を載置するための載置部を有する基体と、前記上側主面の外周部に前記載置部を囲繞するように接合され、かつ側部に同軸コネクタの保持部材を嵌着させる貫通孔または切り欠き部から成る嵌着部が設けられた枠体と、筒状の外周導体およびその中心軸に設置させた中心導体ならびにそれらの間に介在させた絶縁体から成るとともに前記保持部材に保持されて前記側部に取り付けられた同軸コネクタとを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記保持部材は、前記枠体内外を貫通するとともに外側より前記同軸コネクタを挿着する貫通孔が形成され、かつ前記枠体内側の前記貫通孔の下方の部位に回路基板を上面に設置した棚部が設けられ、さらに前記回路基板の表面に、前記中心導体と接続される一端部が前記中心導体の幅の0.7〜0.9倍の幅狭部とされ残部が前記中心導体と略同じ幅とされた線路導体が、前記枠体内面より突出した前記中心導体の端部と前記半導体素子とを電気的に接続するように設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明の半導体パッケージによれば、回路基板の線路導体は中心導体との接続部で中心導体の幅の0.7〜0.9倍の幅狭部とされ残部が中心導体と略同じ幅となっていることから、幅狭部のインピーダンスは線路導体の幅広部の特性インピーダンスより高くなっている。従来、線路導体と中心導体とを接続することにより、接続部における信号線路の容量成分が増加し接続部のインピーダンスが低下してインピーダンス不整合を生じていたが、本発明では接続部を幅狭部として特性インピーダンスより高いインピーダンス値としていることから、線路導体と中心導体とを接続することによって接続部のインピーダンスが低下した場合においても、接続部を特性インピーダンスに整合することが可能となる。
【0019】
また、本発明において、同軸コネクタの挿着部と回路基板の設置用の棚部を同軸コネクタの保持部材に設けて保持部材を枠体に嵌着した場合、保持部材の厚みを枠体に比べ厚くするなどして保持部材の体積を大きくすることによって、半導体パッケージをネジ止め等により外部回路基板等に装着する際に枠体に加わる歪みが、保持部材で分散および吸収される。その結果、同軸コネクタと回路基板に不要な応力および歪みが伝わることを防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体パッケージを以下に詳細に説明する。図1は本発明の半導体パッケージについて実施の形態の一例を示す断面図であり、1は基体、2は枠体、3は同軸コネクタ、4は蓋体、6は回路基板である。
【0021】
基体1は鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属や銅−タングステンの焼結材等から成り、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法、または射出成形と切削加工等を施すことによって、所定の形状に製作される。基体1の上側主面の略中央部には、IC、LSI、半導体レーザ(LD)、フォトダイオード(PD)等の半導体素子を載置するための載置部1aが設けられており、載置部1aには半導体素子5が載置固定される。半導体素子5は、電極が回路基板6に被着形成されている線路導体6aにボンディングワイヤ7等を介して電気的に接続されている。
【0022】
また、基体1の上側主面の外周部には載置部1aを囲繞するようにして枠体2が立設されており、枠体2は基体1とともにその内側に半導体素子5を収容する空所を形成する。
【0023】
枠体2は基体1と同様に鉄−ニッケル−コバルト合金や銅−タングステンの焼結材等から成り、基体1と一体成形される、または基体1に銀ろう等のろう材を介してろう付けされる、またはシーム溶接法等の溶接法により接合されることによって基体1の上側主面の外周部に立設される。
【0024】
枠体2の側面には同軸コネクタ3が嵌着される貫通孔2bが形成されている。貫通孔2b内には同軸コネクタ3を嵌め込むとともに半田等の封着材8を貫通孔2bとの隙間に挿入する。しかる後、加熱して封着材8を溶融させ、溶融した封着材8は毛細管現象により同軸コネクタ3と貫通孔2bの内壁との隙間に充填されることによって、同軸コネクタ3が貫通孔2b内に半田等の封着材8を介して嵌着接合される。
【0025】
枠体2の内面の貫通孔2bの下方の部位に回路基板6を上面に設置する棚部2aが設けられ、棚部2a上面に回路基板6が設置される。回路基板6は半導体素子5と中心導体3bとを電気的に接続する線路導体6aが上側表面に形成されており、下側表面には接地導体6dが形成されている。棚部2aには半田等の接合材6eを載置し、接合材6eの上に回路基板6を接地導体6d面が接合材6e側になるようにして設置する。しかる後、加熱して接合材6eを溶融させ、棚部2a上面に回路基板6が設置固定される。
【0026】
同軸コネクタ3は、内部に収容する半導体素子5を外部の同軸ケーブル10に電気的に接続するものであり、鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る円筒状の外周導体3aの中心軸に同じく鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る中心導体3bが絶縁体3cを介して固定された構造をしている。
【0027】
中心導体3bを伝送する高周波信号は、貫通孔2b,2c部において貫通孔2b,2cの中心軸を同軸線路のモードで伝送し、特性インピーダンス値に整合されている。中心導体3bが枠体2の内面から突出して線路導体6aと半田等の導電性接着材6bにより接続された部位以降では、高周波信号は回路基板6の表面に被着形成された線路導体6a上を伝送する。この線路導体6aは、中心導体3bとの接続部において幅狭部6cを有している(図2)。
【0028】
図2は回路基板6の平面図であるが、同図に示すように、幅狭部6cを除く線路導体6aの幅をW1、幅狭部6cの幅をW2、中心導体3bの幅をdとしたとき、0.7d≦W2≦0.9d,W1>W2となっている。なお、W1とdについては、0.9d≦W1≦1.1dといった程度の範囲であればよい。この構成により、幅狭部6cを除く部分の線路導体6aを特性インピーダンス値に整合させ、幅狭部6c部においては特性インピーダンス値よりも高いインピーダンス値とすることができる。幅狭部6cと線路導体6aの残部との間で線路幅に段差が生じるが、この段差部については、幅狭部6cから幅の広い線路導体6aへ変化している傾斜部の線路導体6aに対する傾斜角度θは30〜60°として連続的に線路幅を変化させるのがよく、この場合反射損失による高周波信号の減衰を抑制させることができる。
【0029】
図3は図2のA−A’線における断面図であるが、線路導体6aと中心導体3bとを接続することにより、接続部では信号線路(信号経路)が中心導体3b,線路導体6aおよび導電性接着材6bとなっている。線路導体6a単体が信号線路である場合と比して、接続部で信号線路の容量成分が増加し、接続部のインピーダンスが低下することとなる。したがって、接続部における線路導体6aを幅狭部6cとして、幅狭部6c単体のインピーダンス値は特性インピーダンスより高い値としている。これにより、中心導体3bを接続して接続部のインピーダンスが低下しても、接続部を特性インピーダンスに整合させることができる。また接続部は、導電性接着材6bの量を適宜調整して、信号線路のインピーダンスを整合している。このようにして、半導体パッケージ内において、反射損失や透過損失等の伝送損失の小さい良好な伝送特性の信号線路が形成される。
【0030】
枠体2の貫通孔2c内に挿入固定される同軸コネクタプラグ9は、外部電気回路に接続された同軸ケーブル10と枠体2に挿着された同軸コネクタ3とを接続するためのプラグであり、その外周面はネジ状となっており、内周面にネジ切りを有する貫通孔2cにネジ止めされる。
【0031】
そして、本発明の半導体パッケージは、半導体素子5の電極と回路基板6の上側表面に形成された線路導体6aとを電気的に接続し、回路基板6の線路導体6aと同軸コネクタ3の中心導体3bとを半田等の導電性接着材6bを介して電気的に接続し、しかる後、枠体2の上面に鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る蓋体4を半田付け法やシームウエルド法により接合することにより製品としての半導体装置となる。
【0032】
この半導体装置は、基体1に設けられた貫通孔1bを通してネジ止めすることで外部電気回路基板に実装され、同軸コネクタプラグ9と外部電気回路に接続された同軸ケーブル10とを接続することにより、内部に収容する半導体素子5が外部電気回路に電気的に接続され、半導体素子5が高周波信号で作動することとなる。
【0033】
そして、図4は本発明の半導体パッケージについて実施の形態の例を示す断面図であり、1は基体、2は枠体、3は同軸コネクタ、4は蓋体、6は回路基板、11は保持部材である。図4のように、保持部材11に設けられた、枠体2内外を貫通する貫通孔11bに、同軸コネクタ3を外側より挿着し、保持部材11を枠体2に嵌着させる。
【0034】
枠体2の側面には保持部材11が嵌着される嵌着部2dが形成されている。嵌着部2dは、枠体2内外を貫通する貫通孔であったり、枠体2の基体1との接合面側から逆U字型に切り欠いて枠体2内外を貫通する切り欠きであったり、枠体2の蓋体4との接合面側からU字型に切り欠いて枠体2内外を貫通する切り欠きであれば良い。
【0035】
保持部材11には、回路基板6を上面に設置するための棚部11aと、同軸コネクタ3を挿着するための貫通孔11bが設けられている。棚部11aには半田等の接合材6eを載置し、接合材6eの上に線路導体6aと接地導体6dとを具備した回路基板6を、接地導体6d面が接合材6e側になるようにして設置する。貫通孔11bは枠体2の内外を貫通するように形成され、貫通孔11b内には同軸コネクタ3を嵌め込むとともに半田等の封着材8を貫通孔11bとの隙間に挿入する。中心導体3bの先端部は、回路基板6の上面に突出させ、中心導体3bの先端部と線路導体6aの上面の端部との間に半田等の導電性接着材6bを載置する。
【0036】
しかる後、加熱して接合材6eと封着材8および導電性接着材6bを溶融させ、接合材6eにより回路基板6が棚部11aに強固に固定され、溶融した封着材8は毛細管現象により外周導体3aと貫通孔11bの内周面との隙間に充填させることによって、外周導体3aが貫通孔11b内に半田等の封着材8を介して挿着され、導電性接着材6bにより中心導体3bと線路導体6aとが接続される。
【0037】
中心導体3bを伝送する高周波信号は、貫通孔11b,11c部において貫通孔11b,11cの中心軸を伝送する同軸線路を伝送し、保持部材11の内側面から出で線路導体6aと半田等の導電性接着材6bに達した後は、マイクロストリップ線路となっている線路導体6a上を伝送する。この同軸線路とマイクロストリップ線路は、所定の特性インピーダンス値に整合されている。導電性接着材6bによる接続部において、中心導体3bの先端部の位置、線路導体6aの位置、および導電性接着材6bの量により、信号線路のインピーダンスが所定の値に設定されている。このようにして、半導体パッケージ内において、反射損失や透過損失等の伝送損失のない良好な信号線路が形成される。
【0038】
保持部材11の貫通孔11c内に挿入固定される同軸コネクタプラグ9は、外部電気回路に接続された同軸ケーブル10と保持部材11に挿着された同軸コネクタ3とを接続するためのプラグであり、その外周面はネジ状となっており、内周面にネジ切りを有する貫通孔11cにネジ止めされる。
【0039】
そして、本発明の半導体パッケージは、半導体素子5の電極と回路基板6の上面に被着された線路導体6aとをボンディングワイヤ7により電気的に接続し、しかる後、枠体2の上面に鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る蓋体4を半田付け法やシームウエルド法により接合することにより製品としての半導体装置となる。
【0040】
この半導体装置は、基体1に設けられた貫通孔1bをネジ止めすることで外部電気回路基板に実装され、同軸コネクタプラグ9と外部電気回路に接続された同軸ケーブル10とを接続することにより、内部に収容する半導体素子5が外部電気回路に電気的に接続され、半導体素子5が高周波信号で作動することとなる。
【0041】
この構成において、同軸コネクタ3および回路基板6が保持部材11に保持されて、その保持部材11が枠体2に嵌着されている。基体1の端部を貫通孔1bを通してネジ止め等することによって半導体パッケージを外部回路基板等に装着する際、枠体2に歪みが発生した場合においても、枠体2から同軸コネクタ3および回路基板6に伝わろうとする歪みは、保持部材11において分散および吸収される。従って、同軸コネクタ3および回路基板6に加わる応力や歪みを小さくすることができ、絶縁体3cと回路基板6へのクラックを防止できる。保持部材11で歪みを有効に分散させるためには、つまり単位体積当たりの変形を少なくさせかつ歪みを吸収させるためには、保持部材11の体積が大きいのがよく、保持部材11の厚みを枠体2より肉厚にするなどして体積を大きくする。
【0042】
本発明の半導体パッケージにおいては、線路導体6aの表面の算術平均粗さRaを0.3〜0.7μmとするのが良い。Raが0.3μm未満の場合、導電性接着材6bの濡れ性が悪くなり、中心導体3bを幅狭部6cに十分な強度で接合できなくなり、半導体パッケージを外部電気回路基板に実装するなどした際に半導体パッケージに外力が印加された場合、中心導体3bが幅狭部6cから外れて信号の伝送ができなくなる場合がある。また、Raが0.7μmを超える場合、加熱され溶融した導電性接着材6bが流れ易くなってしまい、また線路導体6a表面における導電性接着材6bの流れ具合がばらつき、その結果接続部におけるインピーダンス値がばらつくこととなり、接続部のインピーダンス整合が困難となる。
【0043】
図5は図2のB−B’線における断面図であり、線路導体6aの表面の算術平均粗さRaを0.3〜0.7μmとすることにより、図5のような導電性接着材6bのメニスカスによる中心導体3bの先端から線路導体6aに向かってなだらかな傾斜を形成することができる。導電性接着材6bのなだらかな傾斜を形成することにより、中心導体3bと線路導体6aとの接合強度を上げて強固に接続させることができる。また、導電性接着材6bの流れ具合を制御することが可能となり、接続部のインピーダンスの整合を容易に行なうことができ、接続部における信号の反射損失による減衰を防止して、伝送効率を良好なものとできる。高周波信号が伝送する場合において、表皮効果のために高周波信号は信号線路の表面付近を伝送することとなるが、導電性接着材6bがなだらかな傾斜を形成しているため、導電性接着材6bの表面を伝送する高周波信号が、表面形状により反射し難くなり、伝送効率が向上することとなる。
【0044】
このような良好な伝送特性を有する中心導体3bとしては、図5に示すように、円柱状であって先端が半球状のものがよい。
【0045】
本発明における高周波信号の好ましい周波数は5〜50GHz程度であり、この場合に高周波信号の伝送特性を良好なものとすることができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、枠体内面の貫通孔の下方の部位に、半導体素子と中心導体とを電気的に接続する線路導体が表面に形成された回路基板を上面に設置した保持部材の棚部が設けられており、線路導体は中心導体と接続される一端部が中心導体の幅の0.7〜0.9倍の幅狭部とされ残部が中心導体と略同じ幅とされていることにより、線路導体の残部においてそのインピーダンスを特性インピーダンス値に整合させることができ、線路導体の幅狭部では、線路導体と中心導体とを接続した状態で信号線路を特性インピーダンスに整合することができる。このようにして、半導体パッケージ内部において同軸コネクタおよび回路基板の線路導体から成る信号線路が特性インピーダンスに整合され、高周波信号の反射損失を低減して伝送効率を良好にすることのできる信号線路を形成できる。
【0048】
また、回路基板は枠体の内面の棚部に設置されるため、半導体パッケージが大幅に小型化されるという効果も有する。
【0049】
また本発明は、枠体の側部に同軸コネクタの保持部材を嵌着させる貫通孔または切り欠き部から成る嵌着部が設けられており、保持部材が、枠体内外を貫通するとともに外側より同軸コネクタを挿着する貫通孔が形成され、かつ枠体内側の貫通孔の下方の部位に回路基板を上面に設置した棚部が設けられ、さらに回路基板の表面に、中心導体と接続される一端部が中心導体の幅の0.7〜0.9倍の幅狭部とされ残部が中心導体と略同じ幅とされた線路導体が、枠体内面より突出した中心導体の端部と半導体素子とを電気的に接続するように設けられていることにより、同軸コネクタおよび回路基板の線路導体から成る信号線路が特性インピーダンスに整合され、高周波信号の反射損失を低減して伝送効率を良好にすることのできる信号線路を形成できる。
【0050】
また、基体をネジ止め等によって外部回路基板等に装着する際、枠体に歪みが発生した場合においても、枠体から同軸コネクタおよび回路基板に伝わろうとする歪みは、保持部材において分散および吸収され、同軸コネクタの絶縁体と回路基板へのクラックを防止できる。その結果、同軸コネクタの絶縁体へのクラックを防止して半導体パッケージの気密の信頼性を向上するとともに、同軸コネクタの中心導体を伝送する高周波信号の伝送特性を向上することができ、回路基板へのクラックを防止して線路導体の断線を防止し高周波信号の伝送特性を向上させ得る。
【0051】
さらに、回路基板は保持部材の枠体内側の棚部に設置されるため、半導体パッケージが大幅に小型化されるという効果も有する。
【0052】
従って、本発明は、5〜50GHzの高周波信号の伝送特性に優れ、かつ気密性に優れた半導体パッケージとして有効に機能するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体パッケージの一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の半導体パッケージ内に収容された回路基板の平面図である。
【図3】図2のA−A’線における断面図である。
【図4】本発明の半導体パッケージについて他の実施形態を示す断面図である。
【図5】図2のB−B’線における断面図である。
【図6】従来の半導体パッケージの断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
2:枠体
2a:棚部
2b:貫通孔
2d:嵌着部
3:同軸コネクタ
3a:外周導体
3b:中心導体
3c:絶縁体
5:半導体素子
6:回路基板
6a:線路導体
6c:幅狭部
11:保持部材
11a:棚部
11b:貫通孔

Claims (1)

  1. 上側主面に半導体素子を載置するための載置部を有する基体と、前記上側主面の外周部に前記載置部を囲繞するように接合され、かつ側部に同軸コネクタの保持部材を嵌着させる貫通孔または切り欠き部から成る嵌着部が設けられた枠体と、筒状の外周導体およびその中心軸に設置させた中心導体ならびにそれらの間に介在させた絶縁体から成るとともに前記保持部材に保持されて前記側部に取り付けられた同軸コネクタとを具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記保持部材は、前記枠体内外を貫通するとともに外側より前記同軸コネクタを挿着する貫通孔が形成され、かつ前記枠体内側の前記貫通孔の下方の部位に回路基板を上面に設置した棚部が設けられ、さらに前記回路基板の表面に、前記中心導体と接続される一端部が前記中心導体の幅の0.7〜0.9倍の幅狭部とされ残部が前記中心導体と略同じ幅とされた線路導体が、前記枠体内面より突出した前記中心導体の端部と前記半導体素子とを電気的に接続するように設けられていることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
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