JP3659271B2 - 背面投射型映像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画面の背面から光を投射して映像を写し出せる映像装置、例えば内部に液晶表示部(以下、LCDと云う)を含む映像機器、投射レンズを含む光学ユニット、光源及びミラー等が装備され、上部の前面側にスクリーンが取り付けられた液晶リアプロジェクションテレビジョン受像機(以下、液晶リアプロジェクションテレビと云う)に使用される光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術における背面投射型映像装置、例えば液晶リアプロジェクションテレビは、奥行きを少なくしてスクリーンを広くできることにより、ブラウン管を用いたテレビジョン受像機よりも大型化が容易であり、例えば図6に示すものが従来例として周知である。
【0003】
液晶リアプロジェクションテレビ1は、図6に示すように、上部キャビネット2と下部キャビネット3とから構成され、上部キャビネット2の内部には前面側に配設したスクリーン4と、スクリーン4に映像の光線を照射するミラー5とを設けた構造となっている。
【0004】
下部キャビネット3には、投射レンズ6を備えた光学ユニット7と、この光学ユニット7に光を照射する光源を備えたランプハウス部8と、図示していないが光学ユニット7を制御する制御部を設けた構造となっている。
【0005】
ランプハウス部8は、図示していないが、その内部に光を発生させるランプを内蔵し、その内蔵されたランプは高熱を発生するため、液晶リアプロジェクションテレビの背面側から収納し、容易に交換できないようにして、液晶リアプロジェクションテレビの利用者の安全性を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記説明した従来技術における液晶リアプロジェクションテレビのランプハウスの収納構造は、テレビジョン受像機の背面側から抜き差しする構造になっている。そして、簡単に交換できない構造となっているために、大型化した背面投射型映像装置におけるランプ交換の作業が煩雑であると云う問題点が指摘されている。
【0007】
又、ブラウン管によるテレビジョン受像機と違って、背面照射型映像装置に使用されているランプ自体の寿命は短く、もしランプが切れた場合には、映像は完全に使用できなくなり、復旧に時間がかかれば信頼性が大幅に減少してしまうと云う問題点も指摘されている。
【0008】
更に、ランプが切れた場合であっても、高熱の発生することを理由に、簡単に取り外しできない構造になっているために、ランプが切れる毎に専門技術者による交換が必要であり、その分修復作業に時間がかかり、ブラウン管によるテレビジョン受像機に比較して見たい映像が見られなくなる時間が長いと云う問題点もある。
【0009】
従って、大型化が容易な背面投射型映像装置に必須の光源に使用される寿命のあるランプの交換に解決しなければならない課題を有している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記従来例の課題を解決するために本発明に係る背面投射型映像装置は、画面の背面から光を投射する光源を備えたランプハウスを有する背面投射型映像装置であって、前記ランプハウスは、前記装置本体の前面方向から交換可能に取付けられ、前記ランプハウスの前面側を覆うように保護カバー部材を設け、該保護カバー部材には前記ランプハウスの取扱いが解かるようにした取扱手段を設けたことである。
【0011】
このような構成にすることによって、大型化する背面投射型映像装置のランプ交換が前面側からできるようになり、装置自体をその都度動かさないで交換することができる。
【0012】
又、ランプハウスを前面に設け、且つ交換可能にしたことにより、予備のランプハウスを準備しておけば、ランプが切れた場合に、すぐにランプハウス毎交換することができるようになる。
【0013】
更に、断熱部材の取っ手を設けた構造にすることにより、ランプが切れた場合に、専門的な技術がない、所謂素人であっても簡単にランプ交換ができるようになる。
【0014】
【実施例】
次に、本発明に係る背面照射型映像装置について、液晶リアプロジェクションテレビの実施形態について図を参照にして以下詳細に説明する。尚、従来技術と同一のものには理解し易いように同一番号を付与して説明する。
【0015】
液晶リアプロジェクションテレビ1Aは、図1及び図2に示すように、上部キャビネット2Aと下部キャビネット3Aとから構成されている。
【0016】
上部キャビネット2Aは、その前面側に長方形状のフレーム部10が形成され、該フレーム部10にスクリーン4Aが取り付けられている。そして、図2に示すように、上面壁11、両側面壁12、背面壁13及び底面壁14により全体としては内部が空洞で且つ周囲が封鎖された箱形状に形成され、背面壁13の内側に台座を介してミラー5Aが取り付けられている。
【0017】
下部キャビネット3Aには、前記上部キャビネット2Aに設けられたスクリーン4A及びミラー5Aを除き、液晶リアプロジェクションテレビ1Aとしての必要な全ての機器が装備されている。例えば、主要構成部としてLCD及び駆動回路を含む映像機器及び投射レンズを備えた光学ユニット7Aが略中央部に配設されている。
【0018】
図1に示す下部キャビネット3Aの前面側の中央部から右側の位置(本実施例では正面から見て右側)に光源部15とスピーカー16とが配設され、その上から多数の透孔を有する目隠し用第1のグリル18aで覆った構造となっている。
【0019】
前記LCDは投射レンズを含め、RGBの色彩濃度も制御できるようにした、所謂光学ユニット7Aとして一般的に使用されているものが採用され、駆動回路は、例えばプリント基板に複数の必要な電子部品を搭載したものが採用される。尚、光源としては、例えば高性能な光輝度放電ランプ(実施例においてはHIDランプ/100W)を使用し、全体をカートリッジ式にして、液晶リアプロジェクションテレビ1A本体の前面側からランプを備えたランプハウス毎簡単に交換できるようにしてある。
【0020】
下部キャビネット3Aの前面側の左側にはスピーカ16と、内部の光学ユニット7A(図2参照)を冷却するための空気取入口17が設けられ、その上から化粧板であって多数の透孔を有する第2のグリル18bで目隠ししてある。尚、図示されていないが空気取入口17からの空気は内部に設けたファンにより送風され光学ユニット7Aを冷却する構造となっている。
【0021】
下部キャビネット3Aの前面側において中央部よりやや右側位置に操作パネル部19が取り付けられ、各種の操作が手動で行えると共に、リモートコントロールによる操作も行えるようにしてある。
【0022】
このようにして、光源部15、スピーカー16及び空気取入口17は、前面側に着脱自在に配設した化粧用の第1及び第2のグリル18a、18bにより全面的に覆われて目隠しされた状態にし、体裁を良くしてある。
【0023】
一方、液晶リアプロジェクションテレビ1Aを設置した位置をずらしたり移動させたりすることなく、前面側の第1及び第2のグリル18a、18bを取り外すことにより、光源部15の光源の取り替えが容易に行えると共に、空気取入口17のフィルターも簡単に取り替えることができる。
【0024】
この光源部15は、図3に示すように、液晶プロジェクションテレビ1Aの下部キャビネット3Aの前面右側位置に設けたものであり、下部キャビネット3A本体に設けた光源収容部20と、光源収容部20内に位置決めして固定されるランプハウス収容部21と、高輝度放電ランプを備えたランプハウス22と、取扱手段を有する保護カバー39と、音声の通過及び空気の流路も兼ねた多数の透孔を有する第1のグリル18aとから構成されている。
【0025】
光源収容部20は、図4に示すように、下部キャビネット3Aの前面に配置する枠体24に設けた光源収容枠25と、ランプハウス収容部21とから構成され、ランプハウス収容部21を取り付け、その前面に枠体24を配置することにより形成される。
【0026】
光源収容枠25は、図4に示すように、略四角形状の窓型形状に形成され、四方の各コーナーに補強を兼ねると共に、ランプハウス22のガイドをも兼ねた係合凸部26a〜26dを設けた構造となっている。
【0027】
ランプハウス収容部21は、図5に示すように、略四角形状の断熱性材料で形成され、籠型形状をしており、取り付ける方向に対して左側側面にはひし形形状の光路用窓部26を設け、そのほかの3側面は所定の大きさの透孔27を多数設け、開口部28の端縁にはランプハウス22を係止するネジ穴部29を設けた構造となっている。
【0028】
このような構造からなる光源収容部20は、図4に示すように、先ず下部キャビネット3A本体の光源収容位置にランプハウス収容部21を収容して、図示していない上部に設けた固定具と背面にあるネジ止めにより配置固定される。そして、その上から枠体24を被せることにより完成する。
【0029】
次に、ランプハウス22について説明する。ランプハウス22は、図5に示すように、ランプハウス収容部21の形状と略同じくして四角形状に形成され、収容する方向の左側面と前面側を直角に連設して形成し、ランプ30を支持する断熱性部材のランプ支持部31と、ランプ支持部31の前面側であって同一断熱性部材で一体形成した取手部32と、金属性材料で形成され、収容する方向の右側面と背面と平面と底面とが各々直角になり、各々に多数の透孔33からなる網状に形成されたランプカバー部34とから構成されている。
【0030】
ランプ支持部31には、ランプ31の前面のガラス面が外側に臨むようにして係合支持する円形状の窓部35を設けた構造となっている。
【0031】
取手部32は、ランプハウス22の前面側に位置し両側に固定ネジ36を備えたネジ部37と、下部側にランプの取り扱いを記載し、その上部に取手38を取り付けた構造となっている。このネジ部37に差し込まれるネジ36は簡単にとれないようにヘックスレンチにより外れるヘックスネジが使用されているが、これに限定されないことは勿論のことである。
【0032】
取手38は、ランプ30の取り扱いを記載した位置の上部であって、中央位置よりやや右側位置に上部側及び下部側から略半円形状のめくら穴形状に形成した構造となっている。このような構造とした取手38は、右手又は左手の片方で親指を上方向から差込むと共に下方向から人差し指を差し込み、他の指の背中部分をランプ30の取扱を記載した位置近傍にあてて抜き差し等の取り扱いができる構造となっている。即ち、親指と人差し指とで取手38を持つ構造にしてその他の指等では取り扱いずらい構造となっており、且つランプ30を持った時に安定した所持状態となり、ランプ30の取り扱いを慎重にさせる構造となっている。
【0033】
保護カバー39は、図5に示すように、略四角形状に形成し、横方向の両側の溝を挟んだ棒状のノブ40と、ノブ40の下部側位置にランプ30の交換のしかたを記載した取扱手段である取扱部41とから構成され、ランプハウス収容部21にランプハウス22を収容した上から係合する。このようにわざと保護カバー39を設けることにより、ランプ30を交換の際に高熱であることの注意を喚起させ,ランプ30の交換を慎重に行わせることができると共に、交換作業が素人でもできるように取扱部41に記載されており、正確な交換作業ができるような配慮がされている。
【0034】
このような構造からなる光源部15は、図3に示すように、液晶プロジェクションテレビ1A本体の光源収容部20にランプハウス収容部21を設置し、ランプハウス22を前面側から入れて係合させる。この時、図示されていないがランプハウス22の背面に設けてあるランプ30に電源を供給するコネクタが本体と接続する構造となっている。そして、ランプ30の照射するレンズ面が光路用窓部26(図5参照)を介して臨んだ状態となる。そしてランプハウス22を覆うようして保護カバー39を取り付けてその上から化粧板である第2のグリル18bを組み立てて完成する。このように、背面照射用のランプを備えたランプハウス22をカートリッジ形式にして、液晶リアプロジェクションテレビ1Aの前面方向から素人でも簡単に抜き差しして交換できる構造が実現するのである。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る背面投射型映像装置は、画面の背面から光を投射する光源を備えたランプハウスを前記装置の前面方向から交換可能に取付けたことにより、大型な装置であっても、装置自体を動かすことなく前面側から投射用ランプの交換をすることができると云う効果がある。
【0036】
又、ランプハウスは、光源の周囲を網状に形成し、断熱部材の取っ手を設けたことにより、高熱を発生するランプであっても安全な取り扱いができると云う効果がある。
【0037】
更に、ランプハウスの前面に設けた保護カバー部材にはランプハウスの取り扱いが解るようにした取扱手段を設けたことにより、専門的技術を持たなくともランプ交換を安全に行うことを指示することができ、それ相当の慎重さを喚起させることができると云う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る背面投射型映像装置である液晶リアプロジェクションテレビの正面図である。
【図2】同実施例に係る液晶リアプロジェクションテレビの側面図である。
【図3】同実施例に係る液晶リアプロジェクションテレビの光源部の分解斜視図である。
【図4】同実施例に係る液晶リアプロジェクションテレビの光源部を拡大して示した斜視図である。
【図5】同光源部を分解して示した斜視図である。
【図6】従来技術における背面型投射装置である液晶リアプロジェクションテレビの側面図である。
【符号の説明】
1、1A 液晶リアプロジェクションテレビ
2、2A 上部キャビネット
3、3A 下部キャビネット
4、4A スクリーン
5、5A ミラー
6 投射レンズ
7 光学ユニット
8 ランプハウス
10 フレーム部
11 上面壁
12 側面壁
13 背面壁
14 底面壁
15 光源部
16 スピーカ
17 空気取入口
18a 第1のグリル
18b 第2のグリル
19 操作パネル部
20 光源収容部
21 ランプ収容部
22 ランプハウス
24 枠体
25 光源収容枠
26 光路用窓部
27 透孔
28 開口部
29 ネジ穴部
30 ランプ
31 ランプ支持部
32 取手部
33 透孔
34 ランプカバー部
35 窓部
36 固定ネジ
37 ネジ部
38 取手
39 保護カバー
40 ノブ
41 取扱部

Claims (4)

  1. 画面の背面から光を投射する光源を備えたランプハウスを有する背面投射型映像装置であって、
    前記ランプハウスは、前記装置本体の前面方向から交換可能に取付けられ、
    前記ランプハウスの前面側を覆うように保護カバー部材を設け、該保護カバー部材には前記ランプハウスの取扱いが解かるようにした取扱手段を設けた
    ことを特徴とする背面投射型映像装置。
  2. 前記ランプハウスには、断熱部材の取っ手が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の背面投射型映像装置。
  3. 前記ランプハウスには、光源の周囲に形成された網状の部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の背面投射型映像装置。
  4. 画面の背面から光を投射する光源を備えたランプハウスを有する背面投射型映像装置であって、
    前記ランプハウスは、前記装置本体の前面方向から交換可能に取付けられ、
    前記ランプハウスには、前記光源の周囲に形成された網状の部材と、断熱部材の取っ手とが設けられている
    ことを特徴とする背面投射型映像装置。
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