JP3657032B2 - 選別組合せ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば重量、形状、色、味等の複数の品質の程度に基づいて農産物や水産物等の物品に対してグレード(階級)を自動的に決定することができる選別装置、及びその決定されたグレードごとに、同一のグレードに属する物品の合計重量が所定重量範囲内となると共に、合計個数が所定個数範囲内となる組合せを選択し、これら選択した物品を例えばパック詰めするときに使用する選別組合せ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばみかん等の農産物を需要者、小売業者、卸業者等に販売する場合、予めみかんを例えば段ボール箱(又は袋)により箱詰めすることがある。このように、みかんを段ボール箱に箱詰めしている理由として、まず、各段ボール箱に予め定めた所定重量(又は所定個数)のみかんを箱詰めしておくことにより、購買者の希望する重量(又は個数)のみかんを手早く送り届けることができるからである。また、各段ボール箱に略同じ大きさ、形、色のみかんを箱詰めしておくことにより、購買者の希望する大きさ等の品質を備えるみかんを手際よく販売することができることも掲げることができる。従って、みかん等の農産物は、一般に、略同程度の品質を有するものを、所定重量分を計量して段ボール箱や袋に詰め合わせて販売されている。
【0003】
そこで、従来では、所定重量分の略同じ程度の品質を有するみかんを段ボール箱等に詰め合わせる場合、例えば、まず、重量選別機を使用してみかんを複数の重量ランクにランク分けする。次に、各重量ランクにランク分けしたみかんを、各重量ランクごとに人手により形や色を検査して複数の品質ランクに分ける。このようにして、重量や形等の品質の不揃いなみかんを略同等の重量や形(品質)のみかんごとにグループ分けする。そして、或るグループに属するみかんを、例えばグレードAとし、別のグループに属するみかんを、グレードB、C、・・・・とする。
【0004】
次に、これらA、B、C、・・・のグレード分けしたみかんを、各グレードごとに半自動式組合せ秤を使用して、合計重量が略所定重量となるように物品を組み合わせてパック詰めする。この半自動式組合せ秤は、例えば16台の計量槽を備えており、各計量槽に人手により供給された物品の重量を夫々計量し、これら計量した各物品の重量値を種々に組合せ、これら組合せの中から合計重量が目標重量範囲内の組合せを選択して、その選択した組を構成する物品を各計量槽から排出する。この排出された物品を各組ごとに包装することにより、1パックの合計重量が目標重量範囲内の物品のパックを作ることができる。このようにして、重量、形、色等の品質の揃ったみかんを、略所定重量づつ段ボール箱に詰めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、品質の不揃いなみかんを重量選別し、そして、A、B、C、・・・・の各グレードに選別し、しかる後に、組合せ秤で計量する方法では、まず、複数の重量ランクに選別したみかんを溜める為の複数の容器と、複数のグレードに選別したみかんを溜めるための複数の容器と、それらみかんを入れた容器を配置するためのスペースと、を必要とするという問題がある。そして、重量選別機や組合せ秤を使用すると、それらの設置スペースが必要であるし、費用が嵩むという問題もある。従って、スペースに制約があり、狭い場所しか確保することができない場合では、1パックの合計重量が許容重量範囲内であり、かつ、略同一の品質の揃ったみかん(農産物、海産物等)のパックを作ることが困難となることがある。
【0006】
そして、上記のように、重量選別と組合せ秤による計量とを別個に行う方法では、みかんを重量選別機にかけるためにみかんを選別機に投入する手間と、グレード分けしたみかんを組合せ秤にかけるためにみかんを組合せ秤に投入する手間が掛かるし、重量選別、及び計量処理時間が長く掛かるという問題がある。従って、計量する物品が例えば生鮮食品の場合では、上記処理時間が長くなると、物品の鮮度が低下するという問題もある。
【0007】
本発明は、物品の上記グレード分けを狭いスペースで速やかに行える選別装置、及び装置を設置するためのスペースを少なくすると共に、装置の費用を低減させ、しかも、物品のグレード分けする時間と組合せ計量処理時間を短縮することができる選別組合せ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の選別組合せ装置は、順次供給される物品に対して予め定めた2以上の各品質項目について各品質の度合いを測定する品質測定手段と、上記各々の品質ごとに品質の度合いと対応する複数の品質ランクを定めてあり、これら複数の品質ランクのうち上記順次測定して得られた物品の品質測定値の属する上記品質ランクを、上記2以上の夫々の品質に対して順次決定する品質ランク決定手段と、上記品質ランク決定手段により上記2以上の各品質に対して決定された品質ランクに基づき各物品に対してグレードを決定するグレード決定手段と、上記グレードが決定された物品を順次収容する複数のメモリ容器とを具備している。
【0009】
更に、上記2以上の品質のうちの1つが重量品質であり、上記品質ランク決定手段が決定する品質ランクに重量ランクが含まれており、上記各メモリ容器に収容されている上記各物品のうち同一の上記グレードに属する物品の重量値を種々に組合わせて、それら組合せのうち合計重量値が当該グレードに対して予め定めた所定重量範囲内となる組を選択する組合せ演算手段と、該組合せ演算手段が選択した組を構成する物品を上記各メモリ容器から排出する排出手段とが、設けられている。
【0011】
第2の発明の選別組合せ装置は、第1の発明の選別組合せ装置において、上記組合せ演算手段が、上記各組合せのうち合計重量値が当該グレードに対して予め定めた所定重量範囲内であり、かつ、組を構成する重量値の個数が予め定めた所定個数範囲内となる組を選択するものである。
【0012】
第3の発明の選別組合せ装置は、第1または第2の選別組合せ装置において、上記品質測定手段による上記物品の品質の度合いの測定は、上記各物品が第1搬送手段によって搬送されている間に行われ、上記メモリ容器への上記物品の収容は、上記各メモリ容器に対応して設けた取り込み手段が第1搬送手段から上記物品を対応する上記メモリ容器に取り込むことによって行われ、上記排出手段によって上記各メモリ容器から排出された上記各物品は、第2の搬送手段によって搬送されるものである。
【0013】
【作用】
第1乃至第3の各発明によると、物品の例えば重量、形等の品質の度合いを品質測定手段により測定し、品質ランク決定手段が、これら測定によって得られた各品質の度合いと対応する品質測定値の属する品質ランクを夫々の品質に対して決定し、グレード決定手段が、物品の各品質に対して決定された各品質ランクに基づいてその物品のグレードを決定する。
【0014】
更に、第1の発明によると、2以上の品質項目のうちの1つが重量品質であり、各物品に対して重量ランクが決定される。そして、組合せ演算手段は、各グレードごとに、同一のグレードに属する重量値を種々に組み合わせてそれら組合せのうち合計重量値が予め定めた所定重量範囲内となる組を選択し、この選択された組を構成する物品を排出手段が排出する。
【0016】
第2の発明では、排出された組を構成する各物品の重量値を当該グレードに属する所定の重量範囲に揃えることができるし、合計重量値を所定重量範囲内とし、かつ、合計個数を所定個数範囲内に収めることができる。しかも、この排出された組を構成する物品を、同一のグレードに揃えることができる。
【0018】
【実施例】
本発明に係る一実施例の選別組合せ装置を各図を参照して説明する。図1は、本実施例の選別組合せ装置の部分省略斜視図である。この選別組合せ装置は、例えばみかん等の農産物の各種品質の度合いを各品質項目ごとに夫々測定して、各品質の各度合いの組合せに対して予め定めてある複数のグレードのうちからその測定して得られた各種品質の各度合いの組が該当するグレードを決定し、同一のグレードのみかんについて所定重量であり、かつ、所定個数の組を作って順次排出するものである。そして、この排出された組を構成するみかんを包装機(図示せず)により袋詰めする。
【0019】
図1に示すように、この選別組合せ装置は、互いが直列に連結する供給コンベア40、計量コンベア41、及び移送コンベア1を有しており、この移送コンベア1の後側部にはこの部分と略隣接する下方位置に移送コンベア1と平行する排出コンベア15を設けてある。これら供給コンベア40、計量コンベア41、移送コンベア1、及び排出コンベア15は、被測定物品(以下、単に「物品」という。)を図1の右上方向から左下方向に向かって(矢印10の方向)搬送するように駆動する。供給コンベア40には、物品を自動的に所定の間隔を隔てて1列となるようにこの供給コンベア40に供給する供給装置(図示せず)を設けてある。ただし、人手によって物品を供給してもよい。計量コンベア41には、ロードセル等の重量検出器31と光電スイッチ等の物品検出器42−1を設けてあり、計量コンベア41により搬送中の物品2を物品検出器42−1が検出すると、その物品2の重量を重量検出器31により検出することができる。なお、この重量検出器31は、この装置に設けられている複数の品質測定手段のうちの1つである。
【0020】
そして、図1に示すように、移送コンベア1の前側部であってこの移送コンベア1に沿い、互いが或る一定の間隔を隔てて複数の品質測定手段を設けてある。これら複数の品質測定手段は、移送コンベア1の前側から順に設けてある形状センサ32、味覚センサ33、嗅覚センサ34、色彩センサ35、表面粗さセンサ36である。そして、これら各々の品質測定手段32〜36の後段側には光電スイッチ等からなる物品検出器42−2〜42−6を設けてあり、移送コンベア1により移送中の物品2を各物品検出器が検出すると、その物品検出器と対応して設けてある品質測定手段がその検出した物品の品質を測定して品質測定信号を出力する。
形状センサ32は、画像認識処理装置等で構成されており、この形状センサ32を通過する物品2の真円度を測定し、その度合いを表す形状信号を出力する。ただし、目的に応じて大きさ、長さ、真球度、細長比、傷、異物等を測定、又は検出する構成とすることができる。
味覚センサ33は、近赤外線分光方式を使用する装置等で構成されており、この味覚センサ33を通過する物品2の味覚、即ち甘味や酸味を測定し、その度合いを表す味覚信号を出力する。
嗅覚センサ34は、金属酸化物半導体等で構成されているガスセンサであり、この嗅覚センサ34を通過する物品2の匂いの強さを測定し、その度合いを表す匂い信号を出力する。この匂い信号の度合いによって熟度(又は鮮度)を判定することができる。
色彩センサ35は、反射光の波長分析法を使用する装置等で構成されており、この色彩センサ35を通過する物品2の色彩と予め定めた基準となる色彩との違いの程度を表す色彩信号を出力する。この色彩信号の度合いによって熟度等を判定することができる。
表面粗さセンサ36は、レーザ光線の反射角度の変化を捉える方法を使用する装置等で構成されており、この表面粗さセンサ36を通過する物品2の表面粗さの度合を表す表面粗さ信号を出力する。この表面粗さ信号の度合によって艶の度合いを判定することができる。
【0021】
そして、表面粗さセンサ36の後段には、図1に示すように、金属検出器37と異物センサ38を設けてある。金属検出器37と異物センサ38の各後段には、物品検出器42−7、42−8を設けてある。
金属検出器37は、この金属検出器37を通過する物品2に金属が含まれているか否かを判定するための検出器であり、金属の有無を表す金属信号を出力する。
異物センサ38は、画像認識処理装置等で構成されており、この異物センサ38を通過する物品2の表面に砂、小石、髪の毛等の異物が付着しているか否かを判定するための検出器であり、砂等の有無を表す異物信号を出力する。
【0022】
そして、図1に示すように、移送コンベア1の後側部であってこの移送コンベア1の一方の側縁に沿ってメモリホッパ8−1〜8−28を28個設けてある。なお、図1には、3個のメモリホッパ8−1、8−7、8−28のみを示す。これらメモリホッパ8−1〜8−28は、上側開口縁が移送コンベア1の搬送面よりも少し下側に配置されている。各メモリホッパ8−1〜8−28は、片開きのゲート9−1〜9−28を有している。これらゲート9−1〜9−28は、夫々に設けられている例えばエアーシリンダ等のゲート駆動装置11−1〜11−28によって開閉される。
【0023】
また、図1に示すように、移送コンベア1の固定フレーム(図示せず)には、28個の取り込みフリッパ12−1〜12−28を設けてあり(図1には3個示す)、各取り込みフリッパ12−1〜12−28は、各メモリホッパ8−1〜8−28の移送コンベア1に向かう側の開口縁と対向する位置に配置してある。各取り込みフリッパ12−1〜12−28は、枢支部13を中心にして所定角度の範囲内で揺動自在であり、例えばエアーシリンダ等のフリッパ駆動装置30−1〜30−28によって揺動される。移送コンベア1に沿って設けられている28個の各取り込みフリッパ12−1〜12−28は、移送コンベア1によって移送される物品2をからめ取り、それら各取り込みフリッパ12−1〜12−28と対応する各メモリホッパ8−1〜8−28内に物品2を供給することができる。そして、メモリホッパ8−1〜8−28内に供給された物品2は、後述する組合せに選択されたときに、それら選択されたメモリホッパのゲートが開かれて排出コンベア15上に落下し、そしてこの排出コンベア15によって図1の矢印16の方向に移送される。そして、排出コンベア15によって移送される組合せに選択された物品は、シュート39を通って後段に設けられている包装機(図示せず)に搬送される。
【0024】
次に、図2を参照してこの選別組合せ装置の電気回路を示すブロック図の説明をする。図2に示すように、この電気回路は、重量検出器31、形状センサ32、味覚センサ33、嗅覚センサ34、色彩センサ35、表面粗さセンサ36を備えており、これら各検出器及びセンサ(以下、「検出器等」という。)の各出力信号は、A/D変換器23−1〜23−6に供給され、ここでデジタル信号に変換されて、制御ユニットAに設けられている演算制御部(マイクロプロセッサ(CPU))24に供給される。また、金属検出器37及び異物センサ38の出力信号も演算制御部24に供給される。演算制御部24は、所定の起動信号が操作設定表示部25から入力されると、各物品2ごとに検出器等31〜36の出力信号を順次入力し、これらデジタル信号が後述する各品質ごとに定めた複数のランクのうちどのランクに属するかを各品質ごとに決定する。そして、各品質ごとに決定された各ランクの組合せが、後述する複数のグレードのうちどのグレードに属するかを決定する。更に、同一のグレードの物品について、所定重量であり、かつ、所定個数となる組を作って順次排出させる。
【0025】
なお、演算制御部24は、図2に示すように、移送コンベア1、排出コンベア15、供給コンベア40、計量コンベア41をコンベア制御回路26により駆動させることができる。そして、各取り込みフリッパ12−1〜12−28をゲート及びフリッパ駆動回路27、フリッパ駆動装置30−1〜30−28により駆動し、メモリホッパの各ゲート9−1〜9−28をゲート及びフリッパ駆動回路27、ゲート駆動装置11−1〜11−28により駆動させることができる。
【0026】
更に、演算制御部24には、記憶部28、タイマ29、操作設定表示部25が接続されており、更に、図には示さないが、I/F回路(インターフェース回路)を介して包装機も接続されている。記憶部28は、RAM、ROMを有し、後述するフローチャートと対応するプログラム、各種運転定数等が書き込まれている。タイマ29は、夫々が設定時限に比例する設定値からクロックパルスをカウントダウンする複数台のカウンタから成り、カウント値が0になったとき、設定時限となるものである。また、操作設定表示部25は、選別組合せ装置の運転に必要な各種運転定数を設定することができるし、運転のON、OFF操作を行うことができる。また、データの発信及び警報等を表示することができるし、これと接続させることができる印字部等を作動させることもできる。
【0027】
この選別組合せ装置は、上記のように演算制御部24、記憶部28及び記憶部28に予め書き込まれているプログラム、タイマ29等を備えており、これらは、品質ランク決定手段、グレード決定手段、組合せ演算手段を構成している。
品質ランク決定手段は、表1に示す重量、形状、味覚、匂い、色彩、表面粗さの各々の品質ごとに、品質の度合いと対応する複数の品質ランク1、2、3を定めてあり、これら複数の品質ランク1、2、3のうち、検出器等31〜36により順次測定して得られた物品の品質測定値の属する品質ランクを、これら重量、形状、味覚等の夫々の品質に対して順次決定するものである。
【0028】
グレード決定手段は、品質ランク決定手段により重量、形状、味覚等の6つの各品質項目に対して決定された6つの各品質ランクのデータに基づき各物品に対してグレードA、B、又はCを決定するものである。つまり、ランクは、品質項目に対する階級を表しており、グレードは、物品の6つの品質項目に対して決定された6つのランクに基づいて決定されるその物品の階級を表している。なお、この実施例では、グレードAの物品が最も価値が高く、B、C、D、Eの順にその価値が低下することとしている。ランクは、1が最も価値が高く、2、3の順にその価値が低下することとしている。
【0029】
次に、グレード決定方法の一例を説明する。表1は、この実施例の6つの各品質項目のランク1、2、3(品質の度合い)の内容とグレードの種類を示している。表2、3は、6つの品質項目のランク1、2、3の組合せがどのグレードに属するかを示している。即ち、
「グレードA」 表1に示す重量、形状、味覚等の6つの品質項目のうち重量と形状の品質項目のランクが1であり、この重量と形状の品質項目以外の品質項目のうち2〜4つの品質項目のランクが1である物品をグレードAとする。
このグレードAには、例えば表2に示すように、重量ランク1(200g以上)、形状ランク1(真円度10:9以上)、味ランク1(甘い)、匂いランク1(強い)、色彩ランク1(赤い)、表面粗さランク1(密)等の物品がある。
【0030】
「グレードB」 表1に示す重量、形状、味覚等の6つの品質項目のうち重量と形状の品質項目のランクが1であり、この重量と形状の品質項目以外の品質項目のうち1つの品質項目のランクが1である物品をグレードBとする。
このグレードBには、例えば表2に示すように、重量ランク1(200g以上)、形状ランク1(真円度10:9以上)、味ランク1(甘い)、匂いランク2(中間)、色彩ランク2(黄色い)、表面粗さランク2(中間)等の物品がある。
【0031】
「グレードC」 表1に示す重量、形状、味覚等の6つの品質項目のうち重量の品質項目のランクが2、形状の品質項目ランクが1又は2であり、この重量と形状の品質項目以外の品質項目のうち3〜4つの品質項目のランクが1又は2である物品をグレードCとする。
このグレードCには、例えば表2に示すように、重量ランク2(150g以上200g未満)、形状ランク2(真円度10:8)、味ランク2(中間)、匂いランク2(中間)、色彩ランク2(黄色い)、表面粗さランク2(中間)等の物品がある。
【0032】
「グレードD」 表1に示す重量、形状、味覚等の6つの品質項目のうち重量の品質項目のランクが2、形状の品質項目ランクが1又は2であり、この重量と形状の品質項目以外の品質項目のうち1〜2つの品質項目のランクが1又は2である物品をグレードDとする。
このグレードDには、例えば表3に示すように、重量ランク2(150g以上200g未満)、形状ランク2(真円度10:8)、味ランク2(中間)、匂いランク2(中間)、色彩ランク3(青い)、表面粗さランク3(粗)等の物品がある。
【0033】
「グレードE」 グレードA〜D以外の物品をグレードEとする。
このグレードEには、例えば表3に示すように、重量ランク3(150g未満)、形状ランク3(真円度10:7以下)、味ランク2(中間)、匂いランク2(中間)、色彩ランク3(青い)、表面粗さランク2(中間)等の物品がある。ただし、6つ全ての品質項目のランクが3の物品をグレード外物品とする。
【0034】
【表1】
Figure 0003657032
【0035】
【表2】
Figure 0003657032
【0036】
【表3】
Figure 0003657032
【0037】
なお、この重量、形状等の各品質ランクの数は操作設定表示部25を操作して所望のランク数に変更することができるし、グレードの数も5以外の他の2以上の数に変更することができる。また、6つの品質項目のランク値に基づいて表2、3に示すようにグレードを決定したが、表2、3に示すランク値の組合せ以外の組合せに基づいてグレードを決定するように、操作設定表示部25を操作して変更することができる。例えば、表2、3では、重量と形状の品質項目を優先させて物品のグレードを決定したが、重量、形状以外の品質項目を優先して物品のグレードを決定するように、操作設定表示部25を操作して変更することができる。例えば表2と表3に記載されている重量及び形状の品質項目と、味及び匂いの品質項目と、を入れ換えて、味及び匂いの品質項目を優先して物品のグレードを決定してもよい。更に、重量ランク1を最も高い品質とし、ランク2、3の順に品質が低下することとしたが、例えば重量ランク2を最も高い品質とし、ランク1、3の順に品質が低下することとしてもよい。
【0038】
次に、グレードの決定された物品がメモリホッパに移送される手順を説明する。まず、供給コンベア40に物品が供給されると、物品が計量コンベア41、移送コンベア1によって順次移送される。そして、その物品の6つの品質項目を順次測定する。例えば図3に示すように、第1番目に測定された重量値W1 の物品の各品質ランクが(1、1、1、1、1、1)、第2番目に測定された重量値W2 の物品の品質ランクが(1、1、1、1、1、2)、第3番目に測定された重量値W3 の物品の品質ランクが(3、3、2、2、3、2)、第4番目に測定された重量値W4 の物品の品質ランクが(1、1、1、2、2、2)、第5番目に測定された重量値W5 の物品の品質ランクが(2、2、2、2、3、3)とすると、各物品のグレードは、図3に示すように、A、A、E、B、Dとなる。また、図3に示すグレード参加ビットとは、計量された物品のグレードを記憶するビットである。即ち、グレードA、B、C、D、E のグレード参加ビットは、「00000001」、「00000010」、「00000100」、「00001000」、「00010000」となる。そして、各重量値W1 〜W5 の物品は、メモリホッパ8−1、8−2、8−3、8−4、8−5に別個に供給することとしている。つまり、品質の測定された物品は、各物品のグレードに拘わらずメモリホッパ8−1〜8−28の順に従って供給することとしている。
【0039】
ただし、物品の品質測定が進み、グレード参加ビットが例えば「00000001」の物品を収容するメモリホッパの台数が予め定めた規定メモリホッパ数(例えば14台)となったときは、空のメモリホッパにその物品を供給せずに、グレード参加ビットが「00000001」の物品が収容されているメモリホッパにその物品を供給することとしている。そして、本実施例では、1台のメモリホッパに同一のグレード参加ビットの物品を2個まで供給することができるように設定してある。このように同一のメモリホッパに投入することができる物品の個数を規定投入数といい、予め設定することができる。即ち、図3に示すように、重量値W25、グレードB、グレード参加ビットが「00000010」の物品を測定した際に、グレード参加ビットが「00000010」の物品を収容するメモリホッパの台数が14台となっている場合は、同じグレード参加ビットの物品が収容されているメモリホッパ8−4に供給する。同様に、重量値W26、グレードDの物品を測定した場合では、メモリホッパ8−5に供給する。そして、このように1台のメモリホッパに2個の物品が投入された場合は、これら2個の物品の合計重量値を1つの重量値として後述する組合せ演算に参加させる。
【0040】
また、計量が進み、図3に示す例えばメモリホッパ8−1に投入されている物品W1 、グレードAが組合せに選択されて排出された場合は、今回計量された物品W27、グレードEを、空のメモリホッパのうち番号の最も小さいメモリホッパ8−1に供給することとしている。ただし、上述したように、グレード参加ビットが「00010000」の物品を収容するメモリホッパの台数が14台となっている場合は、同グレード参加ビットの物品が収容されているメモリホッパのうち番号の最も小さいメモリホッパ8−3に供給する。
【0041】
図11は、本実施例におけるグレード参加ビットの種類を示すものである。
【0042】
組合せ演算手段は、各グレードA、B、C、D、及びEごとに、同一のグレードに属する重量値(ただし、1台のメモリホッパに2個の物品が投入されている場合はこれら2個の物品の合計重量値)を種々に組合せてそれら組合せのうち合計重量値が予め定めた第1の所定重量範囲内であり、かつ、組を構成する重量値(物品)の個数が予め定めた所定個数範囲内である組を選択する手段である。ただし、1台のメモリホッパに2個の物品が投入されている場合は物品の個数を2個で計算する。そして、この組合せ演算は、計量された物品が移送コンベア1によって移送されてメモリホッパに供給されるたびに行う。本実施例では、図10に示すように、第1の所定重量範囲を例えば2kg〜2.3kgと設定してあり、この第1の所定重量範囲を各グレードA〜Eに対して夫々設定してある。そして、重量値の合計重量値が2kg〜2.3kgの範囲内で複数存在する場合は、目標重量の2kgに最も近い合計重量値の組を選択する。また、所定個数範囲とは、組合せに選択する際の条件であり、合計重量値の組を構成するみかんの個数がこの所定個数範囲内であるときに選択され、この所定個数範囲外であるときは選択されない。本実施例では、図10に示すように、グレードA、Bの重量値を組合せ演算するときは、所定個数範囲を夫々10個と設定してあり、グレードC、Dに対しては12個、グレードEに対しては17個を設定してある。即ち、グレードA、B、C、D、又はEごとに、同一のグレードに属する重量値の種々の組合せから合計重量値が第1の所定重量範囲(2kg〜2.3kg)内であり、かつ、組を構成する重量値の個数が所定個数範囲(10、10、12、12、又は17個)内である組を選択する。ただし、各グレードA〜Eに対して同一の第1の所定重量範囲(2kg〜2.3kg)を設定したが、互いに異なる第1の所定重量範囲を設定することができる。例えば、グレードAに対して第1の所定重量範囲を2kg〜2.3kgと設定し、グレードBに対して第1の所定重量範囲を2.5kg〜2.8kgと設定し、グレードCに対して第1の所定重量範囲を3.0kg〜3.3kg・・・・・と設定することができる。そして、所定個数範囲を10、12、17のように特定の個数としたが、例えば13〜11、12〜10、11〜9のように所定範囲を有する個数として設定してもよい。
【0043】
上記組合せ演算手段によると、組合せに選択された組を構成する物品の各重量値を当該グレードについて設定されている所定の重量範囲に揃えることができる。従って、例えばみかん等の農産物を計量してパック詰め(袋詰め)する場合、各パックに重量の揃った物品どうしを詰めることができる。一般に、農産物や海産物等は、所定のA〜Eのグレードに仕分けされて、略同じ重量のものどうしが箱詰めされて出荷されている。また、選択された物品の合計重量値を、当該グレードについて設定されている第1の所定重量範囲内に収めることができるので、組合せに選択された組を構成する物品を例えばパック詰めにして出荷する場合、各パックの合計重量を揃えることができ、取引者、需要者の要望を満たすことができる。そして、選択された組を構成する物品の重量値の個数を所定個数範囲内に収めることができるので、各パックの合計個数を揃えるという取引者、需要者の要望を満たすこともできる。
【0044】
更に、パックに詰められている物品(みかん)は、表2及び表3に示すように、6つの品質項目に対して予め定めたランクに適合する同一のグレードの物品であるので、取引者、需要者の要望するグレードの物品を揃えてパック詰めして供給することができる。
【0045】
また、演算制御部24、記憶部28及び記憶部28に予め書き込まれているプログラム等は、更に、優先度設定手段、生産組数設定手段、終業運転設定手段、及び総重量値判定手段を構成している。
優先度設定手段は、組合せ演算手段により組合せに選択される組の順番を表す優先度を各グレードA、B、C、D、Eごとに設定する手段である。即ち、優先度設定手段が、例えばグレードB、C、A、D、Eの順で優先度を設定すると、組合せ演算手段が、グレードB、C、A、D、Eの順に従って各グレードごとに設定されている第1の所定重量範囲内、及び所定個数範囲内の条件を満たす組を選択し、この選択された組を構成するみかん(物品)が排出される。なお、優先度設定手段が各グレードごとに優先度を設定する操作は、作業者が操作設定表示部25を操作することにより行うことができる。
【0046】
生産組数設定手段は、組合せに選択される物品の目標生産組数を各グレードA、B、C、D、Eごとに設定する手段である。本実施例では、例えば図10に示すように、グレードA、B、C、D、Eに対して夫々100、300、300、300、100パックを設定してある。即ち、組合せ演算手段は、各グレードA〜Eごとに設定された各目標生産組数100、・・・・、200パックの生産が終了するまでは各グレードに属する重量値の組合せを選択し、設定された目標生産組数の生産が終了したグレードについては当該グレードに属する重量値の組合せを選択しない。従って、各グレードA〜Eごとに設定された目標生産組数の物品を確実に生産することができる。そして、生産計画に基づいて設定した目標生産組数を超える生産を防止することができる。なお、生産組数設定手段が各グレードごとに目標生産組数を設定する操作は、作業者が操作設定表示部25を操作することにより行うことができる。
【0047】
終業運転設定手段は、終業運転を設定する手段である。この終業運転が設定されると、組合せ演算手段が、第1の所定重量範囲を含み、かつ、この第1の所定重量範囲よりも広い第2の所定重量範囲内となる組を選択する。即ち、例えば1日の業務が終了する手前の時間に終業運転設定手段により終業運転が設定されると、組合せ演算手段が、重量値の組合せのうち合計重量値が第2の所定重量範囲となる組を選択する動作を行う。この第2の所定重量範囲は、図10に示すように、2.0〜2.5kgであり、第1の所定重量範囲(2.0〜2.3kg)を含み、かつ、第1の所定重量範囲よりも広いから、組合せを選択する確率を高くすることができ、これにより、物品が選別組合せ装置に滞留する時間を短縮することができる。つまり、例えば生鮮食品等の物品では、生鮮食品の鮮度の低下を防ぐために終業時に物品をこの選別組合せ装置から全て排出させる必要があり、その際、組合せに選択することができる所定重量範囲を広げることによりこの選別組合せ装置から物品を排出し易くすることができる。なお、終業運転設定手段が終業運転を設定する操作は、作業者が操作設定表示部25を操作することにより手動で行うことができるし、操作設定表示部25を操作して終業運転を行う時刻を設定することにより自動的に行わせることもできる。
【0048】
総重量値判定手段は、各々のグレードA〜Eごとに、同一のグレードに属する重量値の総重量値が所定の重量値以上であるか否かを判定する手段である。即ち、本実施例では、各グレードごとに総重量値を4.0kgとして設定してある。従って、計量された物品のうち組合せに選択されずメモリホッパ内に滞留する物品において、例えばグレードAに属する物品の総重量値が4.0kg以上になったとき、総重量値判定手段がその旨を判定する。そして、グレードAについてのそれ以降の組合せの選択は、合計重量値が、第1の所定重量範囲(2.0〜2.3kg)を含み、かつ、この第1の所定重量範囲よりも広い第3の所定重量範囲(2.0〜2.5kg)内となる組を選択することとする。次に、総重量値判定手段を設けた理由を以下に説明する。例えば生鮮食品等の物品では、生鮮食品の鮮度の低下を防ぐためにメモリホッパ内に長時間滞留させておくことができないので、或る滞留時間が経過したときに物品を各メモリホッパから排出させる必要があるからである。そして、総重量値が4.0kg以上の物品がメモリホッパ等に保持されているということは、総重量値4.0kg÷平均重量値約175g≒23の計算によると、1つの種類の例えばグレードCに属する物品が約23個計量されてメモリホッパ内に滞留していることであり、このままでは合計重量値が第1の所定重量範囲内の組を選択することができない可能性が高いからである。なお、総重量値を設定する操作は、作業者が操作設定表示部25を操作することにより行うことができる。なお、第3の所定重量範囲を(2.0〜2.5kg)としたが、これ以外の重量範囲に設定することができる。そして、第2の所定重量範囲(2.0〜2.5kg)と第3の所定重量範囲(2.0〜2.5kg)とを同一の重量範囲としたが、互いに異なる重量範囲に設定することができる。
【0049】
次に、この選別組合せ装置の動作手順をフローチャートを参照して説明する。図4は、供給コンベア40に供給された被測定物であるみかんがメモリホッパ8−1〜8−28に投入されるまでの処理を示すフローチャートである。予め作業者が操作設定表示部25を操作して選別組合せ装置の運転の為の各種設定及びイニシャル値のセットを行う。例えば各グレードA〜Eごとに表2及び表3に示す6つの品質項目のランクを設定して各グレードA〜Eに属する6つの品質項目のランクを決定したり、図2に示す所定個数(詰合せ個数)、目標重量等を設定し、更に、各グレード参加ビット(図11(b)〜(f)に示す各グレード参加ビット)ごとに規定メモリホッパ数、規定投入数等を設定する。次に、物品供給装置(図示せず)により供給コンベア40ににみかんを1個ずつ供給させる。すると、供給コンベア40、計量コンベア41、及び移送コンベア1によって順次移送されて、重量、形状、味、匂い、色彩、表面粗さの6つの各品質を順次測定する(S100〜S110)。そして、図3に示すように、各種品質を測定した物品が、各グレードA、B、C、D、Eのうちいずれのグレードに属するかを決定する(S112)。ただし、どのグレードにも属していないと判断した場合は、当該みかん(物品)をグレード外物品として排除装置(図示せず)が自動的に排除する。ただし、自動排除を行わず、例えば、操作設定表示部25にその旨の表示させて、作業者がその表示を確認してみかんの排除作業を行うとしてもよい。
【0050】
次に、演算制御部24が、グレードの決定をしたみかんを移送するメモリホッパ8−1〜8−28を決定する(S114)。そして、移送コンベア1によって移送されるみかんが、投入されるべき例えば図1に示すメモリホッパ8−7の側方位置に到達すると、対応する取り込みフリッパ12−7を開閉作動させてそのみかんをからめ取り、そのメモリホッパ8−7に投入させる(S116)。なお、図1に示すように、各メモリホッパ8−1〜8−28の近傍には、各メモリホッパの側方位置にみかんが移送されたことを検出する検出器47−1〜47−28を設けてあり、各検出器47−1〜47−28の発生する検出信号に基づき対応する取り込みフリッパを作動させる。そして、記憶部28に設けられている移送完了フラグをONにセットして1サイクルが終了し(S118)、これ以降は、停止命令が入るまでステップ100〜118を順次繰り返し実行する。そして、移送完了フラグがONにセットされるたびに、組合せ演算を実行するように命令する。
【0051】
次に、図5乃至図7を参照してメモリホッパに移送されたみかんの重量値を各グレードA〜Eごとに組合せ演算し、その組合せ演算によって選択された組を構成するみかんをメモリホッパから排出させる手順を説明する。まず、組合せ完了フラグがONにセットされているか否かを判定する(S200)。この際、既に計量済みのみかんの組合せ演算が終了して各メモリホッパから排出すべきみかんが決定しており、組合せ完了フラグがONにセットされている場合はYESと判定し、排出命令信号が入力した時にそれら選択されたみかんを各メモリホッパより排出させる(S202、204)。しかる後に組合せ完了フラグをOFFにセットする(S206)。
【0052】
そして、上記処理が行われて組合せ完了フラグがOFFにセットされている状態では、ステップ200においてNOと判定し、そして移送完了フラグがONにセットされるたびに組合せ演算を実行する(S208、210)。ステップ210では、各グレードA〜Eごとに、同一のグレードに属する重量値を種々に組合せて各重量値の組合せごとに合計重量を算出すると共に各組合せごとにみかんの合計個数を算出する。
【0053】
次に、グレードA、B、C、D、Eの順に従って、各グレードA〜Eごとに、生産が終了しているか否か、目標生産組数が設定されているか否か、及び、生産未終了のグレードのうち優先度が一番高いか否かを順に判定する(S212、214、216、・・・・)。つまり、各グレードA〜Eごとに生産が終了しているか否かを判定して、生産が未終了のグレードの生産を行うこととしている。そして、生産が未終了のグレードが複数存在している場合は、各グレードA〜Eごとに目標生産組数が設定されているか否かを判定して、目標生産組数が設定されておらず、生産数量が無制限として設定されている場合は、そのグレードから生産を行うこととしている。本実施例では、目標生産組数がグレードA〜Eに対して100パック、300パック、300パック、300パック、100パックとして設定してあるので、これらグレードA〜Eのうち優先度の一番高いものから生産することとしている。本実施例では、グレードB、C、A、D、Eの順で優先度が設定されている。
【0054】
従って、まず、生産が未終了であり(ステップ224でNOと判定)、目標生産組数300が設定されており(ステップ226でYESと判定)、生産未終了のグレードのうち優先度が一番高いグレードBに属する重量値のみかんの選択から始める(ステップ228でYESと判定)。この時、ステップ210において、グレードBに属する重量値を種々に組合せて、各重量値の組合せごとに合計重量値とみかんの合計個数が算出されているので、これら各組合せごとの合計重量値と合計個数に基づいて、合計重量値が第1の所定重量範囲(2.0〜2.3kg)内であり、合計個数が所定個数範囲内の10個(図10参照)の組を選択する(S230、232)。この選択が完了するとグレードBの生産数をカウントするカウンタのカウント値を1だけ増加させて、組合せ完了フラグをONにセットする(S234)。そして、スタートに戻って上記各ステップを繰り返して実行し、当該グレードBの生産数(排出数)が300パックとなったときにグレードBの生産を終了する。
【0055】
次に、グレードBと同様にしてグレードC、A、D、Eの各生産数が夫々300、100、300、100パックとなるまでこのグレードの順番で生産を行う(S212〜S222、S236〜S246参照)。グレードC、Dの各フローチャートは、図6に示すフローチャートと同等であるので省略してある。なお、グレードA〜Eに属する組合せに選択されたみかんは、図1に示す排出コンベア15によって搬送されて後段の包装機によって包装され、各包装されたパックには該当するグレード等の表示がされる。また、包装機により包装せずに、手作業によって包装することもできる。包装しようとするみかんのグレード等は操作設定表示部25に表示される。
【0056】
ただし、ステップ218、230、242において、許容重量範囲を通常運転状態の第1の所定重量範囲(2.0〜2.3kg)としたが、終業運転が設定されている場合は許容重量範囲を第2の所定重量範囲(2.0〜2.5kg)として該当の組を選択する。そして、グレードA〜Eのうちのいずれかのグレードに属する重量値の総重量値が所定の重量値の4.0kg以上となった場合は、該当するグレードの許容重量範囲を第3の所定重量範囲(2.0〜2.5kg)として該当の組を選択する。
【0057】
次に、図8に示すフローチャートの説明をする。このフローチャートは、図4に示すフローチャートのステップ112の詳細を示すものであり、各グレードA〜Eに対して設定されている品質ランクの組合せ(表2、表3参照)を読み込み(S300、306、・・・・、312)、みかんの6つの品質項目を測定して得られた品質ランクの組合せがこれら各グレードA〜Eのうちどのグレードに属するかを判別し(S302、308、・・・・、314)、そして、6つの品質ランクの組が該当するグレードのグレード参加ビットを算出する(S304、310、・・・・、316)。このグレード参加ビットは、図11及び図3に示すものである。このようにして物品の6つの品質ランクの組が、グレードA〜Eのうちどのグレードに属しているかを表すグレード参加ビットを決定することができる。
【0058】
次に、図9に示すフローチャートの説明をする。このフローチャートは、図4に示すフローチャートのステップ114の詳細を示すものであり、測定したみかんを移送するメモリホッパを決定する手順を示す。まず、メモリホッパ8−1に被測定物であるみかんが投入されているか否か、即ち、空であるか否かを判定し(S400)、空でありNOと判定したときはメモリホッパ8−1が空である旨を記憶部28に記憶して、次のメモリホッパ8−2にみかんが投入されているか否かを判定する。このようにして、順次、次のメモリホッパ8−3〜8−28にみかんが投入されているか否かを判定し(・・・・、S406)、空でありNOと判定したときは該当する空のメモリホッパを記憶部28に記憶する。このようにして、空のメモリホッパがどれであるかを記憶することができる。
【0059】
ただし、ステップ400において、メモリホッパ8−1にみかんが投入されており、YESと判定したときは、そのメモリホッパ8−1に投入されているみかんのグレード参加ビットと今回測定したみかんのグレード参加ビットとが一致するか否かを判定し(S402)、両方のグレード参加ビットが一致し、YESと判定したときは、各グレード参加ビットごとに設けられているカウンタのうち今回測定したみかんのグレード参加ビットのカウンタのカウント値を1だけ増加させる(S404)。しかし、両方のグレード参加ビットが相違し、NOと判定したときは、上記ステップにより、みかんが投入されているメモリホッパを探してそのメモリホッパに投入されているみかんのグレード参加ビットと今回測定したみかんのグレード参加ビットとが一致するか否かを判定する(・・・・、S406、S408)。
【0060】
このようにして、今回測定したみかんのグレード参加ビットと一致するみかんが投入されているメモリホッパを調べて発見することができるし、又は、両方のグレード参加ビットが一致するメモリホッパが存在しないことを認識することができる。そして、各グレード参加ビットに対応して設けたカウンタにより各グレード参加ビットのみかんが投入されているメモリホッパの台数をカウントすることができる。
【0061】
次に、今回測定したみかんのグレード参加ビットと一致するみかんが投入されているメモリホッパの台数(各グレード参加ビットごとに設けられているカウンタによりカウントされた台数)が、そのグレード参加ビットに対して予め設定された規定メモリホッパ数(例えば14台)以上であるか否かを判定し(S412)、規定メモリホッパ数未満でありNOと判定した場合は、空のメモリホッパのうち番号の最も小さいメモリホッパに今回測定したみかんを投入するようにセットする(S414)。例えばメモリホッパ8−3と8−7が空である場合は、7よりも番号の小さい3が付されているメモリホッパ8−3にみかんを投入するようにセットして終了する。ただし、ステップ412において、規定メモリホッパ数以上でありYESと判定した場合は、今回測定したみかんのグレード参加ビットと一致するみかんが投入されているメモリホッパのうち、最も個数が少なく番号の最も小さいメモリホッパに今回測定したみかんを投入するようにセットして終了する(S416)。
【0062】
ただし、上記実施例では、図10に示すように、グレードAに対して1種類の重量個数(単重範囲が200g以上、個数10)を設定したが、グレードAに対して2種類の重量個数(単重範囲が200g以上、個数10)と(単重範囲が200g以上、個数12)を設定することができる。その際、組合せ演算で何方を先に選択するかは、グレードA−1、A−2というように識別記号を付して優先度を設定することにより決めることができる。この優先度は、優先度設定手段により設定することができる。
【0063】
そして、上記実施例では、合計28台のメモリホッパ8−1〜8−28を設けたが、28台以外の複数台としてもよい。
【0064】
また、図1に示すように、計量コンベア41を設けたが、計量ホッパ、又は計量トレイを設けた構成としてもよい。
【0065】
【発明の効果】
第1乃至第3の各発明によると、様々な種類の品質を備えており、そしてこれら様々な種類の各品質の度合いが相違している多数の物品を、予め定めた2以上の各品質の程度を品質測定値(品質ランク)に置き換えて、これら品質ランクに基づいて互いに略同一程度の品質を有する夫々のグレードに自動的に選別することができる構成である。従って、種々のグレードの物品が混在しているものを、予め定めた複数のグレードに自動的に選別することができるという効果がある。なお、グレードとは、物品の予め定めた2以上の品質項目に対して決定された各ランクの組合せに基づいて決定されるその物品の階級を表している。
【0066】
また、第1の発明によると、2以上の品質項目のうちの1つが重量品質であり、組合せ演算手段が、各グレードごとに、同一のグレードに属する重量値を種々に組み合わせてそれら組合せのうち合計重量値が予め定めた所定重量範囲内となる組を選択し、この選択された組を構成する物品を排出手段が排出する構成である。従って、この排出された組を構成する物品が詰められたパックには、同一グレードの物品を詰めることができ、これによって、これら物品の各重量値を予め定めた所定の重量範囲に揃えることができ、しかも、合計重量値を所定重量範囲内に収めることができるという効果がある。そして、これらの効果は、取引者、需要者の要望を満たすものである。
【0067】
そして、重量選別機と組合せ秤の機能を備えているので、従来のように、複数のグレードに選別したみかんを溜めるための複数の容器や、それら容器を配置するためのスペースを不要とすることができる。そして、従来よりも装置の設置スペースを狭くすることができるし、費用の低廉化を図ることもできる。また、この選別組合せ装置によると、物品の投入が1回で済むので、投入の手間が従来よりも少なくて済むし、物品をグレード分けする為の処理時間も短くて済むという効果がある。
【0069】
第2の発明によると、各物品の重量を含む品質を揃えること、パック詰めされた物品の合計重量を揃えること、及びパック詰めされた物品の合計個数を揃えること、が全て必要とされることがある例えばレタス、キャベツ、メロン等の物品の詰合せに使用することができ、これによって、詰合せ作業の作業効率を向上させることができる。従って、取引者、需要者の要望も満たすことができる。
【0070】
また、第1の発明によると、複数の各メモリ容器が、任意のグレードに属する物品を収容することができるので、各グレードごとに所定数のメモリ容器を設ける必要がなく、少ない数のメモリ容器で済むという効果がある。つまり、各グレードごとに所定数のメモリ容器を設けると、多数のメモリ容器を必要とし、そして、これら多数のメモリ容器を設けても、これら全てのメモリ容器に物品が供給されて排出されずに保持されたままであることは稀であり、その結果、常に多数の空のメモリ容器が存在するという不都合が起こるからである。本発明は、このような不都合を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る選別組合せ装置の外観斜視図である。
【図2】同実施例に係る選別組合せ装置の電気回路を示すブロック図である。
【図3】同実施例に係る選別組合せ装置において計測された物品が移送されるべきメモリホッパを決定する説明に参考として使用した図である。
【図4】同実施例に係る選別組合せ装置の供給コンベアに供給された物品がメモリホッパに投入されるまでの処理を示すフローチャートである。
【図5】同実施例に係る選別組合せ装置のメモリホッパに投入された物品が組合せに選択されて排出されるまでの処理の一部を示すフローチャートである。
【図6】同実施例に係る選別組合せ装置のメモリホッパに投入された物品が組合せに選択されて排出されるまでの処理の一部を示すフローチャートである。
【図7】同実施例に係る選別組合せ装置のメモリホッパに投入された物品が組合せに選択されて排出されるまでの処理の一部を示すフローチャートである。
【図8】図4に示すステップ112の詳細を示すフローチャートである。
【図9】図4に示すステップ114の詳細を示すフローチャートである。
【図10】同実施例に係る選別組合せ装置に設定されている重量ランクと単重量の関係等を示す図である。
【図11】(a)〜(f)は同実施例のグレード参加ビットを示す図である。
【符号の説明】
1 移送コンベア
2 物品
8−1〜8−28 メモリホッパ
9−1〜9−28 メモリホッパゲート
12−1〜12−28 取り込みフリッパ
15 排出コンベア
24 演算制御部
31 重量検出器
32 形状センサ
33 味覚センサ
34 嗅覚センサ
35 色彩センサ
36 表面粗さセンサ

Claims (3)

  1. 順次供給される物品に対して予め定めた2以上の各品質項目について各品質の度合いを測定する品質測定手段と、
    上記各々の品質ごとに品質の度合いと対応する複数の品質ランクを定めてあり、これら複数の品質ランクのうち上記順次測定して得られた物品の品質測定値の属する上記品質ランクを、上記2以上の夫々の品質に対して順次決定する品質ランク決定手段と、
    上記品質ランク決定手段により上記2以上の各品質に対して決定された品質ランクに基づき各物品に対してグレードを決定するグレード決定手段と、
    上記グレードが決定された物品を順次収容する複数のメモリ容器と、
    上記2以上の品質のうちの1つが重量品質であり、上記品質ランク決定手段が決定する品質ランクに重量ランクが含まれており、上記各メモリ容器に収容されている上記各物品のうち同一の上記グレードに属する物品の重量値を種々に組合わせて、それら組合せのうち合計重量値が当該グレードに対して予め定めた所定重量範囲内となる組を選択する組合せ演算手段と、
    該組合せ演算手段が選択した組を構成する物品を上記各メモリ容器から排出する排出手段とを、
    設けた選別組合せ装置。
  2. 請求項記載の選別組合せ装置において、上記組合せ演算手段が、上記各組合せのうち合計重量値が当該グレードに対して予め定めた所定重量範囲内であり、かつ、組を構成する重量値の個数が予め定めた所定個数範囲内となる組を選択することを特徴とする選別組合せ装置。
  3. 請求項1または2記載の選別組合せ装置において、上記品質測定手段による上記物品の品質の度合いの測定は、上記各物品が第1搬送手段によって搬送されている間に行われ、上記メモリ容器への上記物品の収容は、上記各メモリ容器に対応して設けた取り込み手段が第1搬送手段から上記物品を対応する上記メモリ容器に取り込むことによって行われ、上記排出手段によって上記各メモリ容器から排出された上記各物品は、第2の搬送手段によって搬送される選択組合せ装置。
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JP2010286251A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Anritsu Sanki System Co Ltd 組合せ集合装置

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