JP3657085B2 - 穀粒の品質判別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、穀物処理のための仕分け用判別情報を検出する穀粒の品質判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、穀粒乾燥施設にて乾燥貯蔵等の処理を行う場合や流通市場に出荷する時の品質ランク(等級)を規定する等の穀粒処理のための仕分け用判別情報を求める構成としては、穀粒処理が実行される前の穀粒から試料穀粒を採取して、専用の籾摺機にて籾摺処理を行った後に、例えば、水分計、食味計、あるいは、外観品位計等、既存の計測装置を用いて、籾摺処理された玄米の状態によって、穀粒の水分率、食味予想値、外観品位等を夫々正確に計測するようになっており、試料穀粒の採取作業、籾摺機への投入処理、籾摺後の穀粒を前記各計測装置へ投入する処理等は手作業にて行われるとともに、前記各計測装置の計測結果は各装置から各々単独で出力されるようになっていた。
【0003】
又、穀粒の籾摺処理の前後における試料穀粒の重量を専用の計量装置にて計量して、その籾摺処理前後の重量比率(いわゆる歩留り)も同様にして求めるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように手作業にて処理を行う場合には、籾摺機や計測装置等の各装置間で試料穀粒を手作業にて持ち運びながら搬送することになるので、搬送効率が悪くなるとともに、作業の手間もかかり、それだけ作業能率が低いものになる不利がある。
【0005】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、穀粒処理のための仕分け用の判別情報として、穀粒の性状及び重量比率を、作業の煩わしさが少なく、且つ、能率よく求めることが可能になる穀粒の品質判別装置を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の穀粒の品質判別装置の特徴構成によれば、穀粒処理が実行される前の穀粒から採取されて、投入口から投入された試料穀粒を搬送して、籾摺処理を行う籾摺手段と、籾摺された後の試料穀粒を搬送して、試料穀粒の性状を計測する性状計測手段と、投入された試料穀粒を計測して求める重量と前記籾摺処理が行われた後の穀粒を計測して求める重量との比率を求めて出力する重量比率算出手段とが備えられ、前記性状計測手段の計測情報と、前記重量比率算出手段の算出情報とを装置外部に出力するように構成されている。
【0007】
投入口から投入された試料穀粒が籾摺手段により搬送されて籾摺処理が行われるとともに、籾摺処理が行われた後の試料穀粒は、性状計測手段によって搬送されて性状が計測されることになる。又、重量比率算出手段によって、投入された試料穀粒の重量と籾摺処理が行われた後の穀粒の重量とが計測されてその比率が求められる。
そして、性状計測手段の計測情報と、重量比率算出手段の算出情報とが、穀粒処理のための仕分け用の判別情報として装置外部に出力されることになる。
【0008】
従って、作業者は、試料穀粒を採取して投入口から投入するだけの作業で対応できることになり、各装置間で試料穀粒を持ち回りながら計測作業を行うような従来構成に較べて、作業の煩わしさを少ないものにできるとともに、手作業による持ち回り等の無駄時間が少なく、全体として能率よく仕分け用の判別情報として穀粒の性状や重量比率を求めることが可能となる。
【0009】
又、請求項1に記載の穀粒の品質判別装置の特徴構成によれば、前記重量比率算出手段は、投入された試料穀粒の重量を計測する第1計量手段と、前記籾摺処理が行われた後の穀粒の重量を計測する第2計量手段と、それらの計測結果に基づいて、前記重量比率を演算する演算手段とを備えて構成されている。
【0010】
投入口から投入されて、籾摺手段により搬送される途中において、あるいは、搬送される前において、第1計量手段により籾摺処理が行われる前の試料穀粒の重量が計測され、籾摺手段による籾摺処理が行われた後において、第2計量手段により籾摺処理が行われた後の穀粒の重量を計測される。そして、それらの計測結果により、演算手段によって重量比率が演算されるのである。
【0011】
従って、穀粒の重量計測を、手作業にて行う等の煩わしい手間をかけることなく、能率よく行えるものとなる。
【0012】
又、請求項1に記載の穀粒の品質判別装置の特徴構成によれば、前記籾摺処理が行われた後の穀粒に混入する不良穀粒又は異物を除去するように選別処理する選別手段が備えられ、前記重量比率算出手段は、前記試料穀粒の重量と、前記選別手段により選別処理が実行された後の穀粒の重量とに基づいて、重量比率を求めるように構成されている。
【0013】
籾摺処理が行われた後に選別手段にて試料穀粒に混入しているおそれがある不良穀粒又は異物を除去することにより、籾摺後の重量として正常な穀粒のみの重量を用いて適正な重量比率を求めることができる。
【0014】
請求項2に記載の穀粒の品質判別装置の特徴構成によれば、請求項1において、前記性状計測手段は、前記試料穀粒の性状として含有成分を計測することになる。
【0015】
穀粒処理するための仕分け用情報として、例えば、水分含有率、あるいは、タンパク質やアミロース等の穀粒の含有成分が計測されることになる。これらの含有成分の計測情報は、例えば、その後に行われる穀粒処理として、乾燥処理が行われるような場合には、計測情報に応じて互いに異なる乾燥条件になるように仕分けるための情報として利用したり、あるいは、穀粒処理として、流通市場に出荷させるときの品質ランクを仕分けるような場合に、例えば、食べるときの食味の予想値を前記計測情報から判断することができるので、品質ランクを仕分けるための情報として利用したりすることができる。
【0016】
請求項3に記載の穀粒の品質判別装置の特徴構成によれば、請求項1において、前記性状計測手段は、前記試料穀粒の性状として、穀粒の外観品位を計測することになる。
【0017】
穀粒処理するための仕分け用情報として、籾摺後の穀粒の外観品位が計測されることになる。前記外観品位は、例えば、籾摺後の穀粒において、外観上の異常を有する粒、例えば成熟していない未熟粒や正常でない色に着色している着色粒、害虫により蝕まれている被害粒等の混入の割合等が計測されることになる。
【0018】
外観品位の計測結果により、上記したような異常粒の割合が設定上限値を越えて多い場合には、その穀粒は不良品としてその後の処理を停止させたり、異常粒の割合が少ないものについて、その割合に応じて品質ランク分けしてその後の処理を継続させる等により、明らかな不良品を処理する等の無駄を省くことができるとともに、適切なランク分けのための情報として利用することができる。
【0019】
請求項4に記載の穀粒の品質判別装置の特徴構成によれば、請求項1において、前記性状計測手段は、前記試料穀粒の性状として、含有成分並びに外観品位を計測することになる。
【0020】
穀粒処理するための仕分け用情報として、穀粒の含有成分並びに籾摺後の穀粒の外観品位の夫々が計測されることになる。含有成分としては、例えば、水分含有率、あるいは、タンパク質やアミロース等の含有成分が計測され、前記外観品位は、例えば、籾摺後の穀粒において、外観上の異常を有する粒、例えば成熟していない未熟粒や正常でない色に着色している着色粒、害虫により蝕まれている被害粒等の混入の割合等が計測されることになる。
【0021】
これらの計測情報のうち含有成分は、例えば、その後に行われる穀粒処理として、貯蔵に適した水分率まで乾燥させる乾燥処理が行われるような場合には、計測情報に応じて互いに異なる乾燥条件になるように仕分けるための情報として利用したり、あるいは、穀粒処理として、流通市場に出荷させるときの品質ランクを仕分けるような場合に、例えば、食べるときの食味の予想値を前記計測情報から判断することができるので、品質ランクを仕分けるための情報として利用したりすることができる。
【0022】
外観品位の計測結果により、上記したような異常粒の割合が設定上限値を越えて多い場合には、その穀粒は不良品としてその後の処理を停止させたり、異常粒の割合が少ないものについて、その割合に応じて品質ランク分けしてその後の処理を継続させる等により、明らかな不良品を処理する等の無駄を省くことができるとともに、適切なランク分けのための情報として利用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る穀粒の品質判別装置について、穀物処理設備における処理のための仕分け用の判別情報に適用する場合について図面に基づいて説明する。
【0024】
先ず、穀物処理設備について説明する。
図4,図5に示すように、穀物処理設備は、納入者が投入する穀物の荷受け処理が行われる荷受け部A、穀物の乾燥処理が行われる乾燥部B、乾燥後の穀物を貯蔵する貯蔵部C、穀物の籾摺調整部D及び穀物を出荷する出荷部E等を備えて構成されている。
前記荷受け部Aは、穀物を受け入れる受入部としての荷受けホッパー1、荷受けホッパー1からの穀物を横送りする荷受けコンベア2、穀物を揚送する第1揚送コンベア3、穀物を一旦貯留する流量調整タンク4、穀物から藁屑等の異物を除去するための粗選機5、粗選機5から排出される穀物を計量する荷受け用計量機6等を夫々2組づつ備えて構成されている。
8前記乾燥部Bは、荷受け部Aから供給される穀物を貯留するために、前記荷受け部Aの2組づつの構成に対応して2組づつ備えられる一時貯留用の複数の貯留ビン8と、貯留ビン8から供給される穀物を乾燥処理を行う乾燥機k等が備えられる。
前記貯蔵部Cには、乾燥後の穀物を貯蔵する複数のサイロ9が設けられ、籾摺調整部Dには、調整タンク10、精選機11、売渡し用計量機12、籾摺調整装置13、石抜機14等が設けられ、出荷用設備Eには、出荷用調整タンク15、出荷用計量機16,17、複数の出荷用タンク18等が設けられる。
尚、図示はしないが、それら機械類は、建物の内部空間を利用して、立体的(多層階式)に配設されている。
【0025】
次に、この設備において穀物を搬送するための搬送経路について説明する。
前記荷受けホッパー1から受け入れられた未乾燥の穀物は、荷受けコンベア2によって横方向に搬送されたのち、第1揚送コンベア3によって上方箇所に揚送され、流量調整タンク4にて一時貯留されて、粗選機5によって混入した藁屑等の異物を除去されたのち、前記荷受け用計量機6によって計量されることになる。
前記流量調整タンク4の機能について説明を加えれば、前記荷受け用計量機6は、いわゆるバッチ式の計量機に構成されているため、荷受け用計量機6は計量中はその内部に穀物を一時貯留する状態となる。従って、計量のために受け入れた穀物を排出しなければ次の計量を行えないことになる。そこで、前記流量調整タンク4に二個の貯留部を備えて、一方の貯留部が計量動作を行っている間に他方の貯留部に穀物を貯留させるようにすることで、先に受け入れた穀物の計量が完了していなくても、次の荷受け処理を開始できるようにして、荷受け処理の効率化を図ることができるようにしているのである。但し、荷受け量が多い場合には、前記二個の貯留部に同一受け入れ先の穀物を分配する状態で貯留させる場合もある。
前記荷受け用計量機6から排出される計量後の穀物は、第2揚送コンベア7によって上方に揚送され、中継コンベア19と移動コンベア20を介していずれかの貯留ビン8に貯留されることになる。
前記貯留ビン8に貯留された穀物は、各貯留ビン8の下端部の排出部に各別に設けられたシャッター21を選択的に開作動させてその下端部から排出され、横送り搬送コンベア22にて搬送され、第3揚送コンベア23によって上方に揚送されて、更に、搬送コンベア24にてサイロ又は乾燥部が配置される箇所の近くまで搬送され、切り換え弁25によって乾燥機kに送るか貯蔵工程に送るかを切り換えられるようになっている。
前記乾燥機kに送る場合には、第4揚送コンベア26によって揚送された穀物を前記乾燥機kに投入し、貯蔵工程に送る場合には、第5揚送コンベア27によって揚送して、更に、貯留ビン8に搬送するか又はサイロ9に搬送するかを切り換え弁28によって切り換える。前記乾燥機kの下端部から排出される穀物は、切り換え弁29によって再度乾燥機kに投入されるか又は第5揚送コンベア27の始端部に戻されるかを切り換えるようになっている。
貯蔵工程に送る場合には、上部搬送コンベア30により選択的にいずれかのサイロ9に穀物が供給される。サイロ9の下端部から排出される穀物は、切り換え弁31によって乾燥用の第4揚送コンベア26に戻すための乾燥用搬送コンベア32に排出されるか、出荷工程に搬送するための出荷用搬送コンベア33a,33bに排出されるかが切り換えられるようになっている。
【0026】
前記切り換え弁31が出荷工程に搬送するように切り換えられて、サイロ9の下端部に各別に設けられたロータリバルブが操作されることにより、第1出荷用コンベア33a及び第2出荷用搬送コンベア33bから排出される穀物は、流量調整タンク10を経由して、精選機11又は売渡し用計量機12に搬送されるようになっている。但し、精選機11から排出される穀物を売渡し用計量機12に搬送することもできるようになっている。
売渡し用計量機12で計量された穀物は、第6揚送コンベア35で揚送された後、籾摺調整装置13に搬送されるようになっている。但し、第6揚送コンベア35の終端部に切り換え弁36が設けられ、第6揚送コンベア35で揚送された穀物をサイロ9の上部の横送り搬送コンベア37からサイロ9に戻すこともできるようになっている。
【0027】
籾摺調整装置13から排出される穀物は、石抜機14を経由して第7揚送コンベア38で上方に揚送され、切り換え弁39を介して、出荷用計量機16の調整タンク15、又は、別の出荷用計量機17に搬送されるようになっている。
前記出荷用計量機17から排出される穀物は、第8揚送コンベア40で上方に揚送され、横送り搬送コンベア41を経由して、複数個の出荷タンク18の夫々に所定量毎に区分けされた状態で収納されるようになっている。出荷タンク18から排出される穀物は、出荷搬送コンベア42から、運送用のトラックの荷台等に排出されて出荷されることになる。
【0028】
又、貯留ビン8の下端部には、複数の貯留ビンに共用する状態で貯留空間に送風する送風機45が設けられ、貯留ビン8の上方から内部の空気を外部に排出するための吸引式の排気ファン46が設けられている。
【0029】
この穀物処理設備において、納入者が穀物を投入する場合には、先ず、受付Uにて受付処理を済ませた後、穀物を荷受けホッパー1に投入することになる。
そして、この穀物処理設備においては、仕分け用の判別情報に基づいて仕分けした状態で前記乾燥機kにて乾燥処理を行うように構成され、荷受けホッパー1への受入れ前、つまり、受付をした後に投入されるべき穀物から試料穀物としてのサンプル籾を採取し、その採取したサンプル籾に対して、乾燥処理を行わない状態で、仕分け用の判別情報を求める品質判定装置Fが備えられている。
【0030】
次に、前記品質判定装置Fについて説明する。
品質判定装置Fは、投入されたサンプル籾の含有成分として水分含有率及び食味予想値に加えて、外観品位及び歩留の夫々を計測する計測装置F1と、これらの計測情報を後述するように入力される識別情報に対応つけて記憶並びに管理するデータ管理装置F2(データ管理手段)とを備えて構成されている。
【0031】
前記計測装置F1は、図3,図4に示すように、装置正面には、前記穀物から採取されたサンプル籾が投入される投入口48及び人為操作用のタッチパネル49(入力手段に対応する)が設けられ、投入口48から流下供給されるサンプル籾の全重量を計測するロードセル50(第1計量手段の一例)、重量計測されたサンプル籾を上揚搬送する第1搬送部51、第1搬送部51から排出されるサンプル籾の籾摺を行う籾摺機52、籾摺後の玄米の重量を計測するロードセル53、重量計測された玄米を上揚搬送する第2搬送部54、第2搬送部54から排出された玄米の一部が振り分けられて、外観品位、例えば、未熟粒、被害粒、死米、着色、胴割れ等の外観的な品位を計測する外観品位計55、及び、玄米の食味、及び、水分率を計測する食味計56、外観品位計55及び食味計56にて計測が終了した玄米を横送り搬送するコンベア57、このコンベア57の終端部から玄米を上揚搬送する第3搬送部58、第3搬送部58から排出された玄米に対して、設定粒径未満の粒、即ち、破砕粒や小径粒等の不良粒あるいは小石等の異物等を除去して整粒(設定粒径以上の正常粒)を選別する粒選別機59(選別手段の一例)、整粒の重量を計測するロードセル60(第2計量手段の一例)等が備えられ、更に、マイクロコンピュータを備えて構成され、タッチパネル49の入力情報に基づいて上記各部の動作を制御するとともに、計測情報を仕分け用の判別情報として出力する制御装置FHが備えられている。
【0032】
第1搬送部51及び籾摺機52により、投入された試料穀粒を搬送して、乾燥機での乾燥処理を行わない状態で籾摺処理を行う籾摺手段MSが構成され、第2搬送部54、外観品位計55、食味計56の夫々により、籾摺された後の試料穀粒を搬送して、試料穀粒の性状を計測する性状計測手段SKが構成されることになる。そして、前記制御装置FHは、ロードセル50により計測される計測対象となるサンプル籾の全重量W1と、ロードセル60により粒選別した後に計測される整粒重量W2との重量比率を演算して、その演算結果を出力するように構成されている。従って、制御装置FHを利用して重量比率演算用の演算手段が構成される。但し、このとき、制御装置FHは、穀粒の含有水分率が15%の場合に対応するように換算すべく、食味計により計測された水分率SU(%)の情報を加味して、重量比率(歩留り)Xを下記〔数1〕に基づいて演算するように構成されている。
【0033】
【数1】
X=(W2/W1)・(15/SU)
【0034】
従って、ロードセル50、ロードセル60、及び制御装置FHにより重量比率算出手段100が構成されることになる。
【0035】
前記外観品位計55は、従来より公知のものであり、穀粒の光の透過率等を計測することにより、透過率が設定量以下であれば不良粒であると判別するようになっている。又、食味計56も同様に従来より公知のものであり、穀粒に対する赤外光の反射光や透過光等を波形分析(分光分析)して、各種の成分含有率を検出するようになっている。計測される含有成分としては、水分、アミロース、タンパク質等の含有率が計測されることになる。これらの成分の含有率を計測することにより、食べるときの食味予想値を判別することができるのである。
従って、外観品位計55や食味計56は穀粒を非破壊状態で検査するので、検査後においても穀粒はそのままの形状や重量を維持することになる。
【0036】
尚、投入口48には、図1に示すように、作動時間を変更調節自在なロータリバルブ61が設けられて投入された籾のうち設定量のサンプル籾を供給できるとともに、複数回にわたって設定量づつ供給することができるようになっている。尚、投入口48に余った籾は、流路切換弁62を切り換えることで出口側経路を介して排出部63から外部に排出して回収できるようになっている。
【0037】
そして、図3に示すように、サンプル籾の全重量を計測して籾摺を行った後に、玄米の重量を計測して、玄米を外観品位計55と食味計56とに振り分けて、それらが並行して所定の計測を行う。それらの計測結果はデータ管理装置F2に入力される。更に、粒選別した後に計測される整粒重量と計測対象となるサンプル籾の全重量から重量比率が求められ、この情報もデータ管理装置F2に入力されるようになっている。尚、サンプル籾が投入されて処理が開始されてから、前記外観品位計55と食味計56との計測結果が出るまでの処理時間は約90秒であり、重量比率が計測されるまでは更に約90秒の処理時間がかかる。
【0038】
納入者(生産者)は、荷受けホッパー1への穀物の投入、及び、サンプル籾の投入口48への投入の後に、受付Uにて自己の識別番号(例えば、自宅の電話番号)や対象穀物の生産ロット番号(圃場番号等)、穀物の品種等の情報(これらが識別情報に対応する)、及び、2つ荷受けホッパー1のうちのいずれに投入するかについての情報を入力するようになっており、これらの入力情報がデータ管理装置F2に入力され、データ管理装置F2は、これらの入力情報に基づいて、サンプル籾が採取された穀粒についてのその後の処理や品質計測情報等を管理するようになっている。
【0039】
図6に、穀物処理設備全体における穀物の移動状態、及び、各種の計測情報の流れを示している。
複数の納入者(農家)から持ち込まれる穀物は、上記した食味、外観品位等の品質や水分含有率が互いに異なる場合があるが、このような品質や水分等をサンプル籾にて計測して、その計測結果に基づいて総合的に穀物の品質を評価して仕分けして、乾燥工程等の以後の処理を各計測状態に対して適切となる互いに異なる条件で処理するようになっている。図にて乾燥工程以後の穀物の流れが複数に分岐しているのは、複数の乾燥機にて同時に並行して処理するという意味では無く、このような仕分けされた状態での穀物の流れを表している。
尚、別途入力される出荷用指示情報に基づいて、各別に管理される異なる品質の穀物を、夫々単独で出荷する状態と、それらを設定混合比率で混合させた状態で出荷させるべく、サイロ9から穀物の排出状態を制御する状態とに切り換え自在に構成されるとともに、又、乾燥工程やサイロ9に設けられた図示しない温度センサや水分計の計測情報をモニター表示するようになっている。
【0040】
この穀物処理設備に備えられる制御装置SHは、具体的には以下のような動作を実行するようになっている。つまり、上記各搬送コンベアや各揚送コンベアにおける穀物の搬送状態や、各切り換え弁の切り換え操作、並びに、貯留ビン8やサイロ9に設けられる各シャッター21の開閉操作、前記出荷用指示情報に基づくブレンド処理、穀物を複数の貯留ビン8のうちのいずれか選択された貯留ビン8に選択的に仕分けした状態で貯留させる仕分け操作の夫々を予め設定された順序で実行するように構成されている。
【0041】
そして、制御装置SHは前記データ管理装置F2との間でデータを互いに通信可能に連係されており、前記各工程での検出情報等がデータ管理装置F2に通信されるとともに、データ管理装置F2からは、上記計測情報に基づく穀粒処理用の仕分け情報が入力されるようになっている。
又、データ管理装置F2は、サンプル籾が投入される毎に入力される複数の識別番号や生産ロット番号等の入力情報、前記仕分け用情報及び重量比率(歩留り)、並びに、各工程での検出情報等の情報が各生産者情報と対応つけて管理される状態で品質情報データベースとして記憶されるとともに、それらの情報が各生産者に対して例えば印刷情報等により出力するように構成されている。
【0042】
次に、穀物の品質を評価して仕分けする仕分け処理について説明する。
納入者は受付にて穀物から採取したサンプル籾を前記投入口48に投入して、前記入力情報を入力して、タッチパネル49にて計測開始を指示すると、品質判定装置Fによる計測が開始される。その後、穀物を荷受けホッパー1に投入して、穀物の搬送を開始させる。尚、図7に示すように、穀物の投入処理には約60秒程度の所要時間を要し、荷受けホッパー1から粗選機5に穀物が搬送されるのに要する時間は約90秒程度である。上述したように、品質判定装置Fによる食味、外観品位及び水分の計測が終了するまでの所要時間は約90秒であるから、品質判定装置Fによる判定動作は荷受け用計量機6による計量動作が開始されるまでに終了することになる。
【0043】
品質判定装置Fにて計測された食味、外観品位及び水分の計測情報が、仕分け用情報として、計測が終了するとすぐに制御装置SHに送信される。そして、制御装置SHは、前記食味、外観品位、水分の計測情報に基づいて、前記複数の貯留ビン8のうちで、穀物を貯留すべき貯留ビン8を選択するとともに、このとき荷受け用計量機6による計量が開始される。計量が終了すると、その計量情報が制御装置SHからデータ管理装置F2に送信される。
【0044】
制御装置SHにおける穀粒の仕分け方法について説明すると、外観品位計55にて計測された計測情報に基づいて、異常粒の割合が設定値を越えているか否かにより外観品位が正常(良)であるか異常(不良)であるかの良否判別を行うとともに、前記外観品位が正常であると判別された穀粒に対して、前記水分、食味の計測情報に基づいて、図8に示すように、複数ランク(図8では6ランク)に仕分けるようにしている。つまり、食味のランクがA,B,Cの3段階であり、水分含有率が高低2段階にて判別され、それらの組み合わせにて6ランクに仕分けるようにしている。尚、外観が不良であれば、ランク外として、予め処理行程から除外されることになる。
【0045】
尚、制御装置SHによる貯留ビン8の選択は、具体的には、貯留ビン8の上部に設けられる移動コンベア20の全体を横方向に移動させて穀物排出位置(搬送方向下手側端部)が、選択した貯留ビン8の上部に位置するように位置調節することによって行う。この移動コンベア20は搬送方向を正逆に切り換え自在になっており、横移動量を少なくしながら、各貯留ビン8のいずれに対しても選択的に排出位置を調節できるようになっている。
【0046】
その後、貯留ビン8から穀物を排出させて乾燥機kに向けて搬送して乾燥処理が行われることになるが、このとき、品質判定装置Fにて計測された水分情報に基づいて適切な条件にて乾燥処理を行うとともに、乾燥が終了すると、前記入力情報に基づいて管理される状態で、いずれかのサイロ9に貯蔵させ、且つ、適宜、出荷処理が行われることになる。
【0047】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、籾摺手段や性状計測手段として、試料穀粒を強制的に上揚搬送する搬送部を備えて、籾摺機や外観品位計、食味計等を水平方向に並列配置するようにしたが、このような構成に限らず、各装置を上下方向や斜め方向に沿って並列配置して、試料穀粒を自然流下にて搬送させるような形態等、各種の形態で実施してもよい。
【0048】
(2)上記実施形態では、前記選別手段として、試料穀粒のうち設定粒径未満の粒を除去する粒選別機を用いたが、このような構成に代えて、一層状で流下する穀粒に対して投射される光の透過率等により、不良粒や異物を検出して、それらを流下中に吹き飛ばして除去させるような選別装置を用いてもよい。
【0049】
(3)上記実施形態では、前記重量比率算出手段として、籾摺前の試料穀粒の重量と、籾摺処理後に選別手段にて選別された後の穀粒の重量とにより重量比率を求めるようにしたが、このような選別手段による選別処理を行わずに、籾摺処理後の重量を用いて重量比率を求める構成としてもよい。又、籾摺前の試料穀粒の重量と、籾摺処理後に選別手段にて選別された後の穀粒の重量とを各別に設けられた計量手段にて計測する構成に限らず、1つの計量手段を兼用して計測するものであってもよい。
【0050】
(4)上記実施形態では、籾摺された後にサンプル籾が外観品位計55と食味計56とに振り分けられた状態でそれらが並行して計測される構成としたが、図9に示すように、それらが順次的に計測されるような構成としてもよい。
【0051】
(5)上記実施形態では、前記仕分け用の判別情報として、食味、外観品位、水分の各情報の夫々を計測するようにしたが、このような構成に代えて、食味と水分のみを計測するようにしてもよい。つまり、外観品位計55を用いないで、食味計56のみにより計測を行う構成としてもよい。
又、これらのうちのいずれか1つの情報に基づいて穀物の仕分けを行うようにしてもよく、食味、外観品位、水分以外の含有成分を計測するようにしてもよい。
【0052】
(6)穀粒の仕分け方法としては、図8に示すような仕分け方法に限らず、どのような仕分け方法を適用してもよい。
【0053】
(7)上記実施形態では、サンプル籾の採取が受付での受付処理が行われた後、穀物が荷受けホッパー1に投入される前に行われるようにしたが、このような方法に限定されるものではなく、荷受けホッパー1に投入された直後、あるいは、荷受けホッパー1から流量調節タンク4に搬送されるまでの搬送途中で採取するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】品質判定装置の側面図
【図2】品質判定装置の正面図
【図3】品質判定装置のフローチャート
【図4】穀物処理設備の荷受け工程、乾燥工程、貯蔵工程の概略構成図
【図5】穀物処理設備の籾摺調整工程、出荷工程の概略構成図
【図6】穀物処理設備における穀物と情報の流れを示す図
【図7】仕分け処理についてのタイムチャート
【図8】仕分け方法を示す図
【図9】別実施形態のフローチャート
【符号の説明】
48 投入口
50 第1計量手段
59 選別手段
60 第2計量手段
100 重量比率算出手段
FH 演算手段
MS 籾摺手段
SK 性状計測手段
Claims (4)
- 穀物処理のための仕分け用判別情報を検出する穀粒の品質判別装置であって、
穀粒処理が実行される前の穀粒から採取されて、投入口から投入された試料穀粒を搬送して、籾摺処理を行う籾摺手段と、籾摺された後の試料穀粒を搬送して、試料穀粒の性状を計測する性状計測手段と、投入された試料穀粒を計測して求める重量と前記籾摺処理が行われた後の穀粒を計測して求める重量との比率を求めて出力する重量比率算出手段とが備えられ、前記性状計測手段の計測情報と、前記重量比率算出手段の算出情報とを装置外部に出力するように構成され、
前記性状計測手段にて計測が終了した後に搬送される穀粒に混入する不良穀粒又は異物を除去するように選別処理する選別手段が備えられ、
前記重量比率算出手段は、
投入された試料穀粒の重量を計測する第1計量手段と、前記選別処理が行われた後の穀粒の重量を計測する第2計量手段と、それらの計測結果に基づいて、前記重量比率を演算する演算手段とを備えて、前記試料穀粒の重量と、前記選別手段により選別処理が実行された後の穀粒の重量とに基づいて、重量比率を求めるように構成されている品質判別装置。 - 前記性状計測手段は、穀粒の含有成分を計測するものである請求項1記載の穀粒の品質判別装置。
- 前記性状計測手段は、穀粒の外観品位を計測するものである請求項1記載の穀粒の品質判別装置。
- 前記性状計測手段は、穀粒の含有成分及び外観品位を計測するものである請求項1記載の穀粒の品質判別装置。
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