JP4112074B2 - 重量選別方法及び重量選別機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、計量した物品を予め定めた各重量ランクごとに選別する重量選別方法及び重量選別機において、各重量ランクごとに選別された物品の合計重量及び合計個数が予め定めた重量及び個数となるようにする重量選別方法及び重量選別機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば農水産物等の物品は、同一種類のものであって、重量が略等しいものを予め定めた重量ずつ箱詰めして、この箱詰めされた状態で取引されている。そして、物品を所定重量ずつ箱詰めする際には、重量選別機と振分け装置が使用されている。
この重量選別機は、夫々異なる重量範囲ごとに所定数の重量ランクが予め設定されており、被計量物品の重量を順次計量して各計量値の該当する重量ランクを判定することができるものであり、重量ランクが判定された各計量済み物品は、各重量ランクごとに予め定めた振分け位置に振分け装置により振り分けられる。なお、各重量ランクの各振分け位置において、その振り分けられた物品の合計重量が予め定めた重量となったときに、重量選別機が所定の完了信号を生成し、これによって、各重量ランクごとに合計重量が予め定めた所定重量となるように物品の計量を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の重量選別機では、物品を各重量ランクごとに合計重量が所定重量となるように計量することができるが、この合計重量を構成する物品の個数を、合計重量が所定重量となるのと同時に予め定めた一定の個数となるように計量することができないという問題がある。つまり、例えば或る重量ランクに振り分けられた物品の合計重量が予め定めた所定の重量であっても、この振り分けられた物品の平均重量値が変動すると、その合計重量を構成する物品の個数も変動するからである。
このように、同一の重量ランクでありながら所定の合計重量ごとに選別された物品の個数が揃っていない場合は、物品を整列させて箱詰めしたときのその整列の形態が互いに相違するものができあがり、見栄えが悪いという問題がある。
また、各重量ランクごとの合計個数が予め定めた一定の個数となるようにしたとき、合計重量を一定の重量となるように計量することができないという問題がある。つまり、或る重量ランクに振り分けられる物品の合計個数が予め定めた所定の個数であっても、この重量ランクに振り分けられる物品の平均重量が変動すると、その合計個数を構成する物品の合計重量も変動するからである。
このように、同一の重量ランクにおいて、1組の物品の合計個数が一定であるとき、構成物品の重量分布の変動に伴って合計重量を一定に保つことができず、目標重量よりも重い場合は売手に、軽い場合は買い手に損失を与えるという問題がある。
【0004】
本発明は、各重量ランクごとに選別された物品の合計重量及び合計個数が予め定めた重量及び個数となるようにすることができる重量選別方法及び重量選別機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の重量選別方法は、夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選別方法において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設定する段階と、重量選別の本稼働の前段階で物品の重量分布データを設定する段階と、上記各目標重量値及び上記重量分布データに基づいて、本稼働の段階で上記各重量ランクに選別される物品の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている上記目標重量値に一致又は略一致させることができる上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出して設定する段階と、を具備することを特徴とするものである。
【0006】
第2の発明の重量選別装置は、夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段と、重量選別の本稼働の前段階で物品の重量分布データを設定する重量分布設定手段と、上記各目標重量値及び上記重量分布データに基づいて、本稼働の段階で上記各重量ランクに選別される物品の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている上記目標重量値に一致又は略一致させることができる上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出して設定する境界重量値設定手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0007】
第3の発明の重量選別装置は、第2の発明において、上記重量分布設定手段は、重量選別の本稼働の前段階で複数の物品の各重量を計量してこれら各物品の重量を上記重量分布データとして設定することを特徴とするものである。
【0009】
第4の発明の重量選別装置は、夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段と、上記各目標重量値及び重量選別の本稼働の段階で物品を計量して得られた重量分布データに基づいて、本稼働の段階で今後上記各重量ランクに選別される物品の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている上記目標重量値に一致又は略一致させることができる上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出する境界重量値算出手段と、先に設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した新の境界重量値に設定を変更する境界重量値変更手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0010】
第5の発明の重量選別装置は、夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段と、重量選別の本稼働の段階で上記各重量ランクに選別された物品の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を算出する平均重量値算出手段と、上記平均重量値と当該平均重量値と対応する上記目標重量値との重量差に基づいて、本稼働の段階で今後上記各重量ランクに選別される物品の各平均重量値を、それら各平均重量値の所属する夫々の重量ランクに設定されている上記目標重量値に一致又は略一致させることができる上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出する境界重量値算出手段と、先に設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した新の境界重量値に設定を変更する境界重量値変更手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0011】
第1及び第2の各発明によると、重量選別の本稼働の前段階において、各重量ランクごとの目標重量値と重量選別される物品の重量分布データを設定すると(第2の発明では目標重量値設定手段及び重量分布設定手段により設定する。)、各目標重量値及び重量分布データに基づいて、各重量ランクに選別される物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それと対応する目標重量値に一致又は略一致させることができる各重量ランクの各境界重量値を算出して設定することができる(第2の発明では境界重量値設定手段により設定する)。
これにより、本稼働において、各重量ランクに選別された物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値が、それと対応する各目標重量値と一致又は略一致することとなる。
【0012】
第3の発明によると、重量選別の本稼働前に、複数の物品の各重量を実際に計量してこれら各物品の計量値を重量分布データとして重量分布設定手段が設定することができる。
【0014】
第4の発明によると、各目標重量値及び重量選別の本稼働の段階で物品を計量して得られた重量分布データに基づいて、本稼働の段階で今後各重量ランクに選別される物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それと対応する目標重量値に一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲の境界重量値を境界重量値算出手段が算出し、境界重量値変更手段が、先に設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した新の境界重量値に設定を変更することができる。
これにより、本稼働中において物品の重量分布が変った場合でも、物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値が、それと対応する目標重量値と一致又は略一致することとなる。
【0015】
第5の発明によると、重量選別の本稼働の段階で各重量ランクに選別された物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値を平均重量値算出手段が算出し、互いに対応する平均重量値と目標重量値との重量差に基づいて、本稼働の段階で今後各重量ランクに選別される物品の各平均重量値を、それと対応する各目標重量値に一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を境界重量値算出手段が算出することができる。そして、境界重量値変更手段が、先に設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した新の境界重量値に設定を変更することができる。
これにより、本稼働中において物品の重量分布が変った場合でも、物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値が、それと対応する目標重量値と一致又は略一致することとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る重量選別方法を使用する重量選別機の第1〜第5実施形態を各図を参照して説明する。これら第1〜第5実施形態の相違するところは、物品が重量選別される所定数の重量ランクの重量範囲を定める境界重量値の設定の仕方であり、これ以外は各実施形態に共通する構成であり同等に作用する。まず、第1〜第5実施形態の重量選別機の特徴とする境界重量値の設定の仕方以外のところであって、互いに共通するところを図1を参照して説明する。
各実施形態の重量選別機は、例えば果物や魚等の農水産物(以下、「物品」という。)であって同一種類のものを予め定めた所定数nの重量ランクに選別し、夫々の重量ランクにおいて物品の合計重量が予め設定されている重量WG1、WG2、・・・、WGnとなったときに所定の完了信号を生成するものであって、これにより、各重量ランクの各合計重量がWG1、WG2、・・・、WGnであって各合計重量を構成する物品の個数がN、N、・・・、Nとなる物品の組合せを作ることができるものである。
【0017】
この重量選別機は、図1に示すように、送り込みコンベア1、計量コンベア2、送り出しコンベア4、及び振分け装置5を備えている。そして、計量コンベア2は、ロードセル等の重量検出器3により支持されている。また、送り込みコンベア1と計量コンベア2との間には、物品検出用のフォトセンサPHを設けてあり、振分け装置5にも、同等のフォトセンサPH21、PH22、・・・PH2nを設けてある。そして、この重量選別機は、増幅器6、A/D変換器7、マイクロコンピュータの入出力回路8、マイクロプロセッサ(以下、CPUという。)9、ROM、RAM、EROM等のメモリー素子を備える記憶部10、キーボード(入力部)11、及び表示部20を備えている。
【0018】
この重量選別機により物品の重量を選別するときは、物品14を図1に示す送り込みコンベア1に供給する。送り込みコンベア1で搬送される物品は、計量コンベア2の直前の位置でフォトセンサPHを遮光する。この時、フォトセンサPHの出力パルスが入出力回路8を介してCPU9に入力する。そして、物品が計量コンベア2上に乗ると、重量検出器3がアナログ計量信号を出力する。この計量信号は増幅器6で増幅されて、A/D変換器7によりデジタル計量信号に変換される。そして、フォトセンサPHの出力パルスがCPU9に入力してから所定の安定時間が経過した時に、CPU9が物品の計量値を求め、その計量値が記憶部10に設定されている所定数nの重量ランクのうちどの重量ランクに属するかを判定し、その判定結果を振分け信号として振分け装置5に送出する。重量が計量された物品14は、計量コンベア2、及び送り出しコンベア4を通って振分け装置5に搬送される。振分け装置5は、この送り込まれてきた物品14がその物品の重量ランクkと対応するフォトセンサPH2kを遮光した時に、図示しないアクチュエータが駆動してリジェクトコンベアが傾斜し、この重量ランクkの物品14を重量ランクkの物品14を貯めておく所定の貯槽に供給することができる。なお、kは、1からnまでの整数である。
【0019】
つまり、振分け装置5は、n個のフォトセンサPH21、PH22、・・・PH2n、n台の傾斜可能なリジェクトコンベア、n台の夫々のリジェクトコンベアから排出された物品14を貯めておくためのn個の貯槽、及びランク外物品を収容するための下位ランク外貯槽と上位ランク外貯槽を備えている。そして、この振分け装置5は、CPU9により重量ランクの判定された物品14をそのその判定された重量ランクに対応させて設けられている貯槽に供給することができるし、ランク外物品をランク外貯槽に供給することができるものである。
また、重量選別機は、いずれかの貯槽に供給された物品14の合計重量が、その貯槽に対して予め設定されている合計重量WG1、WG2、・・・、又はWGnとなったときに完了信号を生成してその旨を表示部20に表示することができ、これによって、物品14をn個の各重量ランクごとに重量WG1、WG2、・・・、WGnずつ計量することができる。貯槽に合計重量WG1、・・の物品14が供給されると、その重量の物品14が収容されている貯槽が自動的又は手動により空の貯槽に交換される。
なお、物品14をn個の各重量ランクごとに互いに相違する重量WG1、WG2、・・・、WGnずつ計量する構成としたが、物品14をn個の各重量ランクごとに同一の重量Wずつ計量する構成としてもよい。
【0020】
次に、本発明に係る重量選別機の特徴とする各重量ランクの重量範囲を定める各境界重量値(以下、「境界値」という。)の計算の仕方について説明する。各境界値は、本稼働において、n個の各重量ランクに対して合計重量がWG1、WG2、・・・、WGnずつ振り分けられる物品14の夫々の個数が予め定めた所定個数N、N、・・・、Nとなるようにすることができる重量値であり、x、x、・・・、x、xn+1 とする。
今、重量選別しようとしている物品14の母集団において、物品の重量値別に存在する確率分布が関数F(x)で与えられているとする。xは物品の計量値である。
物品の母集団の総数をP個とすると、その母集団を構成する物品の計量値別の存在個数yは、
y=P×F(x)=f(x) (個)
と表される。
図2は、横軸が重量値xを表し、縦軸が物品14の存在個数yを表しており、y=f(x)は計量値別の存在個数を表している。w、w、・・・、wは、重量ランク1、2、・・・nの夫々の平均重量値の目標値、即ち目標重量値とする。
【0021】
図2に示すように、重量ランク1の下限重量値(以下、下限値という。)をx=x1,1 、目標重量値w=x1,m 、上限重量値(以下、上限値という。)をx=x1,m+k+1 とする。総数P個の物品の計量が終了したとき、重量ランク1の重量範囲に属する物品の個数がf(x)に従って重量x1,1 のものがf(x1,1 )個、x1,2 のものがf(x1,2 )個、・・・、x1,m のものがf(x1,m )個、・・・、x1,m+k のものがf(x1,m+k )個存在することとなる。なお、上限値xの重量の物品は重量ランク2に属すると定義する。従って、xは重量ランク2の下限値であり、x=x1,m+k+1 =x2,1 とする。
ここで、重量ランク1の平均重量値wH1と目標重量値wとが一致していると考えると、平均重量値wは、
【0022】
=x1,m
={x1,1 ×f(x1,1 )+x1,2 ×f(x1,2 )+・・・+x1,m ×f(x1,m )+・・・+x1,m+k ×f(x1,m+k )}/{f(x1,1 )+f(x1,2 )+・・・+f(x1,m )+・・・+f(x1,m+k )}
の演算で求めることができる。上式を変形すると、
1,m {f(x1,1 )+f(x1,2 )+・・・+f(x1,m )+・・・+f(x1,m+k )}
={x1,1 ×f(x1,1 )+x1,2 ×f(x1,2 )+・・・+x1,m ×f(x1,m )+・・・+x1,m+k ×f(x1,m+k )}
となる。この式を更に変形すると、
【0023】
(x1,m −x1,1 )×f(x1,1 )+(x1,m −x1,2 )×f(x1,2 )+・・・+(x1,m −x1,m−1 )×f(x1,m−1
=(x1,m+1 −x1,m )×f(x1,m+1 )+(x1,m+2 −x1,m )×f(x1,m+2 )+・・・+(x1,m+k −x1,m )×f(x1,m+k ) ・・・(1)
【0024】
と表すことができる。故に、分布確率関数F(x)又は各重量値別の物品の存在個数f(x)と、目標重量値w(=x1,m )と、が与えられると、(1)式が成立するように上限値x及び下限値xを決定することにより、F(x)又はf(x)が変わらない限り、重量ランク1に選別される物品の実際の平均重量値wH1を目標重量値wに一致させることができる。同様の考え方で、重量ランク2、3、・・・nについても(1)式を適用することができる。従って、重量選別しようとする物品の分布確率関数F(x)又は存在個数f(x)が変わった場合は、(1)式が成立するように各重量ランクの上限値及び下限値を変更することにより、各重量ランクに選別される物品の各平均重量値を予め設定されている一定の夫々の目標重量値に一致させることができる。これにより、F(x)又はf(x)が変化しても各重量ランクに合計重量wG1、・・・ずつ計量される物品の夫々の集合個数が常に夫々N(=wG1/w)、N(=wG2/w)、・・・、N(=wGn/w)となるように制御することができる。
【0025】
次に、各重量ランクの上限値及び下限値を決定するための手順の一例を説明する。
最初に与えられているものは、物品の分布確率関数F(x)と各重量ランクの目標重量値w、w、・・・、wである。
図2において、先ず、最下位の重量ランク1の上限値xを目標重量値wとwの中間値(中心値)又は略中間値に設定する。上限値xを必ずしもこのように中間値に設定する必要はないが、xは重量ランク2の下限値に相当するので、例えばxとwとの重量差が大き過ぎると、重量ランク2の平均重量値をwに維持することができるようにwの上限値xを求めたときに、このxが重量ランク3の平均重量値wに接近し過ぎたり、或いはwを越えてしまうことがあり、これを避けるようにする必要がある。なお、互いに隣合う2つの重量ランクの境界重量値の物品は、この2つの重量ランクのうち重量の重い上位の重量ランクに選別するものと定義する。
【0026】
今、図2に示すように、重量ランク1の上限値x=x1,m+K をwとwとの中間に設定したとする。この場合、重量ランク2の下限値xは、x1,m+K よりも計量器の最小目盛りの1目盛り分dだけ大きいx1,m+K+1 とする。従って、重量ランク1と2との境界重量値はxである。
(1)式の右辺の値は、f(x)が既知であるので求めることができる。(1)式の右辺の値をΣD×f(x)とし、求めようとする重量ランク1の下限値x1,m−q を(1)式の左辺に当てはめて、
【0027】
ΣD×f(x)≦(x1,m −x1,m−1 )×f(x1,m−1 )+(x1,m −x1,m−2 )×f(x1,m−2 )+・・・+(x1,m −x1,m−q )×f(x1,m−q
=d×f(x1,m−1 )+2d×f(x1,m−2 )+・・・+qd×f(x1,m−q )・・・(2)
【0028】
が成立するx=x1,m−q を下限値xとして設定する。これにより、本稼働において重量ランク1(x〜x1,m+k )に重量選別された物品の平均重量はwとなる。重量ランク1に振り分けられた物品の合計重量がwG1となった時の物品の個数NはwG1/wとなり、目標個数のNとすることができる。
【0029】
次に、図2に示す重量ランク2の上限値x2,r+s の求め方を説明する。今、重量ランク2の下限値x2,1 及び重量ランク2の目標重量値w=w2,r は最初に設定されており既知である。従って、(1)式の左辺を計算することができ、(1)式の左辺は、
【0030】
(x2,r −x2,1 )×f(x2,1 )+(x2,r −x2,2 )×f(x2,2 )+・・・+(x2,r −x2,r−1 )×f(x2,r−1
=rd×f(x2,1 )+(r−1)d×f(x2,2 )+・・・+d×f(x2,r−1
【0031】
となり、この左辺の値をΣD×f(x)とし、求めようとする重量ランク2の上限値x2,r+s を(1)式の右辺に当てはめて、
【0032】
ΣD×f(x)≦(x2,r+1 −x2,r )×f(x2,r+1 )+(x2,r+2 −x2,r )×f(x2,r+2 )+・・・+(x2,r+s −x2,r )×f(x2,r+s )・・・(3)
【0033】
が成立するx=x2,r+s を上限値として設定する。これにより、本稼働において重量ランク2(x2,1 〜x2,r+s )に重量選別された物品の平均重量はwとなる。重量ランク2に振り分けられた物品の合計重量がwG2となった時の物品の個数NはwG2/wとなり、目標個数のNとすることができる。
【0034】
次に、重量ランク3の上限値を求め方を説明する。今、重量ランク3の下限値x3,1 は、重量ランク2の上限値x2,r+s よりも1目盛りdだけ大きい既知の重量値であり、重量ランク3の目標重量値wは最初に設定されており既知である。従って、重量ランク2の上限値の求め方と同様にして、下限値x3,1 からwまでの重量分布に関する演算値、即ち、(1)式の左辺の値は、ΣD×f(x)で求めることができ、(3)式と同様にして重量ランク3の上限値を求めることができる。
順次同様にして、重量ランク4〜nの上限値を計算して求めることができる。
【0035】
なお、重量ランク1の下限値よりも軽い物品及び重量ランクnの上限値よりも重い物品は、ランク外物品として取り扱う。そして、重量ランク1から順に下限値及び上限値を順次計算して設定したが、逆に、重量ランクnから順に上限値及び下限値を順次計算して設定してもよい。更に、本発明の目的は、各重量ランクの平均重量値を対応する各重量ランクに設定されている目標重量値に一致させようとするものであるから、必ずしも1目盛り分のdごとに(2)、(3)式を計算しなくてもよく、2d以上の予め定めたdの整数倍の目盛りzdごとに計算してもよい。ただし、zは、2、3、4、・・・の正の整数であり、zdは1つの重量ランクの重量範囲を超えないこととする。
また、上記では、物品の重量値別存在個数f(x)が既知である場合について説明したが、f(x)が未知である場合は、重量選別の前段階において物品の母集団の重量値別存在個数f(x)を推定し、この推定したf(x)を使用して各上限値及び下限値(境界値)を計算して設定することができる。
つまり、重量選別する本稼働の前段階において、別の計量機又はこの自動重量選別機を使用して、予め例えばP個の物品について最小目盛りごとに物品の個数を求めてこの重量選別機の記憶部10に記憶する。これで物品の重量分布f(x)を自動的に把握することができる。この重量分布f(x)を使用して各上限値及び下限値を計算して設定することができる。
【0036】
次に、上記の境界値の設定の仕方を踏まえて第1実施形態の重量選別機を説明する。第1実施形態の重量選別機は、重量選別しようとする物品14の重量がn段階の各重量ランクの重量範囲に亘って略均一に分布していることが、重量選別の本稼働の前段階において既知の場合に適用することができるものである。
この重量選別機は、図1に示す重量選別機において、目標重量値設定手段と、境界重量値設定手段と、を設けたものである。
目標重量値設定手段は、n個の各重量ランクごとに既知の目標重量値w1、w2、・・・、wnを設定する手段であり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含む構成である。
境界重量値設定手段は、重量選別の本稼働の前段階でn個の各重量ランクの重量範囲の中心重量値又は略中心重量値が目標重量値w1、w2、・・・、wnとなるように各重量範囲の上限境界重量値(上限値)と下限境界重量値(下限値)x1、x2、・・・、xn+1を算出して設定する手段であり、CPU9と記憶部10を含む構成である。
【0037】
図3は、横軸が重量値xを表し、縦軸が物品14の存在個数yを表している。今、重量選別しようとする物品14の重量がn段階の各重量ランクの重量範囲に亘って略均一に分布しているとする。つまり、図3に示すように、各重量値における物品の存在個数を表す存在個数関数f(x)が、各重量ランクの重量範囲に亘って略均一に分布しているとする。この場合、重量選別を行う本稼働の前段階において、各重量ランクの既知の目標重量値w、w、・・・、wと物品の既知の重量分布f(x)=R(一定値)を設定すると、n段階の各重量ランクの重量範囲を定める夫々の上限値及び下限値x、x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定することができる。
【0038】
第1実施形態の重量選別機によると、まず、本稼働の前段階において、オペレータがキーボード11を操作して、図3に示す各重量ランクの既知の目標重量値w、w、・・・、wと物品14の既知の存在個数関数f(x)=Rを入力して設定すると、CPU9の境界重量値設定手段が記憶部10に記憶されている所定のプログラムに従って演算を行い、n個の各重量ランクの重量範囲の中心重量値又は略中心重量値が目標重量値w、w、・・・、wとなるように各重量範囲の上限値と下限値x、x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する。
ただし、各重量範囲の上限値と下限値は、n個の各重量ランクの重量範囲の中心重量値又は略中心重量値が目標重量値w、w、・・・、wとなるように計算して設定したが、これに代えて、(2)及び(3)式を使用して求めて設定してもよい。
ここで、上述したように、xは重量ランク1の下限値、xは重量ランク2の下限重量値であって重量ランク1の上限値よりも1目盛り重い重量、xは重量ランク3の下限重量値であって重量ランク2の上限値よりも1目盛り重い重量、・・・、xn+1 は重量ランクnの上限値である。
そして、各重量値x、・・・、xの物品14は、互いの隣合う2つの重量ランクのうち重い方の重量ランクに選別され、各重量値x、・・・、xよりも最小目盛り分軽い重量の物品14は、互いの隣合う2つの重量ランクのうち軽い方の重量ランクに選別されるように設定されている。
【0039】
従って、図3に示すように、重量ランク1において、下限値xと目標重量値wとの重量差aは、重量値xよりも1目盛り小さい重量値(上限値)と目標重量値wとの重量差aと等しくなっている。そして、重量ランク2において、下限値xと目標重量値wとの重量差bは、重量値xよりも1目盛り小さい重量値(上限値)と目標重量値wとの重量差bと等しくなっている。以下同様に、各下限値x、x、・・・、xn+1 が設定されている。
そして、CPU9が各重量値x、x、・・・、xn+1 を演算する手順は、まず、目標重量値wとwの中心重量又は略中心重量を演算してxとして設定し、しかる後に、各重量値x、・・・、xn+1 のうち隣合うものから順次演算して設定している。勿論、互いに隣合う任意の2つの目標重量値の中心重量又は略中心重量を上限値又は下限値xとして設定し、しかる後に、隣合うものから順次、上限値又は下限値xを演算して設定してもよい。
【0040】
次に、本稼働において、物品14を順次送り込みコンベア1に送り込むと、各物品14は重量が計量され、その重量と対応する各重量ランクにそれぞれ振り分けられる。そして、或る重量ランクKの貯槽に振り分けられた物品の合計重量がWGKとなると、CPU9が完了信号を生成して、重量WGKの物品が収容されている貯槽が空の貯槽に交換される。
ここで、合計重量がWGKである重量ランクKの物品14の個数Nは、合計重量WGK/目標重量値W(=平均重量値WHK)によって計算することができ、この際、物品14の存在個数関数f(x)=Rが一定値であるので、平均重量値WHKも変動せず一定であり、従って、重量ランクKの貯槽に振り分けられた合計重量WGKの物品14の個数Nは、存在個数関数f(x)=Rが一定値である限り目標の一定の個数となる。
これによって、各重量ランクごとに、合計重量がWG1、・・・、WGn、物品14の個数がN、N、・・・、N又はそれに近い個数であり、各重量ランクの物品14の平均重量値WH1、WH2、・・・、WHnが対応する重量ランクの目標重量値Wと等しいか若しくは近い物品の集合を作ることができる。その結果、合計重量がWG1、・・・、WGnの物品を整列させて箱詰めしたときに、その整列の形態が互いに等しいものが出来上がり、見栄えを良いようにすることができる。
【0041】
次に、第2実施形態の重量選別機を説明する。第2実施形態の重量選別機は、請求項1、2に記載の発明と対応しており、重量選別しようとする物品14の重量がn段階の各重量ランクの重量範囲に亘って略均一に分布していない場合であって既知の場合に適用することができるものである。
まず、第2実施形態の重量選別機が各境界値を計算する仕方を説明する。図4に示すように、各重量ランクの重量範囲の重量幅が互いに等しい場合であって、下位ランク外、重量ランク1、2、・・・、nの物品の存在確率が2%、5%、10%、12%、・・・であり、かつ、これらの確率が既知である場合に、これら各確率と下位ランク外、重量ランク1、2、・・・、nの目標重量値w、w、w、・・・、wをキーボード11を操作して記憶部10に設定する。
ここで、物品の総数を100個とすると、f(w)=2個、f(w)=5個、f(w)=10個、f(w)=12個、・・・であるので、図4に示すように、f(w)、f(w)、f(w)、f(w)、・・・間を直線で結び、分布関数を直線で近似する。f(w)とf(w)とを結ぶ直線の式f01(x)は、
【0042】
01(x)=3x/(w−w)+(2w−5w)/(w−w
で表すことができ、同様に、図4に示すように、f(w)とf(w)とを結ぶ直線の式f12(x)、f(w)とf(w)とを結ぶ直線の式f23(x)、・・・を求めることができる。 ・・・(4)
【0043】
なお、ランク外の確率や目標重量値wが未知の場合は、f12(x)の直線がランク外の重量範囲内に続くものとみなすこととしてもよい。
そして、各下限値及び上限値(境界値)は、第1実施形態と同様に、いずれの重量ランクからも求めることができ、例えばwとwの中間値を重量ランク2の下限値xとして設定すると、(1)式において、右辺の分布関数f(x)にf12(x)を適用し、左辺の分布関数f(x)にf01(x)を適用して(2)式が成立するように下限値xを計算して設定すればよい。x以外の下限値及び上限値x、x、・・・、x、xn+1 は、第1実施形態と同様にして求めて設定することができる。
【0044】
この重量選別機は、図1に示す重量選別機において、目標重量値設定手段と、重量分布設定手段と、境界重量値設定手段と、を設けたものである。
目標重量値設定手段は、重量選別の本稼働の前段階で下位ランク外、n個の各重量ランクごとに既知の目標重量値w、w、w、・・・、wをキーボード11を操作して設定する手段であり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含む構成である。
重量分布設定手段は、重量選別の本稼働の前段階で物品の既知の重量分布データをキーボード11を操作して設定する手段であり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含む構成である。
境界重量値設定手段は、各目標重量値w、・・・、w及び重量分布データに基づいて、本稼働の段階で各重量ランクに選別される物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている目標重量値w、・・・、wに一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲を定める境界値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する手段であり、CPU9と記憶部10を含む構成である。
【0045】
次に、この重量選別機が本稼働の前段階で上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する手順を図5に示すフローチャートを参照して説明する。図5のフローチャートに示す処理を行うプログラムは、記憶部10に記憶されており、このプログラムに従ってCPU9が実行する。
まず、この重量選別機のモードが境界値の設定モードにセットされているか否かをオペレータが表示部20の表示内容を見て確認する(S100)。そして、重量選別機が設定モードであることを確認して、オペレータがキーボード11を操作して、下位ランク外、及び重量ランクnまでの各重量ランクの既知の目標重量値w、w、w、・・・、w(S102)、重量ランクnまでの各重量ランクの所定の目標合計重量WG1、・・・、WGn(S104)、及び各目標重量値w、w、w、・・・、wに対する既知の重量分布確率を設定する(S106)。すると、CPU9が(4)式に基づいて式f01(x)、f12(x)、f23(x)、・・・を自動的に算出して(S108)、第1実施形態と同様に、(2)及び(3)式を順次適用して各重量ランクの重量範囲を定める各上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する。これで本稼働の前段階において各境界値の設定が終了する。
【0046】
次に、本稼働において、物品14を順次送り込みコンベア1に送り込むと、第1実施形態と同様に、各物品14は重量が計量され、その重量と対応する各重量ランクにそれぞれ振り分けられる。そして、或る重量ランクKの貯槽に振り分けられた物品の合計重量がWGKとなると、完了信号が生成されて空の貯槽と交換さされる。
ここで、合計重量がWGKである重量ランクKの物品14の個数Nは、合計重量WGK/目標重量値W(=平均重量値WHK)によって計算することができる。そして、物品14の存在個数関数f01(x)、f12(x)、f23(x)、・・・f(n−1)n(x)を(2)及び(3)式に順次適用して各重量ランクの重量範囲を定める各上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を算出して設定しているので、各重量ランクの平均重量値WH1、・・・、WHnを各重量ランクの各目標重量値w、w、・・・、wに一致させることができる。従って、各重量ランク1〜nの貯槽に振り分けられた夫々の合計重量WG1〜WGnの物品14の個数N〜Nは、各重量ランクごとの存在確率が一定値である限り、各重量ランクごとに定めた目標の一定の個数N〜Nとなる。
これによって、各重量ランクごとに合計重量がWG1、・・・、WGnの物品を整列させて箱詰めしたときに、その整列の形態が各重量ランクにおいて互いに等しいものが出来上がり、見栄えを良いようにすることができる。
【0047】
次に、第3実施形態の重量選別機を説明する。第3実施形態の重量選別機は、請求項3に記載の発明と対応しており、重量選別しようとする物品14の重量分布が本稼働の前段階において未知の場合に、P個のサンプル物品14を計量してサンプル物品の重量分布関数f(x)を求めて、この分布関数に基づいて母集団の重量分布関数f(x)を推定して各重量ランクの上限値及び下限値を算出して設定することができるものである。
第3実施形態の重量選別機は、図1に示す重量選別機において、目標重量値設定手段と、重量分布設定手段と、境界重量値設定手段と、を設けたものである。目標重量値設定手段は、重量選別の本稼働の前段階でn個の各重量ランクごとに目標重量値w、w、・・・、wをキーボード11を操作して設定する手段であり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含む構成である。
重量分布設定手段は、重量選別の本稼働の前段階でP個の物品の各重量を計量してこれら各物品の重量を重量分布データとして設定する手段であり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含む構成である。
境界重量値設定手段は、各目標重量値w、・・・、w及び重量分布データに基づいて、本稼働の段階で各重量ランクに選別される物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている目標重量値w、・・・、wに一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲を定める上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する手段であり、CPU9と記憶部10を含む構成である。
【0048】
次に、この重量選別機が本稼働の前段階で上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する手順を図6に示すフローチャートを参照して説明する。図6のフローチャートに示す処理を行うプログラムは、記憶部10に記憶されており、このプログラムに従ってCPU9が実行する。
まず、この重量選別機のモードが境界値の設定モードにセットされているか否かをオペレータが表示部20の表示内容を見て確認する(S200)。そして、重量選別機が設定モードであることを確認して、オペレータがキーボード11を操作して、重量ランクnまでの各重量ランクの目標重量値w、w、・・・、w(S202)、及び重量ランクnまでの各重量ランクの所定の合計重量WG1、・・・、WGnを設定する(S204)。次に、オペレータがP個の物品14を1個ずつ送り込みコンベア1に送り込む(S206)。すると、CPU9が計量コンベア2により搬送される各物品14の重量を自動的に計量して(S206)、各物品14の計量値の個数を夫々計量値別にカウントして記憶部10に記憶する(S208)。次に、計量した物品14の合計個数がP個であるか否かを判定して(S210)、計量した物品14の合計個数がP個になるまで計量値別に物品14の個数をカウントして記憶部10に記憶することを繰り返して行う。なお、記憶部10に記憶される計量値別の物品14の個数のカウント値は、図7に示すものである。そして、計量した物品14の合計個数がP個になった時に、各計量値別の物品14の個数f(x)及び各目標重量値w、・・・、wを(2)、(3)式に順次適用してn個の各重量ランクの上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する(S212、S214)。これで本稼働の前段階において各境界値の設定が終了する。
【0049】
次に、本稼働において、物品14を順次送り込みコンベア1に送り込むと、第1実施形態と同様に、各物品14は重量が計量され、その重量と対応する各重量ランクにそれぞれ振り分けられる。そして、或る重量ランクKの貯槽に振り分けられた物品の合計重量がWGKとなると、完了信号が生成されて空の貯槽と交換さされる。
ここで、本稼働の前段階において、所定のP個の物品14の重量を実際に計量して物品14の各計量値別の個数を重量分布データとして記憶部10に記憶して、この重量分布データを(2)及び(3)式に順次適用して各重量ランクの重量範囲を定める各上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を算出して設定しているので、各重量ランクの平均重量値WH1、・・・、WHnを各重量ランクの各目標重量値w、w、・・・、wに一致させることができる。従って、各重量ランク1〜nの貯槽に振り分けられた夫々の合計重量WG1〜WGnの物品14の個数N〜Nは、物品14の母集団の重量分布が本稼働前に得られたP個の物品の重量分布データと相違することとならない限り、各重量ランクごとに定めた目標の一定の個数N〜Nとなる。
これによって、各重量ランクごとに合計重量がWG1、・・・、WGnの物品を整列させて箱詰めしたときに、その整列の形態が各重量ランクにおいて互いに等しいものが出来上がり、見栄えを良いようにすることができる。
【0050】
ただし、上記第3実施形態のステップS208において、本稼働の前段階で物品14の各計量値別の個数をカウントして記憶したが、本稼働の前段階で各重量ランクの重量範囲よりも狭い予め定めた多数の各重量領域別に物品14の各計量値の個数をカウントして記憶してもよい。この場合、各重量領域を計量の最小目盛り、又はその整数倍の目盛りとして(2)、(3)式を変形し、この変形した(2)、(3)式を演算して各上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を算出することとする。
そして、上記第3実施形態では、P個の物品14の計量値データを母集団の重量分布とみなしたが(S212)、P個の物品14の計量値データを用いて最小自乗法により母集団の重量分布f(x)を推定してもよい(S216、S218)。この場合、この推定したf(x)を(2)、(3)式に適用して各上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を算出することとする。
【0051】
次に、第4実施形態の重量選別機を説明する。第4実施形態の重量選別機は、請求項4に記載の発明と対応しており、重量選別しようとする物品14の母集団の重量分布が本稼働中に変化する場合に、本稼働中に物品をQ個計量するごとにそのQ個の物品14の重量分布関数f(x)を求めて、この分布関数に基づいて母集団の重量分布関数f(x)を推定して各重量ランクの新の境界値(上限値及び下限値)を算出し、旧の境界値に代えてこの新の境界値を設定することができるものである。なお、本稼働前に設定する最初の各境界値は、第1〜第3実施形態うちのいずれの装置を使用して設定してもよいが、第4実施形態の重量選別機は、第3実施形態の重量選別機が備える同等の装置を使用して本稼働前に最初の各境界値を設定しており、その装置は第3実施形態で説明しているので詳細な説明を省略する。
第4実施形態の重量選別機は、図1に示す重量選別機において、目標重量値設定手段と、境界重量値算出手段と、境界重量値変更手段と、を設けたものである。
目標重量値設定手段は、重量選別の本稼働の前段階でn個の各重量ランクごとに既知の目標重量値w1、w2、・・・、wnをキーボード11を操作して設定する手段であり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含む構成である。
境界重量値算出手段は、設定されている各目標重量値w1、・・・、wn及び重量選別の本稼働の段階でQ個の各物品14を計量して得られた重量分布データ(図7参照)に基づいて、本稼働の段階で今後各重量ランクに選別される物品14の各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている目標重量値w1、・・・、wnに一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲を定める上限値及び下限値x1、・・・、xn+1を自動的に算出する手段であり、CPU9、及び記憶部10を含む構成である。
境界重量値変更手段は、先に設定されている旧の上限値及び下限値(以下、境界値という)x1、・・・、xn+1に代えて今回算出した新の上限値及び下限値(以下、境界値という)x1、・・・、xn+1に設定を自動的に変更する手段であり、CPU9と記憶部10を含む構成である。
【0052】
次に、この重量選別機が本稼働の段階で新の境界値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する手順を図8〜図11に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図8〜図11のフローチャートに示す処理を行うプログラムは、記憶部10に記憶されており、このプログラムに従ってCPU9が実行する。そして、本稼働の前段階で最初の境界値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する手順は、第3実施形態と同等であるので説明を省略する。まず、CPU9がこの重量選別機のモードが本稼働モードにセットされているか否かを判定し(S300)、本稼働モードでありYESと判定したときは、送り込みコンベア1を通り、計量コンベア2を通過する各物品14の重量を順次計量して各計量値を読み込む(S302)。そして、新境界値設定フラグがセットされているか否かを判定し(S304)、物品14の計量個数がQ個未満でありNOと判定したときは、現在設定されている境界値x、・・・、xn+1 を使用して計量済み物品14が属する重量ランクを判定する(S310)。
ただし、ステップS304において、新境界値設定フラグがセットされておりYESと判定したときは、旧の境界値に代えて新の境界値に設定を変更して(S306)、新境界値設定フラグをリセットする(S308)。
なお、新境界値設定フラグは、図11に示すように、Q個の物品14が計量されて新の各境界値が計算されたときにセットされる。
【0053】
そして、ステップS310において重量ランクが判定された計量済み物品14の各重量ランクデータは、記憶部10に設けられているランクデータレジスタに記憶され(S312)、計量済み物品14は、後段の振分け装置5に送り出されて、後述する図10(a)のフローチャートに示すようにして対応する重量ランクの貯槽内に振り分けられる。次に、計量値を、各重量ランク別に記憶部10に設けられている積算レジスタで加算して、各重量ランク別の合計重量を演算する(S314)。そして、いずれかの重量ランクに振り分けられた物品14の合計重量が予め設定されている目標合計重量WG1、・・・、WGnに到達したか否かを判定し(S400、図9参照)、各重量ランクに振り分けられた物品14の合計重量がいずれも目標合計重量WG1、・・・に到達しておらずNOと判定したときは、物品14の母集団の重量分布を把握するために、CPU9が計量済み物品を計量値別に個数のカウントを行い(S406)、更に、計量コンベア2を通過した計量済み物品の合計個数をカウントする(S408)。
【0054】
ただし、ステップS400において、いずれかの重量ランクに振り分けられた物品14の合計重量が合計重量WG1、・・・、又はWGnに到達しておりYESと判定したときは、重量ランク別に記憶部10に設けられている目標合計重量到達レジスタにその到達した重量ランクを記憶して(S402)、積算レジスタをクリアする(S404)。目標合計重量到達レジスタにその到達した重量ランクが記憶されると、後述する図10(a)に示すフローチャートの処理が行われてその到達した重量ランクを表示する信号が出力される。この際、積算レジスタがクリアされるので、当該重量ランクに振り分けられた物品の計量値が0から順次積算される。
【0055】
そして、ステップS408において計量済み物品の合計個数がカウントされると、その合計個数が境界値の再計算個数Qに到達したか否かを判定し(S410)、計量済み物品の合計個数が境界値の再計算個数Qに到達しておらずNOと判定したときは、ステップS300に戻り上記の各処理を行う。そして、計量済み物品の合計個数が境界値の再計算個数Qに到達してYESと判定したときは、境界値再計算フラグをセットし、計量値別の個数カウント値を退避させて計量値別の各個数カウンタを0にクリアする(S412)。このように、境界値再計算フラグがセットされると、図11に示す処理を行うことにより新の境界値を演算して求めることができる。
【0056】
次に、図10(a)を参照して振分け装置5が計量済み物品14をこの物品が属する重量ランクの貯槽に振り分ける処理(タスク1)の説明をする。
計量コンベア2から送り出されて振分け装置5に搬入された計量済み物品14は、各重量ランクの貯槽と対応して設けられている各リジェクトコンベアにより順次搬送され、この搬送中に各リジェクトコンベアと夫々対応して設けられている各フォトセンサPH21〜PH2nを順次遮光する。そして、物品14が各フォトセンサPH21〜PH2nを遮光するごとに(S500)、当該遮光されたフォトセンサPH2Kの重量ランクKと対応するランクデータがランクデータレジスタ(S312で記憶される。)に記憶されているか否かを判定し(S502)、YESと判定したときは、当該遮光フォトセンサPH2Kと対応するランクデータをランクデータレジスタからリセット(消去)して(S504)、当該重量ランクと対応するリジェクトコンベアに傾斜駆動信号を出力する(S506)。傾斜駆動信号が出力すると、物品14が属する重量ランクと対応するリジェクトコンベアが傾斜してこの物品14を貯槽に供給することができる。このようにして、この振分け装置5に搬送されてくる計量済み物品14をその物品が属する重量ランクの貯槽に順次振り分けることができる。
【0057】
次に、図10(b)を参照して各重量ランクの貯槽に目標合計重量wとなるように計量済み物品14を振り分ける処理(タスク2)を説明する。
振分け装置5に搬入された計量済み物品14は、各リジェクトコンベアにより順次搬送され、この搬送中に各フォトセンサPH21〜PH2nを順次遮光する。そして、物品14が各フォトセンサPH21〜PH2nを遮光するごとに(S600)、当該遮光されたフォトセンサPH2Kの重量ランクKと対応するランクデータが重量ランク別に設けられている目標合計重量到達レジスタ(S402で記憶される。)に記憶されているか否かを判定し(S602)、YESと判定したときは、当該遮光フォトセンサPH2Kと対応するランクデータを目標合計重量到達レジスタからリセットして(S604)、当該重量ランクと対応する目標合計重量到達信号を出力する(S606)。目標合計重量到達信号が出力すると、目標合計重量の物品14が投入されている貯槽が自動的に取り出されて空の貯槽がセットされる。このようにして、目標合計重量の物品が貯槽に投入された時に、その貯槽が振分け装置5から順次取り出される。
【0058】
次に、図11を参照して新境界値の演算処理(タスク3)の説明をする。
まず、境界値再計算フラグがセットされているか否かを判定し(S700)、境界値の再計算個数がQ個に到達しており、境界値再計算フラグがセット(S412で境界値再計算フラグがセットされる。)されているときはYESと判定して、退避中の計量値別の個数カウント値と重量ランク別目標重量値w、・・・、wとを(2)、(3)式に順次適用して新の境界値を算出する(S702)。そして、境界値再計算フラグをリセットして(S704)、新境界値設定フラグをセットする(S706)。新境界値設定フラグをセットすると、ステップS306において旧の境界値に代えて新の境界値を設定することができる。このように、この重量選別機に搬送されてくる物品の母集団の重量分布が変化した場合でも、変化後の重量分布に応じて各重量ランクの重量範囲を定める各境界値x、・・・、xn+1 を算出して変更しているので、各重量ランクの平均重量値WH1、・・・、WHnを各重量ランクの各目標重量値w、w、・・・、wに一致させることができる。これにより、各重量ランク1〜nの貯槽に振り分けられた夫々の合計重量WG1〜WGnの物品14の個数N〜Nは、各重量ランクごとに定めた目標の一定の個数N〜Nとなり、各重量ランクごとに合計重量がWG1、・・・、WGnの物品を整列させて箱詰めしたときに、その整列の形態が各重量ランクにおいて互いに等しいものが出来上がり、見栄えを良いようにすることができる。
【0059】
次に、第5実施形態の重量選別機を説明する。第5実施形態の重量選別機は、請求項5に記載の発明と対応しており、重量選別しようとする物品14の母集団の重量分布が本稼働中に変化する場合に、本稼働中に物品をQ個計量するごとに、各重量ランクに振り分けられた物品の夫々の平均重量値WH1、・・・、WHnを算出し、この算出した各平均重量値と目標重量値w1、・・・、wnの互いに対応するものどうしの夫々の重量差に基づいて新の各境界値を計算して、旧の境界値に代えて新の境界値に設定を変更することができるものである。なお、本稼働前に設定する最初の各境界値は、第1〜第3実施形態うちのいずれの装置を使用して設定してもよいが、第5実施形態の重量選別機は、第3実施形態の重量選別機が備える同等の装置を使用して本稼働前に最初の各境界値を設定しており、その装置は第3実施形態で説明しているので詳細な説明を省略する。
【0060】
まず、第5実施形態の重量選別機が各境界値を変更する仕方を説明する。図12に示すように、或る重量ランクKにおいて平均重量値wHKが目標重量値wと一致しており、境界値の下限値がx、上限値がxK+V とする。そして、或る個数の物品14を計量した後にこの重量ランクKに振り分けられた物品14の平均重量値がwHKからΔwだけ増加してwHK’となったとする。この場合、これ以降にこの重量ランクKに振り分けられる物品の平均重量値が元のwHKに戻るようにするためには、図12に示すように上限値を2Δwだけ軽量側にシフトさせて(xK+V −2Δw)平均重量値wHK’よりも重い物品が振り分けられる確率を低くするか、又は下限値xを2Δwだけ軽量側にシフトさせて(x−2Δw)平均重量値wHK’よりも軽い物品が振り分けられる確率を高くする方法がある。
【0061】
次に、上限値xK+V 又は下限値xを2Δwだけ軽量側にシフトさせる理由を説明する。今、平均重量値wHKがこの重量ランクKの重量範囲x〜xK+V の中心にあったとして、次に、重量分布が変わり平均重量値が最小目盛りの1目盛りだけ重くなったとする。この時、この変更後の平均重量値と下限値xとの重量差が、上限値xK+V と平均重量値との重量差よりも2目盛り広くなっている。そこで、上限値を2目盛り軽量側にシフトさせれば、これ以降において平均重量値が軽量側に1目盛りシフトさせることができるという考え方に基づいている。
要するに、平均重量値の変動量に比例した或る一定重量値分だけ上限値又は下限値をシフトさせることで、それ以降に振り分けられる物品の計量値の平均重量値を元の目標重量値に一致させるようにするものである。
【0062】
ただし、1つの重量ランクについてであれば平均重量値の変動量に応じて上限値又は下限値を所定量だけシフトさせればよいが、この実施形態では2つ以上の重量ランクが存在するので、他の重量ランクの境界値のシフト量にも応じて当該重量ランクの境界値(上限値及び下限値)のシフト量を決定する必要がある。
【0063】
そこで、境界値のシフト量の計算方法を以下のように定める。
1.重量ランク1において、平均重量値wH1の変動量を調べる。
|wH1’−wH1|=Δwとする。
(1)wH1’−wH1≧0のとき(図13(a)参照)
新の上限値x’=x−k×Δw
(2)wH1’−wH1<0のとき(図13(b)参照)
新の上限値x’=x+k×Δw
ただし、kは、予め定めた例えば2又はそれに近い正の実数である。
そして、下限値xはシフトさせないこととする。
【0064】
2.重量ランク2において、平均重量値wH2の変動量を調べる。
|wH2’−wH2|=Δwとする。
(1)wH2’−wH2≧0のとき(図14参照)
(a)x’≧xのとき(図14(a)参照)
新の上限値x’=x−k×(Δw+Δw
(b)x’<xのとき(図14(b)参照)
▲1▼Δw≧Δwのとき
新の上限値x’=x−k×(Δw−Δw
▲2▼Δw<Δwのとき
新の上限値x’=x+k×(Δw−Δw
【0065】
(2)wH2’−wH2<0のとき(図15参照)
(a)x’≧xのとき(図15(a)参照)
▲1▼Δw≧Δwのとき
新の上限値x’=x+k×(Δw−Δw
▲2▼Δw<Δwのとき
新の上限値x’=x−k×(Δw−Δw
(b)x’<xのとき(図15(b)参照)
新の上限値x’=x+k×(Δw+Δw
となる。
【0066】
以下、重量ランク3〜nについても上記と同様に場合分けを行って対応する式適用して演算し、新の上限値x’〜xn+1 ’を求めて各上限値の設定を変更する。これにより、変更後の各上限値及び下限値により定められた各重量ランクに計量済み物品14が振り分けられた時に、各重量ランクにおいて、計量値の平均重量値wH1’〜wHn’を対応する各重量ランクの目標重量値w〜wに一致又は略一致させることができる。
なお、上記説明では、重量ランク1の新の上限値x’から順に上位に向かって重量ランクnの新の上限値xn+1 ’までを計算したが、これに代えて、平均重量値及び上限値の変動量に基づいて重量ランクnの新の上限値xn+1 ’から順に下位に向かって重量ランク1の新の上限値x’までを計算してもよい。
【0067】
この重量選別機は、図1に示す重量選別機において、目標重量値設定手段と、平均重量値算出手段と、境界重量値算出手段と、境界重量値変更手段と、を設けたものである。
目標重量値設定手段は、重量選別の本稼働の前段階でn個の各重量ランクごとに既知の目標重量値w〜wをキーボード11を操作して設定する手段であり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含む構成である。
平均重量値算出手段は、重量選別の本稼働の段階で各重量ランクに選別された物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値wH1’〜wHn’を算出する手段である。そして、この平均重量値算出手段は、CPU9が記憶部10に記憶されているプログラムに従って予め設定されているQ個の物品14が計量コンベア2を通過して対応する重量ランクに振り分けられるごとに各平均重量値wH1’〜wHn’を算出するように設定されている。
【0068】
境界重量値算出手段は、平均重量値算出手段が平均重量値wH1’〜wHn’を算出するごとに、上述した新の上限値x’〜xn+1 ’を上記各計算式を使用して算出する手段であり、上記各計算式を含む所定のプログラムが記憶されている記憶部10とこのプログラムに従って新の上限値x’〜xn+1 ’を算出するCPU9を含む構成である。即ち、平均重量値とこの平均重量値と対応する目標重量値との重量差、及び変更後の新の上限値及び下限値に基づいて、本稼働の段階で今後各重量ランクに選別される物品の各平均重量値を、それら各平均重量値の所属する夫々の重量ランクに設定されている目標重量値w〜wに一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲を定める新の上限値x’〜xn+1 ’を算出する手段である。
境界重量値変更手段は、先に設定されている旧の上限値x〜xn+1 に代えて今回算出した新の上限値x’〜xn+1 ’に設定を変更する手段である。
【0069】
この実施形態の重量選別機によると、重量選別の本稼働の段階で各重量ランクに選別された物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値wH1’〜wHn’を平均重量値算出手段が算出し、互いに対応する平均重量値wHKと目標重量値wとの重量差、及び先に求めた新の上限値に基づいて、本稼働の段階で今後各重量ランクに選別される物品14の各平均重量値を、それと対応する各目標重量値w〜wに一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲を定める新の上限値(境界値)x’〜xn+1 ’を境界重量値算出手段が算出することができる。そして、境界重量値変更手段が、先に設定されている旧の上限値(境界値)x〜xn+1 に代えて今回算出した新の上限値x’〜xn+1 ’に設定を変更することができる。
これにより、本稼働中において物品の重量分布が変った場合でも、物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値を、対応する目標重量値に一致又は略一致させることができる。そして、第4実施形態のように物品14の重量分布データを求めることなく各重量ランクの境界重量値を算出することができるので、計算が簡単であり、CPU9の費用の低減を図ることができる。
【0070】
【発明の効果】
第1及び第2の各発明によると、重量選別の本稼働の前段階において、各目標重量値及び重量分布データに基づいて、各重量ランクに選別される物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それと対応する目標重量値に一致又は略一致させることができる各重量ランクの各境界重量値を算出して設定しているので、本稼働において、各重量ランクに選別された物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値が、それと対応する各目標重量値に一致又は略一致することとなる。
このように、本稼働において、各重量ランクに選別された物品の平均重量値Wが、それと対応する各目標重量値Wに一致又は略一致することとなると、或る重量ランクの物品の合計重量が所定重量Wとなるように計量した場合、その所定重量Wを構成する物品の個数Nは、W/Wの演算により求めることができる。これにより、本稼働において、各重量ランクごとに合計重量がWであって個数がN個又は略N個の物品を作ることができる。その結果、合計重量がWであり、物品を整列させて箱詰めしたときのその整列の形態が互いに等しいものを作ることができ、見栄えが良い。なお、合計重量Wは、各重量ランクごとに異なるものとしてもよいし、同一としてもよい。
また、各重量ランクごとに合計個数がN個であって、合計重量がW又は略Wの物品の組を作ることができる。その結果、商品を1組N個で販売する場合、商品の実質価値を重量に置くという考え方において、定数のN個を取り出し時の各組の夫々の総重量が略一定の商品を得ることができるので、売手又は買い手にとって合理的な取引が可能となる。
【0071】
第3の発明によると、重量選別の本稼働前には物品の重量分布データが未知の場合に適用することができ、本稼働前に、複数の物品の各重量を実際に計量することにより物品の重量分布データを設定することができる。
【0073】
第4の発明によると、各目標重量値及び重量選別の本稼働の段階で物品を計量して得られた重量分布データに基づいて、本稼働の段階で今後各重量ランクに選別される物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それと対応する目標重量値に一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲の境界重量値を算出し、先に設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した新の境界重量値に設定を変更することができる。
これにより、本稼働中において物品の重量分布が変った場合でも、物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値が、それと対応する目標重量値と一致又は略一致することとなり、その結果、各重量ランクにおいて所定の合計重量WGであって個数Nが揃っている物品の計量を続けて行うことができる。
【0074】
第5の発明は、重量選別の本稼働の段階で各重量ランクに選別された物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値を算出し、互いに対応する平均重量値と目標重量値との重量差に基づいて、本稼働の段階で今後各重量ランクに選別される物品の各平均重量値を、それと対応する各目標重量値に一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出する構成である。従って、第4の発明のように重量分布データを求めることなく各重量ランクの境界重量値を算出することができるので、計算が簡単であり、演算器の費用の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1〜第5実施形態に係る重量選別機を示すブロック図である。
【図2】この発明の各実施形態に係る重量選別機が境界値を計算する方法を説明するための図である。
【図3】第1実施形態に係る重量選別機により重量選別される物品の重量分布と境界値等を示す図である。
【図4】第2実施形態に係る重量選別機により重量選別される物品の重量分布と境界値等を示す図である。
【図5】第2実施形態に係る重量選別機が本稼働の前段階で境界値を自動的に算出して設定する手順を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態に係る重量選別機が本稼働の前段階で境界値を自動的に算出して設定する手順を示すフローチャートである。
【図7】第3実施形態に係る重量選別機が本稼働の前段階で求めた物品の計量値ごとの個数データを示す図である。
【図8】第4実施形態に係る重量選別機が本稼働の段階で新の境界値を自動的に算出して設定する手順を示すフローチャートである。
【図9】第4実施形態に係る重量選別機が本稼働の段階で新の境界値を自動的に算出して設定する手順を示すフローチャートである。
【図10】第4実施形態に係る重量選別機の本稼働における動作手順を示す図であり、(a)は計量済み物品を重量ランク別に振り分ける手順を示すフローチャート、(b)は重量ランク別に目標合計重量の計量を行う手順を示すフローチャートである。
【図11】第4実施形態に係る重量選別機の本稼働における新の境界値を演算する手順を示すフローチャートである。
【図12】第5実施形態に係る重量選別機が本稼働において新の境界値を計算する方法を説明するための図である。
【図13】第5実施形態に係る重量選別機が本稼働において重量ランク1の新の上限値を計算する方法を説明するための図であり、(a)は重量ランク1の平均重量値が目標重量よりも大きい場合を示す図、(b)は重量ランク1の平均重量値が目標重量よりも小さい場合を示す図である。
【図14】第5実施形態に係る重量選別機が本稼働において重量ランク2の新の上限値を計算する方法を説明するための図であり、(a)は重量ランク2の新の下限値が旧の下限値よりも重い場合を示す図、(b)は重量ランク2の新の下限値が旧の下限値よりも軽い場合を示す図である。
【図15】第5実施形態に係る重量選別機が本稼働において重量ランク2の新の上限値を計算する方法を説明するための図であり、(a)は重量ランク2の新の下限値が旧の下限値よりも重い場合を示す図、(b)は重量ランク2の新の下限値が旧の下限値よりも軽い場合を示す図である。
【符号の説明】
2 計量コンベア
3 重量検出器
9 CPU
10 記憶部
14 物品

Claims (5)

  1. 夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選別方法において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設定する段階と、重量選別の本稼働の前段階で物品の重量分布データを設定する段階と、上記各目標重量値及び上記重量分布データに基づいて、本稼働の段階で上記各重量ランクに選別される物品の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている上記目標重量値に一致又は略一致させることができる上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出して設定する段階と、を具備することを特徴とする重量選別方法。
  2. 夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段と、重量選別の本稼働の前段階で物品の重量分布データを設定する重量分布設定手段と、上記各目標重量値及び上記重量分布データに基づいて、本稼働の段階で上記各重量ランクに選別される物品の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている上記目標重量値に一致又は略一致させることができる上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出して設定する境界重量値設定手段と、を具備することを特徴とする重量選別機。
  3. 請求項2に記載の重量選別機において、上記重量分布設定手段は、重量選別の本稼働の前段階で複数の物品の各重量を計量してこれら各物品の重量を上記重量分布データとして設定することを特徴とする重量選別機。
  4. 夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段と、上記各目標重量値及び重量選別の本稼働の段階で物品を計量して得られた重量分布データに基づいて、本稼働の段階で今後上記各重量ランクに選別される物品の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている上記目標重量値に一致又は略一致させることができる上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出する境界重量値算出手段と、先に設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した新の境界重量値に設定を変更する境界重量値変更手段と、を具備することを特徴とする重量選別機。
  5. 夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段と、重量選別の本稼働の段階で上記各重量ランクに選別された物品の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を算出する平均重量値算出手段と、上記平均重量値と当該平均重量値と対応する上記目標重量値との重量差に基づいて、本稼働の段階で今後上記各重量ランクに選別される物品の各平均重量値を、それら各平均重量値の所属する夫々の重量ランクに設定されている上記目標重量値に一致又は略一致させることができる上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出する境界重量値算出手段と、先に設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した新の境界重量値に設定を変更する境界重量値変更手段と、を具備することを特徴とする重量選別機。
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