JPH11333384A - 重量選別方法及び重量選別機 - Google Patents

重量選別方法及び重量選別機

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JPH11333384A
JPH11333384A JP14318998A JP14318998A JPH11333384A JP H11333384 A JPH11333384 A JP H11333384A JP 14318998 A JP14318998 A JP 14318998A JP 14318998 A JP14318998 A JP 14318998A JP H11333384 A JPH11333384 A JP H11333384A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各重量ランクごとに選別された物品の合計重
量及び合計個数が予め定めた重量及び個数となるように
すること。 【解決手段】 夫々異なる重量範囲ごとに定めたn段階
の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランク
に該物品を選別する重量選別機において、各重量ランク
ごとに目標重量値w〜wを設定するステップS
202と、重量選別の本稼働の前段階で物品の重量分布
データを設定するステップS208と、各目標重量値及
び重量分布データに基づいて、本稼働の段階で各重量ラ
ンクに選別される物品の各重量ランクごとの夫々の平均
重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重量ラ
ンクに設定されている目標重量値に一致又は略一致させ
ることができる各重量ランクの重量範囲を定める境界重
量値を算出して設定するステップS212と、を具備す

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、計量した物品を
予め定めた各重量ランクごとに選別する重量選別方法及
び重量選別機において、各重量ランクごとに選別された
物品の合計重量及び合計個数が予め定めた重量及び個数
となるようにする重量選別方法及び重量選別機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば農水産物等の物品は、同一種類の
ものであって、重量が略等しいものを予め定めた重量ず
つ箱詰めして、この箱詰めされた状態で取引されてい
る。そして、物品を所定重量ずつ箱詰めする際には、重
量選別機と振分け装置が使用されている。この重量選別
機は、夫々異なる重量範囲ごとに所定数の重量ランクが
予め設定されており、被計量物品の重量を順次計量して
各計量値の該当する重量ランクを判定することができる
ものであり、重量ランクが判定された各計量済み物品
は、各重量ランクごとに予め定めた振分け位置に振分け
装置により振り分けられる。なお、各重量ランクの各振
分け位置において、その振り分けられた物品の合計重量
が予め定めた重量となったときに、重量選別機が所定の
完了信号を生成し、これによって、各重量ランクごとに
合計重量が予め定めた所定重量となるように物品の計量
を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の重量選
別機では、物品を各重量ランクごとに合計重量が所定重
量となるように計量することができるが、この合計重量
を構成する物品の個数を、合計重量が所定重量となるの
と同時に予め定めた一定の個数となるように計量するこ
とができないという問題がある。つまり、例えば或る重
量ランクに振り分けられた物品の合計重量が予め定めた
所定の重量であっても、この振り分けられた物品の平均
重量値が変動すると、その合計重量を構成する物品の個
数も変動するからである。このように、同一の重量ラン
クでありながら所定の合計重量ごとに選別された物品の
個数が揃っていない場合は、物品を整列させて箱詰めし
たときのその整列の形態が互いに相違するものができあ
がり、見栄えが悪いという問題がある。また、各重量ラ
ンクごとの合計個数が予め定めた一定の個数となるよう
にしたとき、合計重量を一定の重量となるように計量す
ることができないという問題がある。つまり、或る重量
ランクに振り分けられる物品の合計個数が予め定めた所
定の個数であっても、この重量ランクに振り分けられる
物品の平均重量が変動すると、その合計個数を構成する
物品の合計重量も変動するからである。このように、同
一の重量ランクにおいて、1組の物品の合計個数が一定
であるとき、構成物品の重量分布の変動に伴って合計重
量を一定に保つことができず、目標重量よりも重い場合
は売手に、軽い場合は買い手に損失を与えるという問題
がある。
【0004】本発明は、各重量ランクごとに選別された
物品の合計重量及び合計個数が予め定めた重量及び個数
となるようにすることができる重量選別方法及び重量選
別機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明の重量選別方
法は、夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数の重量ラ
ンクのうち物品の計量値が該当する重量ランクに該物品
を選別する重量選別方法において、上記各重量ランクご
とに目標重量値を設定する段階と、重量選別の本稼働の
前段階で物品の重量分布データを設定する段階と、上記
各目標重量値及び上記重量分布データに基づいて、本稼
働の段階で上記各重量ランクに選別される物品の上記各
重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重
量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている上記
目標重量値に一致又は略一致させることができる上記各
重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出して設
定する段階と、を具備することを特徴とするものであ
る。
【0006】第2の発明の重量選別装置は、夫々異なる
重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の
計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選
別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設
定する目標重量値設定手段と、重量選別の本稼働の前段
階で物品の重量分布データを設定する重量分布設定手段
と、上記各目標重量値及び上記重量分布データに基づい
て、本稼働の段階で上記各重量ランクに選別される物品
の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら
各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されて
いる上記目標重量値に一致又は略一致させることができ
る上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算
出して設定する境界重量値設定手段と、を具備すること
を特徴とするものである。
【0007】第3の発明の重量選別装置は、第2の発明
において、上記重量分布設定手段は、重量選別の本稼働
の前段階で複数の物品の各重量を計量してこれら各物品
の重量を上記重量分布データとして設定することを特徴
とするものである。
【0008】第4の発明の重量選別装置は、夫々異なる
重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の
計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選
別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設
定する目標重量値設定手段と、重量選別の本稼働の前段
階で上記各重量ランクの重量範囲の中心重量値又は略中
心重量値が上記目標重量値となるように上記各重量範囲
の上限境界重量値と下限境界重量値を算出して設定する
境界重量値設定手段と、を具備することを特徴とするも
のである。
【0009】第5の発明の重量選別装置は、夫々異なる
重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の
計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選
別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設
定する目標重量値設定手段と、上記各目標重量値及び重
量選別の本稼働の段階で物品を計量して得られた重量分
布データに基づいて、本稼働の段階で今後上記各重量ラ
ンクに選別される物品の上記各重量ランクごとの夫々の
平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫々の重
量ランクに設定されている上記目標重量値に一致又は略
一致させることができる上記各重量ランクの重量範囲を
定める境界重量値を算出する境界重量値算出手段と、先
に設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した
新の境界重量値に設定を変更する境界重量値変更手段
と、を具備することを特徴とするものである。
【0010】第6の発明の重量選別装置は、夫々異なる
重量範囲ごとに定めた所定数の重量ランクのうち物品の
計量値が該当する重量ランクに該物品を選別する重量選
別機において、上記各重量ランクごとに目標重量値を設
定する目標重量値設定手段と、重量選別の本稼働の段階
で上記各重量ランクに選別された物品の上記各重量ラン
クごとの夫々の平均重量値を算出する平均重量値算出手
段と、上記平均重量値と当該平均重量値と対応する上記
目標重量値との重量差に基づいて、本稼働の段階で今後
上記各重量ランクに選別される物品の各平均重量値を、
それら各平均重量値の所属する夫々の重量ランクに設定
されている上記目標重量値に一致又は略一致させること
ができる上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量
値を算出する境界重量値算出手段と、先に設定されてい
る旧の境界重量値に代えて今回算出した新の境界重量値
に設定を変更する境界重量値変更手段と、を具備するこ
とを特徴とするものである。
【0011】第1及び第2の各発明によると、重量選別
の本稼働の前段階において、各重量ランクごとの目標重
量値と重量選別される物品の重量分布データを設定する
と(第2の発明では目標重量値設定手段及び重量分布設
定手段により設定する。)、各目標重量値及び重量分布
データに基づいて、各重量ランクに選別される物品の重
量ランクごとの夫々の平均重量値を、それと対応する目
標重量値に一致又は略一致させることができる各重量ラ
ンクの各境界重量値を算出して設定することができる
(第2の発明では境界重量値設定手段により設定す
る)。これにより、本稼働において、各重量ランクに選
別された物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値
が、それと対応する各目標重量値と一致又は略一致する
こととなる。
【0012】第3の発明によると、重量選別の本稼働前
に、複数の物品の各重量を実際に計量してこれら各物品
の計量値を重量分布データとして重量分布設定手段が設
定することができる。
【0013】第4の発明は、重量選別しようとする物品
の重量が各重量ランクの重量範囲に亘って略均一に分布
していることが、重量選別の本稼働の前段階において既
知の場合に適用することができるものである。つまり、
本稼働の前段階で各重量ランクの重量範囲の中心重量値
又は略中心重量値が目標重量値となるように各重量範囲
の上限境界重量値と下限境界重量値を算出して設定して
いるので、本稼働において、各重量ランクに選別された
物品の各重量ランクごとの夫々の平均重量値が、それと
対応する各目標重量値に一致又は略一致することとな
る。
【0014】第5の発明によると、各目標重量値及び重
量選別の本稼働の段階で物品を計量して得られた重量分
布データに基づいて、本稼働の段階で今後各重量ランク
に選別される物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値
を、それと対応する目標重量値に一致又は略一致させる
ことができる各重量ランクの重量範囲の境界重量値を境
界重量値算出手段が算出し、境界重量値変更手段が、先
に設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した
新の境界重量値に設定を変更することができる。これに
より、本稼働中において物品の重量分布が変った場合で
も、物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値が、それ
と対応する目標重量値と一致又は略一致することとな
る。
【0015】第6の発明によると、重量選別の本稼働の
段階で各重量ランクに選別された物品の各重量ランクご
との夫々の平均重量値を平均重量値算出手段が算出し、
互いに対応する平均重量値と目標重量値との重量差に基
づいて、本稼働の段階で今後各重量ランクに選別される
物品の各平均重量値を、それと対応する各目標重量値に
一致又は略一致させることができる各重量ランクの重量
範囲を定める境界重量値を境界重量値算出手段が算出す
ることができる。そして、境界重量値変更手段が、先に
設定されている旧の境界重量値に代えて今回算出した新
の境界重量値に設定を変更することができる。これによ
り、本稼働中において物品の重量分布が変った場合で
も、物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値が、それ
と対応する目標重量値と一致又は略一致することとな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る重量選別方法を使用
する重量選別機の第1〜第5実施形態を各図を参照して
説明する。これら第1〜第5実施形態の相違するところ
は、物品が重量選別される所定数の重量ランクの重量範
囲を定める境界重量値の設定の仕方であり、これ以外は
各実施形態に共通する構成であり同等に作用する。ま
ず、第1〜第5実施形態の重量選別機の特徴とする境界
重量値の設定の仕方以外のところであって、互いに共通
するところを図1を参照して説明する。各実施形態の重
量選別機は、例えば果物や魚等の農水産物(以下、「物
品」という。)であって同一種類のものを予め定めた所
定数nの重量ランクに選別し、夫々の重量ランクにおい
て物品の合計重量が予め設定されている重量WG1、W
G2、・・・、WGnとなったときに所定の完了信号を
生成するものであって、これにより、各重量ランクの各
合計重量がWG1、WG2、・・・、WGnであって各
合計重量を構成する物品の個数がN、N、・・
・、Nとなる物品の組合せを作ることができるもの
である。
【0017】この重量選別機は、図1に示すように、送
り込みコンベア1、計量コンベア2、送り出しコンベア
4、及び振分け装置5を備えている。そして、計量コン
ベア2は、ロードセル等の重量検出器3により支持され
ている。また、送り込みコンベア1と計量コンベア2と
の間には、物品検出用のフォトセンサPHを設けて
あり、振分け装置5にも、同等のフォトセンサP
21、PH22、・・・PH2nを設けてある。そし
て、この重量選別機は、増幅器6、A/D変換器7、マ
イクロコンピュータの入出力回路8、マイクロプロセッ
サ(以下、CPUという。)9、ROM、RAM、E
ROM等のメモリー素子を備える記憶部10、キー
ボード(入力部)11、及び表示部20を備えている。
【0018】この重量選別機により物品の重量を選別す
るときは、物品14を図1に示す送り込みコンベア1に
供給する。送り込みコンベア1で搬送される物品は、計
量コンベア2の直前の位置でフォトセンサPHを遮
光する。この時、フォトセンサPHの出力パルスが
入出力回路8を介してCPU9に入力する。そして、物
品が計量コンベア2上に乗ると、重量検出器3がアナロ
グ計量信号を出力する。この計量信号は増幅器6で増幅
されて、A/D変換器7によりデジタル計量信号に変換
される。そして、フォトセンサPHの出力パルスが
CPU9に入力してから所定の安定時間が経過した時
に、CPU9が物品の計量値を求め、その計量値が記憶
部10に設定されている所定数nの重量ランクのうちど
の重量ランクに属するかを判定し、その判定結果を振分
け信号として振分け装置5に送出する。重量が計量され
た物品14は、計量コンベア2、及び送り出しコンベア
4を通って振分け装置5に搬送される。振分け装置5
は、この送り込まれてきた物品14がその物品の重量ラ
ンクkと対応するフォトセンサPH2kを遮光した時
に、図示しないアクチュエータが駆動してリジェクトコ
ンベアが傾斜し、この重量ランクkの物品14を重量ラ
ンクkの物品14を貯めておく所定の貯槽に供給するこ
とができる。なお、kは、1からnまでの整数である。
【0019】つまり、振分け装置5は、n個のフォトセ
ンサPH21、PH22、・・・PH2n、n台の傾斜
可能なリジェクトコンベア、n台の夫々のリジェクトコ
ンベアから排出された物品14を貯めておくためのn個
の貯槽、及びランク外物品を収容するための下位ランク
外貯槽と上位ランク外貯槽を備えている。そして、この
振分け装置5は、CPU9により重量ランクの判定され
た物品14をそのその判定された重量ランクに対応させ
て設けられている貯槽に供給することができるし、ラン
ク外物品をランク外貯槽に供給することができるもので
ある。また、重量選別機は、いずれかの貯槽に供給され
た物品14の合計重量が、その貯槽に対して予め設定さ
れている合計重量WG1、WG2、・・・、又はW
となったときに完了信号を生成してその旨を表示部20
に表示することができ、これによって、物品14をn個
の各重量ランクごとに重量WG1、WG2、・・・、W
Gnずつ計量することができる。貯槽に合計重量
G1、・・の物品14が供給されると、その重量の物
品14が収容されている貯槽が自動的又は手動により空
の貯槽に交換される。なお、物品14をn個の各重量ラ
ンクごとに互いに相違する重量WG1、W 、・・
・、WGnずつ計量する構成としたが、物品14をn個
の各重量ランクごとに同一の重量Wずつ計量する構
成としてもよい。
【0020】次に、本発明に係る重量選別機の特徴とす
る各重量ランクの重量範囲を定める各境界重量値(以
下、「境界値」という。)の計算の仕方について説明す
る。各境界値は、本稼働において、n個の各重量ランク
に対して合計重量がWG1、W G2、・・・、WGn
つ振り分けられる物品14の夫々の個数が予め定めた所
定個数N、N、・・・、Nとなるようにす
ることができる重量値であり、x、x、・・
・、x、xn+1 とする。今、重量選別しようと
している物品14の母集団において、物品の重量値別に
存在する確率分布が関数F(x)で与えられているとす
る。xは物品の計量値である。物品の母集団の総数をP
個とすると、その母集団を構成する物品の計量値別の存
在個数yは、 y=P×F(x)=f(x) (個) と表される。図2は、横軸が重量値xを表し、縦軸が物
品14の存在個数yを表しており、y=f(x)は計量
値別の存在個数を表している。w、w、・・
・、w は、重量ランク1、2、・・・nの夫々の平
均重量値の目標値、即ち目標重量値とする。
【0021】図2に示すように、重量ランク1の下限重
量値(以下、下限値という。)をx =x1,1
目標重量値w=x1,m 、上限重量値(以下、上
限値という。)をx=x1,m+k+1 とする。
総数P個の物品の計量が終了したとき、重量ランク1の
重量範囲に属する物品の個数がf(x)に従って重量x
1,1 のものがf(x1,1 )個、x1,2 のも
のがf(x1,2 )個、・・・、x1,m のものが
f(x1,m )個、・・・、x1,m+kのものがf
(x1,m+k )個存在することとなる。なお、上限
値xの重量の物品は重量ランク2に属すると定義す
る。従って、xは重量ランク2の下限値であり、x
=x1,m+k+1 =x2,1 とする。ここ
で、重量ランク1の平均重量値wH1と目標重量値w
とが一致していると考えると、平均重量値w
は、
【0022】 w=x1,m ={x1,1 ×f(x1,1 )+x1,2 ×f(x1,2 )+・ ・・+x1,m ×f(x1,m )+・・・+x1,m+k ×f(x1,m +k )}/{f(x1,1 )+f(x1,2 )+・・・+f(x1,m )+・・・+f(x1,m+k )} の演算で求めることができる。上式を変形すると、 x1,m {f(x1,1 )+f(x1,2 )+・
・・+f(x1,m)+・・・+f
(x1,m+k )}={x1,1 ×f
(x1,1 )+x1,2 ×f(x1,2 )+・・
・+x1,m ×f(x1,m )+・・・+x
1,m+k ×f(x1,m +k )} となる。この式を更に変形すると、
【0023】 (x1,m −x1,1 )×f(x1,1 )+(x1,m −x1,2 )×f(x1,2 )+・・・+(x1,m −x1,m−1 )×f(x1, m−1 ) =(x1,m+1 −x1,m )×f(x1,m+1 )+(x1,m +2 −x1,m )×f(x1,m+2 )+・・・+(x1,m+k −x 1,m )×f(x1,m+k ) ・・・(1)
【0024】と表すことができる。故に、分布確率関数
F(x)又は各重量値別の物品の存在個数f(x)と、
目標重量値w(=x1,m )と、が与えられる
と、(1)式が成立するように上限値x及び下限値
を決定することにより、F(x)又はf(x)が
変わらない限り、重量ランク1に選別される物品の実際
の平均重量値wH1を目標重量値wに一致させるこ
とができる。同様の考え方で、重量ランク2、3、・・
・nについても(1)式を適用することができる。従っ
て、重量選別しようとする物品の分布確率関数F(x)
又は存在個数f(x)が変わった場合は、(1)式が成
立するように各重量ランクの上限値及び下限値を変更す
ることにより、各重量ランクに選別される物品の各平均
重量値を予め設定されている一定の夫々の目標重量値に
一致させることができる。これにより、F(x)又はf
(x)が変化しても各重量ランクに合計重量wG1、・
・・ずつ計量される物品の夫々の集合個数が常に夫々N
(=wG1/w)、N(=wG2
)、・・・、N(=wGn/w)となる
ように制御することができる。
【0025】次に、各重量ランクの上限値及び下限値を
決定するための手順の一例を説明する。最初に与えられ
ているものは、物品の分布確率関数F(x)と各重量ラ
ンクの目標重量値w、w、・・・、wであ
る。図2において、先ず、最下位の重量ランク1の上限
値xを目標重量値w とwの中間値(中心値)
又は略中間値に設定する。上限値xを必ずしもこの
ように中間値に設定する必要はないが、xは重量ラ
ンク2の下限値に相当するので、例えばxとw
との重量差が大き過ぎると、重量ランク2の平均重量値
をwに維持することができるようにwの上限値
を求めたときに、このxが重量ランク3の平
均重量値wに接近し過ぎたり、或いはwを越え
てしまうことがあり、これを避けるようにする必要があ
る。なお、互いに隣合う2つの重量ランクの境界重量値
の物品は、この2つの重量ランクのうち重量の重い上位
の重量ランクに選別するものと定義する。
【0026】今、図2に示すように、重量ランク1の上
限値x=x1,m+K をwとwとの中間に設
定したとする。この場合、重量ランク2の下限値x
は、x1,m+K よりも計量器の最小目盛りの1目盛
り分dだけ大きいx1,m+ K+1 とする。従って、
重量ランク1と2との境界重量値はxである。
(1)式の右辺の値は、f(x)が既知であるので求め
ることができる。(1)式の右辺の値をΣD×f
(x)とし、求めようとする重量ランク1の下限値x
1,m−q を(1)式の左辺に当てはめて、
【0027】 ΣD×f(x)≦(x1,m −x1,m−1 )×f(x1,m−1 )+(x1,m −x1,m−2 )×f(x1,m−2 )+・・・+(x ,m −x1,m−q )×f(x1,m−q ) =d×f(x1,m−1 )+2d×f(x1,m−2 )+・・・+q d×f(x1,m−q ) ・・・(2)
【0028】が成立するx=x1,m−q を下限値x
として設定する。これにより、本稼働において重量
ランク1(x〜x1,m+k )に重量選別された
物品の平均重量はwとなる。重量ランク1に振り分
けられた物品の合計重量がw となった時の物品の個
数NはwG1/wとなり、目標個数のN
することができる。
【0029】次に、図2に示す重量ランク2の上限値x
2,r+s の求め方を説明する。今、重量ランク2の
下限値x2,1 及び重量ランク2の目標重量値w
=w 2,r は最初に設定されており既知である。従っ
て、(1)式の左辺を計算することができ、(1)式の
左辺は、
【0030】(x2,r −x2,1 )×f(x
2,1 )+(x2,r −x2,2)×f(x
2,2 )+・・・+(x2,r −x2,r−1
×f(x2, r−1 )=rd×f(x2,1 )+
(r−1)d×f(x2,2 )+・・・+d×f(x
2,r−1
【0031】となり、この左辺の値をΣD×f
(x)とし、求めようとする重量ランク2の上限値x
2,r+s を(1)式の右辺に当てはめて、
【0032】 ΣD×f(x)≦(x2,r+1 −x2,r )×f(x2,r+1 )+(x2,r+2 −x2,r )×f(x2,r+2 )+・・・+(x ,r+s −x2,r )×f(x2,r+s ) ・・・(3)
【0033】が成立するx=x2,r+s を上限値と
して設定する。これにより、本稼働において重量ランク
2(x2,1 〜x2,r+s )に重量選別された物
品の平均重量はwとなる。重量ランク2に振り分け
られた物品の合計重量がwG2となった時の物品の個数
はwG2/wとなり、目標個数のNとす
ることができる。
【0034】次に、重量ランク3の上限値を求め方を説
明する。今、重量ランク3の下限値x3,1 は、重量
ランク2の上限値x2,r+s よりも1目盛りdだけ
大きい既知の重量値であり、重量ランク3の目標重量値
は最初に設定されており既知である。従って、重
量ランク2の上限値の求め方と同様にして、下限値x
3,1 からwまでの重量分布に関する演算値、即
ち、(1)式の左辺の値は、ΣD×f(x)で求め
ることができ、(3)式と同様にして重量ランク3の上
限値を求めることができる。順次同様にして、重量ラン
ク4〜nの上限値を計算して求めることができる。
【0035】なお、重量ランク1の下限値よりも軽い物
品及び重量ランクnの上限値よりも重い物品は、ランク
外物品として取り扱う。そして、重量ランク1から順に
下限値及び上限値を順次計算して設定したが、逆に、重
量ランクnから順に上限値及び下限値を順次計算して設
定してもよい。更に、本発明の目的は、各重量ランクの
平均重量値を対応する各重量ランクに設定されている目
標重量値に一致させようとするものであるから、必ずし
も1目盛り分のdごとに(2)、(3)式を計算しなく
てもよく、2d以上の予め定めたdの整数倍の目盛りz
dごとに計算してもよい。ただし、zは、2、3、4、
・・・の正の整数であり、zdは1つの重量ランクの重
量範囲を超えないこととする。また、上記では、物品の
重量値別存在個数f(x)が既知である場合について説
明したが、f(x)が未知である場合は、重量選別の前
段階において物品の母集団の重量値別存在個数f(x)
を推定し、この推定したf(x)を使用して各上限値及
び下限値(境界値)を計算して設定することができる。
つまり、重量選別する本稼働の前段階において、別の計
量機又はこの自動重量選別機を使用して、予め例えばP
個の物品について最小目盛りごとに物品の個数を求めて
この重量選別機の記憶部10に記憶する。これで物品の
重量分布f(x)を自動的に把握することができる。こ
の重量分布f(x)を使用して各上限値及び下限値を計
算して設定することができる。
【0036】次に、上記の境界値の設定の仕方を踏まえ
て第1実施形態の重量選別機を説明する。第1実施形態
の重量選別機は、請求項4に係る発明と対応しており、
重量選別しようとする物品14の重量がn段階の各重量
ランクの重量範囲に亘って略均一に分布していること
が、重量選別の本稼働の前段階において既知の場合に適
用することができるものである。この重量選別機は、図
1に示す重量選別機において、目標重量値設定手段と、
境界重量値設定手段と、を設けたものである。目標重量
値設定手段は、n個の各重量ランクごとに既知の目標重
量値w、w、・・・、wを設定する手段で
あり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含
む構成である。境界重量値設定手段は、重量選別の本稼
働の前段階でn個の各重量ランクの重量範囲の中心重量
値又は略中心重量値が目標重量値w、w、・・
・、w となるように各重量範囲の上限境界重量値
(上限値)と下限境界重量値(下限値)x
、・・・、xn+1 を算出して設定する手段で
あり、CPU9と記憶部10を含む構成である。
【0037】図3は、横軸が重量値xを表し、縦軸が物
品14の存在個数yを表している。今、重量選別しよう
とする物品14の重量がn段階の各重量ランクの重量範
囲に亘って略均一に分布しているとする。つまり、図3
に示すように、各重量値における物品の存在個数を表す
存在個数関数f(x)が、各重量ランクの重量範囲に亘
って略均一に分布しているとする。この場合、重量選別
を行う本稼働の前段階において、各重量ランクの既知の
目標重量値w、w、・・・、wと物品の既
知の重量分布f(x)=R(一定値)を設定すると、n
段階の各重量ランクの重量範囲を定める夫々の上限値及
び下限値x、x、・・・、x +1 を自動的
に算出して設定することができる。
【0038】第1実施形態の重量選別機によると、ま
ず、本稼働の前段階において、オペレータがキーボード
11を操作して、図3に示す各重量ランクの既知の目標
重量値w、w、・・・、wと物品14の既
知の存在個数関数f(x)=Rを入力して設定すると、
CPU9の境界重量値設定手段が記憶部10に記憶され
ている所定のプログラムに従って演算を行い、n個の各
重量ランクの重量範囲の中心重量値又は略中心重量値が
目標重量値w、w、・・・、wとなるよう
に各重量範囲の上限値と下限値x、x、・・
・、xn+1 を自動的に算出して設定する。ただし、
各重量範囲の上限値と下限値は、n個の各重量ランクの
重量範囲の中心重量値又は略中心重量値が目標重量値w
、w、・・・、wとなるように計算して設
定したが、これに代えて、(2)及び(3)式を使用し
て求めて設定してもよい。ここで、上述したように、x
は重量ランク1の下限値、xは重量ランク2の
下限重量値であって重量ランク1の上限値よりも1目盛
り重い重量、x は重量ランク3の下限重量値であって
重量ランク2の上限値よりも1目盛り重い重量、・・
・、xn+1 は重量ランクnの上限値である。そし
て、各重量値x、・・・、xの物品14は、互
いの隣合う2つの重量ランクのうち重い方の重量ランク
に選別され、各重量値x、・・・、x よりも最
小目盛り分軽い重量の物品14は、互いの隣合う2つの
重量ランクのうち軽い方の重量ランクに選別されるよう
に設定されている。
【0039】従って、図3に示すように、重量ランク1
において、下限値xと目標重量値wとの重量差
aは、重量値xよりも1目盛り小さい重量値(上限
値)と目標重量値wとの重量差aと等しくなってい
る。そして、重量ランク2において、下限値xと目
標重量値wとの重量差bは、重量値xよりも1
目盛り小さい重量値(上限値)と目標重量値wとの
重量差bと等しくなっている。以下同様に、各下限値x
、x、・・・、xn+1 が設定されている。
そして、CPU9が各重量値x、x、・・・、
n+1 を演算する手順は、まず、目標重量値w
とwの中心重量又は略中心重量を演算してx
して設定し、しかる後に、各重量値x、・・・、x
n+1 のうち隣合うものから順次演算して設定してい
る。勿論、互いに隣合う任意の2つの目標重量値の中心
重量又は略中心重量を上限値又は下限値xとして設定
し、しかる後に、隣合うものから順次、上限値又は下限
値xを演算して設定してもよい。
【0040】次に、本稼働において、物品14を順次送
り込みコンベア1に送り込むと、各物品14は重量が計
量され、その重量と対応する各重量ランクにそれぞれ振
り分けられる。そして、或る重量ランクKの貯槽に振り
分けられた物品の合計重量がWGKとなると、CPU9
が完了信号を生成して、重量WGKの物品が収容されて
いる貯槽が空の貯槽に交換される。ここで、合計重量が
GKである重量ランクKの物品14の個数Nは、
合計重量WGK/目標重量値W(=平均重量値W
HK)によって計算することができ、この際、物品14
の存在個数関数f(x)=Rが一定値であるので、平均
重量値WHKも変動せず一定であり、従って、重量ラン
クKの貯槽に振り分けられた合計重量WGKの物品14
の個数Nは、存在個数関数f(x)=Rが一定値で
ある限り目標の一定の個数となる。これによって、各重
量ランクごとに、合計重量がWG1、・・・、WGn
物品14の個数がN、N、・・・、N又は
それに近い個数であり、各重量ランクの物品14の平均
重量値WH1、WH2、・・・、WHnが対応する重量
ランクの目標重量値Wと等しいか若しくは近い物品
の集合を作ることができる。その結果、合計重量がW
G1、・・・、WGnの物品を整列させて箱詰めしたと
きに、その整列の形態が互いに等しいものが出来上が
り、見栄えを良いようにすることができる。
【0041】次に、第2実施形態の重量選別機を説明す
る。第2実施形態の重量選別機は、請求項1、2に記載
の発明と対応しており、重量選別しようとする物品14
の重量がn段階の各重量ランクの重量範囲に亘って略均
一に分布していない場合であって既知の場合に適用する
ことができるものである。まず、第2実施形態の重量選
別機が各境界値を計算する仕方を説明する。図4に示す
ように、各重量ランクの重量範囲の重量幅が互いに等し
い場合であって、下位ランク外、重量ランク1、2、・
・・、nの物品の存在確率が2%、5%、10%、12
%、・・・であり、かつ、これらの確率が既知である場
合に、これら各確率と下位ランク外、重量ランク1、
2、・・・、nの目標重量値w、w、w
・・・、wをキーボード11を操作して記憶部10
に設定する。ここで、物品の総数を100個とすると、
f(w)=2個、f(w)=5個、f
(w)=10個、f(w)=12個、・・・で
あるので、図4に示すように、f(w)、f(w
)、f(w)、f(w)、・・・間を直線
で結び、分布関数を直線で近似する。f(w)とf
(w)とを結ぶ直線の式f01(x)は、
【0042】 f01(x)=3x/(w−w)+(2w−5w)/(w −w) で表すことができ、同様に、図4に示すように、f(w)とf(w)と を結ぶ直線の式f12(x)、f(w)とf(w)とを結ぶ直線の式f 23 (x)、・・・を求めることができる。 ・・ ・(4)
【0043】なお、ランク外の確率や目標重量値w
が未知の場合は、f12(x)の直線がランク外の重量
範囲内に続くものとみなすこととしてもよい。そして、
各下限値及び上限値(境界値)は、第1実施形態と同様
に、いずれの重量ランクからも求めることができ、例え
ばwとwの中間値を重量ランク2の下限値x
として設定すると、(1)式において、右辺の分布
関数f(x)にf12(x)を適用し、左辺の分布関数
f(x)にf01(x)を適用して(2)式が成立する
ように下限値xを計算して設定すればよい。x
以外の下限値及び上限値x、x、・・・、x
、xn+1 は、第1実施形態と同様にして求めて
設定することができる。
【0044】この重量選別機は、図1に示す重量選別機
において、目標重量値設定手段と、重量分布設定手段
と、境界重量値設定手段と、を設けたものである。目標
重量値設定手段は、重量選別の本稼働の前段階で下位ラ
ンク外、n個の各重量ランクごとに既知の目標重量値w
、w、w、・・・、wをキーボード1
1を操作して設定する手段であり、CPU9、記憶部1
0、及びキーボード11を含む構成である。重量分布設
定手段は、重量選別の本稼働の前段階で物品の既知の重
量分布データをキーボード11を操作して設定する手段
であり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を
含む構成である。境界重量値設定手段は、各目標重量値
、・・・、w及び重量分布データに基づい
て、本稼働の段階で各重量ランクに選別される物品の各
重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平均重
量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている目標
重量値w、・・・、wに一致又は略一致させる
ことができる各重量ランクの重量範囲を定める境界値x
、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定する
手段であり、CPU9と記憶部10を含む構成である。
【0045】次に、この重量選別機が本稼働の前段階で
上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を自動的
に算出して設定する手順を図5に示すフローチャートを
参照して説明する。図5のフローチャートに示す処理を
行うプログラムは、記憶部10に記憶されており、この
プログラムに従ってCPU9が実行する。まず、この重
量選別機のモードが境界値の設定モードにセットされて
いるか否かをオペレータが表示部20の表示内容を見て
確認する(S100)。そして、重量選別機が設定モー
ドであることを確認して、オペレータがキーボード11
を操作して、下位ランク外、及び重量ランクnまでの各
重量ランクの既知の目標重量値w、w
、・・・、w(S102)、重量ランクnま
での各重量ランクの所定の目標合計重量WG1、・・
・、WGn(S104)、及び各目標重量値w、w
、w、・・・、wに対する既知の重量分布
確率を設定する(S106)。すると、CPU9が
(4)式に基づいて式f (x)、f12(x)、f
23(x)、・・・を自動的に算出して(S108)、
第1実施形態と同様に、(2)及び(3)式を順次適用
して各重量ランクの重量範囲を定める各上限値及び下限
値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して設定
する。これで本稼働の前段階において各境界値の設定が
終了する。
【0046】次に、本稼働において、物品14を順次送
り込みコンベア1に送り込むと、第1実施形態と同様
に、各物品14は重量が計量され、その重量と対応する
各重量ランクにそれぞれ振り分けられる。そして、或る
重量ランクKの貯槽に振り分けられた物品の合計重量が
GKとなると、完了信号が生成されて空の貯槽と交換
さされる。ここで、合計重量がWGKである重量ランク
Kの物品14の個数Nは、合計重量WGK/目標重
量値W(=平均重量値WHK)によって計算するこ
とができる。そして、物品14の存在個数関数f
01(x)、f12(x)、f (x)、・・・f
(n−1)n(x)を(2)及び(3)式に順次適用し
て各重量ランクの重量範囲を定める各上限値及び下限値
、・・・、xn+1を算出して設定しているの
で、各重量ランクの平均重量値WH1、・・・、W
を各重量ランクの各目標重量値w、w、・・
・、wに一致させることができる。従って、各重量
ランク1〜nの貯槽に振り分けられた夫々の合計重量W
G1〜WGnの物品14の個数N〜Nは、各重
量ランクごとの存在確率が一定値である限り、各重量ラ
ンクごとに定めた目標の一定の個数N〜Nとな
る。これによって、各重量ランクごとに合計重量がW
G1、・・・、WGnの物品を整列させて箱詰めしたと
きに、その整列の形態が各重量ランクにおいて互いに等
しいものが出来上がり、見栄えを良いようにすることが
できる。
【0047】次に、第3実施形態の重量選別機を説明す
る。第3実施形態の重量選別機は、請求項3に記載の発
明と対応しており、重量選別しようとする物品14の重
量分布が本稼働の前段階において未知の場合に、P個の
サンプル物品14を計量してサンプル物品の重量分布関
数f(x)を求めて、この分布関数に基づいて母集団の
重量分布関数f(x)を推定して各重量ランクの上限値
及び下限値を算出して設定することができるものであ
る。第3実施形態の重量選別機は、図1に示す重量選別
機において、目標重量値設定手段と、重量分布設定手段
と、境界重量値設定手段と、を設けたものである。目標
重量値設定手段は、重量選別の本稼働の前段階でn個の
各重量ランクごとに目標重量値w、w、・・
・、wをキーボード11を操作して設定する手段で
あり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含
む構成である。重量分布設定手段は、重量選別の本稼働
の前段階でP個の物品の各重量を計量してこれら各物品
の重量を重量分布データとして設定する手段であり、C
PU9、記憶部10、及びキーボード11を含む構成で
ある。境界重量値設定手段は、各目標重量値w、・
・・、w及び重量分布データに基づいて、本稼働の
段階で各重量ランクに選別される物品の各重量ランクご
との夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属す
る夫々の重量ランクに設定されている目標重量値
、・・・、wに一致又は略一致させることが
できる各重量ランクの重量範囲を定める上限値及び下限
値x、・・・、x n+1 を自動的に算出して設定
する手段であり、CPU9と記憶部10を含む構成であ
る。
【0048】次に、この重量選別機が本稼働の前段階で
上限値及び下限値x、・・・、xn+1 を自動的
に算出して設定する手順を図6に示すフローチャートを
参照して説明する。図6のフローチャートに示す処理を
行うプログラムは、記憶部10に記憶されており、この
プログラムに従ってCPU9が実行する。まず、この重
量選別機のモードが境界値の設定モードにセットされて
いるか否かをオペレータが表示部20の表示内容を見て
確認する(S200)。そして、重量選別機が設定モー
ドであることを確認して、オペレータがキーボード11
を操作して、重量ランクnまでの各重量ランクの目標重
量値w、w、・・・、w(S202)、及
び重量ランクnまでの各重量ランクの所定の合計重量W
G1、・・・、WGnを設定する(S204)。次に、
オペレータがP個の物品14を1個ずつ送り込みコンベ
ア1に送り込む(S206)。すると、CPU9が計量
コンベア2により搬送される各物品14の重量を自動的
に計量して(S206)、各物品14の計量値の個数を
夫々計量値別にカウントして記憶部10に記憶する(S
208)。次に、計量した物品14の合計個数がP個で
あるか否かを判定して(S210)、計量した物品14
の合計個数がP個になるまで計量値別に物品14の個数
をカウントして記憶部10に記憶することを繰り返して
行う。なお、記憶部10に記憶される計量値別の物品1
4の個数のカウント値は、図7に示すものである。そし
て、計量した物品14の合計個数がP個になった時に、
各計量値別の物品14の個数f(x)及び各目標重量値
、・・・、wを(2)、(3)式に順次適用
してn個の各重量ランクの上限値及び下限値x、・
・・、xn+1 を自動的に算出して設定する(S21
2、S214)。これで本稼働の前段階において各境界
値の設定が終了する。
【0049】次に、本稼働において、物品14を順次送
り込みコンベア1に送り込むと、第1実施形態と同様
に、各物品14は重量が計量され、その重量と対応する
各重量ランクにそれぞれ振り分けられる。そして、或る
重量ランクKの貯槽に振り分けられた物品の合計重量が
GKとなると、完了信号が生成されて空の貯槽と交換
さされる。ここで、本稼働の前段階において、所定のP
個の物品14の重量を実際に計量して物品14の各計量
値別の個数を重量分布データとして記憶部10に記憶し
て、この重量分布データを(2)及び(3)式に順次適
用して各重量ランクの重量範囲を定める各上限値及び下
限値x、・・・、xn+1 を算出して設定してい
るので、各重量ランクの平均重量値WH1、・・・、W
Hnを各重量ランクの各目標重量値w、w、・
・・、wに一致させることができる。従って、各重
量ランク1〜nの貯槽に振り分けられた夫々の合計重量
G1〜W の物品14の個数N〜Nは、物
品14の母集団の重量分布が本稼働前に得られたP個の
物品の重量分布データと相違することとならない限り、
各重量ランクごとに定めた目標の一定の個数N〜N
となる。これによって、各重量ランクごとに合計重
量がWG1、・・・、WGnの物品を整列させて箱詰め
したときに、その整列の形態が各重量ランクにおいて互
いに等しいものが出来上がり、見栄えを良いようにする
ことができる。
【0050】ただし、上記第3実施形態のステップS2
08において、本稼働の前段階で物品14の各計量値別
の個数をカウントして記憶したが、本稼働の前段階で各
重量ランクの重量範囲よりも狭い予め定めた多数の各重
量領域別に物品14の各計量値の個数をカウントして記
憶してもよい。この場合、各重量領域を計量の最小目盛
り、又はその整数倍の目盛りとして(2)、(3)式を
変形し、この変形した(2)、(3)式を演算して各上
限値及び下限値x、・・・、xn+1 を算出する
こととする。そして、上記第3実施形態では、P個の物
品14の計量値データを母集団の重量分布とみなしたが
(S212)、P個の物品14の計量値データを用いて
最小自乗法により母集団の重量分布f(x)を推定して
もよい(S216、S218)。この場合、この推定し
たf(x)を(2)、(3)式に適用して各上限値及び
下限値x、・・・、xn+1 を算出することとす
る。
【0051】次に、第4実施形態の重量選別機を説明す
る。第4実施形態の重量選別機は、請求項5に記載の発
明と対応しており、重量選別しようとする物品14の母
集団の重量分布が本稼働中に変化する場合に、本稼働中
に物品をQ個計量するごとにそのQ個の物品14の重量
分布関数f(x)を求めて、この分布関数に基づいて母
集団の重量分布関数f(x)を推定して各重量ランクの
新の境界値(上限値及び下限値)を算出し、旧の境界値
に代えてこの新の境界値を設定することができるもので
ある。なお、本稼働前に設定する最初の各境界値は、第
1〜第3実施形態うちのいずれの装置を使用して設定し
てもよいが、第4実施形態の重量選別機は、第3実施形
態の重量選別機が備える同等の装置を使用して本稼働前
に最初の各境界値を設定しており、その装置は第3実施
形態で説明しているので詳細な説明を省略する。第4実
施形態の重量選別機は、図1に示す重量選別機におい
て、目標重量値設定手段と、境界重量値算出手段と、境
界重量値変更手段と、を設けたものである。目標重量値
設定手段は、重量選別の本稼働の前段階でn個の各重量
ランクごとに既知の目標重量値w、w、・・
・、wをキーボード11を操作して設定する手段で
あり、CPU9、記憶部10、及びキーボード11を含
む構成である。境界重量値算出手段は、設定されている
各目標重量値w、・・・、w及び重量選別の本稼
働の段階でQ個の各物品14を計量して得られた重量分
布データ(図7参照)に基づいて、本稼働の段階で今後
各重量ランクに選別される物品14の各重量ランクごと
の夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する
夫々の重量ランクに設定されている目標重量値w
・・・、wに一致又は略一致させることができる各
重量ランクの重量範囲を定める上限値及び下限値
、・・・、xn+1 を自動的に算出する手段で
あり、CPU9、及び記憶部10を含む構成である。境
界重量値変更手段は、先に設定されている旧の上限値及
び下限値(以下、境界値という)x、・・・、x
n+1 に代えて今回算出した新の上限値及び下限値
(以下、境界値という)x、・・・、xn+1
設定を自動的に変更する手段であり、CPU9と記憶部
10を含む構成である。
【0052】次に、この重量選別機が本稼働の段階で新
の境界値x、・・・、xn+1 を自動的に算出して
設定する手順を図8〜図11に示すフローチャートを参
照して説明する。なお、図8〜図11のフローチャート
に示す処理を行うプログラムは、記憶部10に記憶され
ており、このプログラムに従ってCPU9が実行する。
そして、本稼働の前段階で最初の境界値x、・・
・、xn+1 を自動的に算出して設定する手順は、第
3実施形態と同等であるので説明を省略する。まず、C
PU9がこの重量選別機のモードが本稼働モードにセッ
トされているか否かを判定し(S300)、本稼働モー
ドでありYESと判定したときは、送り込みコンベア1
を通り、計量コンベア2を通過する各物品14の重量を
順次計量して各計量値を読み込む(S302)。そし
て、新境界値設定フラグがセットされているか否かを判
定し(S304)、物品14の計量個数がQ個未満であ
りNOと判定したときは、現在設定されている境界値x
、・・・、xn+1を使用して計量済み物品14が
属する重量ランクを判定する(S310)。ただし、ス
テップS304において、新境界値設定フラグがセット
されておりYESと判定したときは、旧の境界値に代え
て新の境界値に設定を変更して(S306)、新境界値
設定フラグをリセットする(S308)。なお、新境界
値設定フラグは、図11に示すように、Q個の物品14
が計量されて新の各境界値が計算されたときにセットさ
れる。
【0053】そして、ステップS310において重量ラ
ンクが判定された計量済み物品14の各重量ランクデー
タは、記憶部10に設けられているランクデータレジス
タに記憶され(S312)、計量済み物品14は、後段
の振分け装置5に送り出されて、後述する図10(a)
のフローチャートに示すようにして対応する重量ランク
の貯槽内に振り分けられる。次に、計量値を、各重量ラ
ンク別に記憶部10に設けられている積算レジスタで加
算して、各重量ランク別の合計重量を演算する(S31
4)。そして、いずれかの重量ランクに振り分けられた
物品14の合計重量が予め設定されている目標合計重量
G1、・・・、WGnに到達したか否かを判定し(S
400、図9参照)、各重量ランクに振り分けられた物
品14の合計重量がいずれも目標合計重量WG1、・・
・に到達しておらずNOと判定したときは、物品14の
母集団の重量分布を把握するために、CPU9が計量済
み物品を計量値別に個数のカウントを行い(S40
6)、更に、計量コンベア2を通過した計量済み物品の
合計個数をカウントする(S408)。
【0054】ただし、ステップS400において、いず
れかの重量ランクに振り分けられた物品14の合計重量
が合計重量WG1、・・・、又はWGnに到達しており
YESと判定したときは、重量ランク別に記憶部10に
設けられている目標合計重量到達レジスタにその到達し
た重量ランクを記憶して(S402)、積算レジスタを
クリアする(S404)。目標合計重量到達レジスタに
その到達した重量ランクが記憶されると、後述する図1
0(a)に示すフローチャートの処理が行われてその到
達した重量ランクを表示する信号が出力される。この
際、積算レジスタがクリアされるので、当該重量ランク
に振り分けられた物品の計量値が0から順次積算され
る。
【0055】そして、ステップS408において計量済
み物品の合計個数がカウントされると、その合計個数が
境界値の再計算個数Qに到達したか否かを判定し(S4
10)、計量済み物品の合計個数が境界値の再計算個数
Qに到達しておらずNOと判定したときは、ステップS
300に戻り上記の各処理を行う。そして、計量済み物
品の合計個数が境界値の再計算個数Qに到達してYES
と判定したときは、境界値再計算フラグをセットし、計
量値別の個数カウント値を退避させて計量値別の各個数
カウンタを0にクリアする(S412)。このように、
境界値再計算フラグがセットされると、図11に示す処
理を行うことにより新の境界値を演算して求めることが
できる。
【0056】次に、図10(a)を参照して振分け装置
5が計量済み物品14をこの物品が属する重量ランクの
貯槽に振り分ける処理(タスク1)の説明をする。計量
コンベア2から送り出されて振分け装置5に搬入された
計量済み物品14は、各重量ランクの貯槽と対応して設
けられている各リジェクトコンベアにより順次搬送さ
れ、この搬送中に各リジェクトコンベアと夫々対応して
設けられている各フォトセンサPH21〜PH2nを順
次遮光する。そして、物品14が各フォトセンサPH
21〜PH2nを遮光するごとに(S500)、当該遮
光されたフォトセンサPH2Kの重量ランクKと対応す
るランクデータがランクデータレジスタ(S312で記
憶される。)に記憶されているか否かを判定し(S50
2)、YESと判定したときは、当該遮光フォトセンサ
PH2Kと対応するランクデータをランクデータレジス
タからリセット(消去)して(S504)、当該重量ラ
ンクと対応するリジェクトコンベアに傾斜駆動信号を出
力する(S506)。傾斜駆動信号が出力すると、物品
14が属する重量ランクと対応するリジェクトコンベア
が傾斜してこの物品14を貯槽に供給することができ
る。このようにして、この振分け装置5に搬送されてく
る計量済み物品14をその物品が属する重量ランクの貯
槽に順次振り分けることができる。
【0057】次に、図10(b)を参照して各重量ラン
クの貯槽に目標合計重量wとなるように計量済み物
品14を振り分ける処理(タスク2)を説明する。振分
け装置5に搬入された計量済み物品14は、各リジェク
トコンベアにより順次搬送され、この搬送中に各フォト
センサPH21〜PH2nを順次遮光する。そして、物
品14が各フォトセンサPH21〜PH2nを遮光する
ごとに(S600)、当該遮光されたフォトセンサPH
2Kの重量ランクKと対応するランクデータが重量ラン
ク別に設けられている目標合計重量到達レジスタ(S4
02で記憶される。)に記憶されているか否かを判定し
(S602)、YESと判定したときは、当該遮光フォ
トセンサPH2Kと対応するランクデータを目標合計重
量到達レジスタからリセットして(S604)、当該重
量ランクと対応する目標合計重量到達信号を出力する
(S606)。目標合計重量到達信号が出力すると、目
標合計重量の物品14が投入されている貯槽が自動的に
取り出されて空の貯槽がセットされる。このようにし
て、目標合計重量の物品が貯槽に投入された時に、その
貯槽が振分け装置5から順次取り出される。
【0058】次に、図11を参照して新境界値の演算処
理(タスク3)の説明をする。まず、境界値再計算フラ
グがセットされているか否かを判定し(S700)、境
界値の再計算個数がQ個に到達しており、境界値再計算
フラグがセット(S412で境界値再計算フラグがセッ
トされる。)されているときはYESと判定して、退避
中の計量値別の個数カウント値と重量ランク別目標重量
値w、・・・、wとを(2)、(3)式に順次
適用して新の境界値を算出する(S702)。そして、
境界値再計算フラグをリセットして(S704)、新境
界値設定フラグをセットする(S706)。新境界値設
定フラグをセットすると、ステップS306において旧
の境界値に代えて新の境界値を設定することができる。
このように、この重量選別機に搬送されてくる物品の母
集団の重量分布が変化した場合でも、変化後の重量分布
に応じて各重量ランクの重量範囲を定める各境界値x
、・・・、xn+1 を算出して変更しているの
で、各重量ランクの平均重量値WH1、・・・、WHn
を各重量ランクの各目標重量値w、w、・・
・、wに一致させることができる。これにより、各
重量ランク1〜nの貯槽に振り分けられた夫々の合計重
量WG1〜WGnの物品14の個数N〜Nは、
各重量ランクごとに定めた目標の一定の個数N〜N
となり、各重量ランクごとに合計重量がWG1、・
・・、WGnの物品を整列させて箱詰めしたときに、そ
の整列の形態が各重量ランクにおいて互いに等しいもの
が出来上がり、見栄えを良いようにすることができる。
【0059】次に、第5実施形態の重量選別機を説明す
る。第5実施形態の重量選別機は、請求項6に記載の発
明と対応しており、重量選別しようとする物品14の母
集団の重量分布が本稼働中に変化する場合に、本稼働中
に物品をQ個計量するごとに、各重量ランクに振り分け
られた物品の夫々の平均重量値WH1、・・・、W
を算出し、この算出した各平均重量値と目標重量値w
、・・・、wの互いに対応するものどうしの夫
々の重量差に基づいて新の各境界値を計算して、旧の境
界値に代えて新の境界値に設定を変更することができる
ものである。なお、本稼働前に設定する最初の各境界値
は、第1〜第3実施形態うちのいずれの装置を使用して
設定してもよいが、第5実施形態の重量選別機は、第3
実施形態の重量選別機が備える同等の装置を使用して本
稼働前に最初の各境界値を設定しており、その装置は第
3実施形態で説明しているので詳細な説明を省略する。
【0060】まず、第5実施形態の重量選別機が各境界
値を変更する仕方を説明する。図12に示すように、或
る重量ランクKにおいて平均重量値wHKが目標重量値
と一致しており、境界値の下限値がx、上限値
がxK+V とする。そして、或る個数の物品14を計
量した後にこの重量ランクKに振り分けられた物品14
の平均重量値がwHKからΔwだけ増加してwHK’と
なったとする。この場合、これ以降にこの重量ランクK
に振り分けられる物品の平均重量値が元のw HKに戻る
ようにするためには、図12に示すように上限値を2Δ
wだけ軽量側にシフトさせて(xK+V −2Δw)平
均重量値wHK’よりも重い物品が振り分けられる確率
を低くするか、又は下限値xを2Δwだけ軽量側に
シフトさせて(x−2Δw)平均重量値wHK’よ
りも軽い物品が振り分けられる確率を高くする方法があ
る。
【0061】次に、上限値xK+V 又は下限値x
を2Δwだけ軽量側にシフトさせる理由を説明する。
今、平均重量値wHKがこの重量ランクKの重量範囲x
〜xK+V の中心にあったとして、次に、重量分
布が変わり平均重量値が最小目盛りの1目盛りだけ重く
なったとする。この時、この変更後の平均重量値と下限
値xとの重量差が、上限値xK+V と平均重量値
との重量差よりも2目盛り広くなっている。そこで、上
限値を2目盛り軽量側にシフトさせれば、これ以降にお
いて平均重量値が軽量側に1目盛りシフトさせることが
できるという考え方に基づいている。要するに、平均重
量値の変動量に比例した或る一定重量値分だけ上限値又
は下限値をシフトさせることで、それ以降に振り分けら
れる物品の計量値の平均重量値を元の目標重量値に一致
させるようにするものである。
【0062】ただし、1つの重量ランクについてであれ
ば平均重量値の変動量に応じて上限値又は下限値を所定
量だけシフトさせればよいが、この実施形態では2つ以
上の重量ランクが存在するので、他の重量ランクの境界
値のシフト量にも応じて当該重量ランクの境界値(上限
値及び下限値)のシフト量を決定する必要がある。
【0063】そこで、境界値のシフト量の計算方法を以
下のように定める。1.重量ランク1において、平均重
量値wH1の変動量を調べる。|wH1’−wH1|=
Δwとする。 (1)wH1’−wH1≧0のとき(図13(a)参
照) 新の上限値x’=x−k×Δw (2)wH1’−wH1<0のとき(図13(b)参
照) 新の上限値x’=x+k×Δw ただし、kは、予め定めた例えば2又はそれに近い正の
実数である。そして、下限値xはシフトさせないこ
ととする。
【0064】2.重量ランク2において、平均重量値w
H2の変動量を調べる。|wH2’−wH2|=Δw
とする。 (1)wH2’−wH2≧0のとき(図14参照) (a)x’≧xのとき(図14(a)参照) 新の上限値x’=x−k×(Δw+Δw
) (b)x’<xのとき(図14(b)参照) Δw≧Δwのとき 新の上限値x’=x−k×(Δw−Δw
) Δw<Δwのとき 新の上限値x’=x+k×(Δw−Δw
【0065】(2)wH2’−wH2<0のとき(図1
5参照) (a)x’≧xのとき(図15(a)参照) Δw≧Δwのとき 新の上限値x’=x+k×(Δw−Δw
) Δw<Δwのとき 新の上限値x’=x−k×(Δw−Δw
) (b)x’<xのとき(図15(b)参照) 新の上限値x’=x+k×(Δw+Δw
) となる。
【0066】以下、重量ランク3〜nについても上記と
同様に場合分けを行って対応する式適用して演算し、新
の上限値x’〜xn+1 ’を求めて各上限値の設
定を変更する。これにより、変更後の各上限値及び下限
値により定められた各重量ランクに計量済み物品14が
振り分けられた時に、各重量ランクにおいて、計量値の
平均重量値wH1’〜wHn’を対応する各重量ランク
の目標重量値w〜wに一致又は略一致させるこ
とができる。なお、上記説明では、重量ランク1の新の
上限値x’から順に上位に向かって重量ランクnの
新の上限値xn+1 ’までを計算したが、これに代え
て、平均重量値及び上限値の変動量に基づいて重量ラン
クnの新の上限値xn+1’から順に下位に向かって重
量ランク1の新の上限値x’までを計算してもよ
い。
【0067】この重量選別機は、図1に示す重量選別機
において、目標重量値設定手段と、平均重量値算出手段
と、境界重量値算出手段と、境界重量値変更手段と、を
設けたものである。目標重量値設定手段は、重量選別の
本稼働の前段階でn個の各重量ランクごとに既知の目標
重量値w〜wをキーボード11を操作して設定
する手段であり、CPU9、記憶部10、及びキーボー
ド11を含む構成である。平均重量値算出手段は、重量
選別の本稼働の段階で各重量ランクに選別された物品の
各重量ランクごとの夫々の平均重量値wH1’〜
Hn’を算出する手段である。そして、この平均重量
値算出手段は、CPU9が記憶部10に記憶されている
プログラムに従って予め設定されているQ個の物品14
が計量コンベア2を通過して対応する重量ランクに振り
分けられるごとに各平均重量値wH1’〜wHn’を算
出するように設定されている。
【0068】境界重量値算出手段は、平均重量値算出手
段が平均重量値wH1’〜wHn’を算出するごとに、
上述した新の上限値x’〜xn+1 ’を上記各計
算式を使用して算出する手段であり、上記各計算式を含
む所定のプログラムが記憶されている記憶部10とこの
プログラムに従って新の上限値x’〜xn+1’を
算出するCPU9を含む構成である。即ち、平均重量値
とこの平均重量値と対応する目標重量値との重量差、及
び変更後の新の上限値及び下限値に基づいて、本稼働の
段階で今後各重量ランクに選別される物品の各平均重量
値を、それら各平均重量値の所属する夫々の重量ランク
に設定されている目標重量値w〜wに一致又は
略一致させることができる各重量ランクの重量範囲を定
める新の上限値x’〜xn+1 ’を算出する手段
である。境界重量値変更手段は、先に設定されている旧
の上限値x〜xn+1 に代えて今回算出した新の
上限値x’〜xn+1 ’に設定を変更する手段で
ある。
【0069】この実施形態の重量選別機によると、重量
選別の本稼働の段階で各重量ランクに選別された物品の
各重量ランクごとの夫々の平均重量値wH1’〜
Hn’を平均重量値算出手段が算出し、互いに対応す
る平均重量値wHKと目標重量値w との重量差、及
び先に求めた新の上限値に基づいて、本稼働の段階で今
後各重量ランクに選別される物品14の各平均重量値
を、それと対応する各目標重量値w〜wに一致
又は略一致させることができる各重量ランクの重量範囲
を定める新の上限値(境界値)x’〜xn+1
を境界重量値算出手段が算出することができる。そし
て、境界重量値変更手段が、先に設定されている旧の上
限値(境界値)x〜xn+1 に代えて今回算出し
た新の上限値x’〜xn+1 ’に設定を変更するこ
とができる。これにより、本稼働中において物品の重量
分布が変った場合でも、物品の重量ランクごとの夫々の
平均重量値を、対応する目標重量値に一致又は略一致さ
せることができる。そして、第4実施形態のように物品
14の重量分布データを求めることなく各重量ランクの
境界重量値を算出することができるので、計算が簡単で
あり、CPU9の費用の低減を図ることができる。
【0070】
【発明の効果】第1及び第2の各発明によると、重量選
別の本稼働の前段階において、各目標重量値及び重量分
布データに基づいて、各重量ランクに選別される物品の
重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それと対応する
目標重量値に一致又は略一致させることができる各重量
ランクの各境界重量値を算出して設定しているので、本
稼働において、各重量ランクに選別された物品の各重量
ランクごとの夫々の平均重量値が、それと対応する各目
標重量値に一致又は略一致することとなる。このよう
に、本稼働において、各重量ランクに選別された物品の
平均重量値W が、それと対応する各目標重量値W
に一致又は略一致することとなると、或る重量ラン
クの物品の合計重量が所定重量Wとなるように計量
した場合、その所定重量Wを構成する物品の個数N
は、W/Wの演算により求めることができる。
これにより、本稼働において、各重量ランクごとに合計
重量がWであって個数がN個又は略N個の物品を作
ることができる。その結果、合計重量がWであり、
物品を整列させて箱詰めしたときのその整列の形態が互
いに等しいものを作ることができ、見栄えが良い。な
お、合計重量Wは、各重量ランクごとに異なるもの
としてもよいし、同一としてもよい。また、各重量ラン
クごとに合計個数がN個であって、合計重量がW
は略Wの物品の組を作ることができる。その結果、
商品を1組N個で販売する場合、商品の実質価値を重量
に置くという考え方において、定数のN個を取り出し時
の各組の夫々の総重量が略一定の商品を得ることができ
るので、売手又は買い手にとって合理的な取引が可能と
なる。
【0071】第3の発明によると、重量選別の本稼働前
には物品の重量分布データが未知の場合に適用すること
ができ、本稼働前に、複数の物品の各重量を実際に計量
することにより物品の重量分布データを設定することが
できる。
【0072】第4の発明は、物品の重量が各重量ランク
の重量範囲に亘って略均一に分布していることが、本稼
働前において既知の場合に適用することができるもので
ある。この発明によると、本稼働前に各重量ランクの重
量範囲の中心重量値又は略中心重量値が目標重量値とな
るように各重量範囲の上限境界重量値と下限境界重量値
を算出して設定すしているので、本稼働において各重量
ランクに選別された物品の各重量ランクごとの夫々の平
均重量値が、それと対応する目標重量値と一致又は略一
致することとなる。これにより、所望の重量ランクにお
いて予め定めた合計重量Wであって予め定めた個数
Nの集合物品を作ることができる。このように、第4の
発明によると、各重量ランクの境界重量値を算出するた
めの計算が簡単であり、演算器の費用の低減を図ること
ができる。なお、従来では、互いに隣合う重量ランクの
一方の目標重量値と他方の目標重量値との間の中間重量
値を境界重量値として設定しているので、本稼働におい
て各重量ランクに選別された物品の各重量ランクごとの
夫々の平均重量値が目標重量値に一致しないという問題
があり、更に、これにより、合計重量Wを構成する
物品の個数を予め定めたNに揃えることができないとい
う問題もあった。
【0073】第5の発明によると、各目標重量値及び重
量選別の本稼働の段階で物品を計量して得られた重量分
布データに基づいて、本稼働の段階で今後各重量ランク
に選別される物品の重量ランクごとの夫々の平均重量値
を、それと対応する目標重量値に一致又は略一致させる
ことができる各重量ランクの重量範囲の境界重量値を算
出し、先に設定されている旧の境界重量値に代えて今回
算出した新の境界重量値に設定を変更することができ
る。これにより、本稼働中において物品の重量分布が変
った場合でも、物品の重量ランクごとの夫々の平均重量
値が、それと対応する目標重量値と一致又は略一致する
こととなり、その結果、各重量ランクにおいて所定の合
計重量Wであって個数Nが揃っている物品の計量を
続けて行うことができる。
【0074】第6の発明は、重量選別の本稼働の段階で
各重量ランクに選別された物品の各重量ランクごとの夫
々の平均重量値を算出し、互いに対応する平均重量値と
目標重量値との重量差に基づいて、本稼働の段階で今後
各重量ランクに選別される物品の各平均重量値を、それ
と対応する各目標重量値に一致又は略一致させることが
できる各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算
出する構成である。従って、第5の発明のように重量分
布データを求めることなく各重量ランクの境界重量値を
算出することができるので、計算が簡単であり、演算器
の費用の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1〜第5実施形態に係る重量選別
機を示すブロック図である。
【図2】この発明の各実施形態に係る重量選別機が境界
値を計算する方法を説明するための図である。
【図3】第1実施形態に係る重量選別機により重量選別
される物品の重量分布と境界値等を示す図である。
【図4】第2実施形態に係る重量選別機により重量選別
される物品の重量分布と境界値等を示す図である。
【図5】第2実施形態に係る重量選別機が本稼働の前段
階で境界値を自動的に算出して設定する手順を示すフロ
ーチャートである。
【図6】第3実施形態に係る重量選別機が本稼働の前段
階で境界値を自動的に算出して設定する手順を示すフロ
ーチャートである。
【図7】第3実施形態に係る重量選別機が本稼働の前段
階で求めた物品の計量値ごとの個数データを示す図であ
る。
【図8】第4実施形態に係る重量選別機が本稼働の段階
で新の境界値を自動的に算出して設定する手順を示すフ
ローチャートである。
【図9】第4実施形態に係る重量選別機が本稼働の段階
で新の境界値を自動的に算出して設定する手順を示すフ
ローチャートである。
【図10】第4実施形態に係る重量選別機の本稼働にお
ける動作手順を示す図であり、(a)は計量済み物品を
重量ランク別に振り分ける手順を示すフローチャート、
(b)は重量ランク別に目標合計重量の計量を行う手順
を示すフローチャートである。
【図11】第4実施形態に係る重量選別機の本稼働にお
ける新の境界値を演算する手順を示すフローチャートで
ある。
【図12】第5実施形態に係る重量選別機が本稼働にお
いて新の境界値を計算する方法を説明するための図であ
る。
【図13】第5実施形態に係る重量選別機が本稼働にお
いて重量ランク1の新の上限値を計算する方法を説明す
るための図であり、(a)は重量ランク1の平均重量値
が目標重量よりも大きい場合を示す図、(b)は重量ラ
ンク1の平均重量値が目標重量よりも小さい場合を示す
図である。
【図14】第5実施形態に係る重量選別機が本稼働にお
いて重量ランク2の新の上限値を計算する方法を説明す
るための図であり、(a)は重量ランク2の新の下限値
が旧の下限値よりも重い場合を示す図、(b)は重量ラ
ンク2の新の下限値が旧の下限値よりも軽い場合を示す
図である。
【図15】第5実施形態に係る重量選別機が本稼働にお
いて重量ランク2の新の上限値を計算する方法を説明す
るための図であり、(a)は重量ランク2の新の下限値
が旧の下限値よりも重い場合を示す図、(b)は重量ラ
ンク2の新の下限値が旧の下限値よりも軽い場合を示す
図である。
【符号の説明】
2 計量コンベア 3 重量検出器 9 CPU 10 記憶部 14 物品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数
    の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランク
    に該物品を選別する重量選別方法において、上記各重量
    ランクごとに目標重量値を設定する段階と、重量選別の
    本稼働の前段階で物品の重量分布データを設定する段階
    と、上記各目標重量値及び上記重量分布データに基づい
    て、本稼働の段階で上記各重量ランクに選別される物品
    の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら
    各平均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されて
    いる上記目標重量値に一致又は略一致させることができ
    る上記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算
    出して設定する段階と、を具備することを特徴とする重
    量選別方法。
  2. 【請求項2】 夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数
    の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランク
    に該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ラ
    ンクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段
    と、重量選別の本稼働の前段階で物品の重量分布データ
    を設定する重量分布設定手段と、上記各目標重量値及び
    上記重量分布データに基づいて、本稼働の段階で上記各
    重量ランクに選別される物品の上記各重量ランクごとの
    夫々の平均重量値を、それら各平均重量値が所属する夫
    々の重量ランクに設定されている上記目標重量値に一致
    又は略一致させることができる上記各重量ランクの重量
    範囲を定める境界重量値を算出して設定する境界重量値
    設定手段と、を具備することを特徴とする重量選別機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の重量選別機において、
    上記重量分布設定手段は、重量選別の本稼働の前段階で
    複数の物品の各重量を計量してこれら各物品の重量を上
    記重量分布データとして設定することを特徴とする重量
    選別機。
  4. 【請求項4】 夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数
    の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランク
    に該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ラ
    ンクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段
    と、重量選別の本稼働の前段階で上記各重量ランクの重
    量範囲の中心重量値又は略中心重量値が上記目標重量値
    となるように上記各重量範囲の上限境界重量値と下限境
    界重量値を算出して設定する境界重量値設定手段と、を
    具備することを特徴とする重量選別機。
  5. 【請求項5】 夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数
    の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランク
    に該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ラ
    ンクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段
    と、上記各目標重量値及び重量選別の本稼働の段階で物
    品を計量して得られた重量分布データに基づいて、本稼
    働の段階で今後上記各重量ランクに選別される物品の上
    記各重量ランクごとの夫々の平均重量値を、それら各平
    均重量値が所属する夫々の重量ランクに設定されている
    上記目標重量値に一致又は略一致させることができる上
    記各重量ランクの重量範囲を定める境界重量値を算出す
    る境界重量値算出手段と、先に設定されている旧の境界
    重量値に代えて今回算出した新の境界重量値に設定を変
    更する境界重量値変更手段と、を具備することを特徴と
    する重量選別機。
  6. 【請求項6】 夫々異なる重量範囲ごとに定めた所定数
    の重量ランクのうち物品の計量値が該当する重量ランク
    に該物品を選別する重量選別機において、上記各重量ラ
    ンクごとに目標重量値を設定する目標重量値設定手段
    と、重量選別の本稼働の段階で上記各重量ランクに選別
    された物品の上記各重量ランクごとの夫々の平均重量値
    を算出する平均重量値算出手段と、上記平均重量値と当
    該平均重量値と対応する上記目標重量値との重量差に基
    づいて、本稼働の段階で今後上記各重量ランクに選別さ
    れる物品の各平均重量値を、それら各平均重量値の所属
    する夫々の重量ランクに設定されている上記目標重量値
    に一致又は略一致させることができる上記各重量ランク
    の重量範囲を定める境界重量値を算出する境界重量値算
    出手段と、先に設定されている旧の境界重量値に代えて
    今回算出した新の境界重量値に設定を変更する境界重量
    値変更手段と、を具備することを特徴とする重量選別
    機。
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