JPH0643011A - 動的計量装置の計量条件決定装置 - Google Patents

動的計量装置の計量条件決定装置

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JPH0643011A
JPH0643011A JP4218215A JP21821592A JPH0643011A JP H0643011 A JPH0643011 A JP H0643011A JP 4218215 A JP4218215 A JP 4218215A JP 21821592 A JP21821592 A JP 21821592A JP H0643011 A JPH0643011 A JP H0643011A
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Toru Takahashi
孝橋  徹
Morihito Kamon
守人 加門
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Yamato Scale Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Weight Measurement For Supplying Or Discharging Of Specified Amounts Of Material (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 動的計量装置の適切な計量条件を短時間で自
動的に決定することができるようにすること。 【構成】 予め設定された計測タイミング時に重量検出
器の計量信号に基づいて物品の重量を計量する動的計量
装置において、本稼働前の段階で物品を計量したときに
異なる複数の各計測時点において重量検出器が出力する
計量信号を読み取る手段と(ステップ116 )、本稼働前
の段階で同一重量の物品を複数回計量したときに読み取
り手段が読み取った複数の計量信号を各計測時点ごとに
組分けしこの組分けした計量信号を重量データとして記
憶する手段と(ステップ118 )、重量データの標準偏差
を各組ごとに算出するばらつき度算出手段と(ステップ
122)、複数の標準偏差のうち最も小さい標準偏差を選
択し(ステップ124 )、選択した標準偏差の組と対応す
る計測時点を本稼働時の計測タイミングと決定する手段
と(ステップ126 )を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば計量コンベア
によって搬送中の物品の重量を計量する動的計量装置に
おいて、この計量装置の計測タイミングやフィルタの応
答特性に係る計量条件を自動的に決定する動的計量装置
の計量条件決定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動的計量装置の計量条件には、例えば物
品の重量を計測する計測タイミングや計量信号を処理す
るフィルタの応答特性があり、適切な夫々の計量条件を
動的計量装置に設定することにより計量精度を向上させ
ることができる。
【0003】まず、計測タイミングを決定する為の装置
として、例えば特開平3−282220号公報に記載さ
れており、この装置は重量選別機に設けられている。重
量選別機は、計量コンベアに搬入される物品の重量をこ
の計量コンベアに取り付けられている計量器で計量し、
物品搬入から予め設定されたタイミング時の計量器の重
量信号に基づいて、物品重量の選別を行う。そして、計
測タイミングを決定する為の装置は、計量器が出力する
重量信号を波形表示する重量波形表示手段と、設定タイ
ミングを重量波形と同一画面上に表示する測定タイミン
グ表示手段とを備えている。
【0004】次に、計測タイミングを決定する手順を説
明する。まず、基準物品を計量コンベアに供給すると、
図12に示すように、重量波形表示手段が重量信号の波
形を画面に表示する。この時、画面には基準物品の静止
重量99.3が表示される。また、画面には、2本の線
で現れる計測タイミングT1 、T2 も表示される。この
1 、T2 は、物品が計量コンベアに搬入されてから搬
出される時間の略中間を挟んで所定時間だけ離れたタイ
ミングを初期値としている。そして、計測タイミングT
1 〜T2 の平均重量値が動的な測定重量(98.2)と
して、図12に示すように画面に表示される。作業者
は、この重量波形と、タイミング軸T1 、T2 の位置及
び測定重量と静止重量との差を考慮して、この測定タイ
ミングT1、T2 が適切な時点であるか否かを判断す
る。つまり、この測定タイミングT1、T2 が適切であ
るか否かを判断するために、T1 、T2 を少しずつ何度
も変更して、この変更した測定タイミングごとに測定重
量のデータを作業者が収集し、そして、測定重量のデー
タの変動が少ない測定タイミングを適切なものとして決
定して、このタイミングを重量選別装置に設定する。こ
れにより、本稼働時に物品の重量を略安定して計量する
ことができる。
【0005】また、計量器が出力する信号は、フィルタ
を通り、フィルタで処理された処理信号(重量信号)に
基づいて重量波形が画面に表示される。従って、フィル
タの応答特性も測定タイミングT1 、T2 と同様に計量
精度に影響を及ぼす。その為に、測定重量の変動が少な
い応答特性のフィルタを決定する必要があり、適切な応
答特性のフィルタを選択する為には、この応答特性を少
しずつ何度も変更して、応答特性の異なるフィルタごと
に測定重量データを作業者が収集して、測定重量データ
の変動が少ない応答特性のフィルタを適切なものとして
決定し、この応答特性のフィルタを重量選別装置に設定
することが必要とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−2
82220号公報の計測タイミングを決定するための装
置によると、適切な測定タイミングT1 、T2 を決定す
るために、作業者がT1、T2 を何度も変更して、この
変更した測定タイミングごとに測定重量のデータを作業
者が収集する必要があるので、測定重量データを収集す
るために多大な時間と労力を要するという問題がある。
そして、作業者が測定重量データに基づいてその変動が
少ない測定タイミングを選択する必要があるので、作業
者に経験と熟練が要求される。従って、経験の浅い作業
者では、適切な測定タイミングを決定することができな
いという問題がある。
【0007】そして、フィルタの適切な応答特性を決定
するための上記従来の方法では、作業者がフィルタの応
答特性を何度も変更して、この応答特性を変更したフィ
ルタごとに測定重量データを収集する必要があるので、
上記と同様に多大な時間と労力を要するという問題があ
る。そして、作業者が測定重量データの変動が少ない応
答特性のフィルタを選択する必要があるので、上記と同
様に経験の浅い作業者では、適切な応答特性のフィルタ
を決定することができないという問題がある。
【0008】本発明は、適切な計量条件を短時間で自動
的に決定することができる動的計量装置の計量条件決定
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、予め設定
された計測タイミング時に重量検出器の出力する計量信
号に基づいて物品の重量を計量する動的計量装置におい
て、本稼働前の段階で上記重量検出器により物品を計量
したときに異なる複数の各計測時点において上記重量検
出器が出力する計量信号を読み取る読み取り手段と、上
記本稼働前の段階で略同一重量の物品を複数回計量した
ときに上記読み取り手段が読み取った複数の計量信号を
上記各計測時点ごとに組分けしこれらの組分けした計量
信号を重量データとして記憶する記憶手段と、この記憶
手段に記憶されている重量データのばらつき度を各組ご
とに算出するばらつき度算出手段と、このばらつき度算
出手段が算出した複数のばらつき度のうち比較的小さい
ばらつき度を選択しその選択したばらつき度の組と対応
する計測時点を本稼働時の上記計測タイミングと決定す
る計測タイミング決定手段と、を具備することを特徴と
するものである。
【0010】第2の発明は、予め設定された計測タイミ
ング時に重量検出器の出力する計量信号に基づいて物品
の重量を計量する動的計量装置において、夫々が異なる
応答特性を有し上記計量信号を処理して夫々が処理信号
を出力する複数のフィルタと、本稼働前の段階で上記重
量検出器により物品を計量したときに本稼働時の上記計
測タイミング時に上記複数の各フィルタが出力する夫々
の処理信号を読み取る読み取り手段と、上記本稼働前の
段階で略同一重量の物品を複数回計量したときに上記読
み取り手段が読み取った複数の処理信号を上記各フィル
タごとに組分けしこれらの組分けした処理信号を重量デ
ータとして記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶さ
れている重量データのばらつき度を各組ごとに算出する
ばらつき度算出手段と、このばらつき度算出手段が算出
した複数のばらつき度のうち比較的小さいばらつき度を
選択しその選択したばらつき度の組と対応するフィルタ
を本稼働時に使用するフィルタと決定するフィルタ決定
手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0011】第3の発明は、予め設定された計測タイミ
ング時に重量検出器の出力する計量信号に基づいて物品
の重量を計量する動的計量装置において、夫々が異なる
応答特性を有し上記計量信号を処理して夫々が処理信号
を出力する複数のフィルタと、本稼働前の段階で上記重
量検出器により物品を計量したときに異なる複数の各計
測時点において上記複数の各フィルタが出力する夫々の
処理信号を読み取る読み取り手段と、上記本稼働前の段
階で略同一重量の物品を複数回計量したときに上記読み
取り手段が読み取った複数の処理信号を上記フィルタ及
び上記計測時点が共通するもので組分けしこれらの組分
けした処理信号を重量データとして記憶する記憶手段
と、この記憶手段に記憶されている重量データのばらつ
き度を各組ごとに算出するばらつき度算出手段と、この
ばらつき度算出手段が算出した複数のばらつき度のうち
比較的小さいばらつき度を選択しその選択したばらつき
度の組と対応するフィルタを本稼働時に使用するフィル
タと決定すると共にその選択したばらつき度の組と対応
する計測時点を本稼働時の上記計測タイミングと決定す
る計量条件決定手段と、を具備することを特徴とするも
のである。
【0012】
【作用】第1の発明によると、本稼働前の段階で、即
ち、調整段階で物品を計量したときに、複数の異なる各
計測時点において出力された夫々の計量信号を読み取り
手段が読み取る。記憶手段は、調整段階で、略同一重量
の物品が複数回計量されたときに、読み取り手段が読み
取った計量信号を各計測時点ごとに組分けし、これらの
組分けした計量信号を重量データとして記憶する。次
に、ばらつき度算出手段が、記憶手段に記憶されている
重量データのばらつき度を各組ごとに算出する。そし
て、計測タイミング決定手段が、複数のばらつき度のう
ち比較的小さいばらつき度を選択して、その選択したば
らつき度の組と対応する計測時点を本稼働時の計測タイ
ミングと決定する。
【0013】第2の発明によると、夫々異なる応答特性
を有する複数のフィルタが計量信号の処理をして、夫々
が処理信号を出力する。そして、本稼働前の段階で、即
ち、調整段階で物品を計量したときに、本稼働時の計測
タイミング時に出力された処理信号を各フィルタごとに
読み取り手段が読み取る。記憶手段は、調整段階で、略
同一重量の物品を複数回計量したときに、読み取り手段
が読み取った複数の処理信号を各フィルタごとに組分け
し、これらの組分けした処理信号を重量データとして記
憶する。次に、ばらつき度算出手段が、記憶手段に記憶
されている重量データのばらつき度を各組ごとに算出す
る。そして、フィルタ決定手段が、複数のばらつき度の
うち比較的小さいばらつき度を選択して、その選択した
ばらつき度の組と対応するフィルタを本稼働時に使用す
るフィルタと決定する。
【0014】第3の発明によると、夫々異なる応答特性
を有する複数のフィルタが計量信号の処理をして、夫々
が処理信号を出力する。そして、本稼働前の段階で、即
ち、調整段階で物品を計量したときに、異なる複数の各
計測時点において出力された夫々の処理信号を各フィル
タごとに読み取り手段が読み取る。記憶手段は、調整段
階で略同一重量の物品を複数回計量したときに、読み取
り手段が読み取った複数の処理信号をフィルタ及び計測
時点が共通するもので組分けし、これらの組分けした処
理信号を重量データとして記憶する。次に、ばらつき度
算出手段が、記憶手段に記憶されている重量データのば
らつき度を各組ごとに算出する。そして、計量条件決定
手段が、複数のばらつき度のうち比較的小さいばらつき
度を選択して、その選択したばらつき度の組と対応する
フィルタを本稼働時に使用するフィルタと決定すると共
にその選択したばらつき度の組と対応する計測時点を本
稼働時の計測タイミングと決定する。
【0015】
【実施例】第1実施例は、重量選別機に第1の発明の動
的計量装置の計量条件決定装置を実施したものである。
この重量選別機は、図5に示すように、送り込みコンベ
ア1、計量コンベア2、送り出しコンベア3を備えてお
り、計量コンベア2は、ロードセル等の重量検出器4に
より支持されている。また、送り込みコンベア1と計量
コンベア2との間には、物品6の有無を検出する為の例
えばフォトセンサ5等の物品検出器を設けてある。物品
6は、送り込みコンベア1、計量コンベア2、送り出し
コンベア3によって図5の左側から右側方向に搬送され
る。
【0016】図6は、この重量選別機及び計量条件決定
装置の電気回路を示すブロック図である。図に示す4は
重量検出器、7は増幅器、8はフィルタ、9はA/D変
換器、10はマイクロコンピュータの入出力回路であ
り、11はマイクロプロセッサ(以下、CPUとい
う。)、12はROM、RAM、E2 ROM等のメモリ
ー素子を備える記憶部、5はフォトセンサ、13は入力
部である。
【0017】この重量選別機により物品の重量を選別す
るときは、物品を図5に示す送り込みコンベア1に供給
する。送り込みコンベア1で搬送される物品6は、計量
コンベア2の直前のa位置でフォトセンサ5を遮光し
て、この時図5に示すフォトセンサ5の出力パルスがC
PU11に入力する。そして、物品が計量コンベア2上
に乗ると、重量検出器4が計量信号を出力し、この計量
信号は増幅器7で増幅されて、フィルタ8で高周波分が
除去され、そして図5に示す重量波形(重量検出器4の
出力信号)で表す計量信号に処理される。そして、この
計量信号は、A/D変換器9によりデジタル計量信号に
変換される。A/D変換器9は、極めて短い時間間隔τ
msec、例えば0.1msec〜1msecに1回づ
つA/D変換するタイプのものである。そして、フォト
センサ5の出力パルスがCPU11に入力してから予め
設定されている所定時間TI が経過した時(図5に示す
計測タイミングTI となった時)に、即ち、A/D変換
器9の出力するデジタル計量信号が安定するタイミング
I となったときに、CPU11が物品計量値を求め、
その計量値を予め設定されている許容重量値と比較し、
その比較結果を選別信号として送り出しコンベア3に送
出する。これにより、許容重量外の物品は許容重量内の
物品と異なる搬送経路に送られる。
【0018】また、この重量選別機は、上述したように
順次搬入される物品の選別を行う選別モードと、計測タ
イミングを設定する調整モードとを有しており、調整モ
ードにおいて動的計量装置の計量条件決定装置を使用す
ることができる。この計量条件決定装置は、簡単に言う
と、調整モードにおいて、略同一重量の物品を複数回計
量したときに得られた重量データを、複数の各計測時点
ごとに組分けして記憶し、そして、各組ごとに重量デー
タのばらつき度を算出し、これらの複数のばらつき度の
うちから最も小さいばらつき度の計測時点を本稼働時の
計測タイミングとして決定することができるものであ
る。これにより、高い計量精度が得られる計測時点を自
動的に決定することができ、本稼働時にこの決定した計
測時点で物品を計量することができる。
【0019】この計量条件決定装置は、CPU11、記
憶部12、及び記憶部12に予め書き込まれているプロ
グラムによって構成されている。即ち、CPU11は、
重量検出器4より供給される計量信号を重量データとし
て、記憶部12に書き込まれているプログラムに従って
演算処理し、その処理結果に基づいて本稼働時の計測タ
イミングを決定する機能を備えている。つまり、この機
能を達成するための読み取り手段、記憶手段、ばらつき
度算出手段及び計測タイミング決定手段を備えている。
【0020】読み取り手段は、本稼働前の段階、即ち、
調整段階で物品を計量コンベア2に送り込んで物品を計
量する際に、異なる複数の各計測時点において重量検出
器4が出力する計量信号を読み取るものである。記憶手
段は、記憶部12を構成するRAMであり、調整段階で
略同一重量の物品を複数回計量したときに、読み取り手
段が読み取った複数の計量信号を各計測時点ごとに組分
けし、これらの組分けした計量信号を重量データとして
記憶するものである。
【0021】ばらつき度算出手段は、記憶手段に記憶さ
れている重量データのばらつき度を各組ごとに算出する
ものである。計測タイミング決定手段は、ばらつき度算
出手段が算出した複数のばらつき度のうち最も小さいば
らつき度を選択し、その選択したばらつき度の組と対応
する計測時点を本稼働時の計測タイミングと決定するも
のである。なお、計測タイミング決定手段が決定した計
測時点は記憶部12に記憶され、この計測時点が計測タ
イミングとして使用される。
【0022】次に、この計量条件決定装置により、図5
に示す計測タイミングTI を決定する手順を図1に示す
フローチャートを参照して説明する。このフローチャー
トに対応するプログラムは、記憶部12のPROMに記
憶されている。予め、作業者がキーボード(入力部1
3)を操作して、プログラムを調整モードに設定する
(ステップ100)。次に、計量コンベア2の長さ
1 、物品搬送速度V、被計量物品の長さL2 を設定す
る。すると、CPU11がL1 、V及びL2 から決まる
計測時点TI ’及びTI ”を算出する。なお、TI
は、図5に示すように、物品の先端が計量コンベア2の
全長の約1/3の所を差しかかる時点であり、TI
は、物品の先端が計量コンベア2の終端の手前の所を差
しかかる時点としている。そして、計測時点TI ’〜T
I ”の時間幅がTW ’である。
【0023】ここで、基準物品を送り込みコンベア1に
より計量コンベア2に搬入させると、物品の搬入開始が
フォトセンサ5によって検知され(ステップ102)、
物品を検知した時点からTI ’時間が経過した時よりT
W ’時間が経過するまでの間、CPU11がA/D変換
器9の出力するデジタル計量信号を読み取り(ステップ
104、106)、その読み取った順番に計量信号を記
憶部12に記憶する(ステップ108)。なお、A/D
変換器9は、τ時間ごとにアナログ計量信号をデジタル
計量信号に変換しているので、物品を計量コンベア2に
1回通過させる度に(TW ’/τ)+1個の重量データ
が記憶部12に記憶される。そして、物品がフォトセン
サ5によって検知されてからTI ”時間経過した時点
で、基準物品が計量コンベア2を通過した回数のカウン
ト値TC1 を1だけ加算して(ステップ110、11
2、114)、カウント値TC1 をアドレスポインタA
DPにセットする(ステップ116)。つまり、今回が
最初であるからカウント値TC1 は1である。また、今
回得られた(TW ’/τ)+1=n個の重量データは、
ADPが指定するメモリー領域に記憶される。即ち、図
3に示すように、1回目の計量により、W1,1
2,1 、W3,1 、・・・Wk,1 ・・・Wn,1 の重量デー
タが第1回目のメモリー領域に記憶されて、1回目の計
量が終了する。
【0024】同様にして、この基準物品の計量をm回繰
り返して行って、図3に示す夫々の重量データをADP
が指定するメモリー領域に記憶する(ステップ118、
120)。即ち、1回目の計量からm回目の計量までに
得られた重量データは、図3に示すようにn×m個あ
り、計量回数ごとの重量データが行をなし、計測時点ご
との重量データが列をなすマトリクスを形成している。
このように、計量信号W1,1 、W2,1 、・・・・Wn,1
を読み取るのが読み取り手段であり、この読み取った計
量信号を各計測時点ごとに組分けして重量データとして
記憶するのが記憶手段である。ただし、図1に示すF1
は、調整モードフラグである。調整モードフラグF1
1であるときは、CPU11が調整モードに設定されて
いる。F2 は、フォトセンサ遮光フラグである。フォト
センサ遮光フラグF2 =1であるときは、物品がフォト
センサ5を遮光した状態を示している。
【0025】このようにしてm回の計量が終了すると、
図3に示すt1 の計測時点の重量データW1,1 、W1,2
・・・・W1,m の組のばらつき度、例えば標準偏差σ1
をCPU11が算出する。同様にしてCPU11が計測
時点t2 、t3 ・・・tk ・・・tn の夫々の組の標準
偏差σ2 、σ3 ・・・σk ・・・σn を算出する(ステ
ップ122)。そして、これらσ1 〜σn を計量回数の
番号順に配置して記憶部12に記憶する。この標準偏差
を算出するのがばらつき度算出手段である。
【0026】次に、CPU11がこれらσ1 〜σn のう
ちで最も小さいものを選び出して(ステップ124)、
計量精度の最も良い計測時点を決定する。この最も値の
小さい標準偏差を選択するのが計測タイミング決定手段
である。その方法は、まず、σ1 を別の所定のメモリー
領域に移して、σ2 の値と比較する。そして、σ1 ≧σ
2 であればσ2 をσ1 と置き換えて、σ2 をその所定の
メモリー領域に記憶する。ただし、σ1 <σ2 であれば
σ1 をメモリー領域にそのまま記憶しておく。このよう
にしてメモリー領域に最初に記憶したσ1 とσ2 〜σn
とを順次比較して、値の最も小さいσをメモリー領域に
記憶し、これにより最小のσを選択する。ただし、この
ようにしてメモリー領域に記憶されるσは、同じ値のも
のが2以上あった場合は、図3に示す計測時刻tn に最
も近い計測時刻の重量データのσである。しかし、計測
コンベアの速度が変動しても、必ず物品が送り出しコン
ベア3に接触する前に物品の重量を計量することができ
るように、計測タイミングとして決定する計測時間は、
なるべく計測時点t1 に近い計測時点を選ぶことが合理
的である。そのために、上記のようにして選択したσが
例えばσk とすると(図4参照)、σk をσ1 〜σn
番号順に再度比較して、σk と最初に一致する値のσを
選び出す。この選び出したものが例えばσk ’であると
すると(図4参照)、このσk ’の重量データの組の例
えば計測時点tk ’が計量精度の最も良い計測時点であ
ると、自動的に決定することができる(ステップ12
6)。しかも、最小値のσが2以上ある場合は、図3に
示す計測時点t1 に近いものを選ぶことができる。
【0027】次に、物品6がフォトセンサ5を遮光して
から所定時間経過後に物品の重量を計測するタイミン
グ、即ち、図5に示す計測タイミングTI のタイマー時
間の設定について説明する。ここで、上記のようにして
選択したσk ’の計測時点tk’は、図3に示すよう
に、計測時点t1 (=TI ’)からτ(k ’−1)ms
ec経過した時点であるので、 計測タイミングTI =TI ’+τ(k ’−1) の式よりCPU11が算出し(ステップ128)、この
算出したTI を記憶部12に記憶する(ステップ13
0)。これにより、計測タイミングを決定して、設定す
ることができる。しかる後に、計量回数カウンタのカウ
ント値TC1 を0に設定し(ステップ132)、調整モ
ードフラグF1 を0に設定して(ステップ134)、選
別モードとなる。
【0028】次に、本稼働において、物品を重量選別す
る手順を図2のフローチャートを参照して説明する。上
記のようにして、計測タイミングTI が自動的に設定さ
れて、選別モードになった状態で物品を計量コンベア2
に送り込むと、この物品によりフォトセンサ5が遮光さ
れ(ステップ200)、この遮光された時点からTI
sec経過して計測タイミングとなった時にCPU11
が計量信号を読み込む(ステップ202、204)。そ
して、フォトセンサ遮光フラグF2 を0にセットして
(ステップ206)、計量終了フラグF3 を1にセット
する(ステップ208)。しかる後に、この読み取った
計量信号を予め設定されている許容重量値と比較し、そ
の比較結果を選別信号として送り出しコンベア3に送出
する。これにより、許容重量外の物品は許容重量内の物
品と異なる搬送経路に送られる(ステップ210、21
2、214)。このようにして、順次計量コンベア2に
送り込まれる物品の重量選別を行うことができる。
【0029】第2実施例は、重量選別機に第2の発明の
動的計量装置の計量条件決定装置を実施したものであ
る。この重量選別機は、第1実施例で説明したものと同
等であるので詳細な説明を省略する。第2実施例の計量
条件決定装置は、簡単に言うと、略同一重量の物品を複
数回計量したときに得られた重量データを、複数の各デ
ジタルフィルタごとに組分けして記憶し、そして、各組
ごとに重量データのばらつき度を算出し、これらの複数
のばらつき度のうちから比較的(例えば最も)小さいば
らつき度のデジタルフィルタを本稼働時に使用するデジ
タルフィルタと決定することができるものである。これ
により、高い計量精度が得られるデジタルフィルタを自
動的に決定することができ、その決定したデジタルフィ
ルタを本稼働時に使用することができる。
【0030】この計量条件決定装置は、第1実施例と同
様に、CPU11、記憶部12、及び記憶部12に予め
書き込まれているプログラムによって構成されている。
即ち、CPU11は、重量検出器4より供給される計量
信号を重量データとして、記憶部12に書き込まれてい
るプログラムに従って演算処理し、その処理結果に基づ
いて本稼働(選別モード)時に使用するデジタルフィル
タを決定する機能を備えている。つまり、この機能を達
成するためのデジタルフィルタ、読み取り手段、記憶手
段、ばらつき度算出手段及びフィルタ決定手段を備えて
いる。従って、デジタルフィルタは、図6に示すフィル
タ8を言うものではない。
【0031】デジタルフィルタは、夫々が異なる応答特
性(時定数)を有し、計量信号を処理して夫々が処理信
号を出力するものである。読み取り手段は、調整モード
で重量検出器4により物品を計量したときに、本稼働
(選別モード)時の計測タイミングTI 時に複数の各デ
ジタルフィルタが出力する夫々の処理信号を読み取るも
のである。つまり、デジタルフィルタの応答特性が違え
ば、同一の計測タイミングにおいて各デジタルフィルタ
が出力する処理信号のばらつきも異なるので、それら異
なる処理信号を読み取る。
【0032】記憶手段は、調整モードにおいて、略同一
重量の物品を複数回計量したときに、読み取り手段が読
み取った複数の処理信号を各デジタルフィルタごとに組
分けし、これらの組分けした処理信号を重量データとし
て記憶するものである。ばらつき度算出手段は、記憶手
段に記憶されている重量データのばらつき度を各組ごと
に算出するものである。フィルタ決定手段は、ばらつき
度算出手段が算出した複数のばらつき度のうち、最も小
さいばらつき度を選択し、その選択したばらつき度の組
と対応するデジタルフィルタを本稼働時に使用するよう
に決定するものである。
【0033】ここで、図8(a)に示すRC回路を例に
とって、デジタルフィルタを説明する。図8(a)に示
すように、入力をf(t) 、出力電圧をh(t) とすると、 f(t) =CR・(dh(t) /dt )+h(t) の微分方程式が得られ、この式を変形すると、 f(nτ)=CR・〔h(nτ)−h((n-1) τ)〕/
τ+h(nτ) h(nτ)〔(CR/τ) +1〕=[ CR・h((n-1)
τ)] /τ+f(nτ) h(nτ)=A・h((n-1) τ)+B・f(nτ) となる。ただし、 A=CR/〔((CR/τ)+1)・τ〕、B=1/
〔(CR/τ)+1〕 である。従って、デジタルフィルタは、図8(b)に示
すブロック図で表すことができる。このデジタルフィル
タはプログラムされており、このプログラムをCPU1
1が実行して計量信号を処理する。
【0034】ここで、時定数CR=TX として、TX
値をTX =T1 、T2 、T3 、・・・、TP と変更し、
例えば計測時点tk を計測タイミングTI として、この
計測タイミングTI における各デジタルフィルタの出力
値(処理信号)を重量データとして記憶部12に記憶す
る。
【0035】次に、調整モードにおいて、この重量デー
タの取得手順を説明する。まず、第1実施例と同様に基
準物品を計量コンベア2に送り込むと、図3に示す計測
時点TI ’から計測タイミングTI までの間の各計測時
点において重量検出器4の出力する計量信号W1,1 、W
2,1 ・・・・Wk,1 までをCPU11が読み込んで記憶
部12に記憶する。しかる後に、TX =T1 と設定した
ときのデジタルフィルタにW1,1 、W2,1・・・・W
k,1 の計量信号を入力し、計測タイミングTI 時にこの
デジタルフィルタが出力する処理信号W1,k,1 を記憶部
12に記憶する。同様にして、TX =T2 、T3 、・・
・、TP と変更したときの各デジタルフィルタに
1,1 、W2,1 ・・・・Wk,1 の計量信号を入力し、計
測タイミングTI 時に各デジタルフィルタが出力する各
処理信号W2,k,1 、・・・・、WP,k,1 を記憶部12に
記憶する。このようにして、基準物品の1回目の計量に
より、時定数TX =T1 、T2、T3 、・・・、TP
した場合の、計測タイミングTI =tk の時点における
処理信号を記憶部12に記憶することができ、その状態
を図7に示す。同様にして、基準物品の2回目の計量、
3回目の計量、・・・m回目の計量を行い、図7に示す
ように、時定数TX =T1 、T2 、T3 、・・・、TP
とした場合の、計測タイミングTI =tk の時点におけ
る処理信号を記憶部12に記憶し、これにより、処理信
号のマトリクスを作成する。このように、計測タイミン
グTI 時の処理信号を読み取るのが読み取り手段であ
り、処理信号を各時定数ごとに組分けして記憶するのが
記憶手段である。
【0036】次に、図7に示す各時定数TX ごとに組分
けした処理信号のうち、処理信号のばらつき度の最も小
さい組を選択して、計量精度の最も良い時定数を決定す
る。つまり、m回の計量が終了すると、図7に示すTX
=T1 における処理信号W1,k,1 、W1,k,2 、・・・、
1,k,m の組のばらつき度、例えば標準偏差σ1 ’をC
PU11が算出する。同様にしてCPU11が時定数T
X =T2 、T3 、・・・、TP の夫々の組の標準偏差σ
2 ’、σ3 ’・・・σP ’を算出する。この標準偏差を
算出するのがばらつき度算出手段である。そして、これ
らσ1 ’〜σP’のうちから最小のものを選択して、こ
の選択したσの組の時定数のデジタルフィルタを本稼働
時(選択モード)に使用する。このように標準偏差の最
小のものを選択するのがフィルタ決定手段である。即
ち、本稼働時に物品を計量したときに重量検出器4の出
力する計量信号を、上記のようにして決定した時定数の
デジタルフィルタで処理し、計測タイミングTI 時にこ
のデジタルフィルタが出力した処理信号をその物品の計
量値として取得して、第1実施例と同様にして重量選別
をする。
【0037】ただし、最小値のσが複数個存在する場合
は、任意の1つを選択してもよいが、望ましくは、これ
ら大きさの等しい複数個のσのうち時定数の最も大きい
組のσを選択してもよい。時定数の大きいデジタルフィ
ルタの方が小さいものよりも各種ノイズの除去効果が大
きいからである。
【0038】第3実施例は、重量選別機に第3の発明の
動的計量装置の計量条件決定装置を実施したものであ
る。この重量選別機は、第1実施例で説明したものと同
等であるので詳細な説明を省略する。第3実施例の計量
条件決定装置は、第1実施例と第2実施例の各計量条件
決定装置の両方の機能を備えるものであり、簡単に言う
と、略同一重量の物品を複数回計量したときに得られた
重量データを、デジタルフィルタ及び計測時点が共通す
るもので組分けして記憶し、そして、各組ごとに重量デ
ータのばらつき度を算出し、これらの複数のばらつき度
のうちから最も小さいばらつき度を選択する。そして、
この選択したばらつき度の組と対応するフィルタを本稼
働(選択モード)時に使用するフィルタと決定すると共
にその選択したばらつき度の組と対応する計測時点を本
稼働(選択モード)時の計測タイミングと決定すること
ができるものである。これにより、高い計量精度が得ら
れるデジタルフィルタと計測タイミングを自動的に決定
することができ、その決定したデジタルフィルタと計測
タイミングを本稼働時に使用することができる。
【0039】この計量条件決定装置は、第1実施例と同
様に、CPU11、記憶部12、及び記憶部12に予め
書き込まれているプログラムによって構成されている。
即ち、CPU11は、重量検出器4より供給される計量
信号を重量データとして、記憶部12に書き込まれてい
るプログラムに従って演算処理し、その処理結果に基づ
いて本稼働(選別モード)時に使用するデジタルフィル
タと計測タイミングを決定する機能を備えている。つま
り、この機能を達成するためのデジタルフィルタ、読み
取り手段、記憶手段、ばらつき度算出手段及び計量条件
決定手段を備えている。従って、デジタルフィルタは、
第2実施例と同様に図6に示すフィルタを言うものでは
ない。
【0040】デジタルフィルタは、夫々が異なる応答特
性(時定数)を有し、計量信号を処理して夫々が処理信
号を出力するものである。読み取り手段は、本稼働前の
段階(調整モード)で重量検出器4により物品を計量し
たときに、異なる複数の各計測時点において複数のデジ
タルフィルタが出力する夫々の処理信号を読み取るもの
である。
【0041】記憶手段は、本稼働前の段階で略同一重量
の物品を複数回計量したときに、読み取り手段が読み取
った複数の処理信号をデジタルフィルタ及び計測時点が
共通するもので組分けし、これらの組分けした処理信号
を重量データとして記憶するものである。ばらつき度算
出手段は、記憶手段に記憶されている重量データのばら
つき度を各組ごとに算出するものである。計量条件決定
手段は、ばらつき度算出手段が算出した複数のばらつき
度のうち最も小さいばらつき度を選択し、その選択した
ばらつき度の組と対応するデジタルフィルタを本稼働
(選択モード)時に使用するデジタルフィルタと決定す
ると共にその選択したばらつき度の組と対応する計測時
点を本稼働時の計測タイミングと決定するものである。
【0042】ここで、デジタルフィルタは、第2実施例
のものと同様に、図8(b)に示すブロック図で表すこ
とができるものであり、プログラムされたものである。
そして、このプログラムをCPU11が実行して計量信
号を処理する。そして、図9に示すように、時定数CR
=TX として、TX の値をTX =T1、T2 、T3 、・
・・、TP と変更し、各時定数ごとに計測時点t1 、t
2 、t 3 、・・・、tn における各デジタルフィルタの
出力値(処理信号)h(nτ)を重量データとして記憶
部12に記憶する。
【0043】次に、調整モードにおいて、この重量デー
タを得るための手順を説明する。まず、第1実施例と同
様に第1回目の基準物品を計量コンベア2に送り込む
と、図3に示す計測時点TI ’から計測タイミング
I ”までの各計測時点t1 、t2、・・・、tn にお
いて重量検出器4の出力する計量信号W1,1 、W2,1
・・・Wn,1 までをCPU11が読み込んで記憶部12
に記憶する。
【0044】しかる後に、TX =T1 と設定したときの
デジタルフィルタにW1,1 、W2,1・・・・Wn,1 の計
量信号を入力し、計測時点t1 、t2 、・・・、tn
おいてこのデジタルフィルタが出力する処理信号W
1,1,1 〜W1,n,1 を記憶部12に記憶する。同様にし
て、TX =T2 、T3 、・・・、TP と変更したときの
各デジタルフィルタにW1,1 、W2,1 ・・・・Wn,1
計量信号を入力し、各計測時点t1 、t2 、・・・、t
n において各デジタルフィルタが出力する各処理信号
(W2,1,1 〜W2,n,1 )、(W3,1,1 〜W3,n,1 )、・
・・・、(WP,1,1 〜WP,n,1 )を記憶部12に記憶す
る。このようにして、基準物品の1回目の計量により、
時定数TX =T1 、T2 、T3 、・・・、TP とした場
合の、計測時点t1 、t2 、・・・、tn における処理
信号を記憶部12に記憶することができ、その状態を図
9に示す。同様にして、基準物品の2回目の計量、3回
目の計量、・・・m回目の計量を行い、図9に示すよう
に、時定数TX =T1 、T2 、T3、・・・、TP とし
た場合の、各計測時点t1 、t2 、・・・、tn におけ
る処理信号を記憶部12に記憶し、これにより、処理信
号のマトリクスを作成する。このように、各計測時点t
1 〜tn の処理信号を読み取るのが読み取り手段であ
り、処理信号をデジタルフィルタ(時定数)及び計測時
点が共通するもので組分けして記憶するのが記憶手段で
ある。
【0045】次に、図9に示す時定数T1 〜TP 及び計
測時点t1 〜tn が共通する処理信号ごとに組分けした
処理信号のデータ、即ち、図9に示す縦の列ごとの処理
信号のデータ(W1,1,1 、W1,1,2 〜W1,1,m )、(W
1,2,1 、W1,2,2 〜W1,2,m)、・・・・、
(WP,n,1 、WP,n,2 〜WP,n,m )のうち、処理信号の
ばらつき度の最も小さい組を選択して、計量精度の最も
良い時定数及び計測時点を決定する。つまり、m回の計
量が終了すると、図9に示すTX =T1 であり、計測時
点t1 における処理信号W1,1,1 、W1,1,2 〜W1,1,m
の組のばらつき度、例えば標準偏差σ1,1 をCPU11
が算出する。同様にして、図9に示す時定数TX =T1
であって、計測時点t2 、t3 〜tn の各組の処理信号
の標準偏差σ1,2 、σ1,3 〜σ1,n を算出する。更に同
様にして、各時定数TX =T2 、T3 、〜TP におい
て、各計測時点t1 、t1 〜tn における各組の処理信
号の標準偏差(σ2,1 、σ2,2 〜σ2,n )〜(σP,1
σP,2 〜σP,n )を算出する。この標準偏差を算出する
のがばらつき度算出手段である。そして、これらn×P
個の標準偏差(σ1,1 、σ1,2 〜σ1,n )、(σ2,1
σ2,2 〜σ2,n )〜(σP,1 、σP,2 〜σP,n )のうち
から最小のものを選択して、この選択したσの組の時定
数のデジタルフィルタを本稼働時(選択モード)に使用
すると共に、この選択したσの組の計測時点を本稼働時
の計測タイミングとして使用する。即ち、本稼働時に物
品を計量したときに重量検出器4の出力する計量信号
を、上記のようにして決定した時定数のデジタルフィル
タで処理し、計測タイミングの例えばTI 時にこのデジ
タルフィルタが出力した処理信号をその物品の計量値と
して取得して、第1実施例と同様にして重量選別をす
る。
【0046】なお、最小値のσが複数個存在する場合
は、任意の1つを選択してもよいが、望ましくは、これ
ら大きさの等しい複数個のσのうち、計測時点が図3に
示す計測時点t1 に近いものを選ぶのが良い。又は、時
定数の最も大きい組のσを選択してもよい。
【0047】ただし、第1、2、3実施例において、各
組ごとに算出した標準偏差σのうち、最も小さいものを
選択したが、第2番目又は第3番目に小さい標準偏差を
選択して、その選択した標準偏差の組の測定時点、デジ
タルフィルタを本稼働時に使用することができる。要す
るに、動的計量装置に要求されている計量精度に応じて
所望の標準偏差を選択することができる。
【0048】第1、3実施例において、図3に示すよう
に計測時点をTI ’〜TI ”までの間としたが、物品が
計量コンベア2に送り込まれた時点から計量コンベア2
から送り出された時点までの間のτmsecごとに計測
時点を定めてもよい。
【0049】第1、2、3実施例において、物品がフォ
トセンサ5を遮光したときからTI’時間経過したとき
よりA/D変換器9をスタートさせて各計測時点におけ
る計量信号を読み込んで記憶したが、フォトセンサ5の
代わりにコンパレータを使用することができる。つま
り、図10に示すように閾値を設定して、アナログ計量
信号がこの閾値を最初に越えた時点をA/D変換器9の
スタート時点とすることができる。そして、アナログ計
量信号が閾値を越えている間を各計測時点として設定し
てもよい。また、A/D変換器9を常時動作させてお
き、A/D変換器9が出力するデジタル信号と予め設定
した所定の比較値とを比較して、この比較値を越えるデ
ジタル信号を各計測時点の計量信号として記憶部12に
記憶してもよい。従って、この記憶部12に記憶した計
量信号を重量データとして使用することができる。
【0050】第1実施例において、A/D変換器9が各
計測時点t1 〜tn において夫々1個づつ出力するA/
D変換値を重量データとして使用したが、各計測時点以
前のN個のA/D変換値の平均値を各計測時点における
重量データとして使用することができる。ただし、N
は、2以上の数とする。これを図3を参照して説明す
る。第1回目の計量の計測時点t1 における平均重量デ
ータが(バーW1,1 )とすると、(バーW1,1 )は、 =(W-(N-2),1+W-(N-3),1+・・・+W-1,1+W0,1
+W1,1 )/N として算出し、(バーW2,1 )は、 =(W-(N-3),1+W-(N-4),1+・・・+W0,1 +W1,1
+W2,1 )/N として算出する。つまり、(W1,1 〜Wn,1 )、(W
1,2 〜Wn,2 )・・・・(W1,m 〜Wn,m )の代わりに
上記のようにして算出した平均重量データ〔(バーW
1,1 )〜(バーWn,1 )〕、〔(バーW1,2 )〜(バー
n,2 )〕・・・・〔(バーW1,m )〜(バー
n,m )〕を重量データとして使用してもよい。
【0051】なお、上記のようにしてN個のA/D変換
値の平均値を各計測時点における重量データとして、こ
の重量データに基づいて計測タイミングTI を決定した
場合は、本稼働時において、計測タイミングTI におけ
る重量データをN個のA/D変換値の平均値によって決
定する必要がある。そして、その重量データに基づいて
物品の重量選別を行う。この場合の重量選別手順を図1
1に示す。つまり、A/D変換された計量信号を最新の
ものから順にN個メモリーレジスタに記憶する(ステッ
プ300〜304)。そして、計測タイミングTI とな
った時に、メモリーレジスタに記憶されている計量信号
の平均値を算出し(ステップ306〜314)、この平
均値を物品重量として重量選別を行う(ステップ31
6、318)。
【0052】同様に、第2実施例においても、A/D変
換器9が各計測時点t1 〜tk ’において夫々1個づつ
出力するA/D変換値をデジタルフィルタにより処理を
して、計測時点tk におけるデジタルフィルタの出力を
重量データとして使用したが、各計測時点以前のN個の
A/D変換値の平均値を算出し、これら算出した平均値
を各計測時点の計量信号として使用して、これら計量信
号をデジタルフィルタにより処理をして、計測時点
k ’におけるデジタルフィルタの出力を重量データと
して使用してもよい。
【0053】同様に、第3実施例においても、A/D変
換器9が各計測時点t1 〜tn において夫々1個づつ出
力するA/D変換値をデジタルフィルタにより処理をし
て、各計測時点t1 〜tn におけるデジタルフィルタの
出力を重量データとして使用したが、各計測時点以前の
N個のA/D変換値の平均値を算出し、これら算出した
平均値を各計測時点t1 〜tn の計量信号として使用し
て、これら計量信号をデジタルフィルタにより処理をし
て、各計測時点t1 〜tn におけるデジタルフィルタの
出力を重量データとして使用してもよい。
【0054】そして、上記のように各計測時点以前のN
個のA/D変換値の平均値を算出し、これら算出した平
均値を各計測時点t・・・・の計量信号として使用して
もよいが、各計測時点以前のN個のA/D変換値の2
重、3重又はそれ以上のn重の平均値を算出し、これら
算出した平均値を各計測時点t・・・・の計量信号とし
て使用してもよい。
【0055】そして、上記のように各計測時点以前のN
個のA/D変換値の平均値を算出し、これら算出した平
均値を各計測時点t・・・・の計量信号として使用して
もよいが、N個のA/D変換値の平均値を各計測時点t
の計量信号として使用した第1の重量データのマトリク
スを作成すると共に、N+1個、N+2個、N+2個、
・・・のA/D変換値の平均値を各計測時点tの計量信
号として使用した第2、第3、第4・・・の複数組の重
量データのマトリクスを作成して、これら複数のマトリ
クスの中に存在している各組の標準偏差を算出して、最
小の標準偏差を選択してもよい。
【0056】また、上記のように各計測時点以前のN個
のA/D変換値の平均値を算出し、これら算出した平均
値を各計測時点t・・・・の計量信号として使用しても
よいが、N個のA/D変換値の平均値を各計測時点tの
計量信号として使用した第1の重量データのマトリクス
を作成すると共に、各計測時点以前のN個のA/D変換
値の2重、3重及びそれ以上のn重の平均値を算出し、
これら算出した第2、第3・・・第nの複数組の重量デ
ータのマトリクスを作成して、これら複数のマトリクス
の中に存在している各組の標準偏差を算出して、最小の
標準偏差を選択してもよい。
【0057】第1、2、3実施例において、重量データ
のばらつき度の評価基準として標準偏差σを使用した
が、σ2 を使用して各組の重量データのばらつき度を比
較してもよいし、各組の重量データの最大値と最小値の
偏差Rを使用して、各組の重量データのばらつき度を比
較してもよい。
【0058】第1、2、3実施例において、計量条件決
定装置を重量選別機に適用したが、例えばトラックスケ
ール等の他の動的計量装置に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】第1の発明の動的計量装置の計量条件決
定装置によると、略同一重量の物品を複数回計量したと
きに得られた重量データを、各計測時点ごとに組分けし
て記憶し、そして、各組ごとに重量データのばらつき度
を算出し、これらの複数のばらつき度のうちから比較的
(例えば最も)小さいばらつき度の計測時点を本稼働時
の計測タイミングとして決定することができる。これに
より、物品の重量を比較的(例えば最も)精度良く計量
することができる計測タイミングを自動的に短時間に決
定することができるという効果がある。従って、経験の
浅い作業者であっても熟練者と同様に最適な計測タイミ
ングを決定することができるという効果がある。更に、
特開平3−282220号公報に記載されている重量選
別装置のように高価な画面(フルグラフィック・ディス
プレイ)が不要であるという効果もある。
【0060】第2の発明の計量条件決定装置によると、
略同一重量の物品を複数回計量したときに得られた重量
データを、各フィルタごとに組分けして記憶し、そし
て、各組ごとに重量データのばらつき度を算出し、これ
らの複数のばらつき度のうちから比較的(例えば最も)
小さいばらつき度のフィルタを本稼働時に使用するフィ
ルタと決定することができる。これにより、物品の重量
を比較的(例えば最も)精度良く計量することができる
フィルタを自動的に短時間に決定することができるとい
う効果がある。従って、第1の発明と同様に、経験の浅
い作業者であっても最適なフィルタを決定することがで
きるという効果がある。
【0061】第3の発明の計量条件決定装置によると、
略同一重量の物品を複数回計量したときに得られた重量
データを、フィルタ及び計測時点が共通するもので組分
けして記憶し、そして、各組ごとに重量データのばらつ
き度を算出し、これらの複数のばらつき度のうちから比
較的(例えば最も)小さいばらつき度を選択する。そし
て、この選択したばらつき度の組と対応するフィルタを
本稼働時に使用するフィルタと決定すると共にその選択
したばらつき度の組と対応する計測時点を本稼働時の計
測タイミングと決定することができる。これにより、物
品の重量を比較的(例えば最も)精度良く計量すること
ができる計測タイミング及び所定の応答特性を有するフ
ィルタを自動的に短時間に決定することができるという
効果がある。従って、第1の発明と同様に、経験の浅い
作業者であっても最適な計測タイミング及びフィルタを
決定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る動的計量装置の計
量条件決定装置により計測タイミングを決定する手順を
示すフローチャートである。
【図2】同第1実施例の重量選別機により物品の重量選
別を行う手順を示すフローチャートである。
【図3】同第1実施例の計量条件決定装置により得られ
た重量データのマトリクスを示す図である。
【図4】同第1実施例の計量条件決定装置により得られ
た標準偏差と計測時点との関係を示す図である。
【図5】同第1実施例の重量選別機の概略と計測タイミ
ング等を示す図である。
【図6】同第1実施例の重量選別機及び計量条件決定装
置の電気回路を示すブロック図である。
【図7】同第2実施例の計量条件決定装置により得られ
た重量データのマトリクスを示す図である。
【図8】(a)は同第2実施例のデジタルフィルタと等
価のアナログフィルタを示す図であり、(b)は同第2
実施例のデジタルフィルタのブロック図である。
【図9】同第3実施例の計量条件決定装置により得られ
た重量データのマトリクスを示す図である。
【図10】同第1、2、3実施例のA/D変換器を動作
させるタイミングを測る他の例としての閾値を示す図で
ある。
【図11】同第1、2、3実施例の重量選別機により物
品の重量選別を行う手順の他の例を示すフローチャート
である。
【図12】従来の計測タイミングを決定するための装置
に設けられている画面表示を示す図である。
【符号の説明】
4 重量検出器 9 A/D変換器 11 CPU 12 記憶部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め設定された計測タイミング時に重量
    検出器の出力する計量信号に基づいて物品の重量を計量
    する動的計量装置において、 本稼働前の段階で上記重量検出器により物品を計量した
    ときに異なる複数の各計測時点において上記重量検出器
    が出力する計量信号を読み取る読み取り手段と、上記本
    稼働前の段階で略同一重量の物品を複数回計量したとき
    に上記読み取り手段が読み取った複数の計量信号を上記
    各計測時点ごとに組分けしこれらの組分けした計量信号
    を重量データとして記憶する記憶手段と、この記憶手段
    に記憶されている重量データのばらつき度を各組ごとに
    算出するばらつき度算出手段と、このばらつき度算出手
    段が算出した複数のばらつき度のうち比較的小さいばら
    つき度を選択しその選択したばらつき度の組と対応する
    計測時点を本稼働時の上記計測タイミングと決定する計
    測タイミング決定手段と、を具備することを特徴とする
    動的計量装置の計量条件決定装置。
  2. 【請求項2】 予め設定された計測タイミング時に重量
    検出器の出力する計量信号に基づいて物品の重量を計量
    する動的計量装置において、 夫々が異なる応答特性を有し上記計量信号を処理して夫
    々が処理信号を出力する複数のフィルタと、本稼働前の
    段階で上記重量検出器により物品を計量したときに上記
    計測タイミング時に上記複数の各フィルタが出力する夫
    々の処理信号を読み取る読み取り手段と、上記本稼働前
    の段階で略同一重量の物品を複数回計量したときに上記
    読み取り手段が読み取った複数の処理信号を上記各フィ
    ルタごとに組分けしこれらの組分けした処理信号を重量
    データとして記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶
    されている重量データのばらつき度を各組ごとに算出す
    るばらつき度算出手段と、このばらつき度算出手段が算
    出した複数のばらつき度のうち比較的小さいばらつき度
    を選択しその選択したばらつき度の組と対応するフィル
    タを本稼働時に使用するフィルタと決定するフィルタ決
    定手段と、を具備することを特徴とする動的計量装置の
    計量条件決定装置。
  3. 【請求項3】 予め設定された計測タイミング時に重量
    検出器の出力する計量信号に基づいて物品の重量を計量
    する動的計量装置において、 夫々が異なる応答特性を有し上記計量信号を処理して夫
    々が処理信号を出力する複数のフィルタと、本稼働前の
    段階で上記重量検出器により物品を計量したときに異な
    る複数の各計測時点において上記複数の各フィルタが出
    力する夫々の処理信号を読み取る読み取り手段と、上記
    本稼働前の段階で略同一重量の物品を複数回計量したと
    きに上記読み取り手段が読み取った複数の処理信号を上
    記フィルタ及び上記計測時点が共通するもので組分けし
    これらの組分けした処理信号を重量データとして記憶す
    る記憶手段と、この記憶手段に記憶されている重量デー
    タのばらつき度を各組ごとに算出するばらつき度算出手
    段と、このばらつき度算出手段が算出した複数のばらつ
    き度のうち比較的小さいばらつき度を選択しその選択し
    たばらつき度の組と対応するフィルタを本稼働時に使用
    するフィルタと決定すると共にその選択したばらつき度
    の組と対応する計測時点を本稼働時の上記計測タイミン
    グと決定する計量条件決定手段と、を具備することを特
    徴とする動的計量装置の計量条件決定装置。
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