JP3656425B2 - 電気光学装置及びこれを備えた投射型表示装置 - Google Patents

電気光学装置及びこれを備えた投射型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学装置に係り、特に、電気光学パネルを取付体に取付けてなる電気光学パネルモジュールとして、液晶を電気光学物質として用いた液晶プロジェクタなどの投射型表示装置に用いる場合に好適な電気光学装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プロジェクタ等の光投射部に用いる小型の電気光学パネルモジュールにおいては、図5に示すように、合成樹脂製のパネル取付枠10の内部に電気光学パネル20を嵌合させて、さらに、弾性を有する金属で形成された保持板30によって電気光学パネル20を上から保持するようになっている。
【0003】
電気光学パネル20は、2枚のガラスなどからなる透明基板21と22とを図示しないシール材を介して貼り合わせた後、当該シール材の内側に電気光学物質を注入して電気光学物質セルを構成し、透明基板21と22の外面上にそれぞれ偏光板23,24を貼着することにより形成されている。透明基板21は透明基板22よりも平面寸法がひとまわり大きく形成されており、透明基板21は透明基板22の周縁部よりも外側に張り出している。透明基板21の最も大きく張り出した部分の表面には、電気光学物質表示領域25において適宜の画像を表現するための複数の電気配線が引き出され、この電気配線に接続された複数の外部端子が形成された外部端子部21aが形成されている。この外部端子部21aには、フレキシブル配線基板26の導電接続部26aが例えば異方性導電接着剤等によって導電接続されるように接着され、その接着部は図示しない樹脂によって封止されている。
【0004】
パネル取付枠10の内側には、上記電気光学パネル20を収容するための収容凹部11が形成され、この収容凹部11の内部に段差部11a,11b,11c(11bと11cの一方は図示せず)が形成されている。これらの段差部の下には底面枠11dが張り出している。底面枠11dの内側は表示窓10aとなっている。パネル取付枠10の正面側には、上記フレキシブル配線基板26を引き出すための開口部12が形成され、この開口部12の底面12aは平坦面となっている。パネル取付枠10の側面部には一対の係合凹部13,13が形成され、これらの係合凹部13の内部にはそれぞれ係合突起13aが形成されている。
【0005】
保持板30は、中央部に表示窓30aを備えた矩形の枠状に形成され、枠板31は上記透明基板21の周縁部を押さえるようになっている。側面部には一対の係止部32,32が形成され、これらの係止部32には係止孔32aが設けられている。パネル取付枠10の収容凹部11に電気光学パネル20を嵌合させたとき、上方から保持板30を装着すると、係止孔32aは係合突起13aに係合するように構成されている。
【0006】
上記電気光学パネル20をパネル取付枠10の収容凹部11内に嵌合させると、透明基板22が段差部11a,11b,11cの側面と底面部11dの表面との間にて位置決めされ、透明基板21が段差部の上面と収容凹部11の内側面との間にて位置決めされる。この状態で、外部端子部21aとフレキシブル配線基板26との接着部分が一対の段差部11b,11bの間に収容されるとともに、当該接着部分の外側においてフレキシブル配線基板26は下方から底面12aによって押さえつけられるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような電気光学パネルモジュールにおいては、プロジェクタや小型撮像装置等の種々の機器の内部にパネル取付枠10が固定され、電気光学パネル20に接続されたフレキシブル配線基板26は機器内部のコネクタ等に接続される。ここで、近年特に機器の小型化に伴ってフレキシブル配線基板等をねじったり、屈曲させてコネクタ等に接続させる場合が多くなっているため、機器の組み立て時において、フレキシブル配線基板26をねじったり屈曲させたりする際に外部端子部21aと導電接続部26aとの接続部分の端部に強い応力がかかる場合があり、この応力によって接着部が剥離してしまったり、一部が導通不良となってしまう恐れがあるとともに、フレキシブル配線基板26に加わる応力によって電気光学パネル20がパネル取付枠10に対して位置ずれを起こし、画面ズレを招くという問題点がある。画面ズレは特に電気光学パネルが電気光学物質プロジェクタなどの投射型表示装置のライトバルブとして用いられる場合、画質に大きな影響を与える。
【0008】
また、他の目的は、配線部材からの応力に起因する電気光学パネルの画面ズレを低減し、電気光学装置を用いた投射型表示装置その他の各種表示装置の表示品位を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は、外部端子部を備えた電気光学パネルと、該電気光学パネルを収容する取付体と、前記外部端子部に導電接続される配線を含む配線部材とを有する電気光学装置において、前記取付体は、前記外部端子に接続され当該取付体から導出する前記配線部材に対して、前記配線部材の一方の面側から支持するための第1支持面と前記配線部材の他方の面側から支持する第2支持面とを備えることを特徴とすることである。
【0013】
この手段によれば、電気光学パネルに導電接続された配線を含む配線部材は、第1支持面と第2支持面とによって表裏両側から支持されるため、配線部材に応力が加わっても、電気光学パネルと配線部材との間の導電接続部にかかる応力をより効果的に低減することができる。特に、配線部材を表裏双方から支持することによって配線部材のねじれによる接続部分の端部に加わる力を抑制し、接続部分の剥離や導通不良を防止することができる。
【0014】
ここで、前記取付体を、前記電気光学パネルを収容する取付枠部材と、該取付枠部材に前記電気光学パネルを収容させた状態で保持する保持部材とから構成し、前記取付枠部材に前記第1支持面を形成するとともに、前記保持部材に前記第2支持面を形成し、
前記第2支持面は前記配線部材が導出する方向に突出し、突出した先端において相互に接近するように内側に伸びた形状であることが好ましい。
【0015】
この手段によれば、取付枠部材に第1支持面を形成し、保持部材に第2支持面を形成したので、配線部材を第1支持面と第2支持面との間に挿通させる作業を行う必要がなく、容易に組み立てることができる。
【0016】
また、前記第1支持面と前記第2支持面とを構成する支持構造部に、前記配線部材を前記第1支持面と前記第2支持面との間に挿入可能とする導入部を形成することが好ましい。
【0017】
この手段によれば、導入部から配線部材を挿入して第1支持面と第2支持面との間に入れることができるので、組み立て作業が容易になる。
【0018】
さらに、前記第1支持面と前記第2支持面とが、互いに前記配線部材が導出される方向に重ならないようにずれた位置で、互いに反対側から前記配線部材を支持してなることが好ましい。
【0019】
この手段によれば、第1支持面と第2支持面とが相互に支持方向にずれた状態に形成されているため組み立て作業が容易になるとともに、両支持面がその支持面の平面方向にずれていることによって、両支持面のずれ量に対応する配線部材の長さ部分にて応力を吸収できるから、たとえ両支持面の支持方向の間隔にある程度の大小があっても支障なく、有効に導電接続部を保護することができる。
【0020】
なお、この場合には、第1支持面と第2支持面とを、互いに平面的に重ならないようにずらして形成することが望ましい。このようにすると、両支持面の間隔が配線部材の厚さよりも小さくなっても、配線部材の撓みによって吸収できるので支障なく組み立てできるとともに、配線部材が撓んだ状態で両支持面によってしっかりと支持されるため、導電接続部への応力伝達を効果的に遮断することができる。したがって、外部端子部と配線部材との間の導電接続部の信頼性を向上させることができるとともに、電気光学パネルの画面ズレを低減することができる。
【0029】
上記各手段においてはいずれも、取付体として、電気光学パネルを収容する取付枠部材と、取付枠部材に電気光学パネルを収容した状態で保持する保持部材とを含むものとすることができる。そして、配線被覆部は、取付枠部材と保持部材のいずれに設けてもよく、双方に設けてもよい。
【0030】
上記の各電気光学装置をライトバルブとして備えた投射型表示装置を構成することが特に好ましい。本発明の電気光学装置は上述のように配線部材への応力に対する外部端子部と配線部材との導電接続部の信頼性に優れ、画面ズレにも強いことから、投射型表示装置の信頼性や画質を向上させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0032】
〔第1実施形態〕
図1乃至図3は本発明に係る電気光学物質表示装置の第1実施形態を示すものである。図1に示すように、本実施形態は、全体的には図5に示した従来例とほぼ同様の構造を示すものであり、同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。本実施形態では、取付体を構成するパネル取付枠10及び保持板30のうち、パネル取付枠10に従来例とは異なる特徴を有するものである。
【0033】
パネル取付枠10の正面に形成された開口部12の両縁部からは、それぞれ板状に形成された配線被覆部を構成する支持体14,15が前方に突出形成されている。これらの支持体14,15は射出成形等によってパネル取付枠10と一体に成形されたものである。支持体14,15は、それぞれ開口部12の縁部から前方に突出し、さらに開口部12に沿って、相互に接近するように内側に伸びた形状をしている。これらの支持体14,15の下面は平坦な支持面14a,15aとなっている。
【0034】
電気光学パネル20に接続されたフレキシブル配線基板26は、電気光学パネル20をパネル取付枠10の収容凹部11に嵌合させたとき、底面12aと支持体14,15との間に挿入されるようにして取り付けられる。この状態を示すものが図2である。図2に示すように、フレキシブル配線基板26は、支持体14,15の先端部14b,15bの間から滑り込ませるようにして、底面12aと支持体14,15との間に挿入される。
【0035】
図1に示すパネル取付枠10、電気光学パネル20及び保持板30を組みたてた状態の断面を示すものが図3である。図3に示すように、ガラスなどからなる透明基板22は収容凹部11の内部に形成された段差部11a,11b,11c(11cは図示せず)によって位置決めされ、偏光板24の貼着面はパネル取付枠10の表示窓10aに臨んでいる。透明基板21は収容凹部11における内周面と段差部の上面にて位置決めされている。透明基板21と透明基板22との間には電気光学物質層が形成されている。透明基板21の偏光板23の貼着面は保持板の枠板31によって押さえ付けられている。
【0036】
透明基板21の外部端子部21aにはフレキシブル配線基板26の端子部26aが導電状態となるように接着されている。フレキシブル配線基板26は、端子部26aから開口部12を通して第1支持面を構成する底面12aに接触した状態で導出される。開口部12を通ったフレキシブル配線基板26は、支持板14,15(15は図示せず)の下面として形成された第2支持面を構成する支持面14a,15a(15aは図示せず)に接触した状態で外部へと導出される。
【0037】
本実施形態においては、フレキシブル配線基板26は底面12aによって裏面側を支持された状態で導出されるとともに、その外側でさらに支持面14a,15aによって表面側を支持された状態で導出されているので、表裏両面から支持されている状態となっている。したがって、フレキシブル配線基板26がねじられた場合にフレキシブル配線基板26の端部に加わるべき応力は、底面12aと支持面14a,15aのいずれかによって遮断され、フレキシブル配線基板26の端子部26aには加わりにくい。その結果、外部端子部21aとフレキシブル配線基板26の導電接続部との間の接続部分には応力が伝達されにくくなるため、当該導電接続部の剥離や導通不良が発生することを抑制することができる。また、フレキシブル配線基板26に加わる応力よる電気光学パネルの位置ずれも低減できる。
【0038】
特に、第1支持面を構成する底面12aと第2支持面を構成する支持面14a,15aとが相互にフレキシブル配線基板26の延長方向にある程度離れているため、フレキシブル配線基板26のセット作業が容易になる。また、底面12aと支持面14a,15aとの間隔がフレキシブル配線基板26の厚さと正確に一致していなくても、両者間にフレキシブル配線基板26を挿入することができるとともに、外部応力を確実に遮断することができる。
【0039】
すなわち、上記間隔がフレキシブル配線基板26の厚さよりも狭くなっていても、底面12aと支持面14a,15aとの距離が離れており、しかも両面が平面的に重なっていないためにフレキシブル配線基板26を容易に挿入することができる。特に、この場合に、間隔をフレキシブル配線基板26の厚さよりも意図的に小さくし、フレキシブル配線基板26が撓んだ状態で底面12aと支持面14a,15aに圧接されるように構成することによって、フレキシブル配線基板26を両側の支持面にしっかりと保持させることができるので、応力の遮断特性を高めることができる。
【0040】
逆にまた、上記間隔がフレキシブル配線基板26の厚さよりも広くなっていても、上記間隔の広さによって生ずる応力遮断の不完全さを底面12aと支持面14a,15aとの間に存在するフレキシブル配線基板26自体の可撓性によって吸収することができるため、上記フレキシブル配線基板の導電接続部に致命的な損傷を与える程の応力が加わることが防止される。
【0041】
本実施形態においては、第1支持面を構成する底面12aと、第2支持面を構成する支持面14a,15aが共にパネル取付枠10に一体に形成されているため、組み立て工程を複雑にすることなく、上記効果を得ることができる。
【0042】
特に、第2支持面14a,15aは、互いに分離した2つの支持体14,15によって構成されているので、これらの先端部14b,15bの間に導入部が形成され、この導入部にフレキシブル配線基板26を挿入することができる。したがって、フレキシブル配線基板26を第1支持面と第2支持面との間に挿通する手間をなくすことができる。
【0043】
なお、支持面及び底面は、フレキシブル配線基板26の表裏面に接触するように構成されていても、或いは、表裏面に対して離れていてもよい。
【0044】
〔第2実施形態〕
次に、図4を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形態においては、図4に示すように、パネル取付枠10は図5に示す従来例の構造とほぼ同様であるが、保持板30に、その正面側に突出し、相互に向けて伸びる形状をした一対の支持部34,35を一体に設けたことに特徴がある。
【0045】
これらの支持部34,35は、全体として板状であり、その下面に平坦な支持面34a,35aが形成されている。支持部34,35の先端部34b,35bは相互に対向している。
【0046】
この実施形態によれば、電気光学パネル20をパネル取付枠10に嵌合させた後、保持板30を上方から被せ、その側面部に形成された係止部32をパネル取付枠10の係合突起13aに係合させると、フレキシブル配線基板26の表面は支持部34と35とに上方から支持され、フレキシブル配線基板26の裏面はパネル取付枠10の底面12aに下方から支持される。
【0047】
この実施形態によれば、支持部34,35が保持板30に設けられているために、フレキシブル配線基板26を底面12aと支持面34a,35aとの間に挿入したり、挿通させたりする必要がなくなり、容易に組み立てることができる。また、パネル取付枠10の構造を複雑化することなく、保持板30に支持部34,35を設けるだけでよいため、部品の製造工程を簡略化することができる。ここで、保持板30に支持部34a,35aを形成することは、例えばプレス加工時のプレス型、射出成形時の成形型を変えるだけで容易に対応できる。
【0048】
この実施形態においても、支持面及び底面はフレキシブル配線基板の表裏面に接触していても、離れていてもよい。
【0049】
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係る第3実施形態について図6及び図7を参照して説明する。図6に示すものは上述のパネル取付枠10の代わりに用いることのできるパネル取付枠40の平面図である。このパネル取付枠40は図7に示すように電気光学パネル50を装着し、さらに保持板60を取り付けることによって固定されるが、電気光学パネル50のパネル取付枠40に対する位置精度を高めるとともに電気光学パネルモジュールの耐衝撃性を向上させるために、電気光学パネル50をパネル取付枠40に対して接着剤を用いて接着する場合に後述するように特に適した構造を備えている。なお、上述の第1及び第2実施形態のパネル取付枠10と電気光学パネル20においても接着剤による接着が可能である。
【0050】
本実施形態のパネル取付枠40においては、電気光学パネル50を収容する収容凹部41が設けられ、外周に形成された係合凹部43内の係合突起43aは、先の各実施形態とほぼ同様に形成された保持板60の係合部62の係合孔62aに係合するようになっている。
【0051】
本実施形態の収容凹部41内にはそれぞれ枠状に形成された第1段差部42Aと第2段差部42Bとが設けられており、第1段差部42Aには溜め溝42aが形成されている。この溜め溝42aは、収容凹部41の四隅部分において上部に開口するように形成されたそれぞれ一対の開口部44及び45に連通している。第1段差部42の内縁部は枠状に連続し、その一辺部の中央に、外側に逃げた形状の逃げ凹部42bを備えている。逃げ凹部42bの外側には、第1段差部42の内部よりも僅かに下がった内側支持面部47が形成され、内側支持面部47の両側には溜め溝42aよりもさらに深い一対の凹溝47aが形成されている。内側支持面部47のさらに外側には外側支持面部48が形成され、この外側支持面部48には内外の中央を横断するように凹溝48aが設けられている。
【0052】
この実施形態において上記パネル取付枠に収容される電気光学パネル50は、図7に示すように、ガラスなどからなる透明基板51と52との間に電気光学物質層が配置されてなるものであり、さらに、透明基板52の外面上に透明基板53が貼り付けられている。この電気光学パネルのより詳細な構造を示すものが図11及び図12である。なお、本実施形態では、後述するように電気光学物質として液晶を用いたプロジェクタの側に偏光板が設置されているが、偏光板は電気光学パネルには貼着されていない場合もある。透明基板51と52の内面上には例えば配線層、画素電極、TFTなどのアクティブ素子などが公知のパターンにて形成されており、その上に配向膜が被着される。配向膜は所定方向にラビング処理を施される。このように形成された透明基板51と52はシール材54を介して貼り付けられる。シール材54としては多くの場合、光硬化性樹脂などが用いられ、透明基板51と52とを所定間隔にセットするように仮硬化された後に、真空中にてシール材の内側に開口部54aから電気光学物質が注入される。電気光学物質注入後、基板の平行度が確保された状態で開口部54aが樹脂からなる封止材55によって封止され、シール材を本硬化させることにより電気光学物質セルが完成する。より面積の大きな透明基板51の内面上には予め所定の外部配線パターン51aが形成されており、この外部配線パターン51aに合わせてドライバIC57及び58が実装されている。また、透明基板51の一辺側端部には外部端子59を多数配列させた外部端子部51bが形成されており、この外部端子部51bには、図7に示すフレキシブル配線基板56の接続部が異方性導電膜などを介して導電接続される。なお、遮光膜52aは透明基板52の内面上にCr等の金属により形成されたものである。
【0053】
電気光学パネル50においては、透明基板52の外面上にさらに透明基板53を透明接着剤53aを介して貼り付けている。この透明基板53は、透明基板52とほぼ同一の光屈折率を備えた透明材料で形成された透明接着剤によって貼り付けられることによって、電気光学物質プロジェクタなどの投射型表示装置に用いる場合に、透明基板52の外面上の塵埃などによる画質の低下を防止することができるものである。これは、透明基板53の外面に付着した塵埃は、電気光学物質層から透明基板52及び53の厚さ合計分だけ離れ焦点が合わないために画像に対して影響を与えにくいからである。
【0054】
上記透明基板53としては、例えば透明基板52が石英基板(光屈折率=1.46)であれば同様の石英基板を用いることによって光屈折率を一致させることができる。また、透明接着剤53aとしては、上述のように石英基板を用いる場合には光屈折率が1.46となるように調製したシリコン系接着剤やアクリル系接着剤を用いることができる。
【0055】
もちろん、透明基板52がネオセラムなどの屈折率が1.54の高耐熱ガラス板であれば、透明基板53においても同じ材質の高耐熱ガラス板を用いればよい。また、透明接着剤53aについても、上記シリコン系接着剤やアクリル系接着剤を屈折率が1.54になるように調製することができる。尚、これに限るものではなく、透明基板52、53及び透明接着剤53aはほぼ等しい屈折率を有すればよい。
【0056】
本実施形態では、透明基板51,52として、それぞれ1.2mm厚の石英基板、1.1mm厚のネオセラムを用い、透明基板53としては、1.1mm厚のネオセラムを用いている。また、透明接着剤53aの厚さについては、5〜30μmの範囲とすることが好ましい。特に、接着剤の厚さを5μm以上とすることによって基板の傷や塵埃を接着剤により隠すことができる。また、10μm以下にして、接着強度を十分高いものとすることができる。
【0057】
なお、上記遮光膜を透明基板53の接着面側の表面に形成してもよい。また、透明基板53とともに、或いは、透明基板53の代わりに、透明基板51の外面上に同様の作用を果たす透明基板51’(図示2点鎖線)を貼り付けてもよい。
【0058】
上記電気光学パネルにおいて透明基板53を接着する工程について説明する。この工程においては、透明基板53の内面と、透明基板52の外面の双方にあるいは一方に透明接着剤53aを滴下、塗布した後、透明接着剤53a同士を最初の接触点としてこれら2枚の透明基板53,52を重ね合わせ、かつ、双方を押し付けることにより、2枚の透明基板53,52の間で透明接着剤53aを押し広げ、しかる後に透明接着剤53aを硬化させる。このようにすると、透明接着剤53aの内部に気泡が残ることがないので、気泡に起因する表示品位の低下を避けることができる。なお、この接着工程は電気光学パネルの組み立て前後のいずれのタイミングで行ってもよい。
【0059】
ここで、上記透明接着剤は硬化後にも弾性を有していることが好ましい。透明接着剤の硬化後の針入度が90以上であれば硬化時に接着剤が基板上から流れてしまい、適量の接着剤を基板上に保持することができない。また、針入度が60未満であれば接着剤硬化時の応力を吸収することができず、基板間に歪みが発生してしまう。したがって、透明接着剤は硬化後の針入度が60以上90未満であることが好ましい。
【0060】
本実施形態では、上記の電気光学パネル50をパネル取付枠40の収容凹部41内に収容し、保持板60をセットすることによって電気光学パネルモジュールが形成される。ここで、電気光学パネル50の透明基板51における透明基板52から外側に張り出した張出領域と、収容凹部41内の第1段差部42Aとの間にシリコーンゴムなどを主成分とする接着剤を流し込み、接着剤を固化させることによって電気光学パネル50を確実にパネル取付枠40に固定することができる。このとき、電気光学パネル50の例えば透明基板53の外面が第2段差部42Bに当接して位置決めされる。
【0061】
上記接着剤は硬化後にも所定の弾性率を備えているものを選択することによって、耐衝撃性を向上させるために電気光学パネル50とパネル取付枠40との間の弾性変位を可能としつつ、充分な相互固定を行うことが可能である。この接着剤としては、ゴム系接着剤を用いることができ、例えばシリコーンRTV(室温硬化型シリコーンゴム)などがある。
【0062】
このとき、第1段差部42Aに形成された溜め溝42aは接着剤を第1段差部と電気光学パネルとの間に充分に存在させ、接着強度を高めるとともに充分な弾性変形を許容する。開口部44,45は接着剤を介しての電気光学パネルとパネル取付枠との接着時において、余分な接着剤を電気光学パネル50と第1段差部42との間から逃がすことを可能にする。また、接着後に接着剤を開口部44,45から補充することもできる。さらに、凹溝47aは、溜め溝42aと同様の作用を果たすとともに、余分な接着剤を収容して、フレキシブル配線基板56の引き出し方向に溢れ出にくくするという作用をも果たす。
【0063】
逃げ凹部42bは、電気光学パネルの図11に示す封止剤55の盛り上がりを回避するためのものであり、パネル取付枠への収容状態において電気光学パネル50の浮き上がりを防止する。また、内側支持面部47は外部端子部51b上に貼り付けられたフレキシブル配線基板56の導電接続部を軽く押さえるか若しくは僅かな間隔を以て導電接続部に対向し、導電接続部の剥離などを防止するためのものである。さらに、外側支持面部48はフレキシブル配線基板を軽く抑えるか若しくは僅かな間隔を以てフレキシブル配線基板の表面に対向し、フレキシブル配線基板の不要な変形を抑制する。
【0064】
外側支持面部48に設けられた凹溝48aには接着剤を充填させてフレキシブル配線基板56をパネル取付枠40に接着させることも可能である。このようにすることによって、フレキシブル配線基板56とパネル取付枠40とが導電接続部よりも外側で固着されるので、導電接続部に応力が加わりにくくなり、電気光学パネルの外部端子部と配線部材の導電接続部との接続部分の信頼性を向上させることができ、また、電気光学パネル50の画面ずれを低減することができる。特に、本実施形態では弾性を有する接着剤によって電気光学パネル50をパネル取付枠40に取り付けているので、フレキシブル配線基板56に応力が加わると電気光学パネル50が接着剤の弾性によって僅かながらも動いてしまう危険性があり、本実施形態ではこのような危険性を低減することができる。また、フレキシブル配線基板56には凹溝48aに対応する位置に、凹溝48aに嵌合可能なリブ又はボスなどの凸部を設け、この凸部を凹溝48aに嵌合させることによってフレキシブル配線基板56をパネル取付枠40に固定してもよい。この場合にも、凹溝48aに接着剤を充填する場合と同様の効果を得ることができる。このような係合部の構造は種々設計できる。
【0065】
さらに、本実施形態では、内側支持面部47と外側支持面部48とに設けられた凹溝47aや凹溝48a(凹溝48aについてはその中に接着剤を充填しない場合)によってパネル取付枠40内の接着剤がフレキシブル配線基板56に沿って溢れ出すことが抑制されるため、接着剤の表面が外部に露出する面積を低減することができる。
【0066】
電気光学パネルとパネル取付枠とを接着する接着剤は、本実施形態では未硬化時においても或る程度粘性の高いものを用いている。したがって、接着剤のしみだしはそれほど大きいものではない。一方、電気光学パネルの透明基板52と53(或いは透明基板51と51‘)との接着に用いる透明接着剤は、本実施形態ではシリコーン系樹脂を主成分とするゲル状のものであり、流動性がきわめて高い。また、組み立て後に透明接着剤を熱硬化させるが、硬化後においても弾性を有し、糊のようにべとつくものである。しかし、本実施形態では、特に電気光学パネルからパネル取付枠側にしみだしてくる透明接着剤を、フレキシブル配線基板と電気光学パネルの外部端子部との導電接続部の側に導き、パネル取付枠の外面部の透明接着剤によるべたつきなどをなくし、容易に取り扱うことができるようにすることが可能である。
【0067】
本実施形態のパネル取付枠においては、電気光学パネルにおけるパネルを構成する透明基板と防塵用の透明基板とを透明接着剤にて接着し、透明接着剤を硬化させる前に電気光学パネルをパネル取付枠にセットし、透明接着剤のしみだし方向を電気光学パネルの外部端子部とフレキシブル配線基板との導電接続部の側に集中させ、透明接着剤によって導電接続部を覆うようにしてから、透明接着剤を硬化させることによって、フレキシブル配線基板の接続状態を透明接着剤による接着力によって透明基板やパネル取付枠に対して補強することも可能である。
【0068】
〔第4実施形態〕
次に、図8を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。この実施形態においては、パネル取付枠40及び電気光学パネル50については上記第3実施形態と全く同じであるので、その説明は省略する。この実施形態の保持板70は、枠板71と、枠板71の側部に設けられた一対の係合部72と、枠板71から外側に張り出すように形成された配線被覆部である張出被覆部73とから構成される。枠板71及び係合部72は上記各実施形態のものと同様である。
【0069】
張出被覆部73は、パネル取付枠40の収容凹部41に電気光学パネル50がセットされたとき、電気光学パネル50から引き出されるフレキシブル配線基板56の表面56aを覆うように構成されている。この張出被覆部73によってフレキシブル配線基板56の導電接続部周辺は外部から被覆されることとなるため、フレキシブル配線基板56の変形が妨げられ、導電接続部に過大な応力が加わることを防止することができるとともに、フレキシブル配線基板56の表面56aに接着剤などが溢れ出していても、接着剤の溢れ出し部分が外部に露出しないので、取り扱いが容易になる。特に、電気光学パネル構成用の透明基板と防塵用の透明基板とを接着する透明接着剤は、硬化前にはかなりの流動性があり、しかも、硬化後においても弾力性があり、べとつくため、この透明接着剤のしみだし部分を張出被覆部73によって覆うことによって取り扱い性が向上する。特に、第3実施形態の末尾に記載したように透明接着剤のしみだし方向をフレキシブル配線基板の導電接続部に導き、当該導電接続部にて硬化させてフレキシブル配線基板の付着状態を接着力によって補強する場合には、張出被覆部73を設けてフレキシブル配線基板の導電接続部周辺を覆うことが特に有効である。
【0070】
張出被覆部73はフレキシブル配線基板56の基板表面56aになるべく接触するか接近していることが好ましいが、或る程度基板表面56aから離れていても効果がある。張出被覆部73をフレキシブル配線の表面56aに接触させるか、或いは充分に接近させるために、図8に一点鎖線で示すような折り曲げ形状若しくは段差を有する形状の張出被覆部73’を形成してもよい。また、二点鎖線で示すようにフレキシブル配線基板56の延長方向に間隔を隔てて伸ばした先をフレキシブル配線基板56の表面上に向けて接近させるように構成した張出被覆部73”を形成することにより、フレキシブル配線基板56の表面上にしみだした接着剤(特に透明接着剤)が張出被覆部73”に触れてその表面に沿って吸い上げられることを防止できる。これらの張出被覆部73,73’,73”は、図示のようにフレキシブル配線基板56の導電接続部周辺において幅方向の全部を被覆していることが好ましい。
【0071】
〔第5実施形態〕
次に、図9を参照して本発明に係る第5実施形態について説明する。この実施形態においては、第3及び第4実施形態と同様のパネル取付枠40を用いるが、保持板80及び電気光学パネル100に導電接続されたフレキシブル配線基板106の形状が異なるものである。
【0072】
この実施形態では、第4実施形態と同様に保持板80の枠板81から張り出した張出被覆部83が設けられ、この張出被覆部83におけるフレキシブル配線基板106の表面106aに対向する面から一対の突起83aが突出形成されている。一方、フレキシブル配線基板106における張出被覆部83に対向する部分には、一対の貫通孔106bが上記突起83aに対応する位置に形成されている。
【0073】
電気光学パネル50をパネル取付枠40に収容し、保持板80をパネル取付枠40に装着すると、突起83aはフレキシブル配線基板106の貫通孔106bに挿入若しくは嵌合され、フレキシブル配線基板106の導電接続部の周辺は保持板80によって電気光学パネル100のパネル面に平行な平面方向に規制される。したがって、フレキシブル配線基板106の先端側を変形させても、突起83aと貫通孔106bとの挿通による規制によりフレキシブル配線基板106に応力が伝達されにくくなり、導電接続部の接続状態や電気光学パネルの表示位置に影響を与えにくくなる。
【0074】
本実施形態では保持板80において配線被覆部に相当する張出被覆部83を設け、張出被覆部83にフレキシブル配線基板106に対する係合部である突起を設けているが、パネル取付枠40の内側支持面部47又は外側支持面部48に係合部を設けてもよい。この場合、外側支持面48をフレキシブル配線基板106の延長方向にさらに伸ばして、張出形成された配線被覆部とすることが好ましい。また、いずれの場合においても、フレキシブル配線基板106などの配線部材の側に突起を設け、配線被覆部の側に凹部若しくは孔部を設けて相互に係合させてもよい。これらの場合、配線部材と配線被覆部との係合状態は多少の遊びがあって単なる規制のみがなされるものであっても、或いは、圧入若しくは嵌合のように係合自体で位置決めが或る程度厳密になされるものであってもよい。
【0075】
〔第6実施形態〕
最後に、図10を参照して本発明に係る第6実施形態を説明する。この実施形態においては、第5実施形態と同様のフレキシブル配線基板106を備えた電気光学パネル100と、第5実施形態と同様の保持板80を用いているが、パネル取付枠90が上記実施形態と異なるものである。
【0076】
パネル取付枠90は基本的に上記第3乃至第5実施形態とほぼ同様の構造を備えているが、内側支持面部97の外側に形成された外側支持面部98が略矩形状の枠状輪郭よりも外側に大きく突出し、配線被覆部となっている。この外側支持面部98には、凹溝98aよりも外側において一対の略円筒状の穴付凸部98bが形成されている。この穴付凸部98bは基本的に保持板80の突起部83a及びフレキシブル配線基板106の貫通孔106bと対応した位置に対向した形状に形成されている。そのため、電気光学パネル100をパネル取付枠90に収容し、保持板80を装着すると、突起部83aが貫通孔106bを挿通して穴付凸部98bに挿入若しくは嵌合するようになっている。この場合においても、フレキシブル配線基板106は保持板80の突起部83aによって規制されるが、突起部83aがフレキシブル配線基板106の反対側に配置された穴付凸部98bに挿入若しくは嵌合し、支持されることとなるので、より強固かつ確実にフレキシブル配線基板106を規制することができる。また、同時にパネル取付枠90の配線被覆部を構成する外側支持面部98もフレキシブル配線基板106の延長方向により長く形成されているため、フレキシブル配線基板106の導電接続部周辺を表裏両側から被覆し、支持することが可能になるため、外部端子部と配線部材との導電接続部をより確実に保護し、電気光学パネルの平面位置をより確実に保持することができる。
【0077】
本実施形態におけるパネル取付枠と保持板の双方に形成された配線被覆部の相互の係合構造は、上記突起部83aと上記穴付凸部98bのような形状に限らず、相互に対応した形状となっていて、一方の突出形状部分を他方が支持し、或いは、双方の突出形状部分を互いに支持し合う構造となっていれば、他の種々の構造でも構わない。例えば、突起部83aが充分に長ければ、穴付凸部98bの代わりに外側支持面部98に単なる穴部若しくは孔部を形成してもよい。
【0078】
以上説明した各実施形態は、いずれも、フレキシブル配線基板を導電接続させた電気光学パネルと、電気光学パネルを収容するパネル取付枠と、電気光学パネルを保持するように装着される保持板とからなる電気光学パネルモジュールである。しかし、電気光学パネルに導電接続されるものはフレキシブル配線基板に限らず、導電性ワイヤ、配線ケーブル、コネクタ類などの配線を含む配線部材であればよい。また、取付体としては、パネル取付枠と保持板のように2体構造の取付体である場合に限らず、電気光学パネルを収容し、取り付けるための取付体でさえあれば一体構造のもの、或いは3体以上の組立体であってもよい。
【0079】
〔第7実施形態〕
最後に、上記各実施形態に示した電気光学パネル及び取付体を投射型表示装置のライトバルブとして用いる場合の実施形態について説明する。図12は本実施形態における投射型表示装置である液晶プロジェクタの概略構造を示すものである。液晶プロジェクタ120のハウジング内には、図示断面で示す光学ユニットが内蔵されており、この光学ユニットには、光源を含む照明用光学系と、光源光を赤、緑、青の各光束R,G,Bに分離する色分離光学系と、後述する各液晶ライトバルブを透過させた後に各光束R,G,Bを再合成する色合成光学系と、色分離光学系から色合成光学系へと光束を導く導光系とを備えている。
【0080】
照明用光学系には、光源ランプ121と、微小レンズの集合体からなるインテグレータレンズ122,123と、偏光分離膜と1/4波長板との集合体からなる偏光変換素子124と、反射ミラー125とが設置されている。光源ランプとしてはハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを用いることができる。偏光変換素子124は、光軸に対して傾斜した偏光分離膜を配列させた状態に内蔵する透光板が1/4波長板に接した構造を備えており、入射光のうちS偏光は偏光分離膜を透過し、偏光分離膜にて反射されたP偏光は隣接する別の偏光分離膜にて反射されてS偏光に変換されるので、入射光をS偏光に揃えることができる。
【0081】
色分離光学系には、赤緑反射ダイクロイックミラー126と、緑反射ダイクロイックミラー128が設置されており、赤緑反射ダイクロイックミラー126において光束R及びGは反射され、光束Bは透過する。反射された光束R及びGのうち、光束Gは緑反射ダイクロッイックミラー128にて反射され、光束Rは緑反射ダイクロイックミラー128を透過する。
【0082】
導光系においては、光束Bは反射ミラー127にて反射され、集光レンズ135に入射する。光束Gは緑反射ダイクロイックミラー27から直接集光レンズ134に入射する。光束Rは入射側レンズ129、反射ミラー130、中間レンズ131及び反射ミラー132を経て集光レンズ133に入射する。
【0083】
集光レンズ133,134,135の先には、それぞれ電気光学物質ライトバルブ136,137,138が取り付けられている。これらの電気光学物質ライトバルブは、後述する電気光学パネルをパネル取付枠に収容し、フレキシブル配線基板などの配線部材を接続させた電気光学パネルモジュールによって構成され、後述するパネル取付枠を光学ユニット内の支持固定部139に対して挿入固定することによって設置される。これらのライトバルブは、図示しない制御駆動手段(上記配線部材に導電接続される。)によって所望の画像情報に応じてスイッチングが制御され、各光束R,G,Bに対する変調を行う。
【0084】
色合成光学系では、上記電気光学物質ライトバルブ136,137,138によってそれぞれに変調されて所定の画像成分を構成するようにされた各光束R,G,Bを3つの面にて受けるキュービック状のプリズムユニット140が設置されている。プリズムユニット140は各光束R,G,Bを合成し、所望の画像情報を含むカラー画像を構成する。このカラー画像は、投射レンズユニット141により所定位置にある図示しないスクリーン上に拡大投影される。
【0085】
上記のような投射型表示装置においては、電気光学パネルを収容した取付体を表示装置の所定部位に取付固定して上記の電気光学物質ライトバルブとして用いるが、電気光学パネルがそのパネル面と平行な平面方向に僅かでもずれると画面ズレが発生して表示品位が大きく損なわれる。本発明の電気光学装置では、フレキシブル配線基板などの配線部材に応力が加わっても電気光学パネルに応力が伝達されにくくなることから、配線部材に応力を加えても画面ズレが生じにくく、表示品位が損なわれにくい。また、投射型表示装置においても小形化、軽量化が進展してきており、電気光学パネルを収容した取付体を取付固定する部位と、配線部材を接続する部位との位置関係が複雑化している。したがって、配線部材を極端に折り曲げたりねじったりして表示装置内のコネクタなどに接続する必要があるが、本発明に係る電気光学装置については、配線部材に加わる応力を導電接続部や電気光学パネルに伝達しにくくなっているため、画面ズレを抑制できる上に、電気光学パネルの外部端子部と配線部材との導電接続部の信頼性を損ないにくくすることができる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、配線部材に応力が加わっても、配線被覆部によって配線部材の変形を少なくすることができるので、電気光学パネルの外部端子部と配線部材の導電接続部との間の接続部分にかかる応力を低減することができる。特に、配線部材を表裏双方から支持することによって配線部材のねじれによる導電接続部の端部に加わる力を抑制し、接続部分の剥離や導通不良を低減することができる。また、配線部材に加わる応力が電気光学パネルに伝達されにくいため、電気光学パネルの位置ずれを低減することができ、表示品位の悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気光学装置の第1実施形態の構造を示す分解斜視図である。
【図2】第1実施形態において、電気光学パネルをパネル取付枠に装着した状態を示す平面図である。
【図3】第1実施形態の組み立て状態の縦断面図である。
【図4】本発明に係る電気光学装置の第2実施形態の構造を示す分解斜視図である。
【図5】従来の電気光学装置の構造を示す分解斜視図である。
【図6】本発明に係る電気光学装置の第3実施形態におけるパネル取付枠の構造を示す拡大平面図である。
【図7】第3実施形態の構造を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係る電気光学装置の第4実施形態の構造を示す分解斜視図である。
【図9】本発明に係る電気光学装置の第5実施形態の構造を示す分解斜視図である。
【図10】本発明に係る電気光学装置の第6実施形態の構造を示す分解斜視図である。
【図11】第3実施形態乃至第6実施形態の電気光学パネルの平面構造を示す模式的な平面透視図である。
【図12】第3実施形態乃至第6実施形態の電気光学パネルの断面構造を示す模式的な断面図である。
【図13】本発明に係る電気光学物質ライトバルブを備えた投射型表示装置である第7実施形態の電気光学物質プロジェクタの全体構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10,40,70,90 パネル取付枠
11,41,91 収容凹部
12a 底面
13a 係合突起
14,15 支持体
14a,15a 支持面
20,50,100 電気光学パネル
21,22,51,51’,52,53 透明基板
21a,51b 外部端子部
26,56,106 フレキシブル配線基板
26a 端子部
30,60,70,80 保持板
32 係止部
34,35 支持部
34a,35a 支持面
47,97 内側支持面部
48,98 外側支持面部
73,83 張出被覆部
83a 突起部
98b 穴付凸部
106a フレキシブル配線基板の表面
106b 開口部
120 プロジェクタ
136,137,138 ライトバルブ

Claims (4)

  1. 外部端子部を備えた電気光学パネルと、該電気光学パネルを収容する取付体と、前記外部端子部に導電接続される配線を含む配線部材とを有する電気光学装置において、前記取付体は、前記外部端子に接続され当該取付体から導出される前記配線部材に対して、前記配線部材の一方の面側から支持するための第1支持面と前記配線部材の他方の面側から支持する第2支持面とを備え、
    前記第1支持面と前記第2支持面とが、互いに前記配線部材が導出される方向に重ならないようにずれた位置で、互いに反対側から前記配線部材を支持してなることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1において、前記取付体を、前記電気光学パネルを収容する取付枠部材と、該取付枠部材に前記電気光学パネルを収容させた状態で保持する保持部材とから構成し、前記取付枠部材に前記第1支持面を形成するとともに、前記保持部材に前記第2支持面を形成し、
    前記第2支持面は前記取付体から導出される前記配線部材の両側の端辺に沿って前記配線部材の導出方向にそれぞれ突出し、突出した先端において相互に接近するように内側に伸びた形状であることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1において、前記第1支持面と前記第2支持面とを構成する支持構造部に、前記配線部材を前記第1支持面と前記第2支持面との間に挿入可能とする導入部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された電気光学装置をライトバルブとして備えた投射型表示装置。
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