JP3881962B2 - 電気光学装置及びこれを備えた投射型表示装置 - Google Patents

電気光学装置及びこれを備えた投射型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学装置及びこれを備えた投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に用いられる液晶パネルは、合成樹脂などで構成されるケース体に収容された状態で投射型表示装置の箱体内部に取り付けられる。液晶パネルには通常フレキシブル配線基板が接続されており、このフレキシブル配線基板が接続された状態でケース体に組み込まれて位置決めされ、接着剤や保持金具などによって固定された後、ケース体の取付孔などを投射型表示装置の内部に構成された取付部にネジ止めなどの方法によって位置決め固定する。
【0003】
上記の液晶パネルとケース体よりなる電気光学装置としての液晶パネルモジュールは、投射型表示装置において光源からの光を受けて所定の画像を形成するためのライトバルブとして用いられる。液晶パネルモジュールによって形成された画像は投射型表示装置の投射光学系によって拡大されてスクリーンなどに投影される。
【0004】
図9には従来の液晶パネルモジュールの分解斜視図を、図10には、従来の液晶パネルモジュールの概略の断面構造を模式的に示す。この液晶パネルモジュールは、ガラスなどからなる素子基板11と対向基板12とがシール材14を介して所定間隔を空けて貼り合わせられ、両基板間に液晶10aを注入した液晶パネル10と、液晶パネル10を収容する黒色などの遮光性を有する合成樹脂などからなるケース体20とを有する。
【0005】
液晶パネル10においては、素子基板11の内面上に公知のTFT(薄膜トランジスタ)素子などのアクティブ素子、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電体からなる画素電極、配線、配向膜などが形成されている。また、対向基板12の内面上には公知の対向電極、配向膜などが形成されており、アクティブマトリクス型の液晶パネル構造が構成されている。また、対向基板12の内面上においては、対向基板12の外周部に液晶パネル10の光透過領域(有効表示領域)を規定する額縁としての遮光層12aが形成されている。
【0006】
投射型表示装置内において液晶パネルモジュールには集光された光が照射され、この光を液晶パネルの有効表示領域内に構成された多数の画素のそれぞれにおいて透過又は遮断することによって、所定の画像を形成する。各画素は画素電極と対向電極の電位差によって印加される電界により制御される。このとき、液晶パネル10の素子基板11又は対向基板12の外面上に傷が存在したり、塵埃が付着していたりすると、傷や塵埃によって画像が乱され、投射画像の画質が悪化するという問題点がある。特に液晶パネル10によって形成される画像は拡大投影されるため、上記の傷や塵埃の影響はきわめて大きい。
【0007】
上記問題点を解消するために、従来、液晶パネル10の素子基板11、対向基板12の外面上に透明基板1、2を接着する方法が開発されている。これらの透明基板1、2は図示しない透明接着剤によって素子基板11及び対向基板12に接着される。透明接着剤は、素子基板11及び対向基板12と、透明基板1、2との双方に対してほぼ屈折率が略等しい材料、例えば、硬化後において透明なシリコン系接着剤やアクリル系接着剤を用いることが望ましい。このように素子基板11、対向基板12の外面上に透明接着剤を介して透明基板1、2を接着することによって、素子基板11や対向基板12の外面上に傷が存在しても画質に影響せず、また、素子基板11や対向基板12の外面上に塵埃が付着することを防止できる。透明基板1、2の外面上に傷が形成されたり、塵埃が付着したりする可能性はあるが、通常、光源から照射される光の焦点は液晶パネル10内に来るように設定されているので、デフォーカス効果によって画質にはほとんど影響しない。
【0008】
ケース体20は表裏を貫通し、液晶パネル10を収容するように形成された孔部20aを備え、この孔部20aは、収容された液晶パネル10の表裏両側に開口部20b、20cを備えている。開口部20cの開口縁には内側に張り出した張出縁部21が形成され、孔部20a内に収容された透明基板2の外面に係合するように構成されている。また、開口部20bには、ケース体20の外面部に形成された係合突起23に係止された保持枠24が取り付けられ、孔部20a内に収容された透明基板1の外面を保持するようになっている。孔部20aの中程には、素子基板11の外形が対向基板12の外形よりも外側に張り出している液晶パネル10の形状に対応して、段差部22が形成されている。
【0009】
液晶パネルモジュールを組み立てる際には、液晶パネル10に対して表裏に透明基板1、2を接着した後、素子基板11の張出部分やケース体20の内部などにシリコンゴムなどを主成分とする接着剤を塗布し、ケース体20の開口部20bから液晶パネル10及び透明基板1、2をケース体20内に導入する。このとき、液晶パネル10及び透明基板1、2は、導入される方向(パネルの厚さ方向)に対しては透明基板2の外面と張出縁部21との当接によって位置決めされ、液晶パネル10のパネル面方向には対向基板12の端部と孔部20aの内面との当接によって位置決めされる。最後に、保持枠24を係合突起23にはめ込むことによって開口部20bからパネル組立体が脱出しないように保持し、上記接着剤を硬化させて一体化させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の液晶パネルモジュールを備えた投射型表示装置においては、装置の構成上の制約、或いは、防塵対策や画質向上の必要性の有無などによって透明基板1、2の一方或いは両方を接着しないで液晶パネルモジュールを構成する場合がある。しかし、上記のケース体20は、液晶パネル10に透明基板1、2を接着させたパネル組立体を内部で位置決め保持するように構成されているため、透明基板2を液晶パネル10に接着しない場合には、張出縁部21による位置決め、保持が不可能となり、上記のケース体20を位置決め、保持として用いることができない。また、隙間が空くことによる光漏れが発生する恐れがある。従って、液晶パネルモジュールの構成毎にケース体を用意する必要があり、また、透明基板の有無によるパネル組立体の構成によってケース体の形状などが変更されるため、投射型表示装置内の取付部もこれに対応させる必要があるから、製造コストが上昇し、製品管理が煩雑になるという問題点がある。
【0011】
また、従来のケース体20は、開口部20c側において張出縁部21により透明基板2の外面を厚さ方向に押さえる構造になっているため、ケース体20の厚さがパネル組立体よりも厚くなり、投射型表示装置内に液晶パネルモジュールを設置するための所要スペースが大きくなるという問題点がある。
【0012】
さらに、投射型表示装置において、液晶パネルモジュールには光源から強い光が照射されるために過熱しやすく、液晶の温度上昇による動作不良を防止するためには液晶パネルモジュールを効率的に冷却する必要がある。しかし、上記のように透明基板1、2が接着されている上に、ケース体20が張出縁部21を備え厚く構成されていることにより、放熱効率を高めることが困難で、強制冷却のための冷却ファンの送風量を大きくする必要があり、稼働時の騒音を低減することが難しいという問題点もあった。
【0013】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、電気光学パネルをケース体内に収容した電気光学装置において、ケース体の構造を変更することによって、透明基板の接着の有無などの構成変更によってもケース体を替える必要がなく、また、ケース体の厚さを従来よりも薄くすることができ、さらに、放熱性を向上させた電気光学装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1基板及び第2基板が接合された電気光学パネルと、前記第1基板の外面に配置された透明部材と、前記電気光学パネル及び前記透明部材を収容するケース体とを具備する電気光学装置において、
前記電気光学パネルの内部であって前記第 1 基板に遮光層を有し、
前記第2基板は、前記第1基板より延出された突起部を有してなり、前記ケース体の内側に形成された段差部に前記突起部が当接して前記電気光学パネルが位置決めされ、
前記透明部材は、前記第1基板側の面の外周部であって前記ケース体の内面部より内側において、内縁が前記遮光層と重なり、前記遮光層の外縁よりも前記電気光学パネルの平面方向外側に延出された遮光部材を有するとともに、前記第1基板より縁が延出され、前記第 1 基板側とは反対面の周縁に遮光物質が塗布され、
前記遮光部材の前記第1基板側の面、及び前記ケース体の間に隙間が形成されていることを特徴とする。
また、前記透明部材は前記ケース体に形成された開口部に収容され、前記透明部材と前記開口部との間を跨って遮光物質が充填されてなることを特徴とする。また、前記透明部材の少なくとも一部が単結晶サファイアであることを特徴とする。また、本発明は、記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする投射型表示装置である。
【0015】
この発明によれば、ケース体における電気光学パネルを収容する収容部に位置決め部が形成されることにより、従来のようにケース体の開口部の開口縁に電気光学パネルを位置決めするための張出縁部を設ける必要がない。従って、ケース体を薄く形成することができる。また、張出縁部がなくなることによって電気光学パネルの放熱性を向上させることができる。さらに、電気光学パネルのパネル面上に、傷や塵埃による光学的な影響を低減するための、平板の透明基板や、マイクロレンズや偏光板などの光学部材といった透明部材を配置することが可能である。このとき、位置決め部は収容部に設けられているので、透明部材を収容する場合、あるいは収容しない場合のいずれにも係わらず、電気光学パネルの位置決めは影響されない。そして、透明部材の有無や他部材の種類などに応じてケース体を変更する必要がなく、複数種類の製品に対してケース体を共用することができる。従って、需要に対して柔軟かつ迅速に対応できるとともに、製造コストを低減し、しかも製造工程の管理を容易に行うことができる。
【0016】
なお、上記位置決め部としては、電気光学パネルを少なくともその厚さ方向に位置決めするものであることが好ましく、また、電気光学パネルをパネル面方向にも位置決めするものであってもよく、厚さ方向とパネル面方向の双方に位置決めするものであってもよい。電気光学パネルとしては、後述する液晶パネルに限定されることなく、EL(エレクトロルミネッセンス)パネルや有機ELパネルなどを用いることができる。
【0017】
また、本発明は、第1基板と第2基板を接合し、上記第2基板の縁が上記第1基板の縁より延出した電気光学パネルと、第1基板側開口部と、第2基板側開口部と、上記第1基板側開口部及び第2基板側開口部と直交する方向に上記電気光学パネルを挿入する挿入口を有するケース体と、上記ケース体の上記第1基板側開口部と上記第2基板側開口部との間に、上記第1基板を収容し上記第2基板の縁部に当接する位置決め部とを備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、対向基板側開口部や素子基板側開口部の大きさに限らず、電気光学パネルを挿入口から収容することができる。
【0019】
さらに、上記ケース体の上記第2基板側開口部に、上記第2基板の縁部と重なる張り出し部を形成することで、位置決め部と縁部との間で第2基板をガイドする溝を形成することができる。
【0020】
また、本発明は、第1基板と、上記第1基板より面積が大きい第2基板と、上記第1基板に接合され上記第1基板より面積が大きい透明部材とを有する電気光学パネルと、第1基板側開口部と第2基板側開口部とを有するケース体と、上記ケース体の上記第1基板側開口部と上記第2基板側開口部との間に、上記第2基板の縁部と上記透明部材の縁部で挟まれる張り出し部を有することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、張り出し部によって電気光学パネルを位置決めすることができる。
【0022】
また、本発明は、第1基板と、第2基板と、上記第1基板に接合され上記第1基板より面積が小さい透明部材とを有する電気光学パネルと、第1基板側開口部と第2基板側開口部とを有するケース体と、上記ケース体の上記第1基板側開口部と上記第2基板側開口部との間に、上記第1基板の縁部に当接する位置決め部を有することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、対向基板より面積が小さい透明部材を対向基板に接合する場合に、対向基板を利用して電気光学パネルを位置決めすることができる。
【0024】
また、上記第2基板に上記位置決め部に当接する上記縁部に配線を設け上記配線上に保護膜を形成したり、上記ケース体の上記位置決め部を上記第2基板の角部が当接する部位に形成することにより、配線の保護を図ることができる。
【0025】
また、上記ケース体の上記位置決め部の厚さを、上記第1基板の厚みと、上記第1基板と上記第2基板間の電気光学パネルギャップとの和より狭くすることで、第1基板上に透明部材を接合した時、その接合部とケース内面との間に、接着材溜りとしての隙間を形成することができる。
【0026】
また、上記第1基板と上記第2基板の少なくとも一方に透明部材を接合し、上記透明部材を、透明部材の少なくとも一部を熱伝導率が各種ガラスなどの20〜30倍以上ときわめて高い単結晶サファイアで構成することにより、透明基板の熱伝導率の向上によって電気光学パネルの放熱性が向上するとともに電気光学パネルのパネル面内の温度分布が緩和されるので、過熱や温度分布による画質の劣化を低減することができ、また、冷却手段の増強によるエネルギー消費や騒音などの増大を抑制することができる。また、単結晶サファイアの硬度は各種ガラスなどと比較するとビッカース硬度で2〜4倍と高いので、透明基板の外面側部分の硬度を高めることができる。従って、透明基板の表面に傷が形成されたり、透明基板に欠けや割れが発生したりすることを防止できる。さらに、単結晶サファイアはガラスなどに較べて屈折率が高いため、透明基板を薄く形成してもそのデフォーカス効果を得ることができる。
【0027】
また、上記第1基板と上記第2基板の少なくとも一方に接合された透明部材は、上記ケース体の側面より突出し、その突出した透明部材の周縁に遮光性物質が覆うことにより、周縁から外光が入るのを防止できる。
【0028】
また、上記第1基板と上記第2基板の少なくとも一方に遮光部材を配置し、上記第1基板あるいは上記第2基板の縁部に対応する領域に遮光部が位置することにより、特に透明部材を備えない場合に、電気光学パネルの外周部に遮光部が配置されるため、電気光学パネルの外周部から侵入する光を遮断し、光の侵入による電気光学パネルの誤動作、あるいはコントラストの低下を抑えることができる。
【0029】
また、上記ケース体は、上記第2基板側開口部に段差部を形成するとともに、上記位置決め部と上記段差部との間隔を上記第2基板の厚みより広くすることで、第2基板上に透明部材を接合した時、その接合部とケース内面との間に、接着材溜りとしての隙間を形成することができる。
【0030】
上記各発明の電気光学装置を画像形成手段として備えた投射型表示装置として構成することが望ましい。このような構成によれば、放熱性の良好な電気光学装置が可能となり、冷却ファン等も抑制できるたので、消費電力も低減でき、コンパクトな投射型表示装置を構成できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る電気光学装置及びこれを備えた投射型表示装置の実施形態について詳細に説明する。以下に示す各実施形態は電気光学パネルとして図1に示す従来構造の液晶パネル10を有し、その構造は基本的に従来構造と同一である。ただし、本発明は液晶パネルに限らず、EL(エレクトロルミネッセンス)パネル、有機ELパネルなどの各種電気光学パネルを用いることができるものである。
【0032】
[第1実施形態]
図1は本発明に係る電気光学装置の第1実施形態である液晶パネルモジュールの概略構造を示す模式的な概略断面図である。遮光性を有する黒色の合成樹脂を素材として一体成型されたケース体30は平面矩形の枠状に形成されている。ケース体30において表裏を貫通するように形成された平面矩形状の孔部30aは、素子基板11及び対向基板12を貼り合わせて形成された液晶パネル10を孔部30aのパネルの厚さ方向ほぼ中央位置に収容し、素子基板11側の開口部30bと、対向基板12側の開口部30cとを備えている。
【0033】
本実施形態において、以下の説明の都合上、孔部30aによって構成される仮想的な空間部分であって、孔部30aの軸線方向ほぼ中央の部分を収容部30Aとし、収容部30Aに隣接し開口部30b側に設けられた側面を外側収容部30Bとし、収容部30Aに隣接し開口部30c側に設けられた側面を外側収容部30Cとする。
【0034】
ケース体30の収容部30Aには液晶パネル10が収容され、その対向基板12の端面部に収容部30A内に設けられた内面部31が当接し、液晶パネル10をパネル面方向(パネル面と平行な方向)に位置決めしている。また、収容部30Aには上記内面部31に隣接し、パネル面方向に平行に形成された段差面32が設けられている。この段差面32は素子基板11が対向基板12よりも外側に張り出した部分である突起部(張出部)11aの内面に当接し、液晶パネル10を厚さ方向に位置決めしている。
【0035】
なお、素子基板11の張出部11aに対向する面上に配線や端子などが形成されている場合には、それらを硬質の保護膜(オーバーコート膜など)で被覆し、この保護膜に段差面32が当接するように構成してもよい。また、素子基板11の張出部11aに対向する面上に集積回路などの電子部品が実装されたCOG(Chip On Glass)構造を備えている場合、段差面32は電子部品を回避するように構成されていること、例えば液晶パネル10の4つの角部のうち3つ以上の角部においてのみ当接するように部分的に段差面32が形成されていることが望ましい。
【0036】
収容部30Aの開口部30b側に形成された外側収容部30Bには、上記段差面32と対向する段差面33が形成され、この段差面33のさらに外側(開口部30b側)に、パネルの厚さ方向に平行で平坦な内面部35が形成されている。また、この内面部35の外端が上記開口部30bの開口縁部となっている。すなわち、開口部30bの開口形状がほぼ維持された状態でケース体30の内部に引き込まれるように内面部35が形成され、或いは、外側収容部30Bは全体に亘って開口部30bの開口形状とほぼ同じ平面形状を備えている。
【0037】
相互に対向する段差面32と段差面33の間隔は素子基板11の厚さよりもやや大きく形成されているため、段差面33の形成位置は素子基板11と透明基板1の接合部よりもやや開口部30b側にずれている。
【0038】
また、収容部30Aの開口部30c側に形成された外側収容部30Cには、上記段差面32に対して内面部31を挟んで背反する段差面34が形成され、この段差面34のさらに外側(開口部30c側)に、パネルの厚さ方向に平行で平坦な内面部36が形成されている。また、この内面部36の外端が開口部30cの開口縁部となっている。すなわち、開口部30cの開口形状がほぼ維持された状態でケース体30の内部に引き込まれるように内面部36が形成され、或いは、外側収容部30Cは全体に亘って開口部30cの開口形状とほぼ同じ平面形状を備えている。
【0039】
相互に背反姿勢となる段差面32と段差面34の間隔は、対向基板12の厚さとパネルギャップ(素子基板11と対向基板12との間隔)の和よりもやや小さく形成されているため、段差面34の形成位置は対向基板12と透明基板2の接合部よりもやや開口部30b側にずれている。
【0040】
このように、段差面33及び段差面34は、それぞれ素子基板11と透明基板1の接合部及び対向基板12と透明基板2の接合部よりもずれているため、素子基板11と透明基板1の接合部とケース体30の間及び対向基板12と透明基板2の接合部とケース体30の間に隙間が形成される。これらの隙間は、素子基板11と透明基板1、及び、対向基板12と透明基板2を透明接着剤によって接着したとき、外側にあふれ出た透明接着剤を収容する空間となるため、透明接着剤がケース体30の外側へあふれ出ることを防止したり、或いは、ケース体30の外側への透明接着剤のあふれ量を低減したりすることができる。
【0041】
また、収容部30Aと外側収容部30Bとの間にはそれぞれ段差面33、34が形成されているため、素子基板11の端部と透明基板1の端部とが、若しくは、対向基板12の端部と透明基板2の端部とがパネル面方向にずれるようにして収容することができる。このため、素子基板11の端部と透明基板1の端部との間、若しくは、対向基板12の端部と透明基板2の端部との間に段差が形成されることとなり、この段差によって、素子基板11と透明基板1の接合部若しくは対向基板12と透明基板2の接合部から透明接着剤があふれ出てきても、あふれ量が少なければ、基板材質との間の透明接着剤の濡れ性や表面張力によりあふれ出た透明接着剤は当該段差に溜まり、ケース体の内側に接触することもなくなるから、ケース体から外部へと透明接着剤が漏れ出ることを防止できる。もちろん、透明接着剤のあふれ量が多ければ上記段差にとどまることはできない。しかし、この場合でも、ケース体の段差部33、34によってパネル組立体とケース体内面との間に間隙が形成されているので、この間隙によって透明接着剤をケース体の外部へと漏れでないように構成できる。
【0042】
また、このケース体30においては、透明基板1、2をそれぞれ開口部30b、30cから外側収容部30B、30C内に導入可能に構成されている。具体的には、開口部30b、30cの内側にはパネルの厚さ方向に平行に平坦な内面部35、36が形成されているから、開口部30b、30cから導入可能な形状及び大きさの透明基板1、2であれば、そのまま液晶パネル10に接着することができる。このため、透明基板1、2が不要である場合には液晶パネル10をケース体30に導入しただけで透明基板1、2を導入しなければよく、透明基板1、2の少なくとも一方が必要な場合には液晶パネル10をケース体30に導入した後に、開口部30b、30cから透明基板1、2の少なくとも一方を導入し、透明接着剤によって素子基板11又は対向基板12の外面上に接着すればよい。したがって、透明基板の要否に拘わらず同じケース体30を用いることができるとともに、透明基板の要否に応じて適宜に組立手順を省略したり追加したりするだけで液晶パネルモジュールの組立工程を容易に変更して実施することができる。
【0043】
なお、この実施形態においては、開口部30bと開口部30cとを同じ形状及び大きさに形成し、透明基板1と2を同じ形状及び大きさのガラス板などによって構成できるようになっている。したがって、透明基板を取り扱う工程管理が容易になり、コストも低減できる。
【0044】
ケース体30に対して液晶パネル10は内面部31及び段差面32によってパネル面方向及び厚さ方向に位置決めされるので、さらに液晶パネル10とケース体30とを例えば段差面32と33の間の溝部に配置した接着剤などによって固定すれば、ケース体30に対して液晶パネル10は位置決めされた状態で固定される。ただし、上記接着剤として、例えばシリコンRTVなどのゴム系接着剤などの硬化後も弾性を有する接着剤を用いてもよく、この場合には、ある程度柔軟にケース体30に付着された固定状態となる。
【0045】
上記のように液晶パネル10をケース体30に固定し、透明基板1、2を開口部30b、30cから導入して液晶パネル10に接着することによって、液晶パネル10と透明基板1、2とからなるパネル組立体も全体としてケース体30に固定された状態となる。図10に示す従来の支持体20では、液晶パネル10及び透明基板のパネル厚さ方向の位置決めを開口部20cの開口縁部に形成された張出縁部21によって行っていたため、ケース体20はパネル組立体の厚さよりも必然的に厚くなってしまっていたが、本実施形態では、位置決めを収容部30Aの内部に形成された段差面32によって行っているため、従来のように透明基板の外面を係止する張出縁部21を形成する必要がなく、ケース体30を薄く形成することができる。また、同様の理由によって、透明基板2の外側に形成される張出縁部21を含む部分を形成する必要がなくなり、しかも、開口部30cの開口面積を増大させることができるため、放熱性を向上させることができる。
【0046】
透明基板1、2には、その外周部に遮光層1a、2aを形成することが好ましい。遮光層1a、2aは透明基板1、2にアルミニウムなどを蒸着したり、黒色などの着色層を印刷したりすることにより形成できる。遮光層1a、2aは透明基板1、2のそれぞれの内面(液晶パネル10に対向する側の表面)上に形成することが迷光を遮断することができる点でより好ましい。これらの遮光層1a、2aは液晶パネル10の内部に形成された遮光層12aと平面的に重なる位置に内縁部が来るように構成すれば、より光漏れを防ぐことができる。
【0047】
透明基板1,2及び液晶パネル10とケース体30との間の遮光をより完全に行うには、図示のように透明基板1、2の周縁部とケース体30における開口部30b、30cの開口縁部との間に黒色樹脂などの遮光物質3を塗布し、硬化させることがより好ましい。また、遮光物質3は、開口部30b、30cの一方の開口縁部に塗布してもよい。
【0048】
(投射型表示装置の構造)
本実施例の液晶パネルモジュールは、図8に示す投射型表示装置の内部に設置されるためのものとして設計されている。図8を参照して、上記の液晶パネルモジュールを用いた投射型表示装置である液晶プロジェクタ120の構造について説明する。液晶プロジェクタ120のハウジング内には、光源ランプ121と、2枚のダイクロイックミラー122、123と、3枚の反射ミラー124、125、126とが設置されている。光源ランプとしてはハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを用いることができる。光源から放出された光はダイクロイックミラー122、123によってR(赤)、G(緑)、B(青)の光束に分離される。装置内には3個の液晶ライトバルブ133、134、135がキュービック状のダイクロイックプリズム136を三方から取り囲むように設置されている。上記の反射ミラー124、125、126はR、G、Bの光を上記液晶ライトバルブ133、134、135に導くようになっている。なお、B(青)の光は長い光路による光損失を防ぐために入射レンズ127、リレーレンズ128及び出射レンズ129を介して導かれる。
【0049】
上記の液晶ライトバルブ133、134、135は上記の液晶パネルモジュールによって構成され、そのケース体30を光学ユニット内の図示しない取付部に対して挿入固定することによって設置される。これらの液晶ライトバルブは、図示しない制御駆動手段によって所望の画像情報に応じて制御され、各光束R、G、Bに対する変調を行う。
【0050】
上記液晶ライトバルブ133、134、135によってそれぞれに変調され、所定の画像成分を構成するようにされた各光束R、G、Bはキュービック状のダイクロイックプリズム136にて合成され、投射レンズユニット137により所定位置にあるスクリーン138上に拡大投影される。
【0051】
上記の液晶プロジェクタ120においては、本実施形態を薄型化すると、上記の液晶ライトバルブも薄く形成することができるので、装置全体を小型化することが可能になる。また、上述のように液晶パネルモジュールの放熱性が向上していることにより、液晶パネルモジュールを装着した投射型表示装置において強制冷却のための冷却ファンの送風量を削減することが可能になり、騒音の低減を図ることができる。
【0052】
[第2実施形態]
次に、図2を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と同様な構成を有し、透明基板2を装着しない点が異なるため、異なる点について説明する。この実施形態では、上述の実施形態と同様の液晶パネル10とケース体30とを有するので、同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。本実施形態においては、上記実施形態で示された透明基板2を液晶パネル10の対向基板12の外面上に接着しない。その代わりに、ケース体30の内部において対向基板12の外面上に透明な樹脂基材の周縁部のみに遮光層4aを形成した遮光シート4を貼着している。そして、遮光シート4の周縁部とケース体30の内面部36との間に上記と同様の遮光物質3が付着されている。
【0053】
尚、この遮光シート4は、図示のようにケース体30の外側収容部30Cにほぼぴったりと嵌合し、周縁部が内面部36に当接するサイズに形成されていてもよく、或いは、対向基板12の外面とほぼ等しいサイズに形成され、その外側と内面部36との間を遮光物質3で充填するように構成されていてもよい。
【0054】
[参考形態]
次に、参考形態について図3を参照して説明する。参考形態は、第1実施形態と同様な構成を有し、透明基板1、2の双方を装着しない点で第1実施形態と異なるため、異なる点のみ説明する。この参考形態では、上述の実施形態と同様の液晶パネル10とケース体30とを有するので、同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。この場合には、ケース体30内に液晶パネル10を収容した後、第2実施形態の遮光シート4の代わりに、遮光性の枠体5を、対向基板12の外面上とともに素子基板11の外面上にも貼着する。その後遮光物質3を遮光性の枠体5の周縁部とケース体30との間に付着させる点は第2実施形態と同様である。
【0055】
第2実施形態の構成では、遮光シ−ト4は、パネルの表示面に透明な樹脂基材があったが、参考形態の構成では、遮光性の枠体5が、パネル表示面の外周のみに設けられている。遮光シ−ト4は、パネル表示面への傷や塵埃の付着の防止、及びデフォ−カス効果に適しており、遮光性の枠体5は、パネル表示面には何もないため、透過率の低下を防げるとともに、後に図6により説明する透明基板張り付け時の位置決め用としても機能できる。
【0056】
尚、第2実施形態では遮光シ−ト4を、参考形態では遮光性の枠体5を用いて説明したが、これらは、製品の要求特性に応じて適宜に選択して使用することができる。
【0057】
さらに、本参考形態では、透明基板1、2を液晶パネル10に貼着してもしなくても、ケース体30を共通に使用することができるので、ケース体30を多種用意する必要がなく、製造コストや部品管理の手間を低減することができる。特に、ケース体30に予め液晶パネル10のみを収容し、その後、開口部30b、30cから透明基板1、2を導入し、接着するようにすれば、液晶パネル10のケース体30への収容作業までは図1乃至図3に示すいずれの場合であっても共通となるため、製造工程を複雑化させることもない。
【0058】
本参考形態では液晶パネルモジュールには偏光板を貼着せず、液晶パネルモジュールが設置される投射型表示装置側に偏光板を設置するようにしている。しかし、液晶パネルモジュール側に偏光板を設置する場合もあり、この場合には、液晶パネル10のパネル面に直接に偏光板を貼着することもできるが、ケース体30が上述のように構成されていることによって液晶パネルモジュールの組立完了後においても透明基板1、2の外面上に偏光板を容易に貼着することができる。また、後述するように透明基板1、2の少なくとも一方を装着しなくても支障はないが、このように透明基板1、2の少なくとも一方を装着しない場合には、液晶パネル10をケース体30に収容した後に、そのパネル面上に直接偏光板を貼着することも可能になる。
【0059】
尚、上記実施形態では、外側収容部30B、30Cに透明基板1、2を収容する場合について説明したが、透明基板1、2を全く使用しない場合でも、上述のように液晶パネルモジュールとして液晶パネル10のパネル外面に偏光板を貼着するときとしないときがあり、このように外側収容部に偏光板を収容したりしなかったりするケースにおいても、ケース体の共用に起因する効果を得ることができる。
【0060】
また、外側収容部に収容する他部材としては、上記の他に、マイクロレンズアレイ、カラーフィルタ、反射防止板、光学位相板などが考えられる。
【0061】
[第3実施形態]
次に、図4を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。この実施形態では、上記の第1実施形態とほぼ同様の構造を有するケース体40を備えている。このケース体40はその外面部の構造を除いて第1実施形態のケース体30と同様であり、その説明は省略する。
【0062】
ケース体40には、外側面に2対の係合突起43、45が形成されており、開口部40b側に形成された1対の係合突起43には遮光性を有する保持枠44が取り付けられ、保持枠44の内縁部44aは開口部40b内に張り出している。同様に、開口部40c側に形成された1対の係合突起45には遮光性を有する保持枠46が取り付けられており、保持枠46の内縁部46aは開口部40c内に張り出している。
【0063】
本実施形態では上記のように開口部40b、40cの双方に保持枠44、46が取付可能に構成されているので、図示点線に示すように液晶パネル10とともに透明基板1、2をケース体40内に収容した場合には透明基板1、2の外面を保持することができる。したがって、透明基板1、2を液晶パネル10の外面に透明接着剤を介して接着した後、加熱などによって透明接着剤を硬化させるまでの間に一時的に透明基板1、2を保持する役割を果たすことができる。また、保持枠44、46は遮光性素材によって形成されているので、透明基板1、2の遮光層1a、2aや上述の遮光物質3の代わりとして、遮光層1a、2aを透明基板1、2に設けない場合、遮光物質3を塗布しない場合、透明基板1、2自体をケース体40内に収容しない場合などにおいて遮光機能を果たすことができる。なお、保持枠44、46は透明基板1、2と液晶パネル10の保持機能を有することなく、遮光機能のみを有するように構成してもよく、また、遮光機能を有することなく、透明基板1、2と液晶パネル10の保持機能のみを有するように構成してもよい。
【0064】
[第4実施形態]
次に、図5を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。図5(a)は第4実施形態の液晶パネルモジュールの概略構造を示す模式的な概略断面図であり、図5(b)は概略平面図である。本実施形態は、第1実施形態である図1と同様な構成を有し、共通する構成については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点のみ説明する。この実施形態では、液晶パネル10に面接着される透明基板1、2を液晶パネル10の素子基板11より小さく形成し、透明基板1,2の使用量を低減することによって製造コストを削減した構造を示すものである。尚、本実施形態では、ケース体50の孔部50aには図5(b)の下方に向けて開口する開口部50dが形成されており、この開口部50dから液晶パネル10をパネル面方向にスライドさせながら挿入することができるようになっている。液晶パネル10は図5(b)に示すフレキシブル配線基板16を接続した状態で開口部50dから導入され、後述する接着剤によってケース体50に固定される。
【0065】
本実施形態ではケ−ス体50の外面上に係合突起53が形成され、この係合突起53に保持枠54を取り付けることによって、上記第2実施形態と同様にパネル組立体の一時的な保持機能や遮光機能を果たすことができる。もっとも、この係合突起53及び保持枠54は第1実施形態のように形成しなくてもよく、また、開口部50cの側にも第2実施形態と同様に保持枠を取付できるように形成してもよい。
【0066】
[第5実施形態]
次に、図6を参照して本発明に係る第5実施形態について説明する。図6は第5実施形態の液晶パネルモジュールの概略構造を示す模式的な概略断面図である。本実施形態は、第1実施形態及び第4実施形態と同様な構成を有し、共通する構成については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる点のみ説明する。この実施形態において、液晶パネル10に面接着される透明基板1、2を液晶パネル10の素子基板11より小さく形成し、透明基板1,2の使用量を低減することによって製造コストを削減した構造を示すものであり、この点については参考形態と同様である。第4実施形態と異なる点は、透明基板1を位置決めするための枠体65を設けた点である。
【0067】
本実施形態の場合は、液晶パネル10をスライドさせることなく挿入でき、さらに透明基板1の位置決めも可能である。また、枠体65に遮光性の機能をもたせ、枠体の大きさを適宜に選択することによって、先に参考形態により説明した遮光性の枠体5としても機能することができ、透明基板1を貼り付けない構成においても使用することが可能となる。
【0068】
[第6実施形態]
次に、図7を参照して本発明に係る電気光学装置の第6実施形態について説明する。図7は、第6実施形態の液晶パネルモジュールの概略構造を示す概略断面図である。この実施形態では、液晶パネル10を上記第1実施例とほぼ同様のケース体40によって収容している。本実施形態では、液晶パネル10のパネル面に合わせガラス構造の透明基板6、7を面接着している。ケース体40の開口部40b、40cの開口縁部は透明基板6,7の外面よりも液晶パネル10側に配置されている。この実施形態において用いられる透明基板6、7は、いずれもガラス層6b、7bに単結晶サファイアからなるサファイア層6c、7cを貼り付けした積層構造を備えている。ガラス層6b、7bとしては、例えば厚さ0.7mmなどの適宜の厚さを有する無機ガラスにイオン交換法による化学強化処理を施したものが用いられる。また、サファイア層6c、7cとしては、例えば研磨加工により最終的に300μm程度の厚さになるように形成したものが用いられる。サファイア層の厚さは上記値に限定されることなく任意であるが、実際には50〜1000μmの範囲内であることが、機械的強度と、素材コストとを両立させることができる点で好ましい。ガラス層6b、7bとサファイア層6c、7cの接着は液状或いはシート状のエポシキ系の接着剤などを用いることができる。接着剤としては、充分な接着強度が得られると同時に、透明基板6、7としての光透過率を低減させないもの(硬化後に透明性を有するもの)が好ましい。ここで、ガラス層とサファイア層とを接着した後にいずれか一方の層を研磨して薄肉化してもよく、或いは、両者を接着した後に端部などの加工を行ってもよい。
【0069】
この実施形態では、透明基板6、7のいずれもがサファイア層6c、7cの表面が外面となるようにして液晶パネル10に面接着されている。サファイア層は高い硬度を有するために表面に傷が付きにくく、防塵用基板としては優れた性能を有している。また、熱伝導率が高いため、液晶パネル10の放熱性を向上させることができる。さらに、単結晶サファイアは、各種ガラス(屈折率は1.4〜1.5程度)に較べて高い屈折率(no=1.768、ne=1.760)を有するため、透明基板6、7が薄くても上述のデフォーカス効果を充分に発揮することができる。
【0070】
この実施形態では透明基板6、7を単結晶サファイアと他の透明部材とを貼り合わせた構造としていることにより、高価な単結晶サファイアを大量に使用しなくても傷や破損の防止効果、充分なデフォーカス効果、放熱性の向上効果などを得ることができる。
【0071】
また、ケース体40より突出した透明基板6,7の周縁には遮光性物質として接着剤3が塗布されている。これにより、透明基板6,7の周縁から外光が入るのを防止することができる。さらに、ケース体40の内面と透明基板6,7の内面との間にも遮光性の接着剤が塗布してもよい。
【0072】
第6実施形態のようにサファイア層と他の透明部材とを積層させた透明基板6、7を用いる場合には、ケース体40の開口部40b、40cからサファイア層の厚さ部分のみがケース外に突出するように構成することが、他の透明素材(ガラスなど)の損傷を防止する上で好ましい。尚、本実施形態においても、遮光膜4aと対向基板12の液晶層側に設けた遮光層12aを平面的にみて重ねるように配置すれば、周辺から液晶層への光漏れを防ぐことができる。
【0073】
また、上述の実施形態では、透明基板を単結晶サファイアと他の透明部材とを貼り合わせた構造としたが、単一の単結晶サファイアにしてもよい。
【0074】
また、上述の実施形態では、素子基板11及び対向基板12は石英基板、ガラス基板等で形成することが可能であるが、いずれの実施形態においても素子基板と対向基板の少なくとも一方の基板を単結晶サファイアで構成することも可能である。このような構成によれば、透明基板に加えて素子基板や対向基板が単結晶サファイアで形成されるため、熱伝導率の向上によって電気光学パネルの放熱性を向上するともに電気光学パネルのパネル面内の温度分布が緩和されるので過熱や温度分布による画質の劣化をさらに低減するために有効である。
【0075】
尚、本発明の電気光学装置及びこれを用いた投射型表示装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではない。
【0076】
各実施形態では、対向基板の大きさは素子基板より小さいが、対向基板を素子基板より大きくしてもよい。
【0077】
また、電気光学装置はアクティブマトリクス方式の他に単純マトリクス方式にも適用できる。
【0078】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、ケース体のおける電気光学パネルを収容する収容部に位置決め部が形成され、この位置決め部よりも開口部側に外側収容部が設けられていることにより、従来のようにケース体の開口部の開口縁に電気光学パネルを位置決めするための張出縁部を設ける必要がなくなるため、ケース体を薄く形成することができる。また、張出縁部がなくなることによって電気光学パネルの放熱性を向上させることができる。
【0080】
さらに、外側収容部には、他部材として、電気光学パネルのパネル面上の傷や塵埃による光学的な影響を低減するための透明基板、あるいはその他の光学部材などを接着するなど、種々の他部材を収容することが可能である。このとき、外側収容部に他部材を収容してもしなくても液晶パネルの位置決めに影響しないため、他部材の有無や他部材の種類などに応じてケース体を変更する必要がなくなり、複数種類の製品に対してケース体を共用することができるため、需要に対して柔軟かつ迅速に対応できるとともに、製造コストを低減し、しかも製造工程の管理を容易に行うことができる。
【0081】
また、請求項2記載の発明によれば、対向基板側開口部や素子基板側開口部の大きさに限らず、電気光学パネルを挿入口から収容することができる。
【0082】
また、請求項3記載の発明によれば、張り出し部によって電気光学パネルを位置決めすることができる。
【0083】
また、請求項4記載の発明によれば、対向基板より面積が小さい透明部材を対向基板に接合する場合に、対向基板を利用して電気光学パネルを位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電気光学装置の第1実施形態の概略構造を模式的に示す概略断面図である。
【図2】 本発明に係る電気光学装置の第2実施形態の概略構造を模式的に示す概略断面図である。
【図3】 本発明に係る電気光学装置の参考形態の概略構造を模式的に示す概略断面図である。
【図4】 本発明に係る電気光学装置の第3実施形態の概略構造を模式的に示す概略断面図である。
【図5】 (a)は本発明に係る電気光学装置の第4実施形態の概略構造を模式的に示す概略断面図であり、(b)は第4実施形態の概略構造を模式的に示す概略平面図である。
【図6】 本発明に係る電気光学装置の第5実施形態の概略構造を模式的に示す概略断面図である。
【図7】 本発明に係る電気光学装置の第6実施形態の構造を示す概略断面図である。
【図8】 本発明に係る電気光学装置を用いた投射型表示装置の概略構成を示す模式的な概略構成図である。
【図9】 従来の液晶パネルモジュールの概略構造を示す分解斜視図である。
【図10】 従来の液晶パネルモジュールの概略構造を模式的に示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、2、6、7 透明基板
1a、2a 遮光層
3 遮光物質
4 遮光シート
4a 遮光層
5 遮光性の枠体
10 液晶パネル
11 素子基板
12 対向基板
12a 遮光層
30、40、50 ケース体
30A 収容部
30B、30C 外側収容部
30a 孔部
30b、30c、40b、40c 開口部
31、35、36 内面部
33、34 段差面
65 透明基板の位置決め用枠体

Claims (4)

  1. 第1基板及び第2基板が接合された電気光学パネルと、前記第1基板の外面に配置された透明部材と、前記電気光学パネル及び前記透明部材を収容するケース体とを具備する電気光学装置において、
    前記電気光学パネルの内部であって前記第 1 基板に遮光層を有し、
    前記第2基板は、前記第1基板より延出された突起部を有してなり、前記ケース体の内側に形成された段差部に前記突起部が当接して前記電気光学パネルが位置決めされ、
    前記透明部材は、前記第1基板側の面の外周部であって前記ケース体の内面部より内側において、内縁が前記遮光層と重なり、前記遮光層の外縁よりも前記電気光学パネルの平面方向外側に延出された遮光部材を有するとともに、前記第1基板より縁が延出され、前記第 1 基板側とは反対面の周縁に遮光物質が塗布され、
    前記遮光部材の前記第1基板側の面、及び前記ケース体の間に隙間が形成されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1において、前記透明部材は前記ケース体に形成
    された開口部に収容され、前記透明部材と前記開口部とを跨って遮光物質が充填されてなることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、前記透明部材の少なくと
    も一部が単結晶サファイアであることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
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