JP3686560B2 - 電気光学パネル、電気光学パネルモジュール及び投射型表示装置 - Google Patents

電気光学パネル、電気光学パネルモジュール及び投射型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学パネル、電気光学パネルモジュール及び投射型表示装置に係り、特に、投射型表示装置のライトバルブとして用いられる場合に好適な電気光学パネルの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタなどの投射型表示装置には、所定の画像を形成するために光変調用の電気光学パネルが用いられる場合がある。この場合、光源から電気光学パネルに光を当てるための集光光学系と、電気光学パネルを透過した光をスクリーンなどの投射面に投射し、拡大画像を形成するための拡大投射光学系とが設けられ、集光光学系によって集光された光が電気光学パネルを透過して所定の画像が形成され、これが拡大投射光学系によって前方に投射される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の電気光学パネルを構成する2枚の透明基板の外面に塵埃が付着していたり傷が付いていたりすると、透明基板の外面は、集光光学系によりフォーカスされている電気光学パネルの液晶層に対して1mm程度しか離れていないため透明基板の外面もフォーカス状態にあり、このため、10〜20μm程度の塵埃や傷が存在しても拡大投射されて投射画像の画質を著しく低下させるという問題点がある。
【0004】
また、投射型表示装置では、光源から強い光が照射されるため電気光学パネルに局部的な温度上昇が発生しやすい。このような温度上昇は液晶の光透過率を部分的に変化させるため、表示品位を低下させてしまう。また、温度上昇は液晶等の電気光学物質を劣化させる原因にもなる。
【0005】
そこで、特開平9−105901号公報及び特開平9−113906号公報には、電気光学パネルの透明基板の外面上に接合材を用いて間隔を隔てて別の透明基板を設置し、電気光学パネルの透明基板と別の透明基板との間の空気層により放熱性を高めるとともに、電気光学パネルの透明基板の外面上に傷や塵が付くのを防止する技術が記載されている。しかしながら、この方法では、別の透明基板を間隔を隔てて設置することにより、電気光学パネルと空気層との界面や空気層と別の透明基板との界面において光の反射が生ずるため、光損失が大きくなり、また、反射を防止しようとすると基板表面に反射防止膜を形成する工程が別途必要になるという問題点がある。
【0006】
そこで、本願発明者は上記問題点を解決すべく、電気光学パネルの透明基板の外面上に透明接着剤を介して別の透明基板を面接着させる方法について種々検討し、既に出願している。図6はこのような電気光学パネルの構造を模式的に示すものである。画素電極及びアクティブ素子を内面上に形成した素子基板11と、対向電極を内面上に形成した対向電極12との間に図示しないシール材により電気光学物質である液晶が封入されている。素子基板11の外面上には透明基板28が透明接着剤30により面接着され、対向基板12の外面上には透明基板29が透明接着剤30により面接着される。しかし、この方法において用いる透明接着剤30としては、電気光学パネルに歪みを与えず、しかも素子基板11、対向基板12及び透明基板28,29に対して光屈折率がほぼ等しいものを用いる必要があるために接着材料に制限があり、粘度が低く、しかも硬化後にもある程度の流動性を備えた素材が用いられる。そのため、面接着後に透明接着剤30が基板間の接着部の外側から図示のように溢れ出て、製造工程中及び製造完了後の取り扱いに困難を来すとともに、透明基板28,29の外面に誤って透明接着剤30が付着し易くなるので、製品不良が発生し易いという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、電気光学パネルを構成する透明基板の外面に透明接着剤を用いて透明基板を面接着する場合に、透明基板の形状を変更して透明接着剤の溢れだしを抑制することにより、取り扱いを容易にすることができるとともに、製品不良を低減することのできる新規の構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学パネルは、電気光学物質を挟持する第1基板と第2基板と、前記第1基板の前記第2基板側とは反対側の面に接着されて配置される第3基板を有し、前記第3基板は前記第1基板と同じ大きさで、且つ端面を平面方向にずらすことにより設けられる段差に接着剤が溜まった状態で接着されることを特徴とする。さらに、本発明の投射型表示装置は前記電気光学パネルを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明のかかる構成によれば、第3基板を面接着することによりたとえ第1基板の外面に傷や塵ががついても、これらの傷や塵は電気光学物質から離れデフォーカスされるのでによる表示品位の低下を防止することができるとともに、電気光学パネルの熱容量を増大させることができ、電気光学物質の過熱による表示品位の低下も低減することができる。また、第1基板の端面と第3基板の端面との間の接着部を挟んで段差が形成されていることにより、基板間から接着剤が流出しても、ある程度の量であれば段差に溜まり保持されることになり、段差の外に流れ出してしまうことが防止される。従って、製造工程中や製造後において電気光学パネルの外面に接着剤が付着して作業時の取り扱いが困難になったり、電気光学パネルの光透過部に接着剤が付着して製品不良が発生したりすることを防止することができる。さらに、段差に接着剤が溜まった状態で硬化されるので、第1基板と第3基板との接着力を高めることができる。
【0010】
本発明は、前記第1基板と前記第3基板の平面的な大きさが異なることにより前記段差が形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明のかかる構成によれば、基板の大きさを変えるだけで段差を形成することができるので、基板の端面に特殊な加工を施す必要がない。
【0012】
本発明は、前記第3基板は前記第1基板より大きく且つ前記第1基板の端面が前記第3基板の端面の内側に配置されてなることを特徴とする。
【0013】
本発明のかかる構成によれば、前記第1基板の端面が前記第3基板の端面の内側に配置されてなり、つまり第3基板が第1基板を囲むように大きく形成されているため、たとえ接着剤が流れ出したとしても、第3基板により覆われるため、電気光学パネルの外への流出を抑えることができる。
【0014】
本発明は、第1基板と第2基板との間の内側に電気光学物質が挟持されてなり、前記第1及び第2基板の少なくとも一方の基板の外面に第3基板が接着剤により面接着されてなり、前記第1基板と前記第3基板の少なくとも一方の基板の前記接着剤が形成される面の周辺部には溝が形成されてなることを特徴とする。
【0015】
本発明のかかる構成によれば、、基板から接着剤があふれ出てきても、ある程度の量であれば段差に溜まり保持されるので、溝の外に流れ出してしまうことが防止される。従って、製造工程中や製造後において電気光学パネルの外面に接着剤が付着して作業時の取り扱いが困難になったり、電気光学パネルの光透過部に接着剤が付着して製品不良が発生したりすることを防止することができる。さらに、溝に接着剤が溜まった状態で硬化されるので、第1基板と第3基板との接着力を高めることができる。
【0016】
本発明は、前記第1基板と第3基板の少なくとも一方の端面は、前記基板の内側に向けて傾斜した傾斜面を有することを特徴とする。
【0017】
本発明のかかる構成によれば、傾斜面を有するため、流出される接着剤を溜める領域が広くなり、その結果接着剤の外への流出をさらに防ぐことができる。
【0018】
本発明は、前記傾斜面部は前記端面における基板厚さ方向の接着面側の一部形成されていることが好ましい。傾斜面部を有するため流出された接着剤を傾斜面部で溜めることができる。さらに傾斜面部が部分的に形成されているので、端面のうち傾斜面部が形成されていない部分は通常のように板面に垂直な端面部とすることができるから、当該端面部によってパネルの把持や位置決めなどを行うことができる。
【0019】
本発明は、前記第1基板と前記第3基板とを平面方向にずらして面接着することにより前記段差が形成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明のかかる構成によれば、第3基板を第1基板と等しい大きさに形成しても端面間に段差を形成することができるため、基板に対して特殊な加工を何ら行う必要がない。
【0021】
本発明は、前記第3基板及び透明接着剤は前記第1基板と光屈折率がほぼ等しいことが望ましい。
【0022】
本発明のかかる構成によれば、透明接着剤及び第3透明基板における界面反射を低減することができる。
【0023】
本発明は、前記透明接着剤は硬化後にも弾性を有するものであることが好ましい。
【0024】
本発明のかかる構成によれば、硬化後に弾性を有する透明接着剤を用いることによって、硬化時に発生する応力に起因する基板の歪みを低減することができる。
【0025】
本発明は、前記透明接着剤は硬化後の針入度が60以上90未満であることが望ましい。
【0026】
本発明のかかる構成により、透明接着剤の流れ出しを極力低減しつつ、透明接着剤自身の応力吸収により基板歪みを回避することができる。
【0027】
本発明は、前記接着剤の厚みが5μm以上30μm以下であることが好ましい。
【0028】
本発明のかかる構成により、接着剤の厚さを5μm以上とすることによって基板の傷や塵埃を接着剤により隠すことができる。また、10μm以下にして、接着強度を十分高いものとすることができる。
【0029】
本発明の別の電気光学パネルは、第1基板と第2基板とはシール材により貼り合わせられ、前記第1基板と第2基板の間には電気光学物質が挟持されてなり、前記第1基板と第2基板の少なくとも一方の基板の外側には第3基板が配置されてなり、前記第3基板は前記第1基板より大きく且つ前記第1基板の端面が前記第3基板の端面の内側に配置されてなり、前記第3基板上には、前記第3基板の周辺に沿って遮光部材が配置されていることを特徴とする。
【0030】
本発明のかかる構成によれば、第3基板が第1基板よりも外形が大きく、しかも遮光部材が第3基板の周辺にそって形成されているため、電気光学パネルへの斜めからの光の侵入を防ぐことができる。
【0031】
本発明の電気光学パネルは、前記第3基板側から入射された光が前記第1基板を介して前記第2基板側に出射されてなり、前記遮光部材は平面的にみて前記シール材に重なるとともに、前記シール材の外側に延在されていることを特徴とする。
【0032】
本発明のかかる構成によれば、遮光部材はシール材の外側に延在されているため、例えば第1基板の表示領域に薄膜トランジスタが形成されている場合、シール材での散乱光が薄膜トランジスタ等に入射するのを防ぐことができ、薄膜トランジスタ特性の劣化を防ぐことができる。
【0033】
本発明は、前記第3基板側から入射された光が前記第1基板を介して前記第2基板側に出射されてなり、前記第1基板と第2基板の一方には前記シール材の内側に遮光膜が配置されてなり、前記遮光部材は前記遮光膜と平面的に重なるとともに、前記シール材の外側に延在されていることを特徴とする。
【0034】
本発明のかかる構成によれば、シール材の内側に形成された遮光膜と遮光部材が平面的に重なるため、表示領域周辺の光を遮光することができ、コントラストのよい表示を行うことができ、また漏れ光によるパネルへの影響、例えば素子基板上に形成された薄膜トランジスタの特性劣化等を防ぐことができる。
【0035】
本発明は、前記遮光部材は、前記第3基板の前記電気光学物質側に配置されてなることを特徴とする。
【0036】
本発明のかかる構成によれば、シール材の内側の遮光膜と遮光部材との間隔が遮光部材を第3基板の液晶層側の反対側に設ける場合よりも小さいため、遮光膜と遮光部材を平面的に重ねる時の位置合わせを容易に行うことができる。
【0037】
本発明は、前記遮光部材は、前記第3基板の前記電気光学物資側と反対側の面に配置されてなることを特徴とする。
【0038】
本発明のかかる構成によれば、第3基板の外側に遮光部材が配置されているため、シール材への斜めに入射される光の侵入を防ぐために、更に効果的である。
【0039】
本発明は、前記第1基板と第3基板は接着剤により面接着されてなることを特徴とする。
【0040】
本発明のかかる構成によれば、第1基板と第3基板が接着剤で面接着されているため、空気層がない。そのため、パネルと空気層との界面において光の反射の発生を防ぐことができる。また、第1基板よりも第1基板の外側に配置される第3基板が大きいため、たとえ接着剤が流れ出しても、接着剤は第3基板より覆われるため、電気光学パネルの外への流出を抑えることができる。
【0041】
本発明は、前記電気光学パネルと、前記電気光学パネルに導電接続された配線部材と、前記電気光学パネルを収容するケース体とを備えた電気光学パネルモジュールである。
【0042】
本発明のかかる構成により、ケース体により接着剤の流れ出しを抑えることができる。
【0043】
本発明は、前記電気光学パネル若しくは電気光学パネルモジュールを液晶ライトバルブとして備えた投射型表示装置である。ここで、投射型表示装置には、光源から発せられた光を電気光学パネルへ集光する集光光学系と、電気光学パネルを透過して変調された光をスクリーンなどの投射面に拡大して投射する拡大投射光学系とが設けられる。本発明は特に電気光学パネルの基板外面についた傷や塵の影響が大きく、電気光学パネルの過熱が発生しやすい投射型表示装置に適用することにより著しい効果を得ることができる。
【0044】
なお、上記電気光学パネルにおいては、第2基板の外面にも透明接着剤を介して第3基板を面接着することが好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0046】
[第1実施形態]
(電気光学パネルの全体構成)
図1は本発明に係る電気光学パネルの第1実施形態の構造を示す模式的な概略構成図である。この実施形態においては、画素電極及びアクティブ素子を内面上に形成したガラスなどからなる透明な素子基板11と、対向電極を内面上に形成したガラスなどからなる透明な対向基板12との間の内側に液晶層が挟持されて電気光学パネル10が形成されている。この電気光学パネル10において、素子基板11の外面上には透明基板31を透明接着剤30によって面接着し、対向基板12の外面上には透明基板32を透明接着剤30によって面接着してある。透明基板31は素子基板11とほぼ等しい光屈折率を備えたものであり、好ましくは素子基板11と全く同じ材質により形成される。透明基板32もまた対向基板12とほぼ等しい光屈折率を備えたものであり、好ましくは対向基板12と全く同じ材質により形成される。
【0047】
透明接着剤30は、上記素子基板11と透明基板31とを面接着する場合には素子基板11及び透明基板31とほぼ等しい光屈折率を備え、硬化後において透明な接着剤が用いられる。また、対向基板12と透明基板32とを面接着する場合にも同様に対向基板12及び透明基板32とほぼ等しい光屈折率を備え、硬化後において透明な接着剤が用いられる。
【0048】
上記透明基板31,32としては、素子基板11、対向基板12が石英基板(光屈折率=1.46)であれば同様の石英基板を用いることによって光屈折率を一致させることができる。また、透明接着剤30としては、上述のように石英基板を用いる場合には光屈折率が1.46となるように調製したシリコン系接着剤やアクリル系接着剤を用いることができる。
【0049】
もちろん、素子基板11、対向基板12がネオセラムなどの屈折率が1.54の高耐熱ガラス板であれば、透明基板31,32においても同じ材質の高耐熱ガラス板を用いればよい。また、透明接着剤30についても、上記シリコン系接着剤やアクリル系接着剤を屈折率が1.54になるように調製することができる。
【0050】
本実施形態では、素子基板11,対向基板12として、それぞれ1.2mm厚の石英基板、1.1mm厚の石英基板を用い、透明基板31,32としては、1.1mm厚の石英基板を用いている。また、透明接着剤30の厚さについては、5〜30μmの範囲とすることが好ましい。特に、接着剤の厚さを5μm以上とすることによって基板の傷や塵埃を接着剤により隠すことができる。また、10μm以下にして、接着強度を十分高いものとすることができる。
【0051】
上記電気光学パネルに透明基板31,32を面接着する工程においては、透明基板31,32の内面と、素子基板11、対向基板12の外面の双方に透明接着剤30を滴下、塗布した後、透明接着剤30同士を最初の接触点として2枚の基板を重ね合わせ、かつ、双方を押し付けることにより、基板間で透明接着剤30を押し広げ、しかる後に透明接着剤30を硬化させる。このようにすると、透明接着剤30の内部に気泡が残ることがないので、気泡に起因する表示品位の低下を避けることができる。なお、この接着工程は電気光学パネルの組み立て前後のいずれのタイミングで行ってもよい。
【0052】
ここで、上記透明接着剤は硬化後にも弾性を有していることが好ましい。透明接着剤の硬化後の針入度が90以上であれば硬化時に接着剤が基板上から流れてしまい、適量の接着剤を基板上に保持することができない。また、針入度が60未満であれば接着剤硬化時の応力を吸収することができず、基板間に歪みが発生してしまう。従って、透明接着剤は硬化後の針入度が60以上90未満であることが好ましい。
【0053】
本実施形態では、電気光学パネル10の素子基板11よりも透明基板31を大きな面積に形成し、対向基板12よりも透明基板32を大きな面積に形成している。具体的には、素子基板11と対向基板12が略矩形の平面形状を備えているのであれば、それらの各辺の長さよりも透明基板31,32の各辺は長く形成されている。このため、透明基板31,32の端面は素子基板11、対向基板12の端面よりもすべて外側に配置することができる。このようにすると、素子基板11又は対向基板12の端面と透明基板31,32の端面との間の接着部30a(面接着された両基板の間に形成される接着層における端部に相当する。)を挟んで図示のように段差が形成される。その結果、素子基板11と透明基板31、対向基板12と透明基板32とを上述のように透明接着剤30にて面接着した場合、透明接着剤のはみ出し量がある程度の範囲内におさまっていれば、透明接着剤30の一部が接着面から外側にあふれ出ても、上記の段差部分において溜まり、透明接着剤の表面張力や基板表面に対する濡れ性の程度に応じて、図示のように保持され、透明接着剤30のそれ以上の広がりを低減できる。また、透明基板31、32が素子基板11と対向基板12よりも大きく、平面的にカバーした状態であるので、流れ出た接着剤に直接触れることを防ぐことができる。
【0054】
上記のような状態で透明接着剤30のはみ出し部分が段差部に保持されるためには透明接着剤30の量をある程度制御しなければならないが、透明接着剤30の量のマージンは段差量を大きくとることによって十分に大きくなるので、実際には透明接着剤30の段差部からの溢れを容易に回避することができる。また、透明接着剤30を滴下して2枚の基板を貼り合わせた後、基板外縁にあふれ出す透明接着剤30を吸引器具などにより吸い取ることもできる。しかし、この場合でも吸い取り後及び硬化後に透明接着剤30が流れ出してくる場合もあるので、本実施形態は非常に有効である。また、上記の透明接着剤30は硬化時において一時的に粘度が低下する場合もあり、この場合には粘度の低下によってより流動性が高めるので、本実施形態はさらに効果的である。
【0055】
さらに、上記のように段差部に透明接着剤30が溜まることによって、両基板が端部にてより強固に接着されるため、素子基板11、対向基板12と透明基板31,32との間の接着力を高めることができ、より確実かつ強固に透明基板31,32の接着固定を行うことができる。
【0056】
(電気光学パネルの内部構造)
次に、本実施形態における上記電気光学パネル10の内部構造について簡単に説明する。図7は、透明基板31と透明基板32を省略した状態の電気光学パネルの平面図であり、図8は、図7のA−A’断面図である。尚、図8は透明基板31と透明基板32を含めた断面図で示してある。本実施形態では、後述するように液晶プロジェクタの側に偏光板が設置されて、電気光学パネルには貼着されていない場合がある。素子基板11の内面上には配線層、画素電極、TFTなどのアクティブ素子などが公知のパターンにて形成されており、その上に配向膜(図示せず)が被着される。配向膜は所定方向にラビング処理を施される。一方、対向基板12の内面上には画素電極(図示せず)に対向する対向電極(図示せず)が形成され、その上に同様の配向膜が形成され、同様にラビング処理が施される。このように形成された素子基板11と対向基板12はシール材14を介して貼り付けられる。シール材14としては多くの場合、光硬化性樹脂などが用いられ、素子基板11と対向基板12との間隔を所定値(2〜10μm程度)に保持可能になる程度にアライメントをし、光照射によりシール材14を硬化する。その後に、真空中にてシール材14の内側にその開口部14aから液晶が注入されて液晶層が形成される。液晶注入後、両基板の平行度が確保された状態で開口部14aが樹脂からなる封止材15によって封止される。より面積の大きな素子基板11の内面上には予め所定の外部配線パターン11aが形成されている。素子基板11の一辺側端部には外部端子19を多数配列させた外部端子部11bが形成されており、この外部端子部11bには、フレキシブル配線基板16の接続部が異方性導電膜などを介して導電接続される。なお、遮光膜12aは液晶表示パネルの中央の表示領域とその周辺の非表示領域との境界を仕切るためにもうけられた額縁と称されるものであり、対向基板12の内面上にCr等の金属により形成されたものである。また、素子基板11の内面上にも、シール材14に重なる部分のすぐ内側に同様の遮光膜が形成されている場合がある。
【0057】
(電気光学パネルモジュールの構造)
図9は図7及び図8に示すような電気光学パネル10を備えた電気光学パネルモジュールの分解斜視図である。図9に示されるように、素子基板11に透明基板31が貼り付けられており、対向基板12に透明基板32が貼り付けられている。尚、図9では、配置関係をわかりやすく示すために、素子基板11と透明基板31の大きさは同じに、対向基板12と透明基板32は同じ形状で示されている。実際には、上述のように、透明基板31と透明基板32が素子基板11と対向基板12と大きさが異なることは言うまでもない。図9に示すように取付体40の収容凹部41内に電気光学パネル10を収容し、保持板60をセットすることによって電気光学パネルモジュールが形成される。保持板60の両端部に形成された嵌合片62には嵌合孔部62aが設けられており、この嵌合孔部62aにパネル取付枠40の側面に形成された嵌合部43の嵌合突起43aが嵌合するようになっている。ここで、電気光学パネル10の素子基板11のうちの対向基板12から外側に張り出した張出領域と、収容凹部41の第1段差部42Aとの間に、例えばシリコンRTV(室温硬化型シリコンゴム)等のシリコンゴムなどを主成分とする接着剤を流し込み、接着剤を固化させることによって電気光学パネル10をパネル取付枠40に固定することができる。このとき、電気光学パネル10の例えば透明基板32の外面が第2段差部42Bに当接して位置決めされる。
【0058】
逃げ溝42bは、電気光学パネルの図7に示す封止剤15の盛り上がりを回避するためのものであり、パネル取付体40への収容状態において電気光学パネル10の浮き上がりを防止する。外側支持面部48はフレキシブル配線基板16の表面に対向し、フレキシブル配線基板16の不要な変形を抑制する。外側支持面部48に設けられた凹溝48aには接着剤を充填させてフレキシブル配線基板16をパネル取付体40に接着させることも可能である。このようにすることによって、フレキシブル配線基板16とパネル取付枠40との接続部分よりも外側で固着されるので、導電接続部に応力が加わりにくくなり、電気光学パネルの外部端子部と導電接続部との接続部分に応力が加わりにくくなり、電気光学パネルの外部端子部と導電接続部との接続部分の信頼性を向上させることができ、電気光学パネル10の画面ずれを低減することができる。
【0059】
本実施形態においては、上述のように透明接着剤が素子基板11又は対向基板12の端面と透明基板31、32の端面との間に、段差が形成されているため、透明接着剤はその段差に保持され、パネル取付枠40や保持板60に流出するのを低減できる。これに加えて、仮に透明接着剤が段差部から流れ出したとしても、電気光学パネルモジュールのパネル取付枠に凹溝48aあるいは42bが設けられていれば、接着剤はこれらの溝に保持され、パネル取付枠40から外に流れ出すのをを防ぐために効果的である。尚、図9の電気光学パネルモジュールは、透明基板31と素子基板11、透明基板32と対向基板12がほぼ同じ大きさで示されているが、上述の実施形態の透明に合わせてパネル取付枠40の内部の段差形状を変形すればよい。
【0060】
(投射型表示装置)
図10において、上記の電気光学パネルモジュールを用いた投射型表示装置1100の構造について説明する。電気光学パネルモジュールを3個用意し、各々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いた投射型表示装置として構成されている。投射型表示装置1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに各々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより各々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0061】
本実施形態の電気光学パネルを含む電気光学パネルモジュールを液晶ライトバルブとして用いた液晶プロジェクタにおいては、電気光学パネルモジュールのパネル取付枠40の外面に透明接着剤が流れ出すことを抑制することができるため、製造組立時や修理時などにおいて、誤って透明接着剤が電気光学パネルの防塵ガラスとして機能する透明基板31,32の中央部分に付着したり、プロジェクタ内のプリズムユニット140の表面に付着したりして画質が悪化し、製品不良が生ずることを防止することができる。したがって、取り扱い性の悪化や製品不良の増加などの問題点を生ずることが無いため、透明基板31,32を面接着したことによって得られる塵や傷の存在や液晶の過熱などによる画質劣化の抑制効果を支障なく享受することができる。
【0062】
本実施形態の電気光学パネルを含む電気光学パネルモジュールを液晶ライトバルブとして用いた液晶プロジェクタにおいては、電気光学パネルモジュールのパネル取付枠40の外面に透明接着剤が流れ出すことを抑制することができるため、製造組立時や修理時などにおいて、誤って透明接着剤が電気光学パネルの防塵ガラスとして機能する透明基板31,32の中央部分に付着したり、プロジェクタ内のプリズムユニット1112の表面に付着したりして画質が悪化し、製品不良が生ずることを防止することができる。したがって、取り扱い性の悪化や製品不良の増加などの問題点を生ずることが無いため、透明基板31,32を面接着したことによって得られる塵や傷の存在や液晶の過熱などによる画質劣化の抑制効果を支障なく享受することができる。
【0063】
[第2実施形態]
次に、図2を参照して本発明に係る電気光学パネルの第2実施形態について説明する。この実施形態において、電気光学パネル10自体の内部構造は上記第1実施形態と全く同様であり、また、この電気光学パネルを用いた電気光学パネルモジュールや液晶プロジェクタの構造も全く同様であり、異なる点のみ説明する。
【0064】
この実施形態では、図2に示すように、素子基板11の外面上に素子基板11よりも面積が小さく、素子基板11が矩形状の平面形状を備えているならばその縦横2辺の長さが共に素子基板11より小さい透明基板33を透明接着剤30により面接着している。同様に、対向基板12の外面に面接着される透明基板34も対向基板12よりも面積が小さく、平面矩形状であるならばその縦横2辺の長さが共に対向基板12よりも小さい。このため、素子基板11の端面と透明基板31の端面との間の接着部30a、及び対向基板12の端面と透明基板32の端面との間の接着部30aを挟んでその両側に段差が形成される。この段差部は、第1実施形態と同様に基板から流出した透明接着剤30を保持し、段差部から透明接着剤が流れ出すことを防止する。
【0065】
[第3実施形態]
次に、図3を参照して本発明に係る電気光学パネルの第3実施形態について説明する。この実施形態において、電気光学パネル10自体の内部構造は上記第1実施形態と全く同様であり、また、この電気光学パネルを用いた電気光学パネルモジュールや液晶プロジェクタの構造も全く同様であり、異なる点のみ説明する。
【0066】
この実施形態では、素子基板11及び対向基板12にそれぞれ透明接着剤30により面接着する透明基板35,36の端面をその板面に対して素子基板11及び対向基板12の側(或いは接着部30aの側)に向くように斜めに形成してある。このため、素子基板11の端面と透明基板35の端面との間の接着部30a、及び、対向基板12の端面と透明基板36の端面との間の接着部30aを挟んでその両側に段差が形成される。したがって、この実施形態においても、上記の各実施形態と同様に段差部に透明接着剤30が保持され、透明接着剤30の溢れだしが防止される。
【0067】
この場合、透明基板35,36の端面を斜めに形成するのではなく、図示点線で示すように素子基板11、対向基板12の端面を斜めに形成することによっても、上記と同様に段差が形成され、その段差部に透明接着剤30が保持される。また、図示のように透明基板35,36の端面を斜めに形成すると同時に素子基板11及び対向基板12の端面をも斜めに形成し、素子基板11及び対向基板12の端面と、透明基板35,36の端面とが互いに向かい合わせになるように共に斜めにすることによっても、両端面間に凹部が形成されたことになり、ここに透明接着剤30を溜めて保持することができる。
【0068】
[第4実施形態]
次に、図4を参照して本発明に係る電気光学パネルの第4実施形態について説明する。この実施形態においても、電気光学パネル10自体の内部構造は上記第1実施形態と全く同様であり、また、この電気光学パネルを用いた電気光学パネルモジュールや液晶プロジェクタの構造も全く同様であり、異なる点のも説明する。
【0069】
この実施形態では、素子基板11に面接着される透明基板37の端面に面取部37a,37bを形成することによって、面取部37aと素子基板11の端面との間の接着部30aを挟んでその両側に段差を形成し、この段差部に透明接着剤30を溜めて保持している。また、対向基板12に面接着される透明基板38の端面に面取部38aを形成し、面取部38aと対向基板12の端面との間に段差を形成し、この段差部に透明接着剤30を溜めて保持するようになっている。
【0070】
この実施形態においても、上記各実施形態と同様に透明接着剤30を保持してその流れ出しを防止することができる。ここで、図示点線で示すように、面取部37a,38aの代わりに、或いは、面取部37a,38aとともに、透明基板37,38の側に面取部を形成してもよい。これらの場合には、接着部30aを含む凹部が形成されるため、この凹部に透明接着剤30を溜め、保持することができる。なお、上記の面取部の代わりに、基板角部を曲面化してなるR面部(曲面部)を設けても全く同様の効果を有する。
【0071】
上述の第3実施形態と第4実施形態においては、素子基板11及び対向基板12の端部と、透明基板35,36,37,38の端面とが平面的に見て一致しているため、電気光学パネル10のパネル取付枠40などに対する位置決めが容易になるという利点がある。特に、第4実施形態のように基板厚さ方向に見て端面の一部にのみ面取部などの構造が形成されており、残りの部分は基板板面に対して垂直な面になっている場合には、パネルの位置決め作業やパネルを移動させる際の把持作業をさらに容易かつ正確に行うことができる。
【0072】
[第5実施形態]
図5を参照して本発明に係る電気光学パネルの第5実施形態について説明する。この実施形態においても、電気光学パネル10自体の内部構造は上記第1実施形態と全く同様であり、また、この電気光学パネルを用いた電気光学パネルモジュールや液晶プロジェクタの構造も全く同様であり、異なる点のみ説明する。
【0073】
この実施形態では、素子基板11に対して透明接着剤30により面接着される透明基板28及び対向基板12に対して透明接着剤30により面接着される透明基板29を図6に示す場合と同様にほぼ同じ大きさに形成しているが、素子基板11に対して透明基板28を平面方向にずらし、対向基板12に対して透明基板29を平面方向にずらして面接着しているので、素子基板11及び対向基板12の端面と、透明基板28,29の端面との間の接着部30aを挟んでその両側に段差が形成され、この段差部に透明接着剤30が溜まり保持されるようになっている。
【0074】
この実施形態では、透明基板28,29が素子基板11及び対向基板12に対して図の左右方向にずれた様子を示してあるが、図の紙面方向にもずらすことにより、素子基板11及び対向基板12の端面と透明基板28,29の端面との間に全周に亘って段差を形成することができる。この実施形態によれば、透明基板28,29の大きさを素子基板11及び対向基板12の大きさと等しく形成することができ、また、端面を特殊形状に加工する必要もないから、従来の製造工程を大きく変えることなく、容易に製造することができる。
【0075】
尚、上述の第2実施形態乃至第5実施形態では、素子基板と透明基板の大きさや、対向基板と透明基板の大きさが異なるが、図9に示した電気光学パネルモジュールを透明基板の大きさに合わせて、パネル取り付け枠40の形状を変形すればよい。
【0076】
[第6実施形態]
次に図11を参照して本発明に係る電気光学パネルの第6実施形態について説明する。図11は、第1実施形態の電気光学パネルの内部構造について説明した図8の断面図に相当する断面図である。この実施形態においても、電気光学パネル10自体の内部構造は上記第1実施形態とほぼ同じであり、またこの電気光学パネルを用いた電気光学パネルモジュールや液晶プロジェクタの構造も全く同様であり、異なる点のみ説明する。
【0077】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、素子基板11に対して透明接着剤30により面接着される透明基板31が素子基板11よりも大きい。また対向基板12に対して透明接着剤30により面接着される透明基板32が対向基板12よりも大きい。即ち、透明基板31と透明基板32の端面はそれぞれ素子基板11と対向基板12の端面よりもすべて外側に配置されている。本実施形態は透明基板31と透明基板32の周辺部の外周のほぼ全周に遮光部材55が形成されている点で、第1実施形態1と異なる。即ち、透明基板31と透明基板32の液晶層側に例えば、クロム、アルミニウム等の金属、あるいはカーボン等からなる遮光部材55が配置されている。そして、この遮光部材は、シール材14に平面的に重なるとともに、シール材14の端部から外側に向けて、透明基板32上に透明基板32の外周に沿って形成されている。透明基板32側から対向基板12側を介して入射された光が素子基板11側に出射される場合、遮光部材55はシール材14よりも外側に形成されているため、シール材14に斜めから入り込もうとする光を遮光部材55で遮ることができる。従って、例えば素子基板11の表示領域に薄膜トランジスタが形成されている場合、シール材14での散乱光が薄膜トランジスタ等に入射するのを防ぐことができ、薄膜トランジスタ特性の劣化を防ぐことができる。即ち、透明基板32と対向基板12の外周が同じあるいは、透明基板32の外周よりも対向基板12の外周のほうがはみ出している場合は、透明基板32に遮光部材55を設けても、透明基板32の端部がシール材14の形成領域の上あるいは内側になるため、シール材14に斜めから入る光を妨げることができない。一方、本実施形態のように、透明基板32の外周のほうが対向基板12の外周よりもはみ出している場合、透明基板32に形成される遮光部材55をシール材14よりも外側に延在させることができ、シール材14への光の侵入を防ぐことができる。さらに、この遮光部材55は、対向基板12に形成された遮光膜12aに平面的に重なるように設けることにより、基板周辺の表示領域以外への光漏れを防ぐことができ、コントラストのよい表示を行うことができる。
【0078】
[第7実施形態]
次に図12を参照して本発明に係る電気光学パネルの第6実施形態について説明する。図12は、第1実施形態の電気光学パネルの内部構造について説明した図8の断面図に相当する断面図である。この実施形態においても、電気光学パネル10自体の内部構造は上記第1実施形態とほぼ同じであり、またこの電気光学パネルを用いた電気光学パネルモジュールや液晶プロジェクタの構造も全く同様であり、異なる点のみ説明する。
【0079】
本実施形態では、第6実施形態と同様に、素子基板11に対して透明接着剤30により面接着される透明基板31は透明基板11よりも大きい。そして対向基板12に対して透明接着剤30により面接着される透明基板32は対向基板12よりも大きい。本実施形態は、第6実施形態と同様に、透明基板31と透明基板32の周辺部の外周のほぼ全周に遮光部材55が形成されているが、この遮光部材55が透明基板31と透明基板32の液晶層側と反対側に配置されている点で第6実施形態と異なる。このように、透明基板31と透明基板32の液晶層側とは反対側に遮光部材55を設けることにより、さらに第3基板側からシール材14侵入しようとする斜め光を防ぐために効果的である。
【0080】
以上の第6実施形態と第7実施形態は、透明基板31と透明基板32の両方に遮光部材55を設けてもよいし、一方の透明基板に遮光部材55を設けてもよい。素子基板側からの戻り光を防ぐためには、透明基板32の外周に遮光部材55を設けるとよい。
【0081】
以上説明した上記各実施形態では、いずれも、電気光学パネル10の素子基板11と対向基板12の双方に対して透明基板を面接着している場合について説明してきたが、素子基板11と対向基板12のいずれか一方の外面上にのみ透明基板を面接着してもよいことはもちろんである。
【0082】
また、上記各実施形態では、面接着する両基板の端面の間に段差や凹部を構成し、ここに透明接着剤を溜め、保持するようにしているが、いずれか一方の基板の端面の途中に段差を形成し(すなわち接着部30aの近傍ではあるが、接着部30aから僅か離れた端面の部分に段差を形成し)、この段差部に透明接着剤を溜め、保持するように構成してもよい。また、上記各実施形態における基板の端面は、基板板面に対して垂直であるか斜めであるかを問わず、平面に形成する場合について説明してきたが、両基板の端部に透明接着剤を保持するための段差や凹部が形成されるのであれば、端面自体を平坦面でなく、例えば曲面として形成してもよい。
【0083】
図示を省略するが、第1及び第3基板の端面に段差を形成する代わりに、又は段差とともに第1基板と第3基板の接着剤に対向する側の周辺部に溝を設けることにより、接着剤の流れ出しを抑えることができる。このような構成とすることにより、溝に溜まった接着剤により接着強度を高めるとともに接着剤の流れ出しを抑えることができる。
【0084】
上記素子基板及び対向基板は透明な基板を用いて説明したがこれに限るものではない。例えば反射型の電気光学パネルにおいては、一方の基板はシリコン基板等の不透明な基板を用いる場合があるが、そのような構成においても本発明は適用可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第3基板を面接着することにより外面が電気光学物質から離れデフォーカス化されるので第1基板の外面に付いた傷や塵による表示品位の低下を防止することができるとともに、電気光学パネルの熱容量を増大させることができ、電気光学物質の過熱による表示品位の低下も低減することができる。また、第1基板の端面と第3基板の端面との間の接着部を挟んで形成された段差、接着部の近傍に形成された段差、或いは、接着部を含む凹部が形成されていることにより、基板間から接着剤があふれ出てきても、ある程度の量であれば段差や凹部に溜まり、保持されるので、段差や凹部の外に流れ出してしまうことが防止される。したがって、製造工程中や製造後において電気光学パネルの外面に透明接着剤が付着して作業時の取り扱いが困難になったり、電気光学パネルの光透過部に接着剤が付着して製品不良が発生したりすることを防止することができる。さらに、段差や凹部に接着剤が溜まった状態で硬化されるので、第1基板と第3基板との接着力を高めることができる。
【0086】
また、第3基板が第1基板よりも外形が大きい場合、第1基板の外周に沿って遮光部材を設けることにより、シール材への光の侵入を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気光学パネルの第1実施形態の模式的な概略構造を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る電気光学パネルの第2実施形態の模式的な概略構造を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る電気光学パネルの第3実施形態の模式的な概略構造を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る電気光学パネルの第4実施形態の模式的な概略構造を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係る電気光学パネルの第5実施形態の模式的な概略構造を示す概略構成図である。
【図6】防塵ガラスを面接着した通常の電気光学パネル(比較例)の模式的な概略構造を示す概略構成図である。
【図7】各実施形態の電気光学パネルの概略の内部構造を示す模式的な平面透視図である。
【図8】各実施形態の電気光学パネルの概略の内部構造を示す模式的な断面図である。
【図9】各実施形態の電気光学パネルモジュールの構造を示す分解斜視図である。
【図10】各実施形態の電気光学パネルモジュールを用いた液晶プロジェクタの構造を示す概略構成図である。
【図11】本発明に係る電気光学パネルの第6実施形態の内部構造を示す模式的な断面図である。
【図12】本発明に係る電気光学パネルの第7実施形態の内部構造を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
10 電気光学パネル
11 素子基板
12 対向基板
28,29,31,32,33,34,35,36 透明基板(防塵ガラス)
30 透明接着剤
37a,38a 面取部
40 パネル取付枠
55 遮光部材
60 保持板

Claims (2)

  1. 電気光学物質を挟持する第1基板と第2基板と、
    前記第1基板の前記第2基板側とは反対側の面に接着されて配置される第3基板を有し、
    前記第3基板は前記第1基板と同じ大きさで、且つ端面を平面方向にずらすことにより設けられる段差に接着剤が溜まった状態で接着されることを特徴とする電気光学パネル。
  2. 請求項1に記載の電気光学パネルを備えたことを特徴とする投射型表示装置。
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