JP3655705B2 - 蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコイン等を用いて回転させることで開口部を開閉する蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種電気、電子機器や器具の電池室には、電池を挿脱するため開口部が設けられ、この開口部を開閉する蓋として、コイン等を用いて回転させる方式のものが多く用いられている。
この種の蓋は、例えば、開口部の雌ねじに螺合する雄ねじが形成された胴部と、コインが係合される円弧状の係合溝が形成された端面とを備える。
そして、開口部を開閉する際には、前記係合溝にコインを係合させ、コインを介して蓋を回転させる操作がなされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上述のような蓋の端面には、前記円弧状の係合溝が一つ形成されているのみである。
従って、少量のコインしか持ち合わせていない場合、そのコインの幅が円弧状の係合溝の幅よりも大きいとコインを係合溝に係合させることができず、蓋を開閉できない可能性が大きい。
また、そのコインの幅が円弧状の係合溝の幅よりも大分小さいと、コインにより係合溝の縁を欠損させる等の不具合が生じる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、少量のコインしか持ち合わせていない場合であっても、係合溝の縁を欠損させることなく開閉できる可能性を高め、実用的価値を高めることができる蓋を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、コイン等のような薄板が係合される溝を有する蓋であって、前記溝は、第1の幅で延在する第1の係合溝と、前記第1の幅よりも小さな第2の幅で延在する第2の係合溝とからなり、前記第1の係合溝はその底面が第1の曲率半径により円弧状に形成され、前記第2の係合溝は前記第1の係合溝の底面に、その底面が前記第1の曲率半径よりも小さな第2の曲率半径により円弧状に形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、端面と外周面を有し、前記端面にコイン等のような薄板が係合される係合溝が形成され、前記外周面に、回転することで開口部に係脱する係合手段が設けられた蓋であって、前記係合溝は、第1の幅で延在する第1の係合溝と、前記第1の幅よりも小さな第2の幅で延在する第2の係合溝とからなり、前記第1の係合溝はその底面が第1の曲率半径により円弧状に形成され、前記第2の係合溝は前記第1の係合溝の底面に、その底面が前記第1の曲率半径よりも小さな第2の曲率半径により円弧状に形成されていることを特徴とする。
【0005】
また、本発明は、前記第2の係合溝が、第1の係合溝の幅方向の中央に形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1の係合溝の延在方向と、第2の係合溝の延在方向は平行していることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1の係合溝の延在方向の中央と、第2の係合溝の延在方向の中央はほぼ一致していることを特徴とする。
また、本発明は、前記蓋が、前記第1の係合溝と第2の係合溝が形成される端面と、前記端面からほぼ直交する方向に延在する外周面を備え、前記外周面には蓋が回転することで開閉されるための係合手段が形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記端面の中心に、第1の係合溝の延在方向の中央と、第2の係合溝の延在方向の中央が位置していることを特徴とする。
また、本発明は、前記端面が円形であることを特徴とする。
また、本発明は、前記係合手段が雄ねじであることを特徴とする。
また、本発明は、前記係合手段が前記外周面から該外周面の半径方向外方に突設された突起であることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記蓋が電池室を開閉する電池蓋であることを特徴とする。
また、本発明は、前記端面と反対側の端面に接片が設けられていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をカメラの電池蓋に適用した実施例について添付図面に従って説明する。
図1は電池蓋の平面図、図2は同断面正面図、図3は同断面側面図、図4は電池蓋により電池室を閉じた状態の断面図を示す。
図4に示すように、カメラの電池室2の開口部4は電池蓋6により開閉され、電池室2には電池8(乾電池)が収容される。
電池蓋6は、図1乃至図3に示すように、平面視円形の端面部12と、前記端面部12よりも小径で端面部12から円柱状に膨出された胴部14とからなる。
【0008】
端面部12の表面16(特許請求の範囲の「端面」に相当)には、第1の幅W1で延在する第1の係合溝18と、前記第1の幅W1よりも小さな第2の幅W2で延在する第2の係合溝20が形成されている。
前記第1の係合溝18はその底面1802が第1の曲率半径R1により円弧状に形成され、前記第2の係合溝20は前記第1の係合溝18の底面1802に、その底面2002が前記第1の曲率半径R1よりも小さな第2の曲率半径R2により円弧状に形成されている。
この実施例では、前記第1の係合溝18は500円硬貨が係合できる寸法で形成され、前記第2の係合溝20は1円硬貨が係合できる寸法で形成されている。前記第2の係合溝20は、第1の係合溝18の幅方向の中央で、第1の係合溝18の延在方向と平行して延在形成されている。
第1の係合溝18の延在方向の中央と、第2の係合溝20の延在方向の中央はほぼ一致し、さらに、これら第1の係合溝18と第2の係合溝20の延在方向の中央と、端面部12の表面16の中心はほぼ一致して形成されている。
【0009】
前記胴部14の外周面1402には雄ねじ22(特許請求の範囲の「係合手段」に相当)が形成され、また、胴部14の端面には接片24が取着されている。前記電池室2の開口部4には、前記雄ねじ22に螺合する雌ねじ26が形成され、雌ねじ26の上端には前記端面部12が収容される円形の凹部28が形成されている。
電池室2に電池8を挿入し、雌ねじ26に雄ねじ22を合わせ電池蓋6を回転させ、雌ねじ26と雄ねじ22を螺合させて開口部4を電池蓋6で閉じると、前記接片24が電池8の端子に接触し、かつ、回路基板等に接続される接片30に接触する。
【0010】
本実施例は前記のように構成されているので、電池蓋6を回転させて開口部4の開閉を行う場合、500円硬貨と1円硬貨の二種類のコインの何れか一方を持ち合わせていれば、電池蓋6を開閉できる。
従って、少量のコインしか持ち合わせていない場合、電池蓋6を開閉できなかったり、また、係合溝の縁を欠損させる等の不具合を解消する上で有利となり、係合溝の縁を欠損させることなく電池蓋6を開閉できる可能性が高められ、係合溝を有する電池蓋の実用的価値が高められる。
【0011】
次に、図5乃至図8を参照して第2実施例について説明する。
図5は電池蓋の断面正面図、図6は同底面図、図7は電池蓋により電池室を閉じた状態の断面図、図8は電池蓋と開口部部分の断面斜視図を示し、第1実施例と同様な箇所、部材には同一符号を付して説明する。
第2実施例に係る電池蓋6’は、前記第1の係合溝18と第2の係合溝20が形成された端面部12と、端面部12よりも小径で端面部12から円柱状に膨出された胴部14を備えている点において第1実施例と同様であるが、胴部14の外周面1402に、雄ねじ22の代わりに突起40(特許請求の範囲の「係合手段」に相当)が形成されている点が前記第1実施例と異なる。
前記突起40は、前記外周面1402の下端で周方向に180度の間隔をおいた箇所からそれぞれ半径方向外方に突設されている。
前記電池室2の開口部4の縁には、前記突起40が挿通される溝50が二つ形成され、電池蓋6’で開口部4を閉じる場合には、これら溝50に突起40を合わせ、電池蓋6’を押し込み、電池蓋6’を45度回転させることにより突起40を溝50の底部の横溝5002に係合させ、電池蓋6’を開ける場合には、電池蓋6’を45度逆転させ、突起40を溝50から抜き出す。
このような第2実施例によっても、少量のコインしか持ち合わせていない場合、電池蓋6’を開閉できなかったり、また、係合溝の縁を欠損させる等の不具合を解消する上で有利となり、係合溝の縁を欠損させることなく電池蓋6’を開閉できる可能性が高められ、係合溝を有する電池蓋の実用的価値が高められる。
【0012】
尚、係合手段の構成は雄ねじ22や突起40に限らず任意である。
また、本発明が適用される機器はカメラに限らず、各種電気、電子機器や器具の電池室の開口部や、その他の開口部を開閉する蓋全てに適用可能である。
【0013】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明は、コイン等のような薄板が係合される溝を有する蓋であって、前記溝は、第1の幅で延在する第1の係合溝と、前記第1の幅よりも小さな第2の幅で延在する第2の係合溝とからなり、前記第1の係合溝はその底面が第1の曲率半径により円弧状に形成され、前記第2の係合溝は前記第1の係合溝の底面に、その底面が前記第1の曲率半径よりも小さな第2の曲率半径により円弧状に形成されている。
また、本発明は、端面と外周面を有し、前記端面にコイン等のような薄板が係合される係合溝が形成され、前記外周面に、回転することで開口部に係脱する係合手段が設けられた蓋であって、前記係合溝は、第1の幅で延在する第1の係合溝と、前記第1の幅よりも小さな第2の幅で延在する第2の係合溝とからなり、前記第1の係合溝はその底面が第1の曲率半径により円弧状に形成され、前記第2の係合溝は前記第1の係合溝の底面に、その底面が前記第1の曲率半径よりも小さな第2の曲率半径により円弧状に形成されている。
そのため、少量のコインしか持ち合わせていない場合であっても、蓋を開閉できなかったり、また、係合溝の縁を欠損させる等の不具合を解消する上で有利となり、係合溝の縁を欠損させることなく蓋を開閉できる可能性が高められ、各種電気、電子機器や器具等で用いられる係合溝付きの蓋の実用的価値をより一層高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池蓋の平面図である。
【図2】電池蓋の断面正面図である。
【図3】電池蓋の断面側面図である。
【図4】電池蓋により電池室を閉じた状態の断面図である。
【図5】第2実施例の電池蓋の断面正面図である。
【図6】第2実施例の電池蓋の底面図である。
【図7】電池蓋により電池室を閉じた状態の断面図である。
【図8】電池蓋と開口部部分の断面斜視図である。
【符号の説明】
2 電池室
4 開口部
6 電池蓋
6’ 電池蓋
8 電池
12 端面部
14 胴部
18 第1の係合溝
20 第2の係合溝
22 雄ねじ
40 突起
Claims (12)
- コイン等のような薄板が係合される溝を有する蓋であって、
前記溝は、第1の幅で延在する第1の係合溝と、前記第1の幅よりも小さな第2の幅で延在する第2の係合溝とからなり、
前記第1の係合溝はその底面が第1の曲率半径により円弧状に形成され、
前記第2の係合溝は前記第1の係合溝の底面に、その底面が前記第1の曲率半径よりも小さな第2の曲率半径により円弧状に形成されている、
ことを特徴とする蓋。 - 端面と外周面を有し、前記端面にコイン等のような薄板が係合される係合溝が形成され、前記外周面に、回転することで開口部に係脱する係合手段が設けられた蓋であって、
前記係合溝は、第1の幅で延在する第1の係合溝と、前記第1の幅よりも小さな第2の幅で延在する第2の係合溝とからなり、
前記第1の係合溝はその底面が第1の曲率半径により円弧状に形成され、
前記第2の係合溝は前記第1の係合溝の底面に、その底面が前記第1の曲率半径よりも小さな第2の曲率半径により円弧状に形成されている、
ことを特徴とする蓋。 - 前記第2の係合溝は、第1の係合溝の幅方向の中央に形成されている請求項1乃至2に何れか1項記載の蓋。
- 前記第1の係合溝の延在方向と、第2の係合溝の延在方向は平行している請求項1乃至3に何れか1項記載の蓋。
- 前記第1の係合溝の延在方向の中央と、第2の係合溝の延在方向の中央はほぼ一致している請求項1乃至4に何れか1項記載の蓋。
- 前記蓋は、前記第1の係合溝と第2の係合溝が形成される端面と、前記端面からほぼ直交する方向に延在する外周面を備え、前記外周面には蓋が回転することで開閉されるための係合手段が形成されている請求項1、3、4または5記載の蓋。
- 前記端面の中心に、第1の係合溝の延在方向の中央と、第2の係合溝の延在方向の中央が位置している請求項2乃至6に何れか1項記載の蓋。
- 前記端面は円形である請求項2乃至7に何れか1項記載の蓋。
- 前記係合手段は雄ねじである請求項2乃至8に何れか1項記載の蓋。
- 前記係合手段は前記外周面から該外周面の半径方向外方に突設された突起である請求項2乃至8に何れか1項記載の蓋。
- 前記蓋は、電池室を開閉する電池蓋である請求項1乃至10に何れか1項記載の蓋。
- 前記端面と反対側の端面に接片が設けられている請求項11記載の蓋。
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- 1996-07-30 JP JP21807196A patent/JP3655705B2/ja not_active Expired - Fee Related
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