JP3655356B2 - 定期券発行装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、たとえば、鉄道機関などにおいて定期券を印刷発行する定期券発行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の定期券発行装置にあっては、帯状の転写媒体である転写リボンを印刷部へ送り、この印刷部を通過した転写リボンを巻取軸に巻取るとともに、上記印刷部において、印刷ヘッド(サーマルヘッド)を転写リボンを介して被転写媒体としての用紙上に接触させ、転写リボンのインク(転写剤)を用紙上に熱転写することにより、文字などの情報を印刷するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の定期券発行装置にあっては、転写リボンの送り方向に対する直交方向の位置ずれが生じる場合がある。従来、このような転写リボンの位置ずれが生じても、これを検知し、さらには、これを解除する手段を有していなかった。したがって、従来は、実際に印刷動作を行ない、その印刷結果を目視して、転写リボンの位置ずれがないことを確認しており、転写リボンの位置ずれが生じていた場合は、係員が手で転写リボンの位置ずれを修正するという作業を必要とした。このため、たとえば、定期券発行装置の場合、印刷状態の悪い定期券を気づかずに発行してしまったり、また、転写リボンの位置ずれの修正のために時間をとられるため、機器の稼働率に影響が生じていた。
【0004】
そこで、本発明は、印刷部での転写媒体の位置ずれを検出し、これを自動的に解除することができ、これにより印刷不良の発生を防止することができ、印刷効率の向上なども図れる定期券発行装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の定期券発行装置は、定期券を印刷発行する定期券発行装置において、帯状の転写媒体を印刷部へ送る転写媒体送り手段と、この転写媒体送り手段により送られ前記印刷部を通過した前記転写媒体を受取る転写媒体受取手段と、前記印刷部において、前記転写媒体上に対して接離自在に設けられ、印刷時に前記転写媒体を介して定期券としての被転写媒体上に接触して、前記転写媒体の転写剤を前記被転写媒体上に転写することにより、所定の券面情報を印刷する印刷ヘッドと、前記転写媒体送り手段により送られる前記転写媒体の送り方向に対する直交方向で、前記転写媒体の両端部内側と対応する各部位にそれぞれ設けられ、前記転写媒体の両端部の位置に応じた信号を出力する2つの第1のセンサと、この2つの第1のセンサの手前側に設けられ、前記転写媒体が存在するか否かを検出する1つの第2のセンサと、前記2つの第1のセンサおよび前記1つの第2のセンサの各出力に基づき前記転写媒体の送り方向に対する直交方向の位置ずれを検出する検出手段と、前記転写媒体を空送りする空送り量をあらかじめ記憶している空送り量記憶手段と、前記検出手段により前記転写媒体の位置ずれが検出されると、前記印刷ヘッドを前記転写媒体上から離間させるとともに、その後、前記空送り量記憶手段に記憶されている空送り量だけ前記転写媒体を空送りするように前記転写媒体送り手段および転写媒体受取手段を制御する制御手段とを具備している。
【0006】
また、本発明の定期券発行装置は、定期券を印刷発行する定期券発行装置において、帯状の転写媒体を印刷部へ送る転写媒体送り手段と、この転写媒体送り手段により送られ前記印刷部を通過した前記転写媒体を受取る転写媒体受取手段と、前記印刷部において、前記転写媒体上に対して接離自在に設けられ、印刷時に前記転写媒体を介して定期券としての被転写媒体上に接触して、前記転写媒体の転写剤を前記被転写媒体上に転写することにより、所定の券面情報を印刷する印刷ヘッドと、前記転写媒体送り手段により送られる前記転写媒体の送り方向に対する直交方向で、前記転写媒体の両端部内側と対応する各部位にそれぞれ設けられ、前記転写媒体の両端部の位置に応じた信号を出力する2つの第1のセンサと、この2つの第1のセンサの手前側に設けられ、前記転写媒体が存在するか否かを検出する1つの第2のセンサと、前記2つの第1のセンサおよび前記1つの第2のセンサの各出力に基づき前記転写媒体の送り方向に対する直交方向の位置ずれを検出する検出手段と、この検出手段により前記転写媒体の位置ずれが検出されると、前記印刷ヘッドを前記転写媒体上から離間させるとともに、その後、前記転写媒体を前記検出手段が位置ずれを検出しなくなるまで空送りするように前記転写媒体送り手段および転写媒体受取手段を制御する制御手段とを具備している。
【0009】
【作用】
本発明によれば、印刷部における転写媒体の送り方向に対する直交方向の位置ずれを、転写媒体の送り方向に対する直交方向の両端部内側に設けられた2つのセンサと、この2つのセンサの手前側に設けられ転写媒体が存在するか否かを検出する1つのセンサとを用いて検出し、この転写媒体の位置ずれが検出されると、印刷ヘッドを転写媒体上から離間させるとともに、その後、あらかじめ記憶されている空送り量だけ転写媒体を空送りするように制御するか、位置ずれを検出しなくなるまで空送りするように制御することにより、印刷部での転写媒体の位置ずれを検出し、これを自動的に解除することができる。これにより、印刷不良の定期券の発行を防止することができ、さらに、機器のノンストップ化が図れ、定期券の発行効率や稼働率の向上が図れる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図5、図6は、本発明に係る定期券発行装置1の外観構成を概略的に示すものである。すなわち、この定期券発行装置1は、購入情報の一部が入力される条件設定操作部2、複数の発駅および着駅を設定するための駅名釦と、経由駅を設定するための経由釦とが縦方向、横方向に配列表示されたタッチパネル内蔵のカラー液晶表示器によって構成される経由発着駅設定部3,4、入力手順あるいは条件設定操作部2、経由発着駅設定部3,4によって入力された発行情報やエラー内容などを表示するカラー液晶表示器によって構成される表示部5、発行日付を表示する発行日付表示部6、購入客によって購入情報が記載された定期券申込用紙を挿入する申込用紙挿入口7、発行された定期券が排出されたり、旧券(旧定期券)を挿入する発行挿入口8が設けられている。
【0011】
図7は、上記した定期券発行装置1の定期券発行部の構成を概略的に示すものである。すなわち、本体31の図面に対し上面左側(前面側)には、前記発行挿入口8が設けられている。
【0012】
本体31内の上部には、発行する定期券に対する印刷を行なうとともに、その定期券の磁気記録部に対して磁気記録を行なう発行処理部32が設けられ、さらに、本体31内の下部には、未印刷および未磁気記録状態の券紙(被転写媒体)Sが収納されている券紙収納部33が設けられている。
【0013】
券紙収納部33には、それぞれ所定枚数の券紙S,…が収納されている2つの券紙ホッパ34,35が上下方向に設けられている。券紙ホッパ34内の券紙Sは、給紙ローラ36によって1枚ずつ供給され、取出しローラ37,38によって取出し搬送路39を水平方向に搬送され、垂直搬送路40に導かれるようになっている。
【0014】
券紙ホッパ35の券紙Sは、給紙ローラ41によって1枚ずつ供給され、取出しローラ42,43によって取出し搬送路44を水平方向に搬送され、垂直搬送路40に導かれるようになっている。
【0015】
垂直搬送路40の他端は、発行処理部32内の主搬送路47と合流部48で合流していて、券紙ホッパ34あるいは35から垂直搬送路40に導かれた券紙Sは上方へ搬送され、発行処理部32内の主搬送路47に導かれるようになっている。
【0016】
発行処理部32内の主搬送路47の一端は、前記発行挿入口8に連結され、他端はスイッチバック部49に連結されている。主搬送路47の合流部48の後方には、有効期間、発着駅、経由、発行駅などの発行内容を黒色で印刷する黒色印刷部50と、発行内容の一部を赤色で印刷する赤色印刷部51とが設けられている。
【0017】
赤色印刷部51は、定期券上の印刷内容を黒色で印刷した部分よりも強調したい場合に用いるものであり、たとえば、学割り定期券の場合の「学」、あるいは、バスなどで目視確認用に有効期限が赤色で印刷されるようになっている。
【0018】
スイッチバック部49と合流部48との間には、副搬送路52が設けられている。副搬送路52上には、旧券(旧定期券)に対し入鋏を行なう旧券入鋏部53、券紙Sの裏面の磁気記録部に磁気情報(有効期間、発着駅、経由、発行駅など)を記録する書込ヘッド(磁気ヘッド)54、書込ヘッド54で書込んだ券紙Sの裏面の磁気記録部の磁気情報を読取ったり、旧券の磁気記録部の磁気情報を読取る読取ヘッド(磁気ヘッド)55が設けられている。
【0019】
黒色印刷部50の後方で主搬送路47と分岐し、副搬送路52の一部を介してスイッチバック部49で再び主搬送路47に合流する黒単色バイパスとしての分岐搬送路56が設けられている。
【0020】
発行された定期券は、合流部48から発行挿入口8へ搬送されるとともに、発行挿入口8から挿入された旧券が合流部48に搬送される搬送路57が設けられている。
【0021】
スイッチバック部49には、旧券を主搬送路47から分岐搬送する搬送路59が設けられている。搬送路59の一端の搬送先には、図示しない回収箱が設けられていて、ここに旧券が回収されるようになっている。
【0022】
合流部48の近傍(図面に対し左側部)には、種々の券(一括券、回収券、エラー券など)を回収する回収箱60が設けられている。
合流部48の近傍、合流部48と黒色印刷部50との間の主搬送路47と副搬送路52の合流部の近傍、主搬送路47から分岐搬送路56への分岐部の近傍、スイッチバック部49の搬送路59への分岐部の近傍には、それぞれゲート61,62,63,64が設けられている。
【0023】
ゲート61は、副搬送路52で搬送されてきた券紙Sを、搬送路57で搬送して発行挿入口8へ導き、副搬送路52で搬送されてきた一括券、回収券、エラー券を回収箱60へ導くように、切換えるものである。
【0024】
ゲート62は、合流部48から搬送されてきた券紙Sを、主搬送路47で搬送して黒色印刷部50へ導き、合流部48から搬送されてきた旧券を、副搬送路 52で搬送して読取ヘッド55へ導くように、切換えるものである。
【0025】
ゲート63は、主搬送路47で搬送される券紙Sを、そのまま主搬送路47で搬送して赤色印刷部51へ導くか、分岐搬送路56へ導くかを切換えるものである。
【0026】
ゲート64は、主搬送路47で搬送される券紙Sをスイッチバック部49に導き、主搬送路47で搬送される旧券をスイッチバック部49へ導くか搬送路59へ導くかを切換えるものである。
【0027】
なお、各搬送路には、複数の光学的なセンサが設けられており、これらにより搬送異常などが検知されるようになっている。
黒色印刷部50および赤色印刷部51は、たとえば、図1に示すように構成されている。すなわち、印刷部にはプラテンローラ91が設けられていて、このプラテンローラ91上を主搬送路47で搬送される券紙Sが通過するようになっている。
【0028】
プラテンローラ91上には、熱転写形の印刷ヘッド(サーマルヘッド)92が設けられている。印刷ヘッド92は、プランジャソレノイド93の動作によって、軸90を支点として回動することにより、プラテンローラ91上に接離自在に構成されており、印刷時は、券紙Sおよび転写リボン94を介してプラテンローラ91上に接触し、非印刷時はプラテンローラ91(転写リボン94)上から離間するようになっている。
【0029】
転写リボン94は、帯状の転写媒体であり、繰出し軸95に巻回支持されていて、案内ローラ96,97を介してプラテンローラ91上に導かれ、その後、案内ローラ98,99を介して巻取軸100に導かれ、巻取られるようになっている。プラテンローラ91および巻取軸100は、駆動ベルト101,102を介してパルスモータなどのリボン駆動用モータ103によって駆動されるようになっている。
【0030】
なお、プラテンローラ91の前後に設けられた案内部材104,105は、搬送される券紙Sを案内するためのものであり、これに案内され搬送されてくる券紙Sがプラテンローラ91上と転写リボン94との間に導かれるようになっている。
【0031】
プラテンローラ91(印刷ヘッド92)の前後で、転写リボン94の搬送経路、たとえば、案内ローラ96,97間および案内ローラ98,99間の各搬送経路には、それぞれセンサP1,P2,P3が設けられている。すなわち、図2に示すように、案内ローラ96,97間の搬送経路には、転写リボン94の搬送方向と直交方向のほぼ中央部よりもやや一端側(図面に対して上端側)にずれた位置にセンサP1が設けられている。センサP1は、搬送経路に転写リボン94が存在するか否かを検知するためのものである。
【0032】
また、案内ローラ98,99間の搬送経路には、転写リボン94の搬送方向と直交方向の両端部内側にそれぞれセンサP2,P3が設けられている。センサ P2,P3は、プラテンローラ91上における転写リボン94の搬送方向と直交方向の位置ずれを検出するためのもので、転写リボン94の両端部の内側で、各端部から所定距離Lの位置にそれぞれ設けられている。
【0033】
この場合、たとえば、図3に示すように、転写リボン94の位置が正常な場合、センサP2,P3が転写リボン94の端部を検知し、転写リボン94の位置がずれると、それにしたがってセンサP2,P3が検知状態、非検知状態となるように配設されている。
【0034】
なお、センサP1〜P3は、たとえば、光源と受光素子とからなる光学的なセンサであり、光源と受光素子との間を転写リボン94が搬送されるようになっている。
【0035】
ここに、センサP2,P3が設置される位置の距離Lは、転写リボン94の搬送方向と直交方向の幅Wが例えば70mmであるとすると、2mmに設定されている。そして、センサP2,P3において、光源から受光素子へ照射される光は、たとえば、直径が約4mmの円状スポット光に設定されている。
【0036】
次に、上記のように構成された定期券発行装置1の全体的な制御系統について図8を参照して説明する。すなわち、装置全体の制御を司る制御手段としての CPU20には、制御プログラムや文字パターンなどが記憶されているとともに、種々のデータが記憶されるメモリ21、前記申込用紙挿入口7に対応して設けられている氏名読取部22と氏名転写部23、前記発行挿入口8に対応して設けられている図7に示した定期券発行部24、売上データなどをジャーナルテープ(図示しない)に印刷するジャーナルプリンタ25、定期券発行に関する種々の情報、たとえば、売上データあるいは運賃データなどが記憶されている磁気ディスク(図示しない)を扱う磁気ディスク装置26、図示しない通信回路を介してホストコンピュータなどの外部装置と接続される通信制御部27、前記条件設定操作部2、経由発着駅設定部3,4、および、表示部5が接続されている。
【0037】
氏名読取部22は、CCD形イメージセンサなどを主体に構成され、前記申込用紙挿入口7から挿入される定期券申込用紙上の(購入者による自筆の)氏名情報を読取り、画素データ(イメージパターン)に変換する。氏名転写部23は、この変換されたイメージパターン(氏名情報)をそのまま券紙S上に転写するものである。
【0038】
次に、定期券発行部24の制御系統について図9を参照して説明する。すなわち、全体的な制御を司る制御手段としてのCPU70には、制御プログラムなどが記憶されているとともに、種々のデータが記憶されるメモリ71、前記各搬送路などの搬送系を駆動する搬送系駆動機構72を制御する駆動回路73、前記読取ヘッド55の読取り内容を再生する再生回路74、前記書込ヘッド54を駆動する駆動回路75、前記給紙ローラ36および取出しローラ37などの券紙ホッパ34に対する取出し機構76を駆動する駆動回路77、前記給紙ローラ41および取出しローラ42などの券紙ホッパ35に対する取出し機構78を駆動する駆動回路79、前記旧券入鋏部53を駆動する駆動回路80、前記黒色印刷部 50を駆動制御する印刷制御回路81、前記赤色印刷部51を駆動制御する印刷制御回路82、前記CPU20と接続されるインタフェース83、前記ゲート 61,62,63,64を駆動する駆動回路84、および、前記各センサP1〜P3が接続されている。
【0039】
なお、CPU70は、図示しない搬送異常検知用の各センサからの検知信号に応じて、各搬送路でのジャムなどの搬送異常を検知したり、各印刷部50,51からの異常検知信号に応じて異常を検知し、それらの検知結果をCPU20へ出力するようになっている。
【0040】
ここで、上記のような構成において、定期券発行部24の発行動作について説明しておく。まず、券紙ホッパ34から給紙ローラ36によって給紙された券紙Sは、取出し搬送路39、垂直搬送路40、および、主搬送路47を介してスイッチバック部49に導かれる。搬送される券紙Sは、主搬送路47を通過する際に、黒色印刷部50で黒色の文字情報などが印刷されるとともに、赤色印刷部 51で赤色の文字情報などが印刷され、その後、スイッチバック部49に導かれる。
【0041】
ただし、黒色の印刷だけの場合、券紙Sは、黒色印刷部50での印刷がなされた後、ゲート63が動作することにより、分岐搬送路56を介してスイッチバック部49に導かれる。
【0042】
さて、各印刷部50,51における印刷時、転写リボン94の位置ずれが生じていないか否かは、センサP2,P3の状態を図3のセンサ状態図に基づきチェックすることにより、常時検出可能となっている。すなわち、たとえば、プラテンローラ91上において、図4(a)に示すような転写リボン94の位置ずれが生じた場合、一方のセンサP2のみが検知状態となり、他方のセンサP3は非検知状態となる。したがって、この場合、CPU70は、図3のセンサ状態図に基づき、転写リボン94に位置ずれが生じたものと判断する。
【0043】
こうして、転写リボン94の位置ずれを検出すると、CPU70は、図1のソレノイド93を駆動することにより、印刷ヘッド92をプラテンローラ91(転写リボン94)上から離間させるとともに、リボン駆動用モータ103を駆動することにより、図4(a)〜(c)に状態変化を示すように、転写リボン94の空送りを行なうことにより、転写リボン94を正常な位置(図4cの状態)に戻す。
【0044】
この場合、転写リボン94を空送りする量は、たとえば、あらかじめメモリ 71内に固定値として所定の空送り量(実際はリボン駆動用モータ103の駆動時間)を記憶しておき、その空送り量だけ転写リボン94を空送りしてもよく、あるいは、センサP2,P3が転写リボン94の位置ずれを検出しなくなるまで、転写リボン94を空送りするようにしてもよい。
【0045】
スイッチバック部49に導かれた印刷済みの券紙Sは、ここで搬送方向が逆転されて副搬送路52に導かれ、搬送される。この搬送の際、書込ヘッド54によって、その券紙Sの裏面の磁気記録部に磁気情報が書込まれ、その後、その記録内容が確認用の読取ヘッド55によって読取られ、CPU70によってチェックされる。
【0046】
このチェックの結果、読取ヘッド55による読取り結果が正しかった場合、副搬送路52からの券紙Sは、ゲート61の動作によって搬送路57に導かれ、搬送路57によって発行挿入口8に搬送され、定期券として発行挿入口8から排出される。上記チェックの結果、読取り結果が正しくなかった場合、副搬送路52からの券紙Sは、ゲート61の動作によって回収箱60へ導かれる。
【0047】
また、発行挿入口8から挿入された旧券は、搬送路57および副搬送路52によって搬送され、その裏面の磁気記録部の磁気情報が読取ヘッド55によって読取られる。その後、旧券は旧券入鋏部53で入鋏され、ゲート64の動作によって搬送路59を搬送され、図示しない回収箱に回収される。
【0048】
次に、上記のような構成において、定期券の発行動作について説明する。まず、購入客からの定期券申込用紙による定期券の購入申込みにより、係員は、経由発着駅設定部3,4によって発駅、着駅、利用区間、経由駅などの発行条件を入力する。この際、入力された発駅、着駅、経由駅に対応する駅名釦は表示色が変更される。
【0049】
次に、係員は、発駅、着駅、経由駅以外の購入申込み内容に基づく発行条件 (たとえば、通用期間、性別、年齢、発行年月日などの情報)を条件設定操作部2を用いて入力する。
【0050】
また、係員は、定期券申込用紙を申込用紙挿入口7に挿入することにより、氏名読取部22によって定期券申込用紙に記載された氏名情報の読取処理が行なわれる。すると、CPU20は、上記各入力データに応じた発行内容および料金などを表示部5に表示する。
【0051】
また、CPU20は、上記入力データに基づきメモリ21から文字パターンを読出し、この文字パターンと氏名読取部22によって読取った購入客による自筆の氏名情報に対応する画素データとにより、対応する定期券の表面の印刷データ、つまり券面データを編集作成し、表示部5に表示する。
【0052】
そして、表示部5に表示された発行内容が満足するものであった場合、係員はスタートキー(図示しない)を投入することにより発行指示を入力する。すると、CPU20は、定期券発行部24を駆動制御することにより、上記発行内容を磁気記録するとともに、氏名転写部23による購入者の氏名情報のイメージパターンに基づいた氏名転写と、編集作成した券面データの印刷を券紙S上に行ない、定期券として発行挿入口8から排出する。
【0053】
また、CPU20は、算出した定期券の料金も表示部5に表示する。この結果、係員は、購入客から表示部5に表示されている料金を受取り、発行された定期券を購入客に渡す。
【0054】
なお、CPU20は、このときの発行記録を磁気ディスク装置26によって磁気ディスクに記憶するとともに、ジャーナルプリンタ25によってジャーナルテープに印字する。
【0055】
次に、旧券を用いた継続定期券の発行を行なう場合について説明する。この場合、旧券による発行(継続)を指示するとともに、旧券を発行挿入口8に挿入する。すると、旧券は定期券発行部24内に受入れられ、旧券の裏面の磁気記録部に記録されている発行条件としての発駅、着駅、経由駅、氏名などが読取られ、CPU20に出力される。これにより、CPU20は、表示部5にその内容と標準の有効期間とによる発行内容と料金とを表示する。その後、発行日付、月数などの発行内容を確認後、発行の指示を入力する。この際、条件設定操作部2を用いて変更や追加などを行なってもよい。上記発行指示の入力により、前記同様に定期券発行部24が動作して定期券が発行され、その定期券が発行挿入口8から排出される。
【0056】
以上説明したように、上記実施例によれば、印刷時、プラテンローラ91上 (印刷部)における転写リボン94の送り方向に対する直交方向の位置ずれを、転写リボン94の送り方向に対する直交方向の両端部内側に設けた2つのセンサP2,P3を用いて検出し、この転写リボン94の位置ずれが検出されると、印刷ヘッド92を転写リボン94(プラテンローラ91)上から離間させるとともに、その後、転写リボン94を所定量空送りすることにより正常位置に戻すよう制御することによって、印刷部での転写リボン94の位置ずれを検出し、これを自動的に解除することができる。これにより、定期券発行装置においては、印刷不良の定期券の発行を防止することができ、さらに、機器のノンストップ化が図れ、定期券の発行効率や稼働率の向上が図れる。
【0057】
なお、前記実施例では、転写リボン94の両端部内側に設けた2つのセンサ P2,P3を用いて転写リボン94の位置ずれを検出し、その結果に基づき転写リボン94を所定量空送りすることにより、転写リボン94を正常な位置に戻す場合について説明したが、これに限らず、転写リボン94の両端部内側に設けた2つのセンサP2,P3を用いて転写リボン94の送り方向に対する直交方向の位置ずれ量を検出し、この検出した位置ずれ量に応じた量だけ転写リボン94を空送りすることにより、転写リボン94を正常な位置に戻すよう制御することによっても、前記実施例と同様な作用効果が得られるとともに、さらに、転写リボン94の無駄な消費を軽減することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、印刷部での転写媒体の位置ずれを検出し、これを自動的に解除することができ、これにより印刷不良の発生を防止することができ、印刷効率の向上なども図れる定期券発行装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る定期券発行装置における黒色印刷部および赤色印刷部の構成を概略的に示す側面図。
【図2】転写リボンの搬送経路に対するセンサ配置例を模式的に示す平面図。
【図3】転写リボンの状態に対する各センサの状態を示す図。
【図4】位置ずれの生じた転写リボンを正常位置に戻す動作を説明する図。
【図5】定期券発行装置の外観を示す正面図。
【図6】定期券発行装置の外観を示す上面図。
【図7】定期券発行部の構成を概略的に示す側面図。
【図8】定期券発行装置の全体的な制御系統を示すブロック図。
【図9】定期券発行部の制御系統を示すブロック図。
【符号の説明】
20……CPU、21……メモリ、24……定期券発行部、32……発行処理部、33……券紙収納部、S……券紙(被転写媒体)、47,52……搬送路、50……黒色印刷部、51……赤色印刷部、70……CPU、71……メモリ、81,82……印刷制御部、91……プラテンローラ、92……印刷ヘッド(サーマルヘッド)、93……ソレノイド、94……転写リボン(転写媒体)、95……繰出し軸、96〜99……案内ローラ、100……巻取軸、101,102……駆動ベルト、103……リボン駆動用モータ、P1〜P3……センサ。
Claims (2)
- 定期券を印刷発行する定期券発行装置において、
帯状の転写媒体を印刷部へ送る転写媒体送り手段と、
この転写媒体送り手段により送られ前記印刷部を通過した前記転写媒体を受取る転写媒体受取手段と、
前記印刷部において、前記転写媒体上に対して接離自在に設けられ、印刷時に前記転写媒体を介して定期券としての被転写媒体上に接触して、前記転写媒体の転写剤を前記被転写媒体上に転写することにより、所定の券面情報を印刷する印刷ヘッドと、
前記転写媒体送り手段により送られる前記転写媒体の送り方向に対する直交方向で、前記転写媒体の両端部内側と対応する各部位にそれぞれ設けられ、前記転写媒体の両端部の位置に応じた信号を出力する2つの第1のセンサと、
この2つの第1のセンサの手前側に設けられ、前記転写媒体が存在するか否かを検出する1つの第2のセンサと、
前記2つの第1のセンサおよび前記1つの第2のセンサの各出力に基づき前記転写媒体の送り方向に対する直交方向の位置ずれを検出する検出手段と、
前記転写媒体を空送りする空送り量をあらかじめ記憶している空送り量記憶手段と、
前記検出手段により前記転写媒体の位置ずれが検出されると、前記印刷ヘッドを前記転写媒体上から離間させるとともに、その後、前記空送り量記憶手段に記憶されている空送り量だけ前記転写媒体を空送りするように前記転写媒体送り手段および転写媒体受取手段を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする定期券発行装置。 - 定期券を印刷発行する定期券発行装置において、
帯状の転写媒体を印刷部へ送る転写媒体送り手段と、
この転写媒体送り手段により送られ前記印刷部を通過した前記転写媒体を受取る転写媒体受取手段と、
前記印刷部において、前記転写媒体上に対して接離自在に設けられ、印刷時に前記転写媒体を介して定期券としての被転写媒体上に接触して、前記転写媒体の転写剤を前記被転写媒体上に転写することにより、所定の券面情報を印刷する印刷ヘッドと、
前記転写媒体送り手段により送られる前記転写媒体の送り方向に対する直交方向で、前記転写媒体の両端部内側と対応する各部位にそれぞれ設けられ、前記転写媒体の両端部の位置に応じた信号を出力する2つの第1のセンサと、
この2つの第1のセンサの手前側に設けられ、前記転写媒体が存在するか否かを検出する1つの第2のセンサと、
前記2つの第1のセンサおよび前記1つの第2のセンサの各出力に基づき前記転写媒体の送り方向に対する直交方向の位置ずれを検出する検出手段と、
この検出手段により前記転写媒体の位置ずれが検出されると、前記印刷ヘッドを前記転写媒体上から離間させるとともに、その後、前記転写媒体を前記検出手段が位置ずれを検出しなくなるまで空送りするように前記転写媒体送り手段および転写媒体受取手段を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする定期券発行装置。
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JP14764495A JP3655356B2 (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | 定期券発行装置 |
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