JP3652943B2 - 金属材料の損傷評価方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料の損傷評価方法及び装置に係り、特に、火力発電プラント用ボイラ等の高温耐圧金属部材として使用される低合金鋼の溶接部に発生する脆性的なクリープ損傷の評価を行う際に用いて好適な金属材料の損傷評価方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、火力発電プラントにおいては、運転時間が長時間に及ぶのに従い長時間使用による設備の劣化、頻繁な起動停止や急速な負荷変動等による熱疲労等を十分に考慮した保守管理が益々重要になってきている。
例えば、高温耐圧金属部材が用いられる大口径厚肉配管では、亀裂等の傷は、多くの場合溶接部の内部で発生しているが、この傷は外表面の検査だけでは検出することができないために、この傷の早期検出及び、その寸法の正確な測定による亀裂のモニタリング手法の開発が求められている。
そこで、亀裂高さを求める方法として、超音波探傷法を用いた端部エコー法が利用されてきた。
【0003】
しかしながら、この端部エコー法では、探触子の走査に伴う波形の微妙な変化から端部エコーを読み取る必要があるために、検査員の技量に負うところが多く、得られた検査結果に個人差が表れ易いという問題点があり、Silkによって開発されたTOFD法(Time of Flight Diffraction Technique)が、亀裂等の内部欠陥の検出及び定量化手法として用いられている。
【0004】
図11はTOFD法の測定原理を説明するための説明図であり、超音波を発信する送信探触子1と、超音波を受信する受信探触子2とを、金属材料3の表面に、該金属材料3の内部に生じた亀裂(欠陥)4を挟んで等距離に載置し、送信探触子1により金属材料3内に超音波5を発信させ、受信探触子2により亀裂4の上端及び下端からの回折波6を検出してその伝搬時間を測定し、亀裂4の高さを式(1)により求めるものである。なお、図中、7は表面波、8は底面反射波である。
【0005】
ただし、L :亀裂高さ
Zb :亀裂先端の深さ
Zt :亀裂底の深さ
D :送信探触子1と受信探触子2との間の距離
S :D/2
V :回折波の速度
tt :亀裂先端からの回折波伝播時間
tb :亀裂底からの回折波伝播時間
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したTOFD法は、欠陥からの回折波を利用して探傷するために、従来の超音波探傷法と比べて欠陥の傾きの影響を受け難く、方向性のある欠陥を見落とす可能性が減少し、欠陥の検出性能が向上するという優れた点がある。
しかしながら、このTOFD法では、例えば、10〜20年もの間使用した低合金鋼管を評価した場合、検出された欠陥が、金属材料の経年変化により生じたクリープ損傷によるものであるのか、製造時に既に金属材料内に生じていたものであるのかを判定することができないために、該低合金鋼管の残寿命を予測することが難しいという問題点があった。
【0007】
例えば、大口径厚肉配管として用いられる低合金鋼管の場合、クリープ損傷の進展挙動は、低合金鋼管の材料組成及び、溶接部に用いられる溶接金属の不純物含有量に依存し、特に、溶接部が周方向とされた配管の場合には、熱応力に依存することが知られている。また、亀裂は、外表面ではなく応力の多軸度の高い鋼管内部に発生することが明らかになっている。
ここで、鋼管内部の亀裂が、クリープ損傷によるものであるのか、製造時に生じていたものであるのかを判定することができれば、この鋼管の残寿命を予測することが可能であると考えられるが、そのような研究報告は全くなされていないのが現状である。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、金属材料の内部の傷がクリープ損傷によるものであるのか否かを判定することにより、その傷が製造後の経年変化により生じたクリープ損傷によるものであるか、製造時に生じたものであるかを判定することができ、その結果、金属材料の残寿命を予測することができる金属材料の損傷評価方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の様な金属材料の損傷評価方法及び装置を提供する。
すなわち、請求項1記載の金属材料の損傷評価方法は、金属材料内の傷を評価する方法であって、前記金属材料の表面に、超音波を発信する送信探触子と超音波を受信する受信探触子を、該金属材料内の傷を挟んで載置し、前記送信探触子により該金属材料内に超音波を発信させて前記傷からの回折波を前記受信探触子により検出することにより前記金属材料内の傷の有無を判定し、傷があるとされた場合に、この傷の位置、高さ及び長さの各値を求め、これらの各値から、この傷が密集した傷であるか否かを判定することを特徴としている。
【0010】
この方法では、傷が前記金属材料内にあった場合、前記送信探触子により前記金属材料内に超音波を発信させると、該超音波は金属材料内を伝搬する間に前記傷により回折され、回折波が発生する。この回折波の有無により金属内部に傷が有るか否かが分かる。
【0011】
請求項2記載の金属材料の損傷評価方法は、請求項1記載の金属材料の損傷評価方法において、前記傷に対応する前記金属材料の表面の組織検査を行い、この組織検査の結果に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定することを特徴としている。
【0012】
この方法では、レプリカ法等を用いて前記傷に対応する前記金属材料の表面の組織検査を行い、前記表面におけるクリープによる損傷の有無及び金属組織の劣化の有無により、前記傷がクリープ損傷によるものか否かをより正確に判定することが可能になる。
すなわち、表面の組織にクリープによる損傷が認められた場合は、前記傷はクリープ損傷による傷であると判定し、表面の組織にクリープによる損傷が認められない場合は、前記傷はクリープ損傷によらない傷(製造時の傷)であると判定することが可能になる。
【0013】
請求項3記載の金属材料の損傷評価方法は、請求項1記載の金属材料の損傷評価方法において、前記傷が密集した傷であると判定された場合に、前記金属材料の表面から試料を採取して化学分析を行い、この化学分析の結果に基づき前記金属材料のクリープ特性を推定し、該クリープ特性に基づき応力解析を行い、この応力解析に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定することを特徴としている。
【0014】
この方法では、前記金属材料の表面から微量の試料を採取して化学成分分析を行い、クリープ特性と関連する不純物元素の含有量を測定し、この測定値に基づき前記金属材料のクリープ特性を推定し、該クリープ特性に基づきさらに応力解析を行なう。この応力解析では、金属材料の伸び方を表す損傷推定値が得られるので、この損傷推定値に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定することが可能になる。
【0015】
請求項4記載の金属材料の損傷評価方法は、請求項1記載の金属材料の損傷評価方法において、前記傷が密集した傷であると判定された場合に、前記金属材料の表面から試料を採取して化学分析を行い、この化学分析の結果及び、予め求められた元素含有量とクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出し、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定することを特徴としている。
【0016】
この方法では、前記金属材料の表面から微量の試料を採取して化学成分分析を行い、クリープ特性と関連する不純物元素の含有量を測定し、この測定値及び、予め求められた元素含有量とクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出する。この亀裂伝播データでは、亀裂から金属材料の表面までの距離と、亀裂伝搬速度がわかり、亀裂が進行して金属材料の表面に到達するまでの時間は、距離を亀裂伝搬速度で割ることで得られるので、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定することが可能になる。
【0017】
請求項5記載の金属材料の損傷評価方法は、請求項1記載の金属材料の損傷評価方法において、前記傷が密集した傷であると判定された場合に、前記金属材料の表面の組織検査を行い、この組織検査の結果に基づきクリープ損傷の進行度合いを推定し、この推定したクリープ損傷の進行度合い及び、予め求められたクリープ損傷の進行度合いとクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出し、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定することを特徴としている。
【0018】
この方法では、レプリカ法等を用いて前記傷に対応する前記金属材料の表面の組織検査を行い、前記表面におけるクリープによる損傷の有無及び金属組織の劣化の有無により、クリープ損傷の進行度合い(クリープ損傷度)を推定し、この推定したクリープ損傷の進行度合い(クリープ損傷度)及び、予め求められたクリープ損傷の進行度合い(クリープ損傷度)とクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出する。この亀裂伝播データでは、亀裂から金属材料の表面までの距離と、亀裂伝搬速度がわかり、亀裂が進行して金属材料の表面に到達するまでの時間は、距離を亀裂伝搬速度で割ることで得られるので、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定することが可能になる。
【0019】
請求項6記載の金属材料の損傷評価方法は、請求項1記載の金属材料の損傷評価方法において、前記傷が密集した傷であると判定された場合に、前記傷に対応する前記金属材料の表面の組織検査を行い、この組織検査の結果に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定するとともに、前記組織検査の結果に基づきクリープ損傷の進行度合いを推定し、この推定したクリープ損傷の進行度合い及び、予め求められたクリープ損傷の進行度合いとクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出し、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定することを特徴としている。
この方法では、前記傷がクリープ損傷によるものか否かをより正確に判定し、前記傷の残寿命を推定することが可能になる。
【0022】
請求項7記載の金属材料の損傷評価装置は、金属材料の表面に、超音波を発信する送信探触子と超音波を受信する受信探触子を、該金属材料内の傷を挟んで載置し、前記送信探触子により該金属材料内に超音波を発信させて前記傷からの回折波を前記受信探触子により検出することにより前記金属材料内の傷の有無を判定し、傷があるとされた場合に、この傷が密集した傷であるか否かを判定し、前記傷が密集した傷であると判定された場合に用いられる装置であって、前記金属材料の表面から採取した試料の化学分析の結果に基づき前記金属材料のクリープ特性を推定するクリープ特性推定手段と、該クリープ特性に基づき応力解析を行ない、この応力解析に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定する判定手段とを備えてなることを特徴としている。
この装置では、前記傷がクリープ損傷によるものか否かをより正確かつ迅速に判定することが可能になる。
【0023】
請求項8記載の金属材料の損傷評価装置は、金属材料の表面に、超音波を発信する送信探触子と超音波を受信する受信探触子を、該金属材料内の傷を挟んで載置し、前記送信探触子により該金属材料内に超音波を発信させて前記傷からの回折波を前記受信探触子により検出することにより前記金属材料内の傷の有無を判定し、傷があるとされた場合に、この傷が密集した傷であるか否かを判定し、前記傷が密集した傷であると判定された場合に用いられる装置であって、前記金属材料の表面から採取した試料の化学分析の結果及び、予め求められた元素含有量とクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出するデータ抽出手段と、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定する残寿命推定手段とを備えてなることを特徴としている。
この装置では、前記傷がクリープ損傷によるものか否かの判定と前記傷の残寿命の推定をより正確かつ迅速に行うことが可能になる。
【0024】
請求項9記載の金属材料の損傷評価装置は、金属材料の表面に、超音波を発信する送信探触子と超音波を受信する受信探触子を、該金属材料内の傷を挟んで載置し、前記送信探触子により該金属材料内に超音波を発信させて前記傷からの回折波を前記受信探触子により検出することにより前記金属材料内の傷の有無を判定し、傷があるとされた場合に、この傷が密集した傷であるか否かを判定し、前記傷が密集した傷であると判定された場合に用いられる装置であって、前記金属材料の表面の組織検査の結果に基づきクリープ損傷の進行度合いを推定するクリープ損傷推定手段と、この推定したクリープ損傷の進行度合い及び、予め求められたクリープ損傷の進行度合いとクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出するデータ抽出手段と、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定する残寿命推定手段とを備えてなることを特徴としている。
この装置では、前記傷の残寿命の推定をより正確かつ迅速に行うことが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の金属材料の損傷評価方法及び装置の各実施形態について、図面に基づき説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の金属材料の損傷評価装置を示すブロック図であり、図において、符号11は送信探触子1を超音波発信させるための発信器、12は金属材料3の表面から採取した試料の化学分析の結果に基づき金属材料3のクリープ特性を推定するクリープ特性推定部(クリープ特性推定手段)、13は受信探触子2により検出された金属材料3内の傷からの回折波14を受信し、この回折波14の分布状態に基づきかつ前記クリープ特性に基づき応力解析を行ない、この応力解析に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定する判定部(判定手段)、15は送信探触子1、受信探触子2、発信器11、クリープ特性推定部12及び判定部13の作動を制御する制御部である。
【0026】
図2は金属材料3の一例である高温配管の溶接部を示す断面図であり、図において、符号21は低合金鋼管等からなる高温配管であり、低合金鋼板22、26が円筒状に曲げ加工され、その長手方向に沿った端面22a、22b同士が溶接金属23で接合されている。溶接金属23内には検出の対象となる傷24が生じている。なお、25は金属材料の表面のレプリカを示す。
【0027】
この溶接金属23の組成は、例えば2.25%Cr−1%Mo−0.12%C−残部Feからなり、この溶接金属23のクリープ損傷の進展速度と大きく関連する不純物は、例えば、P(リン)、As(ヒ素)、Sn(スズ)、Sb(アンチモン)である。
この溶接金属23のクリープ損傷度(寿命消費率)は、図2中左側の図に示すように周囲の鋼板22、26よりも大きく、これは各部の不純物分析により得られた不純物Sbの濃度の大小に略一致している。
【0028】
次に、本実施形態の金属材料の損傷評価方法について、図2に示す高温配管21を例に取り、図3に基づき説明する。
1.TOFD法による超音波探傷及び傷の分類
(1) TOFD法による超音波探傷
送信探触子1と受信探触子2とを、高温配管21表面の周方向に沿った溶接部23を挟む位置に、該高温配管21の内部に生じた傷24を挟んで等距離に載置し、送信探触子1により高温配管21内に超音波5を発信させ、受信探触子2により傷24からの回折波14を検出することにより高温配管21内の傷24の有無を検出する。ここで、傷24が検出された場合には、傷24の位置、高さ及び長さの各値を求める。傷24の位置の同定は、送信探触子1及び受信探触子2の双方を溶接線に沿って走査することにより行う。
【0029】
(2) 検出された傷の分類
傷24の位置、高さ、長さの各値から、この傷24を3種類のうちのいずれか1種に分類する。
TOFD法により検出された傷は、次の3種類に分類される。
A傷(密集傷)
複数の小さな傷が密集したと推定されるもの。例えば、同じ深さにあると推定される2つの傷が隣接し、かつ傷間の間隔が大きい方の傷の長さより短い場合が該当する。
B傷(面状傷)
厚さ方向に面状(2次元)に広がる傷と推定されるもの。
C傷(体積状傷)
スラグ巻き込み等の3次元に広がる傷と推定されるもの。
【0030】
2.レプリカ法による判定
(1) レプリカの採取
高温配管21の表面をプラスチック膜に転写する方法により、この高温配管21の表面のレプリカ25を採取する。
例えば、表面に粗研磨、細研磨を順次施し、該表面を鏡面に仕上げ、この鏡面の検査対象部分をエッチングにより選択除去し、このエッチングした部分にレプリカ用プラスチック膜を押貼し、このエッチングした面の凹凸をプラスチック膜に転写する。
【0031】
(2) レプリカの観察及び判定
光学顕微鏡を用いてレプリカ25を観察し、クリープ損傷による空孔(クリープボイド)の有無及びその分布状態を調べる。ここでは、傷24がクリープ損傷によるものか否かを大まかに判定する。
次いで、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてクリープボイドの有無及びその分布状態を精密に観察する。例えば、クリープボイドの生成数を計測し、この計測値に基づきクリープボイド個数密度を求め、予め求められた寿命評価線図(クリープボイド個数密度とクリープ損傷度(寿命消費率)との関係を示すグラフ)からクリープ損傷度を推定し、このクリープ損傷度により傷24がクリープ損傷によるものか否かを判定する。
【0032】
このように、レプリカ25にクリープ損傷が認められた場合は、傷24がクリープ損傷による傷であると判定し、レプリカ25にクリープによる損傷が認められない場合は、傷24がクリープ損傷によらない傷(製造時の傷)であると判定することができる。
【0033】
3.化学成分分析による判定
(1) 不純物の分析
溶接金属23の試料採取領域の表面の酸化皮膜を、金属光沢が得られるまで研削して除去し、この露出した金属部分をさらに研削して切粉を採取する。次いで、この切粉を用いて、P、As、Sn、Sbの含有量を分析する。
各元素の分析方法は下記のとおりである。
P:原子吸光法(日本工業規格;JIS G 1257)
As、Sn、Sb:水素化物発生ICP発光分析法
【0034】
(2) クリープ特性評価
次いで、これらの不純物分析結果から、下記の式(2)に基づきクリープ脆化係数(CEF)を求める。
このCEF値と、別途行った配管応力計算結果から、クリープ損傷度(寿命消費率)を推定し、このクリープ損傷度により傷24がクリープ損傷によるものか否かを判定する。
【0035】
4.断面損傷分布評価
レプリカ法及び不純物分析により求められたクリープ損傷度に基づき、図4に示すような溶接金属23の断面のクリープ損傷度の分布を求め、このクリープ損傷度の分布に基づき傷24がクリープ損傷によるものか否かを判定する。
【0036】
なお、上記のクリープ損傷度の推定は、レプリカ法以外に応力解析を用いても推定することができる。
この応力解析は、有限要素法によるプログラムを用いたもので、まず、溶接金属を継手とした配管を剛性の等価なビームにモデル化し、このモデルに実機と同様に支持部及び固定部を設け、さらに実機に生じている温度を設定する。この配管には前記温度に対応した伸びが生じるはずであるが、この配管の支持部及び固定部においてその変形が拘束されるために応力が発生する。
【0037】
この応力は、配管に生じるマクロな応力であるから、母材、熱影響部、溶接金属のクリープ特性(変形特性)を考慮した前記モデルに、この応力を負荷した場合の詳細な解析を行う。この解析においては、不純物量による影響は用いる材料の特性として考慮され、内部の多軸拘束の影響は解析の結果として得られる。また、継手部分の肉厚方向に生じる応力分布から、各部材のクリープ破断特性に基づき肉厚方向のクリープ損傷分布を解析する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の金属材料の損傷評価方法によれば、溶接金属23内に生じた傷24がクリープ損傷によるものか否かをより正確に判定することができる。
また、本実施形態の金属材料の損傷評価装置によれば、溶接金属23内に生じた傷24がクリープ損傷によるものか否かの判定をより正確かつ迅速に行うことができる。
【0039】
[第2の実施形態]
図5は本発明の第2の実施形態の金属材料の損傷評価装置の要部を示すブロック図であり、この装置が上述した第1の実施形態の装置と異なる点は、判定部13に、金属材料3の表面から採取した試料の化学分析の結果及び、予め求められた元素含有量とクリープによる亀裂の伝播速度との関係から金属材料3に適した亀裂伝播データを抽出するデータ抽出部(データ抽出手段)31と、得られた亀裂伝播データに基づき傷24の残寿命を推定する残寿命推定部(残寿命推定部手段)32を備えた点である。
【0040】
次に、本実施形態の金属材料の損傷評価方法について、図2に示す高温配管21を例に取り説明する。
1.TOFD法による超音波探傷及び傷の分類
上述した第1の実施形態の方法と同一であるから説明を省略する。
2.クリープ特性評価
第1の実施形態と同様に、溶接部23のP、As、Sn、Sbの含有量を分析し、これらの不純物分析結果から式(2)に基づきクリープ脆化係数(CEF)を求める。
【0041】
次いで、第1の実施形態と同様に、レプリカ法あるいは応力解析により、クリープ損傷度を推定する。
次いで、図6により、求められたCEF値から不純物によるクリープ亀裂伝播速度増大係数(α)を求める。なお、図6は、異なる不純物量を有する高温鋼管21のクリープ亀裂伝播試験を行なうことで求められる。基準は低不純物の高温鋼管21のクリープ亀裂伝播速度増大係数(α)を1とする。
【0042】
また、図7により、クリープ損傷によるクリープ亀裂伝播速度増大係数(β)を求める。なお、図7は、異なるクリープ損傷を有する高温鋼管21のクリープ亀裂伝播試験を行なうことで求められる。基準はクリープ損傷が無い高温鋼管21のクリープ亀裂伝播速度増大係数(β)を1とする(図7中のDCはクリープ損傷度を表す)。
次いで、不純物及びクリープ損傷の影響を考慮してクリープ亀裂伝播速度(da/dt)を下記の式(3)により求める。
da/dt=α・β・A・(C*)B ……(3)
ただし、A,B:材料定数
C*:応力と材料のクリープ特性に依存する破壊力学パラメータ
次いで、式(3)を用いてクリープ亀裂伝播寿命を求める。
以上により、クリープ亀裂伝播速度(da/dt)から傷24の残寿命を求めることができる。
【0043】
本実施形態の金属材料の損傷評価方法によれば、溶接金属23内に生じた傷24がクリープ損傷によるものか否かをより正確に判定することができ、この傷24の残寿命を求めることができる。
【0044】
[第3の実施形態]
図8は本発明の第3の実施形態の金属材料の損傷評価装置の要部を示すブロック図であり、この装置が上述した第2の実施形態の装置と異なる点は、データ抽出部31の替わりに、金属材料3の表面の組織検査(レプリカ法による)の結果に基づきクリープ損傷の進行度合いを推定するクリープ損傷推定部(クリープ損傷推定手段)41と、この推定したクリープ損傷の進行度合い及び、予め求められたクリープ損傷の進行度合いとクリープによる亀裂の伝播速度との関係から金属材料3に適した亀裂伝播データを抽出するデータ抽出部(データ抽出手段)42を備えた点である。
【0045】
次に、本実施形態の金属材料の損傷評価方法について、図2に示す高温配管21を例に取り説明する。
1.TOFD法による超音波探傷及び傷の分類
上述した第1の実施形態の方法と同一であるから説明を省略する。
【0046】
2.レプリカ法による判定
第1の実施形態と同様に、高温配管21のレプリカを観察し、クリープ損傷の進行度合い(クリープ損傷度)を推定する。
次いで、図9により、推定したクリープ損傷度からクリープによる亀裂伝播速度を求める。
次いで、傷24の表面までの距離を前記亀裂伝播速度で除して、傷24が表面に到達するまでの時間を求め、図10により、この時間と傷の深さとの関係から残寿命を求める。なお、図10中のA点は、測定された傷24の深さである。
【0047】
本実施形態の金属材料の損傷評価方法によれば、溶接金属23内に生じた傷24がクリープ損傷によるものか否かをより正確に判定することができ、この傷24の残寿命を求めることができる。
【0048】
以上、本発明の金属材料の損傷評価方法及び装置の各実施形態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば傷を検出する方法として、金属材料の表面に超音波を発信・受信する探触子を載置し、前記探触子より該金属材料内に超音波を発信させて前記傷からの反射波を前記探触子により検出し、金属材料内部の傷の有無を判定する超音波探傷の適用など、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の請求項1記載の金属材料の損傷評価方法によれば前記傷からの回折波の分布状態により、前記傷がクリープ損傷による傷か、あるいはクリープ損傷によらない傷(製造時の傷)かを判定することができ、金属材料の残寿命を高精度に予測することができる。その結果、高温応力下で長時間使用された金属材料の残寿命を非破壊的かつ高精度に、しかも短時間かつ容易に評価することができる。
【0050】
請求項2記載の金属材料の損傷評価方法によれば、前記傷に対応する前記金属材料の表面の組織検査の結果により、前記傷がクリープ損傷によるものか否かをより正確に判定することができ、金属材料の残寿命をより高精度に予測することができる。
【0051】
請求項3記載の金属材料の損傷評価方法によれば、前記金属材料の表面の化学分析の結果に基づき前記金属材料のクリープ特性を推定し、該クリープ特性に基づき応力解析を行なうので、金属材料の残寿命を高精度に予測することができる。その結果、高温応力下で長時間使用された金属材料の残寿命を高精度に、しかも短時間かつ容易に評価することができる。
【0052】
請求項4記載の金属材料の損傷評価方法によれば、前記金属材料の表面の化学分析の結果及び、予め求められた元素含有量とクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出するので、この亀裂伝播データにより、金属材料の残寿命を高精度に予測することができる。
【0053】
請求項5記載の金属材料の損傷評価方法によれば、前記金属材料の表面の組織検査の結果に基づきクリープ損傷の進行度合いを推定し、この推定したクリープ損傷の進行度合い及び、予め求められたクリープ損傷の進行度合いとクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出し、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定するので、金属材料の残寿命を高精度に予測することができる。その結果、高温応力下で長時間使用された金属材料の残寿命を高精度に、しかも短時間かつ容易に評価することができる。
【0054】
請求項6記載の金属材料の損傷評価方法によれば、前記傷がクリープ損傷によるものか否かをより正確に判定し、金属材料の残寿命を高精度に予測することができる。その結果、高温応力下で長時間使用された金属材料の残寿命を高精度に、しかも短時間かつ容易に評価することができる。
【0056】
請求項7または8記載の金属材料の損傷評価装置によれば、金属材料の表面の化学分析の結果を利用することにより前記傷がクリープ損傷によるものか否かを容易にかつ短時間に判定することができる。その結果、高温応力下で長時間使用された金属材料の残寿命を短時間かつ容易に評価することができ、評価に要する時間及び費用の低減を図ることができる。
【0057】
請求項9記載の金属材料の損傷評価装置によれば、金属材料の表面の組織検査の結果を利用することにより前記傷がクリープ損傷によるものか否かを容易にかつ短時間に判定することができる。その結果、高温応力下で長時間使用された金属材料の残寿命を短時間かつ容易に評価することができ、評価に要する時間及び費用の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の金属材料の損傷評価装置を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態の高温配管の溶接部を示す断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態の金属材料の損傷評価方法を示す流れ図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態の高温配管の溶接部の断面のクリープ損傷度の分布を示す図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態の金属材料の損傷評価装置の要部を示すブロック図である。
【図6】 クリープ脆化係数(CEF)と不純物によるクリープ亀裂伝播速度増大係数(α)の関係を示す図である。
【図7】 クリープ損傷度(Dc)とクリープ損傷によるクリープ亀裂伝播速度増大係数(β)の関係を示す図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態の金属材料の損傷評価装置の要部を示すブロック図である。
【図9】 クリープ損傷度とクリープによる亀裂伝播速度の関係を示す図である。
【図10】 傷が表面まで到達する時間と傷の深さの関係を示す図である。
【図11】 TOFD法の測定原理を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 送信探触子
2 受信探触子
3 金属材料
4 亀裂(欠陥)
5 超音波
6 回折波
7 表面波
8 底面反射波
11 発信器
12 クリープ特性推定部
13 判定部
14 回折波
15 制御部
21 高温配管
22 低合金鋼板
22a、22b 端面
23 溶接金属
24 傷
25 レプリカ
31 データ抽出部
32 残寿命推定部
41 クリープ損傷推定部
42 データ抽出部
Claims (9)
- 金属材料内の傷を評価する方法であって、
前記金属材料の表面に、超音波を発信する送信探触子と超音波を受信する受信探触子を、該金属材料内の傷を挟んで載置し、前記送信探触子により該金属材料内に超音波を発信させて前記傷からの回折波を前記受信探触子により検出することにより前記金属材料内の傷の有無を判定し、傷があるとされた場合に、この傷の位置、高さ及び長さの各値を求め、これらの各値から、この傷が密集した傷であるか否かを判定することを特徴とする金属材料の損傷評価方法。 - 前記傷に対応する前記金属材料の表面の組織検査を行い、この組織検査の結果に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の金属材料の損傷評価方法。
- 前記傷が密集した傷であると判定された場合に、前記金属材料の表面から試料を採取して化学分析を行い、この化学分析の結果に基づき前記金属材料のクリープ特性を推定し、該クリープ特性に基づき応力解析を行い、この応力解析に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の金属材料の損傷評価方法。
- 前記傷が密集した傷であると判定された場合に、前記金属材料の表面から試料を採取して化学分析を行い、この化学分析の結果及び、予め求められた元素含有量とクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出し、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定することを特徴とする請求項1記載の金属材料の損傷評価方法。
- 前記傷が密集した傷であると判定された場合に、前記金属材料の表面の組織検査を行い、この組織検査の結果に基づきクリープ損傷の進行度合いを推定し、この推定したクリープ損傷の進行度合い及び、予め求められたクリープ損傷の進行度合いとクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出し、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定することを特徴とする請求項1記載の金属材料の損傷評価方法。
- 前記傷が密集した傷であると判定された場合に、前記傷に対応する前記金属材料の表面の組織検査を行い、この組織検査の結果に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定するとともに、前記組織検査の結果に基づきクリープ損傷の進行度合いを推定し、この推定したクリープ損傷の進行度合い及び、予め求められたクリープ損傷の進行度合いとクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出し、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定することを特徴とする請求項1記載の金属材料の損傷評価方法。
- 金属材料の表面に、超音波を発信する送信探触子と超音波を受信する受信探触子を、該金属材料内の傷を挟んで載置し、前記送信探触子により該金属材料内に超音波を発信させて前記傷からの回折波を前記受信探触子により検出することにより前記金属材料内の傷の有無を判定し、傷があるとされた場合に、この傷が密集した傷であるか否かを判定し、前記傷が密集した傷であると判定された場合に用いられる装置であって、
前記金属材料の表面から採取した試料の化学分析の結果に基づき前記金属材料のクリープ特性を推定するクリープ特性推定手段と、該クリープ特性に基づき応力解析を行ない、この応力解析に基づき前記傷がクリープ損傷によるものか否かを判定する判定手段とを備えてなることを特徴とする金属材料の損傷評価装置。 - 金属材料の表面に、超音波を発信する送信探触子と超音波を受信する受信探触子を、該金属材料内の傷を挟んで載置し、前記送信探触子により該金属材料内に超音波を発信させて前記傷からの回折波を前記受信探触子により検出することにより前記金属材料内の傷の有無を判定し、傷があるとされた場合に、この傷が密集した傷であるか否かを判定し、前記傷が密集した傷であると判定された場合に用いられる装置であって、
前記金属材料の表面から採取した試料の化学分析の結果及び、予め求められた元素含有量とクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出するデータ抽出手段と、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定する残寿命推定手段とを備えてなることを特徴とする金属材料の損傷評価装置。 - 金属材料の表面に、超音波を発信する送信探触子と超音波を受信する受信探触子を、該金属材料内の傷を挟んで載置し、前記送信探触子により該金属材料内に超音波を発信させて前記傷からの回折波を前記受信探触子により検出することにより前記金属材料内の傷の有無を判定し、傷があるとされた場合に、この傷が密集した傷であるか否かを判定し、前記傷が密集した傷であると判定された場合に用いられる装置であって、
前記金属材料の表面の組織検査の結果に基づきクリープ損傷の進行度合いを推定するクリープ損傷推定手段と、この推定したクリープ損傷の進行度合い及び、予め求められたクリープ損傷の進行度合いとクリープによる亀裂の伝播速度との関係から前記金属材料に適した亀裂伝播データを抽出するデータ抽出手段と、得られた亀裂伝播データに基づき前記傷の残寿命を推定する残寿命推定手段とを備えてなることを特徴とする金属材料の損傷評価装置。
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