JP6803769B2 - フェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法及び溶接部の保守管理方法 - Google Patents

フェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法及び溶接部の保守管理方法 Download PDF

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Description

本開示はフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法及び溶接部の保守管理方法に関する。
高温高圧の環境下で長時間使用される、例えばボイラの配管同士等の溶接部においては、クリープ損傷により亀裂が発生する。クリープ損傷による亀裂は進展するため、亀裂の有無や溶接部の厚さ方向での亀裂の長さ(亀裂の高さ)に応じて、溶接部に対し適時補修を行う必要がある。そこで、溶接部内の亀裂の有無や亀裂の長さを測定可能な技術の開発が行われている。
例えば、特許文献1が開示する金属材料の損傷評価方法は、TOFD(Time Of Flight Diffraction)法により、回折波を検出し、検出結果に基づいて、金属材料内の傷の位置、高さ、及び長さの各値を求めている。
また例えば、特許文献2が開示する金属材料の損傷評価方法では、フェーズドアレイ法の反射エコー高さを検出し、検出した反射エコー高さを、予め導出しておいた反射エコー高さとクリープボイド個数密度との対応データに照会することによって、検出した反射エコー高さに対応するクリープボイド個数密度を求め、さらに、クリープボイド個数密度とクリープ損傷量とを対応付けたデータベースに基づき、金属材料におけるクリープ損傷量を求めている。
特許第3652943号公報 特開2003−14705号公報
特許文献1が開示する金属材料の損傷評価方法では、TOFD法が用いられているが、TOFD法では、送信探触子、受信探触子及び亀裂の相対的な位置関係によっては、亀裂の位置等を正確に評価できない場合がある。
一方、特許文献2が開示する金属材料の損傷評価方法は、フェーズドアレイ法を用いているものの、反射エコー高さとクリープボイド個数密度との対応データ、及び、クリープボイド個数密度とクリープ損傷量とを対応付けたデータベースを要し、反射エコー高さから、直接的に、溶接部内の亀裂の有無や亀裂の長さを評価するものではない。
また、特許文献2が開示する金属材料の損傷評価方法は、反射エコー高さとクリープボイド個数密度との対応データを利用しているが、本発明者の知見によれば、反射エコー高さとクリープボイド個数密度との間に対応関係が認められない場合もあることもわかってきた。
上記事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、フェーズドアレイ法により溶接部内の亀裂の有無や亀裂の長さを評価する際の基準となる閾値を正確に求め、亀裂の有無や亀裂の長さを正確に評価可能である、フェーズドアレイ法を用いた溶接部内の亀裂評価方法及び溶接部の保守管理方法を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法は、
フェーズドアレイ超音波探傷装置によって、評価対象の溶接部の内部に超音波を走査しながら照射し、前記超音波の反射波を受信する本探傷工程と、
前記本探傷工程で受信した前記反射波の強度を閾値と比較し、前記反射波の強度が前記閾値以上である領域に亀裂が発生していると判定する判定工程と、
前記本探傷工程の前に前記閾値を求める閾値取得工程と、を備え、
前記閾値取得工程は、
内部に亀裂が発生した溶接部を有する閾値取得用試料を準備する試料準備工程と、
フェーズドアレイ超音波探傷装置によって、前記閾値取得用試料の溶接部の内部に、超音波を走査しながら照射し、前記超音波の反射波を受信する予備探傷工程と、
前記予備探傷工程の後、前記閾値取得用試料の溶接部の内部に含まれる前記亀裂を進展させる亀裂進展工程と、
前記亀裂進展工程の後、前記閾値取得用試料の溶接部を切断する切断工程と、
前記切断工程にて切断された溶接部における前記亀裂の長さを測定する亀裂長さ測定工程と、
前記亀裂長さ測定工程で測定された前記亀裂の長さから、亀裂伝播逆解析により、前記予備探傷工程の時刻での前記亀裂の長さを推定する亀裂長さ推定工程と、
前記予備探傷工程にて得られた反射波の強度分布において反射波の強度が一の値以上である領域に亀裂が発生していると仮定し、前記仮定に基づいて求められる前記予備探傷工程の時刻での亀裂の長さ(仮亀裂長さ)と前記亀裂長さ推定工程で推定された前記亀裂の長さ(推定亀裂長さ)とが一致するときの前記一の値を、前記閾値に決定する閾値決定工程と、
を含む。
上記構成(1)では、本探傷工程にて得られた反射波の強度分布において反射波の強度が閾値以上の領域に亀裂が発生していると判定しており、閾値の設定に依存して、亀裂長さの評価の正確さが変化してしまう。
ここで、亀裂に対応する反射波の強度は、亀裂が進展するのに伴い大きくなる傾向があり、発生初期の亀裂に対応する反射波の強度を閾値に設定することができれば、より小さい亀裂を早期に発見することが可能になる。しかしながら、発生初期の亀裂に対応する反射波の強度を正確に求めることは困難であった。
この点、上記構成(1)では、閾値取得用試料を切断した時刻よりも遡って、予備探傷工程の実施時刻での推定亀裂長さと仮亀裂長さとが一致するときの反射波の強度の値(前記一の値)を閾値に決定するので、亀裂がある程度進展した時刻よりも前の時刻、即ち亀裂の発生初期における、亀裂に対応する反射波の強度を閾値に決定することができる。このため、上記構成(1)によれば、発生初期の亀裂の評価を正確に行うことができる。
(2)幾つかの実施形態では、フェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法は、上記構成(1)において、
前記本探傷工程にて求められた前記評価対象の溶接部の内部の亀裂の長さから、亀裂伝播解析により、前記評価対象の溶接部の残存寿命を評価する工程を更に備える。
上記構成(2)によれば、評価対象の溶接部の内部の亀裂について、亀裂の長さを正確に評価することができ、亀裂が溶接部を貫通するまでの残存寿命も正確に評価することができる。また、上記構成(2)によれば、発生初期の亀裂の長さの評価を正確に行うことができ、クリープ損傷度が低いときでも、亀裂伝播解析により残存寿命を正確に評価することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(1)又は(2)において、
前記溶接部によって溶接される部材は高強度フェライト鋼からなる。
高強度フェライト鋼からなる部材を溶接して形成された溶接部の場合、外表面のクリープ損傷度と内部のクリープ損傷度との間に相関がなく、溶接部の外表面のクリープ損傷度に関わらずに、溶接部の内部のクリープ損傷度を評価する必要がある。
この点、上記構成(1)又は(2)のフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法は、溶接部の内部の亀裂の長さの評価を正確に行うことができ、上記構成(3)のように、高強度フェライト鋼からなる部材を溶接して形成された溶接部のクリープ損傷度の評価に適している。
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(1)〜(3)の何れかにおいて、
前記判定工程において、前記反射波の強度が前記閾値未満であるとき、
溶接部を有する強度曲線取得用試料に関する前記超音波の反射波の強度の経時変化を示す既知の反射波強度曲線に基づいて、前記評価対象の前記溶接部に関する前記反射波の強度が、前記本探傷工程で受信した前記反射波の強度Hから前記閾値に到達するまでの時間Δtを求める工程を備える。
上記構成(1)によれば、判定工程で評価対象の溶接部における反射波の強度が閾値未満のとき、予め作成された反射波強度曲線を用いることで、評価対象の溶接部に亀裂が発生していない段階で、閾値に到達するまでの時間Δt(即ち、本探傷工程実施時から亀裂発生時までの時間)を求めることができる。
(5)一実施形態では、前記構成(4)において、
経過時間が異なる2以上の時点のそれぞれにおいて前記強度曲線取得用試料について前記超音波の反射波の強度を計測し、前記強度曲線取得用試料についての前記2以上の時点における前記反射波の強度の計測結果に基づいて、前記強度曲線取得用試料に関する前記反射波強度曲線を同定する工程を備える。
上記構成(5)によれば、強度曲線取得用試料を用い、経過時間が異なる2以上の時点のそれぞれにおいて超音波の反射波の強度を計測することで、反射波強度曲線を求めることができる。このように、強度曲線取得用試料を用いた試験段階での計測により容易に反射波強度曲線を求めることができる。
(6)一実施形態では、前記構成(5)において、
前記強度曲線取得用試料に関する前記反射波強度曲線を用いて、前記強度曲線取得用試料に関して、前記反射波の強度が、前記反射波の強度Hから前記閾値に到達するまでの時間Δt sampleを求める工程を備え、
前記時間Δtを求める工程では、ラーソンミラーパラメータ法により、前記時間Δt sampleを前記時間Δtに換算する。
上記構成(6)によれば、強度曲線取得用試料を用いて求めた時間Δt sampleから、ラーソンミラーパラメータ法を用いた演算により、評価対象の溶接部の閾値到達時間Δtを容易に求めることができる。
(7)一実施形態では、前記構成(5)において、
前記強度曲線取得用試料に関する前記反射波強度曲線をラーソンミラーパラメータ法により補正し、前記評価対象の前記溶接部に関する前記反射波の強度の経時変化を示す補正曲線を求める工程を備え、
前記時間Δtを求める工程では、前記補正曲線を用いて、前記時間Δtを求める。
上記構成(7)によれば、上記補正曲線を求めることで、評価対象の溶接部に関する閾値到達時間Δtを容易に求めることができる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部の保守管理方法は、
フェーズドアレイ超音波探傷装置によって、評価対象の溶接部の内部に超音波を走査しながら照射し、前記超音波の反射波を受信する本探傷工程と、
前記本探傷工程で受信した前記反射波の強度を閾値と比較し、前記反射波の強度が前記閾値以上である領域に亀裂が発生していると判定する判定工程と、
前記判定工程の判定結果に基づいて、前記評価対象の溶接部の補修又は交換を行う修理工程と、
前記本探傷工程の前に前記閾値を求める閾値取得工程と、を備え、
前記閾値取得工程は、
内部に亀裂が発生した溶接部を有する閾値取得用試料を準備する試料準備工程と、
フェーズドアレイ超音波探傷装置によって、前記閾値取得用試料の溶接部の内部に、超音波を走査しながら照射し、前記超音波の反射波を受信する予備探傷工程と、
前記予備探傷工程の後、前記閾値取得用試料の溶接部の内部に含まれる前記亀裂を進展させる亀裂進展工程と、
前記亀裂進展工程の後、前記閾値取得用試料の溶接部を切断する切断工程と、
前記切断工程にて切断された溶接部における前記亀裂の長さを測定する亀裂長さ測定工程と、
前記亀裂長さ測定工程で測定された前記亀裂の長さから、亀裂伝播逆解析により、前記予備探傷工程の時刻での前記亀裂の長さを推定する亀裂長さ推定工程と、
前記予備探傷工程にて得られた反射波の強度分布において反射波の強度が一の値以上である領域に亀裂が発生していると仮定し、前記仮定に基づいて求められる前記予備探傷工程の時刻での亀裂の長さ(仮亀裂長さ)と前記亀裂長さ推定工程で推定された前記亀裂の長さ(推定亀裂長さ)とが一致するときの前記一の値を、前記閾値に決定する閾値決定工程と、
を含む。
上記構成(8)では、本探傷工程にて得られた反射波の強度分布において反射波の強度が閾値以上の領域に亀裂が発生していると判定しており、閾値の設定に依存して、亀裂長さの評価の正確さが変化してしまう。
ここで、亀裂に対応する反射波の強度は、亀裂が進展するのに伴い大きくなる傾向があり、発生初期の亀裂に対応する反射波の強度を閾値に設定することができれば、より小さい亀裂を早期に発見することが可能になる。しかしながら、発生初期の亀裂に対応する反射波の強度を正確に求めることは困難であった。
この点、上記構成(8)では、閾値取得用試料を切断した時刻よりも遡って、予備探傷工程の実施時刻での推定亀裂長さと仮亀裂長さとが一致するときの反射波の強度の値(前記一の値)を閾値に決定するので、亀裂がある程度進展した時刻よりも前の時刻、即ち亀裂の発生初期における、亀裂に対応する反射波の強度を閾値に決定することができる。このため、上記構成(8)によれば、発生初期の亀裂の評価を正確に行うことができる。そしてこのように、上記構成(8)によれば、亀裂の評価を正確に行うことができるので、判定工程の結果に基づいて、溶接部の補修を的確に実施することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、フェーズドアレイ法により溶接部内の亀裂の有無や亀裂の長さを評価する際の基準となる閾値を正確に求め、亀裂の有無や亀裂の長さを正確に評価可能である、フェーズドアレイ法を用いた溶接部内の亀裂評価方法及び溶接部の保守管理方法が提供される。
本発明の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法の概略的な手順を示すフローチャートである。 図1中の閾値取得工程の概略的な手順を示すフローチャートである。 本発明の他の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法(溶接部の保守管理方法)の概略的な手順を示すフローチャートである。 図1中の本探傷工程にて評価対象の溶接部から得られる、超音波の反射波の強度(エコー高さ)分布を説明するための図である。 図2中の予備探傷工程にて得られる閾値取得用試料の溶接部から得られる、超音波の反射波の強度分布を説明するための図である。 図5の強度分布中、反射波の強度が大きい領域での反射波の強度(エコー高さ)と鉛直方向での位置との間の相関関係を概略的に示す図であり、(a)は溶接部の厚さ方向を含む断面での2次元的な強度分布、(b)は、溶接部の厚さ方向に沿う一次元的な強度分布を示している。 図2中の亀裂長さ測定工程を説明するための図である。 図2中の亀裂長さ推定工程を説明するための図である。 図2中の閾値決定工程を説明するための図である。 図2中の亀裂長さ測定工程に適用可能な亀裂伝播逆解析工程の手順を概略的に示すフローチャートである。 図3中の残存寿命推定工程を説明するための図である。 図3中の残存寿命推定工程に適用可能な亀裂伝播解析工程の手順を概略的に示すフローチャートである。 亀裂の進展挙動を説明するための図であり、(a)は、亀裂深さと時間の関係を概略的に表すグラフであり、(b)は、初期亀裂深さと貫通時間の関係を概略的に表すグラフである。 本発明の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法を適用可能な溶接部にて溶接される部材の開先形状を例示する図である。 本発明の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法を適用可能な溶接部により接続される配管の断面を例示する図である。 本発明の他の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法(溶接部の保守管理方法)の概略的な手順を示すフローチャートである。 図16中の試料準備工程の概略的な手順を示すフローチャートである。 図16中の閾値到達寿命推定工程で得られる反射波強度曲線及び補正曲線を示す図である。 図18中の反射波強度曲線を求めるための説明図である。 ラーソンミラーパラメータ法により評価対象の溶接部の閾値到達時間を求めるための演算過程を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹突起や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法の概略的な手順を示すフローチャートである。図2は、図1中の閾値取得工程の概略的な手順を示すフローチャートである。図3は、本発明の他の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法(溶接部の保守管理方法)の概略的な手順を示すフローチャートである。
図4は、図1中の本探傷工程にて評価対象の溶接部から得られる、超音波の反射波の強度(エコー高さ)分布を説明するための図である。図5は、図2中の予備探傷工程にて得られる閾値取得用試料の溶接部から得られる、超音波の反射波の強度分布を説明するための図である。図6は、図5の強度分布中、反射波の強度が大きい領域での反射波の強度(エコー高さ)と鉛直方向での位置との間の相関関係を概略的に示す図であり、(a)は溶接部の厚さ方向を含む断面での2次元的な強度分布、(b)は、溶接部の厚さ方向に沿う一次元的な強度分布を示している。図7は、図2中の亀裂長さ測定工程を説明するための図である。図8は、図2中の亀裂長さ推定工程を説明するための図である。図9は、図2中の閾値決定工程を説明するための図である。図10は、図2中の亀裂長さ測定工程に適用可能な亀裂伝播逆解析工程の手順を概略的に示すフローチャートである。図11は、図3中の残存寿命推定工程を説明するための図である。図12は、図3中の残存寿命推定工程に適用可能な亀裂伝播解析工程の手順を概略的に示すフローチャートである。図13は亀裂の進展挙動を説明するための図であり、(a)は、亀裂深さと時間の関係を概略的に表すグラフであり、(b)は、初期亀裂深さと貫通時間の関係を概略的に表すグラフである。図14は、本発明の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法を適用可能な幾つかの溶接部の開先形状を例示する図である。図15は、本発明の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法を適用可能な溶接部により接続される配管の断面を例示する図である。
図1及び図3に示したように、本発明の一実施形態に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法は、本探傷工程S2と、判定工程S3と、閾値取得工程S1とを有している。
本探傷工程S2では、図4に示したように、フェーズドアレイ超音波探傷装置2によって、評価対象の溶接部4aの内部に超音波を走査しながら照射し、超音波の反射波(エコー)を受信する。
評価対象の溶接部4aとは、ボイラ等、実際に使用されている機器(実機)の配管等の溶接部4aである。
なお、超音波を走査するとは、超音波の収束位置を刻々と変化させるということであり、少なくとも溶接部4aの厚さ方向を含む2次元的な面内又は3次元的な空間内で超音波の収束位置を変化させることである。フェーズドアレイ超音波探傷装置2は、超音波を走査しながら照射可能であるとともに、収束位置毎に超音波の反射波の強度(エコー高さ)を測定することができる。従って、フェーズドアレイ超音波探傷装置2によれば、図4に示したように、反射波の強度分布(エコー高さの分布)を取得可能である。図4は、反射波の強度分布をコンター図(等高線図)によって示している。
なお、反射波の強度は、照射する超音波の強度によっても変化するので、本明細書において反射波の強度とは、照射する超音波の強度に対する反射波の強度の比であってもよい。
判定工程S3では、本探傷工程S2で受信した反射波の強度を閾値(基準値)と比較し、反射波の強度が閾値以上である領域に亀裂6aが発生していると判定する。
例えば、図4の場合、亀裂6aが溶接部4aにおける熱影響部8aの内部に発生している。溶接部6aの厚さ方向での亀裂6aの長さaxは10mmであり、亀裂6aから溶接部4aの表面までの距離が7mmである。
なお、本明細書において、亀裂の長さとは、特に断らない限り、溶接部の厚さ方向、例えば配管の肉厚方向、での亀裂の長さを意味するものとする。
なお、本探傷工程S2自体は非破壊検査であり、図4においては、参考のために評価対象の溶接部4aの断面形状を反射波の強度分布に重ね合わせて示している。評価対象の溶接部4aは、2つの部材同士が溶接されている部分、又は、1つの部材において異なる部分が相互に溶接されている部分であり、溶着部(ウェルド)10aと溶着部10aの周囲に位置する熱影響部8aを含んでいる。例えば、溶接される部材が例えば2つの配管の場合、溶接部4aは、これら配管の周方向に延在する。あるいは、板を曲げて板の側縁同士を溶接して配管を形成する場合、溶接部4aは、溶接により形成される配管の軸線方向に延在する。クリープ損傷が特に問題になるのは、熱影響部8a内の亀裂(クリープ亀裂)6aである。
閾値取得工程S1は、本探傷工程S2の前に行われ、判定工程S3で用いられる閾値が求められる。なお、閾値取得工程S1は、1回の本探傷工程S2につき必ず1回行う必要があるというものではなく、本探傷工程S2で用いられる閾値を取得出来ていれば、1回の閾値取得工程S1の後に、複数回の本探傷工程S2を実行してもよい。
図2に示したように、閾値取得工程S1は、試料準備工程S100と、予備探傷工程S102と、亀裂進展工程S104と、切断工程S106と、亀裂長さ測定工程S108と、亀裂長さ推定工程S110と、閾値決定工程S112とを含む。
試料準備工程S100では、図5に示したように、内部に亀裂6bが発生した溶接部4bを有する閾値取得用試料12を準備する。閾値取得用試料12は、例えば、クリープ試験片であってもよいし、ボイラの配管等の実機の一部であってもよい。なお、溶接部4bも、溶着部10b及び溶着部10bの周囲に位置する熱影響部8bを含んでいる。
内部に亀裂6bが発生した溶接部4bとは、発生初期の亀裂6bを含む溶接部4bである。クリープ損傷の場合、まずクリープボイドが発生し、これらクリープボイドが繋がって亀裂を形成するので、亀裂の発生初期とは、クリープボイドが繋がって亀裂を形成する時期である。発生初期の亀裂6bを含んでいるか否かは、閾値取得用試料12がクリープ試験片の場合、クリープ試験条件やクリープ試験時間に基づいてラーソンミラーパラメータ法などにより予想することができ、閾値取得用試料12が実機の一部の場合、実機の運転条件や運転時間に基づいてラーソンミラーパラメータ法などにより予想することができる。
なお、予想が正確でない場合に備えて、閾値取得用試料12がクリープ試験片の場合、クリープ試験時間の異なる複数のクリープ試験片を準備してもよい。同様に、予想が正確でない場合に備えて、閾値取得用試料12が実機の一部の場合、運転時間の異なる複数の実機の一部を準備してもよい。
なお、閾値取得用試料12が実機の一部の場合には、閾値取得用試料12を準備することには、実機の一部の設置場所に、次の予備探傷工程S102を行う者が出向くことも含まれる。
予備探傷工程S102では、図5に示したように、フェーズドアレイ超音波探傷装置2によって、試料準備工程S100で準備した閾値取得用試料12の溶接部4bの内部に、超音波を走査しながら照射し、超音波の反射波を受信する。これにより、予備探傷工程S102の実施時刻t1での反射波の強度分布が得られる。図6は、予備探傷工程S102で得られた、熱影響部8b内の1つの亀裂6bに対応する反射波の強度(エコー高さ)分布を概略的に示している。
亀裂進展工程S104では、予備探傷工程S102の後、閾値取得用試料12の溶接部4bの内部に含まれる亀裂6bを進展させる。亀裂進展工程S104後の溶接部4b及び進展した亀裂6bをそれぞれ溶接部4c及び亀裂6cと称する。同様に亀裂進展工程S104後の溶着部10b及び熱影響部8bをそれぞれ溶着部10c及び熱影響部8cと称する。
なお、亀裂6bを進展させるには、閾値取得用試料12がクリープ試験片の場合には、クリープ試験を続行すればよい。閾値取得用試料12が実機の一部である場合には、実機の運転を続行すればよい。
切断工程S106では、亀裂進展工程S104の後、図7に示したように、閾値取得用試料12の溶接部4cを切断する。
亀裂長さ測定工程S108では、切断工程S106にて切断された溶接部4cにおける亀裂6cの長さa2を測定する。亀裂長さ測定工程S108での亀裂6cの長さa2の測定は、目視による直接的なものであり、定規やノギス等を用いて行うことができるが、亀裂6cの大きさによっては顕微鏡を使用してもよい。
亀裂長さ推定工程S110では、図8に示したように、亀裂長さ測定工程S108の実施時刻t2で測定された亀裂6cの長さa2から、亀裂伝播逆解析により、予備探傷工程S102の実施時刻t1での亀裂6bの長さa1を推定する。
なお、図8中のマスターカーブ14は、時間と亀裂6bの長さとの関係を表す曲線であり、亀裂伝播逆解析により求められたものである。亀裂伝播逆解析は、時刻t2から時刻t1へと時間差ΔTだけ時間が遡るように亀裂伝播解析を行うものであり、基本的な考え方は亀裂伝播解析と同じである。このため、マスターカーブ14は、亀裂の進展の評価にも用いることができる。
閾値決定工程S112では、予備探傷工程S102にて得られた反射波の強度分布において、反射波の強度が一の値以上である領域に亀裂6bが発生していると仮定する。そして、図9に示したように、この仮定に基づいて強度分布から求められる予備探傷工程S102の時刻t1での亀裂6bの長さ(仮亀裂長さ)a1’と、亀裂長さ推定工程S110で推定された亀裂6bの長さ(推定亀裂長さ)a1とが一致すような一の値を見つけ出す。そして、見つけ出した一の値を閾値thに決定する。
かくして閾値決定工程S112で決定された閾値thが、判定工程S3にて用いられる。
上記構成を有するフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法では、本探傷工程S2にて得られた反射波の強度分布において反射波の強度が閾値th以上の領域に亀裂6aが発生していると判定しており、閾値thの設定に依存して、亀裂6aの長さaxの評価の正確さが変化してしまう。
ここで、亀裂に対応する反射波の強度は、亀裂が進展するのに伴い大きくなる傾向があり、発生初期の亀裂に対応する反射波の強度を閾値に設定することができれば、より小さい亀裂を早期に発見することが可能になり、発生初期から亀裂を正確に評価することができる。しかしながら、従来、発生初期の亀裂に対応する反射波の強度を正確に求めることは困難であった。
この点、上記構成を有するフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法では、閾値取得用試料12を切断して亀裂6cの長さを測定した時刻t2よりも遡って、予備探傷工程S102の実施時刻t1での推定亀裂長さa1と仮亀裂長さa1’とが一致するときの反射波の強度(前記一の値)を閾値thに決定するので、亀裂6cがある程度進展した時刻t2よりも前の時刻t1、即ち亀裂6bの発生初期における、亀裂6bに対応する反射波の強度を閾値thに決定することができる。このため、上記構成を有するフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法によれば、発生初期から亀裂の評価を正確に行うことができる。
ここで、図10は、亀裂長さ推定工程S110に適用可能な亀裂伝播逆解析の概略的な手順を示すフローチャートである。
亀裂伝播逆解析では、まず、解析に必要なデータが取得される(S200)。取得されるデータは、時刻t2での亀裂6cの長さa2、亀裂6cの深さ(溶接部4cの表面から亀裂6c先端までの距離)、応力、温度、クリープ速度、クリープ亀裂進展速度データ及び材質である。
それから、工程S202で変数aに長さa2を代入し、工程S204で変数nに1を代入する。そして、C演算工程S206にて、取得したデータに基づいて、Cパラメータ(修正J積分J’)を演算する。
亀裂進展速度取得工程S208では、C演算工程S206にて演算されたCパラメータに基づいて、亀裂進展速度(da/dt)を取得する。なお、Cパラメータの対数と、亀裂進展速度(da/dt)の対数との間には、材質に応じた係数mにて比例関係があり、Cパラメータから亀裂進展速度(da/dt)を求めることができる。
あるいは、材質毎に、亀裂進展速度(da/dt)とCパラメータとの関係を予め求めておき、該関係に基づいて、演算されたCパラメータから亀裂進展速度(da/dt)を求めてもよい。
亀裂減少分演算工程S210では、亀裂進展速度取得工程S208で求めた亀裂進展速度(da/dt)に微小時間Δtを掛けて亀裂減少分Δaを求める。
亀裂寸法更新工程S212では、変数aから亀裂減少分Δaを引き算することによって、変数aを更新する。
そして、時刻判定工程S214にて、時刻t2から時刻t1まで遡ったか否かを確認する。時刻判定工程S214の判定結果が否定的なものである場合、変数nに1を足してC演算工程S206に戻る。
一方、時刻判定工程S214の判定結果が肯定的なものである場合、すなわち時刻t1まで遡った場合、そのときの変数aが、求めるべき亀裂6bの長さa1である。
なお、亀裂進展逆解析は、図10に示した方法に限定されることはなく、溶接される部材の材質、寸法、及び、溶接の開先形状等の組み合わせ毎に、実験によって予め求められた亀裂進展速度(da/dt)を用いて行っても良い。つまり、Cパラメータによらずに、予め実験によって求められた亀裂進展速度(da/dt)を用いて、時刻t1での亀裂6aの長さa1を推定してもよい。換言すれば、亀裂進展逆解析は、マスターカーブ14を用意できるものであればよい。
幾つかの実施形態では、図3に示したように、フェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法は残存寿命推定工程S5を更に備えている。
残存寿命推定工程S5では、判定工程S3の判定結果に基づいて、評価対象の溶接部4aの残存寿命を評価する。すなわち、残存寿命推定工程S5では、本探傷工程S2及び判定工程S3にて求められた評価対象の溶接部4aの内部の亀裂6aの長さaxから、亀裂伝播解析により、評価対象の溶接部4aの残存寿命を評価する。
具体的には、図11に示したように、本探傷工程S2の実施時刻txでの溶接部4aの内部の亀裂6aの長さaxから、亀裂伝播解析により、亀裂6aの長さaxが溶接部4aを貫通する長さarになる貫通時刻trを求める。貫通時刻trと時刻t1との差が残存寿命に相当する。
上記構成を有するフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法によれば、評価対象の溶接部4aの内部の亀裂6aについて、亀裂6aの長さaxを正確に評価することができ、亀裂6aが溶接部4aを貫通するまでの残存寿命も正確に評価することができる。また、上記構成を有するフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法によれば、発生初期の亀裂6aの長さaxの評価を正確に行うことができ、クリープ損傷度が低いときでも、亀裂伝播解析により残存寿命を正確に評価することができる。
幾つかの実施形態では、図3に示したように、フェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法は、閾値取得工程S1と本探傷工程S2との間に、評価対象部位選定工程S4を更に備えている。評価対象部位選定工程S4では、応力解析により、亀裂が発生していそうな溶接部を見つけ出し、当該溶接部を本探傷工程S2での評価対象とする。
例えばボイラ等においては、溶接部の個数は多数であり、全ての溶接部を評価対象とする場合、評価に時間がかかってしまう。この点、応力解析により、亀裂が発生していそうな溶接部を見つけ出すことで、効率的に溶接部内の亀裂評価を行うことができる。
幾つかの実施形態では、図3に示したように、フェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法は、残存寿命推定工程S5の後に、修理工程S6を更に備えている。修理工程S6を更に備えている場合、フェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法は、フェーズドアレイ法による溶接部の保守管理方法であるということもできる。
修理工程S6では、判定工程S3の判定結果に基づいて、評価対象の溶接部4aの補修又は交換が行われる。例えば、修理工程S6は、残存寿命推定工程S5での評価結果に基づいて行われてもよい。この場合、修理工程S6は、残存寿命推定工程S5での評価結果が否定的なものであるとき、すなわち、次回検査まで評価対象の溶接部4aの寿命が残存していないことが判明したときに実行される。修理工程S6では、評価対象の溶接部4aの亀裂6aが補修される。あるいは、修理工程S6では、必要に応じて、評価対象の溶接部4a全体が交換される。
一方、残存寿命推定工程S5での評価結果が肯定的なものである場合、すなわち、次回検査まで評価対象の溶接部4aの寿命が残存していることが判明した場合には、修理工程S6を省略可能である。ただし、修理工程S6を省略しても、亀裂6aの存在が確認されている場合には、評価対象部位のリストに登録しておき(S7)、次回検査時に再度評価対象とする、もしくは交換するのが望ましい。
ここで、図12は、残存寿命推定工程S5に適用可能な亀裂伝播解析の概略的な手順を示すフローチャートである。
亀裂伝播解析では、まず、解析に必要なデータが取得される(S300)。取得されるデータは、時刻txでの亀裂6aの長さax、亀裂6aの深さ(溶接部4aの表面から亀裂6a先端までの距離)、応力、温度、クリープ速度、クリープ亀裂進展速度データ及び材質である。
それから、工程S302で変数aに長さaxを代入し、工程S304で変数nに1を代入する。そして、C演算工程S306にて、取得したデータに基づいて、Cパラメータ(修正J積分J’)を演算する。
亀裂進展速度取得工程S308では、C演算工程S306にて演算されたCパラメータに基づいて、亀裂進展速度(da/dt)を取得する。なお、Cパラメータの対数と、亀裂進展速度(da/dt)の対数との間には、材質に応じた係数mにて比例関係があり、Cパラメータから亀裂進展速度(da/dt)を求めることができる。
あるいは、材質毎に、亀裂進展速度(da/dt)とCパラメータとの関係を予め求めておき、該関係に基づいて、演算されたCパラメータから亀裂進展速度(da/dt)を求めてもよい。
亀裂増分演算工程S310では、亀裂進展速度取得工程S308で求めた亀裂進展速度(da/dt)に微小時間Δtを掛けて亀裂増分Δaを求める。
亀裂寸法更新工程S312では、変数aに亀裂増分Δaを足し算することによって、変数aを更新する。
そして、貫通判定工程S314にて、変数a、すなわち亀裂6aの長さが、溶接部4aを貫通する貫通長さar以上になったか否か判定する。貫通判定工程S314の判定結果が否定的なものである場合、変数nに1を足してC演算工程S306に戻る。
一方、貫通判定工程S314の判定結果が肯定的なものである場合、すなわち亀裂6aの長さが、溶接部4aを貫通する貫通長さar以上になった場合、残存寿命演算工程S318が実行される。残存寿命演算工程S318では、残存寿命(tr−tx)が、変数nと微小時間Δtの積として求められる。
なお、亀裂進展解析は、図12に示した方法に限定されることはなく、溶接される部材の材質、寸法、及び、溶接の開先形状等の組み合わせ毎に、実験によって予め求められた亀裂進展速度(da/dt)を用いて行っても良い。つまり、Cパラメータによらずに、予め実験によって求められた亀裂進展速度(da/dt)を用いて、時刻txでの亀裂6aの長さaxから、時刻trを推定してもよい。換言すれば、亀裂進展解析は、マスターカーブ14を用意できるものであればよい。なお、亀裂進展逆解析及び亀裂進展解析では、同じマスターカーブ14を使用することができる。
ここで、図13は、クリープ損傷による亀裂進展の傾向を表すグラフであり、(a)は、時間と亀裂の深さとの関係を示し、(b)は、初期亀裂の深さと貫通時間との関係を示している。亀裂が溶接部を貫通するとは、亀裂が表面に到達することを意味する。
幾つかの実施形態では、溶接部4aによって溶接される部材は、高強度フェライト鋼からなる。
高強度フェライト鋼からなる部材の溶接部4aの場合、外表面のクリープ損傷度と内部のクリープ損傷度との間に相関がなく、溶接部4aの外表面のクリープ損傷度に関わらずに、溶接部4aの内部のクリープ損傷度を評価する必要がある。
この点、図1及び図3に示したフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法は、溶接部4aの内部の亀裂6aの長さaxの評価を正確に行うことができ、高強度フェライト鋼からなる部材の溶接部4aのクリープ損傷度の評価に適している。
なお、高強度フェライト鋼とは、例えば、Gr.91系鋼(火SCMV28、火STPA28、火SFVAF28、火STBA28)の同等材、Gr.92系鋼(火STPA29、火SFVAF29、火STBA29)の同等材、火Gr.122系鋼(火SUS410J3、火SUS410J3TP、火SUSF410J3、火SUS410J3TB、火SUS410J3DTB)の同等材、又は、Gr.23系鋼(火STPA24J1、火SFVAF22AJ1、火STBA24J1、火SCMV4J1)の同等材である。
なお、溶接部4aによって溶接される部材の材質は、高強度フェライト鋼に限定されることはなく、例えば、低合金鋼やステンレス鋼であってもよい。
低合金鋼とは、例えば、STBA12の同等材、STBA13の同等材、STPA20の同等材、火STPA21の同等材、STPA22の同等材、STPA23の同等材、又は、STPA24の同等材である。
ステンレス鋼とは、例えば、SUS304TPの同等材、SUS304LTPの同等材、SUS304HTPの同等材、火SUS304J1HTBの同等材、SUS321TPの同等材、SUS321HTPの同等材、SUS316HTPの同等材、SUS347HTPの同等材、又は、火SUS310J1TBの同等材である。
図14は、溶接部4aによって溶接される部材の開先形状を例示するための図である例えば、開先は、V形開先、X形開先、U形開先及び狭開先である。
図15は、溶接部4aによって溶接される配管の外径Dと厚さtを説明するための図である
幾つかの実施形態では、溶接部4aによって溶接される配管の材質、開先形状、外径D、厚さt及び溶接棒の材質の組み合わせ毎に、実験によって予め亀裂進展速度da/dtを求めておき、亀裂進展逆解析及び亀裂進展解析を行ってもよい。組み合わせ毎に予め亀裂進展速度da/dtを求めることで、亀裂進展速度da/dt、換言すればマスターカーブ14を正確に求めることができ、閾値を正確に決定できるとともに、残存寿命も正確に評価することができる。
幾つかの実施形態では、溶接部4aによって溶接される配管の材質、開先形状、外径D、厚さt及び溶接棒の材質の組み合わせ毎に、実験によって予め亀裂進展速度da/dtを求める際に、実際に使用されている機器(実機)を用いて、亀裂進展速度da/dtを求める。実機を用いて、亀裂進展速度da/dtを求めておくことで、亀裂進展速度da/dt、換言すればマスターカーブ14をより正確に求めることができ、閾値を正確に決定できるとともに、残存寿命も正確に評価することができる。
幾つかの実施形態では、図16に示すように、事前準備工程S8を行う。但し、図1〜図3に示す閾値取得工程S1を行うことを前提とする。
事前準備工程S8では、溶接部を有する強度曲線取得用試料を用意し、図18に示すように、強度曲線取得用試料に関して超音波の反射波の強度の経時変化を示す反射波強度曲線16を予め作成する。
判定工程S3において、評価対象の溶接部4aの反射波の強度(エコー高さ)が閾値未満のHであるとき、図18に示すように、反射波強度曲線16に基づいて、評価対象の溶接部4aに関する反射波の強度が、本探傷工程S2で受信した反射波の強度Hから閾値に到達するまでの時間Δtを求める(閾値到達寿命推定工程S9)。
閾値到達寿命推定工程S9において、予め作成された反射波強度曲線16を用いることで、評価対象の溶接部4aに亀裂が発生していない段階で、閾値thに到達するまでの時間Δt(即ち、本探傷工程S2の実施時から亀裂発生時までの時間)を求めることができる。
図17は、事前準備工程S8の一実施形態を示す。
図17において、まず、1個以上の強度曲線取得用試料を用意する(試料準備工程S400)。用意された強度曲線取得用試料に対して、経過時間が異なる2以上の時点のそれぞれにおいて超音波の反射波の強度を計測する(反射波強度取得工程S402)。次に、この計測結果に基づいて、強度曲線取得用試料に関する反射波強度曲線を同定する(同定工程S404)。
これによって、強度曲線取得用試料を用いた試験段階での計測により容易に反射波強度曲線を求めることができる。
図19は、事前準備工程S8で求めた反射波強度曲線の例を示す。反射波強度曲線16a及び16bは、夫々異なる時点の2点の計測点u1、u2、v1及びv2から同定されて求められる。
一実施形態では、2個の閾値取得用試料12に対して、近似曲線として、次の一般式(1)を選択する。
一般式y=p・eqx (1)
但し、y;エコー高さ、x;経過時間、p、q;係数
次に、異なる経過時間で2回探傷を行い、これらの計測値を式(1)に代入することで、係数p、qを求める。こうして、2個の閾値取得用試料12から、反射波強度曲線16a及び16bを求めることができる。
図16に示す閾値到達寿命推定工程S9において、探傷工程S2で受信した反射波の強度Hから閾値に到達するまでの時間Δtを求める方法として、一実施形態では、図18に示すように、反射波強度曲線16を用い、強度曲線取得用試料に関して、反射波の強度が、反射波の強度Hから閾値thに到達するまでの時間Δt sampleを求める。
次に、時間Δtを求める工程では、ラーソンミラーパラメータ法により、時間Δt sampleを時間Δtに換算する。
この実施形態によれば、強度曲線取得用試料を用いて求めた時間Δt sampleから、ラーソンミラーパラメータ法を用いた演算により、評価対象の溶接部4aの閾値到達時間Δtを容易に求めることができる。
一実施形態では、図20に示すように、ラーソンミラーパラメータ法を用いて、クリープ試験などで試験条件(温度T、負荷応力σ)における強度曲線取得用試料の全寿命(図11中の貫通時刻txの到達時まで)trと、反射波の強度が閾値thになるまでの時間Δt sampleから、式(2)で寿命消費率の変化量ΔDを算出する。
次に、評価対象の溶接部4aの運転条件(温度T、負荷応力σ)における全寿命trと、反射波の強度が閾値thになるまでの時間Δtから、式(3)で寿命消費率の変化量ΔDを算出する。
次に、式(4)及び式(5)から、全寿命tr1及びtr2を求める。なお、式(4)及び式(5)において、溶接部の材質が同一のとき、係数a0、a1、a2、a3及びCは同一の値となる。
ΔDとΔDとは等価と考えられるため、式(6)が成立し、従って、式(4)で求められる全寿命trと式(5)で求められる全寿命trとの比から、式(7)で示すように、評価対象の溶接部4aの反射波の強度が閾値thになるまでの時間Δtを求めることができる。
なお、図18中、t sampleは強度曲線取得用試料の反射波の強度がHになる時間を示している。
探傷工程S2で受信した反射波の強度Hから閾値に到達するまでの時間Δtを求める別な方法として、一実施形態では、図18に示すように、反射波強度曲線16をラーソンミラーパラメータ法により補正し、評価対象の溶接部4aに関する反射波の強度の経時変化を示す補正曲線18を求める。
この実施形態で時間Δtを求める工程では、補正曲線18を用いて、時間Δtを求める。
この実施形態によれば、補正曲線18を求めることで、評価対象の溶接部4aに関する閾値到達時間Δtを容易に求めることができる。
なお、図18中、tは評価対象の溶接部4aの反射波の強度がHになる時間を示し、t1は亀裂発生時の時間を示している。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変更を加えた形態や、これらの形態を組み合わせた形態も含む。
例えば、評価対象の溶接部は、ボイラの一部に限定されることはなく、本発明に係るフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法及び溶接部の保守管理方法は、高温高圧下に曝される種々の溶接部に適用可能である。
2 フェーズドアレイ超音波探傷装置
4a 評価対象の溶接部
4b 閾値取得用試料の溶接部(予備探傷工程の実施時刻)
4c 閾値取得用試料の溶接部(亀裂長さ測定工程の実施時刻)
6a 評価対象の溶接部の亀裂
6b 閾値取得用試料の溶接部の亀裂(予備探傷工程の実施時刻)
6c 閾値取得用試料の溶接部の亀裂(亀裂長さ測定工程の実施時刻)
8a 評価対象の溶接部の熱影響部
8b 閾値取得用試料の溶接部の熱影響部(予備探傷工程の実施時刻)
8c 閾値取得用試料の溶接部の熱影響部(亀裂長さ測定工程の実施時刻)
10a 評価対象の溶接部の溶着部
10b 閾値取得用試料の溶接部の溶着部(予備探傷工程の実施時刻)
10c 閾値取得用試料の溶接部の溶着部(亀裂長さ測定工程の実施時刻)
12 閾値取得用試料
14 マスターカーブ
16 反射波強度曲線
18 補正曲線
a1 推定亀裂長さ
a1’ 仮亀裂長さ
S1 閾値取得工程
S2 本探傷工程
S3 判定工程
S4 評価対象部位選定工程
S5 残存寿命推定工程
S6 修理工程
S8 事前準備工程
S9 閾値到達寿命推定工程
S100 試料準備工程
S102 予備探傷工程
S104 亀裂進展工程
S106 切断工程
S108 亀裂長さ測定工程
S110 亀裂長さ推定工程
S112 閾値決定工程

Claims (8)

  1. フェーズドアレイ超音波探傷装置によって、評価対象の溶接部の内部に超音波を走査しながら照射し、前記超音波の反射波を受信する本探傷工程と、
    前記本探傷工程で受信した前記反射波の強度を閾値と比較し、前記反射波の強度が前記閾値以上である領域に亀裂が発生していると判定する判定工程と、
    前記本探傷工程の前に前記閾値を求める閾値取得工程と、を備え、
    前記閾値取得工程は、
    内部に亀裂が発生した溶接部を有する閾値取得用試料を準備する試料準備工程と、
    フェーズドアレイ超音波探傷装置によって、前記閾値取得用試料の溶接部の内部に、超音波を走査しながら照射し、前記超音波の反射波を受信する予備探傷工程と、
    前記予備探傷工程の後、前記閾値取得用試料の溶接部の内部に含まれる前記亀裂を進展させる亀裂進展工程と、
    前記亀裂進展工程の後、前記閾値取得用試料の溶接部を切断する切断工程と、
    前記切断工程にて切断された溶接部における前記亀裂の長さを測定する亀裂長さ測定工程と、
    前記亀裂長さ測定工程で測定された前記亀裂の長さから、亀裂伝播逆解析により、前記予備探傷工程の時刻での前記亀裂の長さを推定する亀裂長さ推定工程と、
    前記予備探傷工程にて得られた反射波の強度分布において反射波の強度が一の値以上である領域に亀裂が発生していると仮定し、前記仮定に基づいて求められる前記予備探傷工程の時刻での亀裂の長さと前記亀裂長さ推定工程で推定された前記亀裂の長さとが一致するときの前記一の値を、前記閾値に決定する閾値決定工程と、
    を含む
    ことを特徴とするフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法。
  2. 前記本探傷工程にて求められた前記評価対象の溶接部の内部の亀裂の長さから、亀裂伝播解析により、前記評価対象の溶接部の残存寿命を評価する工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法。
  3. 前記溶接部によって溶接される部材は高強度フェライト鋼からなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法。
  4. 前記判定工程において、前記反射波の強度が前記閾値未満であるとき、
    溶接部を有する強度曲線取得用試料に関する前記超音波の反射波の強度の経時変化を示す既知の反射波強度曲線に基づいて、前記評価対象の前記溶接部に関する前記反射波の強度が、前記本探傷工程で受信した前記反射波の強度Hから前記閾値に到達するまでの時間Δtを求める工程を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法。
  5. 経過時間が異なる2以上の時点のそれぞれにおいて前記強度曲線取得用試料について前記超音波の反射波の強度を計測し、前記強度曲線取得用試料についての前記2以上の時点における前記反射波の強度の計測結果に基づいて、前記強度曲線取得用試料に関する前記反射波強度曲線を同定する工程を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載のフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法。
  6. 前記強度曲線取得用試料に関する前記反射波強度曲線を用いて、前記強度曲線取得用試料に関して、前記反射波の強度が、前記反射波の強度Hから前記閾値に到達するまでの時間Δt sampleを求める工程を備え、
    前記時間Δtを求める工程では、ラーソンミラーパラメータ法により、前記時間Δt sampleを前記時間Δtに換算する
    ことを特徴とする請求項5に記載のフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法。
  7. 前記強度曲線取得用試料に関する前記反射波強度曲線をラーソンミラーパラメータ法により補正し、前記評価対象の前記溶接部に関する前記反射波の強度の経時変化を示す補正曲線を求める工程を備え、
    前記時間Δtを求める工程では、前記補正曲線を用いて、前記時間Δtを求める
    ことを特徴とする請求項5に記載のフェーズドアレイ法による溶接部内の亀裂評価方法。
  8. フェーズドアレイ超音波探傷装置によって、評価対象の溶接部の内部に超音波を走査しながら照射し、前記超音波の反射波を受信する本探傷工程と、
    前記本探傷工程で受信した前記反射波の強度を閾値と比較し、前記反射波の強度が前記閾値以上である領域に亀裂が発生していると判定する判定工程と、
    前記判定工程の判定結果に基づいて、前記評価対象の溶接部の補修又は交換を行う修理工程と、
    前記本探傷工程の前に前記閾値を求める閾値取得工程と、を備え、
    前記閾値取得工程は、
    内部に亀裂が発生した溶接部を有する閾値取得用試料を準備する試料準備工程と、
    フェーズドアレイ超音波探傷装置によって、前記閾値取得用試料の溶接部の内部に、超音波を走査しながら照射し、前記超音波の反射波を受信する予備探傷工程と、
    前記予備探傷工程の後、前記閾値取得用試料の溶接部の内部に含まれる前記亀裂を進展させる亀裂進展工程と、
    前記亀裂進展工程の後、前記閾値取得用試料の溶接部を切断する切断工程と、
    前記切断工程にて切断された溶接部における前記亀裂の長さを測定する亀裂長さ測定工程と、
    前記亀裂長さ測定工程で測定された前記亀裂の長さから、亀裂伝播逆解析により、前記予備探傷工程の時刻での前記亀裂の長さを推定する亀裂長さ推定工程と、
    前記予備探傷工程にて得られた反射波の強度分布において反射波の強度が一の値以上である領域に亀裂が発生していると仮定し、前記仮定に基づいて求められる前記予備探傷工程の時刻での亀裂の長さと前記亀裂長さ推定工程で推定された前記亀裂の長さとが一致するときの前記一の値を、前記閾値に決定する閾値決定工程と、
    を含む
    ことを特徴とするフェーズドアレイ法による溶接部の保守管理方法。
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