JP4616778B2 - 高強度鋼溶接部の寿命評価方法 - Google Patents

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本発明は高強度鋼溶接部の寿命評価方法に関し、特に火力プラント等の高温・高圧機器に使用される高強度フェライト系鋼の母材部乃至溶接継手部におけるクリープ損傷の評価に用いて有用なものである。
火力プラントを構成する、例えばボイラ等は、高温・高圧環境で運転されるので、これを構成する材料である耐熱鋼には、長期に亘る運転によりクリープ等による損傷が蓄積されることがある。そこで、この種のプラントの運用に当たっては、前記耐熱鋼の精度の高い寿命評価を行って信頼性の向上を図ることが、長期に亘る安定的な運用を確保する上で肝要である。
ボイラ等の耐圧鋼がクリープ損傷を受けると、この耐熱鋼中にクリープボイドを発生することが知られている。このクリープボイドはクリープ損傷の進行に伴い増加するので、観察面の単位面積当たりのクリープボイドの個数密度やクリープボイドの面積率を実測することにより当該耐熱鋼の余寿命を推測することが行われている。また、以前に検出したボイド個数密度に対する今回検出したボイド個数密度の増加程度であるボイド個数密度変化率を求め、このボイド個数密度変化率に基づき前記耐熱鋼の余寿命を評価することが提案されている(特許文献1)。
特開2004−85347号公報
ところで、高強度フェライト鋼溶接部はタイプIV損傷と呼ばれるクリープ破壊モードを示すことが判っているが、損傷末期まで内部でのき裂発生がなく、また、形状などによって、損傷挙動が大きく変化することがある。
よって、寿命評価を行う際の以下のような問題点がある。
1)外表面のクリープ損傷と板厚内部のクリープ損傷の対比が困難である。これは、表面でクリープ損傷が小さいと思われても、内部のクリープ損傷が大きいことがあるからである。
これは、図6−1に示すように、従来クロムモリブデン鋼では、母材11と溶接金属12との熱影響部(HAZ)13の外表面と内部のクリープ損傷量は、図6−2に示すように、相間関係があったが、近年多用されている改良9Cr−1Mo高強度フェライト鋼は、図6−3に示すように外表面と内部のクリープ損傷量のばらつきが多く、外表面でクリープ損傷が小さくても,内部で損傷が大きいことがある場合がある。
特に長い配管先の屈曲部においては、熱応力がかかるので、顕著となる。
2)また、微視き裂発生の時期が寿命末期であり、き裂を超音波探傷検査などで検出しても、それ以降の寿命が非常に小さく、適切な処置ができない可能性が高い、という問題がる。
よって、従来のような外表面のみを検査しても内部の損傷が判断できないこととなり、高強度フェライト鋼の溶接部の余寿命の判断を適切にできる評価法の出現が望まれている。
本発明は、前記問題に鑑み、高強度フェライト鋼の溶接部の余寿命の判断を適切にできる高強度鋼溶接部の寿命評価方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、検査対象の高強度鋼溶接部の外表面のクリープボイドのボイド個数密度又はボイド面積率を計測する表面ボイド計測工程と、前記表面ボイド計測工程の計測結果より、所定の閾値以上か否かを判定するボイド個数密度又はボイド面積率の判定工程と、前記判定工程において、所定の閾値以下の場合に、溶接部の余寿命を計測する余寿命計測工程と、前記判定工程において、所定の閾値以上の場合に、内部の超音波探傷検査(UT検査)を行う探傷検査工程と、前記探傷検査工程において、内部欠陥の有無を判定する欠陥判定工程とからなることを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記余寿命計測工程において、余寿命が所定時間以上である場合には、所定期間経過後に再評価することを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法にある。
第3の発明は、第1の発明において、前記余寿命計測工程において、余寿命が所定時間以下である場合には、処置を行うことを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法にある。
第4の発明は、第1の発明において、前記余寿命計測工程において、余寿命が所定時間以下である場合には、内部の超音波探傷検査(UT検査)を行うことを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法にある。
第5の発明は、第1又は4の発明において、前記欠陥判定工程において、欠陥が存在する場合には、処置を行うことを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法にある。
第6の発明は、第1又は4の発明において、前記欠陥判定工程において、欠陥が無い場合には、所定期間経過後に再評価することを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法にある。
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つの発明において、前記検査対象の高強度鋼溶接部が、高強度フェライト系鋼の母材部乃至溶接継手部であることを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法にある。
本発明の高強度鋼溶接部の寿命評価方法によれば、外表面のクリープボイドから余寿命を判断すると共に、超音波探傷検査を行い、欠陥の有無を判断することで、内部の損傷の有無を判断し、必要に応じて適切な処置を施すことができるものとなる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例に係る高強度鋼溶接部の寿命評価方法について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例に係る高強度鋼溶接部の寿命評価方法の判定手法を示すフローチャートである。
図1に示すように、高強度鋼溶接部の寿命評価方法の判定手法は、検査対象の高強度鋼溶接部の外表面のクリープボイドの単位面積当りの数であるボイド個数密度(個/mm2)を計測する検査を行なう(S101)。次に、前記表面ボイド個数計測工程の計測結果より、所定の閾値以上か否かを判定する(S102)。図1においては、後述する試験結果より、所定の閾値を120個/mm2として、ボイド個数判定する。
なお、ボイド個数密度とボイド面積率との間には、図7に示す相間関係を有するので、ボイド個数密度が120個/mm2はボイド面積率の0.047%と等価であり、以降も同様の相間関係を用いて換算することが可能である。
前記ボイド個数判定工程において、所定の閾値(120個/mm2)以下の場合に、溶接部の余寿命を図2で示すようにき裂が内在していることを仮定し、推測を行なう(S103)。
余寿命とは、過去の使用時間を考慮して今後破断に至るまでに要する時間をいう。
なお、閾値(120個/mm2)は近年多用されている改良9Cr−1Mo高強度フェライト鋼の場合であり、他の材料の場合には、後述するクリープ寿命消費率から求めるようにすればよい。
ここで、本実施例では、判定の閾値を検討するパラメータとしてボイド個数密度を計測して判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ボイド面積率を計測して判定するようにしてもよい。
ここで、ボイド個数密度を計測するボイド個数密度法は、例えば倍率が300倍の光学顕微鏡の4視野(写真サイズ:120mm×80mm)において、面積中に占めるボイドの個数密度を計測するものである。なお、倍率500倍の場合(例えばSEM等)には、10視野としている。
一方、ボイド面積率法は、例えば倍率が300倍の光学顕微鏡の4視野(写真サイズ:120mm×80mm)において、面積中に占めるボイドの面積率を計測するものである。なお、倍率500倍の場合には、10視野としている。
ボイド面積率法の場合には、最適エッチング処理を行なうことにより、面積率にバラツキが生じることがない。また、デジタル画像処理システムを用いることで、計測時間の短縮化を図ることができる。
図7にボイド個数密度とボイド面積率との相間関係図の一例を示す。
以下の実施例では、ボイド個数密度のパラメータを用いた判定手法について説明する。
前記ボイド個数判定工程において、所定の閾値(120個/mm2)以上の場合に、内部の超音波探傷検査(UT検査)を行う(S104)。これは、所定の閾値以上の場合には、内部に欠陥が存在している確率が高いので、非破壊検査であるUT検査を行なう必要があるからである。
この非破壊検査において、内部欠陥の有無を判定する(S105)。
内部欠陥が無い場合には、所定時間経過後に再検査を行なう(S106)。
この検査の結果、内部結果が有る場合には、要処置を施す(S107)。
ここで、更に余寿命時間の判定を行なう(S108)。
余寿命の判定の結果において、所定時間(例えば1.7万時間)以上である場合には、所定期間経過後に再検査するようにすればよい(S106)。
また、前記余寿命の判定結果において、所定時間(例えば1.7万時間)以下である場合には、次回の検査までに破断する可能性が高いので、要処置を行う。
さらに、前記余寿命判定結果において、所定時間(例えば1.7万時間)以下である場合には、内部の超音波探傷検査(UT検査)を行う(S104)。
これは、内部にボイドが発生している可能性が高いが、き裂に至るボイドか否かの判断を行なうものである。初期からボイドが存在して、それが進展しないような場合には、内部欠陥がないことが予想されるので、これを判断するために、UT検査を行なうものである。
UT検査の前記欠陥判定において、欠陥が存在する場合には、要処置を行う(S107)。また、欠陥が無い場合には、所定期間経過後に再検査する(S106)。
これにより、従来適切なクリープ損傷評価法の無かった高強度フェライト鋼の溶接部のクリープ評価法が提案でき、耐圧部の信頼性の確保および噴破事故などの未然防止が可能となる。
以下に、本発明の前提となる溶接部の外表面のクリープボイド個数と内部ボイドとの関係について説明する。
先ず、本試験例では、実機ボイラ溶接部のクリープ損傷を模擬した損傷材を製作するために、市販の改良9Cr−1Mo鋼である「火SCMV28」(厚さ:32mm鋼板)を用いて、被覆アーク溶接で継手を製作し、そこから、溶接部を含む大型試験片(32×40mm断面)を採取した。
図5−1に試験片の平面図、図5−2に大型クリープ試験片の側面図を示す。試験片20に溶接金属12部分を溶接している。
表1に供試鋼の化学成分を示す。
Figure 0004616778
[試験の概要]
大型クリープ試験片20を650℃×66MPaでクリープ試験を行い、破断までに複数回の中途止めを実施して、その際に溶接部最終ビード側の試験片外表面から各種非破壊検査を実施した。
適用した非破壊検査手法は、磁粉探傷検査(MT検査)、超音波探傷検査(UT検査)、レプリカ法による組織観察およびレプリカ法による溶接熱影響部でのクリープボイド個数密度計測である。
試験では、最終的に2678時間(tr)でクリープ破断したので、検査時期(t)に対応するクリープ破断試験片の寿命消費率(t/tr)は表2に示す通りとなった。また、各中途止め時のクリープ寿命消費率(t/tr)に対する非破壊検査結果を表3に示す。
(1)クリープ寿命消費率(t/tr)=0(試験前)
MT検査及びUT検査で異常は検出されず、組織も健全であった。
(2)(クリープ寿命消費率t/tr)=0.187
MT検査及びUT検査で異常は検出されず、組織も健全であった。
(3)クリープ寿命消費率(t/tr)=0.373
MT検査及びUT検査で異常は検出されなかったが、溶接熱影響部細粒域で極少量のクリープボイドの生成が認められた。クリープボイド個数密度は20個/mm2であった。
(4)クリープ寿命消費率(t/tr)=0.560
溶接熱影響部細粒域で少量のクリープボイドの生成が認められた。そのクリープボイド個数密度は123個/mm2であった。
(5)クリープ寿命消費率(t/tr)=0.747
溶接熱影響部細粒域でクリープボイドの生成が認められた。そのクリープボイド個数密度は478個/mm2であった。
また、MT検査で外表面にき裂などの欠陥発生は認められなかったが、UT検査で内在の欠陥が検出され、そのき裂高さを計測したところ、4mmと推定された。
(6)クリープ寿命消費率(t/tr)=0.934
MT検査において溶接熱影響部で3mm長さのき裂を検出した。また、t/tr=0.747時に検出内在欠陥高さが8mmとなっており、き裂が大きくなっていると考えられた。
また、クリープボイド個数密度は723個/mm2であった。
(7)クリープ寿命消費率(t/tr)=1.0000(クリープ破断)
溶接熱影響部の細粒域でクリープ破壊した。未破断側の溶接熱影響部細粒域のボイド個数密度は1354個/mm2であった。
上記の試験片を実機溶接部と見立てて、図1に示す寿命評価判定フローに従って、寿命評価した結果を述べる。
Figure 0004616778
Figure 0004616778
表2及び表3より、MT検査で欠陥が検出されるのはクリープ寿命消費率(t/tr)=0.934以降である。
ここで、外表面で欠陥が検出された場合には、欠陥の性状を調査した上で、欠陥を取り除かなければならない。
なお、欠陥がクリープ性ではなく、なんらかの形で製造時の欠陥が検出された場合には、欠陥除去後、クリープボイドの個数密度を計測して、その外表面のボイド個数密度120個/mm2(板厚内部の最大のボイド個数密度:570個/mm2)を境界として処置を判断する必要がある。
これは、外表面のボイド個数密度と、試験片内部のき裂発生有無の調査した結果から、外表面でボイド個数密度が120個/mm2以上となれば、試験片内部にき裂が発生している可能性が高く、そのき裂の影響の検討をするために、検査フローに従って、き裂高さの計測を行って、き裂進展寿命を計算し、適切な処置を行う必要がある。
き裂寿命の計算例として、予め測定したき裂進展速度からき裂の貫通寿命を計算した結果の一例を図2に示す。図2では、初期き裂の長さを3mm、5mm、7mm及び10mmの場合各々異なるので、余寿命を各々求めた。
通常、大型火力発電所の定期検査は2年毎に行われることが多いので、すくなくとも1.7万時間以上の寿命がなければ、すぐさま損傷部の取替などの処置が必要となる。なお、外表面のボイド個数密度が120個/mm2を超えていても、UT検査などで内在の欠陥が検出されない場合も考えられるが、溶接部細粒域における外表面と内部のボイド個数密度の関係図を示す図3で示すとおり、外表面よりも板厚内部の方において、ボイド個数密度が多い傾向にあり、その場合においても安全な処置判断を行うために、UT検査でのき裂検出限界と考えられる高さ3mmのき裂を想定して、き裂進展寿命を求めて判断する。
また、余寿命診断時に、MT検査で欠陥が検出されない場合は、き裂が発生していないものと推定され、クリープ中途止め試験のクリープ寿命消費率t/tr=0〜0.934に該当する。
先ず、UT検査で内在欠陥が検出された場合について説明する。
板厚内部での欠陥有無の調査をUT検査で実施し、内在欠陥が検出された場合には、レプリカ法でボイド個数密度を計測し、外表面のボイド個数密度が120個/mm2を超えている場合は、き裂高さから寿命を計算する。
また、き裂が内在していても、外表面でのボイド個数密度が120個/mm2未満の場合は、外表面のボイド個数密度が120個/mm2に達するまでの時間を見積もり、この時点で内部のボイド個数密度が570/mm2に達し、き裂が発生している可能性があるので、それにき裂発生後の進展時間を加味して、処置判断を行う。
ボイド個数密度の増加の傾向の調査結果を図4に示す。図4は小型クリープ試験法で求めた溶接部細粒域の最大クリープボイド個数密度と、クリープ破断寿命消費率との関係図である。
よって、図4に示すように、調査時点までの運転時間とその時点での外表面ボイド個数密度から、内部のクリープボイド個数密度が570個/mm2に達するまでの時間を算出することができる。
一方、UT検査で内在欠陥が検出されなかった場合について説明する。
外表面でのボイド個数密度を計測し、外表面のボイド個数密度が120個/mm2未満の場合は外表面でのボイド個数密度が120個/mm2に達するまでの時間を求め、それにき裂発生後の進展時間を加味して、処置判断を行う。
また、外表面のボイド個数密度が120個/mm2以上の場合には、UT検査での欠陥検出有無を問わず、3mm高さの欠陥が内在していると仮定し、き裂進展寿命にて、適切な処置判断を行う。
以上のように、本発明においては、先ず、溶接部断面のクリープボイド個数密度分布を収集し、その外表面に対応する内部における最大ボイド個数密度を推定し、処置を判断するようにしている。
そして、外表面と内部のクリープ損傷分布(ボイド個数密度)を整理した結果から、予め求めておいたき裂発生が起こりえる外表面のボイド個数密度(120/mm2)からき裂有無を推定し、寿命評価を行うようにしたので、簡易な判断で迅速な判定を行なうことができる。
クリープボイドは、耐熱鋼の溶接部の熱影響で顕著に発生し、その部分が最もクリープ強度が弱いので、その部分の寿命の評価が出来れば、母材部を含むボイラ等の耐圧部の寿命評価を行なったことになる。特に、改良9Cr−1Mo鋼においては、微視き裂発生の時期が寿命末期であり、き裂を超音波探傷検査などで検出しても、それ以降の寿命が非常に小さく、適切な処置ができない可能性が高いので、本発明によれば、それ以前において、適切な処置を施すことができる。
以上のように、本発明に係る高強度鋼溶接部の寿命評価方法は、外表面と内部のクリープ損傷分布(ボイド個数密度)を整理した結果から、予め求めておいたき裂発生が起こりえる外表面の所定のボイド個数密度からき裂有無を推定し、寿命評価を確実に行なうことができ、特に火力プラント等の高温・高圧機器に使用される高強度フェライト系鋼の母材部乃至溶接継手部におけるクリープ損傷の評価に用いて適している。
実施例に係る高強度鋼溶接部の寿命評価方法の判定手法を示すフローチャートである。 予め測定したき裂進展速度からき裂の貫通寿命の計算した結果図である。 溶接部細粒域における外表面と内部のボイド個数密度の関係図である。 溶接部細粒域の最大クリープボイド個数密度と、クリープ破断寿命消費率との関係図である。 試験片の平面図である。 大型クリープ試験片の正面図である。 母材に溶接金属を設けた模式図である。 従来鋼の溶接部のクリープ損傷量と板厚との関係図である。 高強度フェライト鋼のクリープ損傷量と板厚との関係図である。 ボイド個数密度とボイド面積率との相間関係図である。
符号の説明
11 母材
12 溶接金属
13 熱影響部(HAZ)

Claims (7)

  1. 検査対象の高強度鋼溶接部の外表面のクリープボイドのボイド個数密度又はボイド面積率を計測する表面ボイド計測工程と、
    前記表面ボイド計測工程の計測結果より、所定の閾値以上か否かを判定するボイド個数密度又はボイド面積率の判定工程と、
    前記判定工程において、所定の閾値以下の場合に、溶接部の余寿命を計測する余寿命計測工程と、
    前記判定工程において、所定の閾値以上の場合に、内部の超音波探傷検査(UT検査)を行う探傷検査工程と、
    前記探傷検査工程において、内部欠陥の有無を判定する欠陥判定工程とからなることを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。
  2. 請求項1において、
    前記余寿命計測工程において、余寿命が所定時間以上である場合には、所定期間経過後に再評価することを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。
  3. 請求項1において、
    前記余寿命計測工程において、余寿命が所定時間以下である場合には、処置を行うことを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。
  4. 請求項1において、
    前記余寿命計測工程において、余寿命が所定時間以下である場合には、内部の超音波探傷検査(UT検査)を行うことを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。
  5. 請求項1又は4において、
    前記欠陥判定工程において、欠陥が存在する場合には、処置を行うことを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。
  6. 請求項1又は4において、
    前記欠陥判定工程において、欠陥が無い場合には、所定期間経過後に再評価することを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つにおいて、
    前記検査対象の高強度鋼溶接部が、高強度フェライト系鋼の母材部乃至溶接継手部であることを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。
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