JP3651982B2 - 内視鏡用管路切換え装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡に設けられる送気送水管路等の流体管路において管路切換えを行う内視鏡用管路切換え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡は、その挿入部の先端に照明窓、観察窓が設けられており、観察窓を介して体腔の内部を観察できるようになっている。
【0003】
特に医療用の内視鏡では、観察窓は体液等により汚染されるので、その洗浄を行うため、また体腔内に空気を供給して体腔を膨らませて観察視野を確保するために、観察窓に向けて送気、送水を行う送気送水ノズルが設けられている。この送気送水ノズルには、流体管路を介して洗浄水や加圧空気等が供給され、挿入部の先端より空気や洗浄用液体を噴出できるようになっている。
【0004】
流体管路を備えた内視鏡では、一般的に、内視鏡挿入部内には可撓性チューブからなる送気チューブと送水チューブが挿通され、操作部近傍にこれらのチューブと連通して管路切換えを行うバルブ等からなる管路切換え装置が設けられ、この管路切換え装置を操作することによって送気と送水の動作切り換えなどを行えるようになっている。
【0005】
このような内視鏡用管路切換え装置としては、例えば本出願人の特願平6−65898号に示されているように、シリンダとピストンとを有してなるバルブによって構成されたものがある。この従来の管路切換え装置では、シリンダ内を摺動するピストンの周囲には、シリンダとの間の通路の水密、気密を保つためにシール部材が設けられている。このシール部材は、肉厚を薄くするとピストンの可動方向の動きに対して変形してしまい、水密および気密が保たれなくなるおそれがある。このため、ピストンの動きにより水・気密性が失われないように、可動方向の動きに対して強度的に耐性を持たせるようシール部材の可動方向の肉厚を全周にわたって厚く形成している。
【0006】
前記従来の管路切換え装置のように、シール部材の肉厚を大きくするとピストンの摺動抵抗が大きくなってしまう。そこで、ピストンがなめらかに摺動可能なように、シール部材にシリコンオイル等の潤滑油を塗布してスムーズに動くようにする対策がとられている。
【0007】
また、特公平2−54087号公報には、操作ボタンの押込み操作を行って吸引動作を行わせる吸引切換え弁と、操作ボタンの押込み操作や操作ボタンに設けられたリーク孔を指で塞ぐ操作を行って送水動作,送気動作を行わせる送気送水切換え弁とを備えたものが開示されている。
【0008】
この送気送水切換え弁は、前記特願平6−65898号の装置と同様に、操作ボタンが連設されたピストンと、このピストンが嵌入するシリンダとを有して構成され、シリンダ内を摺動するピストンの周囲には、シリンダとの間の通路の水密、気密を保つためにシール部材が設けられている。
【0009】
この特公平2−54087号公報の装置では、バネの操作力量に着目して、吸引切換え弁と送気送水切換え弁とにおける操作ボタンの待機時からの押込み操作開始力量を、吸引切換え弁よりも送気送水切換え弁の方を大きく設定し、送気送水用の操作ボタンの操作性を向上させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来の内視鏡用管路切換え装置では、シリンダ内を摺動するピストンの周囲に設けられるシール部材は、ピストンの可動方向の動きに対して強度的に耐性を持たせて水・気密性を保持するために、可動方向の肉厚が全周にわたって厚く形成されており、また、ピストンをスムーズに摺動できるようにシール部材にシリコンオイル等の潤滑油を塗布することが行われている。
【0011】
しかしながら、シリコンオイル等の潤滑油を塗布するようにした場合、塗布量により摺動抵抗にばらつきがでたり、ピストンを洗浄する際に潤滑油を全て拭き取る必要があるため拭き取り作業に手間がかかるなどの問題点がある。
【0012】
一方、この不具合を解消するために潤滑油を塗付しないようにした場合は、従来の構成では強度上の理由からシール部材の可動方向の肉厚を厚くしているので、ピストンの摺動抵抗が増し、操作性が悪化してしまう問題点が生じる。
【0013】
また、従来の内視鏡用管路切換え装置では、押込み操作時の押込み力量についてのみ考慮がなされ、操作ボタンの操作力だけを改善するようになっており、送気送水用の操作ボタンのピストンがシリンダ内部で摺動するときの、ピストンに設けられたシール部材とシリンダとの間の摺動性については特に考慮がなされていなかった。このため、操作ボタンの操作によりピストンがシリンダ内を摺動する際に、シリンダとの摩擦によりシール部材に変形を生じるが、このときシール部材の外周部が過剰に押圧変形を受け、ピストンの摺動特性が悪化するおそれがあった。
【0014】
また、従来の構成では、シール部材の外周部が過剰に押圧変形を受け、その結果シール部材とシリンダの間の摩擦力が増加し、ピストンの作動力量が増加してピストンの摺動性が悪化するおそれがあった。
【0015】
これを解決するには、シール部材の外周部シール部の変形量を小さくして、シール部材とシリンダとの間の摩擦力を小さくすればよいが、この場合、シール部の強度が不足して、シール部材の本来の機能である水密、気密を保てなくなるおそれがある。シール部の強度を確保するには、シール部を大きくする必要があるが、この場合、前述のようにシール部材とシリンダの間の摩擦力が増加し、ピストンの摺動性が悪くなってしまうという問題点がある。
【0016】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、ピストンの周囲に設けたシール部材の可動方向に対する強度を保ちピストンの摺動抵抗による変形を防止してシリンダ内の水・気密性を保持できると共に、潤滑油を使用することなくピストンの摺動抵抗を適度に保ち操作時におけるシリンダとピストンとの摺動性を向上させることができ、操作性が良好で、洗浄時の取り扱いも簡便な内視鏡用管路切換え装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による内視鏡用管路切替え装置は、内視鏡に設けられた複数の管路が接続されるシリンダと、このシリンダに進退自在に嵌挿されたピストンとを有してなり、前記複数の管路の連通状態を切り換える内視鏡用管路切替え装置において、前記ピストンに複数のシール部材を配置すると共にこの複数のシール部材は、前記シリンダ内に前記ピストンが嵌挿されたときの嵌挿方向とは逆側に変形する薄肉部と、該薄肉部の内側に設けられ前記ピストンの進退による変形を抑制する補強部とを有することを特徴とし、シール部材の薄肉部の変形によりピストンの摺動性を向上させ、シール部材の補強部によりピストンの進退によるシール部材の変形を抑制する
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図6は本発明の第1の実施形態に係り、図1は内視鏡装置の全体構成を示す構成説明図、図2は管路切換え装置としての送気送水バルブの構成を示す断面図、図3はシール部材の構成を示す斜視図、図4はシール部材を上下面両方から見た平面図、図5は自然状態でのシール部材の形状を示す断面図、図6はシリンダ内を摺動しているときのシール部材の変形状態を示す断面図である。
【0019】
図1に示すように、内視鏡装置に設けられる内視鏡1は、細長の挿入部2、使用者が把持して操作を行う操作部3、光源装置5及びビデオプロセッサ6と接続するための連結コード4を有して構成されている。挿入部2は、ポリウレタン等の樹脂で被覆されるとともに、先端部分には軟らかい弾性体で被覆された湾曲自在な湾曲部7が設けられている。
【0020】
湾曲部7の先端には、先端硬質部8が設けられており、この先端硬質部8に観察光学系、撮像素子、照明光学系、送気送水ノズル等が設けられている。また先端硬質部8には、挿入部2の内部に延設された鉗子チャンネルの一方の開口が設けられ、一方操作部3の鉗子口カバー9には鉗子チャンネルの他方の開口が鉗子開口部10として設けられており、この鉗子開口部10には必要に応じて鉗子栓11が取り付けられるようになっている。
【0021】
操作部3には、吸引を行う際に操作する吸引管路切換装置12、送気送水を行う際に操作する送気送水管路切換装置(送気送水バルブとも呼ぶ)13、先端の撮像素子で得られた映像信号の各種処理を行うためのリモートスイッチ14が設けられている。さらに操作部3には、硬い樹脂製のアングルノブ15が設けられており、これらを操作することによって湾曲部7を上下左右方向に湾曲させることができるようになっている。またアングルノブ15の上部には、湾曲部7を湾曲固定状態に保ったり、湾曲固定状態を開放するときに使用する硬い樹脂製のエンゲージレバー16が設けられている。
【0022】
連結コード4は、ポリウレタン等の樹脂で被覆されており、その先端には硬い樹脂で形成されるコネクタ17が取り付けられている。コネクタ17には、コード側の側周部に高周波漏れ電流を焼灼装置電源に戻すためのアース端子18、送水タンク19に接続して送水を行うための金属製の加圧管20及び送水管21、図示していない吸引ポンプに接続して吸引を行うための吸引口金22が設けられると共に、先端側に電気接点23、ライトガイド端部24が設けられている。コネクタ17を光源装置5のコネクタ受け25に接続することにより、光源装置5からの照明光が内視鏡内部に延設されたライトガイドに伝達され、先端硬質部8の照明光学系から出射されるようになっている。
【0023】
またコネクタ17の先端側には、ライトガイド端部24と略並行して送気管26が突設されており、この送気管26に光源装置5内のポンプからの加圧空気が送られるようになっている。
【0024】
さらにコネクタ17の側面には、電気コネタク部27が設けられている。この電気コネタク部27にビデオプロセッサ6から延出した接続コード28のコネクタ受け29を接続してビデオプロセッサ6と接続することにより、内視鏡先端部の撮像素子から出力された電気信号をビデオプロセッサ6で信号処理してモニタ30上に内視鏡画像として映出できるようになっている。
【0025】
次に、送気送水管路切換装置としての送気送水バルブ13の詳細構成を図2を基にして説明する。
【0026】
送気送水バルブ13は、シリンダ部31とピストン部32とから構成されている。図2において、左側はピストン部32の自然状態、右側はピストン部32の押し込み状態を示している。
【0027】
操作部3を構成するケーシング33には、取付け孔34が穿設されており、この取付け孔34にはシリンダ部31が後述する手段によって固定され、このシリンダ部31に対してピストン部32が着脱自在に嵌挿されている。
【0028】
シリンダ部31は、段差のある金属製の略円筒状のシリンダ35を有して構成されている。このシリンダ35の側壁には、開口側から底部側に向かって順に、内視鏡先端部の図示しない送気送水ノズルに連通する気体出口である送気管路36と、前記連結コード4端部のコネクタ17に連通する気体入口である送気管路37と、前記送気送水ノズルに連通する液体出口である送水管路38と、前記送水タンク19及び送水管21に連通する液体入口である送水管路39とが設けられている。
【0029】
前記シリンダ35の開口部の端部にはネジ部40が形成され、このネジ部40に操作部3のケーシング33の外側から口金41をねじ込むことにより、ケーシング33を内外両側から挟み込む形でシリンダ35がケーシング33に固定されている。口金41の外周部には、口金41を回転させるための治具を嵌入できる治具穴42が設けられている。
【0030】
前記口金41は、上部フランジ41aと下部フランジ41bとを有しており、この下部フランジ41bによって取付け孔34の内周面に形成された環状溝43の内部のOリング44を圧縮し、取付け孔34を密封することにより、操作部3の内部への気体、液体の侵入を防止している。
【0031】
ピストン部32は、金属または合成樹脂等の剛性を有する材料からなる略円筒状のピストン本体45を有して構成されている。このピストン本体45の内部には、長手軸方向に連通路46が設けられている。連通路46の下端部には側方向に開口する開口部47が形成されている。
【0032】
前記開口部47の上部のピストン本体45には、弾性材からなる弁体48がインサート成形されている。ピストン本体45の上端部には、抜け止め筒体49及び押さえ部材50が螺合しており、抜け止め筒体49とピストン本体45の間でシール部支持部材51を挟持している。シール部支持部材51には、側部に周回状にシール部材53がインサート成形され、下端部にスライダ52が設けられている。
【0033】
前記シール部支持部材51のシール部材53は、内周側の周上の所定間隔毎に強度補強部53bを有して構成されている。また、シール部材53の外周端部には、前記シリンダ35内に前記ピストン本体45が嵌挿されたときに、シリンダ35内面と接触して変形するシール部53aが設けられている。
【0034】
シール部材53がシリンダ35内で摺動するときの摺動抵抗を小さくするには、シール部材53のシール部53aがシリンダ35内面と接触して変形する際に、変形しやすくする必要がある。つまり、シール部材53のシリンダ35との接触部(シール部53a)の肉厚を薄くすれば良い。しかし、肉厚を薄くした場合、この送気送水バルブ13のピストン部32は図2において上下方向に可動するため、シール部材53が変形してしまい、水密および気密が保たれなくなり、送気送水バルブ13の機能が果たされなくなるおそれがある。そこで、本実施形態のようにシール部材53の一部に強度補強部53bを設けることにより、ピストン部32の摺動に対するシール部材53の過度の変形を防止することができ、過度の変形による水および空気の漏れを防止することができる。
【0035】
強度補強部53bは、ピストン部32の可動方向に対して、例えば図3及び図4に示すようにシール部材53の上下面にそれぞれ上面に4つ、下面に4つ設けられている。これら上下面に各々4つ設けた強度補強部53bは、図4に示すように円形のシール部材53の円周方向に均等な間隔で、また、シール部材53の上下面で同一位置となるよう上下対称な位置に設けられている。
【0036】
このように、シール部材において部分的に肉厚を厚くした強度補強部を設けてピストンの摺動抵抗によるシール部材の変形に対して抵抗力をもたせながら、かつシール部材の外周部の肉厚を薄くしてピストン中の摺動抵抗が過度にならないようにすることにより、水密性・気密性を保ちつつ操作性を向上させることができる。
【0037】
また、ピストン本体45の下端部には、押さえ部材54が螺合しており、押さえ部材54とピストン本体45の間でシール部支持部材55を挟持している。この押さえ部材54には、側部に周回状にシール部材56がインサート成形されており、またシール部支持部材55にも同様に、側部に周回状にシール部材58がインサート成形され、下端部にスライダ57が設けられている。
【0038】
前記スライダ57は、PSUやPEEKなどの硬質樹脂で形成されている。このスライダ57の樹脂を、例えば高圧蒸気滅菌対応を示す緑などの色にしても良い。色を付けることで使用者が容易に高圧蒸気滅菌対応であることを認識することができる。
【0039】
これらのシール部材56及びシール部材58には、前記シール部材53と同様に、強度補強部56a,58aがそれぞれ設けられている。そして、各シール部材53,56,58は、シール部53a,56a,58aにおいてシリンダ35の内周面に弾性的に密接している。
【0040】
また、前記ピストン本体45の上端部の抜け止め筒体49の外側には、円筒状のピストンストッパ60が設けられ、抜け止め筒体49下端部のフランジ部49aとピストンストッパ60内面のフランジ部60aとが当接するようになっている。そして、ピストンストッパ60のフランジ部60a上面と押さえ部材50の下面との間には、コイルスプリングからなる付勢ばね61が介装されている。すなわち、この付勢ばね61の付勢力によって、押さえ部材50は上方に、ピストンストッパ60は下方にそれぞれ付勢されており、自然状態において抜け止め筒体49のフランジ部49aがピストンストッパ60のフランジ部60aに当接してピストン本体45を係止している。
【0041】
さらに、ピストンストッパ60の外側には、絶縁部材からなる囲い部材62が一体的に設けられ、この囲い部材62の内面の突出部62aが前記口金41の上部フランジ41aと係合している。
【0042】
また、ピストン本体45の上端部には、識別ピン59が螺合しており、押さえ部材50の外周部には指当て部材63が接着固定されている。この指当て部材63の中央部には、ピストン本体45の連通路46と連通したリーク孔64が設けられている。指当て部材63と囲い部材62は、ピストン部32が自然状態、押し込み状態いずれにおいても指当て部材63と囲い部材62の上端部との間に常に隙間が保たれるように配設されている。
【0043】
前記各シール部材53,56,58および弁体48は、天然ゴム、合成ゴム等により形成されている。合成ゴムとしては、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリルゴム、NBR等を用いることができる。このとき、ゴムの硬度は、作動力量の軽減とシール機能を両立させるためにはJIS A 硬度で50°以下が適当である。なお、ゴムの代わりに熱可塑性ポリウレタン等のエラストマーや合成樹脂を用いても良い。エラストマーや合成樹脂の硬度は、ゴムを用いた場合と同様、JIS A 硬度で50°以下が適当である。
【0044】
また、各シール部材に例えば赤や青といった色を付けても良い。このような色を付けることによって使用者の注意を引くことができるため、シール部材が破損したり、あるいは傷付いた場合にすぐに発見することができる。
【0045】
このように構成された送気送水バルブ13において、シリンダ部31内の所定位置にピストン部32を取り付ける場合のシール部材53,56,58近傍の位置関係を図5及び図6に示す。ここでは、代表してシール部材58を例にとり説明する。
【0046】
シール部材58のシール部58aは、自然状態では図5に示すように、その断面において強度補強部58bまでの径方向の長さがL1となっている。このシール部58aは、ピストン部32をシリンダ35内に挿入すると、図6に示すようにシリンダ35の内壁に当接し、弾性変形してL2の長さになる。
【0047】
このとき、シール部材58の変形はシール部58aの範囲であるL2にのみとどまり、強度補強部58bには弾性変形が及ばない。この位置関係は、他のシール部材53,56についても同様である。
【0048】
ここで、本発明の実施形態には該当しないが、当該実施形態の参考となる例について図7乃至図9を参照して説明する。
図7の(a),(b)に示す例は、ピストン本体45にインサート成形された弁体48においても、上面部の内周側の一部にリブ状の強度補強部48bが設けられている。図7において、(b)は(a)のA−A線断面図である。弁体48の外周部のシール部48aは、図8及び図9に示すように、前記シール部材53,56,58と同様に自然状態ではその断面の径方向の長さがL1となっており、シリンダ35内に挿入されると弾性変形してL2の長さとなる。すなわち、シール部材と同様にシール部48aのみが変形して強度補強部48bには弾性変形が及ばないようになっている。また強度補強部48bは、図7の(b)に示すように半円形の断面になっている。
【0049】
なお、前記シール部材53の強度補強部53bの数は、図10の(a),(b)に示すように、円周方向に均等に設けられていれば、前述した4箇所に限らず、5箇所あるいは6箇所設けるようにしても良い。またこれに限らず、円周方向に均等に設けるようにすれば、強度補強部の数は任意に設定しても良い。
【0050】
強度補強部53bを円周方向に均等に設けないと、シール部材の変形が円周方向で不均等になり、十分なシール機能が確保できなくなるおそれがある。また、強度補強部53bの数を多くすることで、シール部材53の強度をより大きくすることができるため、シール部53aの大きさを小さくしてピストンの摺動性を向上させることができる。
【0051】
また、強度補強部53bの形状は、図10の(c),(d)に示すように、前述した方形状のものに限らず、三角形状や扇形状のものとしても良いし、あるいは任意の形状に設定しても良い。
【0052】
また、図10の(e)に示すように、前記シール部材53の全周に強度補強部53bを設けても良い。
【0053】
また、強度補強部53bの断面形状は、図11の(a),(b)に示すように、図5に示した三角形状のものに限らず、四角形状であったり、曲線形状であっても良い。
【0054】
これらの強度補強部の変形例は、他のシール部材56,58の強度補強部56b,58bについても同様に適用することができる。
【0055】
また、本実施形態において、水密用シール部材の外径と気密用シール部材の外径を比較すると、水密用のほうが気密用に比べて小さくなっている。これは、次に述べる理由による。
【0056】
空気は圧縮性流体であるのに対して、水は非圧縮性流体である。このため、気密を保持する場合に比べて、水密を保持する場合の方がより大きな力でシールをする必要がある。これはすなわち、ピストン本体45をシリンダ35内に挿入したとき、水密用のシール部材58,56の変形量の方が、気密用のシール部材53及び弁体48の変形量よりも大きくする必要があるということを意味する。気密用のシール部材53及び弁体48の変形量が大きくなると、その分摺動力量が大きくなってしまう。
【0057】
しかし、気密用のシール部材53及び弁体48の外径を小さくすれば、シリンダ35とシール部材とが接触する周方向の長さが減少する。よって気密用のシール部材53及び弁体48の外径を小さくすることにより、摺動力量を減少させることができる。
【0059】
次に、本実施形態に設けられる吸引管路切換装置12の詳細構造を図12ないし図16に示す。図12はシリンダ部の下部の構成を示す断面図、図13は吸引チューブの構成を示す横断面図、図14はピストン部の構成を示す断面図、図15は図14のA部分の拡大図、図16は図14のB−B断面図である。
【0060】
吸引管路切換装置12は、シリンダ部401とピストン部402とから構成されている。シリンダ部401は、図12に示すように、シリンダ本体403と、これに接続されるSUSなどの金属製のパイプからなる上流管路404、および下流管路405の3部品から構成される。このシリンダ本体403に接続される上流管路404,下流管路405は、ともにシリンダ本体403に対して半田あるいは接着剤等によって固定されている。
【0061】
上流管路404の先端部には、吸引チューブ406が接続され、この接続部にコイル426が外装されている。吸引チューブ406は、図13に示すように、内側のPTFE、TFEなどの硬質の樹脂で形成された硬質層407と、外側の硬質層407よりも軟らかい樹脂で形成された軟質層408との二層構造となっている。このような二層構造のチューブを使用することによって、チューブ全体がPTFEなどの硬質樹脂で形成されたチューブを使用した場合に比べて吸引チューブ406を先端側の図示されない管路分岐部に接続する際にチューブの座屈を防止でき、接続作業性が向上する。
【0062】
下流管路405の先端部には、PTFE、シリコン樹脂、塩化ビニル、ポリエチレン、イラックスなどの樹脂で形成された吸引チューブ409が接着剤によって接続固定されている。吸引チューブ409端部の接続部外周には、接着剤を塗布することで硬質部410が形成されている。このような硬質部410を形成することによって、下流管路405と吸引チューブ409の接着強度を向上させる効果が得られる。また、硬質部410を下流管路405の端部よりも下側まで設けることにより、吸引チューブ409の座屈防止効果が得られる。
【0063】
ピストン部402は、図14に示すように、ピストン本体411、取付部412、キャップ部413から構成される。キャップ部413は、キャップ414の内側に金属部材415が接着剤によって接着固定されている。このキャップ部413の金属部材415は、ピストン本体411に対してネジ部416により螺合され、さらにこの部分が接着剤によって固定されている。このような接着剤による固定を行うことで、ピストン部402のキャップ部413が使用中に分解するおそれがなくなる。また、キャップ部413の接着強度をさらに高めるために、キャップ部413とピストン本体411との間には接着剤溜まり部417を設けてある。
【0064】
キャップ部413と取付部412との間には、付勢手段であるバネ418が設けられており、ピストン本体411が上方に付勢されている。取付部412の内部には、インサート部材419を介して柱部420が設けられ、この柱部420の中央の挿通孔にピストン本体411の下部が挿通している。
【0065】
ピストン本体411の側面部には、長手方向に溝部421が設けられており、この溝部421には柱部420の上端部内側に突設されたストッパ422が係合している。前記柱部420は、図16に示すようにピストン本体411の外周に沿ってストッパ422を内包するよう円弧状に形成されており、ストッパ422の強度確保が十分なされている。
【0066】
このような構成のピストン部402をシリンダ部401に取り付ける際には、柱部420の下部に突設された固定部423をシリンダ本体403上部に設けられた図示しない固定穴にはめ込んで固定する。これにより、ピストン部402がシリンダ本体403内を摺動自在に取り付けられる。
【0067】
この状態で、ピストン部402を押し込むことによって、下流管路405とピストン本体411内に形成された連通路424、側面連通路425、及び上流管路404が連通し、下流管路405に接続した吸引ポンプによって、上流管路404から下流管路405に向けて吸引が行われる。
【0068】
次に、本実施形態の送気送水バルブ13の作用について説明する。
【0069】
図2の左側に示すように、自然状態においては、ピストン本体45は付勢ばね61の付勢力によって押し上げられ、下側のシール部材56のシール部56aによって送水管路38と送水管路39との間が遮断し、送水タンク19から送出されて送水管路39から送水管路38に向かう流体の流れが遮断されている。
【0070】
さらに、中間のシール部材58のシール部58aと弁体48のシール部48aによって形成されるシリンダ35内の流路を通って、光源装置5内のポンプから送出される気体は送気管路37を経てピストン本体45の側面に位置する開口部47に流入し、ピストン本体45の連通路46を通って指当て部材63のリーク孔64から大気に流出している。
【0071】
この自然状態において、指当て部材63のリーク孔64に操作者が指を添えて塞ぐと、弁体48が光源装置5からの気体の送出圧力によって内側に折り曲げられて、シリンダ35の内壁面からシール部48aが離間する。この結果、送気管路37から流入した気体は中間のシール部材58のシール部58aと上側のシール部材53のシール部53aによって形成されるシリンダ35内の流路を通過して送気管路36から流出する。これにより、挿入部先端の送気送水ノズルから送気が行われる。
【0072】
そして、図2の右側に示すように、指当て部材63を指で押し、ピストン本体45を付勢ばね61の付勢力に抗して押し込んだ状態において、前記リーク孔64に指を添えて塞ぐと、前記弁体48のシール部48aはシリンダ35のテーパ面35aに圧接されて、中間のシール部材58のシール部58aとの間が気密となり、光源装置5からの気体は流路を遮断される。
【0073】
このとき、下側のシール部材56のシール部56aは、シリンダ35下側の太径部35bに移動し、シリンダ35の内壁面と隙間が生じている。この結果、送水管路39から流入した液体は中間のシール部材58のシール部58aによって形成されるシリンダ35内の流路を通過して送水管路38から流出する。これにより、挿入部先端の送気送水ノズルから送水が行われる。
【0074】
以上のように、本実施形態の構成によれば、シール部材外周部のシール部を薄肉にして変形部の変形を小さくして、小さな力でシール部材を変形させるようにしたことで、ピストンの摺動に要する力量を軽減させ、かつシール部材の一部(変形部以外の内径部)に強度補強部を設けてシール部材の可動方向に対する強度を保つことにより、ピストンの摺動抵抗によるシール部材の変形を防止してシリンダ内の水・気密性を保持できると共に、潤滑油を使用することなくピストンの摺動抵抗を適度に保つことができ、操作ボタンの操作時におけるシリンダとピストンとの摺動性を向上させることが可能である。これにより、管路切換え装置の操作性を良好にすることができ、洗浄時の取り扱いも簡便にすることができるため、使用者の労力が軽減される。
【0075】
図17ないし図20は本発明の第2の実施形態に係り、図17はシール部材に設ける強度補強部の構成例を示す断面図、図18は図17に示す構成例においてシリンダ内を摺動しているときのシール部材の変形状態を示す断面図、図19及び図20は図17に示す構成例の変形例を示す側面図である。
【0076】
第2の実施形態は、送気送水管路切換装置においてシール部材に設ける強度補強部の大きさを上下面で異なるよう構成したものである。ここでは、第1の実施形態で述べたピストン本体45に設けられるシール部材53,56,58の変形例として以下に構成例を示す。送気送水管路切換装置のその他の部分の構成については、第1の実施形態と同様であり、ここではシール部材の構成についてのみ説明する。
【0077】
図17に示すように、ピストン本体45に固定されたシール部支持部材51には、側部に周回状にシール部材370が設けられている。シール部材370は、内周側の周上の所定間隔毎に強度補強部としてリブ部371を有して構成されている。当該構成例では、このリブ部371は、シール部370aの上側と下側で高さが異なっている。すなわち、シール部材370のシール部370aの上側にある上側リブ部371bの高さをb、シール部370aの下側にある下側リブ部371aの高さをaとすると、aとbの高さはa<bとなっており、上側リブ部371bの高さが高く形成されている。
【0078】
このように構成されたシール部材370を操作する際の作用を説明する。送気送水バルブ13のピストン部32をシリンダ部31のシリンダ35内部で押し込み操作したときには、図18の(a)に示すように、シール部材370のシール部370aはシリンダ35壁面との摺動抵抗により上側に変形する。このとき、下側リブ部371aからシール部370aの変形を妨げようとする抗力F1が作用する。
【0079】
また、ピストン部32が上方へ戻るときには、図18の(b)に示すように、シール部材370のシール部370aはシリンダ35壁面との摺動抵抗により下側に変形する。このとき、上側リブ部371bからシール部370aの変形を妨げようとする抗力F2が作用する。
【0080】
前述したように上側リブ部371bと下側リブ部371aの大きさが異なるため、抗力F1とF2の大小関係はF1<F2となる。このため、ピストン部32を押し込み操作するときに、元の状態に戻るときよりも摺動抵抗が小さくなり、シール部材370のシール部370aがスムーズに変形するため、押し込み操作時の力量を軽くすることが可能になる。
【0081】
このことは、ピストン本体45に設けられる全てのシール部材について同様のことが言えるので、押し込み操作力量をさらに軽くするためには、複数のシール部材を同様の構造にすれば良い。また、必要な押し込み操作力量を得るためには、複数設けられるシール部材のうち、一部のシール部材にのみこの構造を適用しても良い。
【0082】
なお、前記構成例と同様の効果は、図19に示すように、シール部材370の上下に幅の異なる上側リブ部371cと下側リブ部371dとを設け、上側リブ部371cの幅cと下側リブ部371dの幅dとを比べたときにc>dとなるように構成した場合においても得ることができる。
【0083】
また、図20に示すように、シール部材370の上側にのみ上側リブ部371cを設けても同様の効果が得られる。
【0084】
次に、本発明の実施形態には該当しないが、参考例となる例について図21乃至図24を参照して説明する。
図21に示す参考例におけるシール部材375は、図17に示す構成例と同様にリブ部376が上側と下側で高さが異なっているが、図17に示す構成例とは逆に、シール部375aの上側にある上側リブ部376bの高さをb、シール部375aの下側にある下側リブ部376aの高さをaとすると、aとbの高さはa>bとなっており、下側リブ部376aの高さが高く形成されている。
【0085】
この場合、図22の(a),(b)に示すように、ピストン部32を押し込み操作したときにシール部375aの変形に対して下側リブ部376aから作用する抗力F1と、ピストン部32が上方へ戻るときに上側リブ部376bから作用する抗力F2との大小関係は、F1>F2となる。このため、ピストン部32が元の状態に戻るときに、ピストン部32を押し込み操作するときよりも摺動抵抗が小さくなり、シール部材375のシール部375aがスムーズに変形するため、ピストン部32が戻るときのレスポンスを良くすることが可能になる。
【0086】
このことは、ピストン本体45に設けられる全てのシール部材について同様のことが言えるので、ピストンの戻り時のレスポンスをさらに早くするためには、複数あるシール部材の全てを同様の構造にすれば良い。また、複数設けられるシール部材のうち、一部のシール部材にこの構造を適用することにより、ピストンの戻り時のレスポンスを任意のレベルに設定することも可能である。
【0087】
なお、当該参考例と同様の効果は、図23に示すように、シール部材370の上下に幅の異なる上側リブ部371cと下側リブ部371dとを設け、上側リブ部371cの幅cと下側リブ部371dの幅dとを比べたときにd>cとなるように構成した場合においても得ることができる。
【0088】
また、図24に示すように、シール部材370の下側にのみ下側リブ部371dを設けても同様の効果が得られる。
【0089】
さらに、上側リブ部371b,376bと下側リブ部371a,376aの大小関係を、送気送水管路切換装置に設けられる複数のシール部材53,56,58の間で任意に組み合わせることも可能である。これによって、使用者の好みに合わせた摺動特性を有する送気送水管路切換装置を提供することができる。
【0091】
図25ないし図27は本発明の第3の実施形態に係り、図25はシール部材を上下面両方から見た平面図、図26は第3の実施形態のシール部材を円周方向に展開した説明図、図27は第1の実施形態のシール部材を円周方向に展開した説明図である。
【0092】
第3の実施形態は、送気送水管路切換装置においてシール部材に設ける強度補強部の円周方向の配置を上下面で異なるよう構成したものである。ここでは、第1の実施形態で述べたピストン本体45に設けられるシール部材53,56,58の変形例の一例を示す。送気送水管路切換装置のその他の部分の構成については、第1の実施形態と同様であり、ここではシール部材の構成についてのみ説明する。
【0093】
図25に示すように、ピストン本体45に設けられる略円板状のシール部材380は、内周側の周上の所定間隔毎に強度補強部としてリブ部380bを有して構成されている。本実施形態では、リブ部380bはシール部材の上面と下面で異なる位置に設けられている。すなわち、シール部材380の上面と下面にそれぞれ4箇所ずつ90°毎にリブ部380bが設けられ、上側リブと下側リブは互いに45°の角度をなして配置されている。
【0094】
なお、例えばリブ部380bが上下面にそれぞれ6箇所ずつ60°毎に設けられた場合には、上側と下側のリブがなす角度は30°となる。従って、配設するリブの数が変化しても上下面にあるリブどうしが互いになす角度は等しくなっている。
【0095】
このような位置関係にリブ部380bを設けることによって、シール部材380がシリンダ35内部で摺動する際に、摺動抵抗を減らすことができる。
【0096】
前述した第1の実施形態におけるシール部材53の強度補強部53bと、本実施形態におけるシール部材380のリブ部380bとの円周方向の展開図を図26及び図27にそれぞれ示す。図27のように、シール部53aを挟んで上下両面の同じ位置に強度補強部53bがある場合は、図26のようにシール部380aを挟んで上下面で交互にリブ部380bが配置された場合に比べて、各強度補強部53b間のシール部53aの間隔X1が各リブ部380b間のシール部380aの間隔X2よりも大きくなる。このため、ピストン摺動時のシール部の変形量は図27の場合の方が図26の場合よりも大きくなるといえる。
【0097】
図26のようにシール部材380の上下面でリブ部380bの位置をずらすと、図27のシール部材53に比べて補強する場所が増えることになる。このため、第3の実施形態のシール部材380においては、上下に設けるリブ部380bを第1の実施形態におけるシール部材53の強度補強部53bよりも小さなものとしても、シール部材の変形を防止するための強度確保が可能となる。この場合、リブ部380bは強度補強部53bより小さいので、シール部材380が摺動する際のシール部380aの変形は、第1の実施形態のシール部53aよりも容易になる。
【0098】
従って、本実施形態のようにリブ部380bの位置を上下面で異なるようずらして配設することによって、上下両面の同じ位置にリブ部を設けた場合に比べて摺動時の抵抗を減少させることができる。これにより、シール部材全体の必要強度は確保しつつ、摺動性を向上させることができ、摺動抵抗が小さくてレスポンスの良い、操作性が良好な送気送水管路切換装置を提供できる。
【0099】
次に、ピストン部32に設けられる各シール部材53,56,58及び弁体48と、シリンダ部31のシリンダ35との位置関係について図28を参照して説明する。
【0100】
従来の送気送水管路切換装置では、シール部材の外径とシリンダの内径との関係について十分な考慮がなされておらず、寸法設定によっては、必要以上のシール部材の変形量によって、ピストンの摺動性を損なってしまうおそれがあった。
【0101】
そこで、シール部材がシリンダ内に嵌挿されたときのシール部材の変形量を最適な値にすることによって、より確実な水密、気密を確保しながらピストンの摺動性を向上させることが可能で、操作性の高い送気送水管路切換装置を構成する。
【0102】
本実施形態では、複数設けられたシール部材のシール部は、全てリング状になっている。このようなシール部材においては、シール部の変形量が小さいほど、シリンダとシール部材の間で発生する摩擦力が小さくなるため、シール部材の摺動性が向上する。
【0103】
本実施形態においては、気密確保用のシール部材及び水密確保用のシール部材とシリンダとの間で、以下に述べるような関係が成り立っている。
【0104】
すなわち、シール部材53の外径をD1、弁体48の外径をD2、シール部材58の外径をD3、シール部材56外径をD4、シリンダ35の気密パッキン摺動部385の内径をD5、弁体摺動部386の外径をD6、水密パッキン摺動部387の外径をD7としたときに、気密用のシール部材53および弁体48の変形量A1,A2と、水密用のシール部材58および56の変形量W1,W2との関係は、次の式で示される。
【0105】
A1=(D1−D5)
A2=(D2−D6)
W1=(D3−D7)
W2=(D4−D7)
このとき、AnとWn(n=1,2)の間には、次のような関係が成り立っている。
【0106】
An<Wn (n=1,2)
シール部材53および弁体48は、送気管路36と送気管路37の間を流れる空気をシールするために気密確保用に設けられている。一方、シール部材58および56は、送水管路38と送水管路39の間を流れる水が外部に漏れないようシールするために水密確保用に設けられている。空気は圧縮性流体であるのに対して、水は非圧縮性流体であるため、水密を確保するにはより大きな力が必要になる。よって、シール部材53および弁体48の変形量は、シール部材58および56の変形量よりも小さくすることができる。
【0107】
そこで本実施形態では、気密用のシール部材53および弁体48の変形量A1,A2を水密用のシール部材58および56の変形量W1,W2に比べて小さく設定することにより、シール部材53,56,58および弁体48の変形量を全て同じにした場合に比べて、気密用シール部材の摺動抵抗を小さくすることができる。これにより、ピストンの摺動抵抗を小さくすることができるので、ピストンの摺動性を向上させることができる。
【0108】
さらに、気密用のシール部材のゴム硬度を、水密用のシール部材のゴム硬度よりも低くすることで、気密用のシール部材の摺動抵抗が小さくなり、ピストンの摺動抵抗を小さくすることができる。これにより、ピストンの摺動性を向上させることができる。
【0109】
なお、この構造においても、第3の実施形態で示したようなシール部の位置を上下面でずらして配置する構造をさらに適用して、摺動抵抗をさらに低減させることも可能である。
【0110】
また、ピストン部32に設けられる各シール部材53,56,58の幅と高さの関係について図29を参照して説明する。図29には代表してシール部材53を示している。
【0111】
シール部材53は、一般的に強度補強部であるリブ部があるなしにかかわらず、幅Mと高さHの関係がM<Hとなるほうが摺動抵抗が小さくなる。そこで、幅Mと高さHをM<Hとなるように設定することにより、摺動抵抗を小さくすることができる。
【0112】
また、図5及び図6で示したシール部材58のシール部58aの変形量△L=(L1−L2)が小さいほど摺動抵抗も小さくなるため、リブ部の大きさを調整してシール部の変形量を小さくすることによって、より摺動抵抗を低減させることができる。
【0113】
図30に本発明の第4の実施形態を示す。第4の実施形態は、送気送水管路切換装置においてシール部材のシール部と強度補強部とを異なる材質で構成した例である。シール部材を除く他の部分の構成は第1の実施形態と同様であり、ここではシール部材の構成についてのみ説明する。
【0114】
シール部材390は、シリコンゴムなどの弾性体からなる略円板状のシール部390aと、ステンレスなどの金属、あるいはPEEK(ポリ・エーテル・エーテル・ケトン)などのゴム成形時に発生する熱に耐える樹脂からなる強度補強部391と、から構成されている。
【0115】
シール部390aは、強度補強部391にインサート成形されるか、あるいは接着固定されて設けられる。そして、強度補強部391は、シール部支持部材51に接着されて固定される。なお、シール部390aをシール部支持部材51にインサート成形した後、強度補強部391をシール部390a及びシール部支持部材51に接着固定して形成しても良い。
【0116】
本実施形態では、シール部390aと強度補強部391を別の材質としたため、シール部390aの変形に対して強度補強部391の強度を十分に確保することができる。従って、シール部材390の過度な変形を防止しつつ、シール部390aの大きさを小さくできる。このため、シール部390aとシリンダ35の間の摩擦力を減らすことができ、ピストンの摺動性が向上する。
【0117】
本実施形態のシール部材390の構成は、第1の実施形態におけるシール部材53,56,58のいずれにも適用することができる。
【0118】
なお、図30の構成例ではシール部材390の上側と下側に強度補強部391を設けたが、シール部材390の上側または下側のみに設けるようにしてもかまわない。
【0119】
次に、図1に示した送水タンク19に連通する送水チューブ78の端部に設けられる送水タンク口金71の構成について説明する。
【0120】
従来の装置では、例えば特開平5−184532号公報に開示されているように、内視鏡の送気管及び加圧管と送水タンク口金とを接続した状態から送水タンク口金を取り外すとき、弁を用いることにより、送水タンク内の液体が噴出することを防止する構造となっていた。しかし、弁を用いると構造が複雑になり、洗浄性が悪くなるという問題点を有する。
【0121】
そこで、弁を用いることなく、送水タンク口金の取り外しの際、送水タンク内の液体が送水タンク口金から噴出することを防止することが可能な送水タンク口金の構成例を以下に説明する。
【0122】
送水タンク口金71は、ゴム、例えばシリコンゴム、フッ素ゴム等の成型によって構成されている。
【0123】
図31ないし図36に送水タンク口金の第1の構成例を示す。図31及び図32は送水タンク口金の縦断面図、図33及び図34は送水タンク口金の端面における平面図、図35及び図36は図32におけるA−A線断面図である。図31,図33,図35(a),図36(a)は送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管及び送水管に装着された状態、図32,図34,図35(b),図36(b)は送水タンク口金が加圧管から取り外された状態をそれぞれ示している。
【0124】
送水タンク口金71には、送水管路72と送気管路73とが平行に配設され、送水管路72の上部に設けられた前記コネクタ17の送水管21が嵌入するストッパ74と、ストッパ74の下方周囲に設けられた送水管路インサート75と、送気管路73の下方周囲に設けられた送気管路インサート76とが一体にインサート成型されている。前記送水管路インサート75と送気管路インサート76には、それぞれ送水チューブ78、送気チューブ79が接続され、糸83によって固定されている。これらのチューブ78,79の他端は滅菌水の入った送水タンク19に接続されている。
【0125】
ストッパ74は、略円筒状に形成され、内部に凹嵌部74dを有しており、送水管21の外周部に付設された略円筒状の口金ストッパ77が係入している。ストッパ74の上縁部の開口部には、図33及び図34に示すように、円の中心部に向けて張り出したフランジ状の被係合部74aが設けられており、口金ストッパ77の端部に設けられた凸状フランジの第一保持部77aの位置に対応して、対向する2箇所に切欠き部74cが設けられている。前記第一保持部77aは、コネクタ17の長手軸方向と略平行に突出するよう円周上の対向する2箇所に設けられている。送水タンク口金71を取り付けるときには、ストッパ74の底面74bは口金ストッパ77のストッパ面として機能する。
【0126】
送水タンク口金71内部のストッパ74の下部には、図35及び図36に示すように、コネクタ17の送水管21との水密を保つ凸部80が設けられると共に、図31及び図32に示すようにストッパ74の底面74bより下方向に溝81が設けられている。
【0127】
一方、コネクタ17側には、図1に示したように、光源装置5からの加圧空気を送水タンク19内へ送る加圧管20と送水タンク19内の液体を内視鏡挿入部先端へ送る送水管21とが設けられ、送水管21の外周部に口金ストッパ77が環装されている。送水管21の端部側面には、1箇所以上の連通孔82が穿設されている。
【0128】
この連通孔82は、図35のように1箇所でも良いし、図36のように2箇所でも良いし、あるいはそれ以上設けても良い。また連通孔82は、図35及び図36のようにコネクタ17の長手軸方向と平行(送水管21の長手方向と垂直)に設けても良いし、どの方向に設けても構わない。
【0129】
図31及び図33に示すように、送水タンク口金71が加圧管20及び送水管21に接続された状態のとき、送水タンク19内の液体の位置と加圧管20及び送水管21の位置関係は、送水タンク19内の液体の方が低い位置にある。
【0130】
送水タンク口金71を加圧管20及び送水管21から取り外す際の手順を以下に説明する。まず図32に示すように、送水タンク口金71を加圧管20及び送水管21に対して平行(図では下方向)に引く。すると、送水タンク口金71は口金ストッパ77の第一保持部77aがストッパ74の被係合部74aに当接して停止し、加圧管20のみが送水タンク口金71から外れる。このとき、送水タンク19内の加圧空気は送気管路73を通じて大気に放出する。
【0131】
この時点では、送水管21の連通孔82は図35(a),図36(a)に示すように凸部80により塞がれており、送水タンク口金71と送水管21との水密は保たれている。
【0132】
次に、図33の状態から図34のように送水タンク口金71を90度回転させる。すると図35(b),図36(b)に示すように、凸部80は連通孔82より外れて連通孔82が開口し、外部の空気が溝81を通って連通孔82より送水管21内へ導かれる。このとき、送水タンク口金71の位置よりも送水タンク19内の液体面の方が低いため、送水チューブ78内の液体は送水タンク19内に戻る。
【0133】
以上のように本構成例によれば、弁を用いることなく、簡単な構成で送水タンク口金71を完全に取り外したとき、送水タンク19内の液体が送水タンク口金71から噴出することを防止することができる。よって、送水タンク口金71の構造が複雑になることなく、洗浄性を良好に保つことができると共に、噴出した液体が光源装置やビデオプロセッサ等に触れて装置の故障を招くなどの不具合を防止することができる。
【0134】
以降に送水タンク口金の変形例を示す。図37ないし図40は送水タンク口金の第2の構成例を示したものである。図37及び図38は送水タンク口金の縦断面図、図39及び図40は図38におけるB−B線断面図である。図37,図39(a),図40(a)は送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管及び送水管に装着された状態、図38,図39(b),図40(b)は送水タンク口金が加圧管から取り外された状態をそれぞれ示している。
【0135】
第2の構成例は、第1の構成例において送水管21の端部側面に設けた連通孔82の代わりに、送水管21端部の側壁を切り欠いて形成した切り欠き部85を設けた例である。なお、図39は1箇所に切り欠き部を設けた場合、図40は2箇所に切り欠き部を設けた場合をそれぞれ示している。
【0136】
その他の部分は第1の構成例と同様の構成であり、同一符号を付して説明を省略する。作用についても、連通孔82が切り欠き部85に置き換わっただけで第1の構成例と同様の作用を有する。
【0137】
このように第2の構成例では、第1の構成例の横孔による連通孔を設けた場合に比べて、わずかなストロークでも開口面積を広くできるため、早く送水管路72に空気が導入できる。このため、送水チューブ78内の液体を送水タンク19内に戻す時間を短くすることができ、確実に送水タンク19内の液体が送水タンク口金71から噴出することを防止することができる。
【0138】
図41ないし図49に送水タンク口金の第3の構成例を示す。図41ないし図43は送水タンク口金の縦断面図、図44ないし図46は送水タンク口金の端面における平面図、図47ないし図49はコネクタを送水タンク口金装着方向から見た側面図である。図41,図44,図47は送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管及び送水管に装着された状態、図42,図45,図48は送水タンク口金が加圧管から取り外された状態、図43,図46,図49は送水タンク口金の送気管路に空気が導入されるときの状態をそれぞれ示している。
【0139】
第3の構成例は、第1の構成例において設けた送水タンク口金71の溝81と凸部80をなくし、コネクタ側の口金ストッパの構成を変更した例である。
【0140】
コネクタ17側には、光源装置5からの加圧空気を送水タンク19内へ送る加圧管20と送水タンク19内の液体を内視鏡挿入部先端へ送る送水管21とが設けられており、送水管21の外周部には、口金ストッパ87が環装されている。口金ストッパ87には、コネクタ17の長手軸方向と略平行に突出する凸状フランジからなる第一保持部87a,第二保持部87b,第三保持部87cが設けられている。これらの保持部87a,87b,87cは、円周上の対向する2箇所に設けられている。
【0141】
その他の部分は第1の構成例と同様の構成であり、同一符号を付して説明を省略する。
【0142】
図41,図44,図47に示すように、送水タンク口金71が加圧管20及び送水管21に接続された状態のとき、送水タンク19内の液体の位置と加圧管20及び送水管21の位置関係は、送水タンク19内の液体の方が低い位置にある。
【0143】
送水タンク口金71を加圧管20及び送水管21から取り外す際の手順を以下に説明する。まず図42に示すように、送水タンク口金71を加圧管20及び送水管21に対して平行(図では下方向)に引く。すると、送水タンク口金71は口金ストッパ87の第二保持部87bがストッパ74の被係合部74aに当接して停止し、加圧管20のみが送水タンク口金71から外れる。このとき、送水タンク19内の加圧空気は送気管路73を通じて大気に放出する。
【0144】
この時点では、送水管21は図42のように送水タンク口金71の送水管路72に嵌入しており、送水タンク口金71と送水管21との水密は保たれている。
【0145】
次に、図44及び図47の状態から図45及び図48のように第二保持部87bがストッパ74の被係合部74aを通過可能となる位置まで送水タンク口金71を回転させる。この状態で、さらに加圧管20及び送水管21に対して平行(図では下方向)に引く。すると図43に示すように、送水タンク口金71は口金ストッパ87の第一保持部87aがストッパ74の被係合部74aに当接して停止する。このとき、送水管21は送水タンク口金71から外れ、送水管路72内に外部の空気が浸入する。これにより、送水タンク口金71の位置よりも送水タンク19内の液体面の方が低いため、送水チューブ78内の液体は送水タンク19内に戻る。
【0146】
さらに、図45及び図48の状態から図46及び図49のように送水タンク口金71をコネクタ17の壁部17aに当接するまで回転させ、第一保持部87aがストッパ74の被係合部74aを通過可能な位置とし、さらに加圧管20及び送水管21に対して平行(図では下方向)に引いて、送水タンク口金71をコネクタ17から取り外す。
【0147】
以上の手順で完全に送水タンク口金71を取り外すことができる。このとき、すでに送水チューブ78内の液体は送水タンク19内に戻っているので、外部に液体が噴出することはない。
【0148】
このように第3の構成例では、送水タンク口金71の送水管路72内に空気が導入されてからさらに送水タンク口金71を回転させ次の段階へ移るときに、完全に送水管路72内の液体を送水タンク19内に戻すことができ、その後送水タンク口金71をコネクタ17から完全に取り外せるようになるので、より確実に送水タンク口金71からの液体の噴出を防止することができる。
【0149】
次に、図50及び図51に送気送水バルブの変形例を示す。図50はシリンダ内に設けられるシール部材近傍の構成を示す長手軸方向断面図、図51はシール部材を下側から見た横断面図である。
【0150】
送気送水バルブは、前述の実施形態と同様にシリンダ101とピストン102とを有して構成されている。ピストン102の中間部には、シリンダ101とピストン102との間の水密・気密を保つための弾性部材よりなる円盤状のシール部材103,104が設けられている。
【0151】
シール部材103の下側には、1つまたは複数(図では4つ)の送気用溝103aが設けられている。
【0152】
送気送水バルブのピストン102を図50(a)の状態から押し込むと、図50(b)のようにシリンダ101の角部101aによってシール部材103が変形し、送気用溝103aにより送気管路105とシール部材103の上側空間とが連通して送気流路が形成される。
【0153】
このような構成により、送気送水用のシリンダ101の構造を簡略化でき、送気送水バルブを安価でかつ洗浄性良好に構成できる。また、ピストンの押し込みストロークを短縮することにより、シリンダを小型化できる。
【0154】
図52及び図53は、体腔内への内視鏡の挿入を補助するときに用いられるスライディングチューブ110の構成例を示したものである。
【0155】
スライディングチューブ110は、棒状のチューブ本体111に、内視鏡を通すための少なくとも2つ以上の貫通孔112を有して構成される。チューブ本体111の手元側端部には、空気漏れ防止弁113が設けられ、押さえ部材114により弾性体のシール部材等からなる空気漏れ防止弁113がチューブ本体111に密着固定されている。
【0156】
このようなスライディングチューブ110を用いることにより、2本以上の内視鏡を体腔内へ容易に挿入することができ、内視鏡による処置を容易に実施することが可能となる。
【0157】
図54及び図55は内視鏡挿入部先端の湾曲部を被覆する湾曲ゴムの固定部の構成例を示したものである。
【0158】
図54に示す第1の例は、湾曲ゴム121の端部を先端部本体122と先端カバー123の間で巻き込むようにして挟み、その上に糸124を巻回して接着剤125で固定する構造である。
【0159】
このような湾曲ゴムの固定方法を用いることにより、湾曲ゴムが外れることなく確実に固定することができる。
【0160】
図55に示す第2の例は、湾曲ゴム121の端部に小さな凹凸部121aを設け、この凹凸部121aを先端部本体122と先端カバー123で挟持して固定する構造である。そして、先端カバー123と湾曲ゴム121の間に隙間を設け、そこに水密のための接着剤125を充填する。
【0161】
このような湾曲ゴムの固定方法を用いることにより、湾曲ゴムが抜けたり、剥がれたりすることを防止することができると共に、水密性を保つために、接着剤を充填して糸巻き接着部をなくすことにより、内視鏡先端部の細径化を実現できる。
【0162】
ところで、流体管路を備えた内視鏡は、一般的に可撓性チューブからなる送気チューブと送水チューブが挿通され、これらのチューブが挿入部内または操作部内で合流した構造となっている。前記送気チューブと送水チューブの合流部には、三又状の分岐パイプが設けられ、2つのチューブがそれぞれ分岐パイプの分岐管部に被嵌されることによって合流し、前記分岐パイプの合流管部には可撓管チューブからなる送気送水チューブの一端が接続され、この他端が先端構成部の送気送水ノズルに連通する送気送水チューブに接続されている。
【0163】
前記三又状の分岐パイプは、直線状の送気パイプの略中央部に屈曲成形された送水パイプが半田等で接合された構成となっている。この接合部の構成としては、例えば実公平3−15048号公報、特開平7−67831号公報に開示されているように、送気パイプ側に送水パイプの接合部の内径より小さな内径の連結孔を有し、連結孔の周縁部に送水パイプを接合したものが挙げられる。
【0164】
また分岐パイプの接合部の他の構成例として、特開平7−79910号公報に開示されているように、直管部に設けた開口に曲管部を当接させて接合し、前記開口は曲管部の内面と略一致する大きさであり、かつ開口を形成する内壁は曲管部の内部と略連続になるように形成したものがある。この構成では、曲管部を直管部に対してロウ付けにより固着して接合するようになっている。ロウ付けを行う際には、曲管部内部にロウの付着性の悪いワイヤを挿通させた状態で行うようにしている。
【0165】
前記従来例の分岐パイプでは、前者の構成の場合、送水パイプの内径より送気パイプに設けてある連結孔の径の方が小さいため、送水パイプを送気パイプに半田付にて接続した際、送水パイプと連結孔の外周部分に段差ができることになる。このため、送水時にこの段差部で乱流が起き、送水量の損失が生じていた。
【0166】
また、水切れ性を向上させるために送気送水チューブを極力短くしていることも起因して、毛細管現象により、三又状の分岐パイプ内まで体液を吸引してしまうことがあるため、使用後に分岐パイプを含む流体管路内部の洗浄を行う必要がある。しかし、接合部に段差がある構造では、洗浄性があまり良くないという問題点があった。
【0167】
分岐パイプの洗浄は、送気と送水を繰り返すことにより通常水道水等で洗浄を行うが、体液に混じって汚物等が混入した場合は、前記段差部に汚物等がたまりやすく、十分に洗浄が行えなかったり洗浄に手間がかかってしまう場合があった。また、極細のブラシ等を管路内部に挿通して洗浄する場合があるが、この場合もブラシの毛が十分に段差部に当たらず、容易に洗浄が行えなかった。
【0168】
また、後者の構成の場合、直管部の開口の壁面と曲管部の内面を連続に接合するようになっているが、内面どうしを連続するように開口を加工するのは非常に困難である。また直管部の開口の壁面と曲管部の内面の位置を合わせるのは至難の技であり、作業性が悪く、バラツキが大きくなりずれやすい。接合部がずれた場合、開口と曲管部に段差が生じ、前者の構成の場合と同様に汚物がたまりやすく洗浄性が悪くなるという問題点が発生する。また、開口の形状は曲管部の形状により一方向に決められるため、直管部を逆方向に接続してしまうおそれがあった。
【0169】
そこで、三又状の分岐パイプの特に接合部の内周部を作業性良く極力滑らかに接合することが可能で、送水量の損失が少なく、洗浄性にすぐれた送気送水管路接合部を有する流体管路の構成例を以下に示す。
【0170】
まず、図56を参照して内視鏡装置の概略構成を説明する。内視鏡装置は、内視鏡201、光源装置202、映像信号処理回路や駆動回路を内蔵したビデオプロセッサ203を備えて構成され、ビデオプロセッサ203には、モニタ204、VTRデッキ205、ビデオプリンタ206、ビデオディスク207等の周辺機器が接続されるようになっている。
【0171】
前記内視鏡201は、体腔内に挿入することが可能な例えば細長で可撓性を有する挿入部208と、この挿入部208の基端側に連設された太径の操作部209とを有している。また、前記挿入部208の先端側には、図57に示す複数の湾曲駒211aにて構成された湾曲部211を介して先端部212が設けられていて、前記操作部209に配設されている図示しない湾曲操作ノブにて湾曲部211を湾曲させることにより、前記先端部212を被観察部位へ指向させることができるようになっている。
【0172】
また、前記操作部209の側部からは、先端にコネクタ213aを有するユニバーサルコード213が延設されている一方、前記光源装置202にはこのコネクタ213aが接続されるコネクタ受け202aが設けられている。コネクタ213aには、コネクタ210aを先端に設けた信号コード210が延出されており、コネクタ210aをビデオプロセッサ203に接続することにより、信号コード210を介して、内視鏡201に内設された後述する固体撮像素子の出力がビデオプロセッサ203に伝送されるようになっている。
【0173】
また、前記コネクタ213aとコネクタ受け202aを接続することにより、光源装置202の光源ランプ202bにて発生され集光レンズ202cにて集光された照明光を、ユニバーサルコード213内に配設された図示しないライトガイドを介して内視鏡201内部へ導くことができるようになっている。
【0174】
このライトガイドは、前記挿入部208内に一対配設されたライトガイド214へ接続されて図57に示すように先端部212まで延設されている。
【0175】
先端部212の偏向した部位には、照明用透孔215が形成されており、前記光源装置202による照明光は、この照明用透孔215に固定された配光レンズ216を介して被観察部位へ照射されるようになっている。
【0176】
また、先端部212の外周側に偏向した部位には、図63に示すように鉗子用透孔219が形成されている。この鉗子用透孔219は、前記挿入部208内に配設された図示しない鉗子チャンネルを介して前記操作部209に形成された鉗子の挿入口217bに連通されており、この挿入口217bに挿入された鉗子が鉗子用透孔219を介して先端部212より突出されるようになっている。
【0177】
さらに、この先端部212には、第一のレンズ枠218aを介してカバーレンズ218bが介装された観察用透孔218が形成され、この観察用透孔218を介して被観察部位の観察が行われるようになっている。これと共に、先端部212には前記カバーレンズ218bに指向する送気・送水用のノズル221が設けられていて、前記操作部209に配設されている操作スイッチ209aを操作することにより前記ノズル221を介してカバーレンズ218bに送気・送水を行い、このカバーレンズ218b表面の曇り等を除去することができるようになっている。前記ノズル221は、先端カバー212aに例えばシリコン系の接着剤222により固定されている。
【0178】
前記観察用透孔218は、図63に示すように先端部212の中心軸を挟んで前記鉗子用透孔219と相対する部位に形成されている。
【0179】
第一のレンズ枠218aは、固定ねじ224にて観察用透孔218に固定されていると共に、観察用透孔218と第一のレンズ枠218aとの間にはOリング223が介装されていて、観察用透孔218内の液密状態がこのOリング223にて保持されている。
【0180】
また、前記第一のレンズ枠218aのカバーレンズ218bと反対側には、絶縁部材226を介して第二のレンズ枠225が固定されている。この第二のレンズ枠225内には、観察用透孔218の軸心およびカバーレンズ218bの光軸と一致した光軸を有する複数のレンズ群で構成された対物レンズ系が配設されている。これと共に、この第二のレンズ枠225には、第一のレンズ枠218aと反対側外周に素子枠228が冠着して固定されている。素子枠228は、第二のレンズ枠225よりも後方に延出され、この延出された部位に、撮像ユニットを構成する図示しない固体撮像素子が前記対物レンズ系の光軸と直交して例えば、エポキシ系の接着剤にて固定されている。
【0181】
前記素子枠228の基端側外周には、筒状に形成されて外周が例えば塩化ビニル等で形成された絶縁カバー231で覆われた図示しないシールド枠の先端部が固定されている。前記シールド枠の基端側は後方へ延出されており、この延出された部位内に撮像ユニットを構成する図示しない回路基板が前記光軸と略平行に保持されている。この回路基板は、前記固体撮像素子のリード線が接続され、駆動回路やプリアンプを構成する電気部品、例えばIC、トランジスタ、コンデンサ等が半田等で固定されている。
【0182】
さらに前記回路基板には、図示しない複数のケーブルよりなる図65に示す信号ケーブル233が接続され、信号ケーブル233の外周には例えばEPTFE等で構成されるケーブル保護チューブ234が被覆しており、これらが例えばエポキシ系の接着剤により固定されている。絶縁カバー231の基端側は前記接着剤の外周まで延出されており、ケーブル保護チューブ234の先端側より長尺に形成されている。なお、この絶縁カバー231の基端側とケーブル保護チューブ234の先端側の重なった部分の長さは1.5mm以上とするのが望ましい。
【0183】
前記信号ケーブル233は、例えば図示しない複数のケーブルを巻装し総合シールド部材233aが被覆され押し巻き部材233bにて固定され、さらに外周に例えばFEP等で形成されたケーブル外皮233cが被覆されて構成されている。この信号ケーブル233は使用目的に応じて、同軸線でも単線でもどちらでも良い。
【0184】
挿入部208内には、送気送水チューブ235が延設され、送気送水チューブ235の先端側は例えばエポキシ系の接着剤で接続パイプ236と接続され、この接続パイプ236が先端部本体212bに接続されている。前記接続パイプ236は、先端部本体212bの送気送水管路237を介して、先端側に設けられているノズル221と連通している。前記ノズル221は、先端部本体212b内部に固定されたノズル取付筒220に例えばエポキシ系の接着剤等で固定され、先端側は先端カバー212aから露呈している。
【0185】
送気送水チューブ235の基端側は、図58に示すように、挿入部208に内設される合流管239と分岐管240とからなる三又状分岐パイプ238の合流管239の先端側に、例えばエポキシ系の接着剤等で固着されている。三又状分岐パイプ238の合流管239の基端側と分岐管240の基端側には、それぞれ送気チューブ241,送水チューブ242が同様に例えばエポキシ系の接着剤等で固着されている。
【0186】
これらのチューブと三又状分岐パイプ238の接続部は、例えば糸243a,243b,243cで外周をしばり、これらの糸243a,243b,243cの外側に例えばエポキシ系の接着剤を塗布して、より強固に固着しても良い。糸243a,243b,243cは例えば絹糸、テグス等が用いられる。
【0187】
前記送気送水チューブ235、送気チューブ241、送水チューブ242は、可撓性を有する例えばPTFE等からなるチューブが適当である。あるいは、イラックス等のポリエチレンやEVA等の医療用チューブを用いても良い。
【0188】
合流管239の略中央部には、分岐管240と連結させるための連結孔239aが設けられている。この連結孔239aの断面をとると、均一なアールRaとなっている。一方、分岐管240の連結孔239aに当接する面は、連結孔239aの断面と同様に均一なアールRbとなっている。ここでRaとRbの関係は、Ra=Rbとするのが望ましいが、加工のバラツキにより多少異なるが、両者の差の絶対値|Ra−Rb|を合流管239の内径φaあるいは分岐管240の内径φbの10%以内に留めるのが良い。
【0189】
分岐管240の当接面は、連結孔239a側から見ると図59に示すように楕円形になっている。ここで、当接面内周の長軸方向の長さをc、短軸方向の長さをdとする。
【0190】
一方、合流管239の連結孔239aは、前述のように断面が均一なアールRaを有するように楕円状の孔を穿設すると、分岐管240側から見ると図60に示すようにその端面が最外周の楕円形と内側の破線で示す楕円形とによる孔となる。この破線で示す楕円形のままでは、分岐管240の当接面の内周より小さいままとなるため、さらにエッジ状に削って実線で示すような孔とする。このとき、図60に示すように、外径φgを有するカッターあるいはエンドミル等によりd≦gでかつc≦eとなるように連結孔239aを加工する。あるいは、レーザーカッター等で加工しても良い。ここで、連結孔239aの内周の長軸方向の長さをe、短軸方向の長さをfとする。なお、断面のアールRaの形状を残したまま加工するのが望ましい。
【0191】
さらに、連結孔239aの外周は全域にわたり、分岐管240の当接面の内周よりも大きくなるように加工する。また分岐管240の当接面の外周は、連結孔239aの外周より小さくしておくのが望ましい。合流管239は連結孔239aを中心に左右対称形となっている。
【0192】
図61は図58におけるA−A線断面を示したものである。ここで、合流管239の内径をφa、分岐管240の内径をφbとすると、合流管239の連結孔239aに径φgの切削加工を行うため、各部の寸法の関係はb=d≦g≦aとするのが望ましい。
【0193】
そして、合流管239の切削加工される壁面239bは、分岐管240の内面と滑らかに接続される。また壁面239bは、組立時に用いられる後述する中子244の案内面も兼ねている。連結孔239aには全周にわたり壁面239bが存在する。
【0194】
このように合流管239と分岐管240とを接続することにより三又状分岐パイプ238が組立てられる。
【0195】
ここで、三又状分岐パイプ238の組立方法について詳しく説明する。合流管239と分岐管240とを接続する際には、合流管239の連結孔239aに分岐管240を当接させて両者を固着する。この固着は例えば図58に示す半田245によって行う。
【0196】
この半田付け時において、図62に示すように、合流管239と分岐管240の内面への侵入防止と位置合せとガス抜きの機能を兼ね備えた中子244を、分岐管240の基端側から当接面側に挿入する。この中子244は、半田よりも融点が高く、熱伝導率が悪く、半田が付着しにくく、可撓性を有する合成樹脂、例えばPTFE(ポリテトラフロロエチレン)等で形成されている。中子244の先端側は合流管239にひっかかる程度まで挿入する。ここで中子の外径をφhとすると、φh=φb×0.9〜0.98程度にするのが望ましい。なお、本構成例では分岐管240のみに中子を挿入しているが、別の中子を合流管に挿入しても良い。
【0197】
この中子244を分岐管240に挿入した状態で合流管239に当接すると、連結孔239aに設けた壁面239bが中子244を案内し、分岐管240と合流管239の左右方向の位置合せができる。また、治具等で分岐管240の上方よりF1 の力量、例えば300gf〜600gfで合流管239に押し付けると、連結孔239aのアールRaと分岐管240の当接面のアールRbが一致しようとするので、前後方向の位置を合せることができる。また、合流管239は、連結孔239aを中心に左右対称形なので分岐管240を接続する際に方向を全く気にする必要がない。
【0198】
また、半田付け時には、事前に塗布しておくフラックスが蒸発する際のガスを抜く必要がある。合流管239と分岐管240を密着させると巣ができる可能性があるので、完全に接続面全周に半田を回すために合流管239と分岐管240に隙間tをあける。隙間tは0.02〜0.1mmの範囲で設定するのが良い。この隙間tは、治具等で機械的に設定しても良いし、あらかじめ隙間t1 をあけた状態で合流管239と分岐管240をセットし、F1 の力量で押し付けて位置合せを行ってから分岐管240の弾性力で隙間tまで戻るようにしても良い。ここで、t1 =t×1.1〜1.5にするのが望ましい。
【0199】
このように隙間をあけた状態で半田付けを行うと、事前に塗布しておくフラックスが蒸発したガス、あるいは半田から発生するガスは、中子244が接続面全周にかけて存在しているため、合流管239及び分岐管240の中には入らず、隙間tより、外側に抜ける。また、中に入ったガスは合流管239の先端側あるいは基端側から抜けるようになっている。
【0200】
また中子244は、半田245が付着しにくく、外径φhが分岐管240の内径φbと近似しており熱伝導率も低いため、合流管239及び分岐管240の内面には半田が流れ込みにくくなっている。よって半田245は、合流管239と分岐管240の当接されている面の隙間tの厚みに充填される。なお、隙間より合流管239及び分岐管240の内側に半田245が入り込んだとしても、中子244の熱伝導率が低く、半田245が付着しにくいので、合流管239及び分岐管240の内面に非常に薄く流れ込むようになるため、段差が生じない。
【0201】
このように、合流管239と分岐管240の接続部に半田245が流れ込み、中子244により内面形状を位置合わせして形成することができるので、接続部内面を滑らかに保った状態で合流管239と分岐管240を半田によりつなぐことができる。ここで分岐管240の位置が少しずれたとしても、連結孔239aより当接面の内面が小さいため段差を生じることなく、合流管239と分岐管240を確実に滑らかに接続することができる。
【0202】
一方、合流管239と分岐管240の接合部の外周は、接合強度を増すために半田245を盛り、より強固に半田付けを行っている。このとき、半田付けを行うこてのこて先の温度は215℃±5℃にするのが望ましい。また、接合部外周に半田を盛った後にヤスリ等で外周を削り、滑らかにつなぐようにしても良い。
【0203】
ところで、送気チューブ241,送水チューブ242の内径は、図58に示すように、それぞれ合流管239と分岐管240の外径φa1 ,φb1 より大きく、それぞれφi,φjとなっている。ここで送気チューブ241,送水チューブ242をそれぞれ合流管239,分岐管240に固着する際、φi1 <φa1 <φi,φj1 <φb1 <φjとなるように送気チューブ241,送水チューブ242を例えば熱成形などを行って内径をφi1 ,φj1 まで縮めてから固着する。
【0204】
このようにチューブを接続することにより、送気チューブ241及び送水チューブ242をさらに抜けにくくし、大量の送気量、送水量を確保することができる。また、チューブを熱成形することにより、嵌合する部分のチューブ肉厚が薄くなり、三又状分岐パイプ238の部分の外径を小さくすることができる。また本例では、三又状分岐パイプ238の外周全体を例えばエポキシ系の接着剤246で被覆することにより、前記薄肉化した部分の補強をすると共に、他の内蔵物とのひっかかりが生じたり動きが悪くなることを防止している。
【0205】
一方、合流管239,分岐管240は各チューブ(送気送水チューブ235、送気チューブ241、送水チューブ242)と固着されるが、チューブ接続部の内側には各パイプの肉厚分の段差が生じるため、合流管239,分岐管240の端部にはテーパ面239c,239d,240bが設けられており、極力段差が生じないようにしている。
【0206】
このようにして組立てられた三又状分岐パイプ238は、合流管239と分岐管240の接続部の壁面および各チューブとの接続部は、略完全に凹凸のない形状となるので、洗浄水や加圧空気等の洗浄用の流体を流通させる際、急激に径が小さくなる部分がないので乱流が発生せず、大流量の流体を損失することなくスムーズに流すことができる。よって、観察窓の洗浄等を効率よく行うことができる。
【0207】
また合流管239と分岐管240の接続部等において段差がないため、洗浄性が良く、使用毎に行う洗浄を行う際にスムーズかつ確実に洗浄することができ、一部に汚物が付着することがない。
【0208】
また、本構成では、合流管239と分岐管240の位置合せが容易で、かつ半田に巣ができることなく、確実に全周にわたって半田付けを行って接続することができる。さらに半田付けによる接続のため、三又状分岐パイプ238の組立を安価で簡単に行うことができる。
【0209】
ところで、内視鏡201の先端部212には、図63に示すように先端から見て中央やや上方にカバーレンズ218b、中央左下方向に鉗子用透孔219、カバーレンズ218bの左方向に略水平に配光レンズ216、右下方向にもう1つの配光レンズ216、右方向に略水平にノズル221が設けられている。なお以降の図63ないし図67において、U,D,R,Lは湾曲部の上下左右方向への湾曲方向に対応している。
【0210】
この構成では、2つの配光レンズ216が鉗子用透孔219の中心とカバーレンズ218bの中心を結ぶ直線に対し、略対称位置にあるので配光的にも効率よく、またノズル221がカバーレンズ218bに近い位置に配置してあるので、送気送水のレスポンスが良く、水切れ性が良くなる。特に下部消化管用内視鏡に有効な配置である。
【0211】
ノズル221に連通する接続パイプ236は、図57に示すように、送気送水チューブ235と接続される一端側にテーパ面236aを有しており、送気送水チューブ235の内面との段差を極力なくしている。また、接続パイプ236の端部で送気送水チューブ235があおられ、接着剤が剥離することを防止するために、送気送水チューブ235の端部には熱収縮チューブ247を被覆している。送気送水チューブ235の端部は、熱収縮チューブ247が被覆していない接続パイプ236上で糸248により強固にしめつけられエポキシ系の接着剤で固着されている。
【0212】
また送気送水チューブ235には、先端部から基端側の三又状分岐パイプ238までの略全長にわたり、例えばEPTFE等で形成される保護チューブ249が被覆されている。保護チューブ249は、あらかじめ内部に送気送水チューブ235を挿入しておき、送気送水チューブ235を接続パイプ236に固着した後から固着する。
【0213】
保護チューブ249の内径は、熱収縮チューブ247が被覆している部分の外径より小さいため、保護チューブ249の先端の約半分の位置から、熱収縮チューブ247の基端側の1.2〜1.5倍の長さの位置まで斜め状に切断する。この状態で保護チューブ249を組み付けることにより、保護チューブ249の先端は熱収縮チューブ247を超えて接続パイプ236まで被覆することができる。本例では、図57のように保護チューブ249の先端と送気送水チューブ235の先端を略一致させて固着し、その上から糸250でしめつけその上からエポキシ系の接着剤等でより強固に固着している。
【0214】
図64は図57のB−B線断面を示したものである。前記保護チューブ249の切断した方向は、第1の湾曲駒211aの径方向外側を向いている。この第1の湾曲駒211aには、送気送水チューブ235と鉗子用透孔219に接続された鉗子チャンネル219aの部分に切り込み251a,251bが設けられている。この切り込み251a,251bに内臓物の一部を飛び出させることにより先端部212を細径化することができる。
【0215】
本例では、鉗子チャンネル219aの一部を第1の湾曲駒211aのほぼ肉厚分だけ内面より飛び出させ、送気送水チューブ235の一部を同様に第1の湾曲駒211aのほぼ肉厚分だけ内面より飛び出させている。なおここで、保護チューブ249の切断した方を切り込み251aに飛び出させていることより、さらに先端部212の細径化を図ることができる。また、ライトガイド214にも同様にライトガイド保護チューブ214aを被覆させて保護チューブ249と同様に端部を斜めに切断するようにしても良い。
【0216】
先端部212後端側の湾曲部211の内部構成を図65に示す。湾曲部211内には、信号ケーブル233、鉗子チャンネル219a、2本のライトガイド214、送気送水チューブ235と共に、操作部209の湾曲操作ノブの湾曲操作により牽引する湾曲ワイヤ252と、この湾曲ワイヤ252を案内するワイヤガイド211bが配設されている。ワイヤガイド211bは、上下左右(U,D,R,L)の4方向の湾曲に対応して湾曲駒211a内側に設けられ、それぞれに湾曲ワイヤ252が挿通している。
【0217】
なおワイヤガイド211bは、図65に示すように、内臓物との干渉を避けるために例えば、手元側から見てライト側(R)のワイヤガイドをアップ側(U)に、ダウン側(D)のワイヤガイドをレフト側(L)にそれぞれ振って配置しても良い。
【0218】
前記2本のライトガイド214は、信号ケーブル233、鉗子チャンネル219a、送気送水チューブ235に比べて可撓性が低い。また信号ケーブル233は、先端部に設けた図示しない固体撮像素子への駆動信号や電源の供給を行っているため、湾曲動作における信号ケーブル233の動きを最小限にするのが耐性上望ましい。そこで、本例では、湾曲駒211aの略中央に信号ケーブル233を、右下に鉗子チャンネル219aを、左上に送気送水チューブ235を、右上及び左下にそれぞれ2本のライトガイド214を配置するようにしている。
【0219】
このような配置構成により、可撓性の高い送気送水チューブ235、信号ケーブル233、鉗子チャンネル219aが略一直線に並ぶため、アップ、ダウン、ライト、レフトの各方向、あるいはツイスト形状の湾曲など、どの方向の湾曲でも略均等な力量で湾曲をかけることができる。また、信号ケーブル233が略中央にあり、これを中心に略均等に他の内臓物が配置されているので、内臓物の配列乱れを防止することができ、湾曲動作による信号ケーブル233,ライトガイド214の耐性を向上させることができる。
【0220】
湾曲部211後端側の挿入部208の可撓管部における内部構成を図66及び図67に示す。図66は三又状分岐パイプ238の配設部分の断面図、図67は湾曲部211と接続される前側口金254の部分の断面図である。湾曲部211は、後端の湾曲駒211aが前側口金254に接続固定されることにより、可撓管部に連結している。
【0221】
挿入部208の可撓管部内では、信号ケーブル233と送気送水チューブ235を途中で時計回りに交差させ、信号ケーブル233を挿入部208の径方向外側に配置させることにより、内臓物の配列乱れをより強固に防止するようにしている。そして、送気送水チューブ235の基端部が三又状分岐パイプ238に接続され、合流管239,分岐管240を介して送気チューブ241,送水チューブ242に接続されている。また前記湾曲ワイヤ252の後端側は、挿入部208の前側口金254のみに固着されているガイドコイル253に挿通され、このガイドコイル253によって操作部209へ案内されている。
【0222】
挿入部208の前側口金254と後端の湾曲駒211aは、略対向して設けられた2本のビス255によって固着されている。この固定部において、ビス255のネジの長さ分だけ前側口金254の肉厚が必要になるが、本例では他の部分より厚肉の水平面部254aを設けることによって肉厚を確保し、ビス255のネジ部が内面に飛び出さないようにしている。
【0223】
前記水平面部254aは、比較的内臓物に影響を及ぼさない部分に設けるのが望ましいが、逆に内臓物を抑制(動きを規制)する部分に設けても良い。また、前側口金254と湾曲駒211aを例えばエポキシ系の接着剤で固着してからビス255で固定するようにしても良い。
【0224】
このように構成することにより、内側に水平面部254aを設けてビス255のネジ部の肉厚を確保した分、前側口金254の外径を小さくできるので、挿入部208を細径化することができる。
【0225】
[付記]
(1) シリンダと、このシリンダに進退自在に嵌挿されたピストンとを有してなり、内視鏡に配設された管路を切り換える内視鏡用管路切換え装置において、前記ピストンの外周部には前記シリンダに当接してシリンダとの間の水密及び気密を保持するシール部材が固設され、該シール部材の内周部の一部に強度補強部を設けたことを特徴とする内視鏡用管路切換え装置。
【0226】
付記1の構成では、ピストンの摺動に要する力量を軽減でき、操作性が向上し使用者の労力を軽減することができる。
【0227】
(2) 前記シール部材の材質を天然ゴムとしたことを特徴とする付記1に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0228】
付記2の構成では、引き裂き強さが高く、耐摩耗性が良いシール部材を得ることができる。
【0229】
(3) 前記シール部材の材質を合成ゴムとしたことを特徴とする付記1に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0230】
付記3の構成では、シール部材に高い柔軟性があるため、シリンダとの当接部は大きく弾性変形可能で、シリンダとの接触を保ち、高い水密・気密を得ることができる。
【0231】
(4) 前記シール部材の材質を合成樹脂としたことを特徴とする付記1に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0232】
付記4の構成では、高強度、耐摩耗性にすぐれたシール部材を得ることができる。
【0233】
(5) 前記シール部材の材質をエラストマーとしたことを特徴とする付記1に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0234】
付記5の構成では、耐熱性、耐候性、耐寒性にすぐれたシール部材を得ることができる。
【0235】
(6) 前記強度補強部を前記ピストンの摺動方向の上下面に複数個設けたことを特徴とする付記1に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0236】
付記6の構成では、シール部材の全体が波打つ等の変形が少なく、かつ摺動抵抗が小さいシール部材を得ることができる。
【0237】
(7) 前記シール部材を構成する合成ゴムの材質としてシリコンゴムを用いたことを特徴とする付記3に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0238】
付記7の構成では、耐熱性、耐寒性、耐候性を高くすることができる。
【0239】
(8) 前記シール部材を構成する合成ゴムの材質としてフッ素ゴムを用いたことを特徴とする付記3に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0240】
(9) 前記シール部材を構成する合成ゴムの材質としてアクリロニトリルゴムを用いたことを特徴とする付記3に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0241】
付記8及び9の構成では、耐熱性、耐油性を高くすることができる。
【0242】
(10) 前記シール部材を構成する合成ゴムの材質としてNBRを用いたことを特徴とする付記3に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0243】
付記10の構成では、耐油性、耐老化性、耐摩耗性を高くすることができる。
【0244】
(11) 前記シール部材を構成するエラストマーの材質として熱可塑性ポリウレタンを用いたことを特徴とする付記5に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0245】
付記11の構成では、射出成形や押出成形のような一般の熱可塑性樹脂の成形法が適用でき、耐熱性、耐寒性を高くすることができる。
【0246】
(12) 前記シール部材を構成する天然ゴムの硬度を50°以下としたことを特徴とする付記2に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0247】
(13) 前記シール部材を構成する合成ゴムの硬度を50°以下としたことを特徴とする付記3に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0248】
(14) 前記シール部材を構成するエラストマーの硬度を50°以下としたことを特徴とする付記5に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0249】
付記12ないし14の構成では、シール部材が変形しやすく、摺動抵抗が減り使用感を向上させることができる。
【0250】
(15) 内視鏡本体に接続され、加圧管及び送水管を備えたコネクタと、
前記内視鏡本体へ送る液体が注入された送水タンクと、
一端が前記加圧管に着脱自在に接続され、他端が前記送水タンク内の空間に開口する送気管路と、一端が前記送水管に着脱自在に接続され、他端が前記送水タンク内の液中に開口する送水管路とを備えた送水タンク口金と、
を有する内視鏡装置において、
前記送水タンク口金が前記コネクタから完全に外れる前に、前記送水タンク内の加圧空気を開放する加圧空気開放手段と、前記送水管路に空気を導入する空気導入手段と、を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
【0251】
付記15の構成では、送水タンク口金をコネクタから完全に取り外したとき、送水タンク口金から液体が噴出することを防止することができ、これによりキーボード、光源装置等の周辺装置が液体に触れることがなく、装置の故障等を防止することができる。
【0252】
(16) 前記送水管路に空気を導入する空気導入手段として、前記コネクタの送水管において、前記送水タンク口金が前記コネクタから完全に外れる前の状態で外部に露呈する位置に孔を設けたことを特徴とする付記15に記載の内視鏡装置。
【0253】
(17) 前記送水管路に空気を導入する空気導入手段として、前記コネクタの送水管において、前記送水タンク口金が前記コネクタから完全に外れる前の状態で外部に露呈する位置に切り欠きを設けたことを特徴とする付記15に記載の内視鏡装置。
【0254】
付記16及び17の構成では、簡単な加工で送水タンク口金がコネクタから完全に外れる前に送水管路に空気を導入する開口を設けることができる。
【0255】
(18) 前記コネクタの送水管と前記送水タンク口金の送水管路との接続部において、前記加圧管の一端が前記送水タンク口金から外れた状態に保持する第二の保持部と、前記送水管路に空気を導入する空気導入手段が機能する位置に該送水タンク口金を保持する第一の保持部と、を有することを特徴とする付記15に記載の内視鏡装置。
【0256】
(19) 前記第一の保持部及び第二の保持部は、前記送水タンク口金を前記コネクタの送水管に対して回転させる操作により保持/解除し、
前記加圧管が送水タンク口金から外れる段階から前記送水管路に空気が導入される段階、または前記送水管路に空気が導入される段階から前記送水タンク口金が完全に外れる段階へ移行することを特徴とする付記18に記載の内視鏡装置。
【0257】
付記18及び19の構成では、送水管路内に空気が導入されてからさらに次の段階へ移るとき(送水タンク口金を回転するとき)等において、完全に送水管路内の水を送水タンク内に戻すことができるので、より確実に送水タンク口金からの液体の噴出を防止することができる。
【0258】
(20) 略直管状で側面部に連結孔を形成した合流管と、この合流管の連結孔に接続される分岐管とからなり、流体管路を接続する三又状の分岐パイプを有する内視鏡において、
前記合流管の連結孔は、前記分岐管の当接面内面と同等以上の大きさであり、前記連結孔の少なくとも一部は、前記分岐管の当接面外面より小さい寸法設定にしたことを特徴とする内視鏡。
【0259】
(21) 前記合流管の内径が前記分岐管の内径と略同等以上であることを特徴とする付記20に記載の内視鏡。
【0260】
(22) 前記分岐管は、一端部が前記合流管と略平行の直線形状で、他端部はR形状に曲げられ前記合流管の連結孔に接続されていることを特徴とする付記20に記載の内視鏡。
【0261】
(23) 前記合流管の連結孔の軸方向の断面形状と、前記分岐管の当接面の軸方向の断面形状を略同一のR形状としたことを特徴とする付記20に記載の内視鏡。
【0262】
(24) 前記分岐パイプは、内視鏡挿入部内で送気管路と送水管路の2本の管路を送気送水管路の1本に合流させる送気送水合流管であることを付記20に記載の特徴とする内視鏡。
【0263】
(25) 略直管状で側面部に連結孔を形成した合流管と、この合流管の連結孔に接続される分岐管とからなり、流体管路を接続する三又状の分岐パイプを有する内視鏡の製造方法において、
前記合流管の連結孔は、前記分岐管の当接面内面と同等以上の大きさであり、前記連結孔の少なくとも一部は、前記分岐管の当接面外周より小さい寸法設定にし、
前記合流管の連結孔と前記分岐管の接合部内に、半田より融点が高く、かつ熱伝導性が悪く、かつ半田が付着しにくく、かつ可撓性を有する中子を挿入し、半田付により、前記合流管と前記分岐管を気密に接続することを特徴とする内視鏡の製造方法。
【0264】
(26) 前記合流管の連結孔と、前記分岐管の当接面との間に隙間をあけ、この隙間と前記中子の間を半田で埋めることで合流管と分岐管の段差をなくし、滑らかに気密接続することを特徴とする付記25に記載の内視鏡の製造方法。
【0265】
(27) 前記シール部材は、前記シリンダ内面に圧接して変形するシール部と、前記シール部よりも小径に設けられた強度補強部とを有してなることを特徴とする付記1に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0266】
付記27の構成では、強度補強部をシール部材のシール部以外の部分に設けることにより、シール部材のシール部が容易に変形できると共に、シール部材の過度な変形を防止することが可能となる。すなわち、シール部材を、シリンダ内面に当接して変形するシール部と、この変形するシール部以外の所に設けたシール部材の過度な変形を防止するための強度補強部とに分けて構成したことにより、該シール部材のシール部を小さくできるため、シール部とシリンダとの間で発生する摩擦力を減らして、ピストンの摺動性を向上できる。また、強度補強部を設けたことにより、水密、気密のシール性を確保したまま、シール部材の過度な変形を防止することができる。
【0267】
(28) 前記強度補強部と前記シール部の材質を異なる材質で構成したことを特徴とする付記27に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0268】
(29) 前記シール部材は、前記シリンダ内面に圧接して変形し前記水密または気密を保持する変形部と、前記変形部の内周側に設けられ該変形部の基部を略固定に支持する強度補強部とを有してなることを特徴とする付記1に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0269】
(30) 前記強度補強部は、前記シール部材が前記シリンダ内部に嵌挿されたときに変形する変形部以外の部分に設けられていることを特徴とする付記27に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0270】
付記30の構成では、強度補強部をシール部材の変形部以外の部分に設けることにより、シール部材のシール部が容易に変形できるとともに、シール部材の強度を確保することが可能となる。
【0271】
(31) 前記強度補強部は、前記シール部材が前記シリンダ内部に嵌挿されたときに変形する外周部以外の内周側部分に設けられていることを特徴とする付記27に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0272】
(32) 前記強度補強部は、前記シール部材の円周方向の全周にわたって設けられていることを特徴とする付記27に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0273】
(33) 前記強度補強部は、前記シール部材の円周方向に等しい間隔で設けられていることを特徴とする付記27に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0274】
付記33の構成では、強度補強部をシール部材の円周方向に均等に離して設けることにより、シール部材の変形部が円周上に均等に分散されて、ピストンの摺動性が向上する。
【0275】
(34) 前記強度補強部は、前記シール部材の上面と下面にそれぞれ設けられていることを特徴とする付記27に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0276】
(35) 前記強度補強部は、前記シール部材の上面と下面の少なくとも一方の面に設けられていることを特徴とする付記27に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0277】
(36) 前記強度補強部を前記シール部材の上面と下面で非対称の位置に設けたことを特徴とする付記34に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0278】
付記36の構成では、強度補強部をシール部材の上面と下面で異なる位置に設けることにより、シール部材の上面と下面の対称な位置に強度補強部がある場合に比べて、摺動抵抗が小さくなり、管路切換え装置の操作性が向上する。
【0279】
(37) 前記強度補強部の大きさが前記シール部材の上面と下面で異なることを特徴とする付記34に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0280】
付記37の構成では、シール部材に設けた強度補強部の大きさをシール部材の上下面で異ならせることにより、ピストンの押し込み操作時と戻り時の摺動抵抗を変化させることができ、使用者の好みに応じた摺動特性を設定することが可能となる。
【0281】
(38) 前記シール部材の上側に設けた強度補強部の方が、下側に設けた強度補強部よりも大きいことを特徴とする付記34に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0282】
付記38の構成では、シール部材の上側に設けた強度補強部を下側よりも大きくすることにより、ピストンの押し込み操作時の摺動抵抗が戻り時の摺動抵抗よりも小さくなって、押し込み操作時のレスポンスが向上する。
【0285】
(40) 内視鏡に設けられた複数の管路が接続されるシリンダと、このシリンダに進退自在に嵌挿されたピストンとを有してなり、前記複数の管路の連通状態を切り換える内視鏡用管路切換え装置において、前記ピストンに複数のシール部材を配設すると共に、
この複数のシール部材は、前記シリンダ内に前記ピストンが嵌挿されたときに前記シリンダ内で変形する変形量が、これら複数のシール部材のうち少なくとも一つのシール部材において他のシール部材の変形量と異なることを特徴とする内視鏡用管路切換え装置。
【0286】
付記40の構成では、複数のシール部材について、シール部材がシリンダ内に嵌挿されたときの変形量を、複数のシール部材のうち少なくとも一つを他と異ならせることにより、余分な摺動抵抗をなくすことができ、ピストンの摺動性が向上する。
【0287】
(41) 前記複数のシール部材が前記シリンダ内部に嵌挿されたときに前記複数のシール部材の各シール部材が摺動するシリンダ部の内径と、前記複数のシール部材の外径との差が、前記複数のシール部材のうち少なくとも一つが他と異なることを特徴とする付記40に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0288】
付記41の構成では、複数のシール部材について、シール部材の外径とシリンダの内径との差を、少なくとも一つを他と異ならせることにより、余分な摺動抵抗をなくすことができ、ピストンの摺動性が向上する。
【0289】
(42) 前記複数のシール部材は、水密用シール部材と気密用シール部材とからなり、これらの水密用シール部材と気密用シール部材において、前記シリンダ内に前記ピストンが嵌挿されたときのシール部材の変形量が、水密用シール部材と気密用シール部材とで異なることを特徴とする付記40に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0290】
付記42の構成では、水密用シール部材と気密用シール部材とでシリンダ内にピストンが嵌挿されたときの変形量を変えることにより、ピストンの摺動性が向上する。
【0291】
(43) 前記水密用シール部材の変形量は、前記気密用シール部材の変形量よりも大きいことを特徴とする付記42に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0292】
付記43の構成では、気密用シール部材の変形量を水密用シール部材の変形量よりも小さくすることにより、ピストン摺動時の摺動抵抗が小さくなり、摺動特性が良く操作性が良好な管路切換え装置を構成できる。
【0293】
(44) 前記水密用シール部材と前記気密用シール部材は、前記シリンダ内を摺動する際に、前記水密用シール部材の摺動力量が前記気密用シール部材の摺動力量と異なることを特徴とする付記42に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0294】
(45) 前記水密用シール部材と前記気密用シール部材において、前記シリンダ内を摺動する際の摺動力量は、前記水密用シール部材の方が前記気密用シール部材よりも大きいことを特徴とする付記44に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0295】
(46) 前記水密用シール部材と前記気密用シール部材において、前記水密用シール部材のゴム硬度が前記気密用シール部材のゴム硬度と異なることを特徴とする付記42に記載の内視鏡用管路切換え装置。
【0296】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ピストンの周囲に設けたシール部材の薄肉部がピストンの嵌挿方向とは逆側に変形することにより、ピストンの押し込み操作力量を軽減し、シール部材の補強部によりピストンの進退によるシール部材の変形を抑制するので、シール部材の可動方向に対する強度を保ちピストンの摺動抵抗による変形を防止してシリンダ内の水・気密性を保持できると共に、潤滑油を使用することなくピストンの摺動抵抗を適度に保ち操作時におけるシリンダとピストンとの摺動性を向上させることができ、操作性が良好で、洗浄時の取り扱いも簡便な内視鏡用管路切替え装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1ないし図6は本発明の第1の実施形態に係り、図1は内視鏡装置の全体構成を示す構成説明図
【図2】 管路切換え装置としての送気送水バルブの構成を示す断面図
【図3】 第1の実施形態のシール部材の構成を示す斜視図
【図4】 第1の実施形態のシール部材を上下面両方から見た平面図
【図5】 自然状態でのシール部材の形状を示す断面図
【図6】 シリンダ内を摺動しているときのシール部材の変形状態を示す断面図
【図7】 本発明の参考例における弁体の構成を示す斜視図
【図8】 本発明の参考例における自然状態での弁体の形状を示す断面図
【図9】 本発明の参考例におけるシリンダ内を摺動しているときの弁体の変形状態を示す断面図
【図10】 シール部材に設ける強度補強部の外形状の変形例を示す平面図
【図11】 シール部材に設ける強度補強部の断面形状の変形例を示す平面図
【図12】 吸引管路切換装置におけるシリンダ部の下部の構成を示す断面図
【図13】 吸引チューブの構成を示す横断面図
【図14】 吸引管路切換装置におけるピストン部の構成を示す断面図
【図15】 図14のA部分の拡大図
【図16】 図14のB−B断面図
【図17】 図17ないし図20は本発明の第2の実施形態に係り、図17はシール部材に設ける強度補強部の構成例を示す断面図
【図18】 図17に示す構成例においてシリンダ内を摺動しているときのシール部材の変形状態を示す断面図
【図19】 図17に示す構成例の変形例を示す側面図
【図20】 図17に示す構成例の他の変形例を示す側面図
【図21】 図17に示す構成例の参考例であるシール部材に設ける強度補強部の参考例を示す断面図
【図22】 図21に示す参考例においてシリンダ内を摺動しているときのシール部材の変形状態を示す断面図
【図23】 図21に示す参考例の変形例を示す側面図
【図24】 図21に示す参考例の他の変形例を示す側面図
【図25】 図25ないし図27は本発明の第3の実施形態に係り、図25は第3の実施形態のシール部材を上下面両方から見た平面図
【図26】 第3の実施形態のシール部材を円周方向に展開した説明図
【図27】 第1の実施形態のシール部材を円周方向に展開した説明図
【図28】 ピストン部に設けられる各シール部材及び弁体とシリンダ部のシリンダとの位置関係を示す説明図
【図29】 ピストン部に設けられる各シール部材の幅と高さの関係を示す説明図
【図30】 本発明の第4の実施形態に係るシール部材の構成を示す断面図
【図31】 図31ないし図36は送水タンク口金の第1の構成例に係り、図31は送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管及び送水管に装着された状態での送水タンク口金の縦断面図
【図32】 送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管から取り外された状態での送水タンク口金の縦断面図
【図33】 送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管及び送水管に装着された状態での送水タンク口金の端面における平面図
【図34】 送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管から取り外された状態での送水タンク口金の端面における平面図
【図35】 送水管に1つの連通孔を設けた場合の図32におけるA−A線断面図
【図36】 送水管に2つの連通孔を設けた場合の図32におけるA−A線断面図
【図37】 図37ないし図40は送水タンク口金の第2の構成例に係り、図37は送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管及び送水管に装着された状態での送水タンク口金の縦断面図
【図38】 送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管から取り外された状態での送水タンク口金の縦断面図
【図39】 送水管に1つの切り欠き部を設けた場合の図38におけるB−B線断面図
【図40】 送水管に2つの切り欠き部を設けた場合の図38におけるB−B線断面図
【図41】 図41ないし図49は送水タンク口金の第3の構成例に係り、図41は送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管及び送水管に装着された状態での送水タンク口金の縦断面図
【図42】 送水タンク口金が加圧管から取り外された状態での送水タンク口金の縦断面図
【図43】 送水タンク口金の送気管路に空気が導入されるときの状態での送水タンク口金の縦断面図
【図44】 送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管及び送水管に装着された状態での送水タンク口金の端面における平面図
【図45】 送水タンク口金が加圧管から取り外された状態での送水タンク口金の端面における平面図
【図46】 送水タンク口金の送気管路に空気が導入されるときの状態での送水タンク口金の端面における平面図
【図47】 送水タンク口金が内視鏡コネクタの加圧管及び送水管に装着された状態でのコネクタを送水タンク口金装着方向から見た側面図
【図48】 送水タンク口金が加圧管から取り外された状態でのコネクタを送水タンク口金装着方向から見た側面図
【図49】 送水タンク口金の送気管路に空気が導入されるときの状態でのコネクタを送水タンク口金装着方向から見た側面図
【図50】 図50及び図51は送気送水バルブの変形例に係り、図50はシリンダ内に設けられるシール部材近傍の構成を示す長手軸方向断面図
【図51】 シール部材を下側から見た横断面図
【図52】 体腔内への内視鏡の挿入を補助するときに用いられるスライディングチューブの構成例を示す斜視図
【図53】 図52のスライディングチューブ端部の縦断面図
【図54】 内視鏡挿入部先端の湾曲部を被覆する湾曲ゴムの固定部の第1の例を示す断面図
【図55】 内視鏡挿入部先端の湾曲部を被覆する湾曲ゴムの固定部の第2の例を示す断面図
【図56】 送気送水用の流体管路を備えた内視鏡装置の全体構成を示す構成図
【図57】 内視鏡の挿入部先端の構成を示す断面図
【図58】 送気管路と送水管路とを合流する三又状分岐パイプの構成を示す断面図
【図59】 三又状分岐パイプを構成する分岐管の当接面を示す構成説明図
【図60】 三又状分岐パイプを構成する合流管の連結孔を示す構成説明図
【図61】 合流管と分岐管の接続部の断面図
【図62】 合流管と分岐管を接続する際の位置決め状態を示す説明図
【図63】 内視鏡挿入部の先端を示す平面図
【図64】 先端部後端側の第1の湾曲駒との接続部分の内部構成を示す断面図
【図65】 湾曲部の内部構成を示す断面図
【図66】 挿入部の可撓管部における三又状分岐パイプ部分の内部構成を示す断面図
【図67】 挿入部の可撓管部の前側口金と後端の湾曲駒との接続部分の内部構成を示す断面図
【符号の説明】
1…内視鏡
3…操作部
13…送気送水管路切換装置(送気送水バルブ)
31…シリンダ部
32…ピストン部
35…シリンダ
36,37…送気管路
38,39…送水管路
45…ピストン本体
46…連通路
47…開口部
48…弁体
53,56,58…シール部材
53a,56a,58a…シール部
53b,56a,58a…強度補強部

Claims (1)

  1. 内視鏡に設けられた複数の管路が接続されるシリンダと、このシリンダに進退自在に嵌挿されたピストンとを有してなり、前記複数の管路の連通状態を切り換える内視鏡用管路切替え装置において、
    前記ピストンに複数のシール部材を配置すると共に
    この複数のシール部材は、前記シリンダ内に前記ピストンが嵌挿されたときの嵌挿方向とは逆側に変形する薄肉部と、該薄肉部の内側に設けられ前記ピストンの進退による変形を抑制する補強部とを有することを特徴とする内視鏡用管路切替え装置。
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