JP3648792B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明はエンジンの排気浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
自動車の排気ガスを浄化する一つの方法として貴金属(白金,ロジウム等)などを触媒として担持した触媒装置を用いる排気ガス浄化方法がある。
この方法でのHCの浄化には,一般に触媒活性化温度350℃以上を必要とする。しかしながら,エンジンの始動直後においては,上記触媒が触媒活性温度に達していないため,HC浄化がほとんど行われないと言う問題がある。
【0003】
そこで上記の問題を解決するため,エンジンの排気系に触媒装置を配備すると共に,その上流側または下流側にエンジン冷間時に排出されたHC(以下コールドHCと呼ぶ)を吸着するための吸着剤を収めたHCトラッパーを配備した浄化装置が提案されている(特開平4−17710号公報,特開平4−311618号公報,特開平5−149130号公報,特開平5−256124号公報,特開平6−101452号公報等)。
【0004】
特開平4−17710号公報,特開平4−311618号公報にかかる排気浄化装置は,吸着剤を含むHCトラッパーを触媒装置の下流側に,メイン流路と並列に配置するとともに,HCトラッパーを含む吸着流路とメイン流路にはそれぞれ流路切換弁を設けている。
そして,エンジン始動直後から所定時間の間,上記流路切換弁を操作し,排気ガスを吸着流路へ流し,その間コールドHCはHCトラッパーに吸着される。
【0005】
一方,吸着剤からコールドHCが脱離する高温時には,上記流路切換弁はメイン流路に排気ガスを流すように操作され,この時,HCトラッパー下流側とエンジン吸気管とをつなぐHCの脱離用配管にエンジンの吸気管の負圧が加わり,脱離したHCは上記吸気管へ吸い込まれて再びエンジン内で燃焼するようになっている。
【0006】
さらに,特開平4−311618号公報では,脱離したHCを吸引ポンプを用いて強制的に触媒の上流へ戻す方法が記載されている。
また,特開平5−149130号公報,特開平5−256124号公報の排気浄化装置は,触媒装置の上流側にゼオライト系吸着剤を用いた吸着装置を配置して,吸着装置と触媒装置とを併用し,排気ガス低温時には吸着剤にコールドHCを吸着させ,排気ガス高温時には吸着剤から脱離したHCおよびエンジンからの排気HCを触媒装置で浄化させるものである。
【0007】
そして,特開平6−101452号公報にかかる排気浄化装置では,触媒装置の下流側に,吸着装置を配置したバイパス流路と吸着装置を設けないメイン流路とを設け,更に吸着装置の入口部と出口部のそれぞれに排気温度センサを設けている。
そして,排気ガスの低温時に,吸着装置に有害成分が吸着されるときの吸着熱量を求め,この吸着熱量が目標値に達しなかった場合は吸着装置が故障であると判定する。
【0008】
【解決しようとする課題】
しかしながら従来の排気浄化装置には,次のような問題点がある。
それは,吸着剤の劣化や流路切換の動作不良等が生じてもそれを検知する手段がないことである。
そのため,上記のような排気浄化装置の故障が生じた後もそのまま使用を継続し,そのため有害ガスが排出されるという問題を生ずる。
なお,特開平6−101452号公報に示された排気浄化装置では,上記従来装置と異なり故障診断装置を設けているから,ある種の故障は検知可能である。しかしながら,特開平6−101452号公報に示された排気浄化装置では,吸着材の劣化や不具合は診断することが出来ても,例えば吸着した有害成分を触媒装置の上流側に還流するための弁や前記バイパス流路の切り換え弁など可動部分に関する装置の故障等については,全く故障診断が不可能であり,診断機能が不十分である。
本発明は,このような問題点に鑑みて,装置故障に対する優れた自己診断機能を有する排気浄化特性の良好な排気浄化装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
本願の第1発明は,エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害ガスを吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記第1メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断し,
一方排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ,更に吸着流路から排出流路への排気の流れを遮断し,
上記故障診断装置は,上記吸着装置の温度を測定し,上記第1動作状態においては上記温度の上昇速度が設定値以下である場合に装置故障と判定し,上記第2動作状態においては上記温度の上昇速度が所定の上限値以上もしくは所定の下限値以下である場合に装置故障と判定する判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置にある。
【0010】
第1発明において最も注目すべきことの第1点は,排気の低温時においては,戻し流路を閉路し吸着流路を通った排気を排出流路に流通させると共に第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断する,いわゆる第1動作状態に流路開閉手段を操作すること,そして排気の高温時においては,上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ更に吸着流路から排気流路への排気の流れを遮断する,いわゆる第2動作状態に流路開閉手段を操作することである。
【0011】
第1発明において最も注目すべきことの第2点は,故障診断装置を有しており,該故障診断装置は,上記吸着装置の温度を測定し,上記第1動作状態においては上記温度の上昇速度が設定値以下である場合に装置故障と判定し,上記第2動作状態においては上記温度の上昇速度が所定の上限値以上又は下限値以下である場合に装置故障と判定することである。
【0012】
次に,本願の第2発明は,エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害物質を吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記第1メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断し,
一方排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ吸着流路から排出流路への排気の流れを遮断し,
上記故障診断装置は,上記吸着装置を通過する排気の流量を測定し,上記第1動作状態においては上記通過流量が設定値以下になった場合に装置故障と判定し,上記第2動作状態においては上記通過流量が所定の上限値以上もしくは所定の下限値以下になった場合に装置故障と判定する判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置にある。
【0013】
第2発明は,第1発明の排気浄化装置と故障診断装置が異なる排気浄化装置である。
即ち,第2発明における故障診断装置は,吸着装置を通過する排気の流量を測定し,上記第1動作状態においては上記通過流量が設定値以下になった場合に装置故障と判定し,第2動作状態においては上記通過流量が所定の上限値以上もしくは下限値以下になった場合に装置故障と判定する。
【0014】
次に,本願の第3発明は,エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害物質を吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断し,
一方排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ吸着流路から排出流路への排気の流れを遮断し,
上記故障診断装置は,上記排出流路における所定の排出ガスの濃度を測定し,該排出ガス濃度が,上記第1動作状態と第2動作状態とで異なる値に設定された設定値以上の値になった場合に装置故障と判定する判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置にある。
【0015】
第3発明は,第1,第2発明の故障診断装置と異なる故障診断装置を有する排気浄化装置である。
即ち,第3発明にかかる故障診断装置は,排出流路における所定の排出ガス濃度を測定し,該排出ガス濃度が設定値以上の値になった場合に装置故障と判定する。そして上記設定値は,第1動作状態と第2動作状態とで異なった値にする。
【0016】
次に本願の第4発明は,エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害物質を吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記第1メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断し,
一方排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ吸着流路から排出通路への排気の流れを遮断し,
上記故障診断装置は,エンジンの運転状態から上記戻し流路の排気流量を算出する戻し流量算出手段と,上記戻し流路における上記排出ガスの濃度を測定し上記第2動作状態における上記戻し流路を通った排出ガスの総量を積算する積算手段と,上記排出ガスの積算総量が設定値以下である場合に装置故障と判定する判定手段とを有していることを特徴とする排気浄化装置にある。
【0017】
第4発明は,第1〜第3発明の故障診断装置と異なる故障診断装置を有する排気浄化装置である。
即ち,第4発明の故障診断装置は,エンジンの運転状態から戻し流路の排気流量Qr を算出する戻し流量算出手段と,上記戻し流路における上記排出ガスの濃度を測定し第2動作状態における上記戻し流路を通った排出ガスの総量Wを積算する積算手段と,該排出ガスの積算総量Wを設定値Wo と比較し装置の故障を判定する判定手段とを有している。
【0018】
上記戻し流量Qr は,例えば,エンジン排気の流量とエンジンの運転状態を示すパラメータから,一定の算式に従って計算することができる。
また,上記積算手段には,例えば上記排出ガスセンサの出力Cr と戻し流量Qr との積を第2動作状態の間に積算する積分器などがある(Wr =∫Cr r dt)。
【0019】
なお,第3,第4発明において,上記故障診断装置は更に吸着装置の温度を測定し,上記温度の上昇速度が第1動作状態において設定値以上であるか否か,及び上記上昇速度が第2動作状態において所定の上限値もしくは所定の下限値以下であるか否かを判定する第2判定手段を設けることが好ましい。
【0020】
このような第2判定手段を設けることにより,次項で後述するように,流路に所定値以上の洩れがあるか否か等を知ることが可能となり,これによって故障診断装置(メイン判定手段)が判定した故障の原因が流路開閉手段の洩れによるものかどうか等の解明することができるからである。
その結果,故障の修復作業をより容易にすることができる。
【0021】
また,第3,第4発明において,上記故障診断装置は,更に上記吸着装置を通過する排気流量を測定し,上記通過流量が第1動作状態において設定値以下であるか否か,及び上記通過流量が所定の上限値以上もしくは所定の下限値以下であるか否かを判定する第3判定手段設けることが好ましい。
【0022】
このような,第3判定手段を設けることにより,詳細を後述するように排気流路に所定値以上の洩れがあるか又は戻し流路に閉塞があるか否か等を知ることが可能となり,上記と同様に故障診断装置が判定した故障の原因を解明することができるからである。その結果,故障の修復作業が容易となる。
【0023】
次に,本願の第5発明は,エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害ガスを吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記第1メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断し,
一方,排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ,更に吸着流路から排出流路への排気の流れを遮断し,
上記故障診断装置は,上記吸着装置の下流側と上記戻し流路とのそれぞれの排気温度を測定し,上記第2動作状態において,上記二つの排気温度の間の相関関係の程度を算出し,この相関関係の程度が一定の水準に達しない場合に装置故障であると判定する判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置にある。
【0024】
第5発明は,第1 〜第4発明と異なる故障診断装置を有する他の排気浄化装置である。
即ち,第5発明にかかる故障診断装置は,着装置の下流側と上記戻し流路とのそれぞれの排気温度を測定し,上記第2動作状態において,上記二つの排気温度の間の相関関係の程度を算出し,この相関関係の程度が一定の水準に達しない場合に装置故障であると判定する判定手段を有している。
上記において,相関関係の程度を算出する指標には,例えば,相関比,相関係数などがある。
詳細を後述するように,第5発明にかかる故障診断装置は,特に戻し流路における方向弁の故障検出機能に優れている。
【0025】
なお,第5発明において,上記故障診断装置は,更に,上記吸着装置の温度を測定し,この温度の上昇速度が第1動作状態において設定値以上であるか否か,及びこの上昇速度が第2動作状態において設定値以上であるか否かを判定する第4判定手段を設けることが好ましい。
このような第4判定手段を設けることにより,次項において詳細を後述するように,メイン流路の開閉手段に所定値以上の漏れがあるか否か等を判定可能となり,故障の原因を解明することが用意となるからである。
それ故,故障の修復作業が容易となる。
【0026】
また,更に第5発明において,上記判定手段が,上記二つの排気温度の間の相関関係の程度を算出し,装置故障であると判定する時期は,前記第2動作状態にあると共にエンジンがアイドリング状態にあること又は車両が減速状態にあることを条件とすることが好ましい。アイドリング状態にあることを条件に付加することにより,判定時間を短縮でき,また車両が減速状態にあることを条件に付加することにより,相関値が故障の有無でより鮮明に分離できるからである。
【0027】
【作用及び効果】
初めに,第1発明の作用効果について説明する。
排気が低温である段階では,流路は第1動作状態となり,排気はすべて吸着流路から排出流路に流入する。それ故,排気が低温なために触媒装置で浄化されないHCなどの有毒な排出ガスは,吸着装置に吸着される(有害ガス吸着工程)。従って,有害な排出ガスは外部に排出されない。
【0028】
一方,排気が高温となれば,流路は第2動作状態に切換えられ,排気は二つの流れを構成し,一方の排気の流れは第2メイン流路から排出流路を経て外部に排出される(有害ガス脱離工程)。そして,排気は高温であるから,有害な排出ガスは触媒装置で浄化される。
【0029】
また,他方の排気の流れは,吸着流路から戻し流路に流入する。この高温の排気の流れによって,吸着装置に吸着された排出ガスは脱離し,戻し流路から触媒装置の上流に導入される。そして,排出ガスは,触媒装置によって浄化される。
上記のように,排気の温度に対応して流路開閉手段を第1,第2動作状態に切替えることにより,エンジンの排出ガスの外部排出を抑止することができ,排気浄化特性の良好な排気浄化装置を得ることができる。
【0030】
一方,故障診断装置は,吸着装置における温度を測定して,その上昇速度Vt を算出する。上記速度Vt は,例えば温度の測定値を微分演算するなどの方法により容易に算出することができる。
そして,第1動作状態における上記上昇速度Vt は,図5に示すように,上記吸着流路を通らない洩れ流量Qa (図4)によって漸減することが知られている。
【0031】
それ故,上記Vt を知ることによって,上記洩れ流量Qa の大きさを知ることができる。
即ち,図5に示すように,Vt が所定値Vt0以下であれば,流路開閉手段からの洩れ流量Qa は,少なくとも設定値Qa0以上であると判定することができる。
【0032】
洩れ流量Qa が多いことは,図4の破線で示すように,吸着装置に吸着されずに排出される排出ガスが多いことであるから,洩れ流量Qa が所定値Qa0を越えることは,排気浄化装置の故障状態と判定することができる。
【0033】
一方,第2動作状態においては,昇温速度Vtdは,吸着流路から排出流路に漏洩する洩れ流量Qd (図4)によって図6に示すように変化する。
それ故,昇温速度Vtdが上限値Vt1以上であることをもって洩れ流量Qd が上限洩れ流量Qd0を越えたと判定することができるから,これによって有害ガス脱離工程における装置の故障と判定することができる。
なぜならば,上記洩れ流量Qd が多く存在することは,吸着装置から脱離した排出ガスが排出流路を経て外部に排出されることだからである。
【0034】
また,有害ガス脱離工程において吸着流路から戻し流路を経て触媒装置の上流に至る還流流路に閉塞などの不具合が生じ,その戻し流量Qr (図4)が減少することがある。
そして,上記還流流量Qr が減少すると図7に示すように昇温速度Vtdが減少する。
それ故,昇温速度Vtdが下限値Vt2以下であることを持って還流流量Qr の過少(Qr ≦Qr0),即ち装置の故障であるとすることができる。
【0035】
上記戻し流量Qr が不充分であると,吸着装置で脱離した排出ガスを触媒装置で浄化させることができなくなり,また排気と共に外部に洩出するからである。
上記のように,本発明の故障診断装置は,昇温速度Vt ,Vtdを上記のように監視することにより,排気流路の洩れや閉塞による装置故障を自己診断することができ,従って常に排気浄化特性を良好に保持することができる。
上記のように,第1発明によれば,自己診断機能を有し排気浄化特性の良好な排気浄化装置を提供することができる。
【0036】
次に,第2発明の作用効果について述べる。
第2発明にかかる排気浄化装置においては故障診断装置は吸着装置を通過する排気の流量Qt を測定する。
そして,第1動作状態(有害ガス吸着工程)における上記通過流量Qt は,図10に示すように,第2メイン流路から漏出する洩れ流量Qa (図4)の大きさによって変化する。
即ち,流量Qt が設定値Q0 以下であることをもって,洩れ流量Qa が所定値Qa0以上であることを知ることができ,前記のように排気浄化装置の故障(汚染排気の排出)を検知することができる。
【0037】
一方,第2動作状態(有害ガス脱離工程)においては,上記通過流量Qtdは,吸着流路から排出流路に洩出する洩れ流量Qd (図4)によって図11に示すように変化する。即ち,第2動作状態における排気流量Qtdが,上限値Q1 以上であることをもって,上記洩れ流量Qd が上限値Qd0以上であり,前記のように装置故障(汚染排気の洩出)であることを検知することができる。
【0038】
また,前記のように第2動作状態における還流流量Qr が下限値Qr0以下であることによって戻し流路の不具合(閉塞など)を知ることができる。
そして,第2動作状態における通過流量Qtdと還流流量Qr との間には図12に示すような関係があるから,通過流量Qtdが下限値Q2 以下であるか否かを検知し,装置故障を判定することができる。
上記のように第2発明の故障診断装置によれば,排気流路の洩れや閉塞による装置故障を検知することができる。
その他については,第1発明と同様である。
【0039】
次に第3発明の作用効果について述べる。
第3発明にかかる排気浄化装置においては,排出流路におけるHCなど所定の排出ガスの濃度Cを測定する。
一方,上記排出ガスの濃度Cは,吸着装置の吸着能力の低下や,吸着装置を通らない排気の洩出などによる排気浄化装置の不具合によって増大する。
【0040】
即ち,排気浄化装置が正常な場合における第1動作状態(吸着工程)においては,図15に示すように,破線で示すエンジンの出口における排出ガスの濃度(図15ではHC)は,実線で示す曲線のように排出流路では大幅に減少する。
それ故,排出流路における排出ガス濃度Cの平均値が設定値Ca よりも小さい場合には,排気浄化装置の故障である判定することができる。
【0041】
同様に,第2動作状態(脱離工程)においては,図16に示すように,上記排出ガス(図16ではHC)の濃度Cは実線で示す曲線のような極めて小さな値となるから,上記濃度Cの平均値が設定値Cd よりも大きいことをもって排気浄化装置の故障と判定することができる。
そして,本発明の故障診断装置は,第1動作状態と第2動作状態における排出ガス濃度Cが設定値Ca ,Cd 以上であるか否かを監視して排気浄化装置の故障を判定する。
【0042】
本発明においては,排出流路における排出ガスの濃度Cを直接測定するから,第1,第2発明と同様に排気流路の洩れなどの不具合による故障を検知できるほか,吸着装置の吸着能力低下による故障の場合も故障検知することができる。
その他については,第1発明と同様である。
【0043】
次に第4発明の作用効果について述べる。
本発明にかかる排気浄化装置においては,戻し流路における戻し流量Qr の算出手段と,戻し流路における上記排出ガスの濃度Cr を測定し第2動作状態における排出ガスの総量W(戻し量)を積算する積算手段と,上記戻し量Wを設定値Wo と比較し排気浄化装置の故障を判定する判定手段とを有する。
【0044】
そして,排気浄化装置が正常ならば,図20に示すように,上記戻し量Wは設定値Wo を越える値となるが,何らかの原因で排気浄化装置が故障すると,戻し量Wは設定値Wo 以下となる。
従って両者W,W0 の差又は比率を算出し,この差又は比率が所定値となったとき(W−W0 ≧0,又はW0 /W≧1)に,判定手段は排気浄化装置が故障であると判定することができる。
【0045】
上記のように,第4発明の場合は,第1動作状態と第2動作状態とからなる1つのサイクルを完結した段階で戻し量Wを算出し排気浄化装置の良否を判定する。
その他については,第3発明と同様である。
【0046】
なお,第3,第4発明にかかる排気浄化装置は,請求項4又は請求項5記載のように,第1発明又は第2発明の故障診断装置に用いたと同様の第2又は第3の判定条件を併用することが好ましい。
これによって,より確実に故障を判定することができると共に,故障の原因が排気流路の不具合によるものか吸着装置の特性不良によるものか等を判別することができる。
そして,このように故障原因を判別することにより,故障修復を容易に行うことができる。
【0047】
次に第5発明の作用効果について述べる。
第5発明にかかる排気浄化装置においては,吸着装置の下流側と戻し流路とのそれぞれに流れる排気ガスの温度Tri,Treを,第2動作状態において測定する。そして上記排気ガスの温度Tri,Treは,戻し流路の方向弁及びこの方向弁を作動させる操作手段(例えば開閉手段や電磁弁等)が正常に働いている場合には,互いに強い相関関係を有していることが知られている(後述する図23参照)。一方,上記戻し流路の方向弁及びこの方向弁を作動させる操作手段等に故障が生じた場合には,上記温度Tri,Treの間の相関関係が大きく崩れることが知られている(後述する図25参照)。
【0048】
それ故,故障診断装置は,温度Tri,Treの間の相関度を基に装置の故障を判断することが出来る。
また,本発明においては,吸着装置の下流側を流れる排気ガスの温度を測定しているから,第1発明に関する説明において述べたように,吸着流路と第2メイン流路を開閉する流路開閉手段の故障をも判定可能である。そして,この流路開閉手段の故障は,第1動作状態及び第2動作状態のいずれの状態においても可能である。
【0049】
【発明の実施の形態】
実施例1
第1発明の実施例にかかる排気浄化装置につき,図1〜図7を用いて説明する。
本例は,図1に示すように,エンジン51の排気通路に設けられた自動車の排気浄化装置1である。
排気浄化装置1は,排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置21を備えた第1メイン流路31と,第1メイン流路31の下流に位置し有害ガスを吸着する吸着装置22を備えた吸着流路33と,第1メイン流路31の下流に位置し吸着流路33に並列な流路を形成する第2メイン流路32と,吸着流路33及び第2メイン流路32の下流に位置する排出流路34と,吸着流路33から分岐し触媒装置21の上流側に至る流路を形成する戻し流路35と,上記流路32,33,35を開閉する流路開閉手段23,24と,流路開閉手段23,24を制御するコントローラ41と,装置の不具合を自己診断する故障診断装置10とを有する。
【0050】
そして,戻し流路35には,吸着流路33から触媒装置21の上流に至る排気の流れだけを通す方向弁25が設けられている。
コントローラ41は,排気の低温時においては,流路開閉手段23,24を第1動作状態に操作し,これによって戻し流路35を閉路し吸着流路33を通った排気を排出流路34に流通させると共に,第2メイン流路32から排出流路34に至る排気の流れを遮断する。
また,排気の高温時においては,コントローラ41は,流路開閉手段23,24を第2動作状態に操作し,これによって第2メイン流路32から排出流路34に排気を流通させると共に,戻し流路35を開路して吸着流路33を通った排気を戻し流路35に流通させ,更に吸着流路33から排出流路34への排気の流れを遮断する。
【0051】
一方,故障診断装置10は,吸着装置22の温度を測定し,上記第1動作状態においては,上記温度の上昇速度Vt が設定値Vt0以下である場合に装置故障であると判定し,上記第2動作状態においては,上記昇温速度Vt が所定の上限値Vt1以上もしくは所定の下限値Vt2以下である場合に装置故障であると判定する判定手段を有している。
【0052】
以下それぞれについて説明を補足する。
図1に示すように,エンジン51の排気管には,排気マニホルド52の直後の位置に触媒装置21を配置してある。また,排気管における触媒装置21の下流には,大径部を設けてあり,この中に吸着装置22を収納した吸着流路33と第2メイン流路32が形成されている。
吸着装置22はステンレス鋼またはコージェライト等のセラミックからなり,大径部の径に合致する半円筒形状を有し,図2に示すように,平行な多数の通孔221を有し,吸着剤担持層222にはゼオライト系吸着剤が担持されている。
【0053】
なお,吸着装置22は,上記大径部の形状に合わせて楕円形状や方形形状とすることができる。
そして,図1に示すように,吸着装置22の吸着剤担持層222の後端直後には,第1流路開閉手段23を配設してある。
触媒装置21と吸着装置22との距離は,触媒装置21が排気ガスに加熱されて活性化温度に達するタイミングと,吸着装置22に担持された吸着剤が加熱されて吸着機能を失うタイミングとがほぼ一致するような距離に設定される。
【0054】
吸着装置22は,第2メイン流路32との間が隔壁223によって分離・保持されている。隔壁223には,図2に示すように,穴224が設けられている。
また,図2に示すように,吸着装置22の上流側には整流板225が配備されており,吸着装置22に流れる排気ガスの流速分布を均一にし,吸着効率を高めている。
【0055】
隔壁223と整流板225とは,図2のように一体構造でもよいし,分離されていてもよい。
また,吸着装置22の内部には,図1に示すように故障診断装置10を構成する温度センサ15が配備されており,吸着装置22の温度をモニタしている。温度センサ15は吸着装置22の内部であればどこに配備されていてもよく,または,吸着装置22の後方であってかつ流路開閉手段23の前方であってもよい。
【0056】
そして,吸着流路33の後端に近い位置から戻し流路35が分岐し,戻し流路35は管内の排気の流れを一方向に制御する方向弁25と第2流路開閉手段24を一体化したリード弁26を有しており,排気マニホールド52に連通する。
第1流路開閉手段23にはアクチュエータ231を設けてあり,アクチュエータ231はシャフト232により第1流路開閉手段23のブレード230に連結せしめてある。
【0057】
アクチュエータ231は,これを作動させる負圧を供給するための吸気管361,362を経て,エンジン51上流部のサージタンク53に連通されている。そして,吸気管361と362の間には第1電磁弁27が配設されている。
方向弁25は,戻し流路35から触媒装置21の上流側に向かう排気の流通のみを許容する。
【0058】
第2流路開閉手段24は,負圧で作動するダイヤフラム等により作動する。そして,流路開閉手段24は,これに負圧を供給する吸気管371,372により,第1電磁弁27とサージタンク53とをつなぐ吸気管362に連通し,吸気管371と372の間には第2電磁弁28が介設されている。
【0059】
コントローラ41は,マイクロコンピュータ40と図3に示す制御プログラムとからなり,エンジン51や温度センサ15からの信号を受け,運転状態に応じて電磁弁27,28を開閉制御し,これにより流路開閉手段23,24を制御する。
また,故障診断装置10は,マイクロコンピュータ40と,図3に示す故障診断プログラムとからなる。
【0060】
次に,故障診断装置10の作動を,図1と,図3のフローチャートを用いて説明する。
図3のステップ601でエンジン始動(IG=イグニッション ON)を確認すると,ステップ602に進む。ステップ602では,温度センサ15からの信号を受け,その温度Tの値をチェックし吸着装置22における吸着の可否を判断する。
【0061】
エンジンの冷間始動の場合には,吸着装置22は冷えており,上記温度T(℃)が吸着可能温度Ta (℃)以下であると,ステップ603以下の吸着工程に進み,ステップ603で第1電磁弁27が開弁され,吸気管361,362が連通する。これによりサージタンク53の負圧が吸気管362,361を経てアクチュエータ231に作用してシャフト232を引っ張り,第1流路開閉手段23は,図1の破線に示す位置(流路開閉手段23 閉)となる。
【0062】
エンジン51の冷間始動直後は排気ガス温度は低く,エンジン51は多量のコールドHCを含んだ排気ガスを排出する。そして,排気ガス温度が低い間は,触媒装置21は活性化温度に達しないため,コールドHCは触媒装置21でほとんど浄化されずに第1メイン流路31を流れる。
【0063】
この排気ガス流は,吸着装置22のゼオライトを担持してない吸着剤無担持層229(図2)からゼオライトを担持した吸着剤担持層220に流れ,コールドHCは吸着剤に吸着される。そして,コールドHCが除去された排気ガスは排出流路34を経て大気中に放出される。
この時,整流板225が排気ガスの流れを整流しているため,排気ガスは均一な流速分布となって,吸着装置22内を流れている。
【0064】
上記のようにコールドHCを吸着している間,吸着装置22は排気ガスによって熱せられる。この時,図4に示すように流路開閉手段23からの洩れ流量Qa が増加していると,吸着装置22内に流れる排気ガス量が減少し,その昇温速度Vt が遅れる。
その結果,図5に示すように,吸着装置22の昇温速度Vt は洩れ流量Qa がない場合に比べ,小さくなる。
【0065】
上記昇温速度Vt は温度センサ15の信号から計算できる。上記洩れ流量Qa はアクチュエータ231,シャフト232,ブレード230などが破損した場合に増加するが,この洩れ流量Qa が許容値Qa0を越えた場合,吸着装置22の昇温速度Vt は許容値Vt0以下になる。
【0066】
そして,吸着されるコールドHCの量が減少し,全体の浄化能力が低下する。この不具合は,図5に示すようにVt がVt0よりも小さくなることによって判断することができる。
即ち,ステップ604において,昇温速度Vt がVt0以下である場合には,排気浄化装置1の故障と判定し,ステップ605で第1電磁弁27を閉路して第2動作状態(定常運転状態)とする。そして,ステップ606で故障情報を出力する。
上記のような一連の処理により,有害ガス吸着工程における装置の故障の有無を診断できる。
【0067】
一方,エンジン51が暖機して,ステップ602において,前記温度Tが吸着装置22のHC吸着可能温度Ta を越えると,ステップ610に進み,第1電磁弁27が閉弁される。
これによりアクチュエータ231への負圧の供給が遮断され,アクチュエータ231は内蔵のスプリングの弾性力により,シャフト232を押す。
【0068】
そのため,第1流路開閉手段23は実線位置(流路開閉手段23 開位置)となり,排気ガスの流路が切換えられ,吸着装置22の存在しない第2メイン流路32を流れる。
このときは,触媒装置21は既に活性化温度に達しており,排気ガス中のHCは触媒装置21で浄化され,HCをほとんど含まない排気ガスが,第2メイン流路32から排出流路34を経て大気中に放出される。
【0069】
そして,ステップ611〜613において,吸着装置22の温度Tが脱離浄化終了温度Td を越えた値になるまで次の操作を続ける。
即ち,第1電磁弁27が閉弁された直後から温度センサ15の値を読み込み,この吸着装置22の温度Tをモニタし,ステップ611においてこの値Tが上記Td 以下であれば,ステップ612に進み第2電磁弁28が開弁される。
これにより吸入管272と吸入管271が連通し,サージタンク53から第2流路開閉手段24に負圧が供給され,流路開閉手段24が開弁する。
【0070】
一方,吸着装置22の側面では,既に高温となった排気ガスが第2メイン流路32を流通している。この温度の排気ガスは図2に示す隔壁223の穴224を介し,吸着装置22の吸着剤担持層220と接している。
そのため,排気ガスの熱は吸着剤担持層220に良好に伝えられ吸着剤が昇温してHCの脱離を促進する。
【0071】
このとき,上記のように流路開閉手段24は開弁されているから排気マニホールド52内に発生する排気脈動は戻し流路35を介して方向弁25を断続的に開弁させる。
これにより吸着装置22の吸着剤担持層220の吸着剤から脱離したHCは戻し流路35を経て排気マニホールド52に流入する。そしてエンジン51からの排気ガス中のHCとともに触媒装置21で浄化される。
【0072】
そして,図6に示すように流路開閉手段23からの洩れ流量Qd (図4)が許容値Qd0以上であれば,吸着装置22の昇温速度Vtdは許容値Vt1以上になる。
即ち,アクチュエータ231,シャフト232,ブレード230などが破損した場合は,上記洩れ流量Qd が許容値Qd0を越え,排出流路34には通常の流量以上に排気ガスが流れる。
【0073】
また,触媒装置21へ還流されるHCの戻し量が減少し,全体の浄化能力が低下する。これは図6に示すようにVtdがVt1以上となることによって判断できる。即ちステップ613の結果がNO(否)であることによって,装置が故障であると判定することができる。
【0074】
また,上記流路開閉手段23のアクチュエータ231,シャフト232,ブレード230が正常に作動していても,リード弁26が故障すると触媒装置21へ還流される排気ガス流量Qr (図4)が減少する。
そして,吸着装置22に対する伝熱が悪くなり,上記Vtdが低くなる。
即ち上記戻し流量Qr が許容値Qr0以下になると,図7に示すように,昇温速度Vtdは許容値Vt2以下になる。それ故,リード弁26の故障の場合もVtdがVt2以下になることによって検知することができる。
【0075】
即ち,ステップ613でNO(否)と判定された場合には,ステップ614において第2電磁弁28を閉じて定常状態とし,ステップ606にて装置故障情報を出力する。
流路開閉手段23が開位置(実線図示)に切換えられて上記HC脱離浄化工程に入った後,正常にステップ613の条件を満足し続ける場合には,やがてステップ611においてHCの脱離浄化が完了する温度Td に到達し(T>Td ),ステップ615に進み第2電磁弁28および流路開閉手段24を閉じて定常の運転状態となる。
【0076】
上記のように本例の排気浄化装置1では,触媒が活性化温度に達するまでのエンジン冷間時にもコールドHCの放出が防止される。そして本装置1では,コールドHCを吸着剤に吸着させる時も,HCを脱離浄化させる時も,故障診断装置10が吸着装置22の昇温温度Vt をモニタして装置の故障を自己診断することができる。
上記のように,本例によれば,装置の自己診断機能を有し排気浄化特性の良好な排気浄化装置1を提供することができる。
【0077】
実施例2
本例は,図8,図9に示すように,実施例1において,故障診断装置11を変更した第2発明の実施例である。
即ち,図8に示すように,本例の故障診断装置11は,吸着装置22の前後の差圧を測定する差圧計16を有し,これによって吸着装置22を通る流量Qt を測定し,図9に示す故障診断のフローチャートに従って排気浄化装置1の故障を診断する。
【0078】
図8のシステム構成図および図9のフローチャートにより,上記実施例1と本例との相違点を中心に説明する。
吸着装置22の内部にはマノメータ(差圧計)16が配備されており,吸着装置22の通孔221(図2)を流れる排気ガスの差圧をモニタしている。
【0079】
始めに,ステップ601においてエンジン51が始動する(IG.ON)と,コントローラ41は図示しないエンジン水温センサや排気温センサからの信号を受け,吸着装置22の吸着の可否を判断する。
即ち,ステップ621において,例えば上記水温センサの値Tw (℃)が吸着可能温度Twa(℃)以下であると,ステップ603以下の工程に進む。
ステップ603で第1電磁弁27が開弁され,排気ガスは吸着装置22を流れ,排気ガス中のコールドHCが吸着される。
【0080】
続くステップ623において,エンジン始動後の時間tをチェックし,所定の時間(ta)を経過した場合には,吸着工程を完了し,ステップ610に進み,コントローラ41からの信号で第1電磁弁27が閉弁し,流路開閉手段23は実線の定常位置に切換えられる。そして,既に高温となって活性化した触媒装置21でHCを浄化された排気ガスは第2メイン流路32を流れる。
【0081】
一方,ステップ623で上記所定の時間taに達していないと判定された場合には,吸着工程を継続する。そしてコールドHCを吸着している間,吸着装置22には排気ガスが流れているため,マノメータ16には差圧が生じる。
この差圧は吸着装置22内を流れた排気ガス流量Qt との間に一定の関係を有するから,これによって流量Qt を知ることができる。
【0082】
そして,流路開閉手段23からの洩れ流量Qa (図4)が増加すると,図10に示すように,上記Qt は減少する(エンジンから排出される排気ガスの総量QE は(Qt +Qa )であるため)。
もしアクチュエータ231,シャフト232,ブレード230などが破損した場合,上記Qa は許容値Qa0以上になる。そして,図10に示すように,Qt はQ0 以下になり,吸着されるコールドHCの量が減少し,全体の浄化能力が低下する。即ちステップ624で条件を満足する場合には,排気浄化装置1の故障と判定することができる。
【0083】
ステップ624の条件を満足する場合には,ステップ605に進み第1電磁弁27を閉じて定常状態とした後,ステップ606で装置故障の情報を出力する。
一方,ステップ623において,前記のようにエンジン始動後に所定の時間taが経過した場合には,エンジンは暖機状態となっているから,前記のようにステップ610に進み第1電磁弁27を閉弁して脱離工程に入る。
【0084】
そして,続くステップ612でコントローラ41が第2電磁弁28を開弁させる。
その結果,上記実施例1と同様に,第2流路開閉手段24が開弁され,方向弁25が断続的に開弁されて,吸着剤から脱離したHCは排気マニホールド52に流入し,エンジン51からの排気ガス中のHCとともに触媒装置21で浄化される。
【0085】
次にステップ632において,再び運転開始後の時間tをチェックする。そして第2電磁弁28の開弁後にHCが完全に脱離・浄化するに至る時間(ta+td)を経過した後は,ステップ615に進み,第2電磁弁28はコントローラ41からの制御信号で閉じられ,これにより,第1流路開閉手段24は閉弁し,一連の浄化工程が完了し定常の運転状態とする。
【0086】
一方,HCの脱離・浄化工程の間(従ってt≦ta+td),吸着装置22には還流排気ガスが流れているため,マノメータ16には差圧が生じる。この差圧は,前記のように吸着装置22内を流れる排気ガス流量Qtdに比例した値を示す。そして,図11に示すように,流路開閉手段23からの洩れ流量Qd (図4)が増加すると,上記流量Qtdは増加する。
【0087】
もしもアクチュエータ231,シャフト232,ブレード230などが破損した場合には,上記Qd は許容値Qd0以上になり,そのため流量Qtdは図11に示すようにQ1 以上になる。
そのため,戻し流路35から還流されるHCの量が減少し,全体の浄化能力が低下する。
【0088】
それ故,吸着装置22内の差圧をモニタすることによって上記装置の故障を診断することができる。
即ち,ステップ633において,脱離工程における通過流量QtdがQ1 以上である場合には,ステップ614において第2電磁弁(流路開閉手段24)を閉路した後,ステップ606において装置故障情報を出力する。
【0089】
一方,上記アクチュエータ231,シャフト232,ブレード230が正常に作動していても,リード弁26が故障すると戻し流路35から触媒装置21へ還流される排気ガス流量Qr (図4)が減少する。
一方,吸着装置22内を流れる排気ガス流量Qtdと上記戻し流量Qr とはほぼ等しく,上記Qtdが,図12に示す許容値Q2 以下になると,吸着装置22の昇温が遅れる。そして,HCを離脱・浄化する設定時間(tatd)を過ぎても脱離・浄化が完了しないという不具合を生ずる。
【0090】
従って,リード弁26の故障についても通過流量Qtdが設定値Q2 以下になることによって判断することができる。
即ち,ステップ633において,通過流量QtdがQ2 以下である場合には,ステップ614,606に進み装置故障の情報を出力する。
【0091】
本実施例は吸着装置22内の通過流量を計測するため,HCの吸着時,脱離・浄化時のどちらの場合においても流路開閉手段23からの漏れを高精度に検出でき,かつリード弁26の異常も検出できるため,第1の実施例よりもさらに故障診断が正確になる利点がある。
その他については,実施例1と同様である。
【0092】
実施例3
本例は,図13,図14に示すように,実施例1において故障診断装置12を変更した第3発明の実施例である。
即ち,図13に示すように,本例の故障診断装置12は,HCセンサ17によって排出流路34におけるHC濃度を検出し,図14に示す故障診断のフローチャートに従って排気浄化装置1の故障を診断する。
【0093】
ステップ601において,エンジン51が始動する(=IG.ON)とステップ621に進む。そして,ステップ621で図示しないエンジン水温センサや排気温センサからの信号を受け,コントローラ41により吸着装置22の吸着の可否が判断される。
例えば水温センサの値Tw (℃)が吸着可能温度とTwa(℃)以下であると,HCの吸着工程であると判断し,次のステップ603に進み第1電磁弁27が開弁され,排気ガスは吸着装置22を流れ,排気ガス中のコールドHCが吸着される。
【0094】
そして,コールドHCを吸着している間,ステップ641において排気ガスのHC濃度CはHCセンサ17によって検知され,故障診断装置12にモニタされている。
この濃度Cの変化の一例を図15に示す。HC濃度Cはエンジン51の始動直後から吸着装置22の吸着により小さくなっており,その値は正常では許容値Ca 以上となることはない。
【0095】
しかし,第1流路開閉手段23からの洩れ流量が増加したり,吸着装置22の破損等によって図2に示す穴224から排気ガスが洩れるようなことがあると,吸着されるコールドHCの量が減少し,Cは許容値Ca 以上になる。
そのため,ステップ641において,HCセンサ17の濃度Cをチェックし,上記HC濃度Cが設定値Ca より小さいかどうかを監視する。
【0096】
もし,HC濃度CがCa 以上であれば,実施例1,実施例2と同様にステップ605,606に進み,装置故障情報を出力する。
即ち,上記のように流路開閉手段23が不具合となった場合には,ステップ641においてHC濃度Cを監視することにより装置故障を検出することができる。
【0097】
一方,ステップ641においてHC濃度が正常値(C<Ca )である場合にはステップ623に進み,ステップ623において,始動後の時間tをチェックし,所定時間ta内(t≦ta)であれば,ステップ603を経て前記HC濃度Cのチェックルーチン(ステップ641)を継続する。上記所定時間taは,前記のようにHC吸着を継続すべき時間である。
【0098】
一方,ステップ623において,エンジン始動後,所定の時間(ta)が経過すると,ステップ610に進みコントローラ41からの信号により第1電磁弁27を閉弁し,流路開閉手段23は図13の実線の位置に切換えられる。
これにより,排気ガスは,既に高温となって活性化した触媒装置21でHCを浄化されて第2メイン流路32を流れる。
【0099】
そして,ステップ612において,第2流路開閉手段24を開状態にする。
その結果,方向弁25は断続的に開弁されて,吸着装置22から脱離したHCは,排気マニホールド52に流入し,エンジン51からの排気ガス中のHCと共に触媒装置21で浄化される。
【0100】
そして,ステップ645において,HC脱離工程におけるHC濃度Cがチェックされる。
HC脱離工程におけるHC濃度Cは,図16に示すように,正常ならば極めて小さな値を示す。
従ってもしHC濃度Cが設定値Cd 以上であれば,異常であり,ステップ614,606に進み第2流路開閉手段24を閉路して定常状態とし,装置故障情報を出力する。なお,上記設定値Cd は,前記設定値Ca よりも小さな値である。
【0101】
HC濃度Cが設定値Cd 以上となる原因には,流路開閉手段23からの洩れ流量Qd の増加,吸着装置22の破損による穴224(図2)からの排気の洩れ,戻し流路35の閉塞による吸着装置22の上流側から第2メイン流路32へのHCの洩れ,などの不具合がある。
【0102】
上記のように,本例の故障診断装置12によれば,流路開閉手段23の不良,吸着装置22の不良,戻し流路35の閉塞などによる装置故障を検知することができる。
一方,ステップ645においてHC濃度が正常な状態を継続し,ステップ646において脱離工程の時間(ta+td)が経過した場合には,ステップ615に進み,定常運転時のように流路開閉手段24を閉じて故障情報を出力することなく故障診断ルーチンを終了する(故障なし)。
【0103】
本実施例は第1の実施例に比べ,吸着装置22後方のHC濃度を直接計測するため,吸着時,脱離・浄化時のどちらにおいてもHCの洩れを高精度に検出でき,第1の実施例よりもさらに故障診断が正確になる利点がある。
その他については,実施例1と同様である。
【0104】
実施例4
本例は,図17,図18に示すように,実施例1において故障診断装置13を変更した第4発明の実施例である。
即ち,本例の故障診断装置13は,図17に示すように,戻し流路35におけるHC濃度を検知するHCセンサ18を配設し,図18に示す故障診断フローに従って排気浄化装置1の故障を自己判断する。
【0105】
なお,図17において,HCセンサ18は,戻し流路35の吸着装置22寄りに配置してあるが,戻し流路35におけるエンジン51寄りに配置してもよい。
ステップ601においてエンジン51が始動すると,図示しないエンジン水温センサや排気温センサからの信号を受け,コントローラ41により吸着装置22による吸着の可否が判断される。
【0106】
即ち,ステップ621においてその値Tw (℃)が吸着可能温度Twa(℃)以下であると,ステップ603で第1電磁弁が開弁され,排気ガスは吸着装置22を流れ,排気ガス中のコールドHCが吸着される。
続いて,ステップ623でエンジン始動後,所定の時間(ta)が経過すると,ステップ610でコントローラ41からの信号で第1電磁弁27が閉弁し,流路開閉手段23は図17の実線の位置に切換えられる。
【0107】
これにより,排気ガスは,既に高温となって活性化した触媒装置21でHCが浄化され,第2メイン流路32を流れる。
上記のようにエンジン51が暖機して第1電磁弁27が閉弁した後,ステップ612でコントローラ41は電磁弁28を開弁させる。
【0108】
そして,上記第1の実施例と同様に流路開閉手段24が開弁され,方向弁25が断続的に開弁されて,吸着装置22から脱離したHCは排気マニホールド52に流入し,エンジン51からの排気ガス中のHCとともに触媒装置21で浄化される。
そしてステップ646で,HCが完全に脱離・浄化するに至る時間を経過した後〔t>(ta+td)〕,ステップ615において,第2電磁弁28はコントローラ41からの信号で閉じられ,これにより,流路開閉手段24は閉弁し,一連の浄化作業が完了する。
【0109】
HCを脱離・浄化している間,HCセンサ18の配備されている戻し流路35には還流される排気ガスが流れている。そして,吸着装置22からはHCが脱離する。
このHC濃度Cは,図19に示すように,始めの間は時間とともに吸着装置22が熱せられて増加する。そして吸着していたHCが全て脱離し終わると,その値は第2メイン流路32を流れるHCと同様に非常に小さい値になる。
そして,装置が正常な場合には,HCが脱離・浄化している時間内〔ta<t<(ta+td)〕において,HC濃度Cに戻し流量Qr を乗じて時間積分した値,すなわち還流HC総量Wは許容値W0 以上になる(図20)。
【0110】
故障診断装置13には,戻し流路35を流れる還流流量Qr を,エンジン51の運転状態から算出できる演算プログラムがあらかじめセットされている(流量算出手段)。そして,上記Qr とCとから,積算手段はHC総量Wを算出する。
そして,流路開閉手段23からの洩れ流量が増加したり,吸着装置22の破損によって図2の穴224から排気ガスが洩れるようなことがあると,還流されるHCの量が減少し,上記WがW0 を超えなくなってしまう。
【0111】
また,リードバルブ26が故障してHCが還流されなくなってもHCの量が減少し,上記WがW0 を超えなくなってしまう。
従って,もしアクチュエータ231,シャフト232,ブレード230,吸着装置22,さらにはリードバルブ26が破損した場合には,ステップ650において,上記のように還流されるHC濃度Cをモニタすることにより上記装置の故障を診断することができる。
【0112】
そして,ステップ650において,還流HC量が上記W0 以下である場合には,ステップ606に進み,故障情報を出力する。
その他については,実施例1と同様である。
【0113】
実施例5
本例は,第5発明の実施例であり,図21,図22に示すように,実施例1において故障診断装置14を変更したもう一つの実施例である。
即ち,本例の故障診断装置14は,図21に示すように,吸着装置22の下流と戻し流路35とにそれぞれ温度センサ190,191を設け,これによって吸着装置22及び戻し流路35を通る排気の温度Tri,Treを測定し,図22に示すフローチャートに従って排気浄化装置1の故障を診断する。
【0114】
始めに,ステップ601においてエンジン51の始動を検知すると,ステップ652に進む。ステップ652では,温度センサ190からの信号を受け,その温度Triの値をチェックし吸着装置22における吸着能力の有無を判断する。
即ち,ステップ652において,上記温度Triの値が吸着装置の吸着可能な温度Tria 以下である場合には,ステップ603において,第一電磁弁27を開弁し流路開閉手段23は図21の破線の位置に切り換えられ,排気ガスは吸着装置を流れ,排気ガス中のコールドHCが吸着される。
【0115】
次に,上記のようにコールドHCが吸着されている間に,ステップ654において,流路開閉手段23からの排気ガスの漏れ流量Qaの大小を判定する。この漏れ流量Qaの判定は,実施例1のステップ604と同様に昇温速度の大小によって行われる。ただし,実施例1においては,吸着装置22の昇温速度Vtを用いて判定していたが,本例においては,吸着装置22の下流を流れる排気ガスの温度の昇温速度Vt’を用いて判定する。上記昇温速度Vt’は,ステップ603において流路開閉手段23を閉じてから所定の時間(4〜5秒)待った後に測定され,判定に供される。
【0116】
その結果,昇温速度Vt’が許容値Vto’よりも小さいならば,流路開閉手段23の故障,即ち排気浄化装置1の故障と判定し,ステップ605において第一電磁弁27を閉路し,ステップ606において故障情報を出力する。
一方,上記ステップ652において,エンジンの暖機により前記温度Triが吸着可能な温度温度Tria を越えている場合には,ステップ610に進み,第一電磁弁27を閉路し,流路開閉手段23は図21の実線の位置に切り換えられる。そして,排気ガスは,既に高温となり活性化した触媒装置21においてHCを除去,浄化され,第二メイン流路32を流れて行く。
【0117】
そして,続くステップ656〜659において,温度Triが,吸着装置22からの脱離浄化終了の温度Trid を越えた値となるまで,次に述べる操作を継続する。
即ち,第一電磁弁27が閉路した直後から,温度センサ190の値を読み込み,この値Triを監視し,ステップ656において,温度Triが上記浄化終了の温度Trid 以下であれば,ステップ612に進み第二電磁弁28が開弁される。
そして,実施例1の場合と同様に流路開閉手段23を開弁し,方向弁25が断続的に開弁されて,吸着装置22から脱離したHCは排気マニホールド52に流入し,エンジン51からの排気ガス中のHCと共に触媒装置21において浄化される。
【0118】
この時,続くステップ657において,流路開閉手段23からの漏れ流量Qdの大小を判定する。この判定も,実施例1におけると同様に昇温速度Vtd’(但し吸着装置22下流の排気ガスの温度)によって行われる。
ここで,昇温速度Vtd’が許容値Vt1’よりも大きいならば,流路開閉手段23(排気浄化装置1)の故障と判定し,ステップ614において,第二電磁弁28を閉弁し,ステップ606において故障情報を出力する。
【0119】
一方,ステップ657において,昇温速度Vtd’が許容値Vt1’以下であり,流路開閉手段23が正常であると判断された場合には,ステップ658に進む。そして,ここで戻し流路35を流れる排気ガスの温度Treを温度センサ191によって測定し,同時に温度センサ190によって温度Triを測定する。
【0120】
そしてマイクロコンピュータ40には,上記温度Triと温度Treの相関係数Dを算出する手段(プログラム)が内蔵されている。
即ち,相関係数Dは,温度Tri,温度Treをサンプリング時間ts 毎にn個収集し,その平均値,標準偏差K,共分散Cを算出し,つぎのように求められる。
D=C(Tri,Tre)/{K(Tri)*K(Tre)}
ここで,
C(Tri,Tre)=〔Σ{Tri(i)−Tri(av)}*{Tre(i)−Tre(av)}〕/n
{K(Tri)}2 =〔Σ{Tri(i)−Tri(av)}2 〕/n
{K(Tre)}2 =〔Σ{Tre(i)−Tre(av)}2 〕/n
であり,
Tri(i)=Triのi番目のデータ
Tre(i)=Treのi番目のデータ
Tri(av)=n個のTriの平均値
Tre(av)=n個のTreの平均値
である。
そして,より具体的には,本例のサンプリング時間ts は0.5秒,nは100である。
【0121】
もしも,方向弁25が故障したり,第二開閉手段24が開弁しなくなった場合や,リード弁26のシール性能が低下して排気ガスの逆流が生じた場合には,還流される排気ガスの流量Qrが減少する(図4)。
第二開閉手段24が開弁不能になった場合には,還流排気ガスの流量Qrがゼロになるため,還流排気ガスの入口部の温度に相当する温度Triが第二メイン流路32に流れる排気ガスの温度に影響されて変動しても,戻し流路35内においては排気ガスの流れが無いために戻し流路35の途中の温度Treは変動しない(あるいは極めて小さい)。そのため,温度Triと温度Treとの相関が非常に小さくなり,相関係数Dは設定値を越えない。
【0122】
そのため,ステップ659に示すように,相関係数の大小により第二電磁弁24の故障を判定することが出来る。ここで故障と判定された場合には,ステップ614に進み,第二電磁弁28を閉弁し,ステップ606において故障情報を出力する。
また,方向弁26のシール性能が低下して排気ガスの逆流を引き起こす場合には,還流排気ガスの流量Qrは減少する。そして,排気マニホールド52から戻し流路35を経て排気ガスが吸着装置22に逆流する。従って,戻し流路35の途中温度に相当する温度Treは,還流排気ガスの入口部の温度変動だけでなく,上記逆流排気ガスの影響を被ることとなる。そして,この逆流排気ガスの温度変動は,第二メイン流路32に流れる排気ガスの温度変動と同期していないため,戻し流路35内の途中温度に相当する温度Treは,温度Triとの相関が非常に小さくなり,上記相関係数Dは,設定値を越えない。
【0123】
それ故,ステップ659において,リード弁26の故障を相関係数の大小によって判定することができる。そして,故障と判定された場合には,ステップ614において第二電磁弁28を閉弁し,ステップ606において,故障情報まを出力する。
【0124】
なお,流路開閉手段23が図の実線で示す開位置に切り換えられて前記HC脱離工程に入った後,正常にステップ612〜659のルートをたどる場合には,やがてステップ656において,HCの脱離浄化が完了する温度Trid に到達し,ステップ615に進む。そして第二電磁弁28及び流路開閉手段24 を閉じて定常の運転状態にはいる。
上記のように,本例によれば,装置の自己診断機能を有し排気浄化特性の良好な排気浄化装置1を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の排気浄化装置のシステム構成図。
【図2】実施例1の吸着装置の分解斜視図。
【図3】実施例1の排気浄化装置の制御及び故障診断のフローチャート。
【図4】実施例1の排気浄化装置における吸着装置の周辺の排気の流れ。
【図5】実施例1の排気浄化装置の吸着工程における昇温速度と洩れ流量Qa の関係を表すグラフ。
【図6】実施例1の脱離工程における昇温速度と洩れ流量Qd との関係を表すグラフ。
【図7】実施例1の脱離工程における昇温速度と戻し流量Qr との関係を表すグラフ。
【図8】実施例2の排気浄化装置のシステム構成図。
【図9】実施例2の排気浄化装置の制御及び故障診断のフローチャート。
【図10】実施例2の吸着工程における吸着装置の通過流量と洩れ流量Qa との関係を表すグラフ。
【図11】実施例2の脱離工程における吸着装置の通過流量と洩れ流量Qd との関係を表すグラフ。
【図12】実施例2の脱離工程における吸着装置の通過流量と戻し流量Qr との関係を表すグラフ。
【図13】実施例3の排気浄化装置のシステム構成図。
【図14】実施例3の排気浄化装置の制御及び故障診断のフローチャート。
【図15】実施例3の吸着工程におけるHC濃度の推移グラフ。
【図16】実施例3の脱離工程におけるHC濃度の推移グラフ。
【図17】実施例4の排気浄化装置のシステム構成図。
【図18】実施例4の排気浄化装置の制御及び故障診断のフローチャート。
【図19】実施例4の脱離工程におけるHC濃度の推移グラフ。
【図20】実施例4の脱離工程における還流HC量の積算値の推移グラフ。
【図21】実施例5の排気浄化装置のシステム構成図。
【図22】実施例5の排気浄化装置の制御及び故障診断のフローチャート。
【図23】実施例5の排気浄化装置において,正常時における吸着装置の下流部排気ガス温度Triと戻し流路内の排気ガス温度Treとの関係を示す図。
【図24】実施例5の排気浄化装置において,故障時における吸着装置の下流部排気ガス温度Triと戻し流路内の排気ガス温度Treとの関係を示す図。
【図25】実施例5排気浄化装置において,正常時と故障時における温度Triと温度Treとの相関係数Dの変化を示す図。
【符号の説明】
1...排気浄化装置,
10...故障診断装置,
21...触媒装置,
22...吸着装置,
23,24...流路開閉手段,
31...第1メイン流路,
32...第2メイン流路,
33...吸着流路,
35...戻し流路,

Claims (10)

  1. エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害ガスを吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記第1メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
    上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
    上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断し,
    一方,排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ,更に吸着流路から排出流路への排気の流れを遮断し,
    上記故障診断装置は,上記吸着装置の温度を測定し,上記第1動作状態においては上記温度の上昇速度が設定値以下である場合に装置故障と判定し,上記第2動作状態においては上記温度の上昇速度が所定の上限値以上もしくは所定の下限値以下である場合に装置故障と判定する判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置。
  2. エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害物質を吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記第1メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
    上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
    上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断し,
    一方排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ,更に吸着流路から排出流路への排気の流れを遮断し,
    上記故障診断装置は,上記吸着装置を通過する排気の流量を測定し,上記第1動作状態においては上記通過流量が設定値以下になった場合に装置故障と判定し,上記第2動作状態においては上記通過流量が所定の上限値以上もしくは所定の下限値以下になった場合に装置故障と判定する判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置。
  3. エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害物質を吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
    上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
    上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断し,
    一方排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ,更に吸着流路から排出流路への排気の流れを遮断し,
    上記故障診断装置は,上記排出流路における所定の排出ガスの濃度を測定し,該排出ガス濃度が,上記第1動作状態と第2動作状態とで異なる値に設定された設定値以上の値になった場合に装置故障と判定する判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置。
  4. エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害物質を吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記第1メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
    上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
    上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断する第1動作状態に上記流路開閉手段を操作し,
    一方排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ,更に吸着流路から排出通路への排気の流れを遮断し,
    上記故障診断装置は,エンジンの運転状態から上記戻し流路の排気流量を算出する戻し流量算出手段と,上記戻し流路における上記排出ガスの濃度を測定し上記第2動作状態における上記戻し流路を通った排出ガスの総量を積算する積算手段と,上記排出ガスの積算総量が設定値以下である場合に装置故障と判定する判定手段とを有していることを特徴とする排気浄化装置。
  5. 請求項3又は請求項4において,上記故障診断装置は,更に上記吸着装置の温度を測定し,上記温度の上昇速度が第1動作状態において設定値以上であるか否か,及び上記上昇速度が第2動作状態において所定の上限値以上もしくは所定の下限値以下であるか否かを判定する第2判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置。
  6. 請求項3又は請求項4において,上記故障診断装置は,更に上記吸着装置を通過する排気の流量を測定し,上記通過流量が第1動作状態において設定値以下であるか否か,及び第2動作状態において上記通過流量が所定の上限値以上もしくは所定の下限値以下であるか否かを判定する第3判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置。
  7. エンジンの排気通路に設けられた排気浄化装置であって,該排気浄化装置は,上記排気通路の上流側に位置し排気ガスを浄化する触媒装置を備えた第1メイン流路と,該第1メイン流路の下流に位置し有害ガスを吸着する吸着装置を備えた吸着流路と,上記第1メイン流路の下流に位置し上記吸着流路に並列な流路を形成する第2メイン流路と,上記吸着流路及び第2メイン流路の下流に位置する排出流路と,上記吸着流路から分岐し上記触媒装置の上流側に至る流路を形成する戻し流路と,上記吸着流路,第2メイン流路及び戻し流路を開閉する流路開閉手段と,該流路開閉手段を制御するコントローラと,装置の不具合を自己診断する故障診断装置とを有しており,
    上記戻し流路には,上記吸着流路から触媒装置上流に至る排気の流れだけを許容する方向弁が設けられており,
    上記コントローラは,排気の低温時においては,上記流路開閉手段を第1動作状態に操作し,これによって上記戻し流路を閉路し上記吸着流路を通った排気を上記排出流路に流通させると共に上記第2メイン流路から排出流路に至る排気の流れを遮断し,
    一方,排気の高温時においては,上記流路開閉手段を第2動作状態に操作し,これによって上記第2メイン流路から排出流路に排気を流通させると共に上記戻し流路を開路して上記吸着流路を通った排気を戻し流路に流通させ,更に吸着流路から排出流路への排気の流れを遮断し,
    上記故障診断装置は,上記吸着装置の下流側と上記戻し流路とのそれぞれの排気温度を測定し,上記第2動作状態において,上記二つの排気温度の間の相関関係の程度を算出し,この相関関係の程度が一定の水準に達しない場合に装置故障であると判定する判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置。
  8. 請求項7において,上記判定手段が,上記二つの排気温度の間の相関関係の程度を算出し,この相関関係の程度が一定の水準に達しない場合に装置故障であると判定する時期は,前記第2動作状態にあると共にエンジンがアイドリング状態にあることを条件とすることを特徴とする排気浄化装置。
  9. 請求項7において,上記判定手段が,上記二つの排気温度の間の相関関係の程度を算出し,この相関関係の程度が一定の水準に達しない場合に装置故障であると判定する時期は,前記第2動作状態にあると共に車両が減速状態にあることを条件とすることを特徴とする排気浄化装置。
  10. 請求項7から請求項9のいずれか1項において,上記故障診断装置は,更に,上記吸着装置の温度を測定し,この温度の上昇速度が第1動作状態において設定値以上であるか否か,及びこの上昇速度が第2動作状態において設定値以上であるか否かを判定する第4判定手段を有していることを特徴とする排気浄化装置。
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